熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

提供された魚が「しまだ」で調理・販売されている
「食害魚」駆除に交付金
食材として活用する事業も展開
那智勝浦町

【この記事のキーワード】
漁業協同組合
 那智勝浦町水産振興会(片谷匡会長)は今月から、海藻を食べて藻場造成の妨げとなっている「食害魚」の駆除に対して補助金を交付する「磯焼け対策食害魚駆除事業」を実施している。宇久井、那智、勝浦の3漁業協同組合が対象で、5魚種①ブダイ(イガミ)②アイゴ(アイノバリ・バリ)③ニザダイ(サンノジ)④タカノハダイ⑤イスズミ(イズスミ)―の駆除に対して、1㌔当たり500円を報償費として支払う。町の見込みでは、3事業所合わせて約2・2㌧の駆除を見込んでいるという。

  □     □

■藻場育成の現状と課題

 熊野地方沿岸では、磯枯れにより海藻の衰退や消失が進み、海藻を餌とするアワビやトコブシ、サザエ、海藻を隠れ場とするイセエビなどの水揚げが減少、漁業へ打撃を与えているこの問題に対して町が行っている藻場造成事業では、宇久井漁協同組合(向井誠士代表理事組合長)の協力を受け、築磯(人工的な岩礁造成)や和歌山県水産試験場が開発した高水温適性株のカジメ類による核藻場造成に取り組んでいる。

 藻場の育成に一定の効果が見られる一方、食害魚の被害が大きな課題となっている。そこで、今回の「磯焼け対策食害魚駆除事業」を通じて、漁業者の食害魚駆除に対して支援することで、藻場造成の促進や漁業者の藻場造成への理解と意識向上を図るだけでなく、食害魚を食材としての活用方法の検討を行うことを目指している。

  □     □

■おいしく調理・販売

 今年3月にオープンした、弁当・総菜の無人販売所「しまだ」(同町宇久井)では、今月から町から提供された食害魚を調理・販売をスタートさせた。

 各事業所が駆除した食害魚の大半は、町が買い取って処分する。町が一部鮮度の良いものは魚食の普及などに有効活用できないかと考えていたところ、宇久井漁協から「しまだ」を紹介され、今回の取り組みが始まった。

 提供された食害魚は、煮付けや干物、カルパッチョ、フライ、ホイル焼きなどでおいしく調理し、店の棚に並ぶ。

 島田秀樹店主によると、海藻を食べる魚たちなので、内臓に臭いがつきやすく、下処理を工夫しているという。「この地域ではブダイはポピュラー。田辺ではアイゴは干物で人気だし、イスズミは串本で人気。〝外道〟と呼ばれることもある魚たちだが、地域によってはおいしく食べられている。今後は町と協力してメニュー開発にも取り組んでいく」と話している。

 13日、ブダイの煮付け、ニザダイの刺し身、タカノハダイの塩焼きを試食した鳥羽真司副町長は「臭みを全く感じない。ぜひ多くの人に食べてもらいたい」と太鼓判。役場農林水産課は「今後は漁協の紹介を経て、町内外の飲食店や学校給食での活用も検討していきたい。〝食べて藻場を守る〟という意識を広げていければ」と話している。

(2026年10月17日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

買い物客に注意を呼びかけた=15日、紀宝町鵜殿の主婦の店
警察 特殊詐欺に注意を!
紀宝警察署などが啓発
地域安全運動
【この記事のキーワード】
被害額
 全国地域安全運動(11~20日)期間中の15日、紀宝町鵜殿の主婦の店パシフィックマーケットで紀宝警察署などによる啓発活動が行われ、買い物客に特殊詐欺に注意するよう呼びかけた。

 この日は紀宝署のほか、毎月15日に金融機関のATMが設置されている町内各所で啓発活動に取り組む紀宝町高齢者地域見守り隊、町地域包括支援センター、町社会福祉協議会の職員も参加し、出入り口前でチラシを配り、紀宝署管内でも被害が発生していることを伝えた。

 紀宝署によると、9月末現在の県内の特殊詐欺認知件数は652件(前年同時期比25件増)、被害額は38億9550万円(同1億3380万円増)となっている。紀宝署管内では7件発生し、3724万円の被害が出ている。

 内訳はニセ警察官詐欺とオレオレ詐欺が各2件、SNS型投資詐欺とSNS型ロマンス詐欺、架空料金請求詐欺が各1件。被害者は80代が最も多いという。9月下旬には80代の女性が息子を名乗る者から現金500万円をだまし取られた。

 怪しい電話やメールなどがあった場合は個人情報を伝えず、最寄りの警察署や警察相談専用電話(電話#9110)、消費者ホットライン(電話188)まで相談を。

  □     □

■「+」から始まる国際電話

 犯行に利用された電話番号のうち、国際電話番号の件数が増加傾向にある。警察庁などは「+(国番号)」から始まる国際電話番号に注意するよう呼びかけている。

 スマートフォンへの着信を防ぐには契約しているキャリアの着信拒否サービスや、電話着信規制アプリの利用を勧めている。

 固定電話も国際電話の発信・着信は無償で休止できる。ウェブ(QRコード)からも申し込みできるほか、最寄りの警察署でも簡単に手続きできる。

(2026年10月17日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

学習教材で災害時の支障を乗り越える方法を実践する参加者ら=10日、県立潮岬青少年の家体育館
防災 移動支援に役立つ知識学ぶ
車いす避難サポーター講座
串本町社会福祉協議会
 串本町社会福祉協議会(西野政和会長)が10日、県立潮岬青少年の家体育館で「車いす避難サポーター養成講座」を開き約60人が災害時に車椅子で移動支援をする場合に役立つ知識などを学んだ。

 この講座は南海トラフ巨大地震に伴う津波を見据えて車椅子による避難を迅速に行うための学習プログラムで、徳島文理大学保健福祉学部の柳澤幸夫教授が考案し学習教材を携えて展開している。

 町社協はその知識の必要性を感じ、今回初めて招致したという。前半は講義で、柳澤教授は同地震の想定や被災者の特徴、要配慮者(高齢者や障害者や乳幼児など自立避難が難しい人全般)と避難行動要支援者の概念、支援の手段とする車椅子の種類や車椅子による移動介助の基本、車椅子による垂直避難の方法を紹介。後半は実技で車椅子による移動の支障となりやすい▽グレーチング▽砂利▽段差▽液状化▽がれき▽階段―はどう対処すれば迅速に乗り越えやすいかを学習教材を交えて解説し、全員で実践して理解を深めた。

 さらに災害時の支援をしやすくする補助具や用具も実物を持ち込んで紹介し、時間が許す範囲で実際に使って効果を確かめるなどした。

 最後に柳澤教授は、さまざまな方法を学んで状況に合わせた選択ができる住民を増やすことが地域防災力を高める一助になると提言。そのために地域でできる要配慮者・避難行動要支援者対策の新たな試みを始めることを促し「助かる命を助ける」とキーワードを託して締めくくった。

(2026年10月17日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • 学校 カメラの操作など体験 太地小でNHKが出前授業
  • 【この記事のキーワード】
    太地小
  • 学校 2年生119人が交流楽しむ 緑丘・城南中が「統合レク」 (新宮市)
  • 【この記事のキーワード】
    緑丘中
    城南中
  • 学校 テクノロジーで困り事解決 総合学習で「プロ学」を学ぶ (太田小)
  • 【この記事のキーワード】
    太田小
  • スポーツ 紀南BBCが優勝 郵便局長杯学童軟式野球大会
  • 【この記事のキーワード】
    郵便局長協会
  • 地域 生演奏、秋の音色にうっとり 子安いきいきサロンでコンサート (紀宝町)
  • 地域 思い出の写真を供養 曹洞宗三重県第二宗務所青年会が法要
  • 【この記事のキーワード】
    地震
  • 地域 寒い季節に効果的 ハンドマッサージを実践 (いきいきサロン高津気区)
ご購読・試読のお申し込み