南紀くろしお商工会によるハラスメント対策とストレスチェックに関するセミナーが2日、那智勝浦町の同会本所であった。和歌山労働局雇用環境・均等室の楠井政人さんが参加者へ職場でのハラスメント防止対策や相談対応の留意点、新宮労働基準監督署の青山佳彦さんがストレスチェック制度について説明。誰もが働きやすい環境づくりへのポイントをアドバイスした。
パワハラ、セクハラ、カスハラ、マタハラなど、職場ではさまざまなハラスメントが存在する。ハラスメント行為は、働く人の個人としての尊厳を傷つける社会的に許されない行為。企業にとっても社会的信用を失う経営上のリスクとなり得る問題。厚生労働省によると、2024(令和6)年は9307件、25(同7)年は1万386件の職場ハラスメントが確認されている。
数あるハラスメントのうち、楠井さんはパワハラの定義を「優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、労働者の就業環境を害されること」と紹介。職場でのパワハラ予防のために「不要な誤解を招かないコミュニケーションを心がける」「相手を見て接し方を工夫する」などを例示。また職場でパワハラが発生した時の解決法として「会社の窓口があれば、そこに相談する。相談を受けたら傾聴、共感することが大原則。放置やもみ消しは絶対しない。セカンドハラスメントに気を付ける。加害者に対しても、いきなり犯人扱いしない。加害者の言い分も先入観を持たずに聞き、公平な判断で対処する」と説明した。
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■ストレスチェックとは
「ストレスチェック」とは、労働者がストレスに関する質問票に回答し、自分のストレス状態を調べる簡単な検査。現在50人以上の事業場に対して、年1回の実施が義務化されているが、28(令和10)年4月1日からは、労働者数50人未満の小規模事業場にも実施が義務化される。
チェック(検査)は、仕事の量や最近1カ月の活気・元気の状態、職場で気軽に話せる人の有無などの質問に答え、高ストレス者には医師の面接指導や職場環境の改善などでメンタルヘルス不調の未然防止を図るという流れ。
メンタルヘルス不調になると、病休期間は平均約3カ月、復職後に再び病休になる割合も約半数で、大きな人材の損失となるほか、経営上のリスクにつながってしまう。青山さんは、メンタルヘルス不調は未然防止が何より重要だと強調し、事業者はメンタルヘルス対策を経営課題として位置付け、ストレスチェック制度にしっかり取り組んでいくことが重要だと呼びかけた。
(2026年9月4日付紙面より)