たむらさん、故・前田咲二さんの本を寄贈 (新宮市立図書館 )
和歌山市出身の川柳作家・たむらあきこさんは27日、新宮市出身の川柳作家、故・前田咲二(さくじ)さん(享年92)の川柳をまとめた「川柳ベストコレクション 前田咲二の川柳と独白」を同市立図書館に寄贈した。
前田さんは1926(大正15)年、現在の新宮市に生まれ、旧制新宮中学校(現新宮高校)を卒業。江田島の海軍兵学校に入校した。50代後半ごろから川柳の新聞投句を開始し、関西各地の句会や大会での入選率の高さからすぐに頭角を現し、一目置かれる存在となった。
平成に入り、川柳作家・上野楽生氏ら有志が年間入選数から作成した番付表では「横綱」と称され、達吟家として名をはせた。2007(平成19)年に川柳句会「川柳瓦版の会」会長に就任。同時に読売新聞関西版「よみうり時事川柳」欄、「川柳マガジン」時事川柳欄の選者となる。17(平成29)年、大阪府寝屋川市内の病院にて食道がんにより逝去した。
たむらさんは、前田さんに誘われ、編集同人として瓦版の会に所属。前田さんのもと、後継者候補として研さんを積んだ。猫好きだった前田さんはたむらさんを「あきにゃん」と呼び、娘のように接したという。
寄贈の本はたむらさんが監修。前田さんの遺族が川柳瓦版の会に託した川柳ノートに書かれていた約1万5000句の中から約400句を厳選した。中には「那智開運暦を肌身離さない」「ふるさとは地酒にぶつ切りのまぐろ」と、ふるさと・熊野を愛した前田さんならではの句も目にすることができる。
寄贈した9月27日は前田さんの命日。たむらさんは亡くなる約3週間前に、電話で前田さんと最後の会話を交わした。たむらさんが吟行のために熊野地方に訪れるという話をしたところ前田さんは声を振り絞り「自分も行きたい。一緒に行きたい」と伝えたという。
たむらさんは「先生はよく瀞峡での思い出話などを聞かせてくれた。(本は)先生の名前と句を消してしまってはいけないとの一心で監修した。なるべく多くの人に先生のことを知ってもらいたい」と話していた。
同書は、前田さんの母校である新宮高校にも寄贈される予定。
(2020年9月30日付紙面より)
警察官とバス運転手が合同で啓発 (新宮市 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は秋の全国交通安全運動期間中の28日夕方、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店でバス会社と合同で交通事故抑止を目的に啓発活動を実施した。警察官6人が熊野御坊南海バス株式会社、三重交通株式会社の若手バス運転手3人と協力し、啓発物資を手に買い物客らに交通事故抑止を訴えた。
「夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止」は秋の全国交通安全運動の重点の一つ。
啓発活動は、地域ぐるみでの安全意識の向上を目指すことを目的に実施。薄暮時の交通事故抑止に向け、警察官らは手描きのプラカードを手に「早めのヘッドライト点灯」と「飲酒運転根絶」を呼び掛けた。なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、啓発物資の直接配布は行わず持ち帰り方式で実施した。
啓発活動に参加した三重交通の川上大斗さん(25)は「夕暮れの時刻が早まる中、歩行者や自転車の早期の発見に努めたい。交通弱者の保護に気を付けていければ」。
熊野御坊南海バスの岡﨑奨さん(26)は「早めのヘッドライト点灯を心掛け、法定速度の順守に努めたい」とそれぞれドライバーとしての認識を新たにしつつ、歩行者や自転車に対し夜間における反射材や明るい服装の着用、横断歩道の横断を呼び掛け「ドライバーも歩行者も、お互い気を付けることにより交通事故の抑止につながれば」と話していた。
(2020年9月30日付紙面より)
秋の全国交通安全運動 (紀宝署 )
「秋の全国交通安全運動」(21~30日)期間中、紀宝警察署は紀宝地区交通安全協会などと連携し、交通事故防止の徹底を図る取り組みを進めている。
28日には紀宝町神内のナカミチ建機サービス(有城功二・代表取締役)を「シートベルト着用推進モデル事業所」に指定した。同協会の久保正会長が有城代表取締役に指定書を手渡し、シートベルト着用を事業所ぐるみで徹底してもらうことを求めた。有城代表は「全社員にシートベルト着用と交通ルール順守を徹底したい」と述べた。
29日には御浜町神木の特別養護老人ホームエイジハウスに安全運転管理推奨像を伝達した。推奨像は事業所内の交通安全活動を積極的に実施してもらうため、3カ月ごとにリレー方式で伝達するもので、紀宝地区安全運転管理協議会(榎本恵一会長)が1989(平成元)年から実施。これまで同署管内90以上の事業所をリレーしてきた。
今回は旧事業所の紀宝町社会福祉協議会からエイジハウスに引き継ぎ、ハンドルキーパーモデル事業所にも指定した。
伝達式で榎本会長は新事業所への協力を呼び掛け、同署の濱口裕史署長は「地域から1件でも事故が減る努力をする」と述べた。
エイジハウスの大橋一智施設長は「今後も職員に交通安全の徹底を呼び掛けていく」と話していた。
(2020年9月30日付紙面より)
秋の全国交通安全運動啓発 (古座川町 )
古座川町高池、河内橋北詰交差点で29日早朝、秋の全国交通安全運動(期間9月21日~30日)の街頭啓発があり啓発員が往来するドライバーの交通安全意識を促すなどした。
4連休半ばに期間が始まった同運動。この啓発は当初25日に実施する予定だったが天候不順により29日に延期とし、同日も時折小雨がさす状況となったが、春秋年2回の希少な啓発の機会であり期間も終盤に差し掛かっていることから雨対策をして臨むこととした。
当日は西前啓市町長ら役場、同町交通指導員会、串本警察署から17人が啓発員として参加。T字構造の同交差点の三方に分かれて同署署員が往来する車両に安全な一時停止を求め、啓発物品を手渡し声掛けもして安全運転を呼び掛けた。
和歌山県・交通事故をなくする県民運動推進協議会が掲げる同運動の重点は▽子どもを始めとする歩行者の安全と自転車の安全利用の確保▽高齢運転者等の安全運転の励行▽夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止―の3点。今回の啓発では、啓発物品に飲酒運転抑止のためのグッズを複数入れて同署管内の重点色も出した。
同署の楠間慎也交通課長は「県警管内の交通事故件数は減っているが、死者数はほぼ横ばい。皆さまにはこの運動後も引き続き交通事故防止の協力をお願いしたい」と地域へ呼び掛けている。
(2020年9月30日付紙面より)
日清食品カップ県小学生陸上競技交流大会
串本太地道路用地幅杭設置式 (那智勝浦町 )
国土交通省近畿地方整備局と和歌山県などは5日、那智勝浦町体育文化会館で、紀伊半島を一周する幹線道路計画の一つである「一般国道42号 串本太地道路」の用地幅杭設置式を開いた。式典には二階俊博自民党幹事長や仁坂吉伸県知事、田嶋勝正串本町長、三軒一高太地町長、堀順一郎那智勝浦町長など近隣市町村の各首長をはじめ関係者約150人が出席した。
紀伊半島を一周する高速道路ネットワークの一部を構成する串本太地道路は、2018年度に事業化。災害時の交通確保や救急医療活動・広域周遊観光の支援を目的とした全長18・4㌔㍍の自動車専用道路となっている。
今年3月には串本町と那智勝浦町の一部地域で道路の用地取得に必要な幅杭の設置を、4月には用地の買収に着手。8月には古座川町で幅杭の設置が行われたという。
門博文国交省大臣政務官は「紀伊半島一周の夢が近づいてきた。全線開通を目指し事業を推進していきたい」。
仁坂知事は25年に開催予定の大阪・関西万博や、串本町に建設されるロケット発射場においても同道路が重要であるとし「道路の完成は地元が発展の絵を描ける。用地取得がスムーズにいくように皆さまのために協力していただきたい」とあいさつした。
二階幹事長が「待望だった串本太地道路の式典が開けたことは夢のような気持ち。遅れている和歌山から進んでいく和歌山とするためにも、県全体を盛り上げていきたい。用地交渉においても担当する地元の成果が必要となる。私も和歌山へ観光客や商売の方々をこちらへ呼び込んでこられるような努力をしていきたい」と祝辞を述べた。
続いて、館内に設置されたモニターに、関係する3町の事業者や園児などが式典に対し応援のメッセージを贈る姿が映し出された。その後、各来賓らが幅杭の前に立ち、一斉に木槌で杭を打ち込んだ。
「がんばろう三唱」では、新型コロナの防止のため関係者は声を出さず、堀町長の掛け声に合わせて手を突き上げるポーズを取り、早期完成への士気を高めた。
式典終了後、二階幹事長は「高速道路の紀伊半島一周は皆さまと共に叫び続けてきたこと。スムーズなゴールを迎えるためには協力と、完成させるという雰囲気が必要になる。立派に完成させたい」と意気込みを語った。
(2020年9月8日付紙面より)
熊野川河口大橋記念碑の除幕式 (紀宝町 )
熊野川河口大橋記念碑の除幕式が5日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷であった。自民党の二階俊博幹事長、鈴木英敬知事、国土交通省の吉岡幹夫道路局長、莊司健町議会議長、同省近畿地方整備局の溝口宏樹局長、架橋虹の会の福本稔夫会長、田岡実千年新宮市長、同町の西田健町長がくす玉を開披し、記念碑の建立を祝った。
記念碑は高さ190㌢、幅330㌢。同町鵜殿の熊野川河口大橋建設現場近くに建立した。碑銘の「熊野川河口大橋」は二階幹事長が揮毫(きごう)し、官民一体で架橋に取り組んできた歴史が刻まれている。
2002(平成14)年7月、新宮市の住民団体「海岸道路の建設を促進する会」、翌年7月に旧鵜殿村の住民団体「架橋虹の会」が発足し、河口大橋建設を求める動きが活発化した。04(平成16)年3月には行政、議会が参画し、官民共同による「熊野川河口に橋を架ける会」を組織。架橋に向けての機運が高まり、熊野川河口大橋を含む新宮紀宝道路が13(平成25)年度に事業化された。
河口大橋は紀宝町と新宮市を結ぶ全長821㍍。同町側では昨年8月から3基の橋の下部工事に着手し、今年8月末に完成。7月から上部工事に取り掛かっている。
式典には藤根正典、谷川孝栄両三重県議、濱口太史和歌山県議、紀宝町議ら約40人が出席。西田町長が「熊野川河口大橋は地域の物流、観光、産業、経済、災害時に重要な『命の道』と『地方創生の道』。完成した際は地域のみんなで喜び合えるようにしたい。記念碑を保存し、皆さまのお力添えを後世に残していきたい」とあいさつした。
二階幹事長は「ふるさとは住む人が中心になって築き上げていくもので、われわれが頑張らないといけない。これからも大橋を中心に、われわれの地域が大きく飛躍するよう頑張ろう」、鈴木知事は「河口大橋が一日でも早く実現するようしっかり努力したい。今日という日を歴史に刻み、明日へとつなげていきましょう」とそれぞれ祝辞を述べた。
閉式後、二階幹事長らが記念碑を訪れ、河口大橋の進捗(しんちょく)状況も確認した。
式典は記念碑前で6日に予定していたが、台風10号による悪天候が予想されたため屋内での開催となった。
(2020年9月8日付紙面より)
少年少女発明クラブ開講式 (新宮市 )
新宮市役所別館で5日、令和2年度市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)の開講式と第1回講座が開かれた。本年度は現時点で15人が参加し、講座を通して楽しく学んでいく。
少年少女発明クラブは全国各地にあり、県内では10市町で活動。講座を通じて、子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、楽しく自由な発想でさまざまな制作、野外活動に取り組んでいる。式は当初、4月に行われる予定だったが、新型コロナウイルスの影響から緊急事態宣言で学校が休校を余儀なくされたことなどに伴って開講を延期。本年度については来年3月まで全7回の講座を実施する。
開講式で瀧野会長は「本来は12回にわたって開催を予定していましたが、コロナウイルスのため遅れてしまった。できる限り休まずに参加してほしいと思います。感染症対策を意識しながらも、楽しく取り組んでください」とあいさつし、発明バッジを参加者に授与した。
第1回講座では近畿大学附属新宮高校スーパーサイエンス部の1、2年生8人がマイナス196度の液体窒素を使った実験を披露。児童は部員たちに教わりながらバナナやスーパーボール、花などを固めて、くぎ打ちや跳ね具合を確認した。
山本望心君(10)は「これまで実験の経験はあります。興味もあるので、これから楽しみ」。赤木幸仁君(10)は「実験は初めて。めったにない機会なので、いろんな実験に取り組みたいです」と話していた。
定員の20人まで若干の余裕があり、市生涯学習課では参加者を募集している。問い合わせは同課(電話0735・23・3333)まで。
(2020年9月8日付紙面より)
和田禎祐杯サッカーU―10
写真集「熊野修験」を発刊 (世界遺産熊野本宮館で写真展も )
三重県出身のフリーカメラマン、森武史さん(62)が写真集「熊野修験」を月兎舎より出版した=写真。B5横長判並製140㌻(カラー120㌻、モノクロ20㌻)。発刊に当たり1日、森さんと那智山青岸渡寺の髙木亮英副住職が田辺市本宮町の「世界遺産熊野本宮館」で会見を開き「写真集の発刊は皆さまのご尽力と神仏のご加護のおかげ」と感謝を述べた。
写真集は、1988(昭和63)年、髙木副住職が熊野修験を再興してから33年の節目を記念するもの。
約1300年前に役行者(えんのぎょうじゃ)によって開かれ、各地の霊場へと広がっていった修験道。中でも那智の滝や大峰山脈を有する熊野は日本第一霊験所として多くの山伏が修行に訪れ、全国各地へ熊野信仰を広めていった。しかし、1872(明治5)年、廃仏毀釈(きしゃく)の世情の中、修験道廃止令により熊野修験も途絶した。
髙木副住職は父・亮孝氏(青岸渡寺第7世大僧正)の遷化の際、遺品の中に山伏装束を発見。亡父の遺志が熊野修験の再興であったことを知り、父への追善供養と自らへの使命感から再興を決意した。
髙木副住職は1988(昭和63)年、大峰山脈の南奥駈ルートを整備していた「新宮山彦ぐるーぷ」の力を借り大峯奥駈修行を、92(平成4)年に那智四十八滝回峰行、94(平成6)年に葛城二十八宿修行を復活させた。
2001(平成13)年当時、熊野古道を撮影していた森さんは、髙木副住職に大峯奥駈道の案内を依頼したことをきっかけに修験道の精神性に引かれたという。「髙木副住職の功績を残したい」との思いから修行に同行することになり、以降約20年にわたり山林抖擻(とそう)する山伏らの姿を撮り続けた。
完成した写真集を前に森さんは「ぜひ手に取ってもらって山伏の自然に対する思いを感じ取ってほしい」。
髙木副住職は「迫力がひしひしと感じられる。一コマ一コマが思い出深い。熊野修験を後世に残す意義深い本だと思う」と述べ「目に見えない、言い表しがたいものが熊野三山にはある。人それぞれに応じた霊験や癒やしを求めて多くの人がやってくる。これからも多くの人に来ていただき、熊野の大自然を感じ自己を見つめていただければ」と話していた。
写真集は本体価格2500円(税別)。発行部数は2000部で、大阪、京都府、和歌山、奈良、三重県の主要書店や月兎舎ホームページ(https://www.i-nagi.com)、楽天ブックスやAmazon(アマゾン)などで購入可能。
また、今月30日(水)まで、同館北棟展示スペースで再興三十三周年記念写真展「熊野修験」を開催している。開館は午前9時~午後5時。
(2020年9月3日付紙面より)
高田小・中が稲刈り (新宮市 )
新宮市立高田小・中学校(大家淳志校長)の児童生徒18人と教職員は8月31日、地域住民らと総出で学校田「たか田んぼ」の稲刈りをした。
同校伝統の取り組みで、子どもたちに農業の喜びや苦労、地元の自然の大切さを知ってもらうことが目的。2015年に育友会の溝口亮会長らの呼び掛けで米作りを復活させ、今年で6年目となる。
例年は教職員が稲刈りの手順を教えるが、今年は小中合同の縦割り班を作り、中学生が鎌の使い方や稲わらの結び方を教えた。児童生徒は互いに声を掛け合い、こまめに水分補給をしながらずっしりと実った稲穂を刈り取った。今年はシカやサルの食害もあったが、地域住民らも無事に収穫を迎えて喜びを分かち合った。
久保凜花さん(中1)は「今年は中学生が稲刈りを教えるということで、責任感が強まった。小学生の子たちはすごく活躍してくれた。去年に比べて稲が大きく育ってくれ、香りも強い気がする。今から新米を食べるのが楽しみ」と語った。
収穫した稲穂は新高田会館前の歩道の柵で乾かした後、脱穀作業をする予定にしている。
(2020年9月3日付紙面より)
「緊急警戒宣言」解除受け (紀宝町 )
三重県は8月31日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため県独自で出していた「緊急警戒宣言」を解除した。これを受けて紀宝町社会福祉協議会は、1日をもって分散勤務を終了し、神内福祉センターへの外部立ち入り禁止も解除した。今後もマスク着用や手指消毒、3密回避といった対策を継続する。
神内福祉センター内の子育て支援センターも1カ月ぶりに再開し、初日から親子が遊び場に参加した。淡海順子センター長は「親子で安心安全に利用していただけるよう、マスク着用や手指消毒はもちろん、おもちゃを滅菌庫で消毒したり、空気清浄機を設置したりもしています。残暑が厳しい中ですが、育児の息抜きに遊びに来てください」と呼び掛けている。
新型コロナに対応した事前行動計画(タイムライン)を運用している紀宝町も町独自の「緊急事態宣言」を解除。熊野市、御浜町など近隣市町で14日以上感染者や濃厚接触者が確認されていないことから、タイムラインのステージを4から3に引き下げた。町では引き続き感染予防啓発に取り組み、週1回の対策本部会議で各課の対応を確認していくという。
(2020年9月3日付紙面より)
全署規模で災害警備訓練 (串本警察署 )
串本警察署(﨑口忠署長)が2日、総合災害警備訓練に取り組み要領習熟と意識高揚に努めた。
この訓練は、県警察本部が部内奨励する「災害に備える日」(毎月5日)の活動の一環。普段は署内各部署またはその連携の範囲で取り組む形が定着しているが9月は関東大震災(1923年9月1日発生)にちなむ防災の日を軸とする防災週間によりいっそうの意識高揚が全国規模で求められる状況があり、同署も例年この訓練を計画し全署規模で取り組んでいる。
本年度計画した訓練項目は▽徒歩と車両による警察官の緊急避難訓練〈庁舎から代替指揮所まで〉▽簡易レッカーによる放置車両排除訓練▽信号機滅灯対策訓練―の三つで、当日は訓練開始まもなく強い雨が降り出したが、一部内容を変更しながら有事は荒天もありとして対処し﨑口署長ら署員20人と大水崎避難路の使用時にまたぐ線路上の安全確保などで協力したJR串本駅の三輪順平駅長ら駅員5人が臨んだ。
緊急避難訓練は海抜約3㍍にある庁舎から同約54㍍にある同所まで署員と車両を速やかに上げて事後対応につなげる(警察機能を被災で損失させない)ことを目的とした定番の項目。車両排除訓練は簡易レッカーの要領習熟を目的とした新規項目で、今回は軽四輪貨物自動車(トラックタイプ)の四輪に簡易レッカーをはめて4人がかりで押し動かすまでの流れを実践した。
信号機滅灯対策訓練は国道42号西向信号交差点を実際に滅灯して実施。警察官が素養として身に付けている手信号で交通誘導を実践した。
全体指揮を務めた同署交通課の楠間慎也課長は「いつ起こるか分からない災害に対する心の準備を常に持ち、今後も継続的に訓練に取り組んで避難対策や応急対策を高めていきたい」とコメント。
同訓練を見届けた﨑口署長は「警察には住民を救助する責務があり、それは訓練を重ねないと円滑に発揮しがたいものでもある。この訓練を通して不備や支障があれば今後検討し、災害に備えてほしい」と署員の今後を期待した。
(2020年9月3日付紙面より)
もみじ会、8月ゴルフコンペ
王子サッカー教室監督・大谷康央さん