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「二刀流」ラジオ局を開設する床浦勝昭代表(前列中央)ら=14日、新宮市神倉のFM新宮放送局
FM新宮いよいよ開局
平時は楽しく有事は貢献
「二刀流」ラジオ、22日に

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 新宮市神倉にスタジオを設置して準備を進めていたFM新宮放送局(床浦勝昭代表)が、22日(火)に開局する。放送は毎日、午前8時から午後8時まで。地域密着で平時は楽しく、災害などの有事は情報発信で貢献する「二刀流」のラジオ局を目指す。

 長く地域の話題を伝えてきた和歌山放送新宮放送局の放送が2023年3月に終了。リスナーの一人だった床浦代表が今後も地域の情報が欲しいと思ったことに加え、新宮市の姉妹都市である宮城県名取市で東日本震災の際にラジオが相当役に立ったと聞いた。

 ラジオ局は広告収入で運営する。「たぶんもうからない」が、災害対策の観点からも地域に必要と考えた。「われわれがしないといけない事業」との使命感から実施を決めた。総務省の認可がようやく下り、開局にこぎ着けた。

 周波数は「ハローしんぐう」の86・4㍋㌹。2人のパーソナリティーに加え、高校生も含む約15人の市民パーソナリティーが番組を受け持つ。地元の吹奏楽団やグループの曲紹介も行う予定でいる。平日の午後1時から午後5時は生放送となる。

 電波は佐野や高田の入り口、三重県は紀宝町井田辺りまで飛んでいる。その他の地域でも新宮FMのホームページを開けば、全国のどこでも聞くことができる。スタジオ外にもスピーカーを設置しており、通りでも放送を流す。

 「いろんな人の応援で実現できた。地域の楽しい話題やイベント情報を届け、わくわくさせたい、元気にしたい」と意気込む。

  □     □

■臨災局の役割も

 災害時に地方公共団体が申請して開設できる臨時災害放送局の役割も担う。委託を受ければ運営は民間で可能なため、FM新宮から情報発信する。すでに市役所の7階にもFM新宮の機材を設置しており、災害で現スタジオが使えなくなっても対応できる。

(2025年7月16日付紙面より)


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奉幣神事に臨む上部区(奥)と池野山区(手前)の代表5人=13日、古座川町池野山の八坂神社
祭礼 奉幣神事執行し獅子奉納
池野山八坂神社夏季祭典
古座川町
 古座川町池野山にある八坂神社の夏季祭典が12日に宵宮、13日に本祭を迎えた。13日は上部区(前田範明区長)と池野山区(淡佐口正晴区長)が神前で奉幣神事を執り行い、上部区が獅子舞を奉納して礼を尽くすなどした。

 この神社は池野山区の南端に鎮座し、現在は両区が氏子区域となって護持。上部区主奉仕の夏季祭典(奉幣神事)と池野山区主奉仕の秋季祭典火焚祭)を執り行い、祭神の素盞男命(すさのおのみこと)への礼を尽くしている。

 上部区は上部集会所を宿にして6月後半から獅子舞の稽古を開始。旧青年会(有為館同心社の系統)の奉仕を懐かしんだ区民ら有志が再興した芸能で、祭典の準備を進めつつ▽幣の舞▽神明讃▽乱獅子―の練習に打ち込んできた。

 宵宮は午後7時ごろから獅子屋台の宮上りをし奉納。本祭は午前8時30分から区長ら両区代表5人が参列して奉幣神事を執り行い、古座神社の石田保宮司が両区の御幣を神前にかざして神気を授かり上部区次いで池野山区が玉串と二礼二拍手一礼の所作をささげた。

 獅子舞は参道を座にして奉納。その後は池野山区が境内に設けた酒宴の座で披露し、以降は地区回りをして正午前に宿へ戻り総神楽を経て座払いした。前田区長は「両区民皆さまが平穏で健康に過ごせるように」と祭神に託す思いを語り、一連の主奉仕の主導に励んだ。

(2025年7月16日付紙面より)

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開帳された檜扇に向かい祈りをささげた=14日、熊野速玉大社
祭礼 無病息災や世界平和
扇立祭で檜扇に願い
熊野速玉大社
 熊野速玉大社(上野顯宮司)で14日、「扇立祭(おうぎたてまつり)」が営まれた。神職が本殿前で檜扇(ひおうぎ)を開帳。参列者が玉串をささげ、無病息災や世界平和などを祈った。演歌歌手のステージや福引大会も行われたほか、境内には露店も並んだ。

 熊野地方の夏の風物詩として1000年以上の伝統を持つ祭典。神前に立てられた檜扇に神を招き、あおぎ起こす風で疫病や害虫を払い、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願う意味がある。同大社には日本に18握ある国宝の檜扇のうち10握があり、「熊野檜扇」と称される。ヒノキの木目の美しさを生かしつつ花鳥風月が描かれている。祭りでは7握の複製を使用している。

 当日は雨だった。祭典は拝殿での神事で開幕。通常なら各社殿前で檜扇を開帳するが、雨の影響で大型の1握のみ本殿前で開帳、残る6握は拝殿に置かれていた。大社崇敬会や扇立祭奉賛会、敬神婦人会など約30人が参列。上野宮司が祝詞を、巫女(みこ)が神楽を、参列者が玉串をささげた。

 演歌歌手のステージは滝さゆりさんが務め、同奉賛会が神賑行事として行った。屋外での実施予定だったが雨天のため、拝殿に変更した。美声を響かせ、来場者からは拍手が送られた。

 境内では、中学生以下と65歳以上を対象とした、総額100万円の景品が当たる福引大会が行われた。露店は参道の両側に立ち並んでいた。

 上野宮司は「扇で神様に涼んでいただき、また神様の霊風(たまかぜ)で疫病や悪いものをはらっていただく意味もある。外国では戦争も起こっているので、平和が訪れることもお祈り申し上げた」と話した。

(2025年7月16日付紙面より)

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