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ロープワークに取り組む生徒たち=23日、近畿大学附属新宮高校
近大新宮で「防災スクール」
1年生41人が知識や技能学ぶ

 近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)で23日、「防災スクール」があった。1年生41人がロープワークや毛布での担架作りなどに取り組み、災害時に役立つ知識や技能を学んだ。

 自衛隊和歌山地方協力本部新宮地域事務所の協力。災害時に率先して対応できる能力を身に付けることが目的で、これまで1年生を対象に2回開催、止血法や食品を温めるヒートパックの使用法などを学んできた。

 今回は溝尾武志所長ら4人の自衛官が来校、これまでの講義で伝えた技術の復習に加え、簡単な護身術も教えた。

 生徒たちは3班に分かれ▽ロープワーク▽毛布での担架作成と搬送法▽護身術―の三つの講義を順番に受けた。

 ロープワークでは本結び、巻き結び、もやい結びの基本的な3種類を学び、自衛官の手つきを見ながら懸命に取り組んだ。

 竹の棒と毛布を使った担架の作成は、以前学習したこともあり、生徒全員が手際よく完成させた。毛布のみを用いての搬送は、握力がかなり必要で苦労していたが「けがをした家族を運ぶと考えて」という自衛官の言葉に応え、真剣な表情で行った。

 護身術は溝尾所長が「災害時の避難所では暴力事件なども実際に発生している」と解説。生徒たちはつかみかかってきた相手の手首をひねる、腕力を必要としない身の守り方を学んだ。

 その他、航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」の飛行を立体映像ゴーグルで疑似体験する時間もあり、生徒たちは椅子に座ったままジェット機の飛行を楽しんだ。

 山田智椛さんは「前に教わって忘れていることもあったので、良い復習になった。ロープワークは洗濯物を干す時とか、災害時以外にも日常で使えるし、勉強になった」と話していた。

(2025年10月26日付紙面より)


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「白のきずな」をPRする生徒たち=24日、御浜町の県立紀南高校
学校 紀州犬で地域おこし
菓子「白のきずな」を販売へ
紀南高校
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紀南高
 県立紀南高校(福田英成校長)の3年次選択科目「地域創造学」受講生とJRC(青少年赤十字)部の生徒が、御浜町の地域資源である天然記念物・紀州犬をテーマにした「紀州犬の輪プロジェクト」に取り組んでいる。その一環として、オリジナル商品「白のきずな」を完成させ、24日に同校で発売報告会を開いた。

 同プロジェクトは、地域に根付きながらも全国的な認知度が低い紀州犬に注目し、ブランド化を通じて地域活性化と観光振興につなげることを目的としている。糸川屋製菓と連携し、紀州犬をモチーフにしたクリームサンド菓子を共同開発した。

 この日は、生徒9人が作業教室でパッケージ詰めを行い、その後、校長室で商品完成を報告。代表の今井椛和さん(3年)が「白のきずなはミルククリームサンドで、紀州犬の子犬の顔の焼き印が入ったお菓子。見た目にも楽しめる、お土産にもなるお菓子、SNSでも映えると思う。当日は、ぜひ、お越しください」と話した。

 「白のきずな」は8枚入り税込み200円。11月2日(日)に道の駅「パーク七里御浜」で開かれる「みかん・リンゴ祭り」で販売する。会場では実物の紀州犬の展示や子ども向けクイズも予定しており、来場者との交流を通して紀州犬の魅力発信を図る。

(2025年10月26日付紙面より)

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福村成哉主査研究員が講演=23日、太地町の国際鯨類施設
地域 南紀熊野ジオパークの研修
東牟婁議員連盟協議会
太地町
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南紀熊野ジオパーク
災害
 太地町の国際鯨類施設で23日、南紀熊野ジオパーク東牟婁議員連盟協議会の研修会が開かれた。郡内の町村から議員や事務局員ら約50人が参加し、県立南紀熊野ジオパークセンターの福村成哉主査研究員が「ユネスコ世界ジオパークと南紀熊野ジオパーク」をテーマに講演した。

 冒頭、芝山定史会長(串本町議会議長)が「2年ぶりの研修会。ジオパークへの理解を深め、持続可能な地域発展に生かしてほしい」とあいさつ。

 福村さんはジオパークについて「国際的に重要な地質遺産を持つ、一種の自然公園」と説明。発足の経緯に触れ「フランスのオートプロバンス地質保護区で化石の盗掘が問題となり、これを契機に1991年に『地球の記憶の権利に関する宣言』が行われた。2000年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の支援を受け、欧州ジオパークネットワークが発足した」と述べた。

 「地質遺産は地球46億年の歴史と生命の営みを伝える貴重な記録。化石や地質資源を売らなくても地域の発展が可能になるよう、ジオツーリズムの推進やガイド育成など、地域に利益をもたらす仕組みづくりが重要」と語った。

 那智の滝や橋杭岩、瀞峡、滝ノ拝などの成り立ちや、地形が与えた文化への影響を紹介。太地町の捕鯨について「山見があった平見地区は、波の浸食でできた平らな地形が隆起して形成された。町には断層もあり、その周辺にできた砂浜でクジラを引き揚げていた。捕鯨が盛んだった背景にも地形がある」と話した。

 現在、日本には48地域のジオパークがあり、うち10地域がユネスコ世界ジオパークに登録されている。福村さんは「世界ジオパーク登録を目指すには、まず日本ジオパーク委員会の推薦を受ける必要がある。推薦できるのは1年に2件のみ。さらに世界ジオパーク評議会の審査を経て、ユネスコ執行委員会の承認を得る必要がある」と説明。▽地質遺産の国際的価値▽運営・管理体制▽教育・普及活動▽自然資源・地質災害・気候変動への取り組み▽国際ネットワークとの連携―などが評価項目にあるとし「基準は年々厳しくなっているが、この地域には世界的にも優れた地質遺産がある。地質の視点からその魅力を伝えていきたい」と話していた。

(2025年10月26日付紙面より)

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