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温泉と宗教の関連性について認識を新たにした=18日、田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館
温泉と宗教の関連性は
本宮・湯の峰を例に講演
熊野三山協議会

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熊野本宮大社
熊野三山
 熊野三山協議会の主催する「熊野三山歴史講座」として、日本宗教民俗文化学研究所主宰で文学博士の大森惠子さんによる「湯の峰温泉の伝承文化と湯治生活―特に、神仏習合時代のつぼ湯と湯胸薬師を中心として―」が18日、田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館であった。多数が来場、温泉と宗教の関連性について認識を新たにした。

 大森さんは▽かつての温泉は病気療養の場であり、江戸時代は寺が泉源を管理する権限を任されていた▽修験者は薬草に詳しく、薬師のつぼに入れて縁日で授与していた―などと説明。「泉源を管理する薬師堂を持つお寺が病院のような存在で、かつ(温泉地が)宗教的霊場の意味合いもあった」と語り、その一つとして湯の峰や熊野本宮は大きな力を持っていたことを伝えた。

 湯の峰温泉の写真を示し、そこにある寺にも薬師堂があることを示した。明治17年の草津温泉の絵図を映し、やはり薬師堂や寺があることに言及。「宗教施設が泉源が見える位置にあり監視している。信仰の霊場でもある」など、湯の峰との共通点を述べた。

 江戸時代に温泉地の効能や人気を格付けした「温泉番付」に「熊野本宮之湯」が大きく出ていることを紹介。「大きな勢力だったと分かる。これだけ真ん中で大きい。温泉も管理する寺も神社も権力を持っている証拠。宗教者はすごい力があった。温泉に関する宗教的影響力はすごいものがあった」と明かした。

 成務天皇の頃(84~190年)に国造が熊野の泉源の地を「大湯原」と名付けた伝承も語り、熊野本宮大社の旧社地「大斎原(おおゆのはら)」との関連を示唆した。また能には「熊野(ゆや)」と呼ばれる演目があり、多くの流派は「熊野」と書くが、喜多流のみ「湯谷(ゆや)」と書くことを説明。温泉との関連を匂わせた。

(2026年2月20日付紙面より)


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書籍を手にする田嶋勝正町長(左)と福島雄一代表取締役=18日、串本町役場本庁舎
地域 書籍「樫野定置網の魚」寄贈
弁天前定置水産から町へ
串本町
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大島小
 串本町樫野に本社を置く弁天前定置水産株式会社(福島雄一代表取締役)が18日、町へ書籍「紀伊大島 樫野定置網の魚」の寄贈を申し出た。町立小中学校へ各3冊、町図書館へ5冊を配分する予定で、福島代表取締役は「串本町にはどんな魚がいるのかと聞かれたときに答えられるようになり、串本町を自慢できる人になってほしい」など寄贈に込める思いを語る。

 須江にある京都大学フィールド科学教育研究センター里域ステーション紀伊大島実験所を管理するため魚類に詳しい甲斐嘉晃准教授が月例で訪れるようになり、その機会へ福島代表取締役が樫野の定置網で水揚げされる魚を記録として残してほしいと提案したことがきっかけ。甲斐准教授は県水産試験場の御所豊穂主任研究員に共著の協力を求め、同社社員の協力も得て308種類の魚を記録し、同社と同センターを発行元として書籍化し昨年10月1日付けで発行した。

 B5判フルカラー112㌻構成で、作成数は100冊。非売品扱いで発行以降は社員と関係先へ配っていて、半数を町へ託すとして寄贈を申し出るに至った。

 この日は福島代表取締役が田嶋勝正町長を表敬訪問し、現物を寄贈。田嶋町長は「素晴らしい物を作っていただき、後世に大きく残ると思う。僕も67年住んでいて魚が多いとは聞いていたが、この本を読ませていただいていろいろな魚種がいることが初めて分かった」と応え申し出に感謝するなどした。

 福島代表取締役は、体系的に分析されていて魚の違いがよく分かり漁業者にとってもありがたい書籍だと自負。「黒潮の大蛇行が終わって流れが変わり、今後は南方系の新たな魚が定置にかかるようになると思う」と今後を見据え、引き続き魚種の調査を続けて改訂版へとつなげていきたいと思い描いている。地元の大島小児童へ卒業記念で贈ることも考えているなど地域への思いに加え、この書籍が魚種の変化を把握する一資料として後世に役立つこと、魚種の認知を深めて知られていないために市場で値が付かず、食べられるのに売れないもったいない魚種を食用として広めることにもつながればと期待した。

(2026年2月20日付紙面より)

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アンパイ大使夫妻らが上田勝之市長と懇談した=18日、新宮市役所
国際 姉妹都市化にも意欲
新宮市・上田市長と懇談
ラオスのアンパイ大使ら
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友好協会
 ラオス人民民主共和国大使館のアンパイ・キンダヴァン駐日特命全権大使と妻のピンパーさんが18日、新宮市の上田勝之市長を訪問。懇談を通じてさらなる友好関係を願った。

 ラオスはインドシナ半島に位置する永世中立国で、仏教が盛ん。庶民の暮らしは決して裕福とはいえず、特に教育面ではハード、ソフトともに十分な環境が整っているとはいえない。

 全国にラオス友好協会がある中、「和歌山ラオス友好協会」(田邉毅一会長)は2015年1月30日、国内19番目の友好協会として発足。ラオスの観光と教育に援助を行っており、現在も友好的な関係が続いている。アンパイ大使夫妻はこの日、市内で開かれた同協会の懇親会に出席することなどを目的に来熊した。

 同協会の名誉顧問を務める上田市長を訪ねたアンパイ大使は、ラオスにある、町全体が世界遺産に指定されている「ルアンパバーン」が新宮市と似ているとし「もしお越しになれば案内したい」と笑顔。現在話が進んでいるという新宮市とラオスとの姉妹都市化にも意欲を見せた。

 上田市長は、昨年、日本とラオスが外交関係を樹立して70周年を迎えたことに触れ「テレビなどで見て、非常に親日な国だという印象」と述べ、今後さらなる友好関係を祈念した。

(2026年2月20日付紙面より)

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