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スポンジで色をのばし御神像に彩色=27日、熊野速玉大社
地域が誇る文化財知る
子どもが神像複製に彩色

熊野速玉大社

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熊野速玉大社
神倉小
 「熊野速玉大社国宝御神像 複製彩色ワークショップ」が27日、熊野速玉大社(上野顯宮司)であった。主に新宮市内の小学生14人と中学生4人を含む約40人が参加。3Dプリンターで出力した樹脂製の御神像複製の磨き、下地塗り、彩色を行い、地域が誇る文化財への理解を深めた。

 和歌山県立博物館施設活性化事業実行委員会の主催。未来を担う世代が地域の歴史・文化に触れる機会として行った。同大社はいずれも国宝の熊野速玉大神坐像(くまのはやたまのおおかみざぞう)、夫須美大神坐像(ふすみのおおかみざぞう)、家津御子大神坐像(けつみこのおおかみざぞう)、国常立命坐像(くにとこたちのみことざぞう)を所蔵しており、県立博物館が保管している。

 これを県立和歌山工業高校の生徒らが計測と出力を行い、実物大と彩色テスト用の約2分の1サイズの複製を製作。全8柱のうち3柱は神道芸術家の平野薫禮さんの手でほぼ完成しており、ワークショップはそれ以外の5柱で作業した。

 参加者は、作業に先立ち正式参拝したほか、神宝館で県立博物館学芸員の島田和さんより説明を受けた。上野宮司は「文化財を守ることが有意義で重要であることを感じてもらえれば」。島田さんは「御神像は9世紀末から10世紀初頭に作られただろう。これほどの大きさや美しさで残っていることはまずなく、どれだけの奇跡か」などと伝えた。

 作業は平野さんが彩色監修を行った。子どもらは3班に分かれて交代で、三つの工程に挑戦。和歌山大学の学生のサポートを受けながら、一心にやすりがけをしたりスポンジで色をのばしたりしていた。

 兄の真義君(8)と共に参加した、神倉小2年の上野晄義君(8)は「ここの神様がこんな顔とは知らなかった。スポンジでぺたぺたと色を塗るのが楽しかった」と話した。

 これ以降の作業は平野さんが引き継ぐ。速玉大神の複製は正月から、それ以外は2028年までに、神宝館で順次展示するという。

(2024年10月29日付紙面より)


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探偵が登場する推理小説などを紹介する特集コーナー(左)やプレゼントコーナー=26日、串本町図書館
地域 複数の企画重ね推進図る
第78回読書週間に賛同し
串本町図書館
 第78回読書週間が27日から始まった。期間は11月9日(土)までの14日間。その趣旨に賛同する串本町図書館(池田三明館長)は週間前後の1日を加えた期間設定で複数の企画を重ねて読書の推進を図っている。

 読書の力で平和な文化国家をつくるという決意により1947年に始まり、現在は読書推進運動協議会が文化の日を含む期間設定で主唱している同週間。同館は今回、大人のためのおはなし会が開かれる今月26日から関係行事を始めることとした。

 おはなし会は同館で月例のよみきかせ会を開いているグループ「ぶっくらぶ串本」による行事で、大人3人が絵本の読み聞かせや民話の語りといった「耳で読む読書」に親しんで日頃の目で読む読書とは違った刺激を得るなどした。

 玄関から入ってすぐにある特集コーナーでは、「どの探偵がお好き?」と題して探偵が登場する推理小説約150冊を紹介。借りることもでき、同週間後も年末まで設置を続けるという。

 同館で購入した婦人雑誌の付録をプレゼントするコーナーを貸し出しカウンター横へ設置し、この日から応募券の配布と応募の受け付けを始めた。応募は中学生以上が対象で、貸し出し1回につき応募券1枚を配り欲しい付録の番号などを書いて応募してもらう仕組み。応募は11月10日(日)まで何度でもでき、以降抽選し館内で当選者を発表して進呈する。

 9月に発表された町小中学生ポップコンクール入賞作品の紹介コーナーもいよいよ形が整い、新たな趣向として作品と対で推奨本を並べて貸し出しも実施中。複数の読書推進企画を重ね、同週間を契機とした本との出合いを後押ししている。

 期間中は月末と月曜日(祝日の場合は翌日も)が休館となる。問い合わせは同館(電話0735・62・4653)まで。

(2024年10月29日付紙面より)

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旅館・ホテルの代表者らが参拝=27日、那智勝浦町の熊野那智大社
地域 一番湯ささげ恵みに感謝
熊野那智大社で献湯祭
南紀勝浦温泉旅館組合
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 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で27日、南紀勝浦温泉旅館組合(清水貞吾組合長)による「献湯祭(けんとうさい)」が営まれた。組合に加盟する10の旅館・ホテルの代表者ら14人が、清らかな一番湯を神前にささげ、自然の恵みに感謝。5年ぶりに境内で餅まきもあった。

 県内随一の177の源泉数を誇る同町で、業界の隆盛と繁栄を祈願する行事として毎年実施している。神事では、朝一番にくんだ温泉水をたるで供え、清水組合長が代表して玉串を奉てん。餅まきでは、観光客らも物珍しげに参加していた。

 男成宮司は「コロナ禍を乗り越え、世界遺産登録20周年で国内外から多くの観光客の方々が訪れている。温泉で体を癒やし、おいしい食事で心を満たしていただくことが大切。心を尽くしておもてなしをしてほしい」と語った。

 清水組合長は「お客様の数もコロナ禍前に戻っており、国連教育科学文化機関(ユネスコ)で日本の温泉文化を無形文化遺産にとの動きもある。温泉を目当てに訪れていただき、癒やされてほしい」と力を込めた。

 同日には、那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で物故者追善法要も営んだ。南紀勝浦温泉の礎を築き故人となった、経営者や従業員などの功績に感謝し冥福を祈った。

(2024年10月29日付紙面より)

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