熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

小・中学校の教職員約100人が参加=25日、那智勝浦町立市野々小学校
いじめ予防は科学が必要
人権教育研究会が発表会
那智勝浦町

【この記事のキーワード】
市野々小
勝浦小
 那智勝浦町立市野々小学校で25日、町小・中学校人権教育研究会(草下博昭会長=勝浦小学校長)の発表会があった。町内小中学校教諭や教育委員会から約100人が参加。公開授業や子どもの発達科学研究所副所長の大須賀優子さんによる講演を通じ、いじめ予防における科学的アプローチの重要性を学んだ。

 市野々小は「できる・わかる・楽しい授業を目指して~自己効力感を高める指導法の研究~」を主題に、2023、24年の2カ年で研究を実施。「シンキングエラー まちがいをみとめてあやまる『相手をきずつけてしまったら』」をテーマに、1~6年生の道徳の授業を公開した。

 大須賀さんはオンライン講演で、被害者だけでなく加害者、傍観者の全てに一生にわたって深刻な影響を及ぼす「いじめ」について、問題が起こってから支援する従来のモデルを「子どもの失敗を待つモデル」と批判。「いじめが起きてしまった後では、既に子どもたちは傷ついている。傷つかなければ支援がもらえない体制を取り続けていいのか。いじめに先んじて予防的支援を行い、リスクを下げることが重要」と語った。

 「いじめ予防には科学が必要」と述べ、米国などの先行研究を踏まえて開発したいじめ予防プログラム「トリプルチェンジ」を紹介。実際に学校現場で起きそうな事案を通して、いじめ問題に対してどう捉え、行動するべきかを子どもたちが学ぶもので「いじめ予防だけでなく、社会性発達を促すことにもつながる」とした。

 最後に「多くのいじめにはモデルがいる。子どもがいじめを目にしているうちに共感性をなくし、『やっていいこと』として学んでしまうことがある」と話し「大人がいじめのモデルになっていることはないか? 『これは指導』『正しいこと』と思って強い指導を行うことで、相手が心身の苦痛を感じていることはないか? いじめは子どもだけでなく、広く大人社会の問題でもあり、まずは大人が気付き、変わる必要がある。学校が果たす役割は大きい」と警鐘を鳴らした。

(2024年10月27日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

封入作業に追われる=25日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺
地域 心穏やかで、明るい年に
開運暦の発送作業大詰め
那智山青岸渡寺
【この記事のキーワード】
災害
 那智勝浦町の那智山青岸渡寺で、来年の「那智山開運暦」の発送作業が大詰めを迎えており、25日には髙木亮英住職ら4人が封入作業に追われた。北海道から沖縄県まで全国47都道府県の信者約1万7000人に発送する予定だ。

 開運暦は太陽や月、諸惑星の観測技術に陰陽思想や五行思想が加えられたもので、物事の吉日を選ぶなど、日々の行動の指針を得るための道具として作られた。▽方位吉凶図と解説▽九曜星の年齢と吉凶▽六曜星と七曜星の吉凶▽結婚の吉凶▽1月から12月の運勢▽二十四節気の解説―などを記している。

 那智山開運暦はB6判32㌻で、同寺本尊の如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)が表紙を飾る。「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録20周年を機に、三重の塔や仁王門の塗装工事を行っていることなどを報告した。

 髙木住職は「今年は大きな災害もあり、パレスチナの戦火にも心を痛めている。来年は心穏やかで、明るい年になってほしい。地上に平和が訪れるように」と語る。干支(えと)は巳(み)年で「辛抱強く、粘り強く、何事にもチャレンジの年になれば」と話していた。

 希望者には1部300円(送料込み)で発送する。問い合わせは那智山青岸渡寺寺務所(電話0735・55・0001、〒649―5301 那智勝浦町那智山8番地)まで。

(2024年10月27日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

地震津波を想定して避難した=24日、新宮市清水元の南紀プロパンガス株式会社
防災 有事の早期供給に備え
防災訓練で対応を確認
南紀プロパンガス
 新宮市清水元の南紀プロパンガス株式会社(市川浩一郎代表取締役)は24日、本社・充塡(じゅうてん)所で総合防災訓練を実施した。本社や各営業所から19人が参加し、水害や停電、地震津波、火災などの際の対応を確認。有事のLPガス早期供給に備えた。

 同社は2012年度に経済産業省から、大規模な災害が発生した際にいち早く被災地域でLPガスを供給できる体制を構築する国家事業「中核充塡所」の指定を受けている。災害で電気や通信などのライフラインが途絶えた場合でも、LPガスを燃料に自家発電を行うことで、充塡設備を含めた社内の全電力を賄える。液化石油ガス(LPG)車のトラックも所有している。訓練は毎年恒例で53回目となる。

 開始に当たり、田嶋通夫・専務取締役があいさつ。毎年の訓練について「同じことを続けるのが大事。何をするかを頭に入れ、考えずに行動できるようにしてほしい。真冬の大雨の時に1人や2人で対応することもあるかも。自分はその場合、どうすればいいかを真剣に考えてやってほしい」と呼びかけた。

 大型家具の固定、枕元への靴の用意、備蓄食料の確保など、自宅での備えにも言及。「今日を契機に意識を新たにして、何が必要かを考え用意してもらえれば、訓練はより意義あるものに。しっかりと励んでほしい」とまとめた。

 この後、訓練を開始。▽非常用LPG発電機を起動させてガスを充塡▽地震津波からの避難▽衛星電話による通信▽ガスタンクへの放水―などを行った。いずれも機敏な動作で、真剣に取り組んでいた。

 中家茂樹・新宮市消防本部次長兼消防署長は講評で「すごくよかった。組織だって動けていた」と評価。「(災害時の)皆さんの尽力が地域になくてはならないということを考え、備えてほしい。引き続きよろしくお願いします」と伝えた。

(2024年10月27日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • 政治 27日、いよいよ投開票 12日間の選挙戦繰り広げ (衆院選)
  • 学校 仲間と笑顔で勝利を目指す 三輪崎小で運動会 (新宮市)
  • 【この記事のキーワード】
    三輪崎小
  • 学校 フェイク情報とは何か 生徒が学びモラル高める (新宮高校)
  • 【この記事のキーワード】
    新宮高
  • 学校 自分と周りの命を守るために 城南中で交通安全教室 (新宮市)
  • 【この記事のキーワード】
    城南中
  • スポーツ 新宮、2回戦で敗れる 高校サッカー和歌山大会
  • 地域 ハロウィーン前にお菓子贈る 今年もはまゆう・こども園へ (第二なぎの木園)
  • 地域 名物の三角綱引きなど 籠ふるさと塾で大運動会 (那智勝浦町)
  • 【この記事のキーワード】
    色川小
    旧籠小
  • 地域 親子でハロウィーン ママサークルさくらんぼ (紀宝町)
  • 地域 つまみ細工で秋を表現 寺小屋広場で女性ら (紀宝町)
  • 観光 にっぽん丸が新宮港へ 熊野各地の観光楽しむ
ご購読・試読のお申し込み