奈良県大和高田市立片塩中学校吹奏楽部とその卒業生楽団「しおかぜウィンズ」が3月29日、串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑前で公演「エルトゥールル号祈念演奏会」に臨み培った思いを乗せて半時間ほど演奏を響かせた。
同部は昨夏に挑んだコンクールの自由曲として楽曲「エルトゥールル号の記憶~太陽と新月の絆~」を選曲。その背景を知るために映画「海難1890」や関係絵本を参照し社会科教諭でもある阪田剛一顧問(48)の導きを受け、思いを乗せて5月予定の万博公演を目指し練習を重ねている。その成果を現地に届けるため同町へ相談し、現地へ赴くに至ったという。
この日は部員24人と団員6人、阪田顧問ら教員が同碑を訪問。観客と一緒にまず黙とうをささげ、映画の中でも奏でられた「故郷の空(スコットランド民謡)」とトルコ共和国国歌「独立行進曲」を演奏。事前告知で集まった町民や居合わせた観光客に通りかかったトルコ人ツアー客も加わり数十人規模に膨れ上がった注目の中、「エルトゥールル号の記憶」を同碑へ響かせた。その後もコンサートマーチ「テイク・オフ」、吹奏楽の定番「宝島」、アンコールで再度「故郷の空」を演奏し締めくくった。
公演を経て川本星愛部長(2年)は「実際の場所に来て演奏をするのはすごく貴重な経験。こんなに集まってもらえると思っていなかったし、トルコの方々もすごく楽しんでくださって本当に良かった」とコメント。
選曲から9カ月がかりで現地公演まで盛り上がったのは初めてだそう。そのような部員の頑張りを支えてきた阪田顧問は「どんな出来事にも背景や風景、人々の心情が必ずある。社会科の先輩から『現地で見たことを子どもたちに教えろ』と言われ、自分もその延長でこれまで部員に教えてきた。今日の経験だけにとどまらず現場でしか感じられないものを子どもたちが大事にしていってくれたら」と部員の今後の成長を期待した。
同部・同団一行は公演前に岩礁「船甲羅(ふなごら)」を眺望して現地を訪ねた実感を高め、公演後はトルコ記念館や樫野埼灯台を巡るなど時間が許す限り理解を深めるなどした。
(2025年4月1日付紙面より)
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