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除幕を行う九鬼家隆宮司(モニュメント右横)と青山裕一代表(同左横)=7日、熊野本宮大社
巡礼記念、平和の祈り
ホタテ貝のモニュメント
熊野本宮大社
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熊野本宮大社
 世界に二つしかない「道」の世界遺産である、熊野古道とスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼道を歩いた人の心の記念となり、さらに世界平和につながることも祈念した「平和出発(たびだち)の地ホタテ貝モニュメント」の奉納が7日、熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)であった。奉納者や九鬼宮司が除幕し、多くの人の「平和出発(たびだち)」を願った。

 ホタテ貝はサンティアゴ巡礼の象徴的なシンボルで、巡礼者は身に着けて歩いたりする。奉納日は「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録日である7日を選んだ。

 奉納者は、愛知県名古屋市の工業塗装業、合資会社ヤスイペイント工芸所の青山裕一代表(65)。青山代表は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年に際し、熊野古道とサンティアゴ巡礼道の両方の踏破者に記念として同大社が授与する「金のホタテ貝」を奉納。

 授与は2024年7月から1年間限定の予定だったが大好評で、20周年記念の趣旨から外れても困ると25年末で終えたが、最終的に約6000枚に及んだ。この代替として今回の奉納に至った。

 モニュメントの貝部は約70㌢四方。同大社の旧社地・大斎原(おおゆのはら)の大鳥居や八咫烏(やたがらす)が描かれている。ステンレスの台座に載せられており、全体は高さ160㌢、幅80㌢、奥行き70㌢、重さ約60㌔。移動が可能で取りあえずは境内に設置する予定という。

 九鬼宮司は「青山代表は以前に金のホタテ貝を奉納して貢献された人。今回は平和を願うモニュメントができればと奉納いただいた。地球全体の平穏平和を願う気持ちを発信できればと思う。移動式なので、いろいろな機会に活用させていただきたい」と感謝を伝えた。

 青山代表は「これを目当てに来ることで、平和とは何かを体感していただけたら。巡礼ができるのは平和だからこそ。ちょっとでも歩いて平和の心を感じてほしい。多くの人に来ていただきたい」などと語った。

 なお共に世界遺産の巡礼道を有する田辺市とサンティアゴ・デ・コンポステーラ市は、14年に観光交流協定を締結している。

(2026年7月9日付紙面より)



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仲江孝丸さんから「第五福竜丸」のいきさつなどを教わる3年生=6日、串本町立西向中学校
学校 第五福竜丸などの話聞く
展示館訪ねる前に3年生
西向中
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西向中
 串本町立西向中学校(枠谷省三校長)の3年生6人が6日、紀州語り部の仲江孝丸さんから遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」を架け橋にして核兵器の開発と世界的な反対の動きなどを教わる機会を持った。

 6人は9月16日(水)から18日(金)までの3日間、修学旅行で関東方面へ赴く予定。中日の17日(木)には都立第五福竜丸展示館を訪ねる行程となっていて、その事前学習として校区内で第五福竜丸のいきさつに詳しい仲江さんを外部講師として招いて話を聞くこととした。

 仲江さんは日本への2度の原子爆弾投下を機に核兵器の世界的な開発競争が始まり、その一端にビキニ環礁での核実験があり伴う放射性降下物(通称・死の灰)を浴びた漁船の一隻が「第五福竜丸」だった(1954年3月1日被ばく)と位置付け。船員はこの降下物への知識を持たず、他国の領海へ入ったと思いスパイ容疑をかけられる状況を恐れて無線を使わず急ぎ日本へと退避した。その間に被ばくをし、この状況はメディアが事細かに取り上げて広く知られ、後の核兵器廃絶を求める行動(国民平和大行進など)の一因となっている。

 「第五福竜丸」の前身は古座川の中州にあった古座造船所で建造された全長約30㍍の木造カツオ漁船「第七事代丸」(47年4月浸水)で、被ばく後も除染をして東京水産大学の練習船「はやぶさ丸」として運用されて廃船。夢の島へ捨てられていたが保存を求める署名運動が起こり、東京都が同展示館を建設し学芸員を配置してこの船がたどったいきさつを現在も伝えているとした。

 2021年に発効した核兵器禁止条約に対する日本政府の現況にも触れ、仲江さんは1万発を超える核兵器があるのに使われないのは世界的な運動が歯止めをかけているからだと説明した。「全ての核兵器がなくなる未来を目指して、第五福竜丸建造の町から声と行動を」とメッセージを託し、「第七事代丸」建造当時の中州は字岩渕の一部だったので西向地区と関わりが深い船としてこれらの内容を6人にも周囲へ話せるようになってほしいと期待。同館の市田真理学芸員からもしっかり教わってくるよう願った。

(2026年7月9日付紙面より)

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アメノウオを放流する児童=7日、市野々小学校裏の那智川
地域 環境学習や那智川美化を兼ね
アメノウオ500匹を放流
南紀くろしお商工会と市野々小
 南紀くろしお商工会東部支部(岡本英博支部長、樫尾佳彦那智地区長)は7日、那智勝浦町立市野々小学校の全校児童ら33人と協力し、那智川にアメノウオ(アマゴ)の稚魚500匹を放流した。

 商工会の重点事業「地域環境への貢献」の一環で、環境学習や那智川美化を兼ねて実施。那智川にはかつて多くのアマゴが生息していたが、2011年の紀伊半島水害で減少。恒例だった放流事業も中断していたが、おととし、13年ぶりに再開された。

 アマゴは水温20度以下の渓流域に生息するサケ科の淡水魚で、体に楕円(だえん)形の模様があるのが特徴。稚魚の体長は約10㌢。一生を川で過ごすもののほか、海へ下って成長し、サツキマスとして戻ってくるものもいる。寿命は3~4年ほどで、アマゴは体長20~30㌢、サツキマスは大きい個体だと50㌢程度にまで成長する。

 稚魚は熊野市の有限会社赤倉水産から提供された。

 児童が学年ごとに学校裏手を流れる那智川に放流。軽やかに泳ぐ稚魚の姿に歓声を上げた。

 子ども会の田実諒賀さん(5年)は「1年ぶりの放流で、思い出しながらすることができて楽しかったです」と話した。

 岡本支部長は「水害で汚れた清流を取り戻す。子どもたちが地元を離れ、また戻ってきた時に放流したアメノウオの子孫が生息する環境になれば」と述べた。

(2026年7月9日付紙面より)

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