那智勝浦町の白華山補陀洛山寺(髙木智英住職)で24日、「カイロスロケット3号機発射成功祈願特別法要」が営まれた。関係者など約20人が参列、髙木住職がたく護摩壇の炎に護摩木をくべ、打ち上げの成功を祈願した。
25日の打ち上げは延期が決定していたが、法要は予定通り行った。
補陀洛山寺の「補陀落」は、南方の海上にあるという補陀落浄土に由来し、平安時代から江戸時代にかけて、一種の捨身行として僧侶を乗せた多くの渡海船が補陀落を目指し同寺から海に出た。
南方浄土の入り口としての同寺と、地球の自転を利用するため赤道に近い本州最南端の地に生まれたロケットの打ち上げ場。同じ方向を目指す縁から、同寺ではカイロス初号機の打ち上げから毎回、成功と空中安全を願って祈とうしている。
法要の前に寺の本尊で秘仏の「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳、「三面大黒天」の公開も行った。参列者に護摩木が配られ、全員が同じ願い、打ち上げの無事成功を木札に記した。
僧や熊野修験の山伏の読経が響く中、関係者が次々と護摩壇に近づき、護摩木をくべていくと細長い炎が上がった。
護摩木に「心ひとつに」と書いた「スペースポート紀伊」の佐藤信政副所長は「25日に打ち上げたかったが、天候には勝てない。一番いい時を狙い間違いなく進めたいと思っている。最後まで人の手が離れないのがロケットなので、地域の皆さんの応援も含め、社員全員が心をひとつにして当日を迎えたい」と語った。
(2026年2月26日付紙面より)