JR新宮駅と新宮警察署は10日、同駅で不審者対応訓練を行った。2018(平成30)年以来、8年ぶりとなる。駅の7人と署の13人が参加。刃物を持った不審者に対し、駅員が乗客の安全を確保しつつ通報、駆け付けた署員が取り押さえた。
愛知県で9月と10月に「第20回アジア競技大会」が、和歌山県で11月に「第49回全国育樹祭」が開催されることから、駅での緊急事態に対する駅員と署員の連携と対応能力の強化を図ることを目的に計画した。新宮駅はJR西日本とJR東海の境界にあり、和歌山県で唯一、名古屋方面へ直行できる特急列車「南紀」が発着する重要地点であることも念頭にあった。
訓練は駅ホームに不審者がいるという想定で行った。通常の最低人員を想定して駅員役は4人で、あえて細かな手順を決めずに実施した。いつまでもベンチに座る不審者に駅員が声をかけると、不審者は刃物を出して威嚇。駅員はすぐに同僚に危険を知らせ、各駅員が通報したり、改札内に入ろうとする乗客をとどめたりした。
やがて通報を受けた署員が到着。盾や刺股を手に不審者を取り囲んで制圧し、手錠をかけて連行した。訓練は緊迫した様子で行われ、各自が真剣に取り組んでいた。
角野敦彦駅長は「訓練でできないことは実際の時もできない。体験していれば生かされると思う。私どもは鉄道利用者に安全安心に乗ってもらうのがモットー。訓練を機に気を引き締めたい。この後も振り返りをして、よりよいものにしたい」と話した。
新宮署警備課の栗栖正賢課長は「(駅員は)きびきびした動きで心強く感じた。今後も訓練を繰り返し、対応能力の向上に努めてほしい。警察だけでは対応は難しく、力を合わせることが大切。関係を密にし、対応力を強化したい」と述べた。
(2026年6月11日付紙面より)