理想の町実現に向け意欲 (太地町長選 )
任期満了に伴う太地町長選挙が7日告示され、現職の三軒一高さん(72)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、三軒さんが無投票で5回目の当選を果たした。無投票での当選は3回目。
立候補の届け出が締め切られた同日午後5時には、近隣市町の議員や多くの支持者らが同町役場に集まり祝福した。支持者や、職員らで組織される鯨友会と職員親睦会から花束を贈られた三軒さんは笑顔でそれらに応えていた。
当選を受け、三軒さんは「30年の計画の中期。残り14年間で町を整備し、豊かにしていく必要がある。そのためには財政バランスを崩さず、町のリーダーと議会が明確なビジョンをつくらなくてはならない」とし、5期目の任期中に完成する冷凍冷蔵施設や、観光振興に寄与する防災複合施設であるJR太地駅の新駅舎、鯨類研究所の建設にも力を注いでいくと意気込みを述べた。
さらには「鯨の学術研究都市」や「町の公園化」「クジラの恵みをもって福祉政策に取り組む」など数多くの計画の早期実現に向けて、意欲を示した。
三軒さんは「30年の計画が全て完成すれば、世界中からクジラの研究者や興味のある人たちが集まるはず。季節感のある環境整備の整った、一度は来てみたい理想の町になると思う」と語った。
三軒さんは1977年から連続7期町議を務め、2004年に町長選に出馬し、初当選した。
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同じく7日、議員の死去に伴う同町議会議員補欠選挙(欠員1)も告示され、新人の宮川茂さん(69)=無所属=が無投票で初当選した。任期は来年8月17日まで。
宮川さんは「任期1年の間に町内でいろんな方の意見を聞いて自身の地盤を築き、来年に生かしていきたい」。
今後については「行政について学ばせていただきながら、同僚議員と歩調を合わせて町長の30年計画を実現できるように尽くしたい」と語った。
(2020年7月9日付紙面より)
プレミアム宿泊・お食事券 (那智勝浦町 )
那智勝浦町が新型コロナウイルス関連緊急経済対策事業の一環で行う「町民限定プレミアム宿泊・お食事券」の販売が1日から開始されたが、7日午前に完売した。わずか1週間足らずで3000セットが全て売れたため、販売を行った一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)や町観光案内所は驚きを隠せないという。
本事業は営業自粛などで大きな影響を受けている町内宿泊施設の利用促進と、町民に安心安全な町内で旅行を楽しんでもらい、那智勝浦の魅力を再認識、再発見することを目的としたマイクロツーリズムの促進のために実施。チケットは、町民限定で販売され、町内の宿泊施設で使用できる8000円分のチケットが3000円で購入できるというもの。
同機構によると、販売初日は整理券を発行するほど多くの町民が集まり、1日で約1200セットが売れるほどの盛況ぶり。完売となった7日は、午後からもチケットを買い求めるため、観光案内所や同機構に立ち寄る町民や、問い合わせの電話が何度もあったという。
同機構マーケティング担当の堀千寿子さんは「12月まで販売する予定だったので今日完売したのは予想外。チケットを利用したお客さまから『宿泊施設やプランもすごく良かったので友人にチケットを購入しようと思ったが完売は残念』というご意見を頂いた。そういったお声に救われています」。
「宿泊事業者さまに感謝するとともに、チケットをご購入された皆さまに喜んでいただくためにもぜひ、使用期限の12月31日までにご利用いただきたい」と語った。
同機構によると、利用した町民に「観光住民満足度調査」を実施しており、「観光客が増えてほしいか」「観光で町は潤うことができるか」などの内容でアンケートを行い、今後の観光施策に生かしていくという。
同町観光企画課の佐古成生(しげお)課長は「町民の皆さまにはこれを機にリフレッシュしていただき、宿泊施設を通して町の魅力を感じていただきたい。また、事業者の皆さまには今後もさまざまな工夫をしていただき、観光客のおもてなしをしていただけたら」と話した。
(2020年7月9日付紙面より)
樫野埼灯台8日に節目 (串本町 )
串本町樫野にある樫野埼灯台が8日、点灯を始めてから150周年を迎えた。新型コロナウイルスの影響などもあって同日の記念行事の実施予定は無く、静かに歴史の大きな節目を越えることとなった。
この灯台はグレゴリオ暦(=西暦)1870年7月8日、完成に先立って点灯を開始。当時の日本はまだ旧暦(=天保暦)を用いていたため、同灯台にはめ込まれたレリーフには「明治三年庚午六月十日初點」と刻まれている。その約1カ月後に灯台として完成し、日本の灯台の父とたたえられるイギリス人技師、リチャード・ヘンリー・ブラントンが手掛けた国内初の石造洋式灯台として今日まで歴史を歩み続けている。
後の中継ぎによるかさ上げで灯火高は海抜約47㍍となり、内装の光学系機械装置も時代相応に更新整備されて現在は自動点灯で約34㌔先まで光を届ける形に発展〈海上保安庁・燈光会設置の現地案内板による〉している。無人灯台となっているが、建設当時の外構(最上部の灯ろうとレリーフがはめ込まれていて石造が今も見て取れる最下部)と有人灯台だった頃の石造官舎〈国登録有形文化財〉が敷地内に現存し、外構内は普段は立ち入ることができないが同町設置のらせん階段により上ることが可。石造官舎は町営で有料公開されている。
点灯を始めてから約20年後の1890(明治23)年9月16日、樫野沖の岩礁で遭難したトルコ軍艦エルトゥールル号の将士が救難を求める先になったという歴史も有する。そのため同町は、県指定史跡「エルトゥールル号事件関連遺跡群」の物件に同灯台を加えて、今まさに国指定への昇格を目指しているさなかにある。
樫野埼駐車場から先の県道(通称・エルトゥールル通り)は許可を受けた車両を除いて進入不可。同灯台は同駐車場から約600㍍先にあり、徒歩で赴く形となる。
(2020年7月9日付紙面より)
山口賢二さん、無投票当選 (北山村長選 )
任期満了に伴う北山村長選挙が7日に告示され、現職の山口賢二さん(70)=無所属=のほかに立候補者の届け出がなく、山口さんが無投票で2回目の当選を果たした。
同日午前9時に出陣式を行った山口さんは、選挙カーで村内を巡回した。激励に駆け付けた西前啓市・古座川町長や西田健・紀宝町長らが見守る中、山口さんは立候補届け出締め切りの午後5時にほかの候補がないことを確認。万歳三唱で支持者らと喜びを分かち合った。
山口さんは「私にとって対抗馬があるとすれば自分自身だった」と今回の選挙を振り返り、「至らないところや、やり残したこともある。自分への批判も含め、次の4年間頑張っていきたい」と決意を新たにした。
今後の展望については「10カ年で長期総合計画を策定し、その中で全てを網羅する。第一に観光に力を入れたい。高齢者対策、子育て支援は従来通りに、村のぶれない継続の力をさらに推し進めていきたい」。
村を守り、存続していくために、10年、20年後にも継続できる形作りを推進すると意気込み「村民、議会、職員そしてその一員として頑張っていきたい」と協力を求めた。
(2020年7月9日付紙面より)