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2020年12月25日
1 滞在型観光地への推進を 市観光協会特別委員会が提案 (新宮市)

 新宮市観光協会特別委員会(会長=里中陽互・市観光協会長)は24日、田岡実千年市長に「通過型観光地から地域主導の滞在型観光地への実践」を提案。委員会でまとめた市の観光振興の具現化案を報告した。

 観光客に占める宿泊客の割合が10・7%にとどまる市の観光を取り巻く現状を踏まえ、市観光協会では、昨年9月に特別委員会を設置。通過型から滞在型の観光地を目指すため6回にわたり協議を進め、「地元に眠る観光資源(素材)を発掘し、磨き上げにより観光客が聖地・熊野新宮へ行ってみたくなる回遊滞在型観光コンテンツを地元のわれわれが一体となってつくる」ための実践への取り組みをまとめた。

 この日は里中会長と隅地洋・特別委員会副会長、市観光協会の森本祐司専務理事、山本大輔事務局長らが市役所を訪れ、「癒やされます」をコンセプトに回遊性を高める滞在型観光コンテンツを提案した。

 新宮城・神倉神社・熊野古道を三つの柱に「新たな発見に感動する~しんぐう 魅力発見旅~」と題し▽新宮城跡と城下町食べ歩き・まち歩き▽熊野川舟下りと新宮三社巡り▽海の熊野古道と万葉歌人の吟行巡り―など七つのプラン案を提示し、多様なニーズに対応するため、テーマ別に地域の観光資源を生かしたミニツアーや体験などもまとめた。

 また、市に対して「観光コンテンツの情報発信と旅行エージェントへのプロモーション」「滞在型観光地を推進するための受け入れ態勢の整備」のための取り組みなどを要望として提案した。

 隅地副会長は「地元が中心になって行政と連携することが大事。市民を巻き込まないと本当のおもてなしはできない」。里中会長は「官民協力し合い、観光地として新宮をつくっていければ」と主張。

 提案を受け、田岡市長は「行政の役割も具体的に示していただいた。実現できればまちの活性化に結び付く。今すぐにはできないこともあるが、行政としても皆さんと一緒にできることからやっていきたい」と応じた。

(2020年12月25日付紙面より)

新宮市観光協会特別委員会の里中陽互会長(右)が田岡実千年市長に報告書を手渡した=24日、新宮市役所
2020年12月25日
2 協力への感謝と真心贈る
 「お食事処きく」が義援金  (新宮市 )

 新宮市井の沢の「お食事処おふくろの味きく」の店主・森下喜久(きく)さんは23日、市社会福祉協議会(田中信秀会長)に、今年7月に熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した「令和2年7月豪雨」への義援金を託した。

 同店舗では郵便ポスト型の貯金箱を設置しており、売り上げの一部を寄付するなど募金活動を続けている。地域住民をはじめ森下さんの人柄を慕い、全国各地から訪れる出張者、観光や帰省客らが募金に協力。来店者たちの善意で、今回3万5876円の寄付が集まった。これまでも東日本大震災(2011年)や紀伊半島大水害(同年)、熊本地震(16年)、西日本豪雨(18年)、千葉県で発生した台風15、19号による大雨災害(19年)などの被災地にも義援金を送っている。

 森下さんは協力してくれた来店者らに感謝し「少額ではありますが、貯金箱には多くの人の温かい真心が詰まっています。復興を目指す中、今年は新型コロナウイルスの影響もあって大変な日々を過ごしていると思います。少しでも役に立てればうれしい」。

 義援金を受け取った大谷康央事務局長は「年末年始を迎える中、コロナ禍で思うように復旧が進んでいない話を耳にしているので、願いが込められた支援にありがたく思います。復興に向け有効に活用してもらえれば」と話していた。

(2020年12月25日付紙面より)

大谷康央事務局長(左)に義援金を手渡す森下喜久さん=23日、新宮市野田の市福祉センター
2020年12月25日
3 イルミ前で演奏響かせる
 吹奏楽部ミニコンサート  (串本古座高校 )

 県立串本古座高校(左近晴久校長)の吹奏楽部(仁木愛里部長、部員7人)が23日、生徒有志が自主設置したイルミネーション前でミニクリスマスコンサートを開いて場を盛り上げた。

 体育祭や文化祭などの行事をコロナ禍の影響で失った生徒らの思い出づくりの場になればと願って設置したこのイルミネーション。本点灯を始めた直後に「ミニコンサートも開けないか」というアイデアが持ち上がり、提案を受けた同部は生徒有志と同様の思いで挑戦を決意した。

 部員は5日間というごく限られた時間の中で、雰囲気に合う楽曲を急ぎ習得。迎えた本番ではアンコール曲を含め3曲を演奏し、生徒やその家族、住民や教員が鑑賞し拍手でたたえるなどした。

 演奏を終えて仁木部長(2年)は「楽しかったけれど、練習時間が短くて完全な演奏で聴かせられなかったのは残念」と苦笑いしつつ、「コロナ禍で楽しいことがどんどん減っているけど、こんな風にできることもいろいろとある。みんなで協力してやっていきたいですね」と込めた思いを語った。

 このイルミネーションは来年1月15日(金)まで(12月29日~1月3日を除く)の平日午後5時~8時に点灯している。

(2020年12月25日付紙面より)

生徒有志設置のイルミネーション前で演奏に臨む吹奏楽部の部員ら=23日、県立串本古座高校
2020年12月25日
4 疫病退散願って奉仕を再開
 直見の妙見神社で区民有志  (古座川町 )

 古座川町直見(ぬくみ)にある妙見神社で22日、数十年ぶりとなる例祭が営まれた。区長の畦智邦男さんら区民有志7人がかねての思いにコロナ禍退散の願いを積んで奉仕の再開を決起。約40人が参列し、祭神に礼を尽くした。

 この神社は妙見橋の右岸側に位置。石垣の上部に宇津木石を組むなど重厚な境内に、明神~三尾川(みとがわ)を向く方向で祭神が祭られ地蔵尊が安置されている。主祭神は牛頭天皇。畦智さんによると例祭は旧暦11月8日に営まれていたが、幼少だった数十年前に餅まきを見た記憶を最後に途絶えている。他方、区外でこの神社を高く評価する声があることにも気付いていて、いつか奉仕を再開したいと思いを募らせているところで新型コロナウイルス流行という時代に直面。牛頭天皇には疫病退散を願い祭られる側面があり有志は今こそ再開と思い立ったという。

 旧暦11月8日に当たる新暦12月22日を期日とし、古座神社の石田保宮司に出仕を依頼して例祭の執行を触れ込み。当日は境内をのぼりで飾って神饌(しんせん)を献上し、石田宮司に続いて参列一同で玉串をささげて祈願した。神事後は餅まきや飴まきをし、神前に民の活気を誘って締めくくった。

 同橋の下は遊泳場として親しまれるが、今まで大きな事故があったことはなくこれも同神社のご加護だと感謝する有志ら。畦智さんは「コロナ感染はしないさせないの思いで何とか早く収束してほしい。全ての区民の安全と健康と繁栄と併せてそう願った」と語り、今後は区の役員の総意が得られれば区行事、得られずともできる限り例祭を続けて直見の氏神として忘れずに見守る意欲をにじませた。

(2020年12月25日付紙面より)

区民有志の決起で数十年ぶりに例祭が営まれた妙見神社=22日、古座川町直見
2020年12月25日
5 お茶を飲んで感染予防 カテキン効果で健康に 
2020年12月25日
6 クリスマスプレゼントに笑顔  はまゆう・こども園にお菓子贈呈  (第二なぎの木園 )
2020年12月25日
7 地域との関わりを知る  わかば保が「まちたんけん」  (那智勝浦町 )
2020年12月25日
8 2代目きのくにで初実施 本年度メタンハイドレート賦存状況調査 (和歌山県)
2020年12月25日
9 21チーム対戦し中辺路優勝  第16回少女バレー交流大会  (串本町 )
2020年12月25日
10 第4回定例会一般質問②  串本町議会  
2020年12月25日
11 親子でスキンシップ  子育てほっとサロン  (紀宝町 )
2020年12月25日
12 黄色一色に染まる菜の花畑  神内神社近くで咲き誇る  (紀宝町 )
2020年12月25日
13 クリスマス会楽しむ  保育所や学童保育などで  (紀宝町 )
2020年12月25日
14 体調に気を付け冬休みを  新翔高校で終業式  (新宮市 )
2020年12月25日
15 お悔やみ情報
  
2020年12月22日
16 山口選手が天皇杯優勝
 那智勝浦町出身  (レスリング )

 那智勝浦町出身で日本体育大学3年の山口海輝(かいき)選手(21)が、17~20日に東京都の駒沢オリンピック公園体育館で開催されたレスリングの「2020年天皇杯全日本選手権」の男子フリースタイル65㌔級で優勝を果たした。

 山口選手は新宮ジュニアレスリングクラブで練習に励んで中学校を卒業後、高校レスリングの強豪である日体大柏高校(千葉県)へと進学。2015(平成27)年の紀の国わかやま国体や高校総体、JOC(日本オリンピック委員会)杯、ブバイサ・サイキエフ国際大会を制すなど、国内外で活躍している。同大学進学後もさまざまな大会で結果を残し、11月には57㌔から65㌔に階級を上げて挑んだ内閣総理大臣杯でも優勝した。

 天皇杯では相手選手の棄権により1回戦を突破すると、準決勝は上野裕次郎選手(栃木県スポーツ協会)に快勝した。決勝戦では自他ともに認めるライバルである安楽龍馬選手(早稲田大学)と対戦。白熱した試合を展開し、ポイント2―1で接戦をものにして見事勝利を収めた。

 優勝の報告を受けた父・哲也さん(45)は「新型コロナウイルス感染症の影響で練習ができない中、一生懸命自主トレに励んでいました。本人は優勝はうれしい反面、積極的な攻めができなかった、目標である『世界』に向けて課題にしっかりと取り組んでいかないといけないと振り返っていました」と語る。

 「総理大臣杯、天皇杯ともに一番の成績を残してくれたことは喜ばしく、優勝を信じていた。これからも支えてくれた多くの方々に感謝しつつ、謙虚さを忘れず突き進んでほしいですね」と話していた。

(2020年12月22日付紙面より)

「2020年天皇杯全日本選手権」で優勝した山口海輝選手(中央)=山口選手の家族提供
2020年12月22日
17 「ヨウルトルットゥおいしい」
 フィンランドのお菓子作り教室  (紀宝町 )

 フィンランド在住のサウナ文化研究家、こばやしあやなさんを招いてのお菓子作り教室が18、19日の2日間、紀宝町浅里の飛雪の滝キャンプ場で開かれた。2日間で計18人が参加し、フィンランドのクリスマスのお菓子「ヨウルトルットゥ」を作った。

 18日の教室には子ども6人を含む8人が参加。こばやしさんは世界地図を基に「フィンランドは北欧にあり、湖が多い国。日本からは飛行機で9時間くらい。夏は白夜で太陽が沈まず、冬は太陽が出ずに寒い国」と紹介した。サンタの国、フィンランドではクリスマスを「ヨウル」と呼び、「ヨウルトルットゥ」とホットドリンク「グロギ」がクリスマスの定番だという。

 ヨウルトルットゥ作りに挑戦した子どもたちは、正方形の生地に切り込みを入れて、折り紙のように折っていった。天使や花、かわいい風車のような形に折り、伝統的なプルーンとリンゴのジャムをたっぷり塗ってオーブンで焼いた。

 焼き上がるまで、こばやしさんはフィンランドの景色を写し出し、「10月に初雪が降り、11月には湖が岸辺から凍り始める。冬のフィンランドはオーロラがきれいで、秋には湖に映ることがある」と話した。

 クリスマスにはイルミネーションやツリーを飾り、日本と違いフィンランドのサンタは昼間に来てくれるという。

 クッキーで家を作るフィンランド文化などを映像で楽しみ、15分後にはオーブンから甘い香りが漂った。お菓子が焼き上がると、子どもたちは熱々のまま頬張り「上手にできた」「おいしい」と笑顔を見せていた。

(2020年12月22日付紙面より)

「ヨウルトルットゥ」を食べる子どもたち=18日、紀宝町の飛雪の滝キャンプ場
オーロラを映像で紹介するこばやしあやなさん
2020年12月22日
18 那智の滝と三重塔がライトアップ
 大みそかに向け試験点灯  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)別宮、飛瀧(ひろう)神社の御神体である那智の滝と、那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)の三重塔で19日、大みそかのライトアップに備えた試験点灯があった=写真

 1989(平成元)年から始まったライトアップ。発光機の清掃の後、午後5時に点灯され、水銀灯3基と、5基のライトに照らされた三重塔と那智の滝が夕闇迫る那智山中に浮かび上がった。

 見守った青岸渡寺の髙木亮英副住職は「新型コロナで大変な世の中、一日も早い終息と、世の平和を願いたい」と話していた。

 ライトアップは31日(木)の日没から元日の明け方まで実施される。熊野那智大社では27日(日)に滝の上に架かるしめ縄を張り替え、迎春に備える。

(2020年12月22日付紙面より)


2020年12月22日
19 プロ選手と共にツーリング
 古座川サイクリングフェス  (古座川町 )

 古座川町で19日、自転車イベント「古座川リバーサイドサイクリングフェス2020」があり一般84人が「KINAN Cycling Team」のプロ選手と共に高池の虫喰岩、滝の拝、一枚岩といった名勝を巡るツーリングに親しんだ。

 このイベントは同町観光協会(須川陽介会長)とNPO法人スポーツプロデュース熊野(角口賀敏理事長)が主催、同町と県が後援、株式会社キナンが協力。信号がなく交通も穏やかな町域を生かしたサイクルツーリズムを推進する同協会が主要なコースを広く伝えるため、新宮市を拠点にし大会運営のノウハウを持つ同法人と両輪で計画し、①清流奇岩巡りコース(滝の拝以外の名勝巡り、全長約28㌔)②清流3名勝巡りコース(全長約50㌔)―の2ルートを設定して事前申し込みを受け付けた。

 当日は①に20人、②に64人が参加。同協会事務局がある道の駅虫喰岩を大会拠点にして開会し、須川会長は「コロナ禍と初開催で満足のいくイベント結果にならないかもしれないが、今後もよりよいイベントにしていきたいので温かい気持ちで迎えていただければ幸い。古座川の自然や味覚を十分に楽しんでほしい」とあいさつして歓迎した。

 来賓を代表して西前啓市町長、鶴保庸介参議院議員、角口理事長が祝辞を寄せ、町議有志も列席。県議会の濱口太史議員と二階俊博代議士の秘書・二階伸康さんは列席に加えて一般参加もした。

 共に駆ける同チーム選手10人の自己紹介後、選手含む10人前後の小グループに分かれて順次スタート。スポーツ自転車相応に軽くスピードを出しながら前半はチェックポイントがある各名勝巡りをし、エイドステーションがある一枚岩前で合流した。ジビエやアユ、ユズ菓子など地元の味を昼食としつつ選手のトークショーを鑑賞するなどしながら休憩を取り、後半は南紀月の瀬温泉ぼたん荘前のチェックポイント経由で道の駅虫喰岩へと戻った。

 実施に当たり同協会がレンタル提供するスポーツ自転車は全車貸し出しとなり、同法人も希望に対する不足分を出してフォローしたという。ツーリング後は記念グッズ(イベントロゴ入りボトルなど)を受け取って終了となり、参加者やスタッフは物産やサイクリンググッズの直販を利用しつつ解散した。

(2020年12月22日付紙面より)

主催や来賓が見送る中、道の駅虫喰岩から出発する小グループ=19日、古座川町池野山
一枚岩前エイドステーション。地元の味の提供を受ける参加者
2020年12月22日
20 「昭和時代」がよみがえる  写真アルバム「東紀州の昭和」発刊  
2020年12月22日
21 神内川で河川改修工事  浸水被害軽減のために  (紀宝町 )
2020年12月22日
22 不思議の世界眼前に  マジシャン原大樹さん凱旋公演  (熊野市 )
2020年12月22日
23 当局の取り組みを問う  太地町議会一般質問(終)  
2020年12月22日
24 持続可能な未来実現に向け  めぐるみらい会議  (那智勝浦町 )
2020年12月22日
25 サンタさんからプレゼント  下田児童館・浮島児童館  (新宮市 )
2020年12月22日
26 中学1組と高校3組が本選へ  第49回アンコン紀南地区大会  (串本町 )
2020年12月22日
27 朝日を受け荘厳にただよう  田原の「海霧」発生時期に  (串本町 )
2020年12月22日
28 思い出作りの場を求めて  生徒会役員らイルミ点灯  (串本古座高校 )
2020年12月22日
29 成人式延期へ  新宮市  
2020年12月22日
30 地域と観光客のために  天満分館が花いっぱい運動  (那智勝浦町 )
2020年12月22日
31 お悔やみ情報
  
2020年12月06日
32 廃止連絡所で災害警備訓練
 新宮警察署と市消防本部が連携強化  (新宮市 )

 新宮警察署(小畑博昭署長)と市消防本部(越水薫消防長)は4日、新宮市新宮の元広角警察官連絡所で災害警備訓練を実施した。警察官9人、消防署員18人の計27人が参加。廃止連絡所を使用した実践さながらの訓練を行った。

 同連絡所(旧広角交番)は1982(昭和57)年3月、広角警察官派出所として運用を開始。2017(平成29)年の新宮警察署の現在地への移転に伴い、11月30日をもって運用を終了した。この日は、近々取り壊しとなる同連絡所を倒壊家屋や火災現場と見立て、内部に取り残された要救助者の救出のために、窓や壁の取り壊しを実践的に執り行った。

 訓練は、同日午前9時30分に和歌山県南方沖で震源の深さ約10㌔、マグニチュード8・7と推定される地震が発生。市内で震度6強の揺れを観測したとの想定の上で行われた。

 消防署員が取り組んだ第1訓練では、煙がまん延する店舗付き住居の奥に高齢の母親が取り残された設定で実施。駆け付けた消防署員らが母親の助けを求める息子から事情を聞き、建物から要救助者を救出。

 第2訓練では、建物が倒壊しており正面出入り口からの侵入が不可といった想定の下、警察官と消防署員が窓や鉄格子を取り壊し、内部への侵入を試みた。

 最後にはエンジンカッターや電気のこぎり、電動スプレッダー、つるはしなどの資機材を使用し、鉄筋コンクリートの壁に救助口を設ける訓練を行った。警察官、消防署員それぞれの班が現場の状況に適した方法や手段を話し合い、救出・救助技術などの向上を図った。

 訓練を終え、同署の新谷浩一警備課長は「訓練では取り壊しとなる連絡所に、最後に一肌脱いでもらった。警察と消防では資機材も異なり同じことはできないかもしれないが、いい訓練になったと思う」と講評。

 竹田和之消防署長は「鉄筋コンクリートの硬さを知ることができるいい機会になった。今後検討会を行い、訓練に参加できなかった署員とも情報を共有したい」と話していた。

(2020年12月6日付紙面より)

さまざまな資機材を使用し、鉄筋コンクリートの壁に穴を開けた=4日、新宮市新宮
実践さながらの訓練が行われた
2020年12月06日
33 陸上と海上の交通安全を
 宇久井港振興会が懇談会  (那智勝浦町 )

 宇久井港振興会は4日、那智勝浦町宇久井の休暇村南紀勝浦で「令和2年度恒例年末年始交通懇談会」を開催した。懇談会開始前の総会で同会の亀井睦弘会長が退任し、宇久井漁業協同組合代表理事組合長の向井誠士さんが新会長に就任した。その後、近畿運輸局勝浦海事事務所、新宮警察署勝浦幹部交番、海上保安庁串本海上保安署が陸上、海上の交通安全について講話を行った。

 同振興会は、宇久井港の発展と振興に寄与することを目的に、宇久井漁業協同組合や宇久井区、町、県、警察、海保、近畿運輸局、建設業者などの官民で構成されている。年に1回、総会と懇談会を開いている。

 向井会長が「皆さまにご協力いただき、頑張っていきたいと思います」とあいさつした。

 講話では海事事務所の吉武愼二所長が船員の死亡災害は海中転落が最も多く、船種別では漁船が多いとした。主な原因として、網やロープを投げ入れる際に足が巻き込まれ転落することを挙げた。

 海難による死亡事故でも漁船の割合が高いとし、「必ず救命胴衣を着用してほしい。そして荒天時の操業や甲板上の単独での作業は控えてほしい」と注意を促した。

 続いて、同交番の中野真一所長が現在実施中の冬の交通安全運動に触れ、後を絶たない飲酒運転を撲滅するプロジェクト「シリウス作戦」を展開していると説明した。

 横断歩行者妨害やあおり運転については「路面にダイヤ型のマークを見つけた際は付近に横断歩道があると心づもりし、歩行者優先を。あおり運転に遭遇した際には道を譲り、車から出ない。ドライブレコーダーの設置も一つの方法です」と話した。そのほか、駐車場内での事故の注意や通学路のカラーリングなどで子ども目線による交通安全の重要性も訴えた。

 串本海上保安署の内海浩一署長と地域防災対策課職員は船舶海難や人身事故の現状や原因について報告し、見張りや救命胴衣着用の重要性を述べた。

 大きな波を平均した有義波の高さ「有義波高」の数倍になるといわれる「一発大波」が数千あるいは数万波に1波発生することに触れ、海中転落の原因の一つとし、その危険性を解説した。

 最後は「救命胴衣着用で生存率が2倍になる」「連絡手段の確保として携帯電話を防水パックに入れ水没を防止」「緊急通報番号である『118』の活用」の三つの重要性について話した。

(2020年12月6日付紙面より)

懇談会が開かれた=4日、那智勝浦町の休暇村南紀勝浦
向井誠士会長
2020年12月06日
34 相手の顔を見て伝えよう
 初級手話教室始まる  (紀宝町 )

 紀宝町福祉センターで4日、初級手話教室が始まった。中学生を含む10人が参加し、来年1月22日(金)まで手話サークル「すいせん」の塩﨑正司さん、美紀さん夫妻からあいさつや自己紹介など手話の基礎を学ぶ。

 手話を通じてより多くの人と交流してもらおうと、毎年、町社会福祉協議会が開いている。今年は新型コロナ対策として、マウスシールドを着用した。

 塩﨑さん夫妻は手話通訳を通じて自己紹介。美紀さんは「自分の気持ちを伝え合うのは言葉だけではない。手や体の動き、表情などを使う手話がある。手話は相手の顔を見て、しっかり話をしましょう」、正司さんは「昔は手紙を書いたが、今はテレビ電話で会話できるので便利になった」と伝えた。

 参加者は「おはようございます」「はじめまして」「こんにちは」「さようなら」といったあいさつと五十音を学び、塩﨑さん夫妻は「表情も大切」とアドバイスした。

 姉妹で参加した姉の市川芹さん(木本高2年)は「木本高校JRC部で手話を習う機会があったが、もっと知りたかった」。妹の咲紗さん(矢渕中2年)は「手話は姉に教えてもらったけど、これから役に立てばと思い参加しました」と話していた。

 教室は次回11日(金)からの参加も可能で、申し込みは同協議会(電話0735・32・0957)まで。3回目以降は18日と来年1月の8、15、22日のいずれも金曜日に開催する。時間は午後7時から8時30分まで。

(2020年12月6日付紙面より)

手話の基本を学ぶ参加者=4日、紀宝町福祉センター
手話で自己紹介する塩﨑正司さん(右)、美紀さん夫妻
2020年12月06日
35 生命と財産守る消防車両
 日本損害保険協会が寄贈  (太地町 )

 一般社団法人日本損害保険協会(広瀬伸一会長)は5日、防災事業の一環として、太地町消防団に軽消防車両1台を寄贈した。町公民館で行われた贈呈式には三軒一高町長と漁野洋伸副町長が出席し、同協会和歌山損保会の古林幸二会長と近畿支部の木舟作楽(きぶね・さくら)事務局長から目録とレプリカキーが手渡された。

 同協会は地域における防災力の強化・拡充に貢献することを目的に、1952年から全国の自治体や離島に消防車両などの寄贈を行っており、累計寄贈台数は3474台に上る。2020年度は全国に15台の軽消防車両と5台の高規格救急車の寄贈を行う。

 今回、寄贈された車両は軽四輪駆動車をベースとし、高性能な小型動力ポンプを積載。悪路での走行や狭い道路での消火活動に対応できるとともに、迅速な初期消火や初期救命が可能だという。

 古林会長は、同協会が保険事業を通じて災害復興に向けての支援や防災減災事業にも取り組んでいることを説明し「万が一の災害や事故発生の際に、この軽消防自動車がその性能を発揮して地域の皆さまの生命と財産を守り、安心のよりどころとなることを祈念しております」。

 寄贈を受けた三軒町長は「当町において消防を充実していくことは喫緊の課題。寄贈は住民や町にとってもありがたいこと。期待にこたえられるように懸命に努力し、住民に安心感を与えたいと思う」と語った。

(2020年12月6日付紙面より)

軽消防車両の寄贈が行われた=4日、太地町公民館
2020年12月06日
36 9チームが熱戦展開
 少年サッカー新人戦が開幕  
2020年12月06日
37 新型コロナ関連事業など  12月定例会に上程  (那智勝浦町 )
2020年12月06日
38 「年賀状をください」  宇久井保がおでかけ  (那智勝浦町 )
2020年12月06日
39 ごみの減少肌で感じる 城南校区クリーン作戦 (新宮市)
2020年12月06日
40 地質遺産背景に熊野にぎわう  熊野学パネル展で解説  (新宮市 )
2020年12月06日
41 地域振興にも期待  クマノザクラを市の花木に指定  (熊野市 )
2020年12月06日
42 地元の世界遺産や文化学ぶ  下里小で太田耕二さん講話  (那智勝浦町 )
2020年12月06日
43 災害時、どう行動する?  宇久井中で防災学習  (那智勝浦町 )