熊野・那智ガイドの会が現在、那智勝浦町内宿泊施設で「那智参詣曼荼羅(まんだら)絵解き」の活動をしている。ゴールデンウイーク初日の4月27日には休暇村南紀勝浦で行い、宿泊客約50人が、熊野に息づく信仰の世界に触れた。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年を盛り上げようと企画。休暇村南紀勝浦とホテル浦島で実施している。
宿泊客の前に熊野比丘尼(びくに)に扮(ふん)した石坂容子さんが登場。「曼荼羅は仏様の世界という意味。かつてはここ熊野が、仏様の世界と信じられていた」と語り出し、補陀落渡海の那智の浜から大門坂、熊野那智大社、青岸渡寺、那智の滝、死者の魂が訪れる妙法山などを巡った。当日の那智山での写真を振り返りつつ、耳を傾ける宿泊客の姿もあった。
3世代の一家6人で当地方を訪れた丸山隆一君(7)は、曼荼羅図に興味津々。母親の真澄さんは「1枚の絵に、生と死の両方の世界が描かれているのが面白い。熊野市の鬼ヶ城から那智勝浦町、太地町のくじらの博物館、白浜のアドベンチャーワールドと紀伊半島を一周する計画」と語った。
石坂さんは「絵解きを聞いていただいてから那智山を歩くと、何倍もその価値が増す。登録20周年を機に、那智参詣曼荼羅や絵解きについても、広めていきたい」と話していた。
(2024年5月1日付紙面より)
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