老朽化などを理由に移転や建て替えを検討している那智勝浦町役場本庁舎について、新庁舎整備方針検討委員会(牧紀男委員長)は3日、町に対して中間答申を提出した。現庁舎は液状化や津波被害のリスクが高いため、避けるべきだと指摘。立地や安全性などを考慮して①福祉健康センター横(グラウンド)②民有地(雑種地)―の2カ所を有力候補地として選定した。町は委員会の意見を尊重して〝移転〟する方針で、現庁舎の今後の利活用についても考えていく。年度内には候補地を決定させたい意向で、順調に事業が進めば2027、28年度に設計、29、30年度に工事、31年度(令和13年4月)の開庁を目指したいという。
委員会は、JR紀伊勝浦駅、役場本庁舎、消防・
防災センター、町立温泉病院などの都市機能が立地するエリアを「中心拠点」と位置付け、新庁舎はこのエリアにある福祉健康センター周辺に建てるのが望ましいという見解を示した。候補地2カ所もこのエリアに所在する。
牧委員長から答申書を受け取り、堀順一郎町長は熊本
地震に言及し、庁舎が被災すると緊急対応が難しいとして「町民の皆さまにもさまざまな意見を頂いた。100%ではないが、できる限り反映したい」と話した。
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■役場の現状は
町では、老朽化が進み
耐震基準を満たしていない現庁舎のほか、多くの地域で津波浸水リスクをはじめとする
災害の危険性という課題を抱えている。住民サービスの向上と
防災機能の強化を両立できる新たな行政拠点の整備は急務となっている。
現庁舎は1971(昭和46)年3月、かつて海だった埋め立て地に建設され、築55年が経過している。庁舎のある場所は、南海トラフ巨
大地震で約4・2㍍、三連動
地震で約2・1㍍の津波浸水が想定されており、津波到達時間も7~10分と極めて短い。2005年に実施された
耐震診断では、現行の
耐震基準を満たしていないとの結果が示され、大規模
地震発生時に庁舎の安全性を確保できない可能性が指摘されている。
役場は、平常時には行政サービスの中心として、
災害時には対策本部の設置や
復興段階における各種調整・意思決定の拠点としての機能を所持しているのが望ましい。また、現在は水道課や教育委員会などの事業所が庁舎とは別の場所に分散して配置されていることから、行政運営の効率性や住民サービスの利便性に課題がある。これらの事情を考慮し、町は「耐震・
防災性を確保した安全な庁舎整備は極めて重要であり、早急に取り組むべき課題と言える」と考えている。
(2026年8月5日付紙面より)