紀宝町と大阪府岬町が15日、災害時相互応援協定を締結した。大規模災害発生時に物資や人員を相互に派遣し支援することで、迅速かつ的確な災害対応を目指す。紀宝町役場防災拠点施設で協定調印式が行われ、両町長が協定書に署名した。
この協定は、災害対策基本法に基づき締結されたもので、災害発生時に支援要請を受けた町が必要な物資、職員、車両などを供給・派遣する。避難所施設の提供や、輸送費を含む支援経費の負担についても明記されている。
式では、協定書調印に続いて、岬町の田代堯町長が「災害時相互応援協定は、両町に暮らす住民の安全・安心を確保する上で、大変重要な意味を持つ。地域で災害が発生した際には、広域消防や地元消防団などによる救助活動、地域住民同士での助け合いが必要不可欠。本協定は被災地に迅速かつ効率的な応援体制を構築するための重要な第一歩となる。今後も交流を深め、絆を確かなものにしたい」とあいさつした。
紀宝町の西田健町長は2011年の紀伊半島大水害の被害、南海トラフ地震への備えなどを挙げ「今後もさらに両町の信頼関係を深め、万が一の災害発生時には迅速・的確な応援協力が図られるものと確信している」と述べ、協定締結の意義を強調。「締結を契機に、私たちの関係がより強い絆で結ばれ、さらなる友好を深めるとともに、お互いが成長していくことを願っています。知恵と経験を高め、災害に強い町として発展することを祈念します」と語り、今後の連携強化に期待を寄せた。
記念撮影も行われ、両町の災害に対する連携体制が一層強化された。今後、協定に基づき物資の供給や人員派遣、避難施設の相互提供などを円滑に進める体制づくりが進められる。
両町での視察や意見交換などを通して、今回の締結に至った。大阪府最南端の岬町と三重県最南端の紀宝町は今後も緊密に連携し、防災力の向上を図っていく。
(2025年7月17日付紙面より)
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