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欧州から見た熊野を知り見識を深めた=10日、新宮市役所別館
欧州視点の熊野を知る
在伊の美術史家など講演
新宮市で東大セミナー

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熊野那智大社
神倉神社
 国際熊野セミナー「ヨーロッパから見た熊野」が10日、新宮市役所別館であった。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部と新宮市の主催。約50人が参加。欧州の美術史家、文学者、映画監督の講演から、熊野に関する新たな視点を得た。

 新宮市と東大の同部は2021年3月に、熊野の歴史・文化研究などに関する連携協定を締結。今回と同様の熊野に関するセミナーやフォーラムを度々、新宮市で開いている。今回は▽在フィレンツェ美術史研究所長▽リヨン第三大学教授▽ドキュメンタリー映画監督―などが講演した。

 同研究所長で2度目の熊野訪問というゲアハルト・ヴォルフ氏は、感じている熊野のイメージと、それに重なる自身の研究課題であるジョージアの巡礼地について説明した。

 那智の滝や熊野那智大社などの写真をスクリーンに映し「巡礼の道にある宗教施設は自然の中に置かれていて、自然の中から宗教性が生まれることを感じる」などと語った。

 神倉神社の写真も映し「(山頂に)至るまでの(石段の)苦労を忘れさせるような開かれた空間。神との近さも感じる。また(眼下には)太平洋が広がり補陀落につながる。ゴトビキ岩を触ることもできる。近くと遠くが共存している」と話した。

 那智山青岸渡寺の三重の塔を手前に、那智の滝を奥に望む写真を映し「ここでも近くと遠くが共存している」と表現した。

 那智参詣曼荼羅(まんだら)について「神聖さを感じる。凝縮された熊野全体。山も川もある」などと述べた。

 ここでエルサレムを描いた宗教画を提示。「イエスの受難の物語が描かれている。曼荼羅と同じ図像化した物語で、巡礼を想像することができる」と発言。

 続いてジョージアの巡礼地を映し「二つの川が出合うところでキリスト教化が行われた。新たなエルサレムとして同様のまちをつくろうとした。十字架がシンボルの教会が置かれている。自然の中に聖地がつくられ、神聖さが生まれる。熊野と共通」と伝えた。

(2026年5月12日付紙面より)


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横一線になって水田に入り田植えを始める高池小の4、5年生ら=8日、古座川町池野山
学校 横一線になって苗植える
高池小の稲作体験始まる
古座川町
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高池小
 古座川町立高池小学校(山本浩昭校長)の4、5年生が8日、池野山にある淡佐口幸男さんの水田で田植えに挑戦した。

 同校の歴代5年生が地域の協力を得て取り組んでいる稲作体験「米米クラブ」の一環。現在は淡佐口さんが水田を準備し、ベテランの中根和夫さんと一緒にこの体験を提供している

 本年度は5年生が8人と少なく、4年生8人が手伝う形で稲作の第一歩を踏み出すこととした。この日は淡佐口さんから体験の内容、中根さんから田植えの仕方を教わり、横一線になり素足で水田の中へ。もち米「かぐらもち」の苗を3~4本ずつ、あらかじめ30㌢間隔でつけられた筋の交点を目安にして植え付けた。

 淡佐口さんが準備した水田の広さは約1・5㌃。田植えは半時間ほどで完了し、近くの水路で体に付いた泥を洗い流しジュースの差し入れを受けながら休憩した後、淡佐口さんや中根さんに感想を伝えて感謝した。

 田植えをするのは初めてという増山咲季さん(5年)は「面白かった。淡佐口さんや中根さんが上手に教えてくれて、難しいと思うところはなかった。もち米が好きなので、たくさん実ってくれたらうれしい」と田植えの印象を語り、今後の収穫に期待した。本年度は6月に草引き、9月に稲刈りと脱穀、その後に精米まで体験を提供する計画。得たもち米の使い道は未定で、山本校長はこれからどう味わうかを考えていきたいと話している。

(2026年5月12日付紙面より)

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トマ・ルバ夫妻の手を掲げる角口賀敏理事長と各個人賞受賞者、キナンレーシングチームの選手たち=10日、太地町のくじら浜公園
スポーツ キナンがチーム総合2位
第26回ツール・ド・熊野
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太地小
 国際自転車競技連合(UCI)公認の国際自転車ロードレース「第26回TOUR de KUMANO(ツール・ド・熊野)」の最終第4ステージ「太地半島周回コース」が10日、太地町を舞台にあった。4日間にわたるレースで順位を競い、地元キナンレーシングチーム(石田哲也監督)はチーム総合成績2位、個人では本レースで現役引退を表明しているトマ・ルバ選手が山岳賞で2位と善戦した。

 6日のプレイベント「和歌山城クリテリウム」に続き、7日の「印南かえる橋周回コース」でツール・ド・熊野が開幕。初参加のリーニン・スター(中国)が1~3位を独占した。

 翌日の「古座川清流周回コース」はリタイアが続出する激しいレースとなった。3日目の「熊野山岳コース」は生き残りをかけた戦いとなり、千枚田の登り坂でルバ選手が活躍するなど、今年も目の離せない展開が続いた。

 3日目までに38人がリタイア。参加16チーム中9チームが選手の半数以上を失う中、キナンレーシングチームは6人全員が無事に第4ステージを迎えた。

 第4ステージは「クジラの町」を舞台に、くじら浜公園前から太地港、梶取崎、太地小学校前から山道を抜け、道の駅「たいじ」を通る10・5㌔(1周目のみ9・8㌔)を10周して争った。

 56人の選手が一斉にスタート。1周目からキナン・小石祐馬選手を含む数人の先頭集団がメイン集団から抜け、2周目以降も着実に差を広げた。レースが動いたのは5周目終盤、小石選手が先頭集団から単独で抜け出し独走態勢になった。

 7周目に山田拓海選手(シマノレーシング)が追い始めると一気にメイン集団の動きが活性化、小石、山田両選手との差を30秒程度に縮めて追走。

 最終周回、小石選手が最後のチャンスに懸けてスピードを上げ逃げ切りを図るが、残り4㌔で集団にのまれ、入れ替わる形でニルス・シンシェク選手(リーニン・スター)がゴールに飛び込んだ。

  □     □

■ルバ選手の監督就任を発表

 第4ステージの開始に先立ち、ルバ選手の引退セレモニーが開催された。参加選手全員が自転車の前輪を上げて作った花道をルバ選手が笑顔で通ると、会場から温かい拍手が起こった。

 レース後の表彰式では、第4ステージと総合成績の個人・チーム各賞の受賞者が発表された。特別賞として、主催したNPO法人「SPORTS PRODUCE 熊野」の角口賀敏理事長からルバ選手に敢闘賞と花束が、石田監督と長年ルバ選手を支えた妻セリーンさんからも花束が贈られた。

 今後、ルバ選手と石田監督との2人監督体制でチームの運営、選手の育成に携わることを発表。ルバ選手は「最後まで応援ありがとうございました。素晴らしいキャリアを日本で積むことができて、本当に幸せでした」と感謝。ファンから大きな歓声が上がった。

(2026年5月12日付紙面より)

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