和歌山県の岸本周平知事と地域住民が意見を交わす「タウンミーティング」が9日、新宮広域圏公設地方卸売市場であった。商工、観光、福祉、まちづくりなどのさまざまな団体から10人が参加。困り事や要望を伝え、支援や協力を求めた。
知事が直接、県民の声を聞き県政に生かそうと、地域でさまざまな活動を行っている人々と意見交換を行う取り組み。これまでに県内の32カ所で実施している。岸本知事のほか、新宮市の田岡実千年市長、県地域振興部長、県東牟婁振興局長なども同席した。
福祉関係の参加者は「熊野川町での高齢者の居場所づくりで『じじばば食堂』の案もある。子ども食堂には高齢者は行きづらい」と伝えた。岸本知事は「食堂の補助(要件)は3世代で交流と定義。子どもゼロでは困るが、名前は『じじばば食堂』でも(補助は)大丈夫」と応じた。
地域奉仕団体は、子ども向けのスポーツ体験を学校体育館で行っていることを説明。「空調設備がないと夏は子どもが危ない」と検討を求めた。岸本知事は「災害関連で補助金が出るのでは」と助言。これを受けて田岡市長は「議論の最中だが、具体的にはなっていない」と明かした。
観光関係者は、川舟下りの船頭の不足に言及。「外国人(の予約)が増えて日本人が乗れない状況が発生している」と訴えた。県地域振興部長は「船頭もいろんなところで募集したい」と話した。
別の観光関係者は「ゴールデンウイークに神倉神社の駐車場がいっぱいで、観光客が止められない。旅行会社にも神倉神社へ行きたいが駐車場がないと言われる。大型の駐車場を」と求めた。田岡市長は「検討課題としたい」と答えた。
イベント実行委の参加者は、テントやトラックを周辺自治体や企業からレンタルして実施していることを紹介し「物の協賛もうれしい」と語った。雨天時の実施場所についても「公設市場でやれたら」と打診した。田岡市長は「市でできる分(の支援)はやる。具体的な要望を」と応じた。
福祉関連事業者は、子ども食堂の実施場所を相談。「近所の寺を借りてやっているが、寺も都合がある。広くて良い場所があれば」と述べた。田岡市長は「協力できるかと思う」と発言した。
(2024年5月12日付紙面より)
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