和歌山県立新宮高校(下村史郎校長)はこのほど、文部科学省の教育改革推進事業として推進している「N―E.X.T(ネクスト)ハイスクール構想」実現に向けた取り組みの概要を発表した。
「新宮高校を、地域の未来を自らの手で切り拓(ひら)く人を育てる、東牟婁地地域の核に」との方向性を定め、将来予測される理数系人材の不足という国家的・地域的課題に対応することを目的とした。予算約16億円、2年半にわたる大規模教育改革計画となる。
同校では採択の決定後、事業の円滑かつ適切な運用に向け、約20人の教職員で構成するプロジェクトチームを結成した。
さらに外部人材として関西学院大学国際学部の關谷武司教授、兵庫教育大学大学院学校教育研究科の吉田夏帆准教授を招き、本計画への助言や提案を参考にしつつ、具体的な内容を協議してきた。
事業の柱として現在、公設民営塾「彩雲塾(仮称)」の校内への設置、大規模な施設改修と新機材の導入を進めている。
「彩雲塾」は民間企業に委託した無償の学習塾を校内に設置する取り組み。学校プラス公設民営塾の授業で、大都市で塾に通う生徒との地域的学習格差を減らすことが狙い。
施設改修は化学・物理・生物・視聴覚の各専門教科の教室やトレーニングルーム、会議室、自習室などを全面的に刷新、高度な実験設備も導入し、その利用法などノウハウ習得も含め2027年までに終えるとしている。
これらの計画を進めるに当たっての助言・提案や実務、外部組織との連携に当たる人材として、關谷教授、吉田准教授のほか、数人のコーディネーターも採用した。
計画は単に設備の充実や、理数系などへの進学率の向上だけでなく、生徒それぞれに合った段階で理数分野への興味を育み、楽しさを実感できる「理数系の裾野を広げる教育モデルの構築」が目標だという。
計画の進捗(しんちょく)なども随時、同校のホームページなどで報告するという。下村校長は「理数系人材の育成というのは観光、製造、医療、教育、行政など、東牟婁地域にも大きな影響を与える課題。地域の皆さまの理解と支援を頂きつつプロジェクトを進め、本校だけにとどまらない、地域活性化につなげていきたい」と話していた。
(2026年10月25日付紙面より)