新宮市民生委員児童委員協議会(榎本義清会長)は、相談もなく市の事業に協力や関与をすると表記されることは問題があるとして23日、市に対する申し入れを行った。榎本会長と地区会長5人が市役所で上田勝之市長と面談し「今後は適切な対応を」と求めた。
民生委員・児童委員(民児委)とは、地域住民の立場で生活相談に応じ、必要な支援への「つなぎ役」となる、厚生労働大臣から委嘱されたボランティア。両委員は兼務で、別に子どもや子育てに関する専門的支援を行う主任児童委員もいる。市は主任児童委員も含め定数は100人だが、74人しかいない。
申し入れ書で協議会は、市の事業や広報で協議会や民児委が協力している、または関与しているかのような表記が、事前の相談もなく市民に対してされていることを指摘。「民児委は法に基づき独立した立場で活動するもので、市に当然に協力する立場ではない」と訴えている。
「既成事実のように市民に示されることは、民児委の中立性・自主性を損なう恐れがあり看過できない」と強調。「了解を得ずに行わないことを申し入れる。協力を前提とする場合は事前に協議し、意思確認を行って対応を」と求めている。
申し入れは榎本会長(=丹鶴会長)をはじめ、王子、蓬莱、千穂第1・第2、熊野川の会長が訪れた。榎本会長は、定員充足率が74%であることを念頭に「負担が多いのでやりたくないという人も多いのではないか」と発言。「協力すべきところは協力するので、同意なしで勝手に表記しないように」とくぎを刺した。
上田市長は「勝手に書いてはいけないと思う。事前相談すべきだし、過度な負担になるようでは引き受け手がいなくなる。対応させていただく」と答えた。
(2025年12月25日付紙面より)