串本町と南紀串本観光協会が6日夜半、潮岬にある望楼の芝でイベント「本州最南端串本冬の星空撮影会」を実施した。
月明かりがない場合は肉眼でも天の川が感じ取れるなど星空のきれいさで定評がある一方、自動販売機や街灯など人工的な明かりが観察や撮影をしづらくしているとの声も。そこで人工的な明かりを極力取り除いた環境を町や同協会の働きかけで準備して星空のきれいさをアピールできる写真を撮影してもらい、さらに応募もしてもらおうと考えこのイベントを計画したという。
当日は高校生以上の一般と町内在住招待者20人が参加。主催者を代表して田嶋勝正町長が実施のいきさつを伝え「このイベントでより素晴らしい星空の写真を撮影していただき、町としてもそれらをPRに使いたい」と思いも掲げて歓迎した。
前半は講義で、講師はみなべ町の星空ガイド・角田夏樹さんが担当。星空の撮影の第一歩はトライアンドエラーだとし、まず撮影してその状態から撮りたい写真へ近づけるためにカメラやレンズの選択や撮影条件の設定、長時間の撮影となるなら相応の三脚や雲台も準備するなどの工夫を積み上げていくことが必要だとした。月明かりが星空にどの程度影響するかを写真で確かめた上でトライの段階で推奨する撮影条件、併せて被写体とするイベント実施中の星空の見どころも伝え、後半はそれぞれの星空撮影を補助した。
撮影は参加者や招待者がそれぞれ持参したカメラやカメラ付きスマートフォンで実施。角田さんは「自分は星空ガイドが専門なので、これから星を見上げるきっかけにしていただけるとうれしい。撮影中に星が動くことを感じてもらい、ではどのタイミングなら撮りたい星空が撮れるのかも考えてもらえれば」と参加者の今後に期待した。町はこのイベントで撮影した写真を対象とする冬の星空フォトコンテストを実施し、田嶋町長が掲げた思いを満たすとしている。
(2025年12月12日付紙面より)
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