第49回全国育樹祭を間近に控え、和歌山県警察と新宮市消防本部、JR西日本和歌山支社は14日、JR新宮駅の構内で合同テロ対処訓練を実施した。総勢55人が参加。列車内での有毒ガスを使ったテロを想定、連携して不審者の取り押さえや乗客の救助などを行い、対応方法を確認した。
全国育樹祭は11月7日(土)から9日(月)にかけ、田辺市や白浜町、上富田町などで式典や関連行事などが計画されている。訓練はこれを狙ったテロとして、新宮市から那智勝浦町へと向かう2両編成の列車の後方車両内で、不審者が有毒ガスを発生させたと想定した。後方車両の乗客は倒れ、前方車両の乗客は体調不良となり、犯人は乗務員をナイフで脅して緊急停車させ、逃走を図った。
乗務員は警察と消防に通報。すぐにパトカーが到着し、警察が不審者を制圧した。乗務員は歩ける乗客を列車外に避難誘導した。やがて消防も到着し、列車から離れた安全地帯に警察と消防の合同現地指揮所を設置。情報を共有した。
有毒ガス濃度の高い列車からの距離で三つのゾーンに分け、進入できる防護服のレベルを設定。消防が中間ゾーンにいる列車外の乗客を除染し、安全地帯へと誘導した。最も危険なゾーンは高レベルの防護服を着た警察と消防が進入。倒れた乗客を協力して搬送し、機器を使って有毒ガスの種類を確かめた。
乗客の中には不安で軽いパニックを起こす者もいるなど、現実味を帯びた内容となっていた。当日は日差しが強く高温だったが、警察や消防は密閉状態となる防護服を着込み、懸命に取り組んでいた。
新宮市消防署の大西聡署長は「訓練でいろいろと気付きがあった。有事の際に生かせるように、振り返り備えたい」と語った。新宮警察署の栗栖正賢警備課長は「被害の拡大防止のためには関係機関との連携は不可欠。準備をしっかりと行い(テロ対策に)万全を期したい」と述べた。
(2026年10月16日付紙面より)
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