観光を主産業の一つとしている那智勝浦町は、これからの将来を考え、観光施策の貴重な財源として「宿泊税」の導入を検討している。全国ではすでに導入済み、または導入に向けて検討している自治体も多い。
6月29日、有識者を迎えた「那智勝浦町宿泊税検討委員会」が発足。役場で1回目の会合が開かれ、学識経験者、宿泊事業者、金融機関、観光業関係、商工業関係から集まった委員と役場担当課らが顔合わせした。
委員長は八島雄士氏(和歌山大学観光学部観光学科教授)が務める。これから年内に3回の会合を開く予定で、導入の是非などを話し合っていく。
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■宿泊税とは
宿泊税とは、その名の通りホテルや旅館、民泊での宿泊者から徴収する税金のことで、導入するかどうかについては、自治体独自の判断に委ねられる「法定外目的税」に当たる。同町がすでに導入している、温泉(鉱泉浴場)への入湯行為が対象となる「入湯税」は、原則として課税が義務付けられている「法定目的税」として区別される。
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■導入検討への経緯は
国(観光庁)が示す「観光立国推進基本計画(第5次)」では、国が観光を成長戦略の重要な柱に位置付けており、地方創生や地域活性化につながる観光施策を政府全体で積極的に推進している。
「多くの観光客が豊かな自然や歴史・文化に触れ、何度でも訪れたくなるまち」那智勝浦町も、観光施策を進める上で必要な財源として、宿泊税に注目。町議会からも質問があるなど導入への関心が高まっている。
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■宿泊税の必要性は
コロナ禍以降、町では日帰り客数、宿泊客数ともに回復・増加傾向にある。特に海外からの宿泊者が大きく伸びており、2025年度(速報値)は全体の宿泊者46万人のうち、初めて海外宿泊者が10万人を突破した。
一方、清掃・ごみ処理や観光
防災対策、多言語対応、受入環境の整備、自然・景観・文化遺産の保全など、観光客が増加することによって対処すべき課題も多い。福祉、子育て、医療、
防災などにも予算は必要で、必要な観光施策のための財源が不足しているのが現状。大門坂駐車場のリニューアル整備、紀伊勝浦駅前ロータリーや商店街周辺の環境整備、観光トイレの充実、観光地の魅力向上(バリアフリー化、無電柱化、多言語対応など)、進めたい施策は数多くあり、町は宿泊税を持続的な観光財源として有効ではないかと考えている。
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■他自治体の導入状況は
全国を見ると、東京都が2002年、大阪府が17年に導入済み。和歌山県も28年6月の導入を予定している。都道府県単位以外でも、観光地の岐阜県高山市や静岡県熱海市がともに25年に導入、三重県も今後の導入に向けて検討している。
県内では白浜町が来年3月からの徴収開始を予定している。納める額は「宿泊日数(素泊まり日数)×税率」で、1泊1万円未満の場合は税率200円、5万円以上は税率1000円。12歳未満、修学旅行などの学校行事での宿泊、
災害などで避難が必要な人は対象外としている。
(2026年7月1日付紙面より)