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人口減少時代の地域経済を考えた=4日、新宮市役所別館
人口減でも地域を豊かに
明大教授が経済学の講義
新宮市

 新宮市教育委員会と明治大学の連携教養講座「新宮市民大学」が4日、市役所別館であった。同大学の2教員が午前と午後に分かれ、研究成果を紹介した。約90人が参加して知見を広げた。

 新宮市民大学は2006年度より開催しており、今回で17回目となる。市民が学ぶ場を提供し、地域社会に貢献できる人材を育成することを目的としている。8月30日にも2教員による講義を実施していた。

 今回は、午前に農学部の長田恭一教授、午後に政治経済学部の奥山雅之教授が講義した。奥山教授は「人口減少の中で地域を豊かにする新しい地域経済学」を演題とした。

 新宮市の所得循環構造を、資料を使い説明。「どれだけ地域で仕事やお金を回していくかが重要。外から所得を呼び込めるか。回す担い手をどうつくるのか」と問いかけた。

 ローカルとグローバルを足した造語「グローカル」のビジネスが必要と強調。「成熟した国内市場ではなく、成長する海外市場につなぐべき」と伝えた。

 アジア市場の急成長や進出の成功例などに言及。「輸出は大企業だけのものではない」と強調した。

 「漏れバケツの理論」を紹介。「所得が市外に漏れ出ることを防ぎ、どう地域に落とすか。地域内で担える部分を増やすこと。外から稼ぎ内で回すのが地域経済循環の基本」と訴えた。

 従来型の「企業の誘致」ではなく、今後は「人の誘致」が必要と指摘。「工場が来てくれるとは限らないし、来ても閉鎖になる場合も。人が集まれば仕事が生まれ、企業も集まる。人が学び、交わり、挑戦する地域へと変化を」と力を込めた。

 「人口減少の中でも、地域の在り方を変えていけば豊かにすることはできる。外から稼ぎ、内で回し、人が関わる。人が挑戦する地域をつくるべき」とまとめた。

(2026年10月8日付紙面より)


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テープカットを行い再開を祝った=7日、新宮市伊佐田町の佐藤春夫記念館
地域 佐藤春夫記念館が再開
無料開放や特別展示も
新宮市
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熊野速玉大社
 移転工事のため休館していた、新宮市立佐藤春夫記念館(楠本秀一館長)が7日、再開した。12日(月・祝)まで無料開放するほか、新宮市では初公開となる高村光太郎画「佐藤春夫像」を特別展示する。

 春夫館はもともと、春夫が1927(昭和2)年に東京都に建てた邸宅となる。春夫の死後、熊野速玉大社の境内に移築し、89(平成元)年に記念館として開館。しかし老朽化が進み、また同時代の旧西村家住宅や旧チャップマン邸の近くで歴史情緒を演出し相互の来館促進につなげようと、24(令和6)年7月から今年の2月まで伊佐田町への移転工事を行っていた。

 再開に当たり市は同日午前、記念式典を開いた。市や市議会、公益社団法人佐藤春夫記念会などから約60人が参加した。

 上田勝之市長と同会の辻本雄一理事が式辞。「市の文化の拠点としての発展を願う。多くの市民が文学や文化に親しむ施設となることを祈念する」「(再開が)春夫の文学を見直すきっかけになれば。さらなる発展を期待する」と語った。

 来賓として、春夫の孫に当たる髙橋百百子さんと、新宮市議会の榎本鉄也副議長が祝辞を述べた。

 移転再開への協力者に対する感謝状の贈呈の後、代表者によるテープカットを実施した。春夫作詞(補作)の正調新宮節の披露も同保存会により行われた。

 同館の開館時間は午前9時~午後5時、月曜休館。平時の入館料は一般330円、小中学生160円となる。問い合わせは同館(電話0735・21・1755)まで。

(2026年10月8日付紙面より)



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真剣な表情でゲームに取り組む参加者=3日、新宮市福祉センター
防災 支援制度の活用法を学ぶ
被災から生活再建への道筋
 新宮市福祉センターで3日に開かれた、弁護士・防災士の永野海さんによる講演「大規模災害後の生活再建と津波避難の実践的な知識について、学ぼう。」から、被災後の生活再建についての内容を紹介する。

 「知ってほしいのは、生き残った後の方が大変だということです」。永野さんはこう切り出し、東日本大震災や熊本地震、能登半島地震などで、被災後に多くの人が災害関連死で亡くなっていることを説明した。

 その原因は避難所の環境などさまざまだが「生活を再建する見込みがない」ことも大きいと指摘。「未来に希望が持てずにいると精神が衰弱し、免疫力も低下する」と述べ、被災後に生活を立て直すことの重要性を訴えた。

 日本には、被災後の生活再建を支援する法的な制度が細かなものまで含めて100以上あるという。一方で、基本的には手続きや申請をしなければ利用できないため、制度を知らなかったり、被災時にどのような支援を受けられるのか分からなかったりして困る人も多いと説明した。

 知っている人だけが支援を得られる「申請主義」の問題点にも触れ、被災者に寄り添い、生活再建を支援する「災害のケアマネジャー」のような存在が必要だと訴えた。

 「今日は災害後にもらえるお金や、特別な条件で貸してくれるお金のことを一つでも学んで帰ってほしい」と呼びかけ、参加者は数人ずつの班に分かれ、ゲーム形式で支援制度を学んだ。

 ゲームでは、自宅の建て替えを望む高齢者夫婦を想定。参加者は「生活再建カード台紙」をテーブルに広げ、安心して暮らせる家や近所の友人など、再建後の生活に必要なものを考えた上で、どのような住まいが必要なのかを選択した。

 再建の道筋を決めると、台紙に記された生活再建の支援制度に該当するカードを貼り付けた。カードには申請条件や支援内容が記されており、参加者は制度の内容を確認しながら、利用できる支援や支給額などを台紙に書き込んだ。

 公費で家屋を解体・撤去できる「公費解体」は、基本的に全壊建物が対象だが、東日本大震災のように「特定非常災害」に認定されれば、半壊建物も対象になることを紹介。家屋を撤去することで、半壊では適用されない「被災者生活再建支援金」の「基礎支援金」「加算支援金」も全額適用される場合があるなど、制度の細かな仕組みも解説した。

 不動産評価額の6割までを上限に、自宅の修理や建て替え、転居して家を購入するなどの資金を融資する「リバースモーゲージ(高齢者返済特例)」も紹介。60歳以上が対象で、返済は月々の利息のみとし、死亡後に不動産を売却して弁済する仕組みを学んだ。

 最終的に、参加者が各種支援制度を組み合わせて約3000万円を調達できるケースを示すと、参加者からは驚きの声が上がった。

 参加した民生委員の女性は「罹災(りさい)証明書の取り方など、15年前の水害の経験を思い出したが、知らないこともあって勉強になった。生き延びれば必ず生活が再建できると勇気が湧いた」と話した。

  □     □

■研修をネットで学習

 今回の研修とほぼ同じ内容がネットで無料体験できる。興味のある人は別枠QRコードから永野さんの被災者支援情報サポートページ「ひさぽ」まで。

(2026年10月8日付紙面より)

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