新宮市清水元の南紀プロパンガス株式会社(市川浩一郎代表取締役)は24日、本社・充塡(じゅうてん)所で総合防災訓練を実施した。本社や各営業所から19人が参加し、水害や停電、地震津波、火災などの際の対応を確認。有事のLPガス早期供給に備えた。
同社は2012年度に経済産業省から、大規模な災害が発生した際にいち早く被災地域でLPガスを供給できる体制を構築する国家事業「中核充塡所」の指定を受けている。災害で電気や通信などのライフラインが途絶えた場合でも、LPガスを燃料に自家発電を行うことで、充塡設備を含めた社内の全電力を賄える。液化石油ガス(LPG)車のトラックも所有している。訓練は毎年恒例で53回目となる。
開始に当たり、田嶋通夫・専務取締役があいさつ。毎年の訓練について「同じことを続けるのが大事。何をするかを頭に入れ、考えずに行動できるようにしてほしい。真冬の大雨の時に1人や2人で対応することもあるかも。自分はその場合、どうすればいいかを真剣に考えてやってほしい」と呼びかけた。
大型家具の固定、枕元への靴の用意、備蓄食料の確保など、自宅での備えにも言及。「今日を契機に意識を新たにして、何が必要かを考え用意してもらえれば、訓練はより意義あるものに。しっかりと励んでほしい」とまとめた。
この後、訓練を開始。▽非常用LPG発電機を起動させてガスを充塡▽地震津波からの避難▽衛星電話による通信▽ガスタンクへの放水―などを行った。いずれも機敏な動作で、真剣に取り組んでいた。
中家茂樹・新宮市消防本部次長兼消防署長は講評で「すごくよかった。組織だって動けていた」と評価。「(災害時の)皆さんの尽力が地域になくてはならないということを考え、備えてほしい。引き続きよろしくお願いします」と伝えた。
(2024年10月27日付紙面より)
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