6日間の休業に入る
官公庁は28日、仕事納めだった。仕事納め式では各首長らが職員たちの一年の労をねぎらい、新年からのさらなる飛躍に期待の言葉を掛けた。ほとんどの官公庁は1月3日(日)まで6日間の休業となっている。
新宮市役所別館で行われた式には、久保智敬市議会議長、東原伸也副議長をはじめ職員約40人が出席。田岡実千年市長は「今年は新型コロナ対策に始まり、コロナ対策に終わった一年だった」と職員のコロナ対策への対応や市民の協力に対し感謝を述べた。
また、来年は今年以上に厳しい状況が予想されるとし「コロナの影響で冷え込んだ地域経済再生など、市としても真価が問われる一年となる。今まで以上に熱意を持って、市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちの実現に向けてしっかりと取り組んでほしい」と訓示した。
尾﨑正幸総務部長が、市が講じた新型コロナ支援や姉妹都市・宮城県名取市の「名取市復興達成宣言」など、今年の出来事や主な事業などを振り返り紹介。
向井雅男副市長が「ゆっくり英気を養い、自分が感染していることに気付かないうちに誰かにうつしてしまうという危険性があることも認識しユニバーサルマスク(無症状の人も含めたマスクの着用)の徹底を」と呼び掛けた。
(2020年12月30日付紙面より)
消防本部と消防団が年末警戒 (新宮市 )
市民らが安心して新年を迎えることができるようにと、新宮市消防本部(越水薫消防長)と同市消防団(竹内由定団長)は28日から消防年末警戒に当たっている。
火を使用する機会の多い年末の火災予防啓発と警戒を行うことにより地域住民の防火意識の高揚を図ることを目的に、この時季に毎年実施している。市消防本部は市全域、消防団は各分団の担当地区の巡視や防火広報に取り組む。
同日夜にあった出陣式は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため参加団員の人数を制限して実施。市消防本部では旧市内七つの消防団から29人が出席した。
整列した団員らを前に、田岡実千年市長は日頃の活動に対し感謝を述べ「健康に留意し、市民の皆さまが安心して年末をお過ごしいただけるよう尽力を」と呼び掛けた。
久保智敬市議会議長は「新年に向かって火を使うことが多くなり油断できない状況になるが皆さま方のご尽力に期待する」。濱口太史・県議会副議長は「コロナ禍で自宅で過ごす人も多い。市民のためにも火の取り扱いに対する注意喚起を」。
小畑博昭・新宮警察署長は「年末年始に当たり警察でも特別警戒を行っている。今後も連携を密に、市民の安全を守っていければ」と協力を求めた。
式後、団員らは消防車両に乗り込み、市長らに見送られる中担当地域へ出発。30日までの3日間、午後8時から11時まで市内を巡視し、地域住民の防火意識の高揚を図る。
那智勝浦町消防団では29、30日の2日間にわたり年末特別警戒を実施する。新型コロナ感染拡大防止のため、町長巡回を中止し、各団3密を避けるため出動人員を減らして取り組む。
(2020年12月30日付紙面より)
くまの里山と交流図る (那智勝浦町 )
休耕地の再生や地域活性化などに取り組む「くまの里山」(西美恵子代表)が活動する那智勝浦町高津気地区にこのほど、上富田町の一瀬里山会が視察に訪れた。西代表が自身の団体の取り組みを紹介し、交流を図った。
「くまの里山」は2007(平成19)年に組織された「高津気竹灯りの会」が母体で数年前に「くまの里山」に改称。農業を身近なものとし、里山に残る食文化や先人の教えを次世代につなぐとともに、耕作放棄地の再生やしし垣の保全、里山の保存のために活動している。
一瀬里山会は16(平成28)年度に結成され、17(平成29)年度から農業農村活性化支援モデル事業に参画。「地域資源を活用した”おどろきと感動”の地域つくり」と「実践活動を通じて遊休農地の有効活用と地域の活性化」に取り組んでいる。
主な活動として、休耕田にヒマワリや菜の花を植え、アサギマダラ飛翔のために遊休地を利用し、フジバカマを植栽。棚田米と市ノ瀬産の棚田ゴマを使ったゴマセンベイづくりなど多岐にわたる。
今回の視察は西牟婁振興局を通じて行われた。オーナー制をピーマンやナスの畑で検討する同会は、すでに制度を取り入れているくまの里山の取り組みを学びにきたという。
高津気地区の清源寺で作成した資料を基に西代表が活動内容を説明。その後、タマネギ畑も案内した。西代表は「一瀬里山会さんのほうが先進地であり、活動も幅広く勉強させていただいた。『ぜひこちらにも来てください』とお話もいただいている。これを機会に交流を続けていきたい」と語った。
(2020年12月30日付紙面より)
蓬莱の畑地製菓舗 (新宮市 )
蒸した餅米の湯気が工場内に立ちこめる―。新宮市蓬莱の畑地製菓舗(畑地泰明店主)は27日から、正月用の鏡餅作りを始めた。店員、アルバイトを増員し、朝からつきたての餅を丸めて店頭に並べている。
作業は31日(木)の午前中まで続き、7~16㌢の8種類の鏡餅を作る。鏡餅の他、ヨモギなどの棒餅やエビ入り、トチの実を使った餅など多様な種類を用意している。
畑地さんは「鏡餅は硬めにしないと形が崩れてしまう。今年は新型コロナの終息を一心に願い製作に当たっています」と正月用の餅作りに込めた思いを話した。
日本の伝統・鏡餅は丸く平たい形をした正月用の床飾りで、穀物神「年(歳)神」への供え物であり依(よ)り代(しろ)。その形は「三種の神器」の鏡、玉、剣を表しているといわれる。地方によって異なるが、一般的に1月11日が鏡開き。刃物を使わず木づちなどでたたいて割って食べる。
正月に餅を食べる習慣は平安時代、宮中で健康と長寿を祈願して行われた行事「歯固めの儀」に由来する。家に床の間が作られるようになった室町時代以降、現在のように供えられるようになった。
(2020年12月30日付紙面より)
新宮弓友会納射会
たまたまトルベリーノカップ
長距離列車誘致が実現 (JR西日本 )
JR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」が、来年夏から秋にかけて、京都から新宮まで運行することが16日、発表された。京都発は夜行列車、新宮発は昼行列車となる(新型コロナの今後の状況により変更となる場合あり)。
同社は、観光を中心とした西日本エリアの活性化のため、9月11日から山陰方面に長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行を開始している。
車両は117系6両1編成。定員は90人程度で全車指定席。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置。シンプルながら高い快適性と落ち着いた車内空間を提供するとともに、車窓から沿線の風景を楽しめるような座席配置となっている。
この長距離列車について、新宮市、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町、すさみ町の7市町村と和歌山県は「西日本地域の鉄道を利用した旅行として新たな観光の起爆剤になるのでは」と注目し、2018年4月から意見交換会や勉強会を開催してきた。
今年10月には7市町村と県を代表し、田岡実千年・新宮市長が同社の長谷川一明社長に対し、南紀熊野ジオパークや熊野信仰、古式捕鯨、筏(いかだ)流し、世界遺産、串本町における国内初の民間ロケット発射場の建設などに触れ「当地域の観光資源を活用し、現在運行している山陰地方に負けないおもてなしを用意する」と要望活動を行っていた。
このたびの決定を受け、田岡市長は「一緒に要望書を提出させていただいた紀南7市町村の代表として、また新宮市長として大変うれしく思う。当地方が誇る自然や文化、さらに観光に対する取り組みが評価されたものだと感じている」と喜びのコメント。
今後は、関係市町村や県と受け入れのための協議会を立ち上げ、魅力ある観光素材づくりと「銀河」利用者に再度訪問していただけるように、頑張っていきたいとしている。
(2020年12月18日付紙面より)
岡野光夫教授が講話 (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校(前田成穂校長、生徒547人)で15日、日本の再生医療分野の第一人者である岡野光夫教授によるオンライン講演があった。「細胞シート再生医療の切り拓く未来」と題し、同校に通う理系分野の2年生48人が最先端の医療研究の世界に触れた。
岡野さんは早稲田大学理工学部を卒業し、同大学院高分子化学博士課程を修了(工学博士)。ユタ大学薬学部准教授、東京女子医科大学教授などを経て、現在は東京女子医科大学名誉教授・特任教授、同大先端生命医科学センター長、ユタ大学薬学部細胞シート再生医療センター長を務めている。
冒頭「現在治せない病気を治すにはどうしたらいいか?」と問い掛けた岡野教授は「工学・理学・薬学と医学を融合させ、国境を越えてアイデアや技術を結集する必要がある」と語った。
人工心臓や心臓ペースメーカー、新型コロナウイルス感染症の治療で重要な人工呼吸器などの医療機器のほとんどが輸入に依存していることの問題点にも言及。「教育・研究環境の整備によって日本発・世界初の新テクノロジーを創出し、産官学の連携によって産業を発展させることで、より多くの患者を救えるようになる」と述べた。
親・疎水性ポリマーを応用して作った細胞シートが、拡張型心筋症の治療やがん患者の食道再生、角膜再生に生かされている現場を映像で紹介。細胞シートを積層化する技術にも触れ、「10年、20年後には、肝臓や膵臓(すいぞう)といった臓器をまるごと作れるようにしていきたい」と語った。
生徒からの「これまでで一番大変だったことは?」という質問には、「工学から医学分野に足を踏み入れた際、どこにも研究の場がなかった」と答え、「山中伸弥教授がiPS細胞を作りだしてノーベル医学賞を受賞したことで、再生医療部分野も環境が良くなっている。未来のリーダーと技術をつくる仕組みづくりをしなければ、本当の意味で社会のためにはならない」と話していた。
(2020年12月18日付紙面より)
国際交流員が町長表敬 (那智勝浦町 )
国際交流員(CIR)として那智勝浦町が任用したミャオミャオ・イェさん(25)が16日、同町役場を訪れ、堀順一郎町長を表敬訪問した。イェさんの任期は最大5年。14日から同町観光案内所に勤務しており、任期終了まで観光案内や通訳翻訳、学校訪問、海外への観光プロモーションなどの業務に従事する。
イェさんは「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」により来日。先月27日に来日を果たしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、東京のホテルに待機しオンライン研修を受講していた。
中国浙江(せっこう)省出身で国籍はオーストラリア。日本語、英語、中国語が堪能という。幼い頃に「スタジオジブリ」の作品など日本のアニメで日本に興味を抱き、景色や歴史に魅力を感じたことがきっかけでCIRを希望した。
同町と故郷オーストラリア・ブリスベンを比較し「那智勝浦町は景色が美しい。ブリスベンと近い印象を受ける」。ハイキングと日本のとんこつラーメンが好きで合気道が趣味。「那智勝浦町の素晴らしさを広く発信できれば」と豊富を語る。
堀町長は「熊野古道を歩く外国人観光客ではオーストラリア人が一番多く、大変喜んでくれている」と紹介。
「新型コロナの影響でストップしているが、コロナが終息したら海外からのお客さんをお迎えしたい。町中観光マップの作成も考えている。ぜひ力になっていただきたい」と協力を求めた。
同町では、イェさんに外国人観光客への誘客促進や受け入れの環境整備などを期待しているとし、町内事業者に対して「英語や中国語メニューなどの翻訳にお困りの場合はお気軽にお問い合わせを」と呼び掛けている。
(2020年12月18日付紙面より)
追い払い花火使用講習会 (古座川町 )
古座川町が13日、一雨(いちぶり)にある明神中学校体育館などで動物追い払い用花火使用の講習会を開いた。使用に関心がある18人が受講し、座学や試し打ちに臨んで安全な取り扱い方法を学んだ。
同町は猟友会協力による有害駆除と町民による追い払いを組み合わせて鳥獣害を抑えるため、2013年度から町内を対象にして同花火を無償配布している。
採用している同花火は、三重県農業研究所の発案に基づいて開発された伊藤煙火工業株式会社製の動物駆逐用煙火T―3。市販されている花火よりも火薬量が多いため、この講習会を修了していることを無償配布と実使用の条件としている。配布開始以降おおむね年1回の頻度でこの講習会を開いていて、過去8回の実施でのべ約450人が受講し町内での使用の裾野が広がっているという。
9回目となる今回も同社代表取締役会長の伊藤照雄さんに講師を依頼し、当日受け付けで受講者を募集した。前半は座学で、伊藤さんはT―3の概要(5連発式の音花火)と管理および使用方法、使用上の注意を一通り説明。後半は最寄りの河原へ移動して試し打ちをし、使用するときの感覚や花火特有の劣化に伴う不発や暴発などの支障が出たときの対処を経験として伝えた。
受講者には後日、受講修了証を交付する。無償配布は役場本庁と各出張所でしていて、同証の提示と同花火使用受付簿への必要事項(住所や氏名など)記入で町内での使用資格があるかを確かめた上、申請1回につき10本以内で渡す仕組みとなっている。初申請時は花火と併せてステンレス製ホルダーの配布も受けることが必要。一度でも暴発を食い止めたホルダーは引き続き使用せず、その旨を申し出て新品と交換してほしいとしている。
同花火の問い合わせは役場地域振興課(電話0735・72・0180)まで。
(2020年12月18日付紙面より)
歳末助け合い托鉢 (新宮仏教会 )
新宮仏教会(会長・後藤太道清閑院住職、11寺)は8日、新宮市大橋通の淨泉寺で成道会(じょうどうえ)の法要と「歳末助け合い托鉢(たくはつ)」を実施した。同会加盟寺院の僧侶13人が網代笠姿で市内を回った。
成道会は釈迦(しゃか)が菩提樹(ぼだいじゅ)の下で悟りを開いたとされている12月8日を記念して行う法会。2月15日の涅槃会(ねはんえ)や4月8日の降誕会(こうたんえ=花まつり)と並んで三大法会の一つとなっている。托鉢は1922(大正11)年ごろから行われている。集まった寄金は市福祉協議会に寄付された。
法要を営んだ後、僧侶たちは同寺を出発。国道42号沿いやJR新宮駅前、仲之町商店街などを回り、ずだ袋を掛けて「恵まれない子どもたちに温かなお正月を」と呼び掛ける声に、市民らは「ご苦労様です」と応えながら浄財を入れていった。
後藤住職は「多くの方たちの温かい気持ちに大変感謝しています。人々は助け合いなどの思いでつながっていると感じています。今後も継続し、微力ではあるが役に立てれば」と話していた。
新宮仏教会加盟寺院は▽松巌院▽淨泉寺▽瑞泉寺▽清閑院▽清蔵寺▽清凉寺▽専光寺▽宗応寺▽東仙寺▽遍照院▽本廣寺。
(2020年12月9日付紙面より)
ローカル情報発信Lab (那智勝浦町 )
那智勝浦町で6日、「ローカル情報発信Lab.in和歌山2020」が開かれた。白浜町や上富田町、田辺市など県内在住のU・Iターン者14人が町内をフィールドワークし、各自の会員制交流サイト(SNS)に「魅力発信レポート(ハツレポ)」を投稿した。
同Labは和歌山県移住定住推進課主催。「わかやま暮らしって最高だよね」という気持ちを持つU・Iターン者に地域の魅力を取材・発信するスキルを身に付けてもらい、若者の移住・定住につなげる狙いがある。
東京を拠点にローカルの隠れた魅力を発掘発信する合同会社イーストタイムズの中野宏一代表が講師を務め、基本的な記事作成のノウハウを教えた他、県内6エリアを歩いて魅力を発掘した。
この日は駅周辺のいざかた通りや漁港を散策し、オンライン宿泊で話題を集めているゲストハウス「WhyKumano」の後呂孝哉さん、今年3月にIターンで料理店「エルカミーノデルポエタ」をオープンした佐藤由明さん、さゆりさん夫妻にインタビューをした。はえ縄漁に使われていた瓶玉のツリーやマグロの無人販売を物珍しげに写真に収める姿も見られた。
今年3月に白浜町へ移住した原田晃さん、織枝さん夫妻は「以前那智勝浦町に来たときは、ホテルや那智の滝などの『観光地』だけ見て満足しており、全然町歩きをしていなかった」と振り返り、「駅を下りたらすぐに土産屋や飲食店があり、散策できるスポットがたくさんあるのが魅力的だ」と語った。
講師の中野代表は「とてもエネルギーのある町。地元の人がSNSに投稿した情報が直接誰かに届くソーシャルメディアの時代には、辺境にある地域こそチャンス」と話していた。
参加者のハツレポは、イーストタイムズのニュースサイト「ローカリティ!」の他、フェイスブックの同Labのページでも読むことができる。
(2020年12月9日付紙面より)
町の公式HPでも視聴可 (串本町 )
串本町が4日、動画「日本トルコ友好130周年事業エルトゥールル号(以下エ号とする)追悼式典」の配信を始めた。同町公式ホームページ(HP)のお知らせ欄にリンクを貼るなどして視聴できるようにしている。
この式典は9月16日、同町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑で実施。コロナ禍の情勢を考慮し、現地参列を最小限に抑え、彬子女王殿下や駐日トルコ共和国大使館はインターネット経由でオンライン参列する形で営み、一般など参列できなかった人向けに動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」内でライブ中継もした。
その内容を編集したのが、今回配信を始めた動画。▽エ号遭難救助の解説(約6分30秒)▽町長メッセージ(約1分40秒)▽式典の概要(約1時間5分)―で構成され、日本語版とトルコ語版の2種類がある。
配信元はYouTubeの串本町総務課チャンネルで、課名でサイト内検索するとチャンネルや配信している動画が見つかる。利便を図るため、同町公式HPからも視聴できるようにしている。
視聴は無料だが1時間超の動画となるため、スマートフォンやタブレットなどの通信端末で視聴する場合はWi―Fi(ワイファイ)環境の利用が望ましい。問い合わせは同課(電話0735・62・0555)まで。
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同町は動画配信開始のお知らせと合わせて、10日(木)午後7時からライブ配信される海上自衛隊佐世保音楽隊クリスマスコンサートも公式HPで告知している。
日本トルコ友好130周年にちなんだ楽曲の演奏や串本とトルコの関係の紹介を内容の一部に含んでいて、佐世保地方総監部によると全体で約2時間(中休憩20分を含む)となるプログラムの第1部後半(午後7時28分ごろから9分程度)でこれら演奏や紹介を盛り込んでいるという。
配信元は海上自衛隊YouTubeチャンネルで、同課のようにサイト内検索すると見つかる。視聴無料だが、スマートフォンやタブレットなどの通信端末で視聴する場合はWi―Fi環境の利用が望ましい。
(2020年12月9日付紙面より)
道の駅「たいじ」で朝市 (太地町 )
太地町森浦の道の駅「たいじ」(〆谷(しめたに)和豊駅長)で6日、10カ月ぶりとなる朝市が開催された。「やつらが道の駅たいじの朝市に帰ってくるぅ~!」と銘打ち、12店舗が並び、多くの来場者が地元の海産物や鯨加工品などの買い物を楽しんだ。
同駅含め、出店者らはマスクやフェースシールドを着用し、アルコール消毒やソーシャルディスタンスなど、新型コロナウイルス感染対策をじゅうぶんに取った上で朝市の運営を行った。
また、この日は町民や町、南紀くろしお商工会などで組織される太地町特産品開発研究会(小出勝彦会長)が鯨肉の串焼きを試食として提供。試食後に感想などのアンケートを取った。
同会は鯨の食文化を後世に残し、発信するために鯨料理のレシピを収集し、レシピ本を作成するという。完成後は町民に無料配布する予定。来場者はユズが入ったみそに漬け込んだ鯨肉の串焼きに「おいしい」「やわらかい」と舌鼓を打った。
〆谷駅長は「朝市が開催できてありがたい。ないとさみしい。今後はコロナと共存する形になると思うので、そのたびに状況を見ながら実施していきたい」と話した。
(2020年12月9日付紙面より)
県軟連東牟婁支部学童部新人大会
地元勢は串本が2位 (熊野三山小学生バレーフェスタ )
県内初、ゼロカーボンシティ宣言 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は3日、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言した。和歌山県内では初の宣言で、同日、記者会見した堀順一郎町長は「町内外に自然環境にやさしい町ということを宣言していきたい」と抱負を述べた。
15年のパリ協定で「産業革命前からの平均気温上昇を2度未満とし、1・5度に抑えるよう努力する」との目標が国際的に共有されており、達成には「50年までにCO2の実質排出量をゼロにすることが必要」としている。
環境省では、目標達成に向け、50年までにCO2の排出量を実質ゼロにすることを目指す旨を首長自らが公表した地方自治体を「ゼロカーボンシティ」として国内外に発信するとともに、全国の自治体へ表明を呼び掛けている。3日正午現在では全国で178の自治体が宣言しており、同町は179番目。
なお、CO2排出量実質ゼロとは人為的な発生源による排出量と、森林などの吸収源による除去量との間の均衡を達成することをいう。
同町では那智の滝に代表される豊かな自然を次の世代へ引き継いでいくために▽那智の滝の森林の保全と健全な管理・育成▽地域資源を生かし、地域内で資源を循環させることで自立したまちを目指す「地域循環共生圏」づくり▽二酸化炭素排出量削減に向け、ごみの減量化と適正処理―に取り組むとしている。
同町によると、本年度中に町や有識者などが那智の滝の源流域の保全などに取り組む「那智の滝100年の森づくり事業」で中間報告が出され、それに沿って人工林の間伐や植樹などの対策を進めていく。
また、地域循環共生圏を目指し、電力の小売りや自家消費型太陽光発電の推進、飲食店の廃油を用いた熱電源の供給などの実現に向け調査中という。
堀町長は「熊野信仰は自然信仰。当町は元々、自然環境に寄り添ってきたため、以前からゼロカーボンの町。これからも継続していく。今回の宣言はそれを知っていただく機会。町民の皆さまには広報を通じて知らせていきたい」と語った。
(2020年12月5日付紙面より)
市婦人団体連絡協議会が人権学習会 (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)は3日、市福祉センターで人権学習会を開いた。換気やマスク着用などの新型コロナウイルス感染対策が講じられる中、市人権政策課の西山和視課長らが部落差別をはじめとする人権問題について講話。参加した会員約10人が学びを深めた。
学習会を前に仲会長が「コロナ禍の中、自粛で大変な毎日を送られていると思いますが健康が第一。お体に十分気を付けてください」とあいさつ。「今日の学びを通して全ての人々の人権が守られ、みんなが幸せに暮らせる社会の実現を目指していけたら」と呼び掛けた。
西山課長は、2016(平成28)年12月16日に「部落差別解消推進法」(部落差別の解消の推進に関する法律)が施行されたことを紹介。先立ち、市では15(平成27)年3月に「部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃に関する条例」を制定したと説明した。
法律施行以降、4年が経過したもののいまだに差別事件や不適切発言などが生じているとし「差別によって尊い命が奪われるような、あってはならないことが起こっている」。結婚差別などの部落差別事件の事象を紹介した。
学習会を終え、川嶋みどり副会長は「新宮市で差別事象が起こっているとは思っていなかった。貴重なお話を聞かせていただきました」と感想を話した。
(2020年12月5日付紙面より)
西向小6年生が租税教室受講 (串本町 )
串本町立西向小学校(山本隆介校長)で3日、租税教室があった。6年生が受講し、税金の種類や社会にどのように役立っているかなどを新宮税務署の署員から教えてもらい理解を深めた。
この教室は、新宮・東牟婁租税教育推進協議会(会長・石橋裕新宮税務署署長)が同署管内の小学校、中学校、高校を対象にして受講を勧めている。署員や納税協会職員、税理士や自治体の税務課職員など税務を担う人材が受講する児童生徒の年代を考えて解説し、税の仕組みを身近に感じながら将来の納税者としての理解を正しく持つことを応援している。
西向小へは同署個人課税部門の山本太郎調査官が来校。この日は1人欠席で7人が受講し、すでに納税経験のある消費税を足掛かりにしてほかにもいろいろな税金があることを教わった後、この仕組みがなかったら社会はどうなるかを紹介する映像教材「マリンとヤマト 不思議な日曜日」を鑑賞して税が社会の中でどのように役立っているかも考えた。
税を考えるときの金銭感覚を培うため、1億円分の1万円見本が詰まったケース(約12㌔)や中に入った1000万円分の束(1㌔)の重さを確かめる体験も。国税庁e―Tax(=国税電子申告・納税システム)のキャラクター「イータ君」の紹介や教材の内容にも触れるなどして、これから税制度を考えるきっかけや興味を数多く託すなどした。
13ある町立小中学校全てがこの教室を利用していてその積極さで同町教育委員会が感謝状を受けた経緯もある同町。本年度は新型コロナウイルスの影響で例年通りの活発さはないが、9日(水)には橋杭小が受講する予定となっている。
(2020年12月5日付紙面より)
紀州勝浦漁協がイセエビ奉納 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で3日、紀州勝浦漁業協同組合(片谷匡代表理事組合長)によるイセエビの奉納があった。片谷組合長、和歌山県漁業協同組合連合会・勝浦市場の太田直久市場長、堰本比呂武さんが参列。地元産イセエビ「南紀黒潮イセエビ」36匹10㌔を神前にささげ、新型コロナウイルス感染症の終息や海上安全、大漁、地域の発展などを祈願した。
片谷組合長によると、温暖化の影響による藻場の変化などで今年の漁獲量は昨年の3分の1程度だという。1㌔当たりの価格は一時7000円台まで高騰したが、最近は平均5000円台と安値を推移しているという。
片谷組合長は「経済や観光が落ち込むと産業にも影響が出る。厳しい状況の中、今年も奉納することができた。コロナの終息と大漁、海上安全をお祈りしました」。
男成宮司は「今年は新型コロナ拡大の影響もあり、漁業を取り巻く環境は依然として厳しい。来年、事態が終息に近づくことを期待したい」とあいさつ。
「漁業に携わる方々の操業の安全と豊漁を心からお祈りしています」と感謝を述べた。
(2020年12月5日付紙面より)
宇久井海水浴場で流木など撤去 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井地区(中路進総区長)と町、町建設業組合(上地秀和理事長)、和歌山県、新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長)は11月30日、宇久井海水浴場で官民一体の清掃活動を実施した。参加した約60人が協力し、漂着した流木などのごみを集めて撤去した。
同地区は景観美化を目的に毎年活動を実施してきた。昨年の度重なる台風などで多くの流木やごみが漂着したことから、区単独での撤去が困難となり町に相談し、管理者である県に要望した。その後、両組合に協力を呼び掛けた。清掃活動は1月末に行われて以来の実施となった。
参加者は各箇所に大きな流木などを集め、重機でトラックに積み込んだ。小さなごみは、町指定ごみ袋に詰めていった。
清掃に参加した矢熊義人副町長は「自分たちだけでは手に負えないごみなどもあり、地元や県、各建設業組合さんのご協力に感謝しています。今後も一体となって、わが家のようにきれいにしていけるよう取り組んでいきたい」。新宮地方建設業協同組合の松根康隆・副理事長は「地域貢献と思い取り組んでいます。これからもできる限り協力していきたい」。
中路総区長は「地形の関係もあって、ごみや流木が集まってくることが多く心配していました。日頃、地域の方々がボランティアで清掃してくれておりありがたいです。区だけでは、活動に限界があるため、多くの皆さんの協力に感謝しています」と話していた。
(2020年12月1日付紙面より)
4年生が総合学習の一環で (井田小 )
紀宝町立井田小学校(石谷正秀校長)の4年生25人が11月25日、道の駅「紀宝町ウミガメ公園」を訪れ、ウミガメの生態や環境保護の大切さを学んだ。
同校では、総合学習「地域に根ざした学習」の一つに「ウミガメ学習」を設けており、今回の訪問はその一環。同公園の飼育員・伊藤柊也さんが説明した。
児童たちは、施設で飼育する淡水にすむカメとウミガメに触れ、違いを確認。伊藤さんは「ウミガメは泳ぎやすいよう水中に特化した手に進化し、淡水ガメは陸や川底を歩くため爪が生えている」と話した。
ウミガメの種類について「アカウミガメは頭が大きく、カニや貝など硬い生物を主食とする。アオウミガメとタイマイはそれぞれ口に特徴がある。主食となる生き物が違うため特徴が異なる」と解説。アオウミガメの雄雌の見分け方も教えた。
近くの井田海岸に移動し、伊藤さんは「浜は砂利が多く、今年のアカウミガメの産卵はなかった。近年、砂浜が減少し、産卵に適しなくなってきた」と説明。産卵があった際は、卵が台風で流されないために井田小のふ化場に移していることも伝えた。
児童からはウミガメの寿命や餌などの質問があり、「ウミガメは人と同じくらい70~80年生きるといわれているが、定かでない」「飼育するウミガメにはアジ、イカ、キャベツを与えている」などと答えた。
(2020年12月1日付紙面より)
CGS部、千羽鶴など託す (串本古座高校 )
県立串本古座高校CGS部(森陽翔部長、部員20人)がこのほど、10月30日にトルコ共和国であった地震の被災者を励ますため千羽鶴とメッセージ色紙2枚を作った。
この地震はイズミル県沖のエーゲ海を震源として発生し、100人以上の死者、1000人以上の傷者、さらに多数の被災者を生む被害をもたらした。
そのニュースを知り、かねて日本とトルコの友好につながる何かをしたいと考えを巡らせていた同部は、日本の被災地を応援する方法の一つとなっている千羽鶴を作ることを決め、部員20人で手分けし約2週間がかりで仕上げた。併せてメッセージ色紙も送ることにし、被災者が一目で分かるようインターネット上の翻訳機能を駆使して日本語とトルコ語の両方で応援の思いを寄せ書きした。
どうやって被災者に届けるかを考えた末、役場に仲介してもらうことを決めて、11月26日に田嶋勝正町長を表敬訪問。森部長(2年)が同部の思いを乗せて千羽鶴とメッセージ色紙を託した。田嶋町長は日本トルコ友好周年事業の共催で親しい関係にある駐日トルコ共和国大使館経由で被災者に届ける、と約束して千羽鶴、色紙、思いを預かった。
今回の取り組みについて森部長は「僕たちにできる事でどうやれば被災した皆さんを元気づけられるか、と話し合い千羽鶴を折ることにした。発生から2日後のことで、義援金も考えたけれど日本で浸透しているこの方法が自分たちの思いを一番伝えやすいと思った」とコメント。
田嶋町長はトルコ軍艦エルトゥールル号遭難やトルコ航空邦人救出などを振り返って助け合いの積み重ねが歴史を風化させず友好を支えている側面を部員に諭し、「役場に寄せられているトルコ西部地震災害義援金と共にこの応援もきっと次の30年、50年の友好につながっていく」と語りかけて同部の行動をたたえた。
(2020年12月1日付紙面より)
不思議科学実験ショー (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)は11月28日、那智勝浦町の体育文化会館で令和2年度の「不思議科学実験ショー」を開催した。児童生徒や保護者合わせ40人が参加。「分光の実験」として、「分光器」の工作やさまざまな実験を行い、光について学びを深めた。
例年は科学技術振興機構・サイエンスレンジャーの海老崎功さんが講師を務めているが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から今回はオンラインで実験をサポートした。
森川会長は「コロナ禍での開催のため、じゅうぶんに対策をさせていただいた。科学実験ショーを楽しんで、勉強して帰ってください」とあいさつ。
オンラインで京都からサポートした海老崎さんは「科学ショーの継続は素晴らしい。南紀くろしお商工会さんが大変な努力を重ねているからこそ。今日は新しい情報技術を駆使して実験の様子を見させていただきます。楽しんでください」と話した。
実験はスライドショーに合わせて、音声で解説が行われた。はじめに、進行方向に物体がある際に、その裏に回り込む現象である「回折」を学んだ。
配布されたフーリエ変換ホログラムという回折格子が付いた「1枚で2度ふしぎなカード」で実験。カードは光を通すことで回折像が見えるように作られており、児童らは小さな光を照らし、カードをのぞくことでイラストが見えることや、明るい場所でかざした手を見れば手の骨のようなものが見えることを確認した。
続いて、工作した分光器でさまざまな光を見て、光の波長ごとの分布強度(スペクトル)を確認した。その後、児童生徒らに同商工会から分光器の手作りキットがお土産として手渡された。
参加した町立太田小学校6年の尾鷲俊人(しゅんと)君は「スペクトルという言葉を初めて知った。光によって見え方が違うことが分かった。家でもやってみたいです」と語った。
(2020年12月1日付紙面より)
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