新宮市観光協会特別委員会(会長=里中陽互・市観光協会長)は24日、田岡実千年市長に「通過型観光地から地域主導の滞在型観光地への実践」を提案。委員会でまとめた市の観光振興の具現化案を報告した。
観光客に占める宿泊客の割合が10・7%にとどまる市の観光を取り巻く現状を踏まえ、市観光協会では、昨年9月に特別委員会を設置。通過型から滞在型の観光地を目指すため6回にわたり協議を進め、「地元に眠る観光資源(素材)を発掘し、磨き上げにより観光客が聖地・熊野新宮へ行ってみたくなる回遊滞在型観光コンテンツを地元のわれわれが一体となってつくる」ための実践への取り組みをまとめた。
この日は里中会長と隅地洋・特別委員会副会長、市観光協会の森本祐司専務理事、山本大輔事務局長らが市役所を訪れ、「癒やされます」をコンセプトに回遊性を高める滞在型観光コンテンツを提案した。
新宮城・神倉神社・熊野古道を三つの柱に「新たな発見に感動する~しんぐう 魅力発見旅~」と題し▽新宮城跡と城下町食べ歩き・まち歩き▽熊野川舟下りと新宮三社巡り▽海の熊野古道と万葉歌人の吟行巡り―など七つのプラン案を提示し、多様なニーズに対応するため、テーマ別に地域の観光資源を生かしたミニツアーや体験などもまとめた。
また、市に対して「観光コンテンツの情報発信と旅行エージェントへのプロモーション」「滞在型観光地を推進するための受け入れ態勢の整備」のための取り組みなどを要望として提案した。
隅地副会長は「地元が中心になって行政と連携することが大事。市民を巻き込まないと本当のおもてなしはできない」。里中会長は「官民協力し合い、観光地として新宮をつくっていければ」と主張。
提案を受け、田岡市長は「行政の役割も具体的に示していただいた。実現できればまちの活性化に結び付く。今すぐにはできないこともあるが、行政としても皆さんと一緒にできることからやっていきたい」と応じた。
(2020年12月25日付紙面より)
「お食事処きく」が義援金 (新宮市 )
新宮市井の沢の「お食事処おふくろの味きく」の店主・森下喜久(きく)さんは23日、市社会福祉協議会(田中信秀会長)に、今年7月に熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した「令和2年7月豪雨」への義援金を託した。
同店舗では郵便ポスト型の貯金箱を設置しており、売り上げの一部を寄付するなど募金活動を続けている。地域住民をはじめ森下さんの人柄を慕い、全国各地から訪れる出張者、観光や帰省客らが募金に協力。来店者たちの善意で、今回3万5876円の寄付が集まった。これまでも東日本大震災(2011年)や紀伊半島大水害(同年)、熊本地震(16年)、西日本豪雨(18年)、千葉県で発生した台風15、19号による大雨災害(19年)などの被災地にも義援金を送っている。
森下さんは協力してくれた来店者らに感謝し「少額ではありますが、貯金箱には多くの人の温かい真心が詰まっています。復興を目指す中、今年は新型コロナウイルスの影響もあって大変な日々を過ごしていると思います。少しでも役に立てればうれしい」。
義援金を受け取った大谷康央事務局長は「年末年始を迎える中、コロナ禍で思うように復旧が進んでいない話を耳にしているので、願いが込められた支援にありがたく思います。復興に向け有効に活用してもらえれば」と話していた。
(2020年12月25日付紙面より)
吹奏楽部ミニコンサート (串本古座高校 )
県立串本古座高校(左近晴久校長)の吹奏楽部(仁木愛里部長、部員7人)が23日、生徒有志が自主設置したイルミネーション前でミニクリスマスコンサートを開いて場を盛り上げた。
体育祭や文化祭などの行事をコロナ禍の影響で失った生徒らの思い出づくりの場になればと願って設置したこのイルミネーション。本点灯を始めた直後に「ミニコンサートも開けないか」というアイデアが持ち上がり、提案を受けた同部は生徒有志と同様の思いで挑戦を決意した。
部員は5日間というごく限られた時間の中で、雰囲気に合う楽曲を急ぎ習得。迎えた本番ではアンコール曲を含め3曲を演奏し、生徒やその家族、住民や教員が鑑賞し拍手でたたえるなどした。
演奏を終えて仁木部長(2年)は「楽しかったけれど、練習時間が短くて完全な演奏で聴かせられなかったのは残念」と苦笑いしつつ、「コロナ禍で楽しいことがどんどん減っているけど、こんな風にできることもいろいろとある。みんなで協力してやっていきたいですね」と込めた思いを語った。
このイルミネーションは来年1月15日(金)まで(12月29日~1月3日を除く)の平日午後5時~8時に点灯している。
(2020年12月25日付紙面より)
直見の妙見神社で区民有志 (古座川町 )
古座川町直見(ぬくみ)にある妙見神社で22日、数十年ぶりとなる例祭が営まれた。区長の畦智邦男さんら区民有志7人がかねての思いにコロナ禍退散の願いを積んで奉仕の再開を決起。約40人が参列し、祭神に礼を尽くした。
この神社は妙見橋の右岸側に位置。石垣の上部に宇津木石を組むなど重厚な境内に、明神~三尾川(みとがわ)を向く方向で祭神が祭られ地蔵尊が安置されている。主祭神は牛頭天皇。畦智さんによると例祭は旧暦11月8日に営まれていたが、幼少だった数十年前に餅まきを見た記憶を最後に途絶えている。他方、区外でこの神社を高く評価する声があることにも気付いていて、いつか奉仕を再開したいと思いを募らせているところで新型コロナウイルス流行という時代に直面。牛頭天皇には疫病退散を願い祭られる側面があり有志は今こそ再開と思い立ったという。
旧暦11月8日に当たる新暦12月22日を期日とし、古座神社の石田保宮司に出仕を依頼して例祭の執行を触れ込み。当日は境内をのぼりで飾って神饌(しんせん)を献上し、石田宮司に続いて参列一同で玉串をささげて祈願した。神事後は餅まきや飴まきをし、神前に民の活気を誘って締めくくった。
同橋の下は遊泳場として親しまれるが、今まで大きな事故があったことはなくこれも同神社のご加護だと感謝する有志ら。畦智さんは「コロナ感染はしないさせないの思いで何とか早く収束してほしい。全ての区民の安全と健康と繁栄と併せてそう願った」と語り、今後は区の役員の総意が得られれば区行事、得られずともできる限り例祭を続けて直見の氏神として忘れずに見守る意欲をにじませた。
(2020年12月25日付紙面より)
高田公民館でしめ飾り作り (新宮市 )
新宮市高田区の高田公民館(西徹分館長)は20日、新高田会館で「しめ飾り作り講座」を開いた。同区住民ら約20人が参加。同市元鍛治町で自営業を営む傍ら「御燈祭(おとうまつ)り」で上(あ)がり子たちが履く草鞋(わらじ)の制作を担う堅田裕見子さんを講師に招き、それぞれ趣向を凝らしたしめ縄作りに没頭した。
以前、公民館行事で堅田さんから草鞋作りを学んだ同公民館。時節柄、しめ飾りの講習を要望する声も多く、それに応える形で開催に至った。希望者が多かったものの、新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点から参加者を同区民限定とし、マスク着用や換気を徹底して実施された。
この日の制作では、わらを継ぎ足しながら編んだしめ縄を、千代紙や折り紙で作った扇や紙垂で飾り付け。参加者らはそれぞれ好みの折り紙を選び、短冊に「賀正」「謹賀新年」「笑門福来」などの文字を書き入れた。しめ縄作りでは堅田さんからの手ほどきを受けた参加者らが試行錯誤しながらも縄を円形に整えていった。
短冊に「しっぱいしてもそのままやれ」と書き入れ、しめ飾りを完成させた水口山(みなくち・さん)君(7)は「難しかったけどオリジナルの飾りができた」。講座を企画した同区の金子蘭さんは「意外と簡単にできて、大人も子どもも喜んでくれた。玄関に飾りたいと思います」と笑顔で話した。
後継者育成の一端にと、公民館や小学校で草鞋作りの体験講座を行う堅田さん。「御燈祭り」に向け、今年は10月から草鞋を作り始めた。同祭の中止を受け「草鞋作りは過酷だが、祭りが終わると毎年達成感が得られる。制作者には継続が切れたことによりテンションが下がってしまう人もいる。多くの人に後継者が途切れることに対し危機感を感じていただければ」と話していた。
(2020年12月23日付紙面より)
高速道建設協が横断幕
高速道路をつなぐ建設促進那智勝浦協議会(小阪三喜子会長)は那智勝浦新宮道路の市屋や浜ノ宮のインター付近に、昨年の掲揚分に加え、新たに「大阪・関西万博2025年までに開通!高速道路 串本太地道路」と記された横断幕を掲げ、機運を高めた。
同協議会はこのほど、国土交通省や地元選出の国会議員などの元を訪問し要望活動に取り組んだ。
10月には小阪会長や大江清一副会長、漆畑繁生副会長らと共に国交省の小林茂樹政務官と鳩山二郎政務官と面会。その後、自由民主党の二階俊博幹事長や鶴保庸介参議院議員、足立敏之参議院議員、門博文衆議院議員の元を訪ねた。
11月には田辺市で開かれた「近畿自動車道紀勢線建設促進協議会」にも出席。さらには大阪府の国交省近畿地方整備局、田辺市の紀南河川国道事務所にも向かい声を届けた。
要望書には全国的に、近年の大型台風や局地的豪雨などによる自然災害の多発、発生が懸念される南海トラフ巨大地震による津波で紀南地方は甚大な浸水被害が想定されるとし、唯一の幹線道路である国道42号の分断で、多くの「孤立地域」が発生すると記した。
「防災」「減災」「国土強靱(きょうじん)化」3カ年緊急対策事業の7兆円確保は平成31年度事業化された紀伊半島一周高速道路の完成を加速するとし、感謝を示した。
さらに「防災・減災等に資する国土強靱化基本法」にのっとり、「串本太地道路」の一日も早い多数箇所着工に向けた配慮を求める内容となっている。
小阪会長は「2025年には道路の景色が変わる。人々の幸せにつながる道路。道路が変われば街も変わる。私たちはこのことを望んでいます」と話した。
(2020年12月23日付紙面より)
串本町立串本西中学校3年、清野健太郎君が20日、本年度中高生読書まつりビブリオバトル和歌山県大会(以下県大会)に出場しチャンプ本に選ばれる高評価を収めた。2年連続の高評価で、22日夕方に田嶋勝正町長へ結果を報告するという。
県大会は、県教育委員会主催、県立図書館主管。市町村単位の地域大会でチャンプ本に選ばれたバトラーが県立情報交流センターBig・Uに集まり、まず予選に臨みそのチャンプ本バトラーが決勝に臨む流れで評価の頂点を競い合った。
清野君は前年度の県大会にも出場し、当時2年生ながらチャンプ本に選ばれた実力派。今回は推奨本「むかしむかしあるところに、死体がありました」の書評で挑戦し、まずは町教育委員会主催の地域大会でチャンプ本の評価を得て県大会出場権を獲得した。随行した同町教育委員会教育課によると、県大会予選は16人が4組に分かれて実施。清野君はその枠でもチャンプ本の評価を得て決勝へ進出。決勝での発表は投票前に「チャンプ本になる」と確信できるほど素晴らしかったという。
本来であれば県大会の上位に全国大会があるが、前年度に続いて本年度もコロナ禍の情勢により中止。清野君は2度目の出場権も行使できない形で今回の挑戦を終える結果となった。
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同まつりではPOP(ポップ)コンクールの表彰式もあり、同町立潮岬中学校2年、廣瀬葵空さんが奨励賞の表彰を受けた。
コンクール名に掲げるPOPは、推奨本への興味を誘う吹き出し風のカード。中学生と高校生の2部門があり、廣瀬さんが応募した中学生の部には今回、391点の応募があったという。
奨励賞は最優秀賞1点、優秀賞1点に次ぐ評価。廣瀬さんの作品は同町小中学生ポップコンクールで入賞こそ逃したものの秀作と評価されPOPコンクールへ応募。結果、奨励賞に選ばれた。
直接表彰ではなく表彰伝達となるが、奨励賞に次いで佳作も25点選ばれていて同町関係では潮岬中1年松原琴音さん、串本中2年藤野遥さん、串本西中3年の赤松奏弥君、西向中2年田中こあさんの各作品が入賞したという。
(2020年12月23日付紙面より)
2団体が協力し球根植栽 (那智勝浦町 )
環境保全活動や風景の良い場所づくりなどを展開する日本風景街道熊野(大坂憲久会長)と那智勝浦町狗子ノ川のチーム御所の地(建石修代表)は20日、同町狗子ノ川の通称「御所の地」の休耕田でチューリップとスイセンの球根の植え込みを行った。開花時期は来春を見込んでいるという。
球根は10月に、田辺広域市町村と連携を図り交流を深めることを目的とした「地域連携によるチューリップ大作戦~花咲かそう!街咲かそう!人咲かそう!交流会フォーラム~」において、「花いっぱい運動」に協力する各団体に贈呈されたもの。近畿建設協会から支援を受けている。
まちづくりや環境保全に取り組むふるさと共会の代表理事も務める大坂会長によると、両団体での共同作業は初で、知人や行政に協力者を尋ねたところ、建石代表の名前が挙がり今回に至ったという。
また、この植栽は地域の活性化や住民・来町者への癒やしの場の提供とともに、来年10月30日(土)から和歌山県全域で開催される「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」の啓発も兼ねているという。球根が植えられた箇所付近には同文化祭を知らせる小さなのぼりも設置された。
8年前から休耕田にコスモスを植え、人々の目を楽しませている建石代表は「花好きの方も多いと思うので勝浦が花いっぱいになればうれしい。新型コロナウイルスの影響で暗い時代になっているので、ぜひ来年4月ごろに満開となったチューリップを見て癒やしてもらえたら」と語った。
大坂会長は「町の活性化や癒やしのために皆さんで知恵を絞り予算化して花を増やしていきたい。花と人、人と人のコミュニケーションづくりの場になっていただければ」と話した。
(2020年12月23日付紙面より)
2020少年サッカー新人戦
硬式野球体験練習会 (南紀ボーイズ )
新宮市長杯女子サッカー大会
建設工事パトロール実施 (新宮労基署 )
新宮労働基準監督署(中前英人署長)は1日、新宮市佐野の株式会社エフオン新宮発電所新設工事現場でパトロールを実施。労働災害防止の啓発に努めた。
パトロールは年末年始無災害運動(12月1日~1月15日)期間中の取り組みの一環。慌ただしい年末年始において、大掃除や設備の保守点検などの作業が多くなることに加え、積雪や凍結による転倒などの危険が増すなど労働災害発生の危険性が危惧される中、安全管理意識を引き締め、経営者・労働者が一丸となって安全衛生活動を推進し、無災害で乗り切る状況を促すことを狙いとしている。本年度の標語は「きっちり確認 ゆっくり休息 しっかり準備 年末年始無災害」。
和歌山県の11月10日現在の労働災害件数は781件。昨年同時期から9件減少しているものの死亡事故は6件に増加しており、予断を許さない状況となっている。
この日は和歌山労働局の片野圭介・労働基準部長と新宮労働基準監督署の松尾駿・労働基準監督官が現地を訪れ▽墜落・転落災害の防止▽建設機械、クレーン等災害の防止▽倒壊、崩壊災害の防止▽火災・爆発等災害の防止▽職業性疾患の防止―などを重点的にパトロールを実施した。
同社技術統括部の水野泰朗副部長が工程調整会議の実施や、作業エリアや工事車両、重機配置などの調整にデジタル野帳アプリを使用していることなどを説明。施工を行う株式会社大林組からも各種パトロールの実施や情報発信・共有のために現場対応ビジネスアプリを導入しているなどの紹介があった。
パトロールを終え、片野労働基準部長は「段差などにも配慮されており、きれいに作っていただいている。事故の起こりにくい現場と感じた」などと講評。さらなる安全管理の徹底を求めた。
同社の発電所は来年秋ごろの完成を予定しており、そこから試運転を経て2022年3月から運転を開始する予定。発電所の定格出力は1万8000㌔㍗で、年間発電量は一般家庭約3万世帯分となる。年間稼働日数は330日(24時間稼働)。燃料として県内や近隣県から調達した木質チップを年間約18万㌧使用する。
(2020年12月4日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で2日、来年のえと「丑(うし)」の色紙が完成した。九鬼宮司が7月初旬から墨とポスターカラーで描いていた。色紙は手描き1000枚、印刷2000枚を用意。手書きは元旦以降祈とう(有料)を受ける参拝者らに授与され、印刷は2000円で3日から授与されている。
手描きの色紙には太陽を背にした黒牛を描いた。牛の輪郭を描く線に、鋼のよろいをイメージした金色を使用し「世界中の人々が難局を取り除きながら新たな一歩を踏み出し、大きく羽ばたくことのできる明るい年であるように」と願いを込め「翔」の文字を書き入れた。
印刷の色紙には真正面を見据える青牛。背中には「いい一年を」と鏡餅を背負っている。青色に医療従事者への感謝を込め、「よみがえりの地」熊野から新たな出発を興してほしいとの思いから「出発」の文字を添えた。それぞれの色紙に「祈 コロナウイルス終息」の印が金色と銀色で押されている。
九鬼宮司は「共に新型コロナの終息を願って仕上げた。皆さんが力強く前に進む一年であってほしい」と色紙に込めた思いを語った。
印刷色紙は郵送も可能(送料別途)。問い合わせは同大社(電話0735・42・0009)まで。
(2020年12月4日付紙面より)
冬の飛散抑えるため設置 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が3日、会員や関係者の協力を得て串本町くじ野川にある橋杭海水浴場に防砂ネットを設置した。
環境省「快水浴場百選」の一つに数えられる同海水浴場は、橋杭岩や紀伊大島を望める開放感や良好な水質、絹のようになめらかな砂浜を特色とする。他方、冬場に強く吹き抜ける風で砂が舞いやすく、近隣への飛散とそれによる砂浜の目減りを抑えるためシーズンオフ中にこのネットを設置している。
この日は中村洋介副会長ら14人が作業に参加。設置場所は遊泳区域内の砂浜で、海岸線に対して垂直となる方向へ高さ約1㍍、幅約12㍍のプラスチック製ネット16枚を約4㍍間隔で張り、過去の使用で破れた部分を取り除いた短めの再利用ネット3枚も追加で設置して約80㍍幅で飛散抑制の対処をした。
設置期間はシーズンイン直前の来年3月末前までを予定。舞い上がった砂を飛散する前にネットへ当てて落とす仕組みで、例年ネットが半ば埋まるぐらいの飛散抑制効果を発揮している。本年度は県事業により、遊泳期間終了後に砂1100立方㍍が追加されたところ。新たな砂が少しでも飛散抑制できることを期待して作業を締めくくった。
(2020年12月4日付紙面より)
大林さんに全商連会長表彰 (南紀くろしお商工会 )
女性会員の増強などに貢献したとして、南紀くろしお商工会女性部部長で和歌山県商工会女性部連合会の理事を務める大林幸子さんが全国商工会連合会会長表彰・女性部功労賞を受賞した。2日、那智勝浦町商工会館で伝達式が行われ、同商工会女性部の辻本圭子副部長や中村美紀子副部長、会計の東佳代さんが祝いに駆け付けた。
同商工会によると、例年、東京都渋谷区のNHKホールで商工会全国大会が開催され、総理大臣や参議院・衆議院の議員などを含む約2000人規模で実施されているという。
今年は商工会法施行60周年記念の節目の大会だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小して開かれた。コロナの影響を鑑み、和歌山県からは県商工会連合会の代表のみが出席した。
同商工会に在籍し40年以上が経過した大林さん。女性部の部長は6年目となり、これまで会員増強やさまざまな商工会活動などに尽力してきた。
女性部として2015年に中小企業庁長官表彰を受賞、その翌年に部員増強の年間実績が1位となり、全国商工会女性部連合会から表彰されている。それらの活躍を含め、県商工会連合会が大林さんを推薦し、今回の表彰に至った。
同商工会の森川起安会長は「私が会長を務めて19年目だが、このような賞を受賞したのは初めて。私にとっても名誉なこと」と評価。
「これだけ多くの女性会員を増強できたのは全国でも珍しい。組織にとって大きな力だからこそ表彰されたのだと思う」と語った。
大林さんは受賞について「商工会の皆さまや女性部の皆さまのおかげ。慢心することなく、これからも高みを目指していく決心であります」と話した。
(2020年12月4日付紙面より)
那智勝浦少年野球クラブが訪問
新宮市民スポ祭兼連盟杯社会人大会 (紀南バレーボール連盟 )
宇久井海水浴場で流木など撤去 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井地区(中路進総区長)と町、町建設業組合(上地秀和理事長)、和歌山県、新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長)は11月30日、宇久井海水浴場で官民一体の清掃活動を実施した。参加した約60人が協力し、漂着した流木などのごみを集めて撤去した。
同地区は景観美化を目的に毎年活動を実施してきた。昨年の度重なる台風などで多くの流木やごみが漂着したことから、区単独での撤去が困難となり町に相談し、管理者である県に要望した。その後、両組合に協力を呼び掛けた。清掃活動は1月末に行われて以来の実施となった。
参加者は各箇所に大きな流木などを集め、重機でトラックに積み込んだ。小さなごみは、町指定ごみ袋に詰めていった。
清掃に参加した矢熊義人副町長は「自分たちだけでは手に負えないごみなどもあり、地元や県、各建設業組合さんのご協力に感謝しています。今後も一体となって、わが家のようにきれいにしていけるよう取り組んでいきたい」。新宮地方建設業協同組合の松根康隆・副理事長は「地域貢献と思い取り組んでいます。これからもできる限り協力していきたい」。
中路総区長は「地形の関係もあって、ごみや流木が集まってくることが多く心配していました。日頃、地域の方々がボランティアで清掃してくれておりありがたいです。区だけでは、活動に限界があるため、多くの皆さんの協力に感謝しています」と話していた。
(2020年12月1日付紙面より)
4年生が総合学習の一環で (井田小 )
紀宝町立井田小学校(石谷正秀校長)の4年生25人が11月25日、道の駅「紀宝町ウミガメ公園」を訪れ、ウミガメの生態や環境保護の大切さを学んだ。
同校では、総合学習「地域に根ざした学習」の一つに「ウミガメ学習」を設けており、今回の訪問はその一環。同公園の飼育員・伊藤柊也さんが説明した。
児童たちは、施設で飼育する淡水にすむカメとウミガメに触れ、違いを確認。伊藤さんは「ウミガメは泳ぎやすいよう水中に特化した手に進化し、淡水ガメは陸や川底を歩くため爪が生えている」と話した。
ウミガメの種類について「アカウミガメは頭が大きく、カニや貝など硬い生物を主食とする。アオウミガメとタイマイはそれぞれ口に特徴がある。主食となる生き物が違うため特徴が異なる」と解説。アオウミガメの雄雌の見分け方も教えた。
近くの井田海岸に移動し、伊藤さんは「浜は砂利が多く、今年のアカウミガメの産卵はなかった。近年、砂浜が減少し、産卵に適しなくなってきた」と説明。産卵があった際は、卵が台風で流されないために井田小のふ化場に移していることも伝えた。
児童からはウミガメの寿命や餌などの質問があり、「ウミガメは人と同じくらい70~80年生きるといわれているが、定かでない」「飼育するウミガメにはアジ、イカ、キャベツを与えている」などと答えた。
(2020年12月1日付紙面より)
CGS部、千羽鶴など託す (串本古座高校 )
県立串本古座高校CGS部(森陽翔部長、部員20人)がこのほど、10月30日にトルコ共和国であった地震の被災者を励ますため千羽鶴とメッセージ色紙2枚を作った。
この地震はイズミル県沖のエーゲ海を震源として発生し、100人以上の死者、1000人以上の傷者、さらに多数の被災者を生む被害をもたらした。
そのニュースを知り、かねて日本とトルコの友好につながる何かをしたいと考えを巡らせていた同部は、日本の被災地を応援する方法の一つとなっている千羽鶴を作ることを決め、部員20人で手分けし約2週間がかりで仕上げた。併せてメッセージ色紙も送ることにし、被災者が一目で分かるようインターネット上の翻訳機能を駆使して日本語とトルコ語の両方で応援の思いを寄せ書きした。
どうやって被災者に届けるかを考えた末、役場に仲介してもらうことを決めて、11月26日に田嶋勝正町長を表敬訪問。森部長(2年)が同部の思いを乗せて千羽鶴とメッセージ色紙を託した。田嶋町長は日本トルコ友好周年事業の共催で親しい関係にある駐日トルコ共和国大使館経由で被災者に届ける、と約束して千羽鶴、色紙、思いを預かった。
今回の取り組みについて森部長は「僕たちにできる事でどうやれば被災した皆さんを元気づけられるか、と話し合い千羽鶴を折ることにした。発生から2日後のことで、義援金も考えたけれど日本で浸透しているこの方法が自分たちの思いを一番伝えやすいと思った」とコメント。
田嶋町長はトルコ軍艦エルトゥールル号遭難やトルコ航空邦人救出などを振り返って助け合いの積み重ねが歴史を風化させず友好を支えている側面を部員に諭し、「役場に寄せられているトルコ西部地震災害義援金と共にこの応援もきっと次の30年、50年の友好につながっていく」と語りかけて同部の行動をたたえた。
(2020年12月1日付紙面より)
不思議科学実験ショー (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)は11月28日、那智勝浦町の体育文化会館で令和2年度の「不思議科学実験ショー」を開催した。児童生徒や保護者合わせ40人が参加。「分光の実験」として、「分光器」の工作やさまざまな実験を行い、光について学びを深めた。
例年は科学技術振興機構・サイエンスレンジャーの海老崎功さんが講師を務めているが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から今回はオンラインで実験をサポートした。
森川会長は「コロナ禍での開催のため、じゅうぶんに対策をさせていただいた。科学実験ショーを楽しんで、勉強して帰ってください」とあいさつ。
オンラインで京都からサポートした海老崎さんは「科学ショーの継続は素晴らしい。南紀くろしお商工会さんが大変な努力を重ねているからこそ。今日は新しい情報技術を駆使して実験の様子を見させていただきます。楽しんでください」と話した。
実験はスライドショーに合わせて、音声で解説が行われた。はじめに、進行方向に物体がある際に、その裏に回り込む現象である「回折」を学んだ。
配布されたフーリエ変換ホログラムという回折格子が付いた「1枚で2度ふしぎなカード」で実験。カードは光を通すことで回折像が見えるように作られており、児童らは小さな光を照らし、カードをのぞくことでイラストが見えることや、明るい場所でかざした手を見れば手の骨のようなものが見えることを確認した。
続いて、工作した分光器でさまざまな光を見て、光の波長ごとの分布強度(スペクトル)を確認した。その後、児童生徒らに同商工会から分光器の手作りキットがお土産として手渡された。
参加した町立太田小学校6年の尾鷲俊人(しゅんと)君は「スペクトルという言葉を初めて知った。光によって見え方が違うことが分かった。家でもやってみたいです」と語った。
(2020年12月1日付紙面より)
イオンSSカップサッカー大会
JA共済旗学童軟式野球大会