那智勝浦町が2028年6月からの導入に向け検討中の宿泊税に関する事業者説明会が29日、役場であった。担当の観光企画課、税務課が宿泊事業者に現状を報告し、意見を募った。
宿泊税とは、ホテルや旅館、民泊を利用する宿泊者から徴収する税金のことで、導入するかどうかについては、自治体独自の判断に委ねられる「法定外目的税」に当たる。全国ではすでに導入済み、または導入に向けて検討している自治体も多い。
県内では、和歌山県が一律200円を徴収しようと検討しているほか、白浜町が来年3月1日からの導入することが決定し、宿泊料金に応じて1人1泊当たり200~1000円徴収する。年間約6・5億円の収入を見込んでおり、旅行者の満足度や利便性、快適性を高めるなど観光振興に係る施策に活用される。
那智勝浦町も白浜町同様、宿泊税を観光施策の貴重な財源として捉えており、大門坂駐車場のリニューアル整備やJR紀伊勝浦駅前(東口)ロータリー整備、観光地の魅力向上(バリアフリー化、無電柱化、多言語対応など)、観光資源の保全(世界遺産、観光施設など)に宿泊税での収入を活用したい意向を示している。
■想定税額は4段階
那智勝浦町の現状案は①1万円未満の宿泊については100円②2万円未満200円③5万円未満300円④5万円以上500円―の4段階制。さらに、これらとは別で県宿泊税200円が課税される予定。そのため、宿泊客の合計負担額は、県税を含めて300~700円となる想定。なお公平性を担保するため、免税点(非課税となる基準点)は設けない予定。事業者アンケートに基づいて、町の年間延べ宿泊者数を46万人と設定した場合、4段階制の概算税収は9158万円となる。
■事業者からの声
説明を受けた事業者からは「どのように徴収すればいいのか」「宿泊客に説明するための資料が必要」「町と県からの宿泊税に加えて入湯税や消費税もあり、複数の課税になる」「低料金の店にとっては、宿泊税の占める割合が高くなってしまう。免税点の設定が必要ではないか」「徴収したお金の使途を明確化してほしい」など、事業者や宿泊客の負担増を危惧する意見が多く出された。
■これからの展望
町は今後、意見を踏まえて報告書や条例骨子の調整を行い、来年3月の議会に条例案を上程する予定。議会の承認が得られれば、システム整備や事業者への説明などを経て28年6月からの施行を目指すという。
(2026年10月31日付紙面より)