那智にまつわる日本画奉納 (那智勝浦町 )
東京都目黒区の故・八木征二さん・公子さん夫妻が所蔵していた日本画「那智」が27日、熊野那智大社(男成洋三宮司)に奉納された。二人の代理人として公子さんの姉・佐野幸子さん(80)=東京都新宿区在住=が同大社を訪れ、男成宮司に絵を渡した。
絵は和歌山県出身の日本画家で日本芸術院会員の清水達三氏の作品。清水氏は日本美術院展内内閣総理大臣賞などを受賞している。サイズは縦130㌢、横60㌢で滝が流れる様子が描かれており、夫妻が20年前に新居用に購入し、大切に飾られていたものだという。
2人の他界後、佐野さんが絵を引き取り、夫妻が好きで何度も訪れていた同大社に奉納することを決めたという。
佐野さんは「那智にご縁があったため、大社さんにお話ししたところ快くお引き受けいただいた。思いが深かった絵を奉納でき感謝しています。二人の魂も喜んでくれていると思う」と語った。
奉納を受け、男成宮司は「作者の清水さんも和歌山の画家であり、信仰を持たれていた妹さん夫妻の大切な絵が来るべくしてご奉納されたよう。拝殿の工事も終わったタイミングでお話をいただいた。素晴らしい絵。どこに展示するか考えていきたい」と語った。
なお、この日は佐野さんの夫・金吾さんと娘の阿部容子さん、容子さんの夫の利道さんも共に大社を訪れた。
(2020年8月29日付紙面より)
広域市町村圏事務組合議会が定例会 (新宮公設市場 )
新宮広域圏公設地方卸売市場の管理運営を行っている、新宮周辺広域市町村圏事務組合議会(議長・堀順一郎那智勝浦町長)は27日、同市場で定例会を開いた。事務局から諸報告があったほか、卸売市場法の改正に伴う新宮広域圏公設地方卸売市場条例の改正や令和元年度一般会計および特別会計歳入歳出決算など3議案を承認した。
開会に当たり、管理者の田岡実千年新宮市長があいさつ。新型コロナウイルス感染症による経済的な影響は今後も出口が見えず厳しい状況が続くと予測し「このような状況の中、売り上げを確保するために青果部門では積極的に営業活動を行い、水産においては量販店やスーパーへの情報提供、店舗での販売協力など、取引拡大につなげる営業努力をしている」。
「今後も皆さんの協力のもと、売り上げ拡大に向け取り組む所存。厳しい状況ではあるがより一層のお力添えを」と協力を呼び掛けた。
事務局は、本年度(4~7月)における青果・水産物の取り扱い状況について報告。青果の取扱量は596㌧で前年比49㌧の減、取扱額は2億3931万1000円で同1371万2000円の増。水産物の取扱量は56㌧で前年比11㌧の減。取扱額は1億1567万3000円で1595万8000円の減だった。
青果・水産物共通して4、5月はコロナの影響で巣ごもり消費などにより量販店やスーパーは需要は増えたものの、飲食店や学校に納品している小売店との取り引きが縮小し取扱高が減少。青果に関しては緊急宣言解除後、前年比で売り上げ増となったが、日照不足など不安定な天候による生育不良から品薄・単価高で推移したことも売上増の一因となっていると推測した。
水産物については、昨年売り上げ増につなげた量販店への出張販売などもコロナ感染防止のため自粛されており、量販店が対応できない状況にあるとした。
本年度からは新宮水産製造のマグロ、カジキ、ブリの西京漬けにじゃばらの果汁を加えた「じゃばら味噌(みそ)漬け」を製品化。現在「株式会社じゃばらいず北山」を通じて販売しているほか、ふるさと納税の返礼品として取り扱っており、好評を得ていると報告。
「関係業者が利用しやすい環境づくり、安心・安全な流通を大事に取り組みつつ、市場外での販売など取引方法を変えて売り上げと利益増を図るため努力している。市場を通じて地域の生鮮食料品の安定供給に寄与することが大前提であり、その流通を担う卸売り業者の健全な運営に対して管理事務所としても指導や支援を続けている」と理解を求めた。
令和元年度の新宮周辺広域市町村圏事務組合一般会計歳入歳出決算は歳入539万3323円、歳出は480万2638円。新宮広域圏公設地方卸売市場事業特別会計歳入歳出決算は歳入6925万5703円、歳出は6094万363円だった。また、任期満了に伴う監査委員の選任では鈴木義利さんを再任した。
(2020年8月29日付紙面より)
紀和特産の梅干し作りが最盛期 (熊野市 )
熊野市紀和町の市ふるさと振興公社加工所で、特産の梅干し作りが最盛期を迎えている。
同公社の梅干しは、この地方に伝わる塩加減や工程を守って製造される。作業は7月28日から始まった。暑さを避けて、午前7時半から取り組んでいる。塩とホワイトリカーで2カ月ほど漬け込んだ青梅を天日干しし、途中で裏返しを繰り返しながら3~4日かけて干す。8月27日にはパート従業員ら12人が、ビニールハウス内で作業に追われていた。その後、さらに赤シソと一緒に2~3カ月漬け込む。天日干しすることで色づきが良くなり、果肉も柔らかくなるそうだ。
この作業は天候にもよるが、9月末か10月上旬まで続き、11月には近隣の市町に出荷されるという。公社によると、例年なら青梅約20㌧を市内や御浜、紀宝両町の農家から仕入れているが、今年は大幅に少ない13㌧。梅の花の受粉が芳しくなかったことや、生産者の高齢化が進み、生産量も減少しているそうだ。
担当の仲岡弘さん(41)は「今年は収穫量が少ないものの、大きくて実が詰まっている。昔ながらのふるさとの味を楽しみにしてください」と話した。
(2020年8月29日付紙面より)
6年生対象のカヌー体験 (古座川町 )
古座川町内の小学6年生を対象にしたカヌー体験が27日に古座川流域であり、16人がカヌーツーリングや川水泳に親しむなどした。
この体験は、町立の3小学校が合同で取り組んでいる夏恒例のふるさと経験を兼ねた交流行事。前年度までは町内で提供されていたダッキーを利用して実施していたが、その事業が町外へ移転したため本年度は南紀串本観光協会古座のレンタルカヌーを利用する形で計画した。
町内の小学6年生は3校計18人で、今回は欠席と見学を除く16人が実体験した。古座川と小川が合流する河原で講師の小西篤さんからパドルの使い方や安全対策などを教わった児童は、極力学校が入り交じる組み合わせで2人艇に乗り込み、操船を練習してツーリングへ出発した。
ゴール地点は月野瀬にある千鳥建設前。好天続きで水量が少なく、カヌーを引っ張りながら浅瀬を歩く場面もあったがほぼ時間通りに到着した。途中の高瀬橋そばやゴール地点の河原では小休憩を兼ねた5~10分の水浴び時間もあり、歓喜の声を響かせながら川水泳を楽しんだ。
カヌーツーリングをするのは初めてという三尾川(みとがわ)小の上地友樹君は「パドルの使い方は簡単で、高池の子との息も合いスピードも出せて楽しかった。川面から見た景色はとてもきれいで、進むごとに迫力を感じた」と同体験の様子や印象を語った。
(2020年8月29日付紙面より)