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2020年10月29日
1 連携図り水際で防げ
 新宮港でテロ対策訓練  (港湾保安委員会 )

 新宮港港湾保安委員会(会長=鈴木伸幸・東牟婁振興局新宮建設部長)は27日、同港三輪崎4号岸壁で令和2年度新宮港テロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、新宮警察署、新宮市、新宮市・那智勝浦町の両消防本部、大阪税関和歌山税関支署新宮出張所など10機関から約70人が参加。テロに対する水際での連携体制を強化した。

 新宮港では、約1年ぶりとなる「飛鳥Ⅱ」の入港を来月15日(日)に控えており、以降も続けてクルーズ船が寄港する予定となっている。

 訓練は、今後増えると予想される客船の入港や、来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を見越し、テロ事案に対する関係機関の対応の相互確認や、連携強化により的確に対応するための取り組み。▽巡視艇による不審小型ボートの発見と追跡、逮捕▽入国審査における不審旅客の発見と逮捕▽手荷物検査における旅客の所持品内からの拳銃発見と逮捕▽船内不審旅客の捜索と逮捕▽時限発火装置による火災発生と消火―の5項目を想定し実施した。

 海上での訓練では、海保のボートが追跡し、追い詰められた不審小型ボートが発砲。海保巡視船が威嚇射撃を行い、不審者を逮捕に至るまでを訓練した。

 鈴木会長は、同港に外航船や貨物船、クルーズ船などが多数入港しており、地方港湾ではあるが「国際航海船及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」に基づく対応が必要な港湾と説明。東京オリ・パラでは国際的な注目が増すことでテロの脅威も増大すると述べ「この日の訓練がテロ対策の重要性と必要性を再認識し、相互組織のつながり強化に寄与するものを期待している」と述べた。

 新宮港公安危機管理担当官の上野春一郎・田辺海上保安部長は「コロナ禍でさまざまなイベントが中止となる中、国際テロ組織の過激思想の影響を受けた者によるテロの可能性は否定できず備えは常に必要な状況」とあいさつ。水際対策はテロ対策の要であり、関係機関が連携を強化し続けることが重要と呼び掛けた。

 訓練後には、副担当官の小畑博昭・新宮警察署長が「水際で不審者をあぶり出しその場で制圧・逮捕するなど、実践さながらの訓練であり、各機関の連携が確認できる内容で非常に心強く感じた」と講評。

 「テロを未然に防ぐためには絶対に新宮港からテロリストやテロに使用される物を入れないという強い姿勢で挑む気持ちが必要。関係各機関のより一層の連携強化と対処能力の向上を」と呼び掛けた。

 新宮港でのテロ訓練は国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。

(2020年10月29日付紙面より)

不審小型ボートを追い詰める海保巡視艇=27日、新宮港
本番さながらの訓練が行われた
2020年10月29日
2 きれいなプールでお出迎え
 県内の修学旅行生が増加  (ウミガメ公園 )

 紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」飼育棟で27日、プール清掃があり、ウミガメサポーター8人と飼育員らが作業に汗を流した。

 今年はコロナ禍での修学旅行の行き先を県内に変更する学校が多く、ウミガメ公園には三重県内から多くの修学旅行生が訪れているという。

 きれいなプールで修学旅行生を迎えようと清掃を実施。プール内の水を抜き、壁や床の汚れを落とした後、ウミガメ6頭の甲羅を磨いた。2時間ほど作業し、参加したサポーターは「きれいになったウミガメを多くの人に見てもらいたい」と話していた。

 同公園では、ウミガメが健やかに暮らせる飼育環境を維持するため「ウミガメサポーター」を募っている。2013(平成25)年から始まり、これまで457人が登録。協賛金3000円で半年間、5000円で1年間サポーターとして認定される。

 会員になればウミガメサポーター認定証が交付されるほか、希望すれば飼育プールの壁面に名前やグループ名の名札を掲示することもできる。問い合わせは、ウミガメふれあいパーク(電話0735・33・0300)まで。

(2020年10月29日付紙面より)

ウミガメの甲羅を磨くサポーター=27日、紀宝町の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」飼育プール
2020年10月29日
3 共同作品「ゲルニカ」完成 美術選択生、町展へ出品 (串本古座高校)

 県立串本古座高校(左近晴久校長)の1年美術選択生25人がこのほど、共同作品「ゲルニカ」を仕上げた。来月実施の第16回串本町民総合展に出品するそうで、「本年度は文化祭がないので、この機会に大勢の皆さんに見てもらえれば」と同展期間中の鑑賞を呼び掛けている。

 この作品制作は、前年度から同校の美術科を担当する西浦元康講師が生徒に作品発表の実感を託すために計画。油彩画の勉強を兼ねて6月に画家パブロ・ピカソが描いた作品「ゲルニカ」を解説し、以降生徒は手分けしてF10のキャンバス28枚に部分模写して組み合わせ実物の約4分の1の大きさ(約縦180㌢、横約370㌢)となる共同作品を仕上げたという。

 西浦講師は「ほとんどの生徒が油絵の具を扱うのが初めて。悪戦苦闘しながら完成までこぎ着けた」と製作の様子をコメント。

 生徒の猪村凌君は「色の濃淡をつける感覚が今まで使ってきた絵の具と違って難しかった。共同作品なのでみんなで合わせないと作品がおかしくなってしまうなと思い、そこは丁寧にしようと心掛けた」と挑戦を振り返り、「作品は一つだけど組み合わせる一枚一枚にみんなの個性が出ている。町民総合展ではその部分まで見てほしい」とアピールした。

  □     □

2、3年生も個人作品出品



 1年美術選択生と共に、2年美術選択生10人は油彩の点描画(F3)、3年美術選択生はアクリル絵の具のイラストデザイン(B3)を出品する予定。共同作品と合わせて鑑賞してもらえればと呼び掛けている。

 第16回串本町民総合展は来月6日(金)から8日(日)までの3日間、町立体育館と文化センター、串本いやしの会展示場〈合同参加〉で開かれる。開場時間は午前9時~午後4時30分で、入場無料、随時受け付け。同校の作品は同センターB会議室に飾る予定となっている。

(2020年10月29日付紙面より)

共同作品「ゲルニカ」のパーツ。完成形は会場で確かめてほしいという=26日、県立串本古座高校
2020年10月29日
4 夜の邸宅、鮮やかに
 和傘の灯りin西村伊作記念館  (11月1日まで、ライトアップイベント )

 新宮市新宮の旧西村家住宅(西村伊作記念館、重要文化財)を和傘のライトアップで彩る「和傘の灯りin西村伊作記念館」が27日から始まった=写真。約100本の和傘が同館を照らし、訪れる人々の目を楽しませている。

 新型コロナウイルスの影響で閉鎖的になっている気持ちを少しでも和らげることと、インスタグラムなど会員制交流サイト(SNS)で発信することにより市の文化的魅力の周知を図るために新宮商工会議所青年部(新宮YEG)が企画。今年リニューアルオープンした同館の文化的背景や歴史を発信する機会へとつなげる目的もある。

 新宮YEGは昨年にも地域活性化事業として「あえかなる城」を開催。新宮城を舞台に展開された水野家入部400年記念イベントに彩りを添えた。

 イベント初日のこの日には、多数の親子連れや夫婦、写真愛好家らが訪れ、一眼レフカメラやスマートフォンを手に写真撮影。「きれいだね」などと感想を口にしていた。

 寺前砂和会長は「柔らかい和傘の灯りで、少しでも癒やされていただければ」と来館を呼び掛けている。

 ライトアップは11月1日(日)までの午後6時~9時(最終日は8時まで)。コロナ感染予防のため、マスク着用と会場入り口では手指消毒を。体調が優れない人は来場を控える。新宮税務署前の駐車場が利用可能。

(2020年10月29日付紙面より)


2020年10月29日
5 なおちゃん弁当が優勝 第159回職場対抗ボウリング大会 
2020年10月29日
6 田中・辻本組が優勝
 総合スポーツ大会ソフトテニス  (新宮市老連 )
2020年10月29日
7 半数以上が資金繰り支援利用  新型コロナアンケート  (東京商工リサーチ )
2020年10月29日
8 郵便局の回収箱に投函を  使用済みインクカートリッジの取り扱いに注意  (新宮市 )
2020年10月29日
9 新しい知識の取得目指す  シルバー人材センターでパソコン講習会  (新宮市 )
2020年10月29日
10 舞踊祭と音楽祭が中止  新型コロナの状況鑑みて  (那智勝浦町 )
2020年10月29日
11 消防士ってかっこいい  丹鶴幼が消防本部見学  (新宮市 )
2020年10月29日
12 コロナ終息を願いつつ  尾呂志神社で秋の大祭営む  (御浜町 )
2020年10月29日
13 今年もイルミネーション点灯  12月1日から「光の祭典in紀宝」  (紀宝町 )
2020年10月29日
14 札の音とアニメを初公開  「くまのじかるた」の大会で  (田並劇場 )
2020年10月20日
15 「大きくなって戻ってきてね」
 守る会がウミガメを放流  (新宮市王子ヶ浜 )

 新宮市王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)は18日、同市の王子ヶ浜でウミガメの放流を行った。同会員や市職員ら約40人が参加。489匹の子ガメを放流した。

 王子ヶ浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同会では、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。

 同会が今シーズンの初産卵を確認したのは7月16日。以降、同浜には7頭が上陸し、うち5頭が計650個を産卵。489匹がふ化した。今年のふ化率は93%にも上ったという。

 例年では地域住民や子どもらを招き放流会を実施しているが、今年は悪天候を考慮しイベントは中止に。同会員が中心となり、三つの水槽に分けた子ガメを海に戻した。

 放流に先立ち、速水会長があいさつ。「大変な努力によってボランティアとして放流を続けて15年。続けていくには行政からの何らかの援助も必要となる」と訴えた。

 公務のため参加がかなわなかった田岡実千年市長に代わり、福嶋律文・秘書課長が「今年も多くのウミガメを放流することができ、市としてもうれしい限り。これも関係者の日頃からの鋭意のたまもの」と感謝を述べた。

 子ガメを手に乗せて放流を手伝った田辺市本宮町の石原菜々美ちゃん(5)は「楽しかった。(子ガメは)小さくてかわいかった。大きくなって帰ってきたらいいな」と笑顔。

 速水会長は「今年は天候の関係で放流会はかなわなかったが、『子ガメを見たい、子ガメに触れたい』といった子どもらの声も多い。来年は広く参加を呼び掛け、ふるさとには貴重な浜辺があるということをアピールしたい」と話していた。

(2020年10月20日付紙面より)

会員らが中心となり子ガメを放流=18日、新宮市の王子ヶ浜
子ガメと触れ合う子どもたち
2020年10月20日
16 所在地から先端情報発信 宇宙シンポジウムin串本 (和歌山県)

 串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本で18日、大会「宇宙シンポジウムin串本」があった。会場では定員いっぱいの200人が聴講。今回は動画サイトを利用したライブ配信も実施し、インターネット経由で所在地から世界へ先端情報発信をする機会ともなった。

 「ロケットといえば串本」という印象を根付かせるため、前年度に県と同町が両輪で立ち上げた大会。本年度は新型コロナウイルス感染症の予防対応が求められる中、県が立案を進め同町は受け入れなどで協力する形で計画。定員を前回の約3分の1に抑えて座席の間隔を取るなどの対策を取り、併せてライブ配信により視聴できる態勢を整えるなどして実施する形となった。

 会場では田嶋勝正・串本町長や佐藤武治県議会議員、堀順一郎・那智勝浦町長ら要職に加え県立串本古座高校や串本西中学校の生徒教職員など地元からも多数参加。開会に当たり仁坂吉伸知事は「新世界の幕開けがまさにここ串本からも始まる。世の中を変えていくシンポジウムを世界に向けて串本で開けることを誇りにしたいと思う」とあいさつして開会に弾みをつけた。

 プログラムは基調講演とパネルディスカッションの2部構成。基調講演は後のパネルディスカッションでモデレーターを務めた東京大学大学院の中須賀真一教授、パネリストとして登壇したSPACETIDEの石田真康CEO、株式会社アクセルスペースの宮下直己取締役・CTO、オーシャンソリューションテクノロジー株式会社の水上陽介代表取締役、スペースワン株式会社の遠藤守最高顧問、県産業技術政策課の柴田和也課長が登壇〈石田氏のみリモート登壇〉し、宇宙活用の世界観や現在展開されている民間宇宙ビジネスの実像、同町田原で建設中の民間小型ロケット発射場や地元の受け入れ体制で先端情報を発信。

 パネルディスカッションで中須賀教授は大きく▽小型ロケットの打ち上げに伴う地域の展望▽打ち上げた人工衛星から得られるデータ活用と恩恵を受ける地域の協力の必要性▽文理両面の連携で成り立つ宇宙産業の教育活用―で議論を進めて内容を掘り下げたほか、人工衛星による気象観測向上、打ち上げ開始時の公開、関係事業者の地域交流、人工衛星から得られるデータの教育活用などの見通しや、パネラーの宇宙観などの質疑応答もあった。

 田嶋町長は串本古座高校における教育展開への期待を寄せ、中須賀教授は相談の協力をすると応えみんなで民間ロケット発射場を盛り上げようと弾みをつけてパネルディスカッションを締めくくった。

(2020年10月20日付紙面より)

パネルディスカッションを繰り広げる登壇者=18日、ホテル&リゾーツ和歌山串本
2020年10月20日
17 繁栄とコロナ終息を祈願
 蛭子神社の例大祭  (太地町 )

 太地町森浦の蛭子(えびす)神社(髙橋正樹宮司)で18日、例大祭が営まれた。頭屋(とうや)が引き継がれる独特の儀礼「トウモリの儀」は新型コロナウイルスの影響から実施されず、地域の繁栄とコロナ終息が祈願された。三軒一高町長や塩崎伸一町議会議長、同町漁業協同組合の脊古輝人組合長、森浦区の由谷唯吉区長ら12人が出席し、玉串をささげた。

 同神社では神事後の直会(なおらい)で参加した氏子らが食べ明かすことから「食い祭り」の名で親しまれている。町史によると、蛭子神社は格式高く、古くから漁業の神として信仰を集めているという。

 例年のトウモリの儀では境内の若宮神社前にござを敷き、大小の飯びつと9枚の板の杯、半分に割ったしゃもじ2枚が用意される。続いて、前頭屋が飯びつからしゃもじで杯にご飯をよそい、1枚ずつ次の頭屋に渡し、頭屋はそのご飯を飯びつに移し入れるというもの。昨年、頭屋を引き継いだ佐藤賢次さんによると、コロナの影響で今年は次の頭屋が決まっていないことから引き続き頭屋を務めるという。

 佐藤さんは「来年のコロナの終息具合にもよるが、次の頭屋は森浦区の住民総会で決まる予定」と話した。

 髙橋宮司は「トウモリの儀は頭屋が交代するための儀式。今年はコロナの影響で異例な形となったが、天下太平、五穀豊穣(ほうじょう)、子孫繁栄に加え、コロナの終息も祈願させていただきました」と語った。

(2020年10月20日付紙面より)

厳かに例大祭が営まれた=18日、太地町の蛭子神社
2020年10月20日
18 新宮市に犯行予告
 伴い、市内小中学校臨時休業など  

 16日未明、新宮市に対し、市役所や学校を狙った襲撃予告のメールが届いた。犯行予告を受け、市では予告日の20日、子どもたちの安全確保のため市内小中学校を臨時休業とするほか、同日午前10時30分から正午までの間を臨時閉庁とすると決めた。

 予告内容は「突然ですが10月20日火曜日の11時30分に新宮市役所に突撃し、散弾銃を乱射し血の海を作ります。その後12時30分頃に市内の高校2校、小中学校計10校にはドローンを使ってメチルアルコールを散布した後、火炎弾を放って火の海を作ります」といったもの。

 市では、臨時休業・閉庁の対応に加え「安全確保のため、可能な限り20日の来庁は控えていただきますようお願いします」と呼び掛けている。

 犯行予告に対し、田岡実千年市長は「新宮市では、今回の犯行予告を受け、万が一に備え、対象となった小中学校を臨時休業とし、市役所本庁舎を一時的に閉鎖する対応をとらせていただきます。市民の皆さまには多大なご心配やご迷惑、ご不便をお掛けしますが、今回の対応は市民の皆さまの安全が最優先と判断したものでございます。新型コロナウイルス感染症対策などさまざまな対応が求められている中、市政を停滞させるこのような行為は絶対に許されるものではありません。新宮警察署の協力を得て、不審者の警戒などを行い、安全安心な学校運営や庁舎管理に努めてまいりますので、何とぞご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます」とコメントを寄せている。

(2020年10月20日付紙面より)

新宮市に対し犯行予告メールが届いた=19日、新宮市役所
2020年10月20日
19 近畿大会出場を事前報告  チーム選手らが町長表敬  (串本JFC )
2020年10月20日
20 新宮、初戦突破ならず  高校ラグビー和歌山県大会  
2020年10月20日
21 ブリヒラや鮮熟マダイ  食縁の直売会に行列  (新宮市 )
2020年10月20日
22 住み慣れたまちで生き生きと  地域支え合いフォーラムに83人  (新宮市 )
2020年10月20日
23 見学や遊びで園生活体験  はまゆう・こども園で園庭開放  (新宮市 )
2020年10月20日
24 稲作の豊かな実りを報告  今年も神内神社で初穂祭  (紀宝町 )
2020年10月20日
25 運動場に笑顔広がる  2部制で運動会を開催  (飯盛保 )
2020年10月04日
26 体験通して恩恵に感謝
 高田小児童らが「海の教室」  (勝浦海事事務所 )

 児童らの海や船への関心を高め、海事思想の普及を図る「海の教室」が2日、那智勝浦町と太地町を舞台に展開された。新宮市立高田小学校(大家淳志校長)の全校児童11人が市場見学や遊覧船体験などを通じて海の恩恵に感謝する機会とした。

 近畿運輸局勝浦海事事務所、紀南海運協会などが主催。「海の月間」(7月1日~31日)の協賛行事として、管内の小学生を対象に毎年実施している。児童らは、那智勝浦町築地の和歌山県漁連勝浦市場展望室で市場の様子を見学。勝浦海事事務所の堀川裕之次長が「船員さんたちの仕事を見てたくさん勉強してください」と呼び掛けた。

 児童らはその後、勝浦観光桟橋に移動し「くじら号」に乗船。波に揺られながら紀の松島めぐりを楽しんだ。

 太地町では町立くじらの博物館でくじら講座を受講。学芸員の今川恵さんが「太地浦捕鯨絵図」を基に、同町において古来から続く人間と鯨の関わりについて話した。今川さんは▽みんなで協力して大きな鯨をとっていた▽地形を利用して鯨を見張っていた▽道具を工夫して使っていた―などと説明。児童らは鯨やシャチに関するクイズに対し、元気よく手を上げるなどした。

 最後にイルカショーを見物。イルカが見せる見事な演技に、児童らは大きな拍手と歓声を送った。

 同校5年の水口胡都さんは「学校の全員でいい体験ができた。遊覧船ではいっぱい魚が泳いでいて波もすごかった。教科書で漁は大変と学んだが、(市場では)たくさんの魚の種類を分けていてすごいと思いました」。

 6年の古藤紬さんは「(海は)高田の川とまた違っていて楽しかった。いつもと違う体験ができて良かったと思います」と話していた。

(2020年10月4日付紙面より)

イルカのショーに大歓声=2日、太地町立くじらの博物館
紀の松島めぐりにいざ出発=同日、那智勝浦町
2020年10月04日
27 祭りの準備着々と
 境内にのぼり立てる  (新宮の速玉祭 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)は3日、例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」=15日(木)、16日(金)=に向け、境内にのぼりを掲揚した=写真。近づく祭りへの機運を高めようと、神職らが約80本ののぼりを一本一本、丁寧に取り付けていった。

 同祭は2月の御燈祭(おとうまつ)りと合わせ、「新宮の速玉祭・御燈祭り」として国の重要無形民俗文化財(重文)に指定されている。

 例年では「御船祭(みふねまつり)・早船競漕(きょうそう)」に出船する各地区の関係者らが協力し市内各地区でのぼり立てを行うが、新型コロナウイルス拡大予防の観点から今年は早船競漕が中止に。伴い、のぼりも境内のみの掲揚とした。

 同大社の佐藤仁迪(ひとふみ)権禰宜(ごんねぎ)は「いまだコロナ収束のめどは立たないが、神事はしっかりとやっていかなければならない。多くの人が関わるところ以外は例年通り実施していきたい」と話していた。

(2020年10月4日付紙面より)


2020年10月04日
28 今後の推進の一筋道考える
 かんりん文庫が読書講演会  (串本町 )

 串本町潮岬にあるかんりん文庫(梅﨑百合子代表)が9月26日に県立潮岬青少年の家で読書講演会を開き、30人が聴講して今後の読書推進の一筋道を考える機会を得た。

 この講演会は、わかやま市民生協の地域コミュニティー支援補助金制度を活用して計画。梅﨑代表の教員時代以来の知人でかんりん文庫訪問の機会を模索していた元枚方市立図書館司書の川上博幸さんに講師を依頼し、17年来の家庭文庫運営に加え大学講師や新聞企画への寄稿の経験も持つ立場から提言を得る場を整えて参加者を迎えた。

 演題は「AI時代の子どもの読書の重要性について 今こそ子どもに読む喜びを!」。川上さんは子どもと人工知能(AI)が共存する力はどうすれば身に付けられるかという視点を意識付けた上で持論を展開した。

 時代背景として学校図書館協議会(SLA)の統計にみる子どもの読書推進の成果とAI技術の進展をそれぞれ振り返り、大枠として高度情報化から知識基盤へと特色が移り変わった社会情勢と特有の諸課題も見据えてこれからの時代の知恵の発揮の大切さを示唆。

 他の動物と比較したときの人間の特徴の一つに声を言葉として使ってコミュニケーションをする点があり、この言葉を形に置き換えたのが文字。川上さんは耳で聞いて言葉を知りその形である文字を読む先に読書が成り立っていると順序立てし、さらにその先で本に込められた感情の起伏を味わいその心や考えをもらう段階に達した時に子どもは読書に大きな喜びを得ると筋道をつけた。

 対して現在のAIは、喜びを得る一歩手前までこなせる段階と位置づけ。子どもとAIが共存する上で大切なのは『教科書が読める(読んで理解できる)ぐらいの読解力』で、これができないとリテラシー(情報を適切に把握し適切に再構築する能力)が伸びずAIに後れを取ることになる。この筋道を今後の読書推進を図る上で目安の一つにすることを推奨して話を締めくくった。

(2020年10月4日付紙面より)

AI時代の子どもの読書の重要性を説く川上博幸さん=9月26日、県立潮岬青少年の家
今後の読書推進の一筋道を川上さんと共に考える参加者
2020年10月04日
29 花てまりの会が奨励賞受賞
 全国花のまちづくりコンクール  (那智勝浦町 )

 花のまちづくりコンクール推進協議会(野路國夫会長)が実施する第30回「全国花のまちづくりコンクール」において、那智勝浦町の花づくりボランティアで構成される「花てまりの会」(おお木博子会長、会員26人)が9月25日、花のまちづくり奨励賞を受賞した。その喜びや活動の様子を取材した。

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■全国花のまちづくりコンクール



 コンクールは農林水産省および国土交通省が提唱するもので、1990年に開催された「国際花と緑の博覧会」の理念である「自然と人間との共生」を継承し、91年より「花のまちづくり活動の発展」と「花の社会性の向上」を目的に、全国各地の優れた花のまちづくりを表彰している。

 対象は全国の市町村や学校を含む団体や個人、企業。コンクールは花の美しさや出来栄えを競うものではなく、花と人、花と社会の関わり合いの中で、花が社会に及ぼすプラスの影響(コミュニティーづくりや世代間の交流、観光振興、環境保全など)を生かしてどのようにまちづくりに昇華されたかを審査する。

  □     □

■花てまりの会の活動



 同会は観光客や住民らに花を楽しんでもらい、町のPRや活性化に寄与するために町内9カ所の花壇整備に取り組んでいる。

 今回、「和歌山県花を愛する県民の集い」(二階俊博会長)からの勧めもあり参加を決意。活動の様子を紹介するための写真撮影や説明文の作成に奮闘し受賞に至った。なお、全国から1690件もの応募があり、団体部門では1487件に上ったという。

 新型コロナウイルスの影響から町を訪れる観光客などが減少している中でも、日々花壇の手入れや周辺の草刈りなど町の美化に努めてきた。

 受賞について、おお木会長は「これまでの積み重ねが認められたようですごくうれしい。これからも皆さんと一緒に活動していきたい」。

 今後については「観光のまち・那智勝浦町のためにおもてなしの気持ちで取り組んでいる。花を枯れさせない、常に花がある状態を保つには花壇だけの作業ではだめ。周辺の美化が大事になる。いつもきれいな環境を目指しています」と語った。

(2020年10月4日付紙面より)

※ おお木博子会長の「おお」は、左側が「羽」の下に「令」、右側が「寛」

花のまちづくり奨励賞を受賞した花てまりの会の皆さん=1日、那智勝浦町
毎月の作業に汗を流す
2020年10月04日
30 心の栄養と体の栄養  「ウンコ博士」が講演  (那智勝浦町 )
2020年10月04日
31 新宮城の危機も訴える  小渕伸二さんが講演  (熊野市民大学 )
2020年10月04日
32 132年ぶり初詣祈願 コロナ対策「大斎原」で神事 (熊野本宮大社)
2020年10月04日
33 ハチ? ハチドリ?  オオスカシバ出現  (新宮市 )
2020年10月04日
34 心一つに競技を楽しむ  北山小・中で運動会  (北山村 )
2020年10月04日
35 高齢者の優先接種始まる  インフルエンザの予防を  
2020年10月04日
36 健康づくり活動を地域に  保健活動推進員に委嘱状  (紀宝町 )
2020年10月04日
37 9月定例会一般質問②  古座川町議会  
2020年10月04日
38 お悔やみ情報