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新高田会館に本年度設置したトイレコンテナ=16日、新宮市高田
避難所環境の〝質〟向上へ
トイレコンテナなど資機材導入
新宮市

【この記事のキーワード】
災害発生
防災訓練
熊野川小
災害
防災
 新宮市は本年度から、避難所の生活環境を大幅に改善するための資機材導入を本格化させた。市内10カ所の中核避難所のうち、新高田会館、蓬莱体育館、佐野会館、熊野川小学校の4カ所で整備を完了。来年度以降も順次拡充し、全避難所への配置を目指す。16日に新高田会館で行われた「高田区・高田支所合同防災訓練」で、初めて新資機材を用いた訓練があった。

 近年、避難生活中の衛生環境の悪化などにより発生する「災害関連死」が大きな課題となる中、市は国の「新しい地方経済・生活環境創生交付金」を活用して整備を推進。トイレ(Toilet)、キッチン(Kitchen)、ベッド(Bed)の頭文字を取った「TKB」を避難所環境の重要要素として位置付け、国際的な「スフィア基準」に近い生活環境の確保を目標に掲げている。

 今回導入したのは、トイレコンテナ、自動パック式トイレ、ワンタッチパーティション、ワンタッチ式簡易ベッドなど。全てが敷地内のトイレコンテナに格納できる仕様となっており、平時は備蓄倉庫として活用される。災害時には内部を仕切り、自動パック式トイレを設置。袋を自動で密閉するため、衛生管理の向上が期待される。

 パーティションは避難者のプライバシー確保に寄与し、簡易ベッドはエコノミー症候群の予防に効果がある。必要な資機材を一体的に備えることで、避難所の質を大きく底上げする狙いがある。

 合同訓練は災害発生後、道路の寸断により孤立し、トイレが使えないと想定。新宮市消防団高田分団、地区住民、市職員ら約50人が参加した。参加者は災害用特設公衆電話の説明、避難所開設訓練、資機材の扱い方の確認、衛星電話通信訓練などに取り組み、新たな設備の操作や活用方法を学んだ。

 高田区防災委員の中道活好委員長は「災害発生後の避難所では気を使ってトイレに行かない人がいるかもしれない。コンテナトイレの設置は大変ありがたい」と話していた。

(2025年11月21日付紙面より)


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ナイフを持った不審者を取り押さえた=19日、新宮港
地域 新宮港テロ 水際で防げ
関係10機関が対策訓練
手順を確認、連携強化
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火災
 新宮港テロ対策訓練が19日、新宮港であった。港湾保安の関係10機関から約70人が参加。合同で不審者逮捕などの訓練を行い連携を強化、水際対策を再確認した。

 田辺海上保安部や新宮警察署などで組織する新宮港港湾保安委員会(河尻拓郎委員長=県東牟婁振興局新宮建設部長)の主催。組織機関が訓練の参加機関でもある。テロ事案に対する関係機関の対応を相互に確認し、的確に対応することを目的に、2006年から毎年実施している。

 開始に当たり、河尻委員長があいさつ。中国の海洋進出の拡大や北朝鮮の弾道ミサイル発射などを例に「わが国を取り巻く状況は厳しいものになっている」と説明。「テロ対策訓練を実施することで、水際対策の重要性、必要性を再確認するとともに、組織のつながりを強化し、より安全安心な港にしたい。有意義な訓練となることを祈念する」と語った。

 松井幸紀・新宮港港湾危機管理担当官(=田辺海上保安部長)もあいさつ。昨今の国際テロ情勢について「脅威は依然として継続しており、わが国でも突如テロが発生する可能性を否定できない」と強調。「港湾における水際危機管理はテロ対策の要であり、阻止のためには緊張感を持って対応はもちろん、関係機関の連携も重要。訓練で関係機関の連携が強化され、対応能力を高める機会となることを祈念する」と述べた。

 訓練は▽岸壁への侵入や外国籍船舶の船員との接触を行う不審者▽逃走した不審者や拳銃所持船員▽入国審査における不審船員▽船舶検査で海上逃走した不審者―の発見や確保のほか、時限発火装置による火災に伴う負傷者の救助および消火を行った。不審者はナイフを振り回し、逃走船舶からは発砲が行われるなど、緊迫した状況を想定して実施。いずれも各機関で連携して対応した。

(2025年11月21日付紙面より)

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抹茶をいただく児童=18日、那智勝浦町の市野々コミュニティセンター
地域 茶道・香道体験楽しむ
市野々婦人会が児童招く
那智勝浦町
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市野々小
 那智勝浦町の市野々婦人会(田中暁枝会長)は18日、市野々コミュニティセンターに町立市野々小学校の児童を招き、お茶会を開いた。全校児童29人が2グループに分かれて参加し、抹茶と和菓子、香道を体験した。

 行事は地域住民との交流を図るとともに、伝統文化に触れることで礼儀作法を身に付けてもらおうと毎年実施している。会員は和装で児童を迎えた。床の間には菊やツワブキ、ミズヒキソウなど秋の花を生け、松ぼっくりの香合を飾った。掛け軸は「何ものにも執着しない心には無限の可能性がある」との意味を持つ「無尽蔵」。

 3~6年生は抹茶と和菓子を味わい、3種類の香を聞き分ける組香(くみこう)にも挑戦した。

 1年生から参加している稲垣寛和さん(6年)は「今年で最後だが、楽しい経験になった」とあいさつ。組香で正解した稲垣陽大さん(4年)も「うれしかった」と笑顔を見せた。

 田中会長は「毎年来てくれて、こちらも励みになる。豊かな気持ちになれる時間でした」と話した。

(2025年11月21日付紙面より)

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