新宮市神倉にスタジオを設置して準備を進めていたFM新宮放送局(床浦勝昭代表)が、22日(火)に開局する。放送は毎日、午前8時から午後8時まで。地域密着で平時は楽しく、
災害などの有事は情報発信で貢献する「二刀流」のラジオ局を目指す。
長く地域の話題を伝えてきた和歌山放送新宮放送局の放送が2023年3月に終了。リスナーの一人だった床浦代表が今後も地域の情報が欲しいと思ったことに加え、新宮市の姉妹都市である宮城県名取市で東日本
大震災の際にラジオが相当役に立ったと聞いた。
ラジオ局は広告収入で運営する。「たぶんもうからない」が、
災害対策の観点からも地域に必要と考えた。「われわれがしないといけない事業」との使命感から実施を決めた。総務省の認可がようやく下り、開局にこぎ着けた。
周波数は「ハローしんぐう」の86・4㍋㌹。2人のパーソナリティーに加え、高校生も含む約15人の市民パーソナリティーが番組を受け持つ。地元の吹奏楽団やグループの曲紹介も行う予定でいる。平日の午後1時から午後5時は生放送となる。
電波は佐野や高田の入り口、三重県は紀宝町井田辺りまで飛んでいる。その他の地域でも新宮FMのホームページを開けば、全国のどこでも聞くことができる。スタジオ外にもスピーカーを設置しており、通りでも放送を流す。
「いろんな人の応援で実現できた。地域の楽しい話題やイベント情報を届け、わくわくさせたい、元気にしたい」と意気込む。
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■臨災局の役割も
災害時に地方公共団体が申請して開設できる臨時
災害放送局の役割も担う。委託を受ければ運営は民間で可能なため、FM新宮から情報発信する。すでに市役所の7階にもFM新宮の機材を設置しており、
災害で現スタジオが使えなくなっても対応できる。
(2025年7月16日付紙面より)