「つれもてエコら」が畑を (那智勝浦町 )
那智勝浦町北浜の北浜公園にこのほど、誰もが自由に野菜を収穫できる「どうぞの畑」が設置された。この珍しい畑は同町の子育て世代の母親などで組織する「つれもてエコら」(井藤朋子代表、以降「エコら」)が管理している。エコらの活動や、畑設置の経緯などを取材した。
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エコらの代表を務める井藤さんは以前から地球温暖化や環境問題について調べていたところ、SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)に触れる機会があり、エコロジーに関する活動を決意。自身のみでは限界があると考え、友人などに声を掛け、昨年12月に結成。メンバーは現在11人。
井藤さんは「地球環境に配慮した生活を一人一人が意識することでつながりが深まり、各地域に広がっていくと思う。環境に優しい町づくりが目標」と話した。
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初協議の際には個人的に実施しているエコなど意見を出し合い、意識の共有を図った。現在は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、メンバーが集まることはできないが、各個人で「子どもといっしょにごみ拾い」「買い物の時点からごみの削減を考える」「生ごみの埋め立て処理」などに取り組んでいるという。
コロナ終息後には他の団体との交流や勉強会の開催、ごみを出さないフリーマーケットや不要となった子ども服を譲り合う催しも視野に入れている。
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イギリス北部のトッドモーデンという町には至る所に食べられる植物が植えられており、誰もが収穫可能なため「食べられる町」として注目されている。それにヒントを得た井藤さんは、エコらの活動として同町でも取り組もうと考え行動を起こした。
エコらは親子連れが集まる北浜公園に畑を作ることを同町に提案し承諾された。町はこれまでも快適な公園づくりのために利用者からの要望を受け、築山などの設置も行っている。
畑は今年7月に完成。井藤さんの知人から譲り受けた土を入れ、土質を改善後、メンバーで植え付けを行った。
現在はミニトマト、ナス、インゲン豆、ヘチマ、モロヘイヤ、バジルなどが育っており、水やりなどの協力を行う近隣住民もいるという。
「どうぞの畑」は思いやりが学べる絵本として知られる「どうぞのいす」から名付けた。井藤さんは「子どもたちに、普段食べている野菜が育つ姿を見て、学んでもらいたい。この畑を見に来た人、収穫に訪れた人たちが交流してくれたらうれしい」。
今後については「この畑が町全体に広がり、町内外の人たちや観光客の皆さんで収穫できたら楽しい。私たち自身がわくわくする町に住みたいし、子どもたちにもそういった町を残したい」と語った。
(2020年8月22日付紙面より)
生涯現役スキルアップセミナー (新宮市 )
新宮市生涯現役促進地域連携協議会は20日、市役所別館で令和2年度第1回生涯現役スキルアップセミナー「野菜づくり体験~野菜を育てるには~」を開催した。JAみくまの営農経済部営農販売課の清水重良さんが、家庭菜園の基礎知識について講演。参加者は家庭菜園に生かすことのできる方法や条件を学んだ。
セミナーは市在住の55歳以上の中高年齢者を対象に、就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所の双方のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進と生きがいづくりの場への参加などの支援を、和歌山労働局の受託事業として実施している。
清水さんは野菜作りにおいて土づくりが最も重要であると説明。「物理性」「化学性」「生物性」の3要件が交じり合った土が良い土の条件と解説した。
良い土の作り方として堆肥や石灰類、肥料の投入を挙げ、「肥料の投入は引き算でなく足し算。少しあげ、変化を見て少ないようなら足してほしい。毎日見に行くことも大切」と話した。
アドバイスとして「まんべんなく日が当たる南北方向を条件に畝をつくり、できるだけ高くする」「種や農薬の情報を見て詳細を把握する」などを挙げた。
同じ場所で同じ作物を続けて作ることで特定の病害虫や病原菌が増えるなど、生育が不良になる連作障害に触れ、「エンドウなどのマメ科だと5年以上、ナス科やウリ科だと3年以上作付けができない」と話した。
清水さんは「分からないことがあれば農協にお気軽に相談を。時間をいただければ直接お伺いします。失敗はプロの農家さんでさえある。めげずに楽しんで頑張っていただけたら」と締めくくり、質疑応答が行われた。
新宮市在住の田戸路郎(みちろう)さん(71)は「良い勉強になったので、これからも野菜づくりを頑張ってみようと思いました」と話した。
9月3日(木)には2回目のセミナーを予定しており、同市緑ヶ丘にある恵広場で実際に野菜の種を植える実習を行う。清水さんらが指導する。
なお、25日(火)には第2回の「英語を学んで外国人におもてなし」が実施されるほか、第3回は「川舟の船頭育成セミナー」も行われるという。
(2020年8月22日付紙面より)
一枚岩「守り犬の影」 (古座川町 )
古座川町相瀬にある国指定天然記念物・一枚岩で晩夏の風物詩「守り犬の影」が出現時期に差し掛かった。
一枚岩の川向かいにある犬鳴岩の影が日差しの加減で一枚岩の大きな壁面に映り込んだときに見られる現象。年2期、晩春と晩夏に出現時期があり、現地の案内板は4月19日前後と8月25日前後の数日間が見頃と伝え、午後5時前後にほえかかるような犬の影を見ることができる。
晩春の影はかすみがちだが、晩夏の影は比較的鮮明に映る。出現時期中は日々下流側から上流側へ移動するように映り込む場所がずれていく。地元では物産販売所のデッキ~道の駅一枚岩駐車場の上流側付近がお薦めの観賞位置といわれている。20日現在、週末から雨天傾向に転じるとの予報が出されているため、午後5時ごろに夕日が差すかどうかを見計らった上で見に行くのが無難だ。
守り犬は一枚岩に伝わる民話に登場する動物。民話は岩が好物の魔物が浦神や高池(現池野山)など所々で岩をかじりながら古座川をさかのぼり、一枚岩にかみつこうとしたところで蔵土(くろづ)から現れた犬がほえかかり追い払ったという内容で、一枚岩に虫食い状の風化があまり見られない理由をそう伝えていたとされている。
守り犬の影は町民が愛犬の姿をなぞらえる影として気付いたことがきっかけとなり、民話再現絵巻としてにわかに観賞を集めるようになった。その評判を背景にしてイラストレーター・ムロケイスケさんが守り犬をキャラクター化。道の駅瀧之拝太郎の「瀧之拝太郎」(兼同町マスコットキャラクター)、同駅虫喰岩の「ムッシーくん」と並ぶ同駅一枚岩のマスコットとして親しまれるところとなっている。
(2020年8月22日付紙面より)
トルベリーノ・クロシオFC代表・北野泰宏さん
【第18回】夏のお酢パワー
長い梅雨が明けて、うだるような暑さになりました。子どもたちが外で遊ぶのも、熱中症にならないか心配ですよね。こうも暑い日が続くと、食欲がなくなってきたお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか? 今日はそんな夏バテにぴったりなお酢のお話をしようと思います。
お酢はその歴史は古く紀元前5000年ほど前からあったといわれています。元々はお酒が原料の調味料です。日本食でも、おすしや酢の物に使われてきましたよね。お酢の「すっぱさ」は酢酸という成分です。これは殺菌作用もあるため、食中毒の原因となる菌の繁殖を抑えて食べ物を傷みにくくしてくれる成分です。夏は食中毒が怖い季節でもありますから、お酢とお魚などの組み合わせもオススメです。マヨネーズが保存料いらずなことも、このお酢の殺菌作用のおかげと言えます。またお酢の酸味は、味覚や嗅覚を刺激して、唾液や胃液の分泌を促すといわれています。これによって食欲増進につながるのです。さらに、お酢には代謝を活発にして、摂取した食べ物を効率よくエネルギーに変える力があります。つまり、疲労回復にも効果的ということです。スポーツの後などに、糖分を摂取するといいと言いますよね。これはグリコーゲンが疲労回復に効果的だからですが、そのグリコーゲンも、お酢と一緒に取ることでより効果的に補給できるといわれています。他にも、お酢には脂肪の蓄積を抑える効果や、腸内環境の改善、高血圧の抑制効果などたくさんの効果があることが分かっています。
数あるお酢の効果の中で、私が一番注目しているのは「減塩効果」です。実は料理にお酢を使うことで、減塩できることが分かっています。お酢には塩が入っているわけではありませんが、酸味が物足りなさを補ってくれるんです。小学校低学年の子どもを対象にした味覚の研究にこんな記述があります。「塩を『酸っぱい』、酢を『しょっぱい』と表現する子供がいた」(三重大学教育学部研究紀要「小学校低学年を対象とした味覚授業の実践」、2016年)。「酸っぱい」と「しょっぱい」はとても似ているんですね。塩分の取り過ぎが健康を害することはさまざまな分野で証明されています。減塩のためにもぜひお酢を取り入れてみてください。
さて、お酢の料理を番組で紹介するとき、打ち合わせで必ず質問に上がるのが「お酢の種類」です。家庭でよく使うのは穀物酢か米酢ですよね? 穀物酢は麦やトウモロコシ、米などから造られます。酸味が強いので、煮物などの加熱調理に使うのがオススメです。一方米酢は、米とアルコールで造られたお酢です。酸味がまろやかなので、おすしや酢の物など加熱しない調理によく合います。夏バテにも健康にも良いお酢。ぜひこの夏、食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか?
(2020年8月22日付紙面より)
6人が仕事への理解深める (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は4日、同署で業務説明会を開いた。県立新宮高校、県立新翔高校の生徒6人が参加。警察の仕事や試験対策などについて説明を受けたほか、鑑識を体験するなどして警察業務への理解を深めた。
同署では進路選択の一助にと、高校生を対象に毎年業務説明会を行っている。
2019年に同署に配属された永谷美波巡査が、試験対策や勉強方法について説明。「過去問題を反復すれば身に付くのでは」などと助言した。昨年警察学校を卒業し今年2月に同署に配属となった渕上晟冴巡査が警察学校時代の思い出を振り返り「夢に向かって一生懸命頑張って」と高校生にエールを送った。
同署生活安全刑事課鑑識係の窪田博文警部補による鑑識体験では、瓶に付いた指紋を採取。「犯人がここを触ったであろうという所を鑑識するのがポイント」などとアドバイスした。
質疑の時間では「何を勉強すればいいですか」「なぜ警察官になろうと思ったのですか」「警察学校での訓練はどんなものですか」などの質問があった。「警察官になって良かったことは何ですか」という質問に対して窪田警部補は「犯人を捕まえた時、そして被害を受けた人から『ありがとう』と感謝された時は何物にも代えがたい瞬間」と答えた。
閉会に当たり、佐々木達也警務課長が、今春、かつらぎ署で県警初となる女性署長が誕生したことについて触れ「女性の活躍の場も広がっており、女性にしか対応できないこともある」と紹介。
学歴は関係なく、努力次第で上がっていける仕事であると述べ「警察は魅力的な仕事だと思っている。私たちの仲間になってもらえることを期待しています」とあいさつした。
(2020年8月6日付紙面より)
「湯ごりの郷」駐車場に設置 (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の社会福祉法人高瀬会の地域密着型バーデンライフ・ケアセンター「湯ごりの郷」(切士知憲施設長)は、新型コロナウイルス感染症による暗い雰囲気を吹き飛ばし、利用者や地域住民の心に明かりをともそうと駐車場に盆行事用のちょうちんを設置した。
「地域に密着した施設」を目指す湯ごりの郷は、2008年の設立当初から毎年「夏祭り納涼盆踊り大会」を開催。子どもから高齢者まで大勢が参加し、「浜ノ宮櫂(かい)踊り保存会」による県の無形民俗文化財の櫂踊りやフラダンスなど多彩な踊りを楽しんでいた。今年は新型コロナ対策のため中止したが、その代替として職員が企画した。
4日には入居者が盆行事の雰囲気を味わおうと駐車場に出向いた。岩﨑明美さん(88)は「踊ったりするのは苦手だけど、きれいだね」、松本恵美さん(94)は「やっぱり太陽に当たるのはいい」と目を細めた。
切士施設長は「2月から面会を断り、花見など外に出掛けるイベントも自粛してきた。季節の行事は利用者さんたちの楽しみの一つ。ちょっとした取り組みだが、車で通り掛かる人にも見てもらえたら」と話していた。ちょうちんは1、2週間設置しているという。
(2020年8月6日付紙面より)
町立小中学校で終業式 (串本町・古座川町 )
串本町や古座川町の町立小中学校が5日、一斉に第1学期の終業式を営んだ。両町とも夏休み期間は6日から19日(水)まで。児童生徒は宿題や通知表などを受け取って学期を締めくくり、2週間の夏休みを迎えた。
新型コロナウイルス感染予防対応に伴い、始業間もなく臨時休校となり5月中旬以降の登校日を経て6月から再開となった第1学期。3月の臨時休校も含め学業の遅れを取り戻すため、普通教室に整備された空調設備を活用して夏休み期間を短縮する形となっている。
古座川町立高池小学校(大畑眞校長、児童64人)は3密と真夏の暑さを避けるため、窓や扉を全開放した町民体育館で間隔を取りながら整列して同式を実施。大畑校長は例年にない第1学期となったがみんなで感染予防対策をして頑張ったことをたたえ、各学年の代表児童1人に登壇を求めて1学期で頑張ったことを発表してもらい努力を振り返るきっかけとした。
夏休みに頑張ってほしいこととして「3密を避ける 密閉・密集・密接」と「うがい 手洗い マスク 早寝 早起き 朝ごはん」も呼び掛け、新型コロナウイルスにやられないよう夏休みを過ごしてほしいとした。
児童会は「一日2時間勉強」「早寝早起き朝ごはん」を夏休み中の目当てとして発表。夏休みを楽しく安全に過ごすため▽交通ルールの順守▽水の事故への注意▽お金を大切に使う―の3点も約束して夏休みに向けた気持ちを引き締めた。
県立串本古座高校は7日(金)に同式を営む。夏休み期間は8日(土)から16日(日)までの9日間という。
(2020年8月6日付紙面より)
8月は北方領土返還運動全国強調月間
北方領土返還要求運動和歌山県民会議(会長=岸本健・県議会議長)は、北方領土返還運動全国強調月間の8月を中心に、県内各地で巡回パネル展を実施している。
本紙エリアでは新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で11日(火)まで展示している。択捉・国後・色丹・歯舞の北方四島は1945年に当時のソ連に不法占拠され、ロシアとなった現在も占領・実効支配が続いている。
同会議は北方領土の返還を平和的な話し合いで実現し、日露間に真の友好関係を築くための「北方領土返還運動」を推進することを目的とし81(昭和56)年に発足。現在は青少年、婦人、教育、労働、経済、農林水産、行政などの118団体が加盟し、北方領土問題の解決に向けて活動している。
(2020年8月6日付紙面より)