新宮ロータリークラブ(新宮RC、瀬古伸一郎会長)が11日、新宮市の丹鶴ホールで創立70周年記念事業「こんなにすごいぞ!新宮城」を開催した。約700人が来場、滋賀県立大学名誉教授で中・近世城郭研究の第一人者、中井均さんと、落語家で城郭愛好家の春風亭昇太さんとの「お城トーク」を通じ、新宮城の魅力に触れた。
開演に先立ち瀬古会長があいさつ。奉仕の理想を追求しながら70年の節目を迎えられたことに感謝の言葉を述べた。
新宮城について「単なる遺構ではなく、先人の知恵や歴史の重みの詰まった象徴として磨き上げることが、新宮の未来を切り開く鍵だと思っています」と語った。
中井さんと昇太さんは軽妙な語り口で、中世と近世の城の違いや、粘土質や火山灰など地質の特徴を利用して城郭が造られていること、北海道アイヌ文化の城「チャシ」の高度な技術などを写真とともに紹介。城郭にもさまざまな形態があることを説明した。
新宮城については1644年、徳川幕府が各地の城持ち大名に命じて提出させた「正保城絵図」から同城の図面を紹介した。堀や石垣を重点的に描いてあることを示し、土木面から特徴を話した。
中井さんが過去に新宮城で撮影した写真を使い、城内から木材や備長炭などを江戸へ輸送する港となる「水の手曲輪(くるわ)」や、石垣の隅の強度を高める「算木積み」、城壁を意図的に曲げ、側面から敵を攻める「横矢掛かり」などを解説した。
特に近年の調査により、紀州家の付家老、水野氏が整備した石垣の下から発見された古い石垣、関ヶ原の戦いの後、紀州に入った浅野氏が築いたものについては「新宮RCさん含め、多くの有志の努力と整備の成果。今後も新宮城の隠れた魅力を発見してほしい」と称賛した。
来場者にも「一緒に新宮城を盛り上げる『新宮城応援団』となり、誇りと自信を持ってもらえたら」と呼びかけた。
普段何げなく眺めているだけだったという長尾善子さんは、講演後「石垣の積み方など、中井先生や昇太さんの丁寧な解説で新宮城のすごさが再確認できました」と話していた。
(2026年4月14日付紙面より)