和歌山県立串本古座高校(中西浩子校長、生徒217人)が10日、2025年度第2回防災学習に取り組んだ。今回は津波緊急避難行動後の活動を学ぶ機会と設定。地域や石川県立飯田高校を外部講師として迎え班行動で複数の学びを積むなどした。
同校は学期ごとにこの学習を取り入れていて、今回は高校生の減災力向上と住民との協働による地域防災力向上を目的として計画。石川県ふるさと教育・創造的復興教育推進事業の一環で串本古座高校へ交流を希望した飯田高校を迎え入れ、串本古座高校、串本町、堀笠嶋区(=同校所在地)ときのくに活性化センターが連携展開する内閣府コミュニティー防災教育推進事業「高校生をコアとした被災地と未災地の交流による地域防災力向上事業」の取り組みとして実施した。
当日は中西校長が「高校生として何ができるか、何をしないといけないかを学んでほしい」、同校防災委員会の丹野悠飛委員長(3年)が「この学習が防災意識を高める機会になればうれしい」とあいさつをして開始。参加対象は生徒とその保護者、堀笠嶋区民と飯田高校生徒で、20班に分かれ▽炊き出し▽土のう作り▽消火器の取り扱い▽避難所運営▽簡易担架作り▽簡易トイレの設置▽折り畳み式パーティション(間仕切り)の設置▽簡易スリッパ作り▽煙道体験▽段ボールベッドの組み立て▽飯田高校の生徒と教員による被災経験談(全5項目)―のいずれか4項目を体験して学びを深めた。
飯田高校以外の10項目は防災委員が外部講師を補佐。飯田高校からは1年生16人が訪問し、うち8人が引率教員2人と共に被災経験を伝え残り8人が串本古座高校生徒と一緒に体験してどのような取り組みをしているかを把握し訪問成果として持ち帰った。
最後に町総務課防災・防犯グループの岡田真一グループ長が体験したことを話し合って共有し行動につなげること、協力という共助の気持ちを日頃から念頭において学びを深めることを期待。西川事務局長が個々の避難力向上と助かった後の生活をどう守るかが大事だと意識づけ、そのために訓練経験を生かしてほしいと願って講評とした。
この日は内閣府の担当職員などが様子を見学し、メディア取材も複数入る中での実施となった。同校によると、飯田高校1年生らが県採択事業の一環で串本古座高校を訪問したように串本古座高校1年生らも内閣府採択事業の一環で12月3日(水)~5日(金)に飯田高校が所在する石川県珠洲市を訪問する予定という。
(2025年11月12日付紙面より)
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