熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

那智の滝について語る榎俊幸さん(左)と八木幾朗さん=11月29日、那智勝浦町体育文化会館
画家が語る那智大瀧の魅力
那智勝浦町で記念トークショー

【この記事のキーワード】
熊野那智大社
 来年4月8日(水)から熊野那智大社境内「斎館」で始まる「那智大瀧展」を記念したトークショーが11月29日、那智勝浦町体育文化会館であった。2人の画家が那智大瀧展の意義や制作の背景を語り合った。

 長年にわたり熊野を描き続けてきた鉛筆画家・篠田教夫さんをはじめ、全国で活躍する作家の情熱が結集して実現した同展。篠田さん、塩谷亮さん、榎俊幸さん、奥山忠さん、梶岡俊幸さん、川又聡さん、熊谷曜志さん、松岡歩さん、八木幾朗さん、安原成美さん、谷津有紀さんが出品する。篠田さんは2009年に初めて熊野を訪れ、那智大瀧の荘厳な姿に心を打たれ、これまでに4点を熊野那智大社へ奉納している。

 トークショーでは、「なぜ画家は那智大瀧を描くのか」をテーマに、日本の伝統美を尊びつつ独自の表現で力強い作品を生み出す日本画・洋画のベテラン画家、八木さんと榎さんが制作への思いや作品にこめた願いを語った。いずれも日本美術家連盟会員で、那智大瀧展に出品する。

 国宝「那智瀧図」をスライドに映しながら、榎さんは「子どもの頃にこの絵を見た。日本刀のように立つ美しい形で、日本人の精神を写しているようだった」と述懐。満月の夜の滝を一目見ようと20年前に那智を訪れ、その神秘的な姿に引かれて滝の研究と制作を重ねてきたという。「導かれるような思いを込め、『みちびき』と題した縦7㍍横1㍍の作品を描いた。熊野那智大社に展示されることに意味がある」と語った。

 八木さんは屏風(びょうぶ)に墨で描いた新作について説明。「直感で描くことが多いが、那智大瀧展のお話を聞いた時は本当にうれしかった。世界に知られた素晴らしい滝。訪れた際、その圧倒的な存在感に感動し、誠心誠意描かなければと感じた」と話した。「那智の滝は信仰の対象。大きな岩の造形は涙が出るほど美しい。絵は人の心を写すもの。技術だけでなくプラスアルファが大切」と表現への思いを述べた。

 那智勝浦町展に出品した那智の滝を描いた作品を講評。「生命力を感じる」「筆に勢いがある」と評価を受けた田中掬代さん(82)は「講評を受けて感動しました。力強いと言っていただき、これからも描いていけると思った」と話していた。

(2025年12月2日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

ぐらつく石段の周囲を固めた=11月30日、新宮市の神倉神社
地域 神倉神社の石段を補修
奉賛会と青年団が奉仕
 神倉神社奉賛会(井上信也会長)の10人と神倉青年団(清岡尚寿団長)の15人は11月30日、新宮市の神倉神社の石段補修を行った。御燈祭(おとうまつ)りの上(あ)がり子と参拝者の安全のため、毎年この時期に実施している。セメントを運び上げて土と混ぜ、ぐらつく石段の周囲を固めた。

 神倉神社大祭である御燈祭りは毎年、2月6日に行われる。奉賛会と青年団は実施に備えて、この時期の石段補修に加えて1月にも石段検分を実施して、危険箇所がないかを確認している。

 今回は補修に備え、前週のうちに土2㌧を用意。1000個のナイロン袋に分け、訪れた参拝客にも協力を依頼し、3日ぐらいかけて頂上と中の地蔵前まで、半数ずつを運び上げていた。

 この日は20㌔のセメント7袋を運び上げた。スコップで土と混ぜ、バケツに入れて運び補修した。参加者は協力して黙々と作業していた。

 井上会長(67)は「御燈祭りまであとふた月と10日ほど。また最近は観光客も多い。世界遺産の神倉神社に安心安全で上れるように、また御燈祭りの上がり子のためにも、しっかりとした足下を造りたい」と話した。

(2025年12月2日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

にぎやかな雰囲気で仕立てたクリスマス水槽=11月30日、串本海中公園センター水族館
地域 日曜日はサンタの掃除も
年末恒例の2企画始まる
串本海中公園
 串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)でクリスマスにちなんだ企画が始まった。飼育スタッフの創意工夫による年末恒例の趣向で、今年もクリスマス水槽とサンタクロースの衣装を着ながらの水槽掃除で館内を盛り上げている。

 クリスマス水槽は串本の海の旬の話題を伝えるトピックス水槽で先月29日から開始。飼育スタッフの中村公一さんが担当し、主に串本の海にいる彩り豊かな生き物とサンゴ骨格を材料にして作った飾りなどを一緒に展示し、その周囲に電飾も飾ってクリスマスのにぎやかな雰囲気を醸している。展示期間は今月25日(木)までで、中村さんは生き物の状態により内容を変える場合があるが当初の13種類50匹程度の規模を極力維持したいと話している。

 水槽掃除は飼育スタッフがシフトを組んで定期的に実施している、観察窓のコケを取り除く作業。衣装を着ながらの作業は先月30日から串本の海大水槽で始まり、今後もクリスマス前までの毎日曜日午前11時から45分程度行う。窓越しにジェスチャーで来館者とコミュニケーションし、カメラをかざすと記念撮影にも応えてくれる。クリスマス当日の25日午前11時から館内最大容量の水中トンネル水槽でも実施予定で、作業員2人がサンタクロースとトナカイの姿で登場する。

 10月から同センター支配人も務めることになった森館長は「夏とは違った冬ならではの澄んだ水槽の雰囲気と一緒に楽しい水槽やイベントを準備しているので、ぜひ遊びに来てほしい」と来館を誘っている。問い合わせは株式会社串本海中公園センター(電話0735・62・1122)まで。

(2025年12月2日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • 学校 文化行事尽くしの一日 劇や合唱奏などを披露 (光洋中)
  • 【この記事のキーワード】
    光洋中
    文化祭
  • スポーツ 全国大会の成績などを報告 少年剣道クの河田舞耶さん (串本町)
  • 【この記事のキーワード】
    串本小
  • スポーツ 女子駅伝チームが町長に報告 下里中が全国大会に向け意気込み (那智勝浦町)
  • 【この記事のキーワード】
    下里中
  • スポーツ 6㍍先の的に向かって矢を吹き 田鶴原クラブが体験会 (新宮市)
  • 地域 晩秋の夕景など感嘆誘う 潮岬灯台で「夕暮れ参観」 (燈光会潮岬支所)
  • 【この記事のキーワード】
    潮御崎神社
  • 地域 努力と成果たたえ7人を表彰 那智勝浦町で農産物品評会
  • 【この記事のキーワード】
    農業協同組合
  • 地域 「美しき町」の背景は 佐藤春夫記念館の講座
  • 地域 4、5歳園児17人との交流会 歌とダンスに楽しい時間過ごす (湯ごりの郷)
  • 地域 決起集会と街頭啓発 交通事故をなくする協議会 (新宮市)
  • 地域 神田泰仁さんに記念品贈呈 秋の叙勲受章を祝して (那智勝浦町)
  • 地域 地域で支え合う地域づくり ハローネイバーズプロジェクト (那智勝浦町)
  • 地域 親子で交通ルール学ぶ 子育て支援センターで (紀宝町)
  • 地域 町内産ミカンも人気 ウミガメ公園で初の収穫祭 (紀宝町)
くまスポ 【11月30日付紙面より】
  • KKNルーキーズが優勝 新宮署防犯学童軟式野球大会
ご購読・試読のお申し込み