総合型地域スポーツクラブ「Progress SHINGU(プログレス新宮)」が11日、設立された。
新宮高校の部活動を母体としたサッカーとレスリング、スポトレ(スポーツトレーニングクラブ)の3カテゴリーを設け、地域と連携しながらスポーツの新しい形を築く。
子どもや保護者に活動を知ってもらうため、18日(火)午後6時から、
新宮高校会議室で説明会を開く。レスリングとスポトレの対象は小学6年生~中学3年生、サッカーは小学1年生~中学3年生。いずれも保護者同伴。
事前申し込み不要。問い合わせは、
新宮高校内のProgressSHINGU事務局(電話0735・22・8101)の下平さん、藪さんまで。
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■地域の課題解決へ
地方都市において、公立高校を主体とした地域スポーツの展開を目指すのは全国でも先行的な取り組み。今後は
新宮高校内の他部活動など新たなカテゴリー拡大も視野に入れ、地域に根付く組織を目指していく。
熊野地域では少子化の影響で、小中高のスポーツチームが単独で編成できない事態が懸念されている。
小学生の段階で取り組んでいる競技が中学校で存在せず、継続を断念するケースも少なくない。また、同じ競技を続けられる環境があっても、指導法の違いなどが生じることもある。
さらに、気軽にスポーツに親しめる場所が少ないことから、体力づくりに取り組む子どもが減っているのが現状だ。
一方で、学校現場では教員の負担も大きい。休日の部活動指導が時間外勤務となり、働き方改革が求められているほか、生徒数の減少に伴い顧問の確保が難しく、専門的な指導ができる部活動が減少。結果として、部の統廃合や廃部が進み、「やりたい競技に取り組めない」生徒が増えている。
こうした課題に対応するため、ProgressSHINGUは地域のスポーツを活性化し、持続可能な仕組みを構築することを目的に設立した。
加藤誠人理事長は「地域に根差して活動できるようにしたい。子どもたちがスポーツを通して成長できる環境を、地域全体で支えていきたい」と話している。
(2025年11月14日付紙面より)