一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT、松下哲也理事長)の部会合同会議が13日、那智勝浦町の体育文化会館で開かれた。機構組織を「商品企画・体験開発」「誘客・プロモーション」「地域環境整備」の3部会体制に改編してから初の会議で、約30人が出席。今後のイベント企画などについて意見を交わした。
観光機構は2020年4月に設立された地域づくり法人(DMO)で、観光関連事業者や行政、社寺などで構成。今年6月の社員総会で浦島観光ホテル代表取締役社長の松下さんが理事長に就任し、組織体制の刷新を進めてきた。
従来は宿泊、物販・特産品、観光体験・歴史文化、飲食、施設・環境整備、交通の業種別6部会だったが、9月に理事会の承認を経て3部会へ再編。地域資源を生かした新たな観光商品開発を行う「商品企画・体験開発部会」、ターゲット別誘客戦略の策定と実行を担う「誘客・プロモーション部会」、観光拠点の環境整備と観光防災に取り組む「地域環境整備部会」に統合した。
縦割りを解消し、部会間の連携強化や意思決定の迅速化を図るのが狙い。各部会で重要業績評価指標(KPI)を設定し、成果を重視したプロジェクト単位の運営に移行する。
松下理事長は「DMOの目的は、顧客目線で誘客を行うこと。その基本方針に忠実に取り組みたい。皆で観光を盛り上げたい。観光は楽しく」と呼びかけた。
機構の役割について「われわれは外から観光客を呼び込み、地域にお金を落としてもらい、その循環で地域を元気にすることが使命」と述べた。また機構の収支の透明化などにも言及した。
誘客事業として来年のイベント企画について議論を交わした。同機構は「詳細が決定次第、内容を発表したい」としている。
商品企画・体験開発部会の部会長に選ばれた岡本直樹さんは「『機構の使命は誘客』という目標を共有しつつ、食の魅力を高めて町づくりに貢献したい。部会の皆の知恵を集約し、食の観光の仕掛けづくりに取り組みたい」と語っていた。
(2025年11月15日付紙面より)