新宮市は22日午後、「新宮市旅先納税(ふるさと納税)」の実施に向けた、寄付の返礼品となるデジタル商品券「熊野新宮e街ギフト」の加盟店説明会を、丹鶴ホールで開催した。加盟を検討する多数の事業者が出席。制度概要を知り可能性を探った。
旅先納税とは、旅行者が旅行先へふるさと納税をして、即時返礼品としてデジタル商品券を受け取り、それを加盟店で利用できる制度。全国では109の自治体が、近隣では白浜町が導入している。特徴として、一般的な配送型の返礼品は地域の特産品が主となるが、旅先納税なら観光関連や飲食などのサービス業も恩恵を受けられる。新宮市は11月下旬からの開始を目指している。
説明会では旅先納税システムの提供業者が概要説明を行った。▽寄付金額の3割分が「熊野新宮e街ギフト」として返礼される▽1円単位で利用できる▽残高が料金に満たない場合は残額を現金などで支払ってもらい対応▽有効期限は寄付から1年間―などと伝えた。
お客のスマートフォンの画面に「電子スタンプ」を押すことで決済することを紹介。▽お客が支払金額を入力し「支払う」ボタンをタップ▽加盟店が確認してスタンプを押印▽お客が店名と支払金額を確認して「決済する」ボタンをタップ―で支払いが完了することを述べた。登録料や決済手数料は一切発生しないことも明かした。使用分は月2回振り込まれることも言及があった。
質疑応答では「1年間有効とのことだが、旅行者が新宮から帰り、商品を送ってほしいと言った場合に使えるのか」「原則、飲食や宿泊などのサービスに現地で使うもの」などのやりとりがあった。また市は、加盟店の登録に当たっては条件を満たすかの審査があることを解説した。
説明会に参加した、徐福寿司の店主でもある新宮市観光協会の里中陽互会長は「観光で来た人に、もっとお金を使ってもらうにはどうしたらいいかを考える一つのツールとして面白いのでは」と期待を寄せた。
なお、同じ内容の説明会が同日夜にも同所で行われた。
(2025年10月24日付紙面より)