三重大学医学部1年生の7人が3月3日(火)までの8日間、熊野市、御浜町、紀宝町などで地域実習に取り組んでいる。医療機関をはじめ、障害事業所、介護保険事業所、行政機関、地域の集まりの場で多職種連携を経験し、学びを深めている。
三重大総合診療医育成プログラムの一環で、医療、福祉、介護に関わる人材育成としてNPO法人ふらっと(西勉理事長)が受け入れを支援した。
今後、医療に携わっていく学生が医療と関係性の深い職種を体験し、「病気ではなく人を看(み)る」大切さを感じてもらうことが狙い。学生たちは春休みを活用して自主的に参加した。
くまのなる在宅診療所、相野谷診療所、荒坂診療所、紀宝町地域包括支援センター、きほう健康ぷらざ、ケアサポートゼロワン、なないろサロン、放課後等デイサービスエミールなどが協力した。
訪問診療、往診を行う紀宝町井田の「くまのなる在宅診療所」(濱口政也院長️)での実習を希望した池田奈々さん(19)は、2月27日、濱口院長、看護師と共に訪問診療の現場に同行した。
御浜町で暮らす女性宅では、採血、血圧測定、濱口院長による診察を見学。家族との何げない会話にも耳を傾けた。
訪問診療後は「在宅医療の現場は今回が初めて。同じ方言で話すことで身近に感じ、患者さんに寄り添っていると思えた。現場でないと分からない距離感も勉強になった。日常会話をしているようで、患者さんに不調がないか確かめる技術のすごさを知った。介護の提案もあり、在宅医療を学ぶことができた」と話していた。
入学後から在宅に興味を持ったという池田さん。前日には相野谷診療所で診察を見学し「この地域は高齢者が多く、それに合った医療の在り方を初めて目の当たりにしました。定期的に診療所に通っている患者さんの背景を分かった上で診療している。そういったことが勉強になった。貴重な経験でした」と振り返った。
濱口院長は「大学は医学の勉強はするが、福祉の学びが少ない。現場では医学だけではなく、いろいろな人と一緒に患者さんを支えていくことがやりがい。それを学生に体験してもらいたい」と語った。
(2026年3月1日付紙面より)
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