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大絶景をバックにジャイアン貴裕選手が勝利=26日、那智勝浦町那智山
雨上がりの奇跡、激闘に沸く
世界遺産プロレス熊野那智伝説
那智勝浦町

 那智勝浦町那智山の三重の塔前特設リングで26日、「世界遺産プロレス~熊野那智伝説~格闘ロマンチック街道の旅」が3年ぶりに開催された。直前まで降っていた雨も試合開始前には奇跡的に上がり、得意技「那智の滝」で知られるプロレスラー崔領二(さい・りょうじ)選手を筆頭に、総勢26人が激闘を繰り広げた。

 大会は2007年、22年に続き3回目。崔選手が代表を務めるランズエンドプロレスリングが主催し、那智山青岸渡寺、熊野那智大社、那智勝浦町、(一社)那智勝浦観光機構、勝浦ライオンズクラブ、南紀くろしお商工会などが後援した。

 開会式で青岸渡寺の髙木亮英住職が「力道山やジャイアント馬場をテレビで見て以来、プロレスのとりこ。那智山の霊場で、選手たちのパワーと勇気をもらい、世界の平和につなげてほしい」とあいさつした。

 セミファイナルでは、「古座川の英雄」ことジャイアン貴裕選手が大門寺崇選手とタッグを組み、木下享平・旭志織組と激突。観光客も足を止め、熱い声援を送った。

 メインイベントでは、崔、土肥こうじ、若鷹ジェット信介の3選手がほら貝の音とともに三重の塔から入場。対するはディラン・ジェイムス、アンディ・ウー、石切の3選手。6人タッグマッチは場外乱闘ありの大迫力バトルに。最後は崔選手が、仲間の2人を踏み台に渾身(こんしん)の「那智の滝」で決着をつけ、勝利を飾った。

 試合後、崔選手はリング上でマイクを握り、「24年前、自分の技に那智の滝と名付けた。ここまで来られたのは皆さんの応援のおかげ。本当にありがとう。プロレスで世界をもっともっと元気に!」と語った。

(2025年10月29日付紙面より)


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ナイチンゲール像から明かりを受け取る=27日、新宮市の県立なぎ看護学校
学校 実習前に1年生が決意表明
なぎ看護学校で宣誓式
新宮市
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なぎ看護学校
 新宮市の県立なぎ看護学校(杉山文栄校長)で27日、看護宣誓式が行われた。今年4月に入学した1年生21人がろうそくに火をともし、それぞれの目標を宣誓。看護の道を歩む決意を表明した。

 初めての臨地実習に先立ち、看護学生が誠実な看護を誓い、意識と責任感を高める儀式。ろうそくの明かりは、クリミア戦争の野戦病院でフローレンス・ナイチンゲールがランプを持って夜間に患者を見回っていたことに由来している。

 厳かな雰囲気の中、学生たちはナイチンゲール像から明かりを受け取り、壇上で「患者さんとご家族の思いを尊重し、安心感を与えられる看護師」「日々勉学に励み、進歩していく医療に適応できる看護師」と目標を宣誓。ナイチンゲール誓詞を唱和し、ナイチンゲール賛歌を歌った。

 杉山校長は「患者さまに対して献身的に看護し、常に学び、科学的に物事を捉え、それを看護に生かして。適切なケアを提供するために、コミュニケーションを大切に」と述べた。新宮保健所の池田和功所長が、宮﨑泉知事のメッセージを代読し「超高齢社会の進行、働く世代の減少による医療人材の不足、地域間格差の拡大など、看護を取り巻く課題は複雑化している。こうした世の中だからこそ、看護の力が求められている」と述べた。

 在校生を代表し、山本春樹さん(3年)が「これから始まる実習では、患者さんやご家族、病棟の指導者、看護師長など、さまざまな方との関わりが学びになる。全てが皆さんの学びになる。共に頑張っていきましょう」と後輩たちを励ました。

(2025年10月29日付紙面より)

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能登半島地震発生時の経験と大切に感じる事柄を伝える田中隆さん=26日、古座川町中央公民館
防災 能登半島地震に学ぶ
田中隆さん迎え防災講演
古座川町
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復旧
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 能登半島地震に学ぶ古座川町防災講演会が26日、高池にある町中央公民館で開かれ約70人が聴講して町民一人一人や地域、町ができる防災を考える一助とするなどした。

 この講演会は、町の総務課と健康福祉課が共催。2024年能登半島地震発生時に自主防災組織のリーダーとして尽力した能登町立高倉公民館長の田中隆さんを講師に招き、当時直面した課題と対処の考え方、それら経験を通して大切に感じる事柄を聞くとして当日の来場を呼びかけた。

 当日は町を代表して大屋一成町長があいさつをして開会。田中さんは発災直後から約2週間、主導した自主避難先の姫交流センターと周辺地域の状況や次々に出てきた課題と対処を時系列で語りつづった。直面した課題は水の確保、燃料(発電機用のガソリンやストーブ用の灯油)調達、食料確保、不審者(空き巣)対策、支援物資配布、苦難につけ込む詐欺行為やデマへの警戒の呼びかけ、処方薬の不足(DMATの地区入りは11日後)など。田中さんは元消防職員で水の確保に得手があったが、長年の少年野球指導も功を奏して大勢の教え子が協力してくれたことが水の課題を乗り越える力として特に大きかったと強調した。

 幸いだったのは自主防災組織が機能したこと、津波の被害がなく倒壊建物もほとんどなく施設が利用できたこと、さまざまな職種の住民が協力してくれたことなど。困ったのは役場からの情報(停電や断水の復旧の見通し)が入らず不安が拭えなかったことなど。自主防災組織の意識の高さと漁師町独特の強いつながりで困難を地域にある資源で何とかしようという連携がうまく機能し、課題解消とまでいかずとも緩和できるならという発想で行動を起こすこともできた。その経験から大切に感じるのは、独断的な判断ではなく複数の意見を出して話し合うこと。その過程が結果として一致した行動につながったと振り返るなどした。

 終盤では当時の避難所運営を支援した町職員の一人、町健康福祉課の淡佐口麻衣さんがあらかじめ聴講希望者から集めた質問事項をいくつか抜粋して投げかけ、田中さんの考え方を古座川町へ当てはめるなどした。

(2025年10月29日付紙面より)

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