紀宝町立矢渕中学校(岩本拓志校長、生徒218人)は22日、本年度最初の避難訓練を実施。地震発生後の津波を想定し、全校生徒が二手に分かれて学校裏の高台に逃げた。
防災教育の一環として毎学期1回、地震・津波や火災などを想定した避難訓練に取り組んでいる。今回は生徒、職員全体が避難場所と経路を理解し、迅速な避難、人員点呼を訓練。「共力~地域とともに『今』できること~」をテーマに、命を大切にする行動の意識を養った。
午後1時45分、地震を知らせる校内放送が流れ、授業中の生徒たちは机の下に隠れて身の安全を確保した。
揺れが収まった後、貴祢谷神社の参道側とテニスコート側に分かれて約400㍍先の高台まで駆け上がった。
県の想定では南海トラフ地震が発生した際、矢渕中には25分で津波が押し寄せると想定されており、生徒たちは8分58秒で避難を完了させた。
終了後はグラウンドに集合し、岩本校長は「総括は厳しく、シビアでないといけない。学校で震災が起こったら誰一人命を落としてはいけない。だから一切の妥協は許されない」と話した。
教訓とは過去の災害でうまくいかなかったことを今に生かし、命を守り切ることだとし「99・8%ではなく100%でなければならない」と強調。これまでの震災を振り返り「学校が子どもの命の最後の場所であってはならない。この教訓を生かし、一人一人が確実に避難できたかを考えてほしい」と呼びかけた。
避難訓練で重要なのは想像力だとし「今日は絶好の避難訓練日和だが、地震は気候を選ばない。津波の危険があれば土砂降りでも避難しなければならない」と伝えた。
「自分と仲間の命を守る行動が取れたかを各自で振り返り、次に生かしてほしい」と述べた。
悪条件下では避難にさらに時間がかかる可能性にも触れ「想像力を働かせることが、自分や仲間の命を守ることにつながる」と締めくくり、生徒たちに一層の防災意識の向上を求めた。
(2026年4月26日付紙面より)
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