熊野修験再興後に初 (那智山青岸渡寺 )
那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の行者堂で、成田瀧英(りゅうえい)さん(51)が、山伏として護摩焚(だ)きを許される加行(けぎょう)満行を果たした。熊野修験再興後、女性では初。24日の月例護摩供では、成田さんが初めて護摩焚きを厳修した。
成田さんは修験道の世界に足を踏み入れたきっかけについて「ご縁あってのこと」と語る。1972年に秋田県で生まれ、仕事のために東京都板橋区熊野町へ上京。熊野権現を勧請(かんじょう)した熊野神社の近くに住んでいたことから、当地方の熊野三山を訪れた。
海と山が近く、水の循環が体感できる熊野の自然に魅せられ、神秘ウオークやあげいん熊野詣で何度も何度も通い詰めるうち、先輩の山伏たちとの出会いで、かつて神仏習合の一大修験道場であった那智山の歴史や宗教観に触れていったという。
2018年の大峯奥駈修行の「春の峯入り」で初めて鈴懸の山伏装束を身に着け、22年には得度して剃髪(ていはつ)。山林抖擻(とそう)や那智四十八滝回峰行、写経、読経などの修行を積み、昨年10月に150年ぶりに再建された熊野修験の根本道場「行者堂」で加行を積んだ。
多くの人々の支えを受けて修行を積んできた成田さん。「山からお力を頂き、里に下りてきた時に皆さまにお分かちすること、神仏と人をつなぐのが山伏の役目。今後はさらに利他行に努めたい。そして、日本第一霊験所である那智山のこと、熊野修験のことを多くの人に伝えていきたい」と話す。
熊野修験の大導師である髙木住職は「昔は女人禁制の聖地が多い中、熊野は浄不浄や性別、身分を問わずにあらゆる人々を受け入れてきた。熊野で修行をした山伏が先達として人々を導き、熊野比丘尼(びくに)として信仰を広めた女性たちもいた。この地で成田さんが厳しい修行を積まれ、加行満行されたのは非常に意義深
いこと」と語り、今後の活躍に期待を込めていた。
(2024年2月28日付紙面より)
第11回フェスタ講演会 (南紀熊野ジオパーク )
第11回南紀熊野ジオパークフェスタの講演会が24日、串本町潮岬にある同パークセンターであり69人(主催者発表)が聴講しエリア内の魅力を再確認する一助にした。
本年度のフェスタの前半となる企画。盛りだくさんのブースなどと講演会の両方をじっくり親しみたいという声に応え、今回は講演会と式典・各種ブースを別日に設定し、前後半2日間として来場を呼びかける内容としている。
今回は11年目を迎えていま一度初心を振り返るという趣旨でこの講演会を計画。講師は和歌山大学(紀伊半島価値共創基幹災害科学・レジリエンス共創センター)の客員教授・後誠介さんで、「今改めて、南紀熊野ジオパークの魅力は!」と題して登壇した。冒頭で①熊野の霊場を育んだ大地②安らぎの景観・驚きの景観③きらめく紀州路④紀の国・温泉の謎を解く―の4点を論旨として掲げ、①では熊野古道大雲取越えの道中にある丸石、那智大滝、神倉神社のゴトビキ岩、熊野川の御船島(みふねじま)、古座川の河内島(こうちじま)、交通の難所として知られる三重県尾鷲市~紀伊木ノ本間、一枚岩や虫喰岩(むしくいいわ)や橋杭岩などに順次着目し、これらは総じて熊野酸性岩が織りなす造形であると紹介。元となった熊野カルデラ火山は隆起と風化などで山体がなくなり、現在は地下1000~2000㍍でできた熊野酸性岩が露頭している状態だとした。
②では安らぎを感じさせる志原海岸と驚きを感じさせるフェニックス褶曲(しゅうきょく)などを対比し、付加体と前弧海盆堆積体の見え方の違いを示唆。③ではヤッコカンザシの遺骸や丘陵部に海岸の砂利が乗っている状況から大地の隆起を捉え、さらに海面上昇・下降が絡み合って現在の景観が形作られている状況④では同パークエリアの温泉水の大部分が雨水と地下から上がってくる熱流体が混ざることで作られ、雨水は放射性水素年代測定で100年以上前の降水に由来することが分かっていてそこに価値があると解説するなどした。
(2024年2月28日付紙面より)
相野谷小中が防災学習 (紀宝町 )
紀宝町立相野谷中学校(矢田哲也校長)と相野谷小学校(竹本和拡校長)は26日、人権・防災学習を同町高齢者生産活動センターなどで行った。中学1年生8人と小学5、6年生16人が地域住民と共に校区内の平尾井地区を防災の視点を持ちながら歩き、全3回の学びで得たことを発表した。
2021年度から小中合同で取り組んでおり、地域の特徴や災害時の危険箇所を点検して防災マップを作り、安全に避難する手段を身に付けるとともに、地域の一員として自分にできることを考えるのが狙い。三重大学大学院工学研究科准教授の川口淳さんを講師として迎えている。
児童生徒は4班に分かれて1月にタウンウォッチング、今月6日に防災マップを制作しており、この日は学習のまとめとして地域住民や学校運営協議会、保護者に参加を呼びかけ、同じコースのタウンウォッチングと学習発表会を行った。
センターを出発した児童生徒は1月の点検で調べたことを住民に説明。住民からも紀伊半島大水害の被害を聞きながら地区内を歩いた。センターでは川口さんが地域の特性を踏まえ、災害時に気を付けることなどを解説。能登半島地震にも触れた上で、「災害のメカニズムは二つで、自然、そして社会の脆弱(ぜいじゃく)性(ハード、ソフト)が起こす」と指摘。学習ではハード、ソフト両面を学んだとし、「誰がどこで何をできるかを常に見つけてほしい」。地域全体に向け、「若い人は少ないがいる。子どもたちもいずれ出て行くかもしれないが、故郷に年に何度かは帰ってくる。能登は帰省していた若い人が力になった。子どもたちを大切にしてほしい」と呼びかけた。
学校運営協議会の西村喜久男会長は「大人の視点では気付かないことに気付けた。高齢化が進むが、皆さんと連携し防災減災に努めたい」と話した。
(2024年2月28日付紙面より)
火災予防兼ね、住民らも感謝 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の旧宇久井海水浴場の堤防で26日、草刈りがあった。カミジ技建株式会社の社員7人が区役員や地域のボランティアに協力し、町道フェリー港線沿い175㍍の生い茂ったススキやセイタカアワダチソウを刈り取り、トラックへ積み込んでいった。
以前は沿線住民が草刈りや剪定(せんてい)、犬のふん対策の注意看板設置などの環境美化に取り組んでいたが、高齢化によって活動が困難に。区や住民ボランティアによる草刈りやクリーンセンター搬入、裁断焼却にも大きな労力を要し、難航していた。
町内では今年、4件の火災が相次いで発生しており、地域住民から「もしたばこのポイ捨てでもあれば、枯れたススキにすぐに燃え広がってしまう」と懸念する声が上がっていたところ、宇久井の旧フェリーターミナルで新宮港港湾施設整備工事の消波ブロック製造を請け負うカミジ技建が協力を申し出た。
宇久井区の土井正治総区長は「過去には堤防の排水用の溝が詰まって浸水被害があったことも。住民生活のため、定期的な草刈りや溝掃除は重要。地域貢献ということで協力が得られてありがたい」と感謝を述べていた。
3月2日(土)には、株式会社夏山組が側溝の排水不良に伴う泥上げの奉仕活動を行う予定だ。
(2024年2月28日付紙面より)
神戸大学卓球部が合同合宿 (那智勝浦町 )
県下小学生バレーボール新人県予選大会
公務災害防止研修に98人 (新宮市消防団 )
新宮市消防団(中谷健兒団長)による公務災害防止研修「健康づくりセミナー」が18日、市役所別館大会議室であった。団員98人が参加し、運動を通して健康管理への認識を深めた。
東日本大震災や紀伊半島大水害で活動中に消防団員が犠牲となったことを踏まえ、消防団安全対策事業の一環として実施。中谷団長が「消防団が活動する災害現場は精神的負担や危険が伴う。皆さんの能力を発揮してもらうためには健康が大事。研修を通して今後の健康増進につなげてください」とあいさつした。
健康運動指導士でNPO法人日本健康運動指導士会の杉浦資史さん、川村護さんが講師を務めた。
杉浦さんは「全国で80万人が消防団に所属しており、年間1100件以上のけが、事故が起こっている。訓練中の肉離れ、捻挫などが多く、日頃の体づくり、運動によって予防できることがある」と説明。けがなく活動できるよう「毎年、健康診断を受け、日常生活に運動を取り入れてください」と呼びかけた。
団員らは、いすに座ったまま腕、肩、足首、股関節などのストレッチをし、タオルを使ったトレーニングにも取り組んだ。首や腹筋などを鍛える運動に続き、2人一組で体幹トレーニングを実践、全身運動で脳の活性化も図った。
(2024年2月21日付紙面より)
近畿高校サッカー選手権大会
第76回近畿高校サッカー選手権大会の準々決勝が18日、上富田スポーツセンターで行われた。12年ぶり出場の近畿大学附属新宮高校(和歌山3位)が近江(滋賀1位)と対戦。3―1で勝利し、準決勝進出を決めた。
大会には近畿2府4県の代表16校が出場し、17日に開幕した。
近大新宮は1回戦で履正社(大阪第2代表)と対戦。後半2分に先制を許したが、16分に西世愛君(2年)が得点し同点に追い付いた。試合はPK5―4の末、初戦突破を果たした。
準々決勝の近江戦では前半7分に西君のアシストから住川宗正君(2年)がシュートを決め先制。22分に和田尽主将(同)から弓場蒼太君(同)、28分に住川君が再び得点を挙げた。後半31分には1点を返されたものの、リードを守り試合を制した。
準決勝2試合は23日(金・祝)午前10時30分からを予定。紀三井寺公園球技場で近大新宮対初芝橋本(和歌山2位)、同公園陸上競技場で東山(京都1位)対草津東(滋賀2位)があり、午後2時から決勝戦と3位決定戦を行う。
(2024年2月21日付紙面より)
歯・口に関するポスター (那智勝浦町 )
日本学校歯科医会主催の令和5年度歯・口の健康に関する図画・ポスター中央審査会で、那智勝浦町立那智中学校3年の石井沙耶佳さんと同町立市野々小学校1年の湊陽琉君の作品が、それぞれ全国佳作で入賞を果たした。
児童生徒の口腔(こうくう)衛生に関する理解と認識を高める目的で毎年実施しているコンクール。石井さんの作品は和歌山県審査の中学校の部、湊君は小学校低学年の部で最優秀賞に選ばれ、和歌山県代表として中央展に出品されていた。
石井さんの作品は「食べる楽しさを健康な歯と共に」との言葉とともに、自身と祖母が笑顔でスイーツを食べる様子を描いており「甘い物が好き。年を取っても、おいしい物を一緒に食べられたらいいなと思いを込めた」と語る。
いつも使っている黄色い歯ブラシがポイントだという湊君は「毎日朝昼晩と歯磨きをしている」ときれいな歯で笑顔を見せた。同コンクール県審査では市野々小学校2年生の大谷英吉君も入選に選ばれており「虫歯は一本もないよ」と話していた。
(2024年2月21日付紙面より)
紀宝警察署協で委員が
第4回紀宝警察署協議会が19日、同署であった。協議会委員がサポート詐欺を体験、パソコンに表示された「許可」を無造作にクリックしてしまい、詐欺に引っかかった。
サイバー犯罪対策は生活安全刑事課の担当署員が講話。コロナ禍のステイホームで、電子決済、ネットショッピングなどサイバー空間の公共空間化が加速し、スマートフォンによるインターネット利用増加とともに、サイバー犯罪も増えているという。
フィッシングによる個人情報などの詐取、ウイルス感染、偽警告によるサポート詐欺の事例を挙げ「サポート詐欺で警告などが鳴ると、自分での対処は難しい。警告画面は直接電源を切るなどの措置が大事」と伝えた。
協議で森阪剛士署長が昨年の管内概況を説明した。特殊詐欺は前年より2件多い4件で被害総額は約1010万円で、前年より約997万円増加。架空料金請求詐欺2件30万円、還付金詐欺1件約50万円、金融商品詐欺1件930万円だった。「金融機関やコンビニなどを連携した水際対策、高齢者への被害防止を呼びかけたい」と述べた。
交通事故は317件で前年より24件増加。物損事故308件、人身事故9件、死者はなかった。車両単独の自損事故が5割、国道42号での事故が2割を占めた。署では、運転者の緊張感の保持のため「見せる交通指導取り締まり」を強化し、交通安全教室、広報啓発活動を継続するという。
ドメスティックバイオレンス(DV)6件、ストーカー4件、児童虐待15人、高齢者虐待2件あり、児童虐待が前年より10人増加した。少年補導は4件増え8件だった。刑法犯認知件数は59件で、検挙数は51件。窃盗犯が6割以上を占めた。
(2024年2月21日付紙面より)
4年ぶり「南の国の雪まつり」 (那智勝浦町 )
4年ぶりとなる第26回商工祭「南の国の雪まつり」(実行委員長=森川起安・南紀くろしお商工会長)が18日、那智勝浦町役場周辺であった。真っ白な雪山に子どもたちの歓声が響き、1万365人(主催者発表)の来場者でにぎわった。
人、物、地域との「ふれあい」をテーマにした地域の一大イベントで、太地町の姉妹都市である長野県白馬村から運んだ約100㌧の雪が目玉。
雪山に到着した子どもたちは目を輝かせ、早速雪合戦にそり滑り、雪だるま作りに駆け出した。雪で遊んだ後は、かじかんだ手足を温かい手湯・足湯に浸した。家族5人で来場した西拓己君(8)は「そりが楽しかった」。母親の裕子さんは「子どもたちが雪に触れられる機会はここぐらい。毎年楽しみにしており、久しぶりの開催で自分も楽しめた」と語った。
周辺一帯が歩行者天国となり、熊野朝市・楽市やフリーマーケットも盛況。メインステージでは地元ダンスチームのパフォーマンスもあった。南紀くろしお商工会青年部による「強運王決定戦」には小学生約100人が参加し、バナナの早食い1位を当てるステージでは会場も大いに盛り上がった。「強運王」の松下愛純さん(7)は賞品のニンテンドースイッチを手に「すごくうれしい」と笑顔で話した。
初実施の「防災チャンバラ」では、スポンジの刀と命(ボール)を身に着け、30対30で「合戦じゃ~!」。防災クイズを交えてぶつかり合い、バトルロイヤルを勝ち抜いた渡邉翔太君(11)が熊野最強の防災侍になった。
最後は「お菓子な餅まき」で締めくくり、森川実行委員長は「真っ白な雪で遊ぶ子どもたちの笑顔は何ものにも代えがたい。能登半島地震で大変な状況もあるが、今日一日は楽しく遊んでほしい」。南紀くろしお商工会青年部の浦賀英昭部長は「天候が回復して良かった。ぜひまた来年もご来場を」と話していた。
(2024年2月20日付紙面より)
鯨スタミナ丼の調理実習 (太地中学校 )
太地町立太地中学校(山本佳人校長)で14日、鯨肉を使った調理実習があった。食べ盛りの3年生5人が、鯨の竜田揚げにニンニクが効いた甘辛いタレを絡めた「鯨のスタミナ丼」と「鯨の本皮をつかったみそ汁」の2品を作り、笑顔で味わった。
小学1年生から多面的にクジラ学習を続けてきた生徒たちに、地域の食文化も知ってもらおうと実施。ゲストティーチャーは、町内のホテル「いさなの宿・白鯨」や「道の駅たいじ」のメニューにもある「鯨のスタミナ丼」のレシピ考案者・竹村直也さん(太地町開発公社)。
竹村さんは生徒たちに肉の切り方を指導し、肉の繊維に対して垂直に切ることで、同じ肉でも食感が柔らかくなることを教えた。生徒たちは鯨肉をカットし、片栗粉をまぶして180度の油でカラッと揚げていった。タレに絡めてキャベツの千切りと一緒に丼に盛ったら完成。竹村さん特製の梅酢につけ込んだ鯨肉の竜田揚げも作った。
使った鯨肉は約2㌔、米は13合も炊いたが、生徒たちは「余裕っす」ともりもり平らげていった。その食べっぷりに竹村さんも笑顔を見せ「太地の子どもでも、クジラの刺身は食べるが、火を通すと臭みが出るので苦手という子もいる。好みは人それぞれだが、いろいろな料理法があることを知ってほしい」と話していた。
竹田成さん(15)は「鯨のスタミナ丼は初めて食べるかも。おなかいっぱい。家で作ったら家族が喜ぶと思う」と話していた。
(2024年2月20日付紙面より)
有志が田原海水浴場を清掃 (串本町 )
「県外からも大勢訪れる見学場所をきれいに」。ロケット「カイロス」初号機の公式見学場となる串本町の田原海水浴場で16日、有志約70人による清掃活動があった。
この活動は、先月26日にスペースワン株式会社の遠藤守取締役が初号機の打ち上げ日時〈3月9日(土)午前11時~正午ごろ予定、予備期間3月末まで〉を発表して以降、有志の輪が広がり実現した奉仕。最終的に和歌山ロケット応援団、県立串本古座高校CGS部、串本ライオンズクラブ(LC)、町の4者共催、株式会社人見建設、株式会社小森組、有限会社柏木商店の3者協力という布陣で挙行となり、共催を代表して同部の部長候補・宮本和也さん(2年)が前述した趣旨を呼びかけて清掃を始めた。
人海戦術による砂浜の漂着ごみ回収が主な作業で、町指定ごみ袋(容量50㍑)に入るごみを軽トラック10台分、入らない流木などのごみを4㌧トラック1台分、砂浜から取り除いた。
串本LCは作業参加に加えてボトルドウオーター「串本の水」を有志に差し入れ。作業後は集めたごみや各種打ち上げ応援のぼり、「カイロス」実物大懸垂幕とともに記念撮影をし、打ち上げの成功を願う思いを分かち合った。
同部の呼びかけに応えて参加した同校生徒会執行部の副会長・松尾美空さん(2年)は「ロケットを見に来た人が少しでも浜辺にいやすいようにと思ってごみを拾った。ロケットもやっとの打ち上げなのですごく楽しみ」、会計・芦立心さん(2年)は「これだけ大きい浜辺なので最大限活用できるようにしようと思って活動した。延期されてからの打ち上げなので、その分楽しみも詰まっていると思う」とそれぞれコメント。
例会の延長で共催し有志の頑張りをねぎらった串本LCの小森正剛会長は「ロケットの打ち上げは県にとっても町にとっても素晴らしい事業なので大いに盛り上がってほしいし、われわれも少しでもそのお役に立てたらという思いで共催をさせていただいた。まずは初号機の打ち上げが成功することを願いたい」と思うところを語った。
(2024年2月20日付紙面より)
料理研究家、Mizukiさん迎え (新宮市 )
メディアなどでも活躍する料理研究家、Mizuki(みずき)さんを迎えての料理教室が16日、新宮市保健センターであった。参加者9人がフライパン一つでできる「ツナとトマトのワンポットパスタ」と「塩カラメルポテト」を教わった。
乳幼児や子どものいる家庭の防災意識向上を目指す、新宮市の子育て支援団体でつくる「乳幼児の命を守る会」(勢古啓子委員長)が主催した。
災害に備え、備蓄食料を普段の食事に使いながら備蓄する「ローリングストック」を活用した料理で、ツナ缶やトマト缶、パスタなど備蓄でき、普段食べている食材を使用した。
災害後、水と電気が使えるようになったと想定し、Mizukiさんは二つの料理を紹介。参加者とスタッフがレシピ通りに調理し、アドバイスを受けながら完成させた。
出来上がった後は試食し「おいしい」「簡単だった」「家でもすぐできそう」などと話していた。会場にはローリングストックの食料を展示した。
(2024年2月20日付紙面より)
30人が月例射会に参加
近畿スポ少剣道交流大会
那智山両社寺で節分行事 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で3日、節分行事が営まれた。境内や堂内に「福は内、鬼は外」の声が高らかに響き渡り、厄災を払って地域に春を呼んだ。
コロナ禍を経て4年ぶりの節分会となる那智山青岸渡寺では、本尊の秘仏「如意輪観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳。早朝から節分会を順次営み、髙木住職が裃(かみしも)を着た参列者の名前を一人ずつ読み上げて所願成就を祈った。参列者たちは升に書かれた「七難即滅、七福即生」を三唱し、内陣に向けて「福は内」、反対を向いて「鬼は外」と豆まき。一年の無病息災と幸福を願った。
熊野那智大社では2回にわたって節分祭鬼追い追儺式(ついなしき)があった。大勢の大檀那(だんな)(特別崇敬者)が参列し、内庭で神事を執り行った。古式にのっとった衣装と面を付けた役人役が社殿の鈴門柱に進み、福升に入った豆をまいた後、鬼やらい用具(先の割れた竹)で鈴門の基礎石を3回打ちながら「家内安全、延命息災、家運隆昌」と大声で唱えた。
境内では花薗龍人権禰宜(ごんねぎ)(35)がお弓の儀に臨み、「鬼」と朱書きされた的に矢が命中すると拍手と歓声が起こった。男成宮司や大檀那らが宝物殿から豆まきした。
お弓の儀を執り行った花薗権禰宜は「これ以上災害もなく、皆さまが健やかに過ごされるよう願って矢を放った」。
参拝に訪れた牧戸克記さん(44)、香奈子さん(29)、陽之介君(2)一家は「一年を元気に過ごせるよう、家でも豆まきをする」と笑顔で話していた。
(2024年2月4日付紙面より)
介護予防教室で講話 (和歌山県 )
和歌山県の主催による、介護予防体操実践教室が1日、県東牟婁振興局とオンラインであった。和歌山信愛女子短期大学の岡井明美教授が「高齢期に取りたい毎日の食事と栄養」をテーマに講話。会場で13人、オンラインで多数が参加。高齢期の理想的な食生活について学んだ。
岡井教授は、栄養、運動、脳の健康、人とのつながりが、元気な体と心を支えてくれると強調。加齢で心身が老い衰えた状態を指す「フレイル」について「栄養不足が大きく関わる」と話した。「何もしないと筋肉は衰える。早めの気付きが重要」と伝えた。低栄養についても説明。「欠食は低栄養に直結するリスク」「体重減少は要介護の発生率が高くなる」などと語った。必要な毎日の食事と栄養として「適正量を食べ、バランスの良い食事内容で、規則的な食事習慣を心がけることが大切。主食、主菜、副菜をそろえ、必要に応じて間食を入れると良い」と述べた。
タンパク質の重要性にも言及。「魚の缶詰を利用したり、トーストにチーズをのせたりしたり、おやつに乳製品やゆで卵を食べたり、冷凍食品を上手に利用したりして、上手に増やして」と呼びかけた。
(2024年2月4日付紙面より)
地域の伝統「御燈祭り」 (神倉小学校 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)は1月31日、同校運営協議会(下岡輝子会長)の協力の下、ふるさと学習として「御燈祭(おとうまつ)り」の授業を行った。1年生69人が講話やデジタル紙芝居で、地域伝統の祭りについて学んだ。
同協議会は「ヤタガラス子ども未来プロジェクト~ふるさとの未来を託せる子どもの育成~」と題し、ボランティアの協力も得て児童のふるさと学習を学校と推進しており、今回もその一環となる。
下岡さんをはじめ多くの協議会の委員が、講師として参加した。会場には、御燈祭りの白装束を着た人形や松明(たいまつ)、祭り当日のスケジュール写真などが展示されていた。授業は組ごとで行われた。
1組は34人が受講した。委員の一人である大田講平さんが、御燈祭りの概要や当日のスケジュールについて説明。「6日にある。神倉神社の石段は538段あり、上の大きな岩はゴトビキ岩」「神倉山の上で松明に火を付け、午後8時ごろに門が開き、一斉に下りてくる」などと語った。
同協議会で制作したデジタル紙芝居「はると君のお燈祭り」の朗読も実施。小学1年生になったはると君が、祖父や父と一緒に初めて御燈祭りに上がるというもので、下岡会長をはじめ3人が読み聞かせた。児童らは熱心に耳を傾け、内容を通して御燈祭りを学んでいた。委員による「御燈祭りに上がりたいと思った人」の問いには、多くの児童が手を挙げた。
(2024年2月4日付紙面より)
勝浦小3年生が新宮市で収穫体験
農林水産省が2026年度からブロッコリーを「消費量が多く、国民の生活上の重要な野菜」である「指定野菜」に追加すると発表した。2日には那智勝浦町立勝浦小学校の3年生43人が新宮市佐野の畑を訪れ、今注目のブロッコリーを収穫した。
人口減少を背景に多くの野菜の出荷量が減少する中、ブロッコリーはこの10年で3割近く増加。2022年の全国総出荷量は15万7100㌧。近年の筋トレブームなども追い風になったとみられ、指定野菜への追加は1974年のジャガイモ以来約50年ぶり。
収穫体験には同市佐野で農業を営む山﨑達也さん(70)、まゆみさん(65)夫妻とその息子の浩之さん(40)、新宮広域圏公設地方卸売市場が協力。児童たちは「でっかいのを取るぞ!」と畑に向かい、ギュッとつぼみが詰まったブロッコリーを3個ずつ収穫した。ニンジン5本のプレゼントもあった。
達也さんは「取れたてと2、3日たったものでは全然味が違う。今日中に料理して食べて」。まゆみさんは「塩ゆでもいいし、天ぷらやグラタン、ごまあえも最高。ニンジンと一緒にシチューにしたらバッチリ」と太鼓判を押す。
奥地遥久さん(9)は「ゆでてかつお節をかけて食べるのが好き」。井筒珀斗君(9)は「茎が意外と柔らかくて、収穫が楽しかった。お母さんに料理方法を聞いてみる」と話していた。
山﨑さん一家のブロッコリーは公設市場の他、同市の業務スーパー&産直市場よってって新宮店などにも出荷している。寒さに当てられてグッと甘みが増し、今まさに旬のブロッコリー、ぜひ今日の食卓にいかがだろうか。
(2024年2月4日付紙面より)
出前授業で児童が学ぶ (神倉小学校 )
NHK和歌山放送局による出前授業が1日、新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)であった。5年生72人が、NHKの仕事を学んだり、中継車を見学したり、カメラを触ってみたりした。
NHK和歌山は、総合テレビで毎週月曜から金曜の午後6時30分から放送している「ギュギュっと和歌山」内で、5日(月)から9日(金)まで「新宮市ウイーク」を実施する。6日(火)の御燈祭(おとうまつ)りの生中継などを予定している。神倉小での出前授業の様子も、このウイーク内の7日(水)に放送する予定となっている。
出前授業は組ごとで行われた。NHKのスタッフが児童らに、仕事の概要を説明。「公共メディアのNHKの重要な役割は、緊急時、例えば災害があった時に、いち早く避難などの情報を届けること。皆さんの命や暮らしを守る役割がある」と話した。「ギュギュっと和歌山」も紹介。「この学校の3年生の草鞋(わらじ)作りの様子も放送された」と明かした。
児童らは中継車も見学した。スタッフが、内部の機器類や屋根に付くアンテナについて説明。「中継車の中で作った映像を、放送局に届けるのに使うのが屋根のアンテナ。通信衛星に電波を飛ばして放送局に届ける」などと伝えた。
カメラについても説明を受けた。スタッフが「緑の幕の前であれば、自分以外の映像を合成できる」と語った。実際に児童が緑の幕の前に立ち、背景が合成した海の中の映像になることをモニターで確認した。カメラの取り扱いも体験した。
田中咲伍君は「中継車をはじめ、いろいろな機械を見られてよかった。カメラの操作は難しかった。中継車の中で背景を変えたりできるのはすごいと思った」と話した。
(2024年2月3日付紙面より)
下里防災隊が住民招き (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(堺高行校長)は1月31日、同校に高芝区民や保護者らを招き「下里防災隊」の発表会を開いた。6年生19人が制作した高芝区の防災マップを配布し、学んできたことを発信した。
6年生は本年度、学校裏の大丸山の避難路清掃やフィールドワーク、和歌山県土砂災害啓発センターや町役場防災対策室による授業、各区の区長らとの意見交換などで、防災に関して総合的に学んできた。
学習のまとめとして完成させた高芝区のマップには、ブロック塀や崩れそうな崖、空き家などの危険箇所だけでなく、避難の際に安全に通行できそうな広い道や災害時に活用できるトイレ・自動販売機なども記載されている。発表会では、地震・津波発生のメカニズムや過去の大規模災害の教訓、防災バッグの中身など幅広い内容を伝えた。
児童の学習にも協力してきた国土交通省国土技術政策総合研究所道路地震防災研究室(茨城県)の長屋和宏・主任研究官は、1月1日に発生した能登半島地震の現状を伝え「『自分たちの地域でも同じことが起きるんじゃないか』という視点で見ると、いろいろなことが見えてくる」と語った。開発した防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」のワークショップもあった。
高芝区の伊藤善之区長(67)は「地域をよく見て勉強してくれたと感じる。子どもたちが遊ぶ場所の近くはブロック塀を撤去するなどしているが、対策ができていない場所もある。区としても防災に取り組んでいきたい」と話していた。
この日は高芝区と連携して登校時避難訓練も実施する予定だったが、雨天で中止した。
(2024年2月3日付紙面より)
西向小6年生らを招いて (串本町 )
「世界湿地の日」の2日、串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターでサンゴ骨格標本観察会があり、町立西向小学校(河田恵美校長)の6年生が招きを受け専門家から教わる機会を得た。
世界湿地の日(2月2日)は、湿地に関心を持ちその大切さを知ってもらうため国際条約「ラムサール条約」採択日(1971年2月2日)にちなんで国連が制定した記念日。串本町には世界最北限のサンゴ群落と伴う生物多様性を誇る串本沿岸海域が2005年に同条約湿地として登録された経緯があり、その価値を伝える趣旨で町、南紀熊野ジオパークセンター、株式会社串本海中公園センターが共催でこの日から16日(金)まで、南紀熊野ジオパークセンターを会場にして企画展「ラムサール条約湿地パネル展」を開いている。
観察会はこの企画展に連動して計画。西向小6年生は串本海中公園センター水族館の森美枝館長から同条約の概要と湿地が自然や人間の生活に果たす役割、登録湿地の一つである串本沿岸海域がなぜ大切なのかの理由など、南紀熊野ジオパークセンターの本郷宙軌研究員から火成岩で浸食に強い潮岬台地があることで同じ町内でも西と東で海の環境が違い西にはサンゴ群落が発達していることなどを教わり、終盤で複数種類の同標本を間近に観察してその印象を深めるなどした。
児童の岩本柚咲さんは「湿地が自分たちの生活にも関わっていて、温暖化を防いでくれていると聞いて驚いた。これからも大切にしていくためにごみを出してはいけないし、道の溝も(串本の)海とつながっているのでそこへごみを捨てようとする人を見かけたら声をかけないといけないと思った」と参加して思ったことを語った。
同パネル展はこの条約の趣旨や串本沿岸海域の登録湿地としての特色などを8枚の解説パネルで紹介する内容で、開館中の午前9時~午後5時に随時鑑賞できる。
(2024年2月3日付紙面より)
保育所やこども園などで節分行事 (新宮市、那智勝浦町 )
新宮市と那智勝浦町内の保育園、保育所、こども園で2日、節分行事が行われた。園児らは歌やゲームなどで楽しいひとときを過ごした。
那智勝浦町立宇久井こども園(荘司千保園長、園児62人)は節分集会を開いた。各クラスの代表園児が自分たちの作ったお面を紹介した後、全員で節分にちなんだクイズに挑戦。「節分には何をまく?」「鬼がはいているのは何?」などの問題に答えた。
パネルシアターでは、物語を通して職員から節分の由来の説明に耳を傾けた。後半には、赤と青の鬼が登場。突然の出来事に泣き出す園児もいたが、すぐに盛り上がり、歌「まめまき」を一緒に合唱した。
最後は、2カ所に分かれてボールを籠に入れて競う「豆入れゲーム」に元気いっぱい取り組み、笑顔を見せながらにぎわっていた。
(2024年2月3日付紙面より)
地元説明会で住民が要望 (八郎山トンネル問題 )
施工不良で工事のやり直しが決まっている「八郎山トンネル」問題について、和歌山県東牟婁振興局新宮建設部工務課は1月30日夜、那智勝浦町の中里会館で地元説明会を開いた。地域住民の約30人が参加。無念をこらえ早期完成を求めた。
那智勝浦町と串本町を結ぶ「八郎山トンネル」は、2023年12月に開通を予定していたが、施工不良が発覚。代表工事業者である和歌山市の淺川組が、約2年をかけてやり直しの工事を行うことが決まっている。
説明会では、トンネルのコンクリート壁が規定の厚さを確保できておらず、空洞もあちこちにあること、中心が最大14・4㌢ずれていること、アーチ形の骨格部分「支保工」にずれが生じていることなどが語られた。「コンクリートをはがし、支保工もやり直す」などと伝えられた。県の検査不足も認めた。
参加した住民からは「(大型の工事の)車が(地域を頻繁に)通るのも我慢し、みんなが用地買収にも協力してくれて、やっと通れると思ったのに、(施工不良の)話を聞いて、みんながショックを受けた。また2年待たないとならないのか。一日でも早く完成させ、通れるようにしてほしい」との声が上がった。
他の住民からは「やっと(工事の)トラックが少なくなるとほっとしていたのに、また増えることに。工事の関係で台数が増えるときは、事前に教えてほしい」との要望があった。県は「淺川組に、地元に分かるようにと指導する」と応じた。
工事車両の通行速度についても「ダンプカーは(地域住民に配慮して)遅いスピードで走るが、コンクリートミキサーや他の工事車両は速い」と苦言を申し入れた。
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トンネル手前の盛り土部分について、当初は新宮市の相賀と高田をつなぐ、国道168号の2号トンネル(仮称)の掘削土を使う予定だったが、基準値を超える有害物質が確認され、使用できなくなっていた。
これについて県は、別の工事で発生した掘削土を、安全性を確認した上で使用するなど「状況を見て土を入れる」と伝えた。
(2024年2月1日付紙面より)
古座川町で子育て講座 (県教育委員会 )
古座川町高池にある中央公民館で1月29日に県教育委員会主催講座「こころが軽くなる子育て講座」があり、主催者を含め20人が受講して日頃の子育てやその支援の一助になる気付きを探り得るなどした。
この講座は、地域の人材を活用し地域ぐるみの子育て体制を整備する趣旨で年2回、県の北部と南部に会場を設けて開いている。参加対象は保護者やその支援者ら。この日は本年度2回目の実施で、県内の上級かんぶつマエストロ第1号でNHK・Eテレへ講師出演した経験もある乾物卸売業「株式会社野田商店」(海南市)の代表取締役社長・野田智也さんが演題「日本の伝統食『かんぶつ』を次世代へ~子どもたちへ一生のプレゼントを~」を掲げて登壇した。
序~中盤は講演で、野田さんは物流の発達により生鮮食品が主流化し調理に手間がかかることもあって消費が減少している乾物だが、ただ乾いているだけではなく先人の知恵が培った保存性の高さや「UMAMI」という共通語が生まれるほど世界からも注目されている自然のうま味の凝縮(だしの文化)など秀でた魅力が詰まっているとしてそのイメージをアップ。乾燥昆布に含まれるうま味成分「グルタミン酸」の量は母乳や羊水とほぼ同じだと紹介し、胎児期の感覚を思い出させるつもりで子どもたちの食事に取り入れてその良さを伝えてほしいとした。
固定的に捉えられがちな乾物の食べ方に幅を持たせるため、水以外で戻す方法や調理法のアレンジも紹介。終盤は乾物スイーツ店「3時のかんぶつ屋さん」オーナーの手腕でレシピ「あべかわ麩(ふ)」の作り方を実演紹介しながら、情報交換をするなどした。
(2024年2月1日付紙面より)
認知症サポーター講座 (太地中 )
太地町立太地中学校(山本佳人校長)で1月25日、認知症サポーター講座が開かれた。2年生16人が、認知症の人への接し方や自分にできるサポートについて考えた。
毎年2年生が受講している講座。町の福祉に関わる株式会社下里福祉つつじ園の看護師・川口利恵さん、太地町地域包括支援センターの社会福祉士・植本亮太さん、主任ケアマネジャー・𠮷川功さん、町役場住民福祉課の保健師・前田かなみさんの4人が来校した。
川口さんは最初に「『最期まで自分らしくありたい』というのは誰もが持つ願いだが、それを阻んでいるのが認知症。もし自分が将来認知症になっても、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、一人でも多くの人に認知症の人やその家族の応援者である『認知症サポーター』になってほしい」と講話。
脳の障害がもたらす記憶障害や理解・判断力の低下、見当識障害、言語障害(失語)などに触れつつ「認知症で失敗が増えても、周りの理解があれば心穏やかに暮らせる。大事なのは安心できる人間関係」と語った。
寸劇を交えて認知症患者の人との接し方を考える時間もあり、自分事として言葉遣いや態度、話すスピード、取るべき行動について意見交換した。講座後には生徒にサポーターの証しであるオレンジリングが配られていた。
(2024年2月1日付紙面より)
緑丘中で地震火災避難訓練 (新宮市 )
新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長、生徒221人)で1月29日、地震火災避難訓練があった。市消防署の沖﨑勝己副署長と大江郁也消防副士長の立ち会いの下、生徒らは避難時における対処や経路などを確認した。
同校では、災害時に迅速な避難ができるよう年に3回実施している。この日は震度5強の地震が起こった後、2階の第2理科室から火災が発生したと想定。生徒は身の安全を確保すると、教職員の指示に従いながらグラウンドへと逃げた。
後半には消火器の取り扱い方法の説明もあり、各学年の代表生徒と教職員が「火事だ!」と声を上げながら訓練用消火器で練習に取り組んだ。
訓練を見守った沖﨑副署長は避難の時間、経路、ルールが大切と述べ「迅速に落ち着いて避難できたと思います。とにかく人命第一。『自分の身を自分で守る』ということを忘れないでください」と講評。
宮本校長は「災害はいつ、どこで、どのような形で起こるか分かりません。想定通りとなるとも限らないため、2次避難を踏まえ自分たちで考えることが重要。この訓練を別の場所でも生かせるよう、意識してもらいたい」と呼びかけていた。
(2024年2月1日付紙面より)