地域住民と医療者が互いに農業や医学など暮らしに密着した学問を教え合う「浅里おもしろ大学」が2日、紀宝町浅里地区であった。医師、看護師、医学部生、薬学部生、研修医、紀南病院職員、町みらいドクター、地元住民ら約40人が田植え作業を通して交流した。
〝楽しく学び合える場〟をコンセプトに、2017年に開校。旧矢渕中学校浅里分校を活用した地方創生プロジェクトで、新型コロナウイルスの影響で休止した年もあったものの、田植えは10年目を迎えた。田植えや稲刈りのほか、災害時医療セミナーなどで交流を深めてきた。
木造平屋建ての浅里分校で開校式を行い、おもしろ大学を立ち上げた町地域医療研修センター「KITCHEN(キッチン)」所長の医師、森本真之助さんが「地域医療は地域住民と一緒につくっていく医療」と示した。
「家族や仲間と仲良くつながりを持つことが健康に良いといわれている」と話した上で「町や村が小さくなっているが、自分でつくっていける時代になってきた。そんな時代に子育てできることがうれしい。土地を守ってきた地元の人たち、行政などの方々とつながって町づくりしていくことが大切。皆さんの原点になればと、この活動を続けています」とした。
飛雪の滝百姓塾の木下起査央代表理事は、11年の紀伊半島大水害以前は100人ほどが暮らしていたが、現在は19世帯29人に減ったとしたものの「人口は減っているが元気にやっていますよ」と伝えた。
浅里地区在住の福田将志さんは絵解きで飛雪の滝、テントサウナの聖地「飛雪の滝キャンプ場」、世界遺産・熊野川など浅里の名所を紹介。「素手と素足で田んぼに入って大地の成り立ちを感じてください」と呼びかけた。
この後、飛雪の滝百姓塾が所有する10㌃の田んぼに移動。晴天の下、参加者は地区住民のアドバイスを受けながらコシヒカリの苗を手植えした。1時間半ほどで終え、夏の稲刈りを楽しみにしていた。
(2026年5月8日付紙面より)
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