石垣記念館でバラ開花 (太地町 )
太地町立石垣記念館(江﨑隆司館長)で現在、「アンネの日記」の作者として知られるアンネ・フランクゆかりのバラが花を咲かせている。平和を願って全国で育てられており、同館では2022年に広島県福山市のホロコースト記念館から譲り受けた株を、大切に育ててきた。
ドイツ生まれの少女アンネ・フランクは、反ユダヤ主義を掲げるナチス政権下から逃れてアムステルダムで隠れ家生活を送った後に捕らえられ、ベルゲン・ベルゼン強制収容所で15歳9カ月の生涯を終えた。
隠れ家生活をつづった「アンネの日記」に感銘を受けた園芸家ヒッポリテ・デルフォルへが「アンネ・フランクの形見」と名付けた新種のバラを作出。日本では、差別と迫害、大量虐殺を生き延びたアンネの父オットー・フランクから寄贈されたものが広まっている。
「アンネ・フランクの形見」は、つぼみの時は鮮明な赤、開花するとオレンジがかった黄金色、やがて花弁の先がネオンピンクを帯び、全体が紅赤色に変化する。生き延びることができれば、多くの可能性を秘めていたアンネを表しているといわれる。
かねて平和へ心を寄せてきた江﨑館長は、教師時代にヨーロッパ各地を巡ってアンネの足跡をたどったことを振り返りつつ「生命力があり、園芸家が願いを込めて作った品種だと思う。世界各地で戦争が起きている中、アンネ・フランクをしのんで見ていただけたら」。現在は鉢に植えているが、将来的には記念館アプローチに地植えしてバラ園にしたいと語っていた。
(2024年4月27日付紙面より)
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初夏の風物詩で話題づくり (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(谷口勝政会長)が25日、ダイブポイント・住崎の海底に「水中こいのぼり」を設置した。
ダイビング客が動き始める初夏に弾みをつける話題づくりとして例年、「こどもの日」(5月5日)を含むゴールデンウイークに合わせて期間限定実施。2011年東日本大震災に伴う自粛機運から脱却する思いも込めて13年度から取り組むようになり、今回で12回目になるという。
本年度はこいのぼり11本と後に串本らしさを演出する目的で入手したマグロのぼりとカツオのぼり各2本を準備。この日はダイビングスタッフ8人が海底の岩を利用して親ひも(ロープ)を張り、等間隔で各のぼりをつないだ。
地上のこいのぼりが風を受けてなびくように「水中こいのぼり」は潮流を受けてなびくそう。設置期間は5月6日(月・振休)までで、人工物のため期間終了後は速やかに引き上げるという。
風物詩を取り入れたこの話題づくりを担当する谷口会長は「ゴールデンウイークごろはまだ海水温が低く大勢が潜りにくる時季ではないが、水中のぼりの設置を続けていることで見たいというお客さまも出始めている。その勢いがさらに強まればと思うし、この取り組みが大勢の皆さんの目に留まり串本町全体が盛り上がるきっかけにもなれば」と取り組みに込める思いを語った。
(2024年4月27日付紙面より)
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バイパス下にこいのぼり (新宮市熊野川町 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会は25日、新宮市熊野川町の日足道路バイパス下に、こいのぼりを設置した。2011年の紀伊半島大水害からの復興と地域活性化への願いを込めた約30匹のこいのぼりが、青空をスイスイ泳いだ。
地元住民らが設置を始めて12回目。かつて町内イベントで使用していたこいのぼりは水害の際に全て流出。現在のこいのぼりは熊野川行政局が新聞などで呼びかけ、県内各地から寄せられたものだという。
地域住民の他、近隣の田植え体験で訪れてきた同市の近畿大学附属新宮中学校の1年生45人も設置に協力。大きなこいのぼりを縄に結んだ。近大新宮中の仲蒼一郎さん(12)は「家ではこいのぼりは揚げていないので、今回初めて。楽しかったです」と語った。
下阪殖保会長(77)は「大人から子どもまで、見に来てもらえればうれしい。道路からも見えるので、楽しんでもらえたら」。田植えに来た中学生らに目を細めつつ「水害のときにはまだ0歳くらいで、覚えていない世代。当時のことも伝えていきたい」と話していた。期間は5月13日(月)ごろまで。
(2024年4月27日付紙面より)
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第七勝丸が根室沖で捕獲 (太地町 )
小型捕鯨船「第七勝丸」(竹内隆士船長、乗組員5人、32㌧)が今年初めて捕獲したミンククジラの競りが5日、太地町漁業協同組合の市場であった。赤肉、畝須、白皮のブロック40ケース141㌔が次々に落札され、周辺地域のスーパーへ出荷された。正午には早くも太地漁協スーパーに初物の鯨肉が並んだ。
第七勝丸は3月上旬に太地港を出航し、しけのため北海道の釧路港に停泊。流氷が解けたこともあり、4月1日に根室海峡へ出航し、初日に全長7・9㍍、5・7㌧の大きな雌を捕獲した。
根室海峡は流氷がもたらす豊富なプランクトンによる好漁場で、漁協の貝良文専務理事(日本小型捕鯨協会長)は「よく肥えたおいしそうなクジラ。まずは刺し身で食べてほしい。竜田揚げ、焼き肉、ハリハリ鍋もお勧め」と太鼓判。今後について「千葉県の外房捕鯨と共同操業で、今日までに7頭捕れており、幸先のいいスタート。4月半ばまでにオホーツクの漁獲枠の17頭を取り終え、太平洋枠に取りかかりたい」と語った。
(2024年4月7日付紙面より)
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米サ市訪問団の送別会 (新宮市 )
米サンタクルーズ市(サ市)から新宮市への生徒訪問団のフェアウェルパーティー(送別会)が5日、新宮市福祉センターで開かれた。訪問団がホストファミリーや関係者と会食を楽しみ、別れを惜しんだ。
サ市は新宮市の姉妹都市で、生徒の相互訪問は恒例。今回の訪問団は13歳から17歳の中高生14人と引率者3人で、3月30日に来新し、市内のホストファミリー宅に宿泊しながら、周辺観光や伝統文化の体験を行っていた。
パーティーは県立新宮高校の琴部の演奏で開幕。訪問団の生徒らが部員の手ほどきを受け「さくらさくら」の演奏に挑戦する一幕もあった。会食では田岡実千年市長が手打ちしたうどんや、すし、和菓子などが振る舞われた。
訪問団の生徒らは「出会いがいっぱいで楽しかった」「食べ物がおいしかった」「みんな親切だった」「新宮の全部が見られないことが残念」「景色が良かった」「上った階段が多すぎた」「着物を着ることが難しかった」「ホストファミリーと別れ難い」「新宮は居心地が良かった」などと語った。
田岡市長は新宮市姉妹都市親善協会(岩澤卓会長)の名誉会長として「感動的な感想を聞かせてもらい面白かった。短い間でも(ホストファミリーと)絆や深い関わりができているのだなと感動した。今年は姉妹都市となって50年の節目の年。これからも素晴らしい交流を続けていきましょう。来ていただきありがとう。ホストファミリーの皆さんもありがとうございました」と述べた。
訪問団の中高生とホストファミリーの子どもらが一緒に「翼をください」をまず日本語、続いて英語で歌った。8月に新宮市からサ市を訪問する予定の高校生の紹介もあった。
(2024年4月7日付紙面より)
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浮島の森で整備作業 (新宮市 )
新宮市の天然記念物「新宮藺沢(いのさわ)浮島植物群落」(浮島の森)で4、5の両日、外来種の浮草などの駆除作業があった。
浮島の森は、沼地に浮かぶ泥炭でできた島で、寒地・暖地の両方の植物が混生していることが特徴。植物学者の牧野富太郎氏らが天然記念物指定に尽力したことでも知られる。1927年の指定当時は島内に300本以上のスギ林があったが、周囲の宅地開発や水質悪化で植生の変化が見られるようになり、長年保全活動が続けられている。
近年ではアマゾントチカガミやオオカナダモなどの外来種の繁殖が問題に。周囲の水路をふさぐほど増えたカサスゲの間にアマゾントチカガミの子株が入り込み、翌年の夏場に再繁殖することが繰り返されてきた。市文化振興課によれば、今回は外来種駆除とともに、今後の保全活動のためカサスゲやキショウブの一部も取り除いた。
島内では現在、浮島の森のシンボルであるヤマドリゼンマイやオンツツジも見頃を迎えている。
(2024年4月7日付紙面より)
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能登半島地震で枠拡大 (新宮市 )
能登半島地震の発生を受けて募集枠を拡大した、新宮市の木造住宅耐震診断の2024年度の受け付けが10日(水)から始まる。費用は無料。石川県では多数の家屋倒壊が発生したこともあり、担当する防災対策課は「まずは診断を」と呼びかけている。
新宮市では23年度、木造住宅耐震診断事業の募集枠を100件で設定。23年12月末で約80件の申請を受け付けていた。そこへ元日の能登半島地震が発生。問い合わせが急増し、残っていた約20件の枠も、受け付け終了の24年1月末までに全て埋まった。
さらに受け付けの終了後も複数件の問い合わせがあり、必要性を感じて枠を50件拡大し、24年度は150件とすることを決めた。
さらに、耐震診断の後で行われる改修工事に対しても、新宮市は住宅耐震改修事業補助金を用意していた。これも23年度は50件としていたが、24年度は10件を拡大して60件とした。
防災対策課の上田紘大・防災係長は「できるだけ皆さんに(耐震診断を)受けていただきたい。無料なのでまずは診断を。改修工事も、今は費用が安く済む工法などができてきているし、補助金を使って自己負担が少なく改修できるようにもなってきている。診断で家の強さを確認していただけたら」と話した。
木造住宅耐震診断は、2000年5月31日以前に建築(着工)した木造住宅について、無料で木造住宅耐震診断士を派
遣して行う。一戸建て住宅、長屋および共同住宅を診断する。受付期間は25年1月31日(金)まで。
住宅耐震改修事業補助金は、耐震診断の結果を受けての検討となる。問い合わせは、新宮市防災対策課(電話0735・23・3333)まで。
(2024年4月5日付紙面より)
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世界遺産登録20周年 (新宮市 )
新宮市は1日、JR新宮駅の北西側の踏切手前にある大型観光看板の上部に、新たに「世界遺産登録20周年記念看板」を設置した。縦は0・5㍍、横は4・8㍍で、「祝 紀伊山地の霊場と参詣道 世界遺産登録20周年」とデザインされている。機運向上や市への来訪のPRにつなげたいとしている。
(2024年4月5日付紙面より)
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市内小学校に防災頭巾寄贈 (新宮市土建協同組合 )
新宮市土建協同組合(松根康隆理事長)による防災頭巾の贈呈式が3日、新宮市役所で行われた。松根理事長、松原重充副理事長が速水盛康教育長を訪問し、市内小学校の新1年生への防災頭巾を贈った。
同組合は2010年から市内の小学校に通う児童に向けて毎年贈呈。組合創立60周年記念の取り組みがきっかけで始まり、今年で15回目を迎えた。
頭巾は中綿入りで緊急時は頭にかぶり、落下物から守れるようになっている。普段は学校のいすの背もたれや、集会時に体育館へと持ち込みクッションにできるなど、多種多様の使用が可能。
贈呈された防災頭巾は、市内小学校5校の新1年生185人に配布。転入児や破損分を考慮し、児童数より多めの200個を贈った。
松根理事長は「日頃から、工事などの関係により住民の皆さんには迷惑をかけている。子どもは国の宝。大切な命を守るため、これからも継続したい」。
速水教育長は「長年にわたり寄贈していただき、大変ありがたい。子どもだけでなく、私たちも危機管理と徹底に改めて身が引き締まる思い。頭巾を通して防災教育の充実を図り、意識を高めていければ」と感謝していた。
(2024年4月5日付紙面より)
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