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2024年03月31日
1 地域医療っておもしろい
 診療所医師が奮闘  (北山村、7月に「お祭り」開催へ )

 北山村にある唯一の医療機関「国保北山村診療所」の医師、内川宗大(むねひろ)さん(36)が「医療が溶け込んだお祭り」のようなイベントを企画し、7月の開催に向けて動いている。「地域医療っておもしろい」。それを体現しようと飛び地の村で奮闘している。

 和歌山市出身の内川さんは自治医科大学を卒業し、医師として8年目となる2020年4月に村診療所に赴任した。医師不足解消のため設立された自治医大では、卒業後の一定期間を地域医療に従事させる仕組みがある。最後の2年間を村で勤務し、日赤和歌山医療センターに移ったが、「誰かがどこかで親身になっていれば重症化は防げるんじゃないか。もう一度、北山村で地域医療を実践したい」と感じ、23年4月に村へ戻った。

 「その地域を好きになること」。地域医療に向き合う自分なりの姿勢もできた。「人材不足を根底とする問題が深刻化している。医師として育ててくれた地域に何か残し、貢献したい。『地域医療×おもしろい』を体現し、地域を支える医療福祉人材の確保につなげたい」と見据える。

 イベント名は「わっしょ医‼北山村」で、7月6日(土)におくとろ公園で開催予定。「わくわくするお祭りに医療が溶け込んで、気付かない間にみんなの懐に入り込めたら」と思いを込めた。

 インスタグラムには診療所アカウントとは別に専用のアカウントを開設。「分からないなりに一生懸命やってる」と悪戦苦闘しつつ、飾らない文面で発信している。

 開催資金の足しにしようと投資家に出資を依頼するユーチューブの「令和の虎」にも出演。「虎」と呼ばれる投資家たちの厳しい意見を浴びながらも真っすぐな思いをぶつけ、希望の金額を得た。

 飲食店の出店やステージイベントなどの盛り上がり要素を充実させつつ、医療体験ブースは縁のある医療介護福祉従事者に協力を求めながら準備を進めている。実行委員会が主催し、村、株式会社じゃばらいず北山が共催する。

 内川さんは「医療に関心がある、ないにかかわらず、まずはイベントを楽しみに来てほしい。これを入り口として村や地域医療に関心を持ってもらえれば、つないでいく仕組みも考えている」と話していた。

(2024年3月31日付紙面より)

「わっしょ医‼北山村」を企画した医師の内川宗大さん
インスタグラムに開設したイベント専用アカウント
2024年03月31日
2 施設の名称を変更
 こども家庭センターに  (新宮市 )

 児童福祉法の一部改正により、市町村は児童福祉と母子保健の連携を図り、妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う「こども家庭センター」の設置に努めることが、2024度からの努力義務となった。新宮市はこれを受け、市保健センターの名称を4月1日(月)から「新宮市こども家庭センター」に名称変更し、より充実した支援体制の構築を目指す。

 保健センターは子育て世代包括支援センターが母子保健の、子ども家庭総合支援拠点が児童福祉の相談窓口となっていた。新たなこども家庭センターでは、子どもや子育て世帯の課題に一体的に対応する総合窓口となる。「どなたでもお気軽にご相談ください」と呼びかけている。

 開設時間は、祝日や年末年始を除く月曜日から金曜日の、午前8時30分から午後5時15分。問い合わせは、子ども家庭センター内の子育て推進課(電話0735・23・3344)。

 なお、センター内には四つの係がある。▽妊娠、出産、乳幼児期の健康や発達に関することは「母子保健係」(電話0735・23・4511)▽未就園の子どもたちと保護者のための居場所の提供は「子育てひろば『つぼみ』」(電話0735・29・7246)▽子育ての問題に関することは「子育て支援係〈家庭児童相談室〉」(電話0735・23・3740)▽各種手当・助成や保育所に関することは「子ども未来係」(電話0735・23・3344)―まで。

(2024年3月31日付紙面より)

4月1日から「こども家庭センター」に名称が変更となる=29日、新宮市保健センター
2024年03月31日
3 緩和ケアって何だろう
 看護師の東一代さん講演  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町福祉健康センターで28日、4年ぶりの町主催の健康講演会「緩和ケアって何?~がん患者の痛みや不安に寄り添うケア~」があった。町立温泉病院・訪問看護ステーションちょうりつの緩和ケア認定看護師・東一代さんが講話し、約30人が、がん患者の苦痛を和らげるケアの世界に触れた。

 東さんは緩和ケアについて「がんなどの重い病を抱える患者やその家族一人一人の、身体や心のさまざまなつらさを和らげ、より豊かな人生を送ることができるよう支えるケア」と紹介。

 中世ヨーロッパで旅の巡礼者らの安息場所(ホスピス)から始まり、近代以後はハンセン病や結核、がん、エイズなど治療困難な末期患者を対象とするようになったと歴史を紹介。現代では医療の進歩でさまざまな病が治療できるようになった一方、「治療が長期化し、死が迫った時期だけでなく、治療中もよりよい生活を送れるよう支援することが必要になった」と述べた。

 近代ホスピス運動の母と呼ばれるシシリー・ソンダースが提唱した「全人的苦痛」の概念に言及。がん患者は▽身体的苦痛(がんや治療によって感じる痛み)▽精神的苦痛(恐怖や怒りの感情)▽社会的苦痛(社会との隔たりから感じるつらさ)▽スピリチュアルペイン(痛みを運命として捉えてしまうつらさ)―が複合したつらさに直面しているとし「薬で痛みを取ることで、不安も減り、社会復帰もできるなど、良くも悪くもそれぞれの苦痛が影響し合っている」と述べた。

 医師や家族と共に釣り好きの患者の外出を支援したエピソードから「病気ではなく『つらさ』『困っていること』に焦点を当て、その人らしさを支えることが緩和ケアの本質。現代では慢性心不全や神経難病、認知症にも広がっている」と語った。

 役場福祉課から、那智勝浦町のがん検診の現状についての講話もあった。町内では2017~21年の全死亡者1337人中356人ががんで亡くなっている。町が実施する検診のうち、乳がん・子宮頸(けい)がんで受診率が低く、肺がん・大腸がんは要精密検査となった後の未受診率が高いとし「75歳以下の方には5月下旬に受診券を送付するので、必ず受診を」と呼びかけた。

(2024年3月31日付紙面より)

耳を傾ける町民ら=28日、那智勝浦町福祉健康センター
東一代さん
2024年03月31日
4 ボトルドウオーター完成
 20周年記念コースターも  (那智勝浦町 )

 豊かな水資源を全国に広報しようと那智勝浦町が製造を進めていたオリジナルラベルの「那智勝浦町ボトルドウオーター『熊野の水』」が完成し、29日に役場町長室でお披露目があった。

 水や水源地、水源涵養(かんよう)林の保全啓発を目的に、那智原始林の水で約4万本を製造。ペットボトルよりもリサイクル率の高いアルミ缶を採用し、賞味期限5年の長期保存水で災害備蓄の側面もある。ラベルは「あらたまデザイン」が手がけた。

 「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年のノベルティーとして熊野材を用いたヒノキのコースター1000個も製作。熊野三山、三筋の滝(那智の滝の別称で、三筋に分かれて流れ落ちることから)、那智原始林にある「二の滝」「三の滝」などから着想を得て、3本の木を革ひもで結ったデザインにした。

 堀順一郎町長は「世界遺産を構成する町内の熊野那智大社、飛瀧神社、那智山青岸渡寺、補陀洛山寺を巡っていただくツアーなどを那智勝浦観光機構と企画しており、その記念品としたい。将来的には土産物としての販売も検討したい」と話していた。

(2024年3月31日付紙面より)

オリジナルラベルの「熊野の水」=29日、那智勝浦町役場
2024年03月31日
5 時松さん、県制し全国へ  三重県空手道選手権大会  (日本空手紀南支部 )
2024年03月31日
6 本年度、5億円近い赤字見込み  紀南病院組合議会3月定例会  
2024年03月31日
7 本年度最後の集い、楽しむ  「いっぷく亭」で21人  (紀宝町 )
2024年03月31日
8 来年度に向けて意見共有  民児協3部会が活動振り返る  (紀宝町 )
2024年03月31日
9 紙おむつなど計3回支給  子育て支援で新たに  (紀宝町 )
2024年03月31日
10 認知症でも「心」は伝わる  サポーター講座に16人  (那智勝浦町 )
2024年03月31日
11 優良な従業員を表彰  新宮市と商工会議所  
2024年03月31日
12 小さなヒメウズの花  宇久井ビジターセンター  (那智勝浦町 )
2024年03月24日
13 高齢者にタクシー券
 移動支援や免許返納促進  (新宮市 )

 新宮市が自動車の運転免許を持っていない75歳以上の高齢者などにタクシー券を配布することが、市議会での予算の成立により決まった。金額は1人当たり1万2000円分。4月から対象者に申請書の送付を行う予定という。

 移動手段のない高齢者などへの支援や、運転免許返納の促進を目的とした取り組み。新宮市は高齢化率が2月末の時点で38・87%に達した「超高齢化社会」となっており、安全面を考えればなるべく高齢者に運転免許を返納してもらうのが望ましい。

 しかし都市部と比べ、列車やバスなどの公共交通網が未発達なため、高齢者も自動車がなければ生活が困難で、運転免許を返納しづらい実情がある。旧市外はなおさらで、山間部は買い物や通院も自動車なしでは不便極まる。これらの解決の一助になればと市は事業実施を決めた。

 対象は具体的には、新宮市内に在住(施設入所者を除く)する75歳以上で、最初から運転免許を持っていない人。または全年齢で、すでに運転免許証を返納したことを示す書類がある人となる。さまざまな事情で運転免許を返納した若年者にも考慮し、年齢に下限は設けず書類があれば対象と認めるという。

 ただ市は、市内在住の75歳以上は把握しているものの、返納済みも含めた運転免許の有無は把握していない。このため、申請書は75歳以上の市内在住者全員に送る予定という。6000人から7000人ほどいるため時間がかかるが、担当課は「6月までには送りたい」と考えている。75歳未満の免許返納者に関しては、基本的に窓口での申請となる。

 タクシー券は来年3月末まで使える。市内で営業する全てのタクシー会社で利用できる。500円もぎりの24枚券となる。

(2024年3月24日付紙面より)

停車して客を待つタクシー=22日、JR新宮駅
2024年03月24日
14 リハビリ視点の被災地支援
 三上幸夫教授が講演  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立温泉病院で19日、広島大学病院リハビリテーション科の三上幸夫教授による講演会「令和6年能登半島地震における災害リハビリテーション医療~広島JRATの活動と今後の課題~」があった。新宮・東牟婁の市町村と県から保健師ら約40人が出席し、被災地支援におけるリハビリ視点の重要性を学んだ。

 温泉病院と、院内に設置されている和歌山県立医科大学のリハビリテーション・スポーツ・温泉医学研究所が主催。日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)は、リハビリの観点から避難所の環境アセスメントや、生活不活発病、災害関連死の予防を行うチーム。三上教授はその一員として、1月に能登半島地震の被災地で活動した。

 三上教授はJRATの結成経緯について「阪神・淡路大震災後には拠点病院や広域搬送ネットワークの整備が進められたが、2011年の東日本大震災では、長引く避難所生活で精神的に病んだり、身体機能が衰えてしまったりする方が多く出た。体や心のケア、保健医療の重要性が見直されて発足した」と説明。「救命救急を担う災害派遣医療チーム(DMAT)とは逆に、JRATは被災者が地域社会に戻っていくのを支援する『出口戦略』を担う」と述べた。

 能登半島地震の被災地について「医師や理学療法士、作業療法士などのチームで現地入りした。目立つけががなくても、身体の活動面に着目すると『避難中に膝を打って立てない』『片付けで腰が痛くて動けない』と圧迫骨折や腱板(けんばん)断裂が疑われる方、コルセットやつえが必要な方が多くいた」と言及した。

 石川県輪島市門前町で実施した▽起き上がれるか▽立ち上がれるか▽片足立ちできるか―を基準としたリハビリ視点のトリアージ手法も紹介した。

 課題面として、JRATの存在や意義が十分認知されていなかったことや、被災地における福祉用具・義肢装具の入手の困難を挙げ「逃げることも大切だが、逃げきった方々にいかに地域社会に戻っていただくのか、災害関連死をどう防ぐのか。今後のため、和歌山県のJRATのことも知っておいてほしい」と呼びかけた。

 堀順一郎町長は「保健師だけでなく、多くの方に理解いただく必要がある話。その第一歩」と話していた。

(2024年3月24日付紙面より)

保健師らが耳を傾ける=19日、那智勝浦町立温泉病院
三上幸夫教授が講話
2024年03月24日
15 本格的な能を奉納
 観世流 武田友志さん  (熊野速玉大社 )

 観世流能楽師の武田友志さんの歌と舞の奉納が20日、熊野速玉大社(上野顯宮司)であった。約20人が見守る中、古来より伝わる歌と舞を披露した。

 武田さんは、重要無形文化財総合指定保持者で、26世宗家観世清和、父武田志房に師事。3歳で鞍馬天狗(てんぐ)「花見」で初舞台、海外公演にも多数参加し、小中学校生や外国人、初心者のためのワークショップなど、能の普及活動にも努めている。同大社では7年ほど前に能を奉納したことがあるという。

 今回は前日に熊野那智大社で奉納したほか、那智勝浦町下和田の大泰寺で能の体験教室を開いていた。熊野速玉大社ではまず、拝殿で参拝。上野宮司はあいさつで、「新宮」の由来や熊野三神の来臨、熊野速玉大社の創始などを説明し「神様の大きな力を頂きよみがえる、熊野信仰に思いをはせながら奉納をいただければ」と話した。

 奉納は同大社の双鶴殿で行われた。武田さんは能の歴史や能楽の構成、能面などを解説。「能面をゆっくりと下や上に向けて表情をつける。世界で顔で演技をしない芸能はなかなかない」などと話した。

 この後、能の「高砂」と「羽衣」の歌や舞を披露。武田さんは低い声を響かせ、また扇を手にゆっくりと力強く舞った。参加者は静かに観覧し、盛んな拍手で称賛していた。

 市内から訪れた50代女性は「能は神社で奉納しているのを見たことがあったが、ちゃんとゆっくりと見たのは初めて。近くで見られて良い経験をさせてもらった。興味深い話もされていて、今後も見てみたいと思った」と話した。

(2024年3月24日付紙面より)

本格的な能の歌や舞を観覧した=20日、熊野速玉大社の双鶴殿
能面について説明する武田友志さん
2024年03月24日
16 「地震 津波 すぐ逃げろ」
 鵜殿3組自主防災会が設置  (紀宝町 )

 南海トラフ巨大地震に備えて、紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎会長)は22日、地区内に地震・津波発生時の迅速な避難を呼びかける看板を設置した。

 330世帯が所属する鵜殿3組自主防はこれまで、津波一時避難場所近くの高台に防災備蓄倉庫を建設、避難訓練の開催やチラシ配布などで、防災に努めてきた。

 今回、多くの区民の目に付くよう、住宅地と道路沿いに看板を設置。「地震 津波 すぐ逃げろ」などとともに、家族が避難するイラストを添えた。

 「1秒でも早く海抜20㍍を目指して避難してください」「家の耐震補強や家具の転倒防止を」「約1週間分の水・食料を自分で準備して」「避難場所や避難路を何度も確認して」などと記し、地震・津波への備えも呼びかけている。

 看板は縦90㌢、横130㌢。鵜殿地区で新宮紀宝道路紀宝南ランプ他改良工事を請け負うユウテック株式会社(有城和哉代表取締役)が地域貢献の一環で協力し、4枚作成した。現在、2カ所に設置しており残り2枚も今後、取り付けるという。

 ユウテックは防災備蓄倉庫の周辺整備にも協力しており、森倉会長(73)は「大変ありがたい」と感謝し「看板が地震・津波に対する防災意識向上につながれば」と期待を寄せていた。

(2024年3月24日付紙面より)

南海トラフ地震に備えた看板を設置=22日、紀宝町鵜殿
2024年03月24日
17 教職員の異動発表㊤  和歌山県教育委員会  
2024年03月24日
18 雪まつりの義援金託す  南紀くろしお商工会  (那智勝浦町 )
2024年03月24日
19 捕鯨文化ゆかりの地巡る  日本遺産ウォークに23人  (太地町 )
2024年03月24日
20 一般会計当初予算など可決  第1回定例会が閉会  (那智勝浦町議会 )
2024年03月24日
21 13人が学び深める  教養講座「パステルアート教室」  (新宮市 )
2024年03月24日
22 「優しい心」忘れずに  マリア保で卒園礼拝  (新宮市 )
2024年03月24日
23 防火や防災を学び卒団  王子ヶ浜少年消防クラブ  (新宮市 )
2024年03月24日
24 地域脱炭素移行に向け  那智勝浦町の人事異動  
2024年03月24日
25 過去10年で最大規模  和歌山県の人事異動  
2024年03月24日
26 紀和路のクマノザクラが見頃に  熊野市  
2024年03月24日
27 思い出抱え巣立つ  うどの幼稚園で卒園式  (紀宝町 )
2024年03月24日
28 楽しい時間を共に  鵜殿保育所でお別れ会  (紀宝町 )
2024年03月24日
29 熊野青藍高校に正式決定  県議会での議決を報告  (紀南地域高校協 )
2024年03月24日
30 思い出の園舎を後に  わかば保育園で卒園式  (那智勝浦町 )
2024年03月24日
31 人生観や価値観を築いて  近大新宮で中学校修了式  
2024年03月24日
32 お悔やみ情報
  
2024年03月17日
33 熊野信仰との関連性
 山﨑泰氏が徐福講演会  (文献からの考察語る )

 一般財団法人新宮徐福協会理事で元新宮市立図書館司書の山﨑泰氏による「徐福伝承と熊野信仰」の講演が15日、新宮市役所別館であった。同協会の主催による、5年ぶりの徐福講演会となる。約40人が参加。さまざまな文献資料から推測される、徐福と熊野の関連性についての考察を聞いた。

 山﨑氏は、ある資料に「熊野の付近に秦の人が住んでいるといわれる土地がある」「徐福が住んでいた旧地」「7、8里離れたところに徐福のほこらがある」などを示す記述があることを紹介。「熊野市波田須町から新宮まで30㌔ほどで、7、8里と符合する。波田須町には徐福上陸の伝承が残り徐福神社もあり、昭和30年代に秦の貨幣である大型半両銭も見つかっている。物的証拠と注目されている」と話した。

 同じ資料に「古墳が入り交じってある」「家臣の塚である」などの記述もあること。新宮では徐福の七塚があると昔からいわれていることに言及。別資料にある記述からの推察も含め「古墳は徐福の家臣を祭った七塚のことを指すと分かる。現在は一つだけ塚町(新宮市熊野地)に残っている。地名の由来も七塚からきている」と語った。

 熊野信仰が盛んだった秋田県の男鹿半島には「徐福の塚」があることを説明。青森県の津軽半島のある神社では、ご神体が徐福の肖像といわれていることも明かした。「徐福伝説は修験者が持ち込んだのではといわれている」「東北では、熊野信仰と徐福はくっつけて語られることが多い」などと述べた。

 このほか、徐福伝説と道教と陰陽道(おんみょうどう)と熊野信仰の関係性も解説。「(新宮)市内に北斗七星のように並んだ七塚があり、徐福の家臣の塚という伝承があったのは、陰陽道と徐福の近親性を考えれば不思議ではない」との見解を示した。熊野速玉大社に北斗七星と月を表現した銅鏡が残ることにも触れ「熊野信仰に陰陽道が組み込まれているからだろう」と伝えた。

(2024年3月17日付紙面より)

徐福伝承と熊野信仰についての考察を聞いた=15日、新宮市役所別館
講話する山﨑泰氏
2024年03月17日
34 優秀賞2人を表彰
 新宮ユネスコ協会の感想文  (近大新宮 )

 新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)の西田晴胤副会長が11日、近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)を訪れ、ユネスコ協会の活動などを学んだ感想文の優秀賞2人に表彰状を贈った。

 新宮市について学習する郷土学習の一環として、世界遺産の保全などを目的に活動している同協会が、中学1年生を対象にユネスコ協会の活動や世界遺産などについて講演した。

 講演を聞いた33人が感想文を書き、赤木幸仁さんと山口晴哉さんが優秀賞に選ばれた。

 西田副会長は「読ませていただき、全般によくまとまっている印象でした。皆さんが私たちの話をきちんと聞いてくださったのが分かり、大変うれしく感じています。要点をよく捉え、感じたところをそれぞれ述べ、自らが今後どのように取り組んでいくのかを表明していることなど、作文の構成もよくできています。皆さんが日頃の授業に接する姿勢もうかがえる内容でした」と講評した。

(2024年3月17日付紙面より)

新宮ユネスコ協会から優秀賞の表彰を受ける=11日、近畿大学附属新宮中学校
2024年03月17日
35 笑顔で元気に過ごして
 能登半島地震被災地に義援金  (三輪崎小 )

 新宮市立三輪崎小学校(竹本明央校長)で15日、能登半島地震義援金の贈呈式があった。令和5年度後期と6年度前期児童会役員12人が、来校した市社会福祉協議会の濵前泰弘会長に全校児童らから集めた義援金4万2078円を託した。

 地震発生や災害の惨状をテレビなどで目の当たりにして心を痛め、何かできることはないかと後期児童会が中心となって企画し、前期役員もサポート。保護者向けに取り組みの趣旨を書いた手紙を配布した後、7日から土、日を除く13日までの5日間、登校時に児童玄関で寄付を募った。

 集まった義援金は、石川県共同募金を通じて被災地に送られる。

 後期会長を務めていた伊藤瑠花さん(6年)は「しっかりと渡すことができて安心した。自分たちにできるのは限られているけど、少しでも役立ててもらって笑顔で元気に過ごしてもらいたい」と語った。

 受け取った濵前会長は「子どもたちの人を思いやる気持ちが伝わった。お金だけでなく、みんなの思いが詰まっている。責任を持って被災地に送らせていただきます」と話していた。

(2024年3月17日付紙面より)

濵前泰弘会長(前列中央)に義援金を託した後期、前期児童会役員の皆さん=15日、新宮市立三輪崎小学校
2024年03月17日
36 卒業控えた6年生祝い
 見守り隊員が宇久井小へ  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立宇久井小学校の校区で見守り活動を行う西岡稔さん(83)、峰武久さん(84)、宇保英生さん(75)が14日、同校を訪れ、19日(火)に卒業式を控えた6年生22人に自作の歌と祝いの言葉を贈った。

 3人は「ニュータウン熟年クラブ見守り隊」に所属し、入学時期などに交通量の多い場所で児童の見守りや声かけを実施。10年以上、活動を続けている。子どもたちの元気な姿が自分たちの支えになっていることから、感謝を伝えたいとの思いで2年前から訪問している。

 西岡さんは6年生一人一人の名前を呼び、お菓子を配りながら将来の夢を応援。命や愛、絆、努力などの言葉を伝え「人から信用され、努力することが大事。何事にも懸命に取り組んでいたら誰も怒らない。これから苦しいこともあるかもしれないが、この話を糧に頑張ってください」とエールを送った。

 自らのこれまでの人生や、子どもたちへの思い出を込めた「見守りの唄」を歌い、児童から大きな拍手が送られた。

 岩見将万君(6年)は「西岡さんは、いつも優しくて楽しくさせてくれる。これからも大きなあいさつをして、明るく誠実な中学生になりたい」。

 芝﨑勝善校長は「毎年、節目の時期に足を運んでくださり、ありがたい。子どもたちも『中学校でも頑張るぞ』と力をもらったと思う。地域の方たちに見守られていることを忘れないでほしい」と話していた。

(2024年3月17日付紙面より)

6年生を祝いに訪れた西岡稔さん(前列中央)、峰武久さん(後列右)、宇保英生さん(後列右から2人目)=14日、那智勝浦町立宇久井小学校
自作の「見守りの唄」を熱唱
2024年03月17日
37 バランスボールで腰痛予防  月1回のエクササイズ教室  (太地町社協 )
2024年03月17日
38 魅力発信し町の活性化に  40人が小雲取越ウォーク  
2024年03月17日
39 不審者侵入を想定し対応  福祉センターで防犯訓練  (新宮市 )
2024年03月17日
40 多様な発生形態想定し  ケアマネジャーに防災研修  (那智勝浦町 )
2024年03月17日
41 スマホで簡単!PR動画  福村多美子さんの講座に32人  (新宮商工会議所 )
2024年03月17日
42 地域の魅力を深掘り  観光パンフレット制作へ  (緑丘中 )
2024年03月17日
43 交通安全に役立てて  新1年生に傘プレゼント  (紀宝地区安協会 )
2024年03月17日
44 再生する力に魅せられ  富士フイルム主催で写真展  (熊野市の丸井みのるさん )
2024年03月17日
45 自家製みそで食卓豊かに  子どもも仕込みに挑戦  (紀宝町 )
2024年03月17日
46 移住者増へ、空き家調査奮闘中  協力隊2人 町の魅力感じながら  (紀宝町 )
2024年03月17日
47 国の登録有形文化財に  岡﨑家住宅が答申受ける  (新宮市 )
2024年03月10日
48 打ち上げ直前で延期 ロケット「カイロス」初号機 (スペースワン株式会社)

 スペースワン株式会社は、浦神半島にある射場「スペースポート紀伊」で9日に予定していた民間小型ロケット「カイロス」初号機の打ち上げの日程変更を発表した。次の打ち上げは13日以降になるという。岸本周平知事によると、警戒区域に船舶が進入したため打ち上げることができなかったという。

 当初予定していた9日午前11時1分12秒を16分後に変更したが、直前で中止の判断がされ打ち上げには至らなかった。

 公式見学場やその一帯では住民ら多くの見学者・見物者が待望の瞬間を心待ちにしていたが、延期の判断を受けにわかに落胆が広がった。

 橋本市から訪れた森下幸夫さん(68)は「ようやくと楽しみにしていただけに残念です。次はいつになるか分からないが、機会が合えばまた足を運んで歴史的な瞬間を自分の目で見てみたい」と語った。

 那智勝浦町浦神の公式見学場・旧浦神小学校で見届けた堀順一郎町長は、日程変更を受け「今回は非常に残念な結果になってしまったが、楽しみが先に延びたと気持ちを切り替えるしかない。地域との協力関係を築きながら、次回の打ち上げ成功に期待したい」と話していた。

(2024年3月10日付紙面より)

打ち上げ延期に残念がる来場者=9日、那智勝浦町の旧浦神小学校
2024年03月10日
49 一丸で総合優勝を目指す
 キナンレーシングチームが表敬訪問  (新宮市 )

 新宮市に本社のある株式会社キナン(角口賀敏会長)をメインスポンサーとし、国内外でレース活動を行う「KINAN Racing Team(キナンレーシングチーム)」の石田哲也監督兼代表取締役社長や選手ら10人は8日、新宮市役所を訪れ、向井雅男副市長に熊野地域で毎年開催されている国際自転車競技連合(UCI)公認国際自転車ロードレース「TOUR de 熊野」での躍進を誓った。

 チームは「TOUR de 熊野」の総合優勝とレースイベントの成長を最大の目標とし、当地方への貢献や地域活性、スポーツ振興、自転車文化の発展に力を尽くしている。

 今年は、新たに2人が加入。12人となった新体制で「Jプロツアー」(2月24、25日)、「富士クリテリウムチャンピオンシップ」(3月2、3日)に出場するなど、精力的に活動を展開している。

 この日は角口会長も出席。選手らの自己紹介を受けた向井副市長は「新宮拠点のチームが国内外で活躍してくれている姿を見て、誇らしい。世界の舞台で、さらなる飛躍となるよう心から願っています」と選手たちの活躍を祈念した。

 新城雄大主将は「昨年の前半はチームの方向性に迷うところがあったが、徐々にいい雰囲気となり維持できている。今年こそは『TOUR de 熊野』の総合優勝となれるように一丸となって頑張りたい」と意気込みを語った。

 石田監督は「今年は設立10年目。メンバーも若手、中堅、ベテランとバランスのいいチームとなっている。創設から掲げ続けている総合優勝を勝ち取れるよう、みんなで士気を高めていければ」と話していた。

(2024年3月10日付紙面より)

向井雅男副市長(前列左)を訪問した角口賀敏会長(同右)とキナンレーシングチームの皆さん=8日、新宮市役所
2024年03月10日
50 独自カラーの福祉施策を
 新年度の当初予算案発表  (太地町 )

 太地町の三軒一高町長らが8日、町公民館で会見を開き、2024年度当初予算案を発表した。新年度の一般会計は29億7212万4000円で、前年度より1億3685万9000円(4・4%)減。12日(火)に開会する第1回町議会定例会に上程する。

 漁野洋伸副町長は減少の要因について「昨年10月に国際鯨類施設が完成し、大型の公共事業が落ち着いたことによるもの」と説明。

 新年度予算は「子育てから高齢者支援まで、幅広く当町独自のカラーが詰まった予算」とし、新事業として▽中学生の修学旅行費助成(1人につき4万円)▽夜間交通手段確保(夜間に大阪方面から帰町する住民のタクシー送迎)▽自動運転車両の暖海地区路線運行▽通院支援(高齢者の医療機関への送迎)▽帯状疱疹(ほうしん)ワクチン接種助成▽人間ドック―を行うと述べた。

 これまで実施してきた▽じゅんかんバス無償化▽買い物支援▽出産祝い金▽入学祝い金▽就学児医療費助成―などは引き続き実施するとした。

 ハード面では、町多目的センターへの機能訓練用トレーニング機器整備の他、清掃センター資源ごみ分別回収場整備(2026年度までの3カ年計画)、くじら浜公園の展示捕鯨船(第一京丸)の塗装修繕、救急車購入などを行うとした。

 三軒町長は、自身が掲げる30年計画に触れ「現在ちょうど20年目。最初の10年間は高齢者のため、次の10年は子どもたちのため。残る10年はその総点検として、住民の方々に満足していただけるよう施策を充実させていきたい」。残るハード面整備で庁舎の高台移転を挙げ「財政バランスを崩さないよう10年後くらいにと考えているが、議会に諮りつつ慎重に進める」と見解を示した。

(2024年3月10日付紙面より)


2024年03月10日
51 「大峰奥駈」春の峯入り
 熊野修験の山伏らが出立  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町那智山から奈良県吉野までの山岳地帯を踏破する大峰奥駈(おくがけ)修行が9日に始まった。「春の峯入り」と呼ばれる初日には、鈴懸の装束を身に着けた山伏に導かれ、一般参加者含む約50人が夜明けの那智山を出立。大雲取越・小雲取越を経て田辺市本宮町の熊野本宮大社まで約30㌔を歩き通す。

 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のルートで最も厳しい大峰奥駈道は、標高1200~1900㍍の山岳が連なる大峰山脈の主稜線(りょうせん)を通り、吉野と熊野の二大聖地を結ぶ約150㌔の修行の道。

 大峰奥駈修行は約1300年前に修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が始めたとされ、日本固有の信仰である修験道の修行「山林抖擻(とそう)」の重要な位置付けとなっている。明治の神仏分離で途絶えていたが、1988年に熊野修験の髙木亮英大導師(那智山青岸渡寺住職)が再興した。

 午前6時に那智山青岸渡寺本堂に集合した一行は、ほら貝を鳴らして勤行。熊野那智大社に参拝し、昨年150年ぶりに再建された熊野修験の根本道場「行者堂」でも勤行をした後、出立した。

 髙木大導師は「世界を眺めれば、尊い人の命が失われている。世界平和と人々の幸せを願って出発した。世界遺産登録20周年の節目、行者堂が再興されて初めての峯入りでもあり、意義深いものになる。一般の方々にもご参加いただいており、熊野の霊験を肌で感じ、それを広く知らしめていただきたい」と話していた。

(2024年3月10日付紙面より)

行者堂前で勤行=9日、那智勝浦町の那智山
山伏を先頭に出立
2024年03月10日
52 平和、世界遺産への思い作文に  新宮高、新翔高の6人を表彰  (新宮ユネスコ協会 )
2024年03月10日
53 献血に協力呼びかけ  新宮LCが奉仕活動  
2024年03月10日
54 健康づくり計画で議論  取り組み報告を受け意見  (新宮市 )
2024年03月10日
55 夏山組が側溝など清掃  那智勝浦町の宇久井地区  
2024年03月10日
56 鮮やかなヨウコウザクラ  ピーアップシングウで見頃迎える  
2024年03月10日
57 特別メニューを味わう  6年生「お楽しみ給食」  (神倉小 )
2024年03月10日
58 ランドセル飾り礼拝  新入学控えた5歳児  (マリア保 )
2024年03月10日
59 年長児たちとのお別れ会  宇久井こども園で  (那智勝浦町 )
2024年03月10日
60 「勝浦のいいとこ見てね」  町の魅力伝える壁画描く  (勝浦小6年生 )
2024年03月10日
61 長寿を祝い記念品  100歳の下地文栄さんに  (紀宝町 )
2024年03月10日
62 お弁当「おいしいね」  井田保育所がお別れ遠足  (紀宝町 )
2024年03月10日
63 クマノザクラと三反帆  熊野川沿いでかれんに咲き誇る  (紀宝町 )
2024年03月03日
64 第2言語として手話を
 ヨッシーさんが啓発講演  (新宮市 )

 新宮市の主催による手話啓発講演会「これまでと、これから~いのちのメッセージ~」が1日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」であった。MOVIC performer(ムービックパフォーマー)のyossy(ヨッシー)さん(34)が講師を務めた。市内外から約150人(主催者発表)が参加、手話の必要性を考え直した。

 ヨッシーさんは5歳で失聴。大学時代に、耳が聞こえなくてもダンスができることを知った。その後、手話が分からなくても伝わる表現を模索し、体全体で歌の世界観を表現するムービックを立ち上げた。昨年4月に敗血症・脳梗塞を発症し、現在は後遺症のリハビリ中という。

 ヨッシーさんは、難聴学級のある中学校に進んだが、手話ができずコミュニケーションが取れなかったことを明かした。「思いが伝わらない悔しさを味わい、手話を教えてと頼んだ。会話の中で覚えていき、コミュニケーションの楽しさを知った」と述べた。

 高校時代に「分からないに2種類があると気付いた」と話した。「意味が分からないではなく、聞こえない、情報が入ってこないという意味の分からないがあった」と振り返った。大学時代にダンスを知り、その後にムービックへと発展していく過程も紹介した。

 敗血症・脳梗塞で入院した際の出来事も紹介。「目がはっきり見えず、聞こえず、声も出せず、手が震えて文字も書けない。ジェスチャーで頑張ったが伝わらず諦めた」と語った。その後に手話ができる看護師と出会ったが「病院に意思疎通ができない患者と思われていた」と話した。

 「改めて、手話が必要と気付いた。皆さんの身にも、いつ何が起こるか分からない。コミュニケーションの手段をいくつか持っておきませんか。日本語と英語みたいな感じで手話があっても良いのでは。未来の自分を救うかもしれません。何度でも言う、手話は必要です」とまとめた。

 舞台上でムービックを披露し、拍手喝采を浴びた。参加者をステージに上げての質疑応答もあった。市内から訪れた、近大新宮高校1年の榎本悠紀さんは「複数の言葉を持つという意味で、手話を知っておくことも大事と気付いた。手話を習ってみたいと思った」と述べた。

(2024年3月3日付紙面より)

ムービックを披露するヨッシーさん=1日、新宮市の「丹鶴ホール」
手話の必要性を見つめ直した
2024年03月03日
65 当日までの過程など示す
 報道機関向け説明会開き  (スペースワン株式会社 )

 民間小型ロケット「カイロス」の運用を目指すスペースワン株式会社(豊田正和代表取締役社長)が1日、報道機関向けの説明会を開いた。

 「カイロス」は串本町田原~那智勝浦町浦神にある射場「スペースポート紀伊(SPK)」から打ち上げるロケットで、全長約18㍍、外径約1・4㍍(機体部分)~1・5㍍(フェアリング部分)、重量約23㌧。日本が70年来培う固体燃料ロケット技術に小型化相応の独自技術を上積みし、固体3段+液体エンジンで軌道へ到達し人工衛星を投入する設計がされている。

 その初号機の打ち上げ日時予定は9日(土)午前11時~正午。説明会では豊田社長が思いを述べ、以降は阿部耕三執行役員が同社の現在のミッション段階、関野展弘代表取締役副社長(開発担当)が「カイロス」と射場の概要を改めて伝え、ゲストの東京大学大学院工学系研究科の中須賀真一教授が世界需要に対する「カイロス」の位置付けと展望、その他初号機の打ち上げ当日までの過程などを示した。

 過程によると同社は2日前から当日朝まで天候判断(GOかNG)を重ね、それら全てがGOとなればその日の打ち上げに臨む。この判断上の打ち上げ時刻は現状、分刻みの時間帯で示す予定となっている。

 当初の計画から2年越しで示した打ち上げ日時予定が着々と迫る状況。豊田社長は自社事業を「宇宙宅配便」と名付けたいと考えを掲げ、「カイロス」が日本の宇宙事業が官主導から民主導へ変わるきっかけとなること、宇宙産業を発展させる地上と宇宙をつなぐ使い勝手の良いインフラとなること、日本の優れた宇宙産業とりわけ利用産業が発展することを願い、最大限全力で初号機の成功(積載した人工衛星の軌道投入)に臨むと意気込んでいる。

(2024年3月3日付紙面より)

豊田正和・代表取締役社長(スペースワン株式会社提供)
2024年03月03日
66 地域課題解決めざす
 包括連携協定を締結  (北山村と和歌山大学 )

 北山村と和歌山大学(和大)の包括連携協定の締結式が2月29日、同村村民会館であった。地域の発展と学術の振興を目指し連携協力していくことを約束した。当面は地域課題解決の取り組みを進める予定でいる。

 北山村と和大はこれまでも、じゃばら収穫体験や筏(いかだ)下りの参加者調査などで、連携協力を行っていた。北山村としては、大学が保有する知的・人的資源との連携が力を発揮すること。和大としても地域と大学が共に価値を創る活動に力点を置いていることを背景に、協定の締結に至った。

 締結式では、山口賢二村長と本山貢学長が互いに協定書に署名した。山口村長は「連携協定により、大学全体と村全体がより緊密、一体となった事業展開を進めたい。少子高齢化の村にとって、大学やその学生と関わりを持てることは重要。発展のきっかけを与えると確信している」と話した。

 本山学長は「協定は大学にとっても有意義で、両者の発展のきっかけとなればと思う。学生が地域で学ぶ環境はいくつもあるわけではない。教育と研究、さまざまなところでご支援いただければ。教育、産業振興、地域課題などについては、われわれとしても支援のしがいがあるし、研究のレベルアップにもつながる」と期待を寄せた。

 今後の具体的な事業展開として、学生がじゃばら収穫体験や筏下りなど、担い手不足が進む場所で働き収入を得ながら一定期間滞在することで、地域課題の解決に貢献する計画を考えている。

 新宮・東牟婁地域での和大と地方自治体との同様の協定は、昨年1月の串本町に続き2例目となる。

(2024年3月3日付紙面より)

協定書を持つ山口賢二村長(右)と本山貢学長=2月29日、北山村村民会館
2024年03月03日
67 夢中でボール追いかける
 下里こども園でサッカー教室  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立下里こども園(上安みか園長)で2月29日、一般社団法人和歌山県サッカー協会による巡回指導があった。5歳児12人が夢中になってボールを追いかけて楽しんだ。

 県内の保育所やこども園にインストラクターを派遣して教室を開くとともに、サッカーゴールやボールを寄贈して競技の普及に取り組んでいる。キッズ委員の吉田佳弘委員長、森一郎さん、岡村環樹さんが来園した。

 園児たちはコーンで作った敵をボールで倒すゲームをした後、ボールを2個使った6対6の試合にチャレンジ。ゴールを決めると「よっしゃー!」と大歓声が上がる一方、本気で悔し泣きする姿も。短時間ながら、サッカーの面白さを味わっていた。

 ゴールキーパーで活躍した室野日菜ちゃん(6)は「前にもサッカーをしたことがあって、練習したら上手になった。勝つのがうれしかった」と笑顔で話していた。

(2024年3月3日付紙面より)

ボールで敵を倒せ!=2月29日、那智勝浦町立下里こども園
「負けないぞ!」
2024年03月03日
68 三輪崎に2カ所目開設  常設エコ広場  (新宮市 )
2024年03月03日
69 軽快な落語に笑顔広がる  緑丘中で伝統芸能鑑賞  (新宮市 )
2024年03月03日
70 高齢期の食のポイント  ヘルスサポーター養成講座  (那智勝浦町 )
2024年03月03日
71 思いを胸に学びや巣立つ  新宮高校定時制で卒業式  
2024年03月03日
72 証書受け新たな道へ  なぎ看護学校で卒業式  
2024年03月03日
73 21段飾り、豪華ひな人形  クマノミチのひなまつり  (熊野市 )
2024年03月03日
74 工作通して性質学ぶ  わくわく科学教室に25人  (紀宝町 )
2024年03月03日
75 コロナ後の情景を表現  酒折連歌や俳句で成果  (紀南高校 )
2024年03月03日
76 健康と賞品をゲットしよう  健康マイレージ、15日まで  (紀宝町 )
2024年03月03日
77 お悔やみ情報