「紀勢本線活性化促進協議会」の新宮白浜区間部会の第18回会合が4月30日、新宮市役所別館であった。2024年の第9回部会で設定した新宮―白浜間の特急列車乗車人員の数値目標(1日当たり1040人)に対し、昨年は482人と目標を下回ったことから、本年度はデジタルスタンプラリーの実施、観光スポットへのアクセスマップ作製、お買い物ツアーなどの取り組みを進め、利用促進を図っていく。
JR西日本和歌山支社によると、新宮―白浜間で昨年11月から今年3月まで実施した「特急くろしお」の増便実証事業では、各駅の️1日当たりの乗車人員が24年度と比較して️月平均30人増加したという。
会合には、新宮市から白浜町までの沿線市町村の首長と県、JR西日本や和歌山大学などの関係者が出席。広報誌による啓発活動や職員の出張時のJR利用、駅からの2次アクセスの改善や通学定期の全額補助など昨年度の実績と、本年度の取り組みを報告した。
県は▽観光誘客などによる利用促進▽地域のにぎわい創出による利用促進▽県職員の利用促進―の3点について昨年度の実績報告と本年度の方向性を示した。和歌山大学の西川一弘教授は、きのくに活性化センターの活動や「きのくに線検定」など独自の取り組みを紹介した。
国土交通省近畿運輸局鉄道部は、ローカル鉄道を巡る状況の変化とその再構築に関わる制度の概要を説明。1987年の国鉄改革以降、都市部路線の収益で不採算路線を含めた鉄道ネットワークを維持するという構造が、地方の人口減少や少子高齢化、乗用車の増加、高速道路網の整備などにより困難となった現状を解説した。
それを受けて2023年に改正した地域交通法により策定されたローカル鉄道の再構築に向け、国が積極的に関与する「再構築協議会」や、再構築事業を支援する「社会資本整備総合交付金(地域公共交通再構築事業)」などの支援策を伝えた。
各報告後、西川教授は移動の選択肢として圧倒的に車が多いことを挙げ、100回の移動のうち、99回は車でも1回は鉄道を使ってもらうことが大事とし「高速道路の整備同様、国レベルでのローカル線維持の財源確保の提言活動も必要だと思う」と述べた。
(2026年5月2日付紙面より)