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完成した「丙午」大絵馬と上野顯宮司=11日、熊野速玉大社
「福を成し遂げる年に」
えと「丙午」大絵馬が完成
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 熊野速玉大社(上野顯宮司)の上野宮司(72)の自筆による、来年のえと「丙午(ひのえうま)」の大絵馬が11日、完成した。最後の仕上げとして「寿福」の文字を書き加えた。12月1日(月)に拝殿前でかけ替えを行う予定で、それ以降に見られるようになる。

 大絵馬はヒノキ製で、縦約1・5㍍、横約2㍍。神馬(しんめ)が同大社の祭神である熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御霊(みたま)を乗せて渡御する、大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の神馬渡御式をイメージした図柄としている。

 中央を歩く白馬は、同大社でかつて飼われていた「玉幸号」によせて描いた。背には鞍(くら)を付けて御霊を乗せ、菊の紋章をあしらった布をかぶせている。口には同大社の御神木でもある梛の幣をくわえている。背後の日輪は朝日で、めでたい兆しを示す「瑞光」を表現している。

 上野宮司は「熊野古道を歩いた熊野詣でのごとく、一歩ずつ難行苦行を乗り越えて思いや福を成し遂げる新年であってほしいとの思いで描いた。駆けるのではなく、あえてゆっくりと歩く図柄とした。梛はおはらいをしながら神様が通ることを伝えている。神様が乗っているということが一番大事」と語った。

 6月に構想が固まって描き始め、8月でおおよそを仕上げ、10月は大祭があるため中断していた。揮毫(きごう)した「寿福」は読んで字のごとく、めでたい言葉として選んだ。

 「新年も良い年にとの祈りを込めて描いている。拝殿で見た参拝客が、明るい気持ちになるようにと考えている。寿福もただの幸せではなく、努力の先に得られるような幸せをと考えた。苦労してでも、少しずつでも向かって行けるような年にしてほしい」などと述べた。

(2025年11月12日付紙面より)


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啓発活動に取り組む上田勝之会長ら=10日、新宮市のスーパーセンターオークワ南紀店
地域 広げようやさしい心と思いやり
人権尊重委員会が啓発活動
新宮市
 新宮市人権尊重委員会(上田勝之会長=市長)と県東牟婁振興局は10日、新宮市のスーパーセンターオークワ南紀店とイオン新宮店で街頭啓発を実施した。「広げよう やさしい心と思いやり」と書かれた法被を着て、買い物客に啓発物資を手渡し、人権尊重を呼びかけた。

 市では1953年に人権尊重委員会が結成され、部落差別をはじめとするあらゆる差別の解消を目指して取り組みを進めている。2015年に「新宮市部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃に関する条例」、今年3月に「新宮市部落差別の解消の推進に関する条例」をそれぞれ制定した。

 11月を「差別をなくする強調月間」と定め、人権問題の早期解決を図るため、街頭啓発を実施。2カ所に計31人が参加した。

 スーパーセンターオークワ南紀店で上田会長は「市民一人一人の尊厳と人権が尊重され、明るく笑顔で心豊かに暮らせる人権尊重のまち新宮市を目指すことを目的に、市民の皆さまと共に『差別のない明るいまちづくり』には何が必要かを考えて啓発したい」とあいさつし、協力を呼びかけた。

 啓発活動では、市の条例や情報流通プラットフォーム対処法、市の本人通知制度、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度を紹介するチラシや、「差別のない社会を目指して」のリーフレットなどを配布した。

(2025年11月12日付紙面より)

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今回の防災学習の体験の様子=10日、和歌山県立串本古座高校
防災 津波避難後の活動を学ぶ
外部講師迎えて防災学習
串本古座高校
 和歌山県立串本古座高校(中西浩子校長、生徒217人)が10日、2025年度第2回防災学習に取り組んだ。今回は津波緊急避難行動後の活動を学ぶ機会と設定。地域や石川県立飯田高校を外部講師として迎え班行動で複数の学びを積むなどした。

 同校は学期ごとにこの学習を取り入れていて、今回は高校生の減災力向上と住民との協働による地域防災向上を目的として計画。石川県ふるさと教育・創造的復興教育推進事業の一環で串本古座高校へ交流を希望した飯田高校を迎え入れ、串本古座高校、串本町、堀笠嶋区(=同校所在地)ときのくに活性化センターが連携展開する内閣府コミュニティー防災教育推進事業「高校生をコアとした被災地と未災地の交流による地域防災向上事業」の取り組みとして実施した。

 当日は中西校長が「高校生として何ができるか、何をしないといけないかを学んでほしい」、同校防災委員会の丹野悠飛委員長(3年)が「この学習が防災意識を高める機会になればうれしい」とあいさつをして開始。参加対象は生徒とその保護者、堀笠嶋区民と飯田高校生徒で、20班に分かれ▽炊き出し▽土のう作り▽消火器の取り扱い▽避難所運営▽簡易担架作り▽簡易トイレの設置▽折り畳み式パーティション(間仕切り)の設置▽簡易スリッパ作り▽煙道体験▽段ボールベッドの組み立て▽飯田高校の生徒と教員による被災経験談(全5項目)―のいずれか4項目を体験して学びを深めた。

 飯田高校以外の10項目は防災委員が外部講師を補佐。飯田高校からは1年生16人が訪問し、うち8人が引率教員2人と共に被災経験を伝え残り8人が串本古座高校生徒と一緒に体験してどのような取り組みをしているかを把握し訪問成果として持ち帰った。

 最後に町総務課防災・防犯グループの岡田真一グループ長が体験したことを話し合って共有し行動につなげること、協力という共助の気持ちを日頃から念頭において学びを深めることを期待。西川事務局長が個々の避難力向上と助かった後の生活をどう守るかが大事だと意識づけ、そのために訓練経験を生かしてほしいと願って講評とした。

 この日は内閣府の担当職員などが様子を見学し、メディア取材も複数入る中での実施となった。同校によると、飯田高校1年生らが県採択事業の一環で串本古座高校を訪問したように串本古座高校1年生らも内閣府採択事業の一環で12月3日(水)~5日(金)に飯田高校が所在する石川県珠洲市を訪問する予定という。

(2025年11月12日付紙面より)

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