集客力UPセミナーに40人 (和歌山県 )
和歌山県観光交流課は21日、那智勝浦町の体育文化会館で「コロナ時代における集客力UPセミナー&相談会~スマホ利用者に店舗・観光情報を発信~」を開いた。約40人が参加。コロナ禍における集客に向けた情報発信方法などについて学びを深めた。
コロナ禍により海外往来の制限や新たな生活様式の浸透など、観光業界を取り巻く環境が急激に変化し、集客に向けた情報発信にも変化が求められている。
セミナーは、そういった現状を鑑み、今後旅行のスタンダードとなりうるGoogle(グーグル)や各種オンライン旅行予約サイト(OTA=※)などを活用して旅行する個人や小グループ旅行客を取り込むためのノウハウに関して、分かりやすく具体的な情報を提供する目的をもって開催に至った。
開催に当たり、県商工観光労働部観光交流課の橋本恵一郎課長が「コロナをきっかけに時代が変わりつつある。政府でもデジタル化を進めようといった動きもあり、今後ますますデジタル化は進んでいくと思う」。県内の観光概況について説明し「人口が減少する中、外貨を取り入れる必要がある。県もインバウンドを呼び戻すために取り組んでいく」などとあいさつした。
セミナーではGoogle社公認GMB・GoogleMapゴールドエキスパートの永山卓也さんが講話。休憩を挟み、Trip.comグループ日本ブランディング戦略部長の石川美奈さんが「OTA活用による情報発信のメリット」、チケッツインターナショナル日本支店代表の荒木篤実さんが「観光客が体験をする際のニーズ」などをテーマにそれぞれ講話した。
GoToトラベル事務局(和歌山事務局)によるGoToトラベル地域共通クーポンに係る制度概要の説明もあったほか、セミナーと並行し、会場外では講師陣による個別相談会も行われた。
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※OTA=「じゃらん」や「楽天トラベル」に代表されるインターネット上をメインに取引を行う旅行会社。取り扱い分野は、航空券・ホテル・現地オプショナルツアーなど多岐にわたる。
(2020年10月23日付紙面より)
通学路の危険箇所も点検 (御浜町 )
防犯ボランティア団体の子ども見守り隊御浜支部とみかんパトロール隊は、御浜町立阿田和小学校(竹本和拡校長)で19日、見守り活動に取り組んだ。下校する児童に「気を付けて帰ってね」と声を掛けた。
「子どもと女性の犯罪被害防止」などを重点とする全国地域安全運動の一環。紀宝警察署と合同で実施し、2団体と同校の竹本校長、署員の計7人が参加した。
下校する低学年の児童への見守りを行った後、通学路の危険箇所を点検した。同校が昨年実施した保護者アンケートでは、「見通しが悪い場所や人通りの少ない道路がある」などの回答があり、警察と2団体、学校が情報を共有した。
竹本校長は「児童136人のうち、ほとんどが徒歩で通学している。学校では保護者アンケートで危険箇所を把握し、防犯教室にも取り組んでいる。防犯ボランティア団体の活動も抑止力につながっている」と話していた。
(2020年10月23日付紙面より)
潮岬中で子育て講演会など (串本町 )
串本町立潮岬中学校で21日夜、同校と潮岬小、潮岬こども園の保護者を対象にした子育て講演会があった。テーマは「ネット・スマホ・ゲームと依存症 正しく知って生かしましょう」。保護者や教諭ら47人が参加し、子どものインターネット利用の実態や周囲の関わり方を考える足掛かりとして聴講した。
この講演会は、潮岬地区の子どもが一貫して通うことになる3校園の育友会が合同で計画した行事。今回は25年来の情報教育研究経験を持つ和歌山大学教職大学院教授・豊田充崇さんを講師に迎え、その識見から子どもが直面する課題解消の糸口を考える趣旨で参加を呼び掛けた。
豊田さんは和歌山県の子どものインターネット利用の実態と県民のおおらかさなどを都道府県別に比較した統計資料で示唆。他方、薬物・アルコール・ギャンブルに続く第4の依存として世界的に懸念されるゲーム障害は没頭により生活が崩れている状態を指すことを紹介し、単に長時間だからではなくどのような状態が依存に当たるかの目安を伝えた。
状態に対する対処として五つの視点(①使用ルールを作る②使用状態の把握③ネット以外の居場所を作る④使用履歴を作る⑤使用制限をする)を挙げ、①については県教育委員会が近々誓約書の書式を発表予定だと伝えて活用を推奨。さらに六つ目の視点として、ゲーム好きはプログラミング好きでプログラムの内容に対してより良いアイデアを出しその実現に意欲を示すという側面を例示し、そのように高い関心を有益な方向へ振らせるのも一つの手だと提言して、保護者らによる関わりを促した。
豊田さんは保護者とは別に同日午後、潮岬小4~6年生78人と潮岬中1~3年生65人を対象にしたネット・スマホ・ゲーム講演会にも登壇。身近な利用方法に潜んでいる危険を児童生徒と一緒になって考え、▽寛容・許容の精神を持つ▽拡散されても大丈夫な書き込みか▽個人情報の扱いは必ず相手の許可を取る▽動画投稿にはリスクがつきもの▽スマホでの時間浪費は未来の自分を虐げる―といった要点を振り返って適切に利用する意識を促した。3校園の教諭を対象にした研修の講師も務め、今後の社会変化を見据えた関わり方の視点を託すなどした。
(2020年10月23日付紙面より)
順心の会が太極拳鍛錬会 (那智勝浦町 )
楊名時太極拳順心の会(大澤順子代表)は21日、那智勝浦町のブルービーチ那智(JR那智駅裏側付近)の広場で太極拳鍛錬会を実施した。約40人が参加し、眼下に広がる那智湾を前にさまざまな型に取り組んだ。
大澤代表は日本健康太極拳協会の師範で、大自然の空気を存分に味わいながら太極拳に取り組んでもらいたいとの思いから年に1度実施。熊野地方で五つの太極拳教室を開き、参加者の健康づくりに役立てている。毎週水曜日には旧三川小学校で教室を開催している。
参加者は大澤代表の動きに合わせて実践。緩やかな音楽が流れる中、集中しながら体を動かし汗を流した。
大澤代表は「曇り空で天候が心配でしたが、晴れ間も見えるようになりすがすがしく行うことができました。コロナ禍でいろんな催しができなくなる中、鍛錬会も中止を考えましたが、対策を取り細心の注意を払って実施することを決めた。自宅で過ごす人が多く、気が重くなりがちのため、自然の空気を吸って少しでもストレス発散につなげてもらえれば」と話していた。
(2020年10月23日付紙面より)
ベンチャー隊が炊事活動 (ボーイスカウト新宮第2団 )
ボーイスカウト新宮第2団(安達実・団委員長)のベンチャー隊は18日、紀宝町鮒田の鮒田活動拠点で炊事活動「肉料理~どの調理が美味?~」を実施した。近大附属新宮高校の櫻井貴文君(3年)と中本康太君(1年)が肉料理や燻製(くんせい)作りに挑戦した。
ボーイスカウトは、家庭や学校では学ぶ機会の少ない活動を自然の中で行い、年齢の異なる仲間とさまざまな活動を実施することで青少年の心と体の成長につなげるのが狙い。
ベンチャー隊(高校1~3年)は、自分たちが考えた企画を元に計画書を作成。計画に基づいて実行に移し、反省点などを報告書にまとめて次の企画に生かす取り組みを行っている。
この日は「肉の種類と味の違い」「普段作る機会の少ない料理に挑戦する」などをテーマに掲げて取り組んだ。調理方法や材料の値段をリサーチし調理時間を予測するなど、会議を重ねプランを作成。実践に挑んだ。
メニューは「鶏肉のハンバーグ」(胸肉とささみの違い)、「ローストビーフ・ポーク」(牛肉と豚肉の違い)。段ボールで燻製機を手作りし、「さくら」「ブレンド」「ヒッコリー」のスモークウッドによる完成の違いも研究した。
櫻井君は「おいしくできた。しかし時間的余裕がなかった。準備に手間取ったことが計画通りに進まなかった要因」。中本君は「料理は上手にできたと思う。やはり準備に時間がかかった」とそれぞれ感想を述べた。
同隊の北村仁志隊長は「大人になっても挑戦する姿勢は必要。これからも『楽しく』を基本に、高度なことにも挑戦していってほしい」と期待を込めた。
同団では現在、小学3年以上の隊員を募集している。年会費2万2000円、入会金3000円が必要。体験入隊も可能。問い合わせ、申し込みはスポーツギアアダチ(電話0735・21・3218、安達さん)または南海堂(電話0735・22・2920、中川さん)まで。
(2020年10月22日付紙面より)
ノルディックウオーキング講座 (那智勝浦町 )
那智勝浦町築地のイササジコンストアで19日、「ノルディックウオーキングはじめて講座」が開かれた。新宮市や同町から20人が参加し、日本ノルディックウオーキング協会公認マスタートレーナーでエヌウォーカー倶楽部代表の藤川真司さんがノルディックウオーキングの特徴や効果を講演し、実技指導を行った。
ノルディックウオーキングとは2本のポールを使用した新しいフィットネススポーツで、世界中で1000万人を超える愛好家がいるとされる。
主な効果として▽腰や膝など下半身の負担を減らすことができる▽負荷を分散し上半身の筋肉を積極的に使える▽全身運動のため、通常のウオーキングの1・2倍以上の運動効果が期待できる▽インナーマッスルも鍛えられる▽肩から腕を振り、ゆったりとした動作で歩けるようになる―などが挙げられる。
講座を協賛する同町教育委員会によると、ノルディックウオーキングは町のスポーツ教室として4年前ほどから実施しており、需要も多いため今後も推進していく方針だという。
藤川さんは「年齢に関係なく筋肉は鍛えることができる。ノルディックウオーキングを続けていれば、寝たきりを予防し、元気になって体も良くなる。いつまでも自分の足で歩きたいという意志が健康づくりにとって重要です」と述べた。
大腰筋と体幹を鍛えることで背骨が刺激されるとし、脳への血流が増えることから脳が活性化すると紹介。「歩幅を広げると歩く速度も変化し、脳への刺激も違ってくる。歩幅が狭いと認知症になりやすいという記事もあるため、広いほうが認知症の予防になる」と解説した。
藤川さんはノルディックウオーキングを子どもの登下校時に行うことで防犯にもつながるとし、「皆さまの健康づくりを地域にも役立てていただけたら」と提案。健康になれば身体機能も改善し、身も心も若くなるとし、生活全体が活性化するため、活動的な日常生活につながると話した。
当日は雨天だったことから参加者は同町湯川の旧山川小学校体育館に移動。入念な準備体操後、実技指導が行われた。
町のノルディックウオーキング教室では竹原生さんと同店オーナーで講座主催者の湊谷洋子さんが講師を務めている。
湊谷さんは「ノルディックウオーキングはさまざまな効果も高く、健康になれる。今後は町内でも広まって、皆さまにも取り組んでいただけたら幸いです」と語った。
(2020年10月22日付紙面より)
民児協10月定例会で意見交換 (紀宝町 )
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)の10月定例会が20日、町福祉センターであった。町と町地域包括支援センター、町社会福祉協議会による報告の後、研修会を行い、委員30人と町内のケアマネジャー(介護支援専門員)12人が意見交換した。
意見交換会は新任を含む委員にケアマネジャーの仕事や地域包括支援センターの役割を学んでもらうもので、3年に1回開いている。
研修会では、町地域包括支援センターの主任介護支援専門員、南友也さんが介護保険とケアマネジャーの仕事を説明。介護保険制度は40歳以上が加入者となって介護保険料を納め、介護や支援が必要になった際には費用の一部を支払ってサービスを利用できる仕組み。当地域では熊野市、御浜町、紀宝町で組織する紀南介護保険広域連合が運営している。
ケアマネジャーについて「要介護者、要支援者の相談や心身の状況に応じるとともに、サービスを受けられるようケアプランの作成や市町村、サービス事業者、施設などとの連絡調整を行う」と紹介した。
この後、6グループに分かれて意見交換を開始。委員からは「要介護者を担当するケアマネジャーの名前が分からない」「地区内の高齢者が施設に入所したときは知らせてほしい」などの意見があった。ケアマネジャーは改めて役割を紹介し、「地域包括支援センターとのつながりを大切にしている。センターにも相談してほしい」などと伝えた。
濵口会長は「お互い顔を合わせることができて良かった。今後も意見交換会を続けたい」と話していた。
(2020年10月22日付紙面より)
キイジョウロウホトトギス (熊野那智大社 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)で、キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草)が見頃を迎え、鮮やかな黄色い花が参拝者らの目を楽しませている=写真(20日撮影)。
キイジョウロウホトトギスはホトトギス属の植物の一つ。紀伊半島南部の固有種で、山中の湿った崖に生え釣り鐘形の花を付ける。「ジョウロウ(上臈)」には「貴婦人」や「高僧」などの意味があることから「山里の貴婦人」とも呼ばれる。
古くから鑑賞価値の高いものとされることから採集され、それが減少の原因の一つとなっている。紀州藩が編さんした「紀伊続風土記」の「黄杜鵑草(きのほととぎすそう)、那智山中に産する奇品なり」とあるのは本種のこととされている。
和歌山県、奈良県で絶滅危惧Ⅱ類、三重県で絶滅危惧Ⅰ類に分類されている。
(2020年10月22日付紙面より)
高田小児童らが「海の教室」 (勝浦海事事務所 )
児童らの海や船への関心を高め、海事思想の普及を図る「海の教室」が2日、那智勝浦町と太地町を舞台に展開された。新宮市立高田小学校(大家淳志校長)の全校児童11人が市場見学や遊覧船体験などを通じて海の恩恵に感謝する機会とした。
近畿運輸局勝浦海事事務所、紀南海運協会などが主催。「海の月間」(7月1日~31日)の協賛行事として、管内の小学生を対象に毎年実施している。児童らは、那智勝浦町築地の和歌山県漁連勝浦市場展望室で市場の様子を見学。勝浦海事事務所の堀川裕之次長が「船員さんたちの仕事を見てたくさん勉強してください」と呼び掛けた。
児童らはその後、勝浦観光桟橋に移動し「くじら号」に乗船。波に揺られながら紀の松島めぐりを楽しんだ。
太地町では町立くじらの博物館でくじら講座を受講。学芸員の今川恵さんが「太地浦捕鯨絵図」を基に、同町において古来から続く人間と鯨の関わりについて話した。今川さんは▽みんなで協力して大きな鯨をとっていた▽地形を利用して鯨を見張っていた▽道具を工夫して使っていた―などと説明。児童らは鯨やシャチに関するクイズに対し、元気よく手を上げるなどした。
最後にイルカショーを見物。イルカが見せる見事な演技に、児童らは大きな拍手と歓声を送った。
同校5年の水口胡都さんは「学校の全員でいい体験ができた。遊覧船ではいっぱい魚が泳いでいて波もすごかった。教科書で漁は大変と学んだが、(市場では)たくさんの魚の種類を分けていてすごいと思いました」。
6年の古藤紬さんは「(海は)高田の川とまた違っていて楽しかった。いつもと違う体験ができて良かったと思います」と話していた。
(2020年10月4日付紙面より)
境内にのぼり立てる (新宮の速玉祭 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)は3日、例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」=15日(木)、16日(金)=に向け、境内にのぼりを掲揚した=写真。近づく祭りへの機運を高めようと、神職らが約80本ののぼりを一本一本、丁寧に取り付けていった。
同祭は2月の御燈祭(おとうまつ)りと合わせ、「新宮の速玉祭・御燈祭り」として国の重要無形民俗文化財(重文)に指定されている。
例年では「御船祭(みふねまつり)・早船競漕(きょうそう)」に出船する各地区の関係者らが協力し市内各地区でのぼり立てを行うが、新型コロナウイルス拡大予防の観点から今年は早船競漕が中止に。伴い、のぼりも境内のみの掲揚とした。
同大社の佐藤仁迪(ひとふみ)権禰宜(ごんねぎ)は「いまだコロナ収束のめどは立たないが、神事はしっかりとやっていかなければならない。多くの人が関わるところ以外は例年通り実施していきたい」と話していた。
(2020年10月4日付紙面より)
かんりん文庫が読書講演会 (串本町 )
串本町潮岬にあるかんりん文庫(梅﨑百合子代表)が9月26日に県立潮岬青少年の家で読書講演会を開き、30人が聴講して今後の読書推進の一筋道を考える機会を得た。
この講演会は、わかやま市民生協の地域コミュニティー支援補助金制度を活用して計画。梅﨑代表の教員時代以来の知人でかんりん文庫訪問の機会を模索していた元枚方市立図書館司書の川上博幸さんに講師を依頼し、17年来の家庭文庫運営に加え大学講師や新聞企画への寄稿の経験も持つ立場から提言を得る場を整えて参加者を迎えた。
演題は「AI時代の子どもの読書の重要性について 今こそ子どもに読む喜びを!」。川上さんは子どもと人工知能(AI)が共存する力はどうすれば身に付けられるかという視点を意識付けた上で持論を展開した。
時代背景として学校図書館協議会(SLA)の統計にみる子どもの読書推進の成果とAI技術の進展をそれぞれ振り返り、大枠として高度情報化から知識基盤へと特色が移り変わった社会情勢と特有の諸課題も見据えてこれからの時代の知恵の発揮の大切さを示唆。
他の動物と比較したときの人間の特徴の一つに声を言葉として使ってコミュニケーションをする点があり、この言葉を形に置き換えたのが文字。川上さんは耳で聞いて言葉を知りその形である文字を読む先に読書が成り立っていると順序立てし、さらにその先で本に込められた感情の起伏を味わいその心や考えをもらう段階に達した時に子どもは読書に大きな喜びを得ると筋道をつけた。
対して現在のAIは、喜びを得る一歩手前までこなせる段階と位置づけ。子どもとAIが共存する上で大切なのは『教科書が読める(読んで理解できる)ぐらいの読解力』で、これができないとリテラシー(情報を適切に把握し適切に再構築する能力)が伸びずAIに後れを取ることになる。この筋道を今後の読書推進を図る上で目安の一つにすることを推奨して話を締めくくった。
(2020年10月4日付紙面より)
全国花のまちづくりコンクール (那智勝浦町 )
花のまちづくりコンクール推進協議会(野路國夫会長)が実施する第30回「全国花のまちづくりコンクール」において、那智勝浦町の花づくりボランティアで構成される「花てまりの会」(おお木博子会長、会員26人)が9月25日、花のまちづくり奨励賞を受賞した。その喜びや活動の様子を取材した。
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コンクールは農林水産省および国土交通省が提唱するもので、1990年に開催された「国際花と緑の博覧会」の理念である「自然と人間との共生」を継承し、91年より「花のまちづくり活動の発展」と「花の社会性の向上」を目的に、全国各地の優れた花のまちづくりを表彰している。
対象は全国の市町村や学校を含む団体や個人、企業。コンクールは花の美しさや出来栄えを競うものではなく、花と人、花と社会の関わり合いの中で、花が社会に及ぼすプラスの影響(コミュニティーづくりや世代間の交流、観光振興、環境保全など)を生かしてどのようにまちづくりに昇華されたかを審査する。
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同会は観光客や住民らに花を楽しんでもらい、町のPRや活性化に寄与するために町内9カ所の花壇整備に取り組んでいる。
今回、「和歌山県花を愛する県民の集い」(二階俊博会長)からの勧めもあり参加を決意。活動の様子を紹介するための写真撮影や説明文の作成に奮闘し受賞に至った。なお、全国から1690件もの応募があり、団体部門では1487件に上ったという。
新型コロナウイルスの影響から町を訪れる観光客などが減少している中でも、日々花壇の手入れや周辺の草刈りなど町の美化に努めてきた。
受賞について、おお木会長は「これまでの積み重ねが認められたようですごくうれしい。これからも皆さんと一緒に活動していきたい」。
今後については「観光のまち・那智勝浦町のためにおもてなしの気持ちで取り組んでいる。花を枯れさせない、常に花がある状態を保つには花壇だけの作業ではだめ。周辺の美化が大事になる。いつもきれいな環境を目指しています」と語った。
(2020年10月4日付紙面より)
※ おお木博子会長の「おお」は、左側が「羽」の下に「令」、右側が「寛」
新宮市制施行記念日(10月1日)に伴う令和2年度市政功労者表彰式が1日、市役所別館であった。田岡実千年市長が社会福祉、消防水防、教育文化などで市に貢献した個人9人と1団体に表彰状と記念品を贈った。
この日をもって、旧新宮市が市制を施行して87年、旧熊野川町が町制を施行して64年、2005(平成17)年に旧新宮市と旧熊野川町が合併し、新しい新宮市が誕生してから15年を迎える。
この表彰は1977(昭和52)年度から始まり、本年度を含め個人988人と100団体を表彰。2011(平成23)年のみ、紀伊半島大水害の被害を考慮し中止となっている。
式典では田岡市長が一人一人に表彰状を贈呈し、「各分野で献身的な活動をいただき、地域社会の発展や住民福祉の向上、市の発展に多大なご貢献をいただき敬意を表します。皆さまの比類なき知恵と経験を今後もお貸しいただきますようお願いします」とあいさつ。
引き続き新型コロナウイルス感染症対策への協力を求めるとともに「これまで先人たちが営々として築いてくださった故郷を守り、愛する新宮市のさらなる飛躍を切に念願したい」と述べた。
久保智敬市議会議長は「今日の市政は、皆さま方の地道な活動の支えがあって築かれたものであり、今後ますます不可欠なものとなっていく。今後も豊富な経験を存分に生かしてください」。
県議会の濱口太史副議長は「皆さまがさまざまな活動をすることが多くの人のお手本になっており、地域の元気につながっていることを知ってもらいたい」と祝辞を述べた。
(2020年10月3日付紙面より)
伊藤忠志さんが講話 (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は9月30日、元和歌山県少年補導員連絡協議会会長の伊藤忠志さんを招き署内講演会を開いた。同署職員約50人が聴講する中、伊藤さんは自身の少年補導員の経験を軸に、青少年の健全育成に係る心構えや取り組みなどを話した。
伊藤さんは1982(昭和57)年に警察本部長から少年補導員として委嘱を受け、以降30年にわたり少年の非行防止と健全育成に尽力してきた。
96(平成8)年には新宮警察署少年補導員連絡協議会会長に就任。2007(平成19)年からは4年間和歌山県警察少年補導員連絡協議会会長を務め、県内全体の少年の健全育成の発展に尽くした。その功績は社会にも広く認められ、04(平成16)年の和歌山県知事表彰をはじめ数多くの表彰を受賞。少年の健全育成を目的とした「植樹祭」の開催や各種祭礼における夜間補導活動、登下校時の声掛けあいさつ運動などに取り組んだ。
伊藤さんは「意見もなく事務局が作った資料をただ読み上げるだけ。なんとか組織を改革したいと思った」と会長に就任した当時の思いを語り「社会に貢献するという思いがボランティアには大事。会長として、多くの事業をして会員の参加意識を高めるか、もしくは慣例で経過していくのかを考えた時、参加意識を高めるという方法を選択した」。
串本分屯基地に自衛隊のヘリコプターが来るといった情報から「子どもたちに空からふるさとを見てもらいたい」と思い立った伊藤さんは「管内の子どもたちを集めて交流を深めたら情報の共有ができるのは」と立案。子どもたちをヘリコプターに搭乗させ、さらに地場産業である林業に触れてもらおうと間伐材で工作をするイベントを開催し「子どもたちの笑顔に達成感を感じた」と振り返った。
伊藤さんは「さまざまな事業を企画立案する中でいろいろなトラブルがあった。しかし、青少年のための事業をするとなるとどれだけでもアイデアが出てくる。やってあげているという感覚ではなく、事務局に手伝ってもらっているという意識で活動しないと組織は発展しない」と述べた。
質疑応答では青少年育成に係る多くの質問が上がった。伊藤さんは「点ではなく線の事業をするべき」「自分が自信を持って仕事をすれば必ず実りはある」「子どもに対してはできるだけ同じ目線で優しい言葉を掛けてあげると素直に聞いてくれるのでは」などと伝えた。
(2020年10月3日付紙面より)
罰則規定の適用始まる (新宮保健所 )
新宮保健所は2日、新宮市内の4カ所で「和歌山県ごみの散乱防止に関する条例」に係る街頭啓発を実施した。
条例は、環境破壊の一因でもあるプラスチックごみなどの海洋流出を防止するため、その発生源である陸上に散乱しているごみを削減することを目的に制定。ごみを捨てた人が回収命令に応じなかった場合、5万円以下の過料に処されるなどの罰則規定が10月1日から適用されている。
同保健所では、昨年から不法投棄の取り締まりを含め、環境監視員の清水道彦さんと職員がパトロールを実施。不法投棄を防止する監視カメラを設置しているという。
イオン新宮店での街頭啓発は、同保健所衛生環境課の大家秀仁課長と清水さんが取り組み、来店者に条例を周知するチラシを配布した。
清水さんは「ごみの散乱を『しない』『させない』『許さない』が大切。街頭に出て監視の目を光らせていきたい」。大家課長は「罰則が始まりましたが、まずはごみを捨てない意識を高めてもらいたい。一緒に町をきれいにしましょう」と呼び掛けていた。
(2020年10月3日付紙面より)
七川地区の協議会へ着任 (古座川町 )
古座川町が1日、地域おこし協力隊の隊員2人を委嘱。七川地区の振興に当たる団体「七川ふるさとづくり協議会」(下山隆正会長)の事務を支援する隊員として着任した。
この協力隊は人口減や高齢化が進む地域へ地域外の人材を誘致し、地域協力活動への従事を通して定着を図る目的で総務省が支援込みで推奨する制度。古座川町は2015年度から隊員の委嘱を始め、地域振興への協力を得ている。
今回委嘱をしたのは横溝秀文さん(42)と谷井麻美さん(34)の2人。横溝さんは神奈川県伊勢原市の出身で、営業職に従事しつつ地方移住を模索する中で同町に興味を持ち、下調べをした上で同町の募集に志願。谷井さんは同町平井出身で、ふるさとを離れ兵庫県神戸市で映像作家として活動する中で出身地にゆかりがある同協議会から発注を受け、その過程で出会う移住者など自分にない視点を持つ人々の熱情に引かれて同町の募集に志願したという。
この日は西前啓市町長から2人に委嘱状を交付。隊員は単年度起用となるため任期は来年3月31日までだが、制度上、双方の希望があれば最大3カ年まで更新して地域協力活動に従事できる。西前町長はまちの実態を把握して地域おこしのために頑張ることを2人に期待して、委嘱の御礼で後に表敬訪問した下山会長へ引き継いだ。
第一歩を踏み出すに当たり横溝さんは経験を生かした特産品振興と新規に有害駆除への協力、谷井さんは強みである映像製作を引き続き生かした貢献に意欲。下山会長は「昨年から協力隊の募集を続けていただき、2人を採用いただけたことをうれしく思う。(先んじて着任している太田浩二隊員を加え)隊員が3人となった七川ふるさとづくり協議会はこれからも各区長、各住民と一緒になって七川地区を盛り上げていく」と話した。
同町は同日現在、太田隊員、横溝隊員、谷井隊員に加え、同町観光協会事務協力として2人、古座川ふるさと振興公社調理協力として1人の計6人を隊員として委嘱する状況となっている。
(2020年10月3日付紙面より)
【第21回】遊び食べに良い器は?
小さなお子さんがいらっしゃるお宅には、必ずあるプラスチックのお皿。便利ですよね? わが家でも、子どもが小さいうちは割れない器を使っていました。特に遊び食べをする子どもは、うっかり器を落としてしまうこともしばしば。ただでさえ目が離せないのに、食器まで割れたら泣きたくなりますよね。私も同じような気持ちで、割れない食器を使ってました。だけど、食育のことをいろいろ学んだ今、あえて、割れる食器を使うことをお勧めしたいのです。
遊び食べに困るのは9カ月くらいから3歳くらいまでといわれています。離乳食の時期から陶器の食器を勧める人もいますが、私は、そこは無理に陶器にする必要はないと思います。私が割れる食器をお勧めするのは大体1歳半くらいからです。
遊び食べは、食べ物を手やスプーンでぐちゃぐちゃにしたり、わざと床に落としたり、スプーンでお皿をたたいたり…だからマナーとしてはいけないとか、しつけなくちゃと思ってしまいがちです。お母さんたちの悩みのタネですよね。ついつい「こら!」「だめ!」と叱ってしまいますよね。
でも、実は遊び食べは、学習行動なんです。遊んで食べている、というのは大人から見た感覚。子どもたちは、どんな音がするのか、どんな感触なのか、五感をフル稼働させてさまざまなことを試して学んでいるのです。そんな遊び食べの時期にこそ、食器を割っていただきたいんです(笑)。こんな言い方するとおかしいですが、食器がどんなことをすれば割れるのか、どんな風に割れるのか、を学ぶチャンスだと思うのです。割れた時は、叱らずにまず「なぜダメなのか」をきちんと説明してあげてください。「もう割れちゃったから使えなくなったね」「下に落とすとこんなふうに粉々になってしまうよ」「もう元に戻せないよ」と。この体験で「優しく使わないと割れるんだ」ということを学んでいくというわけです。
そしてもう一つ、割った食器をどう片付けるのかを見せてあげてほしいのです。まずは大きい破片を新聞紙に包むとか、細かい破片が残っていたら、けがをするかもしれないから掃除機をかけるとか。割れた陶器がとても危ないということや、片付けるのにも注意しないといけないということを教えてあげてほしいのです。もしかすると遊び食べも少し収まるかもしれません。
木でできた器や、プラスチックの食器はとても便利で安心ですが、100円のものでも良いので、ぜひ食器が割れるということを経験させてあげてください。ただ、遊び食べには個人差があるので、時間に余裕がある時とか、今なら良いなと思える時に陶器に変えるというのもアリだと思います。無理のない範囲で、試してみてください。
(2020年10月3日付紙面より)
第14回新翔高校体育祭 (新宮市 )
新宮市の県立新翔高校(東啓史校長、生徒326人)で9月30日、第14回体育祭(前田茉里実行委員長)が開かれた。今年のテーマは「密です密です体育祭~新翔しか勝たん~」。新型コロナウイルス感染対策のため無観客での開催となったが、生徒たちは互いに声援を送り合い、生き生きと青春の一ページを楽しんでいた。
開会式で東校長は「『若さとパワーでコロナに勝つ』。そう言い切れるよう、みんなのハートにレボリューションを起こせるよう頑張って」と激励。
4ブロックを代表して和田惟吹君、辻光昌君、中村颯太君、氏家大輝君が「このスローガンの下、僕たちは体育祭に命を懸けてきました。時には上腕二頭筋やハムストリングス筋、全身のありとあらゆる筋細胞が破壊され、筋肉痛になりました。この体育祭に関わってくれた全ての人に感動、笑顔、勇気を届けると誓います」と宣誓した。
秋晴れの下、グラウンドでクラス対抗リレーや大縄跳び、応援コンクール、ダンス「熊野ハレヤ音頭」が行われ、熱戦が繰り広げられていた。
(2020年10月1日付紙面より)
成川小をモデル校に指定 (紀宝署 )
横断歩道での歩行者優先のルール順守を浸透させる取り組み「まもってくれてありがとう運動」のモデル校指定式が9月28日、紀宝町立成川小学校(大藤伸之校長)であった。
南牟婁郡交通安全対策協議会、紀宝地区交通安全協会、紀宝警察署が指定したもので、管内では同町立相野谷小学校に次いで2校目となった。
日本自動車連盟(JAF)が昨年実施した、信号機のない横断歩道で車が一時停止する率の全国調査では、三重県が全国最下位だったことから、県警では道路を横断する歩行者が止まってくれた車に対して「ありがとう」の気持ちを示すこの運動を推進してきた。
指定式では、止まった車に「ありがとう」を伝える見本を見せ、同協会の久保正会長が児童会の大植心晴会長(6年)に指定書を手渡した。同署交通課の川岸将之係長は校区内の危険箇所を示し「横断歩道は左右を確認してから渡ってください。自転車に乗る際はヘルメットを着用してほしい」と呼び掛けた。
大藤校長は「指定を受けることで、子どもたちの意識も高まる。横断歩道でドライバーに『ありがとう』と気持ちを伝える笑顔があれば交通事故も減少するのでは」と話していた。
(2020年10月1日付紙面より)
玉置口線運行終了を前に (新宮市熊野川町 )
9月30日をもって運行終了を迎える熊野御坊南海バス株式会社の玉置口線で29日、九重・四瀧地区のふれあいいきいきサロンによるバスツアーが行われた。区民10人が九重郵便局前から乗車し、終点の玉置口バス停までの旅路で思い出話に花を咲かせた。
熊野川町史によれば、玉置口地区から九重地区へ至る県道はその昔、人1人がやっと通ることのできる細い尾根道で、通称「蟻の腰」と呼ばれていた。郵便逓送や九重小学校高等科への通学路としても利用され、「予防接種を受けるためにも九重小学校までの約6㌔㍍を児童・生徒たちが歩いた」との記載がある。1959(昭和34)年に自動車の走る北山川林道が開通し、翌60(昭和35)年4月1日に区民待望の定期バスの乗り入れが実現。当時は多くの生徒や瀞峡への観光客が利用した。
しかし、近年は人口減少や利用実績の少なさから公共交通の再編成が議論されており、10月1日から新たな移動手段であるデマンドタクシーが導入されることから、運行終了が決定した。
乗車した区民たちは景色を楽しみながら、「昔歩いた時はこんなにスギの木が大きくなかった」「この辺りは田んぼだった」「免許を取りたての頃は、端に乗り上げながら運転した」と思い出を語り、「バスが走る音で時計がなくても時間が分かったのに、さみしくなる」と別れを惜しんだ。
バスを運転した植田茂さんは「満席になったのは初めて」と驚いており、終点の玉置口では住民から「長いことありがとうございました」と言葉を贈られる一幕もあった。
榎本みさよさんは、夫の協三さんがバスの運転手をしていた頃を思い出し、「懐かしい。孫が来たら、バスに乗せて玉置口まで走っていた」と振り返っていた。
(2020年10月1日付紙面より)
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」=15日(木)、16日(金)=に向け、巫女(みこ)役による神鎮めの舞「鈴剣(すずけん)の舞」の練習が進んでいる。9月29日、同大社双鶴殿で行われた練習では神楽人の津越宏之さん(76)から指導を受け、巫女役の2人の少女が足運びを確認するなどした。
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける同祭は、同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を回る「神輿渡御式」からなる祭り。
渡御式では、新宮の鍛冶職の末裔(まつえい)が神楽人を務め、巫女役の童女2人が神鎮めとして「鈴剣の舞」を舞う。
今年、巫女役を務めるのは石原凜さん(神倉小4)と前川真由さん(同)。誘いを受け「こんな機会はめったにない」と巫女役を引き受けた。
「祭り当日はきっと緊張すると思う」と2人。「足の動きを間違える。もっと頑張らないと」(石原さん)「自信があったけどやってみたら難しかった」(前川さん)としながらも、真剣な表情で動作を確認しながら練習に挑む。
津越さんは「テンポが単純なのでテキパキと動けば美しく見えるのでは」と2人にアドバイス。「せっかく新宮に生まれたのだから、巫女役はいい機会。2人とも初めてなので間違いなく舞ってくれたら」と期待を込めた。
(2020年10月1日付紙面より)