しんぐう信金経営者塾100人会(榎本宏一会長)の主催による、橋川史宏氏講演会「おかげ横丁の経営理念~なぜ伊勢の町づくりは成功したのか?~」が24日、新宮市丹鶴のホテルニューパレスであった。約70人が参加、三重県伊勢市の成功事例から地域活性のヒントを探した。
同会は新宮信用金庫が集めた熊野地域の経営者で組織。橋川氏はおかげ横丁を企画・管理運営する株式会社伊勢福の元代表取締役。松下政経塾1期生、一般社団法人ツーリズムみはま理事、和歌山大学大学院客員教授などの肩書きも持つ。
橋川氏は、おかげ横丁の経緯を「昭和63年に企画を立ち上げ、平成5年に完成、32年目になる」と説明した。それまで伊勢は旧態依然とした観光地で衰退していたことを紹介。「おかげ横丁をつくる時、同じ事を繰り返しても仕方ない、新たな観光業を模索していかないと、との考えだった。問題意識から生まれた」と伝えた。
おかげ横丁は▽地域資源活用▽体験▽食べ歩き―などを重視。人気を博し現在は毎年、来客数が約600万人、リピート率は約70%、約20%が8回以上のリピーターで、平均滞在は3時間であることを明かした。
経理理念の重要性を強調。「事業の目的を設定し、それを実現する方法論を言葉で表現すれば教育できる」と述べた。「目的、その理由、ビジョン、手段、価値観の五つがそろうと経営理念が出来上がる」とし、おかげ横丁の経営理念を提示した。
「経営理念で事業の開始から結果までのシナリオが見える。行動するための理由を明らかし、力を結集できる。本質を示し個性を描ける。だから経営理念は必要」と力を込めた。
おかげ横丁の成功により、伊勢全体にも変化が生じ、理念が地域全体に共有されるようになっていったことを解説。「目的もビジョンも手段や価値観も共有し、地域づくりのムーブメントが生まれていった。新宮市の地域づくりも目的やビジョンなどを考え、地域が根底から盛り上がるように努力を」とエールを送った。
(2026年2月27日付紙面より)