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慶應大学の庄司克宏名誉教授
EUから探る未来の指針
新宮出身の第一人者が解説

庄司克宏・慶應大学名誉教授

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蓬莱小
城南中
新宮高
 新宮市の出身で欧州連合(EU)の専門家、慶應義塾大学名誉教授、中央大学教授である庄司克宏さん(68)の里帰りで、話を聞く機会を得た。EU誕生の経緯や理念などを解説したほか、地域の後進に「日本にこもらず、どんどん外国に。勉強でも仕事でも何でも、国際的な体験をして視野を広げて」とエールを送った。

 庄司さんは、蓬莱小城南中新宮高校、慶應大学を卒業。EU研究の第一人者で、関連著書も多数ある。現在は東京都に在住している。

 ヨーロッパに興味を持ったきっかけはアドルフ・ヒトラー。「中学の頃に、20世紀の先進地ヨーロッパでどうしてナチスが躍進し、第2次世界大戦が起こったのかと思ったのが出発点」という。

 まさしく、先の大戦を防げなかった反省からEUは生まれた。「主権国家だけで仲良くするのは難しい。各国はわがままでばらばら。主権をある程度EUで共有し、共同行使して問題を解決していこうと考えた」と明かす。

 まずは資源の共同管理から始めた。「石炭と鉄鋼は、兵器を作る基幹産業。その共同管理は戦争をしない証しであり、平和と経済繁栄の第一歩だった」と述べる。約束と交渉で合意を得て、EU法が形づくられた。

 EUのモットーは「多様性の中の結合」。第1次世界大戦の敗戦国ドイツに膨大な賠償金を課したため、国民不満が高まりナチス躍進を招いたことを教訓とした。ホロコーストの反省もあった。「加盟する大国も小国も発言権があり、意見を言い合える。国連でいう常任理事国はいない」と語る。

 少子高齢化もあり移民や難民を受け入れているが、急増には苦慮し厳格化も進んでいる。「社会保障が充実しており、それを目的に来られても困るとの意見がある。日本も参考になるのでは」と述べる。

 新規加盟国への経済支援が手厚いことも、戦争を防ぐ一手段となっている。「共通財源で援助し、自力で経済発展できるまで面倒を見る」と紹介する。加盟条件に宗教の定めはなく「(イスラム教国の)トルコも候補」と伝える。

(2026年3月24日付紙面より)


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クマノザクラを観察する参加者=22日、御浜町の寺谷公園
地域 温暖化への保全対策学ぶ
日本クマノザクラの会が観察会も
 一般社団法人日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)による春の観察会が御浜町の寺谷公園、クマノザクラ講演会が紀宝町福祉センターで22日にあった。いずれも勝木会長が講師を務め、講演会では温暖化予想に対するサクラ保全の対策を示し「紀伊半島でも気候変動で気温が上昇し、ソメイヨシノが咲かなくなる。クマノザクラは温暖化した環境に適応する」と伝えた。

 同会は国内で約100年ぶりに新種と確認された「クマノザクラ」の利活用や保全活動を目指し、2021年に発足。本年度は企画展や観察会、講習会などを開催し、クマノザクラの同定サービスなどに取り組んだ。来年度は現地観察会、樹名版の製作・設置、会報の発行などを計画している。

 観察会には約30人が参加。寺谷公園では御浜町と岡田文化財団がクマノザクラの植樹活動を続けており、3年間で500本を植えた。現在、数本が見頃を迎えて、会員らが観察した。

 勝木会長が周辺に咲くオオシマザクラ、エドザクラ、ソメイヨシノ、ヤマザクラとクマノザクラの切り枝を用意。葉の形や色、実の付き方などを比較し、見分けるポイントを解説した。

 クマノザクラは三重、和歌山、奈良の3県にまたがる紀伊半島南部に自生する固有種で、16年に国内では約100年ぶりとなる野生のサクラの新種として発見された。観賞用としての植樹も進んでいる。

 講演会では開会に当たり、紀宝町の向井美樹也町長と新宮市の上田勝之市長があいさつ。クマノザクラの保全、普及活動に期待を寄せた。

 「温暖化によるサクラの異常️」をテーマに話を進め、クマノザクラの利用、保全の重要性を伝えた。勝木会長は「100年前と比べると、気温が上昇している。紀伊半島は南西諸島、沖縄などの亜熱帯気候になることが将来考えられる」と話し、今後、病虫害が増えていくとした。

 日本の代表的なソメイヨシノについて「クローン技術で増やしたもので、気候変動の影響を受けやすい」と説明。開花時期が遅れる現象が出てくるとした。

(2026年3月24日付紙面より)

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式場に別れの歌を響かせる6年生=23日、串本町立潮岬小学校
教育 周囲に感謝掲げて巣立つ
町立小9校一斉に卒業式
串本町
 串本町立の小学校が23日、一斉に卒業式を挙行した。本年度は9校計77人が卒業。6年生は思い出を振り返って支えてくれた周囲の人への感謝を掲げ、在校生や教職員、家族らの祝いを受けながら次のステージへと巣立つ節目をつけた。

 町立潮岬小学校(河田恵美校長)では29人が卒業することとなり、その一人一人に卒業証書を授与した河田校長は印象に残った6年生の良さを思い出として振り返りつつ、潮岬小で培ったつながりや絆を大切にして歩むよう願って式辞とした。

 来賓の祝辞や紹介、記念品贈呈などを経て、在校生が贈る言葉と歌で感謝を伝え、6年生は群読で思い出を振り返りつつ家族や在校生、教職員や地域への感謝を掲げ、一丸で別れの歌を響かせた。在校生を代表して1年生が祝いの花を贈り、6年生は拍手を受けて退場した。

 他8校の6年生の内訳は串本小6人、橋杭小6人、出雲小8人、串本西小7人、大島小2人、西向小5人、古座小12人、田原小2人。

 古座川町立の小学校3校は19日に卒業式を挙行し、高池小9人、明神小2人、三尾川小1人、の計12人が卒業の節目を迎えたという。

(2026年3月24日付紙面より)

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