変更に向け説明会開催 (新宮市 )
新宮市は21日夜、市役所別館で「新宮都市計画道路(下本町下田線)の変更に伴う説明会」を開いた。周辺住民ら約30人が出席。市建設農林部都市建設課の職員が変更案や事業の流れなどについて説明した。
都市計画は、地方公共団体が地域の実情によって指定していく。道路、公園、下水などの都市施設は円滑な都市活動を支え、都市生活者の利便性の向上や良好な都市環境を確保する上で必要な施設として位置付けられている。
都市計画道路は、都市の骨格を形成し、安心で安全な市民生活と機能的な都市活動を確保する、都市交通における最も基幹的な都市施設として都市計画法に基づいて決定される。県との事前協議や地元説明会、素案・原案の作成、同審議会での審議などを経て計画が決定、事業化となる。
市ではこれまで、都市計画法に基づく都市施設の一つである都市計画道路について、計画の見直しを行ってきた。このたびの変更は未整備区間である下本町下田線(緑丘会館辺り~新宮信用金庫緑ヶ丘支店辺り)の道路線形と道路幅員計画を見直すもの。
都市計画では新宮信用金庫緑ヶ丘支店の裏側辺りに向けて大きくカーブを描く線形となっているが、変更案では現道を利用した上で総幅員16㍍計画を12㍍とする。現在総幅員(6㍍)が6㍍東側に拡幅する計画となる。なお、計画決定後には建築制限がかかるという。
市からの説明を受け、参加者からは「あの道路は水はけが悪い。道の広さばかりで高さの話が出ていない」「計画が行き当たりばったり。東側の土地所有者の意見ももっと聞いてから計画を立ててほしい」などの意見が上がった。「東側の住民は増改築の計画も立てられない。所有権の侵害に等しい。やるならやる、やらないならやらないをはっきり示してほしい」といった声もあった。
今後、計画案は素案の修正・原案作成などを経て、7月ごろから縦覧を実施し意見を募る予定。
(2021年5月23日付紙面より)
王子ヶ浜小で租税教室 (新宮市 )
新宮市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長)で20日、租税教室が開かれた。6年生60人が株式会社秀英社代表取締役社長で新宮納税協会青年部の平美貴將さんから税金の役割や使われ方を学んだ。
新宮・東牟婁租税教育推進協議会主催。次代を担う児童・生徒に税の意義や役割を正しく理解してもらうことが目的。
平美さんははじめに、国民の三大義務である「勤労、納税、教育」に触れ、日本には約50種類の税金があり、所得税、たばこ税、酒税、自動車税、法人税で約80%を占めると説明。日本よりも消費税率が高いスウェーデンなどでは、医療費などの福祉がより充実していると述べた。
児童はクイズを通して、税金が弥生時代の邪馬台国の時代からあることや、小学生が教育を受けるために1人当たり年間88万5000円の費用がかかっていることを学んだ。1億円のレプリカが入ったジュラルミンケースを持ち上げる体験では、あまりの重さに驚いていた。
加藤彩羽(いろは)さんは「改めて税金について知ることができ、身近に感じることができた。1億円は持てなかったけど、すごく重そうだった」と話していた。
(2021年5月23日付紙面より)
太地中で火災避難訓練 (太地町 )
太地町立太地中学校(山田貴也校長)で21日、火災避難訓練があった。同町役場消防係の職員4人が見守る中、生徒32人は避難経路をたどり、落ち着いて訓練に取り組んだ。
同校では火災発生時に対する危機意識を持ち、備えを行うとともに的確な判断の下に行動できる力などを養おうと毎年この時期に実施。訓練は保健室から出火したと想定し、校内放送でアナウンスが流れると、生徒は教職員の指示に従って避難行動を開始した。
この日は雨天のため体育館へと逃げ、訓練後には消火器の使い方や搬送法を学び、代表生徒が役場職員に教わりながら実践した。
役場消防係の飯田拓夢さんは「昨年よりも落ち着いて迅速にできていたと思います。避難時に重要な『押さない、走らない、しゃべらない、戻らない』を略した『おはしも』を忘れず、必ず実行してほしい」と講評した。
上久保弘子教頭は「皆さんの速やかに避難する姿が見られて良い訓練になったと思います。実際の場面では、煙が充満しているため体を低くし、手やタオルなどで鼻と口を押さえて吸い込まないなどの対処を忘れないでほしい。いつ、どこで火災が発生するか分かりません。もしものときのために避難経路や消火器の位置を確認するといった意識を持ってください」と呼び掛けていた。
(2021年5月23日付紙面より)
新宮市立図書館、休館へ
新宮市井の沢の市立図書館は20日、今秋開館予定の市文化複合施設「丹鶴ホール」への移転に向け休館に入った。現在地に開館して以降、47年にわたり市民に愛され続けてきた同図書館は、この日をもって図書館としての歴史に終止符を打った。
同図書館が横町1丁目1番地(現横町公園)から現在地(旧紀南学園跡地)に移転したのは1974 (昭和49) 年のこと。以降、自動車文庫「なかよし号」巡回開始や絵本の読み聞かせ開始、中上健次資料収集室の設置など、快適な読書環境の整備、利便性の向上、図書館サービスの充実を図るためにさまざまな取り組みがされてきた。
最終日となった19日には休館を惜しむ人らが雨の中多数来館。花束を持って図書館や職員、ボランティアメンバーらに感謝を伝える利用者の姿もあった。図書館によると、昨年(開館日数284日)の貸し出し人数は延べ2万5341人で、10万800冊の貸し出しがあった。1日当たりでは89・2人が354冊を借りた。
図書館司書として85(昭和60)年から勤務し、退職後も図書館協議会会長として図書館に携わる山﨑泰さんは、最も思い出深い出来事として「郷土資料件名事項目録」の編さんを挙げる。目録はパソコンがまだ普及していなかった当時において、図書館が所有する膨大な郷土資料を100項目に分類し、誰にでも検索できるようにしたもの。
841㌻にわたる目録の編さんには十数年の年月を要し、2012(平成24)年2月に発行。図書館業務の効率化向上や、各分野の研究者や学生、教育者たちの知的好奇心に応える大きな一助となった。
山﨑さんは「大逆事件や中上健次、当地方のさまざまな歴史や事柄、人物のバックグラウンドを調べようと、多くの人が図書館を訪れてくれた」と回顧。休館に関しては「いろいろな思い出が詰まっている。さみしい気持ちと新図書館への期待が半々です」と話していた。
今後はサービスを停止し、10月3日(日)の開館を目指して本や資料の整理などを含めた準備を進めていく。停止するサービスは資料の閲覧や貸し出し、インターネット閲覧など、館内で提供していたサービス全て。自動車文庫の巡回や雲取文庫への貸し出し、レファレンス(調べもの相談)・各種問い合わせへの対応など。
ブックポストへの返却は6月30日(水)までとなる(場所は図書館、熊野川行政局)。すでに予約済みの資料で5月19日までに準備ができなかった資料は、新図書館開館後に貸し出しとなる。
利用可能なサービスは▽インターネットによる蔵書検索▽市役所別館ロビーでの新聞閲覧(平日の午前9時~午後5時)。6月2日(水)、7月7日(水)午前9時からは、現図書館駐輪場にて除籍本が持ち帰りできる「お持ち帰りコーナー」を開催する。
休館に当たり、図書館では「長い期間にわたりご不便やご面倒をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします」と呼び掛けている。
(2021年5月21日付紙面より)
熊野那智大社「那智の扇祭り」
7月14日(水)に熊野那智大社(男成洋三宮司)などで営まれる「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、昨年に引き続き、規模を縮小するなど従来と祭典内容を変更して斎行することが決まった。
変更は16日の扇祭り保存会の役員会で協議された。各神社の祭礼も感染防止のため、参列の自粛や行事を中止・縮小していることを鑑み、参列者および奉仕者、拝観者の安全と健康を考慮し、決定したという。
内容は▽例大祭本社大前の儀の参列はなく、神職や責任役員、祭り関係者のみで行う▽那智の田楽は13日(火)の宵宮(よいみや)のみ行い、大和舞は取りやめ▽本社より別宮への渡御は昨年と同様に木製の辛櫃(からひつ)に納めた御幣(ごへい)にご神霊を移し、二体の扇神輿(おうぎみこし)と2本の大たいまつを伴い、滝に向かう。一般の拝観はなし▽本社大前の儀は午前9時から斎行し、終了後引き続き渡御祭を行い、別宮へ神幸する▽別宮では午前10時から正午まで参拝を停止にする―となる。
同大社では「本来であれば、一般の方々にもお祭りを拝観していただくことが本望。コロナ禍のため、昨年に引き続いてこのような形になりましたことをご理解いただけましたら幸いです」と話している。
(2021年5月21日付紙面より)
新東自立支援協議会へ (JAみくまの )
みくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)が19日、新宮・東牟婁圏域自立支援協議会就労部会(小阪武部会長)へゴーヤの苗100株を寄贈した。同部会は急ぎ関係11団体に分配し活用してもらう考えで、小阪部会長(39)は「コロナで外に出るのも難しい状況が続く中、施設内でできる活動として作物を育ててみることを楽しみにしてもらい、そしてこの機に農業に興味を持っていただければ」と今後の反響に期待している。
JAグループ和歌山が取り組む会内事業「『緑のカーテン』運動」から派生した寄贈。JAみくまの管内で本年度分のゴーヤの苗を作ったところ、タネの発芽が良好で必要数以上の苗を得ることができた。余らせるのは惜しいと感じ、農福連携で縁がある同部会に相談。同部会はJAみくまのが今後高齢者福祉での農福連携も考えていることを踏まえて関係諸団体へ同運動への挑戦を呼び掛けたところ、11団体が希望し苗を引き継ぐ筋道が成ったという。
会外への苗の提供は今回が初で、引き継ぐ11団体の内訳は▽県立みくまの支援学校▽エコ工房四季▽古座あさかぜ園▽なぎの木園▽生活介護事業所えん▽杉の郷えぼし寮▽南紀ひまわり作業所▽社会福祉法人高瀬会▽寿楽荘▽グランドール紀の風▽ひきこもり者社会参加支援センターあずまプラッツ。
この日は農福連携によるJAみくまのとのつながりがとりわけ強いエコ工房四季=串本町古座=を引き渡し場所とし、JAみくまの西向営農センターの瀧本義大次長(39)が「グリーンカーテンを通して農業に興味を持っていただきたい。食材としても活用できるゴーヤということで、その辺も楽しんでもらえたら」と期待を込めて小阪部会長へ苗を託した。
(2021年5月21日付紙面より)
王子ヶ浜にアカウミガメ上陸 (新宮市 )
新宮市の王子ヶ浜で20日早朝、アカウミガメの今期初産卵が確認された。午前5時すぎ、ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」の榎本晴光会長が卵を発見した。
同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。今年から新しく発足した同会は、これまで「新宮市王子ヶ浜を守る会」(中村誠二郎会長)が実施していた活動内容を引き継ぐ形で、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。
発見された産卵場所は、市立総合体育館(大浜体育館)前の海岸で、波打ち際から約25㍍付近。約25㌢の深さの穴から、ピンポン球大の卵98個が見つかった。
アカウミガメは1回の産卵で平均110~120個の卵を産み、約60~80日でふ化する。5月中旬から8月半ばまで上陸シーズンが続く。
昨年、初産卵が確認されたのは7月16日。約150個の卵が発見された。気温や海水温の上昇からか、今年は昨年よりひと月以上早い産卵確認となった。なお、昨年は6回のアカウミガメの上陸を確認。うち5頭が約650個の卵を産み、487匹がふ化した。
榎本会長は、早い時期に産卵が見られた場合のふ化率は低いとしながらも「アカウミガメの上陸数については期待できるのでは」と話していた。
(2021年5月21日付紙面より)
ウェブ会議でワクチンなど焦点 (全県市町村長会議 )
和歌山県は18日、令和3年度全県市町村長会議を開いた。新型コロナウイルス感染症拡大予防のため昨年に引き続きウェブ開催となった会議では、本年度新政策や各部局からの伝達があったほか、新型コロナ感染症などについて意見交換を行った。
開会に当たり、仁坂吉伸知事があいさつを述べ、県内感染動向の推移や第4波の感染状況、京阪神の変異株感染割合などを説明。「和歌山県の人口当たりの死者数が少ないのは全員入院できている状況にあるから」などと述べた。
県民に対しては▽不要不急の外出自粛要請(~今月31日)▽飲食店の時短要請(同)▽飲食時の基本的な感染症対策の徹底▽軽微な症状でもただちにクリニック受診▽病院・福祉サービスは施設内感染に注意―を呼び掛けていると述べ、新規のコロナ支援としてデジタル化補助金創設や離職者の再就職支援などを挙げ、現在第4波の影響調査を実施中であり調査結果を踏まえ施策を検討していくとした。
県によるとコロナワクチンは、6月7日の週、14日の週の配分で、新宮市では15箱(配分率81・1%)、那智勝浦町10箱(同90・1%)、太地町3箱(同118%)、古座川町3箱(同112・3%)、串本町12箱(94・9%)、北山村1箱(同251・3%)となる。また、高齢者などへの1回目の接種率は9・47%(次点高知県、8・43%)で、全国で最も速いペースとなっているという。
各市町村長が現状や対応策などについて報告する中、新宮市の田岡実千年市長は「現在、県内で感染者が発生した場合、患者の住所地については保健所単位の公表となっている。市民はどの市町村で発生したのか分からず、市としても県からの報告以上のことはお答えできないため、市民の間でいろいろな臆測を呼んでしまい、逆に不安があおられるような状況になってしまっている」と説明。
隣接する三重県では市町村単位での公表となっているとし、同じ生活圏にある三重県と同様の公表方法を望む声が多いと報告しつつ検討を求めた。
また、現在和歌山市内の飲食店を対象に実施している「営業時間短縮要請協力金」について、要請範囲を県内全域に拡大し、要請に応じた飲食店に対する協力金についても支給の対象に加えるよう要望した。
対し、仁坂知事は「(公表の仕方について)知りたいという動機はいろいろあるが、感染を防ぐために必要なことをすることが重要。差別や批判などにつながる恐れもある」。
協力金に対して「大変な目に遭っている業種はたくさんある。カバーできるように考えていきたい」と理解を求めた。
那智勝浦町の堀順一郎町長は「現在、体育文化会館でワクチンの集団接種を実施しているが、同所は国民文化祭の会場にもなっている」と述べ、早めのワクチン供給などを要望。
太地町の漁野洋伸副町長は、コロナが落ち着いた後の県内の教育旅行の推進を呼び掛け、北山村の山口賢二村長は「東牟婁は県庁に遠い。テレビ会議の普及を」と求めた。
串本町の田嶋勝正町長は新宮警察署と串本警察署の統合などに対して「十分な議論を」と強く要望した。
(2021年5月20日付紙面より)
アマゴとモクズガニ放流 (古座川漁協 )
古座川漁業協同組合(大屋敏治組合長)が18日、アマゴとモクズガニの放流に取り組んだ。
管内流域で認めている漁に伴い減衰する資源の回復や増強を図るのが目的で、本年度はアマゴ2万匹(佐本川と三尾川(みとがわ)で各5000匹、小川で1万匹)、モクズガニ1万匹を放つ方向で準備を進めてきた。
仕入れ先は日高川漁協で、アマゴは体長数㌢、モクズガニは甲長4㍉前後の大きさ。放流場所は古座川支流域の中で清浄度に秀でるところとし、アマゴについては集まった役員が各自持参したクーラーボックスなどで輸送トラックから小分けして引き受け、軽トラックなど小さい車両で条件にかなう場所まで運んで分散放流した。モクズガニは役員2人が預かり、適所へ放ったという。
いずれも種苗で、漁にかかる大きさに育つまで3年ほどかかる見込み。その頃の資源確保に結び付くよう無事成長を願い、アユよりもさらに管内の奥へ入る必要がある放流に励んでいた。
同漁協管内におけるアマゴ漁の漁期は3月1日~9月30日、モクズガニ漁は9月1日~12月31日で、いずれも行うときには同漁協への遊漁料の納入が必要となる。詳細は同漁協公式ホームページを参照。問い合わせは同漁協(電話0735・72・3800、平日午前10時~午後4時)まで。
(2021年5月20日付紙面より)
「移住応援ガイドブック」を作成 (紀宝町 )
紀宝町は、県外から町内への移住を促進しようと、町の暮らしや魅力、支援制度などを紹介した「移住応援ガイドブック」=写真=を作成した。これまでのデザインや内容を一新し、移住者のインタビューを基に自然豊かな生活環境をPRしている。
ガイドブックは、A4サイズ20㌻のフルカラーで構成。移住者家族やウミガメ、七里御浜海岸、稲刈りなどの写真が表紙を飾る。1、2㌻には町の概要や地図、名所、人口、世帯数、月別平均気温、降水量などのほか、ミカンやマイヤーレモン、なれずし、飛雪米などの特産品、主なイベントを掲載した。
6㌻にわたるインタビューコーナーもあり「移住前に思い描いていた、予想通りの田舎生活を送ることができています」「落ち着いた生活を送ることができます」など3組の移住者が町の魅力を語っている。
移住を後押しする空き家バンク事業、空き家リノベーション(改修)支援事業、お試し住宅制度、定住促進のための町有地分譲、就労体験事業、結婚新生活支援補助金などの支援制度も紹介した。
5000部を作成し、県外からの来訪者が多い町内の道の駅や観光施設などで配布している。
町によると、町外から空き家バンクなど支援制度を活用した移住者は2015年度が32人、16年度14人、17年度29人、18年度7人、19年度26人、20年度18人に上る。町の地域おこし協力隊を退任した人のうち3人が定住しているという。
ガイドブックや移住に関する問い合わせは、役場企画調整課(電話0735・33・0334)まで。
(2021年5月20日付紙面より)
新木保で芋と野菜の苗植え (新宮市 )
新宮市の保育所型認定こども園「新木保育園」(斎藤広志園長、園児75人)で18日、サツマイモと夏野菜4種類の苗植えがあった。3~5歳児53人が園の畑に苗を植え、「大きくなあれ、大きくなあれ!」とおまじないをかけた。
恒例の取り組みで、例年は千穂第二地区民生委員児童委員協議会のサポートを得て実施しているが、本年度は新型コロナウイルスの影響で園児のみで行った。
保育士は園児に向け「サツマイモは秋に収穫できて、体を温めてくれる。夏野菜にも大切な栄養が入っている。葉っぱが太陽の光を浴びられるように、優しく土をかけて」と呼び掛けた。
園児たちは畝にサツマイモの苗100本と自分たちでタネをまいたトウモロコシの他、トマトやナス、キュウリの苗を植えた。くるくる巻いたキュウリのつるを眺めたり、ダンゴムシなど土の中の生き物に触れ合ったりして楽しい時間を過ごした。
収穫した野菜は給食の食材になり、秋にはサツマイモパーティーも開く予定にしている。
(2021年5月20日付紙面より)
小中学生らがじゃばら植樹 (北山村 )
北山村立北山小・中学校(松本広明校長)の児童・生徒ら26人は4月27日、同校校庭の一角にじゃばらの木2本を植樹した。子どもらは今後、じゃばらの木の成長を通して地域研究に取り組んでいく。
毎年、シーズンにはじゃばらの収穫体験を行うなど、地域産品「じゃばら」を通したふるさと学習に取り組む同小中学校。
このたびの植樹は(公財)みずほ教育福祉財団の「令和3年度へき地教育研究助成(自由研究)」を受け、北山振興㈱の全面協力を得て実施。研究テーマを「北山をもっと知り、北山をもっと知ってもらおう~『じゃばら』から始めるふるさと学習の発信~」とし、「子どもたちが登下校時に観察できるように」と校庭の入り口付近に植樹場所を設置した。
じゃばらの歴史や成分、効能について調べ、地域が大切にしてきた食文化を学ぶことによって、子どもたちが地域を知り、より良い郷土にするためにできることを探求・発信していければという思いが込められている。
この日は、同社の北山振興・じゃばら農園管理責任者であり筏(いかだ)師の宇城公揮さんが植樹や管理方法を指導。子どもらは「おいしくなぁれ」と声を掛けながら、スコップや手で木の根に次々を土をかけていった。
児童会副会長の市村亜莉朱さん(6年)は「じゃばらは好き。給食でも出てくるじゃばらを使った竜田揚げがおいしい」。会長の岡こころさん(同)は「おいしいじゃばらの実がなりますようにと思いを込めて植樹しました」とじゃばらの成長を願った。
松本校長は子どもらに対し「北山村といえばじゃばら。じゃばらは村にとって大事な産業。毎日観察したり研究したり、実がなったらおいしい料理を考えたりしたいと思う。今日は北山小中にとって『じゃばらの記念日』です」と呼び掛けた。
(2021年5月2日付紙面より)
規模縮小し慰霊祭営む (那智護国神社 )
那智勝浦町天満の天神社に合祀されている那智護国神社(髙橋正樹宮司)で4月29日、「第66回慰霊祭」が営まれ、那智地区の英霊292柱と消防殉職者の安らかな眠りを祈念した。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小しての斎行となり、また、雨天のため社務所で行われた。
慰霊祭は例年、遺族や消防関係者、各地区の区長、住民など多くの人々が参列するほか、天満交友会の獅子舞奉納や餅まきも盛大に行われている。昨年も新型コロナの影響で規模を縮小して実施している。
この日は同神社奉賛会や遺族会、同神社責任役員など6人のみが参列。髙橋宮司が神事を執り行い、先人の犠牲の上に築かれた平和をかみしめ、現在の繁栄に感謝した。
奉賛会の山本年昭会長は「あなた方の尊い犠牲は新しい日本の復興に大きく貢献し、日本は世界に誇れる国となりました。私たちはあなた方の思いを引き継ぎ、平和な世の中を構築することに精進することを改めてお誓いします」と祭文を読み上げた。
式典後、遺族会の石井康夫会長は全国でも遺族会が高齢化し消滅や解散が進んでいることに触れ、「幸い、那智地区では奉賛会の方々のおかげで毎年、慰霊祭が行えているため感謝しております。来年、コロナが終息していれば盛大に実施したい」と話した。
(2021年5月2日付紙面より)
孔島嚴島神社・鈴島蛭子神社 (新宮市 )
新宮市三輪崎の孔島(くしま)嚴島(いつくしま)神社と鈴島蛭子(えびす)神社の例大祭が4月29日に営まれた。悪天候のため、三輪崎漁業協同組合の事務所2階から両神社に向いて神事を執り行い、関係団体の代表者たちが豊漁と航海安全を願って玉串をささげた。
孔島嚴島神社の主祭神は海路を守護する神として信仰を集める市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。鈴島蛭子神社の祭神は漁港を見守る大漁の神である蛭子命(ひるこのみこと)とされている。
神事には孔島・鈴島保護委員会の井上元和委員長や海野義尊・三輪崎漁業協同組合長、中村武・三輪崎八幡神社氏子総代会長、大石能央・農業実行組合長、濱口仁史・三輪崎区長代理らが出席し、熊野速玉大社の佐藤仁迪(ひとふみ)権禰宜(ごんねぎ)を斎主に迎えた。例年は両神社での神事後、参拝者らに盛大に餅まきを行うが、本年度は新型コロナウイルス感染拡大予防のため中止。神事への参列者に護符や餅を配った。
井上委員長は「世の中では新型コロナのこともあるが、漁業に関係が深い神様ですから、豊漁と航海安全を祈願した」。同会は大雨や台風後に島内に漂着した海洋プラスチックごみなどを清掃する美化活動に取り組んでおり、「紀伊半島大水害後、毎年各地で災害が起こっており、危惧している。今後も孔島と鈴島を守るため、奉仕活動をしていきたい」と話していた。
(2021年5月2日付紙面より)
梶取崎でクジラの供養 (太地町 )
太地町は4月29日、過去に古式捕鯨の見張り台であった同町の梶取崎(かんどりざき)公園でクジラの供養を行った。町漁業協同組合(脊古輝人組合長)、太地いさな組合(田中清仁組合長)、地域捕鯨を守る太地町連絡協議会(塩崎伸一会長)、町職員など11人が参列し、古くから町民の生活の糧としてきたクジラへの感謝をささげ冥福を祈った。
例年は100人ほどが参列する「鯨供養祭」が営まれているが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から昨年に引き続き今年も中止となった。しかし、関係者の中で「供養だけでもやろう」との声もあり、今回に至ったという。
この日は各団体の役員や町幹部のみという最小限の参列にとどめたため、住職の読経も行わずそれぞれが「くじら供養碑」に手を合わせた。
参列した〆谷(しめたに)和豊町漁協参事は「命あるものをいただいている。恵みに感謝するとともに冥福を祈ります」。
漁野洋伸副町長は「太地町は400年以上クジラと共に歩み発展してきた。三軒一高町長は『クジラの恵みを町民に』といつも話している。感謝の気持ちを持って今後も供養を続けていきたい」と語った。
(2021年5月2日付紙面より)
春季近畿高校野球和歌山県予選