太地町民や地域の旅館・ホテル事業者を招いたモニターイベント「夜のくじらに会いに行こう!太地町立くじらの博物館ナイトミュージアム」が24日、同館で開催された。300人超が来場し、クジラの鳴音が響く幻想的な館内や、日中とは異なる鯨類の姿に触れた。
観光庁の地域観光新発見事業を活用し、普段は日中しか開館していない博物館の夜のコンテンツを造成することで、新たな魅力を発見してもらおうと実施。モニター参加者のアンケート結果を踏まえ、企画・開発の参考にしていく。
館内では、クジラの骨格標本やイルカショープールなどをライトアップ。湾内のいけすでは、日中とは異なるリラックスモードのハナゴンドウたちを公開した。参加者の「クジラはどうやって寝ているの?」との質問には、飼育員が「水中で寝たり、浮きながら、泳ぎながら寝ることもある。それぞれいけすの中にお気に入りのスポットがある」と答えた。
あっという間の1時間で、参加者はまだまだ見足りない様子。漁野汐栞さん(8)は「すごかった。マリナリュウムのプロジェクションマッピングのクラゲがきれい。昼にも来たことがあるけれど、夜の方がもっと好き! これから桟橋に行く」。一緒に参加した母親の香織さんは「ワクワク感があっていいですね」と話す。
一方、暗い中で階段や桟橋を移動する際の安全面などを指摘する声も。稲森大樹館長は「来年度以降、日が短い秋から春の週末イベントなどとして販売し、コンテンツの充実につなげたい。イベントでは飼育員が館内をガイドし、直接声を届けることができる。暗い中だからこそ資料の陰影がはっきりし、より展示に集中して良さを感じられると思う」と話していた。
(2024年10月26日付紙面より)