新宮市の王子権現親睦会自主防災の会(久保雅司会長)は23日、地区一斉避難訓練を実施。約80人が市立王子ヶ浜小学校体育館に避難し、南海トラフ地震への対応を学んだ。
年に1度の恒例訓練。同会では本年度、4月に町内会役員で避難道路を確認して補修した。来年度は、王子神社から大浜海岸の市道で改修を進める計画だという。
訓練は津波を想定。各自、自宅から避難場所までの所要時間を知るため、歩いて避難所に向かった。集合後、久保会長が「自宅から体育館までの避難時間を確認しておいてください。通常の避難路が通れない場合は、別の道でここに避難してください」と呼びかけた。
巨大地震発生から次の地震に備えた7日間の様子を描いたDVDを視聴した後、出前講座で市防災対策課の丸山義満さんが地震のメカニズム、南海トラフ地震臨時情報などを説明した。
「日本は地震大国。災害リスクを知っておくことが重要」と伝えた上で、新宮市では▽東海地震・東南海地震・南海地震▽東海地震・東南海地震・南海地震3連動▽南海トラフ巨大地震―の発生が想定されているとした。
南海トラフ地震の発生確率が30年間で60~90%程度以上に見直されたことを伝え「いつ起きてもおかしくないと受け止めてほしい。正しく地震を恐れ、できる範囲で対策を行ってください」と呼びかけた。
津波ハザードマップ、避難情報、臨時情報、防災行政無線サービス、家具転倒防止器具取付事業、住宅耐震改修事業などを紹介。「常備薬も忘れずに自身の必要な物をあらかじめ準備しておいてください。備蓄を意識せず、普段の生活の中でローリングストックを」と伝え、非常用持ち出し袋を配布した。
新宮市では1946年12月21日の南海地震で死者58人、負傷者235人、住家全壊600棟、半壊1406棟、焼失2398棟の被害があり、市街地の約6割が倒壊・焼失したという。
(2025年11月28日付紙面より)
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