地元説明会で住民が要望 (八郎山トンネル問題 )
施工不良で工事のやり直しが決まっている「八郎山トンネル」問題について、和歌山県東牟婁振興局新宮建設部工務課は1月30日夜、那智勝浦町の中里会館で地元説明会を開いた。地域住民の約30人が参加。無念をこらえ早期完成を求めた。
那智勝浦町と串本町を結ぶ「八郎山トンネル」は、2023年12月に開通を予定していたが、施工不良が発覚。代表工事業者である和歌山市の淺川組が、約2年をかけてやり直しの工事を行うことが決まっている。
説明会では、トンネルのコンクリート壁が規定の厚さを確保できておらず、空洞もあちこちにあること、中心が最大14・4㌢ずれていること、アーチ形の骨格部分「支保工」にずれが生じていることなどが語られた。「コンクリートをはがし、支保工もやり直す」などと伝えられた。県の検査不足も認めた。
参加した住民からは「(大型の工事の)車が(地域を頻繁に)通るのも我慢し、みんなが用地買収にも協力してくれて、やっと通れると思ったのに、(施工不良の)話を聞いて、みんながショックを受けた。また2年待たないとならないのか。一日でも早く完成させ、通れるようにしてほしい」との声が上がった。
他の住民からは「やっと(工事の)トラックが少なくなるとほっとしていたのに、また増えることに。工事の関係で台数が増えるときは、事前に教えてほしい」との要望があった。県は「淺川組に、地元に分かるようにと指導する」と応じた。
工事車両の通行速度についても「ダンプカーは(地域住民に配慮して)遅いスピードで走るが、コンクリートミキサーや他の工事車両は速い」と苦言を申し入れた。
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トンネル手前の盛り土部分について、当初は新宮市の相賀と高田をつなぐ、国道168号の2号トンネル(仮称)の掘削土を使う予定だったが、基準値を超える有害物質が確認され、使用できなくなっていた。
これについて県は、別の工事で発生した掘削土を、安全性を確認した上で使用するなど「状況を見て土を入れる」と伝えた。
(2024年2月1日付紙面より)
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古座川町で子育て講座 (県教育委員会 )
古座川町高池にある中央公民館で1月29日に県教育委員会主催講座「こころが軽くなる子育て講座」があり、主催者を含め20人が受講して日頃の子育てやその支援の一助になる気付きを探り得るなどした。
この講座は、地域の人材を活用し地域ぐるみの子育て体制を整備する趣旨で年2回、県の北部と南部に会場を設けて開いている。参加対象は保護者やその支援者ら。この日は本年度2回目の実施で、県内の上級かんぶつマエストロ第1号でNHK・Eテレへ講師出演した経験もある乾物卸売業「株式会社野田商店」(海南市)の代表取締役社長・野田智也さんが演題「日本の伝統食『かんぶつ』を次世代へ~子どもたちへ一生のプレゼントを~」を掲げて登壇した。
序~中盤は講演で、野田さんは物流の発達により生鮮食品が主流化し調理に手間がかかることもあって消費が減少している乾物だが、ただ乾いているだけではなく先人の知恵が培った保存性の高さや「UMAMI」という共通語が生まれるほど世界からも注目されている自然のうま味の凝縮(だしの文化)など秀でた魅力が詰まっているとしてそのイメージをアップ。乾燥昆布に含まれるうま味成分「グルタミン酸」の量は母乳や羊水とほぼ同じだと紹介し、胎児期の感覚を思い出させるつもりで子どもたちの食事に取り入れてその良さを伝えてほしいとした。
固定的に捉えられがちな乾物の食べ方に幅を持たせるため、水以外で戻す方法や調理法のアレンジも紹介。終盤は乾物スイーツ店「3時のかんぶつ屋さん」オーナーの手腕でレシピ「あべかわ麩(ふ)」の作り方を実演紹介しながら、情報交換をするなどした。
(2024年2月1日付紙面より)
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認知症サポーター講座 (太地中 )
太地町立太地中学校(山本佳人校長)で1月25日、認知症サポーター講座が開かれた。2年生16人が、認知症の人への接し方や自分にできるサポートについて考えた。
毎年2年生が受講している講座。町の福祉に関わる株式会社下里福祉つつじ園の看護師・川口利恵さん、太地町地域包括支援センターの社会福祉士・植本亮太さん、主任ケアマネジャー・𠮷川功さん、町役場住民福祉課の保健師・前田かなみさんの4人が来校した。
川口さんは最初に「『最期まで自分らしくありたい』というのは誰もが持つ願いだが、それを阻んでいるのが認知症。もし自分が将来認知症になっても、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、一人でも多くの人に認知症の人やその家族の応援者である『認知症サポーター』になってほしい」と講話。
脳の障害がもたらす記憶障害や理解・判断力の低下、見当識障害、言語障害(失語)などに触れつつ「認知症で失敗が増えても、周りの理解があれば心穏やかに暮らせる。大事なのは安心できる人間関係」と語った。
寸劇を交えて認知症患者の人との接し方を考える時間もあり、自分事として言葉遣いや態度、話すスピード、取るべき行動について意見交換した。講座後には生徒にサポーターの証しであるオレンジリングが配られていた。
(2024年2月1日付紙面より)
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緑丘中で地震火災避難訓練 (新宮市 )
新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長、生徒221人)で1月29日、地震火災避難訓練があった。市消防署の沖﨑勝己副署長と大江郁也消防副士長の立ち会いの下、生徒らは避難時における対処や経路などを確認した。
同校では、災害時に迅速な避難ができるよう年に3回実施している。この日は震度5強の地震が起こった後、2階の第2理科室から火災が発生したと想定。生徒は身の安全を確保すると、教職員の指示に従いながらグラウンドへと逃げた。
後半には消火器の取り扱い方法の説明もあり、各学年の代表生徒と教職員が「火事だ!」と声を上げながら訓練用消火器で練習に取り組んだ。
訓練を見守った沖﨑副署長は避難の時間、経路、ルールが大切と述べ「迅速に落ち着いて避難できたと思います。とにかく人命第一。『自分の身を自分で守る』ということを忘れないでください」と講評。
宮本校長は「災害はいつ、どこで、どのような形で起こるか分かりません。想定通りとなるとも限らないため、2次避難を踏まえ自分たちで考えることが重要。この訓練を別の場所でも生かせるよう、意識してもらいたい」と呼びかけていた。
(2024年2月1日付紙面より)
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