熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

上半期収支が赤字となった市立医療センター=14日、新宮市蜂伏
医療センターの赤字収支
報告を受け改善策を協議
新宮市議会教育民生委員会

 新宮市議会(東原伸也議長、15人)教育民生委員会(大石元則委員長、7人)の会議が14日、新宮市役所であった。当局より市立医療センターの上半期収支の赤字報告を受け、改善策を話し合った。

 当局は、入院、外来ともに昨年度より収益は上がったものの、材料費などがかさみ収支は5億5528万4684円の赤字となったことを伝えた。病院給食の委託先変更と交渉内容についてなども説明した。

 百村匡洋委員は「(病院給食で)地元業者にチャンスを与えて育て、地元で経済が回る方がいいが、考えは」と確認。当局は「(地元業者による)院内調理がベストだが、有資格者の確保は難しくハードルが高い。地元業者にお願いし、駄目になった場合はどうすればとの思いがある」と話した。

 湊川大介委員は、上半期の病院収益は増えていることから「年間を通すと回復基調に向かっているのか」と質問。当局は「収益は伸びているが、稼働している病床が少なく、限界に来ている。収支としては厳しい状況が続いている」と述べた。

 濵田雅美委員は収支改善を念頭に「新たな看護師が入ってくる環境づくりの策を考えて」と求めた。当局は「収益の増加には(閉鎖中の)6階病棟の再開が最重要。看護師を確保して再開を目指すのが基本と思う」と応じた。

 榎本友子委員は、地元食材の活用を求める請願書が採択されたことを念頭に「地元食材を使ってもらえる方法があると考えているか」と問うた。当局は「現時点では安定運用に力を入れている。軌道に乗ってから粘り強く協議になるかと」と語った。

 上田勝之市長は、赤字解消には6階病床のスタッフ確保、離職率の改善、広域的な仕組みの構築などが必要との認識を示し「課題解決に向け頑張りたい」とまとめた。

(2025年11月16日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

太極拳に取り組む参加者=13日、紀宝町の鵜殿体育館
スポーツ ゆったり心身リフレッシュ
紀宝スポーツクラブが太極拳体験会
 紀宝スポーツクラブによる「太極拳無料体験会」が13日、紀宝町の鵜殿体育館で開かれ、体験者を含む23人が参加した。参加者はゆったりと体を動かしながら太極拳の基本動作に触れ、心身を整えるひとときを過ごした。

 太極拳は、呼吸を整えながら筋肉の隅々まで意識を巡らせるゆっくりとした全身運動で、左右均等に動かすためバランス能力の向上にもつながる。軽運動でありながら技術性が高く、体力に合わせて無理なく続けられることから、生涯スポーツとしても人気が高い。

 体験会は柳本常盤さん、奥平信子さんが講師を務めた。中国語のあいさつ「ニーハオ」から始まり、準備運動や瞑想(めいそう)で心と体を落ち着かせた後、参加者は講師の動きを見ながら一つ一つの動作を確認。静かな呼吸に合わせてゆっくり体を動かすと、会場には自然と穏やかな空気が流れた。

 紀宝スポーツクラブはエアロビクス、グラウンドゴルフ、健康ストレッチ、レクフォークダンスなど幅広い種目を展開し、初心者から経験者まで年齢や性別を問わず参加できる。太極拳は毎週木曜日午後7時30分~9時、鵜殿体育館で実施している。

 問い合わせは、月・火曜日の午後1時~5時30分に、町生涯学習センターまなびの郷内の同クラブ(電話0735・32・0241)まで。

(2025年11月16日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

那智の滝の前で舞を奉納する=14日、那智勝浦町の飛瀧神社
祭礼 秋晴れの下、舞を奉納
熊野那智大社で紅葉祭
【この記事のキーワード】
熊野那智大社
紅葉祭
神事
 那智勝浦町の熊野那智大社拝殿と別宮・飛瀧(ひろう)神社で14日、秋の自然の恵みに感謝する「紅葉祭(もみじまつり)」が営まれた。秋晴れの下、那智の滝の前に五色の布を結んだ紅葉幣を立て、巫女(みこ)が優雅な舞を奉納。多くの参拝客が見入った。

 平安時代に那智山で修行した花山法皇の故事にちなんだ神事。986年に那智山の二の滝付近で千日行をした際、秋の陽光に映える紅葉をめでて詩を詠み、その短冊を小枝に結んで滝に流したと伝わる。

 男成洋三宮司が祝詞を奏上し、巫女が紅葉の小枝を手に神楽「豊栄(とよさか)の舞」を舞った。

 男成宮司は「氏子の方はもちろん、今日も大勢いらしてくださっている参拝者の方々の繁栄をお祈りした。ようやくすがすがしい季節を迎え、境内の紅葉もまだまだこれからかと思うので、多くの方に那智山の自然を味わってもらい、神様の御利益を持ち帰っていただければ」と話していた。

(2025年11月16日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
連載


連載 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
【第88回】冬のミカンで食育!
 冬になると、食卓やこたつの上に自然と並ぶのが「ミカン」ですよね。

 和歌山、特に熊野地方は全国有数のミカンの産地として知られています。皆さまも子どもの頃から身近にある果物だったのではないでしょうか。実は、このミカン「冬の健康を守る、天然のサプリメント」のような存在なんです!

 ミカンには、風邪予防でおなじみのビタミンCが豊富に含まれています。中サイズのミカン2個で、1日に必要なビタミンC量の約7割を賄えるほど!(国立健康・栄養研究所)ビタミンCは免疫力を高め、皮膚や粘膜を丈夫にし、ウイルスの侵入を防いでくれます。さらに、オレンジ色の色素「β―クリプトキサンチン」には抗酸化作用があり、細胞を酸化ストレスから守る働きもあります(和歌山県農林水産総合技術センター)。この成分はミカン特有で、毎日2~3個食べると骨粗しょう症や生活習慣病の予防にも効果があると報告されています。つまり、ミカンは免疫力も高めてくれて、若々しくいられる力をくれる、素晴らしい果物というわけです。

 ところで、皆さんはミカンを食べる時、どうやって皮をむきますか? 皮をむいた後に、房を覆う薄皮についた白い筋、あの筋をとても丁寧に取る方もいらっしゃいますよね。でも、実は〝白い筋〟にも大事な栄養が詰まっています。

 あの筋や房を包む白い部分は「アルベド」と呼ばれ、食物繊維の一種「ペクチン」やポリフェノールの仲間「ヘスペリジン(フラボノイド)」が豊富です(農研機構・Journal of Agricultural and Food Chemistry,2015)。ペクチンは腸内の善玉菌を増やし、腸を通じて免疫を整える働きがあります。今はやりの腸活ですね。つまり、風邪をひきにくい体づくりには、ビタミンCだけでなく白い筋ごと食べることが大切なんです。

 ヘスペリジンには毛細血管を丈夫にし、血流を改善する作用があります。手足が冷えやすい冬にミカンを食べると、体がぽかぽかするのはこの成分のおかげです。しかも、このヘスペリジンは、ビタミンCと一緒に取ると吸収率が上がる〝相乗効果〟もあります。つまり、筋を取らずに食べるほうが、ミカンの栄養をまるごと生かせるというわけです。

 「白い筋は見た目がイヤ」「苦い」とつい取りたくなりますが、お子さんが「取って」と言った時には「この白いところは、風邪から守ってくれる〝ヒーロー〟なんだよ」と伝えてあげてください。きっと子どもたちも、ちょっと誇らしげにパクッと食べてくれるはずです。

 さらに、ミカンの香りにも注目です。皮に多く含まれる「リモネン」には、リラックス効果や自律神経を整える作用があり(国立精神・神経医療研究センター2020)、皮をむいた瞬間にふわっと広がるあの香りがホッとするのは、実は科学的にも理由があるのです。

 ぜひこの冬、家族でこたつに入りながら「白い筋も体にいいんだって」と話しながらミカンを食べてみてください。何げない時間こそ、立派な〝冬の食育〟になります。

(2025年11月16日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • 学校 主体的で深い学びへ 紀南高校で授業力交流研修会
  • 【この記事のキーワード】
    紀南高
    白子高
  • 地域 人気俳優が描いた熊野 田辺市本宮町で水彩画展
  • 【この記事のキーワード】
    熊野三山
    熊野高
  • 地域 情報の〝情〟でまちづくり 人権・同和教育啓発講演会 (那智勝浦町)
  • 【この記事のキーワード】
    災害
  • 地域 児童虐待防止を オレンジリボン運動 (新宮市)
  • 教育 ヒツジさん、かわいいね 井田保・飯盛保が牧場へ
  • 【この記事のキーワード】
    井田保育所
くまスポ 【11月15日付紙面より】
  • 卓球国際大会出場へ 熊野川中2年・西山空良君
ご購読・試読のお申し込み