古座川町観光協会(坂本直弥会長)が22日夜、南紀月の瀬温泉ぼたん荘いろり館で屋久島ガイドの松本毅さんを講師に迎えて第2回講演会を開きエコツアーの発想を学ぶ機会を提供した。
松本さんは1993年に屋久島初のエコツーリズム事業をはじめ、そのガイドの組織化や認定制度の立ち上げ、エコツーリズム推進に関わってきた中核人材。同協会はその視点で同町の観光が抱えている課題と手法「インタープリテーション」に基づく方策の提案を得るため、今年2月に続いて2回目となる講演の機会を計画し会内外へ参加を呼びかけた。
当日は会員や一般約30人が聴講。松本さんは「古座川観光の未来戦略~インタープリテーションでつなぐ地域価値~」と題して登壇し、インタープリテーションの解釈や自身のエコツアーのつくり方、それら発想に基づいて屋久島で取り入れているエコツアーとその構成、まちぐるみで14年来話し合って大成させ認定を受けたエコツーリズム全体構想の大枠などを、鍵となる要素の説明を織り交ぜて紹介し、以降は聴講者からの質問に応えた。
日本インタープリテーション協会が掲げる概念は、自然や歴史・文化の魅力や価値を紹介し、地域と来訪者を結び付ける活動=インタープリテーション。松本さんは「屋久杉はこうして巨木になった」という大テーマを一例にしてどのようにストーリーを組み上げて来訪者のふに落ちるメッセージを伝えるエコツアーを実践しているかを解説し、その視点で軽く一枚岩のストーリーとメッセージも探ってみるなどしてインタープリテーションに基づくエコツアーの感覚を伝えた。その実感をまちぐるみで共有する方策としてインタープリテーション全体計画という考え方があることにも触れ、同計画、同構想とも地域としてのブランディングにつながるもので実現のための地域力(蓄積力、自治力、関心力)の高まりが来訪したくなる魅力になるとくくった。
(2025年10月25日付紙面より)
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