母子保健・健全育成住民会議が18日、新宮市の丹鶴ホールであり、和歌山県内各地区の母子保健推進員ら約250人が睡眠教育やプレコンセプションケアを学んだ。
県内の母子保健、子育て支援の推進が目的。母子保健推進員の活動に必要な研修を実施し、意識と資質向上を図ることにより、親子が心身ともに健やかに暮らせる地域社会の構築に資する狙いもある。
県母と子の健康づくり運動協議会新宮・東牟婁支部、県、公益社団法人母子保健推進会議が主催。毎年、県内7支部が持ち回りで開催している。
丹鶴ホールのロビーには新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町、古座川町、北山村の各母子保健推進員が手がけた活動紹介パネルを展示。見学を通して推進員同士の交流も図った。
「社会が子育て、地域で子育て、環境づくり」をテーマに掲げ、開会式で新宮・東牟婁支部の洞内佳織支部長が「安心して生き生きと子育てができる町づくりを目指して、地域で子育てを支援する方々が一堂に集まり、情報交換する機会。健やかな育ちのため、お母さんにとって良き相談役になるよう、今後も活動の幅を広げていきたい」とあいさつ。新宮市の上田勝之市長は母子保健向上の推進に感謝し「推進員の経験と知識を生かし、支援の輪を広げていただきたい」と伝えた。
実践発表に移り、「くまのこころのクリニック」の睡眠健康指導士(上級)、西山直子さんが「『おやすみなさい』に心を込めて」と題し、不眠支援から始まった睡眠教育の歩みを話した。
西山さんは精神科・心療内科の看護師として約20年勤務し、2018年に「くまのこころのクリニック」を開業。睡眠生活指導や地域での睡眠教育活動、小中学校・保護者向け講座などを行っている。
資料を通じ「子どものころから正しい睡眠知識に触れることが子どもたちの未来を守る。温かいまなざしの中で一日を終えることが明日の笑顔につながる」などとし、子どもへの睡眠教育の必要性を挙げた。
「良い睡眠は子ども一人ではつくれない」と強調。「心を込めて『おやすみ』を伝えるためには保護者自身の心の余裕が必要」とし「睡眠のサポーターになってください」と呼びかけた。
日本赤十字社和歌山医療センター産婦人科副部長の横山玲子さんは「プレコンセプションケア」について講演。プレコンセプションケアは赤ちゃんを授かる前のヘルスケアで「全てのライフステージで自分らしく生きがいや喜びを感じ、元気に過ごせる社会をつくる土台」と示した。
(2025年11月20日付紙面より)
もっと見る
折たたむ
別窓で見る