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2020年10月28日
1 広島が森浦大輔投手を指名
 新宮市出身  (プロ野球ドラフト会議 )

 新宮市出身で天理大学4年の森浦大輔投手(22)が26日に開かれたプロ野球ドラフト会議で、広島東洋カープから2位指名を受けた。

 最速148㌔のストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブを武器に空振りを奪う左腕。ドラフト会議をテレビで見ていたという父の孝二さん(52)は「プロに行ってほしかったのでうれしい。テレビに2位と出た途端、友達と一緒に泣いた。プロでは、けがをせずに好きな野球を長く続けてほしい」と語った。

 母の由紀さん(48)は「ドラフト後すぐに電話し、『おめでとう』と伝えた。本人は指名を受けて安心した様子でした。皆さんのおかげで、一番の目標がかないました」と喜んだ。

 森浦投手は、丹鶴幼稚園の年長児から「新宮パワーウエーブ」で野球を始めた。当時の監督・太田尋文さんは「小学3年生からピッチャーを始め、5年生で球速100㌔ほどあった。体は大きくなかったが投手としてずば抜けていた。4年生の頃、1試合で21奪三振を取ったこともあった。6年生でキャプテンを務め、素晴らしいチームだった」と振り返った。

 緑丘中学校では野球部に所属。3年生の時に和歌山県大会で優勝し、近畿大会に出場した。

 名門・天理高校に進み1年の夏からベンチ入り。2年で「春の選抜」に出場し、甲子園のマウンドに立った。甲子園には春夏の連続出場を果たした。

 天理大では1年の春からリーグ戦に出場し、5戦3勝、防御率0・92でMVPを獲得。秋には最多の5勝をマークし、MVPと最優秀投手を受賞した。

(2020年10月28日付紙面より)

天理大で活躍し広島から2位指名を受ける(森浦大輔投手の家族提供)
森浦大輔投手(同提供)
2020年10月28日
2 ニュータウン熟年クラブを選定
 シニアボランティア助成  (大同生命厚生事業団 )

 公益財団法人大同生命厚生事業団が実施する2020年度のシニアボランティア活動や地域保健福祉研究などの助成を行う受贈者が決まった。シニアボランティア活動部門では那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブが選考された。

 同財団は大同生命保険株式会社が生命保険事業の社会性に鑑み、公共の福祉の増進に役に立ちたいとの願いから1974年に設立された。

 社会福祉、公衆衛生の分野に事業を展開しており、研究やボランティア活動などの助成、健康小冊子の発行などを通して、国民の健康の保持と福祉の増進に寄与することを目的に各事業を実施している。

 今回、シニア部門では123件の応募があり、和歌山県で五つの団体が選考された。

 応募の際の活動テーマを「みんなで楽しく脳トレ活動」と定め、受贈を受けた同クラブの峰武久会長は「助成で購入した大型液晶テレビなどを活用し脳の活性化につながっている。会員一同喜んでいます」。

 「脳トレ活動以外にもこれまでの会員たちの活動記録の画像や動画をテレビに映し出して再確認し、仲間意識や絆を深めていきたいです」と語った。

 なお、本紙エリア内では串本町で活動するかんりん文庫(梅崎百合子代表)も受贈した。

(2020年10月28日付紙面より)

助成で購入したテレビを活用するニュータウン熟年クラブの皆さん
2020年10月28日
3 自治体枠で学びの場創出
 若手教員育成プログラム  (串本町教育委員会 )

 串本町教育委員会が主催する本年度若手教員育成に係る研修プログラム(若プロ)のチーム研修(カンファレンス)が23日に役場古座分庁舎であり、対象の教員ら16人が参加して直面する課題や悩みについて教頭らから助言を得る機会を持った。

 このプログラムは、町教委の津田和昭指導主事と元校長の坂本善光指導主事が両輪で運営。近年の県教委の教員人事は定年退職と新規採用が活発で、町立学校では経験10年未満の若手教員が全体の46%を占める状況となっている。他方で少子化に伴う学校規模の縮小も進み、具体的には学年の単学級化や複式学級化、中学校にあっては教科担当が自分1人しかいない状況で同学年担当との学級経営、同教科教員との学習指導を相談する機会が持てないという難しさも生じている。

 さらに学校運営の中核を担う中堅教員の層が薄い(経験10~19年で18%、同20~29年で16%)という状況も。以前ほど若手教員が現場での学びを詰めないまま数年後に学校運営の中核を担う中堅教員へ差し掛かっていく状況は好ましくない、と直感した坂本指導主事が前年度からこの課題に関わり始め、学校単体で難しいなら町教委が自治体枠で学びの場を創出してはと考えが至り本年度から実践を始めたという。

 先行事例が見当たらず、一から組み上げる形での着手。経験4年目(本年度は10人)と同2年目(同8人)の教員を対象とし同3年目(同2人)と講師の希望参加も受け入れつつ、コロナ禍の情勢に伴い年度序盤から出足をくじかれる状況となったが8月から月例で全体研修やチーム研修を重ねている。

 チーム研修は本年度初、また若プロ初の実施。助言者として同町教頭会が協力し、坂本さんは「この機会に若手教員は抱えている悩みを打ち明け、教頭は経験に基づく知見や若手教員への期待を伝えてほしい」と呼び掛けて取り組みを促した。

 序盤から中盤は若手教員と教頭で学校が異なる8組に分かれ、若手教員が抱えている課題や悩みを打ち明けて話し合い。終盤でその内容を発表し合って全体共有した。

 8、9月は授業の組み立て方をテーマにして全体研修を実施。11、12月に同研修を重ね、来年1月に2回目のチーム研修、2月に最終の全体研修を開いて取り組んだ事柄の振り返りを行う流れで若手教員の育ちを補い、町立学校の運営の保持と向上、活発化を図ることを目指すという。

(2020年10月28日付紙面より)

抱える課題や悩みについて教頭らから助言を得る若手教員ら=23日、串本町役場古座分庁舎
2020年10月28日
4 防災備蓄倉庫の完成祝う
 鵜殿3組自主防災会  (紀宝町 )

 紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎組長)は25日、同地区津波一時避難場所近くの高台に建設した防災備蓄倉庫の完成式を開いた。地区住民、来賓の西田健町長ら約40人が集い、1年4カ月かけて整備した住民手作りの施設の完成を祝った。

 「大災害時の死者ゼロ」を目指し、2年前に計画。海抜約30㍍にある町有地を借り、森林環境税の助成を受け、紀宝町森林環境税事業を活用した。

 倉庫の建築面積は87・55平方㍍(26・48坪)。自主防災会約330世帯の住民が避難生活に必要な物資をまとめた衣装ケースを保管する。収納スペースのほか、土間、仮設トイレ2基、物置を整備した。

 完成式で森倉組長は、建設に至る経緯、伐採や草刈り、住民が協力して取り組んだ建築作業などを説明し「11月末までに完成させたいと思っていたが、皆さんの協力で8月28日に完成した。ご協力に感謝します」と述べた。

 西田町長は「素晴らしい施設ができた。地域の安全安心が確保できると思う。皆さんと一緒に住みよい町をつくっていきたい」と祝った。

 この後、森倉組長が施設内を案内し、住民が設備などを確認した。今後、11月下旬から12月中旬にかけて衣装ケースを収納するという。

(2020年10月28日付紙面より)

住民らが完成した防災備蓄倉庫を見学=25日、紀宝町鵜殿
森倉賢一郎組長が収納スペースなどを説明
2020年10月28日
5 地域住民の安心安全を  三輪崎区が土のう作り  (新宮市 )
2020年10月28日
6 1位に杉本光朗さん  写連新宮支部10月例会  
2020年10月28日
7 抜群のチームワークで競う  高田連合運動会開催  (新宮市 )
2020年10月28日
8 「伝えたい気持ちが大切」  城南中学校で手話教室  (新宮市 )
2020年10月28日
9 日本酒をもっと愉しもう  「SAKE事情」やペアリング学ぶ  (新宮市「くいしんぼう」 )
2020年10月28日
10 延期希望に応え3回目実施  体験アートWS「光とあそぶ」  (WACSS )
2020年10月28日
11 10人が方法教わって挑戦  潮岬で石積みコンテスト  (南紀熊野ジオパーク )
2020年10月28日
12 本州最南端見守り60周年 還暦迎えた潮岬観光タワー (串本町)
2020年10月28日
13 木本は2回戦で敗れる  高校サッカー三重大会  
2020年10月28日
14 木本、準決勝で敗退  高校ラグビー三重大会  
2020年10月28日
15 中小企業などへの軽減措置  新型コロナによる収入減に対応  (紀宝町 )
2020年10月28日
16 アサギマダラ優雅に  御浜町阪本  
2020年10月28日
17 ハロウィーンの遊び楽しむ  さくらんぼ&子育て支援セ  (紀宝町 )
2020年10月28日
18 6競技で熱戦繰り広げる 熊野市南郡中学校新人大会 
2020年10月28日
19 修学旅行で思い出づくり  熊野川温泉さつきで箸作り体験  (新宮市 )
2020年10月28日
20 お悔やみ情報
  
2020年10月20日
21 「大きくなって戻ってきてね」
 守る会がウミガメを放流  (新宮市王子ヶ浜 )

 新宮市王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)は18日、同市の王子ヶ浜でウミガメの放流を行った。同会員や市職員ら約40人が参加。489匹の子ガメを放流した。

 王子ヶ浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同会では、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。

 同会が今シーズンの初産卵を確認したのは7月16日。以降、同浜には7頭が上陸し、うち5頭が計650個を産卵。489匹がふ化した。今年のふ化率は93%にも上ったという。

 例年では地域住民や子どもらを招き放流会を実施しているが、今年は悪天候を考慮しイベントは中止に。同会員が中心となり、三つの水槽に分けた子ガメを海に戻した。

 放流に先立ち、速水会長があいさつ。「大変な努力によってボランティアとして放流を続けて15年。続けていくには行政からの何らかの援助も必要となる」と訴えた。

 公務のため参加がかなわなかった田岡実千年市長に代わり、福嶋律文・秘書課長が「今年も多くのウミガメを放流することができ、市としてもうれしい限り。これも関係者の日頃からの鋭意のたまもの」と感謝を述べた。

 子ガメを手に乗せて放流を手伝った田辺市本宮町の石原菜々美ちゃん(5)は「楽しかった。(子ガメは)小さくてかわいかった。大きくなって帰ってきたらいいな」と笑顔。

 速水会長は「今年は天候の関係で放流会はかなわなかったが、『子ガメを見たい、子ガメに触れたい』といった子どもらの声も多い。来年は広く参加を呼び掛け、ふるさとには貴重な浜辺があるということをアピールしたい」と話していた。

(2020年10月20日付紙面より)

会員らが中心となり子ガメを放流=18日、新宮市の王子ヶ浜
子ガメと触れ合う子どもたち
2020年10月20日
22 所在地から先端情報発信 宇宙シンポジウムin串本 (和歌山県)

 串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本で18日、大会「宇宙シンポジウムin串本」があった。会場では定員いっぱいの200人が聴講。今回は動画サイトを利用したライブ配信も実施し、インターネット経由で所在地から世界へ先端情報発信をする機会ともなった。

 「ロケットといえば串本」という印象を根付かせるため、前年度に県と同町が両輪で立ち上げた大会。本年度は新型コロナウイルス感染症の予防対応が求められる中、県が立案を進め同町は受け入れなどで協力する形で計画。定員を前回の約3分の1に抑えて座席の間隔を取るなどの対策を取り、併せてライブ配信により視聴できる態勢を整えるなどして実施する形となった。

 会場では田嶋勝正・串本町長や佐藤武治県議会議員、堀順一郎・那智勝浦町長ら要職に加え県立串本古座高校や串本西中学校の生徒教職員など地元からも多数参加。開会に当たり仁坂吉伸知事は「新世界の幕開けがまさにここ串本からも始まる。世の中を変えていくシンポジウムを世界に向けて串本で開けることを誇りにしたいと思う」とあいさつして開会に弾みをつけた。

 プログラムは基調講演とパネルディスカッションの2部構成。基調講演は後のパネルディスカッションでモデレーターを務めた東京大学大学院の中須賀真一教授、パネリストとして登壇したSPACETIDEの石田真康CEO、株式会社アクセルスペースの宮下直己取締役・CTO、オーシャンソリューションテクノロジー株式会社の水上陽介代表取締役、スペースワン株式会社の遠藤守最高顧問、県産業技術政策課の柴田和也課長が登壇〈石田氏のみリモート登壇〉し、宇宙活用の世界観や現在展開されている民間宇宙ビジネスの実像、同町田原で建設中の民間小型ロケット発射場や地元の受け入れ体制で先端情報を発信。

 パネルディスカッションで中須賀教授は大きく▽小型ロケットの打ち上げに伴う地域の展望▽打ち上げた人工衛星から得られるデータ活用と恩恵を受ける地域の協力の必要性▽文理両面の連携で成り立つ宇宙産業の教育活用―で議論を進めて内容を掘り下げたほか、人工衛星による気象観測向上、打ち上げ開始時の公開、関係事業者の地域交流、人工衛星から得られるデータの教育活用などの見通しや、パネラーの宇宙観などの質疑応答もあった。

 田嶋町長は串本古座高校における教育展開への期待を寄せ、中須賀教授は相談の協力をすると応えみんなで民間ロケット発射場を盛り上げようと弾みをつけてパネルディスカッションを締めくくった。

(2020年10月20日付紙面より)

パネルディスカッションを繰り広げる登壇者=18日、ホテル&リゾーツ和歌山串本
2020年10月20日
23 繁栄とコロナ終息を祈願
 蛭子神社の例大祭  (太地町 )

 太地町森浦の蛭子(えびす)神社(髙橋正樹宮司)で18日、例大祭が営まれた。頭屋(とうや)が引き継がれる独特の儀礼「トウモリの儀」は新型コロナウイルスの影響から実施されず、地域の繁栄とコロナ終息が祈願された。三軒一高町長や塩崎伸一町議会議長、同町漁業協同組合の脊古輝人組合長、森浦区の由谷唯吉区長ら12人が出席し、玉串をささげた。

 同神社では神事後の直会(なおらい)で参加した氏子らが食べ明かすことから「食い祭り」の名で親しまれている。町史によると、蛭子神社は格式高く、古くから漁業の神として信仰を集めているという。

 例年のトウモリの儀では境内の若宮神社前にござを敷き、大小の飯びつと9枚の板の杯、半分に割ったしゃもじ2枚が用意される。続いて、前頭屋が飯びつからしゃもじで杯にご飯をよそい、1枚ずつ次の頭屋に渡し、頭屋はそのご飯を飯びつに移し入れるというもの。昨年、頭屋を引き継いだ佐藤賢次さんによると、コロナの影響で今年は次の頭屋が決まっていないことから引き続き頭屋を務めるという。

 佐藤さんは「来年のコロナの終息具合にもよるが、次の頭屋は森浦区の住民総会で決まる予定」と話した。

 髙橋宮司は「トウモリの儀は頭屋が交代するための儀式。今年はコロナの影響で異例な形となったが、天下太平、五穀豊穣(ほうじょう)、子孫繁栄に加え、コロナの終息も祈願させていただきました」と語った。

(2020年10月20日付紙面より)

厳かに例大祭が営まれた=18日、太地町の蛭子神社
2020年10月20日
24 新宮市に犯行予告
 伴い、市内小中学校臨時休業など  

 16日未明、新宮市に対し、市役所や学校を狙った襲撃予告のメールが届いた。犯行予告を受け、市では予告日の20日、子どもたちの安全確保のため市内小中学校を臨時休業とするほか、同日午前10時30分から正午までの間を臨時閉庁とすると決めた。

 予告内容は「突然ですが10月20日火曜日の11時30分に新宮市役所に突撃し、散弾銃を乱射し血の海を作ります。その後12時30分頃に市内の高校2校、小中学校計10校にはドローンを使ってメチルアルコールを散布した後、火炎弾を放って火の海を作ります」といったもの。

 市では、臨時休業・閉庁の対応に加え「安全確保のため、可能な限り20日の来庁は控えていただきますようお願いします」と呼び掛けている。

 犯行予告に対し、田岡実千年市長は「新宮市では、今回の犯行予告を受け、万が一に備え、対象となった小中学校を臨時休業とし、市役所本庁舎を一時的に閉鎖する対応をとらせていただきます。市民の皆さまには多大なご心配やご迷惑、ご不便をお掛けしますが、今回の対応は市民の皆さまの安全が最優先と判断したものでございます。新型コロナウイルス感染症対策などさまざまな対応が求められている中、市政を停滞させるこのような行為は絶対に許されるものではありません。新宮警察署の協力を得て、不審者の警戒などを行い、安全安心な学校運営や庁舎管理に努めてまいりますので、何とぞご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます」とコメントを寄せている。

(2020年10月20日付紙面より)

新宮市に対し犯行予告メールが届いた=19日、新宮市役所
2020年10月20日
25 近畿大会出場を事前報告  チーム選手らが町長表敬  (串本JFC )
2020年10月20日
26 新宮、初戦突破ならず  高校ラグビー和歌山県大会  
2020年10月20日
27 ブリヒラや鮮熟マダイ  食縁の直売会に行列  (新宮市 )
2020年10月20日
28 住み慣れたまちで生き生きと  地域支え合いフォーラムに83人  (新宮市 )
2020年10月20日
29 見学や遊びで園生活体験  はまゆう・こども園で園庭開放  (新宮市 )
2020年10月20日
30 稲作の豊かな実りを報告  今年も神内神社で初穂祭  (紀宝町 )
2020年10月20日
31 運動場に笑顔広がる  2部制で運動会を開催  (飯盛保 )
2020年10月17日
32 厳かに神馬渡御式 熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭」 

 国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の神馬渡御式(しんめとぎょしき)が、15日午後から営まれた。主神の熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊を上野宮司が懐に抱き、弓、剣などの神宝を手にした神職が神社関係者らと共に阿須賀神社へと向かった。

 例年なら多くの参拝者が列をなし、まちなかを練り歩く神馬渡御式。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、参列者を例年の5分の1程度とし、順路を短縮して斎行した。

 阿須賀神社での神事後、御神霊を神馬に奉安して熊野速玉大社へと還御。本殿に奉安して神事を行った後、再び御神霊を神馬へと遷(うつ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へと渡御した。御旅所では、「杉ノ仮宮」に御神霊が遷されると、神子が「鈴剣の舞」を舞って御神霊を鎮めた。

 その後、熊野権現が新宮鎮座に向かう途中に大島地区の権現島で休憩を取ったという伝承に基づき、串本町大島地区の代表と水門(みなと)神社総代により献上された権現島周辺で捕れたタイとススキの穂、「オミタマ」という特別な神饌(しんせん)などが供えられ、赤々と燃え盛るたいまつの明かりを受けて、上野宮司が神恩感謝、皇室、国家の安泰と世界平和への祈りをささげた。

 今年の神子は、神倉小学校4年の石原凜さんと前川真由さんの2人が務めた。

(2020年10月17日付紙面より)

御神霊を乗せ御旅所へと向かう神馬=15日、新宮市の熊野速玉大社
御旅所で祝詞を奏上する上野顯宮司
2020年10月17日
33 勝小敷地内の高台造成
 近隣住民に説明会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は14日夜、同町勝浦のコミュニティ消防センターで町立勝浦小学校敷地内の高台造成に関する説明会を開いた。勝浦4区の住民を対象に工事概要の詳細などを説明した。工事は同校正門側の門柱から校舎やグラウンドへ続く坂道(通称・登校坂)までの区間に約8300立方㍍の土を入れ、2㍍かさ上げするもので、工期は来年の夏休み期間中の約40日を予定。なお、予算は現段階で6500万~7000万円ほどを見込んでおり、12月定例会に上程される。

  □     □

■高台造成工事の概要



 説明会には同町総務課防災対策室の寺本斉弘室長や建設課の井道則也副課長ら3人が出席した。

 建設課によると、同町の那智漁港内の町有地に保管している2011年9月に発生した紀伊半島大水害時に出た土と駿田山に建設中の消防・防災センターの工事でできる残土をかさ上げに使用するという。同センター分の残土は同町勝浦の元・栽培漁業センター跡地に一時的に保管される。

 造成後は避難した住民などが有効に使用できる4000平方㍍の平地となる。その後、アスファルト舗装が施されるが、舗装区間は門柱から登校坂までの延長約130㍍、幅約6㍍となり、工期などは現在未定とした。

 また、工事を実施する上で、現存の両側溝は使用できなくなるため新たに側溝を新設する。敷地内のプールは工事後、造成された道ののり面付近に位置しているため、雨水流入の可能性もあることから側溝などの設置も検討しているという。

 寺本室長は「かさ上げすることで発生が懸念される南海トラフ巨大地震による津波から避難する際に3分ほどの時間が短縮される」と話した。

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■残土搬入のための工事



 残土搬入時には正門側周辺の道路の幅員が狭いなどの理由から校舎のある大勝浦側からの搬入になると説明。大型車両がグラウンドへ円滑に通行できるように盛土と舗装を行い、搬入経路を確保するとした。

 高台造成前のこの準備工事は来年1月から3月までを予定。この工事により、有事の際は自衛隊などの大型車両の乗り入れも可能になると解説した。

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■町民からは



 町民からは「敷地内の滑り台はどうなるのか」「夜間は薄暗いので街灯を設置しては」「現在でも溝に土がたまることがある。盛土をするともっとたまる土が増えるのでは」「工事する敷地内は通園くじらに子どもを迎えに来る親御さんもいるが工事期間中は車は止められないのか」などと質問が上がった。

 町職員は「滑り台は近隣の公園に移設する」「街灯は設置する予定」「工事期間中には溝掃除もさせていただく」「期間中は駐車できない」と回答。

 井道副課長は、今後も関連する地区で同様の説明会を開くとし「隣接する通園くじらさんのお昼寝時間の間は作業員の休憩時間に充てさせていただく。皆さまのご協力や理解がないと工事を進めることはできない。お気付きの点があればなんでも言ってください」と締めくくった。

(2020年10月17日付紙面より)

説明会の様子=14日、那智勝浦町のコミュニティ消防センター
造成工事が行われる予定の町立勝浦小学校敷地内
2020年10月17日
34 町職員対象に見方を解説
 体成分分析の結果説明会  (串本町 )

 串本町地域保健福祉センターで14日、町職員を対象にした体成分分析装置による計測結果の説明会があり、保健師など専門職と計測済みの一般職計14人が健康指導のプロから結果の受け止め方を教わるなどした。

 この装置は国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、地域での運動機会が減少する中での自身の健康状態を把握し、家庭での運動機会を増やす足掛かりとして導入。以降、本運用を始めるまでの試行として町職員に自身の健康状態把握を兼ねて計測の協力を呼び掛け、同日現在で約40人が計測結果を得た状況にある。

 この説明会は、同装置を主に運用する専門職が結果に基づく健康指導をするに当たっての要領を得る研修として計画。この機に一般職にも結果を振り返りセルフメディケーションの意識をいっそう高めてもらおうと考え、それぞれに参加を呼び掛けたという。

 この日は地域包括支援センターが展開する介護予防教室「ころころ教室」の講師を務める理学療法士・原井祐弥さんに模範指導を依頼。原井さんは結果表に示されたさまざまな項目を注目すべき順で一通り取り上げ、プロの目で見た数値の捉え方と数値相応に必要となる指導例を解説した。

 一般職に参加を呼び掛けた理由の第一義はセルフメディケーション意識の向上だが、他方では計測経験をしっかりと託して同装置の実感を高め、町職員として日々接している町民に推奨してくれたり計測を手伝ってくれたりする仲間を一般職の中に増やして町民により広く計測の裾野を広げられたら、という思いもあるそう。

 勤務時間中の実施で結果を得ている一般職全員が参加とはならなかったが、専門職が指導の要領を習得しているので未参加の一般職については今後、専門職が指導の練習を兼ねて説明対応をしていくという。

(2020年10月17日付紙面より)

プロの目で体成分分析の捉え方を解説する原井祐弥さん=14日、串本町地域保健福祉センター
2020年10月17日
35 平安時代の参詣を追体験
 熊野川小・中が川舟下り  (新宮市 )

 新宮市立熊野川小学校(山本佳人校長)の5、6年生8人と熊野川中学校(吉田元紀校長)の3年生6人は15日、川の参詣道として世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されている「熊野川」の川舟下りを体験し、初めて見る川からの風景を楽しんだ。

 本年度初の取り組みで、児童・生徒に地域の良さ、熊野川の素晴らしさを学んでもらうことが目的。多くの船頭が所属する地域住民組織「チームくまのがわ」や熊野川行政局など地域全体が学習を支援している。

 川の参詣道は皇族や貴族たちが熊野本宮大社へ参拝した後、熊野速玉大社へ向かうために利用した道。川舟事業は2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録されたことをきっかけに、翌年9月から開始された。

 道の駅「瀞峡街道熊野川」近くの河原から出発した児童・生徒は、巨岩・奇岩や滝、御船島など見て、平安時代の参詣を追体験。語り部の案内を聞きながら熊野川河口の権現河原までの16㌔を旅した。

 峯園なのかさん(中3)は「貴重な体験ができた。滝や岩の名前など、知らないことがたくさんあった」。中本陽晴君(小5)は「岩や木から生命力を感じた。家族にも今日の川舟下りのことを紹介したい」と話していた。

(2020年10月17日付紙面より)

道の駅「瀞峡街道熊野川」近くの河原から出発=15日、新宮市熊野川町
2020年10月17日
36 1位に宇井ますみさんの「夕陽に魅せられて」  熊野ネイチャーフォトクラブ10月例会  
2020年10月17日
37 接種費用の一部を助成  インフルエンザワクチン  (新宮市 )
2020年10月17日
38 台風一過の晴天の下  新宮市・那智勝浦町で運動会  
2020年10月17日
39 マルバアメリカアサガオ  美しい花を咲かせる  (新宮市 )
2020年10月17日
40 クルーズ船、1年ぶりに入港予定  11月に飛鳥Ⅱ、12月ににっぽん丸  (新宮港 )
2020年10月17日
41 町内への宿泊者に商品券  四つの宿泊施設が対象  (紀宝町 )
2020年10月17日
42 ロボットに動きを指令  2年生のプログラミング授業  (井田小 )
2020年10月17日
43 特殊詐欺被害をなくそう  御浜町内のコンビニで防止訓練  (紀宝警察署 )
2020年10月17日
44 晩秋誘うように花咲き進む  キイジョウロウホトトギス  (古座川町 )
2020年10月17日
45 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第22回】嫌いなものを食卓に  

 皆さんは、子どもが嫌いなものを食卓に出しますか? 私が、周りのお母さんからよく耳にするのは、「主人も子どもも食べないから〇〇は買わない」というお話です。確かに、自分しか食べない食材を料理するのは合理的ではないですし、無駄な出費にも思えますよね。ただ、私はあえて1品だけでも、子どもが嫌いなものを出していただきたいと思っています。無理に食べさせるということか!?と思われそうですが、決してそうではありません。食べられないならそれでもいいんです。ただ、おいしそうにその1品を食べる姿を、お子さんに見せてあげてほしいんです。

 私は幼い頃、セロリが嫌いでした。でも、私以外の家族は目の前でポリポリと、セロリスティックに塩をつけて、「おいしい」と食べていたんです。子どもの頃は「信じられない」と思いながら見ていましたが、ある程度の年齢になると、「ほんとだ!こんなにおいしかったんだ!」と気付いたのです。それからはセロリが大好きになりました。嫌いな食べ物も触れる機会が多いものや、身近なものは克服しやすいといわれています。だから、嫌いなものをあえて、食卓に出して、「味見だけしてみたら?」とか「一口だけ食べてみたら?」「すごくおいしいよ」と声を掛けてみてください。それでも食べなければ「おいしい!」と言いながら食べる様子を見せてあげてください。「おいしそうに食べていたな~」という記憶が、「もしかしたら、おいしいかもしれない」「私にも食べられるかもしれない」という気持ちにつながるかもしれません。

 味覚の研究論文にこんな記述があります。「口腔(こうくう)や咽頭で味を感じる味蕾(みらい)の数の増加のピークは学童期までで、その後は減少するといわれている。したがって幼児期から学童期にかけて、多くの種類の食材や料理を味わう経験を積み重ねることで味覚は発達する。また、好き嫌いは食経験による慣れ親しみが影響するため、幼児期や学童期に、日々の食卓で親兄弟や祖父母と一緒に食事をすることで、新奇な食物への警戒心が和らぎ、子供たちはいろいろな食材を口にするようになると報告されている」(大阪府立大学「だしの嗜好と子供の頃および現在の食習慣との関係」、2010年)。つまり、子どもが嫌うような食材を食卓に出すことは、好き嫌いの克服につながる可能性があるということですよね。味は嫌いでも、親しみのある食材にすることで、成長してから食べるハードルが下がるというわけです。

 「嫌いだ」と言ってから一度も食卓に上がらず、食べる機会がなかった食材より、食卓に上がっていた食材の方が、もう一度試してみようと思えるのは、なんとなく想像がつきますよね。そして、私も食卓にあった「なます」や「白あえ」など、子どもの時はほとんど手をつけなかった小鉢を、今はせっせと作っています。嫌がっている娘もきっと、作るようになってくれると信じています。

(2020年10月17日付紙面より)