吉野熊野国立公園指定90周年を記念し、️那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)は10日から、三重塔横の「瀧寶殿(りゅうほうでん)」を特別公開している。25日(日)までで、公開時間は午前10時から午後3時まで(最終受け付け午後2時45分)。
国の重要文化財で那智経塚出土の金剛界立体曼陀羅(まんだら)をはじめ、那智参詣曼陀羅の原本、補陀洛山寺秘仏で平安時代作の「聖観音像」など、同寺でしか見られない数々の秘宝、秘仏を多数展示している。11日から、豊臣秀吉奉納の日本最大「大鰐口(おおわにぐち)願文」の拓本を公開する。
拝観料は一般500円、小中学生300円、幼児以下無料。普段は見ることのできない秘宝、秘仏などを間近で拝観できる機会となっている。
普段、非公開の瀧寶殿は2024年に初公開。人気テレビ番組「帰れマンデー見っけ隊!!」の特集で反響があり、拝観したいという声を多数受け、2回目の特別公開となった。
那智山を含む紀伊山地は仏教伝来以降、真言密教や山岳信仰、修験道の霊場として栄え、平安時代以降は末法思想の浸透により、多くの経塚が造営された。
金剛界立体曼陀羅は、那智経塚最大の特徴とされ、一般的に紙や絹布に描かれることが多い曼陀羅を半肉(はんにく)彫りの仏像などで表し、他に類例を見ないものといわれている。
今回は約50点を公開しており、髙木住職は「白鳳(はくほう)時代の観音仏像などを展示しています。時代を超えた熊野の歴史、文化を肌で感じていだければ」と話している。
特別公開に合わせ、18日(日)午後1時から元「THE BLUE HEARTS」のドラマー、梶原徹也さんによる特別奉納演奏も予定されている。「熊野から世界平和への祈り」をテーマに、熊野修験と日本三大修験の一つ、九州・福岡県英彦山(ひこさん)修験による初の「合同採燈大護摩供(さいとうおおごまく)」を厳修する。火渡り体験も予定しており、参加は無料。
(2026年10月11日付紙面より)