那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で初となる「三千仏礼拝行」が19日から始まった。熊野修験の山伏行者5人が「五体投地」の礼拝を繰り返す過酷な行に挑んでいる。
熊野修験の修行の場である同寺の行者堂再建から2年目を迎えるに当たり、密教を極めるための高位の修行「加行」を行う資格を得るべく、有志の山伏行者らが行った。
「三千仏礼拝行」とは、過去・現在・未来の三世にわたる千仏、計三千体の仏の名を一つずつ唱えながら、両膝・両肘・額を地面に投げ伏して仏に最大の敬意と感謝を表す礼拝「五体投地」を行う修行。
圓教寺(兵庫県)や興聖寺(京都府)などの礼拝行が有名だが、和歌山県では青岸渡寺が初めて。初日の礼拝行は休憩を挟みながら過去の千仏の名を唱えた。2日目は現在、最終日には未来と、計3日間の修行となる。
行者堂には早朝から礼拝を行う熊野修験の山伏らが集まり、荘厳な雰囲気の中、仏の名を唱え、膝を折り肘と額を床につけ、礼拝を行った。
青岸渡寺副住職で、世話役として立ち会った髙木智英大先達は「この行は自己の罪をざんげして心身を清め、人々の救済、世界平和を祈念する修行。このような精神を高める修行があることを多くの方に知っていただき、熊野修験に興味を持ってほしい。日を重ねるにつれ厳しくなってくると思うが、全員が最後までやり遂げ、無事満行されることを願っております」と語った。
静岡県から参加した佐々木和英さん(50)は「まだ修行を始めて間もないので、先輩方に着いて行くのが精いっぱいですが、一つ一つ心を込めて礼拝をして、無事満行したいと思っています」と話していた。
(2026年6月20日付紙面より)