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永野海さん提供
三つの「S」で命を守る
新宮市で防災関連講演会

 新宮市の福祉センターで3日、同市の民生委員と児童委員、自治会役員などが対象の研修会「大規模災害後の生活再建と津波避難の実践的な知識について、学ぼう。」(新宮市民生委員児童委員協議会・同市自治会連合会主催)があった。弁護士で防災士の永野海さんが津波からの生き残りと、その後の生活再建について講演した内容を2回に分けて紹介する。

 永野さんは東日本大震災後、津波で娘を亡くした石巻市の男性との出会いをきっかけに津波の犠牲者を減らすための啓発に努めている。

 研修会では、男性の娘が通っていた石巻市立大川小学校の津波被害を「回避できていた」とした。津波は致死性が高く、震災発生直後の死者割合が約9割だったが、事前に逃げれば回避できる災害でもあるとし、同校は津波到着まで約50分の猶予があったと明かした。

 しかし、ハザードマップでは津波が来ない地域だったこと、教職員たちが避難場所など具体的指示の作成や訓練を行っておらず「どうするか」の議論に終始。校舎近くに身を守れる高台がありながら児童74人と教職員10人が犠牲となったと解説した。

 大災害から命を守るには▽地震の後、避難モードへ切り替える(SWITCH=スイッチ)▽決めた場所へ安全なルートで避難する(SAFE=セーフ)▽避難の後も戻らず命を守り抜く(SAVE=セーブ)―の三つの「S」が重要とした。

 SWITCHは、激しい揺れが続いたら「津波スイッチ」をオンにして避難するよう呼びかけた。揺れの大小や行政の指示などではなく、揺れの時間で計測した震度が避難の指標になるとし、マグニチュード(M)7で約10秒、M8で約60秒、M9なら約180秒揺れると説明した。

 SAFEは、避難場所を「近隣の公園」など抽象的な表現や「神社、指定の避難所」など判断に困る併記でなく「自宅にいたら、高さ○㍍の○○に逃げる」と、具体的な避難指示のカード作りが有効だと話した。

 会社など、自分の行動範囲を想定したカードを複数作り、避難を意識できる利点も説明した。

 作成時は国土地理院の「重ねるハザードマップ」「自分で作る色別標高図」で安全性を調査、避難施設や予想到達時間なども併せて確認し、実際に行って所要時間や安全なルートを把握しておくことにも触れた。

 SAVEは、警報の解除までは絶対に安全な場所から動かないこととした。避難場所にも津波が迫ったことから急きょ近くの裏山に40人の園児を避難させ、雪の降る中2時間の避難を継続して助かった保育所職員と園児の事例を挙げ、最初の避難所で園児70人を保護者に引き渡した結果、9人が保護者と共に亡くなったと続けた。

 「保護者と危険な場所に行かせたら避難した意味がない。子どもを預かる側、保護者それぞれが確実に津波から身を守る方法を確立させ、互いに安心して避難できることが大切」と話した。

(2026年10月7日付紙面より)


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イベント会場になった入り口ホール=3日、太地町の国際鯨類施設
地域 国際鯨類施設で初のイベント
しあわせフェアーinたいじ
 太地町の「国際鯨類施設」で3日、同施設では初のイベント「第3回しあわせフェアーinたいじ」が開かれた。秋晴れの下、町内外から多くの人が訪れ、食事や買い物にダンス、音楽などを楽しんだ。

 新宮・東牟婁地域の五つの福祉施設(ワークランドそら、南紀ひまわり作業所、第二なぎの木園、エコ工房四季)による「しあわせフェアー実行委員会」の主催で、太地町社会福祉協議会との共済。

 テーマは「福祉の〝和〟をひろげよう」。実行委員長の小出明男さんによると「福」も「祉」もともに幸せを意味する字だそうで「全ての人が幸福で自分らしい生活が送れるよう、和の心を持って、みんなで輪になろう」という願いが込められている。

 これまで会場は同町多目的センターだったが「クジラ専門の研究施設という国内でも珍しい場所をもっと身近に感じてもらえたら」という実行委員会の思いに同施設が応え、開催が決定した。

 高台から熊野灘を見渡せる施設の前で、太地町民芸保存会くじら太鼓部会がオープニングを飾り、勇壮な和太鼓の音が青空に響き渡った。

 入り口周辺では焼きそばなどの屋台からおいしそうな匂いが上がり、メダカすくいもあった。

 クジラのオブジェなどが置かれた玄関ホールには、主催各施設が作るお菓子などの売店や、射的の露店に行列ができていた。飲食可能なテーブル席もあり、家族連れが食事を楽しむ姿もあった。

 普段研修などで使うホールでは「F.S.P.A.」「Wakayama Dragon Locker's」によるストリートダンスや「HulaHapuna」のフラダンス、「野澤大輔と社協BAND」の楽しく明るい歌や、「楽団ごっこ」のアイルランド音楽が来場者を楽しませた。

 家族と新宮市から来たという男性は「重厚な外見の普段とは雰囲気も変わって、まるで遊園地のようだ」と話していた。

(2026年10月7日付紙面より)

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寄付を受けて赤い羽根を手渡した=4日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店
地域 買い物客に寄付呼びかけ
「赤い羽根」街頭募金活動
新宮市
 今月から始まった「赤い羽根共同募金運動」に合わせ、新宮市共同募金委員会(上田勝之会長=市長)は4日、市内のスーパーマーケット5店舗で街頭募金活動を実施した。各所で募金箱を持って立ち、買い物客に寄付を呼びかけた。

 同運動は来年の3月31日までが期間となる。▽オークワ新宮仲之町店▽オークワ新宮駅前店▽業務スーパーよってって▽Aコープランティス▽スーパーセンターオークワ南紀店―で実施した。▽市ボランティア・市民活動センター登録団体▽民生委員▽福祉委員▽市社協理事―などが参加した。

 新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店では約20人が募金を集めた。多くの買い物客が寄付を行い、赤い羽根を受け取っていた。上田会長は「皆さんの募金は市のいろいろなところで有効に使わせていただくので、ご協力をよろしくお願いします」と話した。

(2026年10月7日付紙面より)

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