新宮港でテロ対策訓練 (港湾保安委員会 )
新宮港港湾保安委員会(会長=鈴木伸幸・東牟婁振興局新宮建設部長)は27日、同港三輪崎4号岸壁で令和2年度新宮港テロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、新宮警察署、新宮市、新宮市・那智勝浦町の両消防本部、大阪税関和歌山税関支署新宮出張所など10機関から約70人が参加。テロに対する水際での連携体制を強化した。
新宮港では、約1年ぶりとなる「飛鳥Ⅱ」の入港を来月15日(日)に控えており、以降も続けてクルーズ船が寄港する予定となっている。
訓練は、今後増えると予想される客船の入港や、来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を見越し、テロ事案に対する関係機関の対応の相互確認や、連携強化により的確に対応するための取り組み。▽巡視艇による不審小型ボートの発見と追跡、逮捕▽入国審査における不審旅客の発見と逮捕▽手荷物検査における旅客の所持品内からの拳銃発見と逮捕▽船内不審旅客の捜索と逮捕▽時限発火装置による火災発生と消火―の5項目を想定し実施した。
海上での訓練では、海保のボートが追跡し、追い詰められた不審小型ボートが発砲。海保巡視船が威嚇射撃を行い、不審者を逮捕に至るまでを訓練した。
鈴木会長は、同港に外航船や貨物船、クルーズ船などが多数入港しており、地方港湾ではあるが「国際航海船及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」に基づく対応が必要な港湾と説明。東京オリ・パラでは国際的な注目が増すことでテロの脅威も増大すると述べ「この日の訓練がテロ対策の重要性と必要性を再認識し、相互組織のつながり強化に寄与するものを期待している」と述べた。
新宮港公安危機管理担当官の上野春一郎・田辺海上保安部長は「コロナ禍でさまざまなイベントが中止となる中、国際テロ組織の過激思想の影響を受けた者によるテロの可能性は否定できず備えは常に必要な状況」とあいさつ。水際対策はテロ対策の要であり、関係機関が連携を強化し続けることが重要と呼び掛けた。
訓練後には、副担当官の小畑博昭・新宮警察署長が「水際で不審者をあぶり出しその場で制圧・逮捕するなど、実践さながらの訓練であり、各機関の連携が確認できる内容で非常に心強く感じた」と講評。
「テロを未然に防ぐためには絶対に新宮港からテロリストやテロに使用される物を入れないという強い姿勢で挑む気持ちが必要。関係各機関のより一層の連携強化と対処能力の向上を」と呼び掛けた。
新宮港でのテロ訓練は国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。
(2020年10月29日付紙面より)
県内の修学旅行生が増加 (ウミガメ公園 )
紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」飼育棟で27日、プール清掃があり、ウミガメサポーター8人と飼育員らが作業に汗を流した。
今年はコロナ禍での修学旅行の行き先を県内に変更する学校が多く、ウミガメ公園には三重県内から多くの修学旅行生が訪れているという。
きれいなプールで修学旅行生を迎えようと清掃を実施。プール内の水を抜き、壁や床の汚れを落とした後、ウミガメ6頭の甲羅を磨いた。2時間ほど作業し、参加したサポーターは「きれいになったウミガメを多くの人に見てもらいたい」と話していた。
同公園では、ウミガメが健やかに暮らせる飼育環境を維持するため「ウミガメサポーター」を募っている。2013(平成25)年から始まり、これまで457人が登録。協賛金3000円で半年間、5000円で1年間サポーターとして認定される。
会員になればウミガメサポーター認定証が交付されるほか、希望すれば飼育プールの壁面に名前やグループ名の名札を掲示することもできる。問い合わせは、ウミガメふれあいパーク(電話0735・33・0300)まで。
(2020年10月29日付紙面より)
県立串本古座高校(左近晴久校長)の1年美術選択生25人がこのほど、共同作品「ゲルニカ」を仕上げた。来月実施の第16回串本町民総合展に出品するそうで、「本年度は文化祭がないので、この機会に大勢の皆さんに見てもらえれば」と同展期間中の鑑賞を呼び掛けている。
この作品制作は、前年度から同校の美術科を担当する西浦元康講師が生徒に作品発表の実感を託すために計画。油彩画の勉強を兼ねて6月に画家パブロ・ピカソが描いた作品「ゲルニカ」を解説し、以降生徒は手分けしてF10のキャンバス28枚に部分模写して組み合わせ実物の約4分の1の大きさ(約縦180㌢、横約370㌢)となる共同作品を仕上げたという。
西浦講師は「ほとんどの生徒が油絵の具を扱うのが初めて。悪戦苦闘しながら完成までこぎ着けた」と製作の様子をコメント。
生徒の猪村凌君は「色の濃淡をつける感覚が今まで使ってきた絵の具と違って難しかった。共同作品なのでみんなで合わせないと作品がおかしくなってしまうなと思い、そこは丁寧にしようと心掛けた」と挑戦を振り返り、「作品は一つだけど組み合わせる一枚一枚にみんなの個性が出ている。町民総合展ではその部分まで見てほしい」とアピールした。
□ □
1年美術選択生と共に、2年美術選択生10人は油彩の点描画(F3)、3年美術選択生はアクリル絵の具のイラストデザイン(B3)を出品する予定。共同作品と合わせて鑑賞してもらえればと呼び掛けている。
第16回串本町民総合展は来月6日(金)から8日(日)までの3日間、町立体育館と文化センター、串本いやしの会展示場〈合同参加〉で開かれる。開場時間は午前9時~午後4時30分で、入場無料、随時受け付け。同校の作品は同センターB会議室に飾る予定となっている。
(2020年10月29日付紙面より)
和傘の灯りin西村伊作記念館 (11月1日まで、ライトアップイベント )
新宮市新宮の旧西村家住宅(西村伊作記念館、重要文化財)を和傘のライトアップで彩る「和傘の灯りin西村伊作記念館」が27日から始まった=写真。約100本の和傘が同館を照らし、訪れる人々の目を楽しませている。
新型コロナウイルスの影響で閉鎖的になっている気持ちを少しでも和らげることと、インスタグラムなど会員制交流サイト(SNS)で発信することにより市の文化的魅力の周知を図るために新宮商工会議所青年部(新宮YEG)が企画。今年リニューアルオープンした同館の文化的背景や歴史を発信する機会へとつなげる目的もある。
新宮YEGは昨年にも地域活性化事業として「あえかなる城」を開催。新宮城を舞台に展開された水野家入部400年記念イベントに彩りを添えた。
イベント初日のこの日には、多数の親子連れや夫婦、写真愛好家らが訪れ、一眼レフカメラやスマートフォンを手に写真撮影。「きれいだね」などと感想を口にしていた。
寺前砂和会長は「柔らかい和傘の灯りで、少しでも癒やされていただければ」と来館を呼び掛けている。
ライトアップは11月1日(日)までの午後6時~9時(最終日は8時まで)。コロナ感染予防のため、マスク着用と会場入り口では手指消毒を。体調が優れない人は来場を控える。新宮税務署前の駐車場が利用可能。
(2020年10月29日付紙面より)
総合スポーツ大会ソフトテニス (新宮市老連 )
集客力UPセミナーに40人 (和歌山県 )
和歌山県観光交流課は21日、那智勝浦町の体育文化会館で「コロナ時代における集客力UPセミナー&相談会~スマホ利用者に店舗・観光情報を発信~」を開いた。約40人が参加。コロナ禍における集客に向けた情報発信方法などについて学びを深めた。
コロナ禍により海外往来の制限や新たな生活様式の浸透など、観光業界を取り巻く環境が急激に変化し、集客に向けた情報発信にも変化が求められている。
セミナーは、そういった現状を鑑み、今後旅行のスタンダードとなりうるGoogle(グーグル)や各種オンライン旅行予約サイト(OTA=※)などを活用して旅行する個人や小グループ旅行客を取り込むためのノウハウに関して、分かりやすく具体的な情報を提供する目的をもって開催に至った。
開催に当たり、県商工観光労働部観光交流課の橋本恵一郎課長が「コロナをきっかけに時代が変わりつつある。政府でもデジタル化を進めようといった動きもあり、今後ますますデジタル化は進んでいくと思う」。県内の観光概況について説明し「人口が減少する中、外貨を取り入れる必要がある。県もインバウンドを呼び戻すために取り組んでいく」などとあいさつした。
セミナーではGoogle社公認GMB・GoogleMapゴールドエキスパートの永山卓也さんが講話。休憩を挟み、Trip.comグループ日本ブランディング戦略部長の石川美奈さんが「OTA活用による情報発信のメリット」、チケッツインターナショナル日本支店代表の荒木篤実さんが「観光客が体験をする際のニーズ」などをテーマにそれぞれ講話した。
GoToトラベル事務局(和歌山事務局)によるGoToトラベル地域共通クーポンに係る制度概要の説明もあったほか、セミナーと並行し、会場外では講師陣による個別相談会も行われた。
□ □
※OTA=「じゃらん」や「楽天トラベル」に代表されるインターネット上をメインに取引を行う旅行会社。取り扱い分野は、航空券・ホテル・現地オプショナルツアーなど多岐にわたる。
(2020年10月23日付紙面より)
通学路の危険箇所も点検 (御浜町 )
防犯ボランティア団体の子ども見守り隊御浜支部とみかんパトロール隊は、御浜町立阿田和小学校(竹本和拡校長)で19日、見守り活動に取り組んだ。下校する児童に「気を付けて帰ってね」と声を掛けた。
「子どもと女性の犯罪被害防止」などを重点とする全国地域安全運動の一環。紀宝警察署と合同で実施し、2団体と同校の竹本校長、署員の計7人が参加した。
下校する低学年の児童への見守りを行った後、通学路の危険箇所を点検した。同校が昨年実施した保護者アンケートでは、「見通しが悪い場所や人通りの少ない道路がある」などの回答があり、警察と2団体、学校が情報を共有した。
竹本校長は「児童136人のうち、ほとんどが徒歩で通学している。学校では保護者アンケートで危険箇所を把握し、防犯教室にも取り組んでいる。防犯ボランティア団体の活動も抑止力につながっている」と話していた。
(2020年10月23日付紙面より)
潮岬中で子育て講演会など (串本町 )
串本町立潮岬中学校で21日夜、同校と潮岬小、潮岬こども園の保護者を対象にした子育て講演会があった。テーマは「ネット・スマホ・ゲームと依存症 正しく知って生かしましょう」。保護者や教諭ら47人が参加し、子どものインターネット利用の実態や周囲の関わり方を考える足掛かりとして聴講した。
この講演会は、潮岬地区の子どもが一貫して通うことになる3校園の育友会が合同で計画した行事。今回は25年来の情報教育研究経験を持つ和歌山大学教職大学院教授・豊田充崇さんを講師に迎え、その識見から子どもが直面する課題解消の糸口を考える趣旨で参加を呼び掛けた。
豊田さんは和歌山県の子どものインターネット利用の実態と県民のおおらかさなどを都道府県別に比較した統計資料で示唆。他方、薬物・アルコール・ギャンブルに続く第4の依存として世界的に懸念されるゲーム障害は没頭により生活が崩れている状態を指すことを紹介し、単に長時間だからではなくどのような状態が依存に当たるかの目安を伝えた。
状態に対する対処として五つの視点(①使用ルールを作る②使用状態の把握③ネット以外の居場所を作る④使用履歴を作る⑤使用制限をする)を挙げ、①については県教育委員会が近々誓約書の書式を発表予定だと伝えて活用を推奨。さらに六つ目の視点として、ゲーム好きはプログラミング好きでプログラムの内容に対してより良いアイデアを出しその実現に意欲を示すという側面を例示し、そのように高い関心を有益な方向へ振らせるのも一つの手だと提言して、保護者らによる関わりを促した。
豊田さんは保護者とは別に同日午後、潮岬小4~6年生78人と潮岬中1~3年生65人を対象にしたネット・スマホ・ゲーム講演会にも登壇。身近な利用方法に潜んでいる危険を児童生徒と一緒になって考え、▽寛容・許容の精神を持つ▽拡散されても大丈夫な書き込みか▽個人情報の扱いは必ず相手の許可を取る▽動画投稿にはリスクがつきもの▽スマホでの時間浪費は未来の自分を虐げる―といった要点を振り返って適切に利用する意識を促した。3校園の教諭を対象にした研修の講師も務め、今後の社会変化を見据えた関わり方の視点を託すなどした。
(2020年10月23日付紙面より)
順心の会が太極拳鍛錬会 (那智勝浦町 )
楊名時太極拳順心の会(大澤順子代表)は21日、那智勝浦町のブルービーチ那智(JR那智駅裏側付近)の広場で太極拳鍛錬会を実施した。約40人が参加し、眼下に広がる那智湾を前にさまざまな型に取り組んだ。
大澤代表は日本健康太極拳協会の師範で、大自然の空気を存分に味わいながら太極拳に取り組んでもらいたいとの思いから年に1度実施。熊野地方で五つの太極拳教室を開き、参加者の健康づくりに役立てている。毎週水曜日には旧三川小学校で教室を開催している。
参加者は大澤代表の動きに合わせて実践。緩やかな音楽が流れる中、集中しながら体を動かし汗を流した。
大澤代表は「曇り空で天候が心配でしたが、晴れ間も見えるようになりすがすがしく行うことができました。コロナ禍でいろんな催しができなくなる中、鍛錬会も中止を考えましたが、対策を取り細心の注意を払って実施することを決めた。自宅で過ごす人が多く、気が重くなりがちのため、自然の空気を吸って少しでもストレス発散につなげてもらえれば」と話していた。
(2020年10月23日付紙面より)
体育館や校舎で雨漏りなど (新宮市立緑丘中学校 )
潮岬の南を通過し、9日から10日にかけて当地方にも大雨や暴風の被害をもたらした台風14号。台風の影響で、新宮市緑ヶ丘の市立緑丘中学校では校門前の木が倒れ、台風が去った後も同校体育館の数カ所で雨漏りなどの被害が深刻化している。
同校舎は、第一、二、三期工事を経て1981(昭和56)年4月に竣工(しゅんこう)した。体育館も同年2月に竣工。校舎、体育館ともに、約40年が経過している。
同校によると、10年ほど前から雨漏りなどの兆候があったという。現在では校舎で2カ所、体育館では十数カ所の雨漏りを確認している。同校の橋本紀彦教頭は「雨量や風向きなどによっては大きな雨漏り被害が出ていたが、今回の被害は最近では一番大きいのでは」。
11日には同所で「第42回東牟婁地方中学校新人卓球大会」が開催されたが、試合中に体育館の警報装置が作動。一時大会は中断となった。新宮市消防本部では水漏れによる感知器の誤作動として現在調査を進めているが、建物の老朽化を懸念する声は後を絶たない。
橋本教頭は佐藤春夫による同校校歌の一節「緑丘の九百人 皆あらたよの星我等」に触れ「少子化でどこの学校も同じだが、数十年前には同校にも多くの生徒がいた。現在は全校生徒合わせて約260人。かつての3分の1の生徒数では掃除などにかかる労力が3倍かかる」と頭を悩ませている。
市教育委員会も同校の現状を把握。現在修復に向け検討を進めているという。
(2020年10月15日付紙面より)
後呂孝哉さんが講演 (和歌山県 )
和歌山県東牟婁振興局企画産業課内にある熊野エリア観光推進実行委員会事務局は12日、インターネット上でオンライン活用セミナーを開催した。県内の観光に関係する団体など20人が参加。那智勝浦町築地の「WhyKumano Hostel & Cafe Bar」(以下ワイクマノ)を経営する後呂孝哉さんが講師を務め、オンラインの可能性や有効性について講演を行った。
□ □
同事務局によると、振興局におけるオンラインセミナーは初の試み。新型コロナウイルス感染拡大の中、オンラインの活用方法に注目し、さまざまな可能性が期待されるオンラインを広め、学ぶ機会とするために開催に至ったという。
県ではこれまで、新型コロナウイルス感染拡大の影響で紀南地域へ修学旅行に訪れている紀北地域の小中学生が学習効果を高めるために、オンラインで地域を学ぶ事前学習に取り組んでいる。
□ □
当日はインターネット上で会議などが行える「Zoom(ズーム)」を使用し、後呂さんがワイクマノから発信。
新宮市出身の後呂さんは自身が世界を旅したことや栃木県宇都宮市のシェアハウスで多彩なイベントを開催したこと、日本一周などで分かったこととして「旅先の日常は自分にとっての非日常。イベントをすれば友人が増え、地域が楽しいことを知った。そして、面白いのは世界でなく日本だと気付いた」と解説。
熊野を知らない人たちに熊野を知ってもらい、地元に貢献したいという思いからワイクマノを経営することに至ったと話した。
世界初のオンライン宿泊の誕生については、コロナの影響で予約が全てキャンセルとなった際にできることを模索。YouTube(ユーチューブ)の動画にヒントを得て、感染リスクのない仮想宿泊体験の提供に至ったという。
後呂さんは「オンライン宿泊では交流を目的化している。館内案内を行い、インターネット上で乾杯し交流する。その際に熊野の名所や食、温泉と世界遺産を説明する」と述べ、チェックアウト時には熊野の魅力を伝えるプロモーション動画を送信していることも効果として大きいと述べた。
□ □
後呂さんはオンラインの利点について▽国内外からも参加できる▽オンライン宿泊後に興味を持った参加者が実際に足を運んでくれる▽アーティストなどともコラボレーションでき、コンサートが開ける▽さまざまな事情で旅行に行くハードルが高い人も自宅から参加できる―などを挙げた。
「オンラインはコロナ禍の中で発展したもの。まだ手探りな状態。文化として根付くには時間がかかると思う。しかし、熊野を知らない人に熊野のPRができるのはすごい効果だと思う」と話した。
(2020年10月15日付紙面より)
三尾川小で地域交流行事 (古座川町 )
古座川町立三尾川(みとがわ)小学校(山本健司校長、児童9人)で12日、地域交流行事「スナッグゴルフ&焼き芋会」があり、児童教職員と三尾川区(中田定区長)の高齢者が競技などを通して親交を深め合った。
この行事は、旧・奥田育英会から贈られたスナッグゴルフセットを活用した秋恒例の取り組み。本年度は感染症予防対策を講じながら実施することとし、同区に参加者集めの協力を求めた。
当日は中田区長や毎年の稲作体験でお世話になっている日下恵夫さんら12人が来校し、同校は体温確認を求めつつ歓迎。12人はくじ引きでどの児童グループに加わるかを決め、児童はグループ名を決めて一体感を高めつつプレーに臨んだ。
スナッグゴルフはゴルフの導入として考案された軽スポーツで、グループメンバー全員でボールを打ち一番の好打を次の一打にする流れでゴルフ同様に少ない打数を目指すチーム戦を特色とする。
同校は今回、運動場に五つのホールと待ち時間中の練習場を準備。各グループとも児童が積極的にペースメイキングに頑張り、プレー後はグループ間で成績を比べて健闘をたたえ合うなどした。
児童や高齢者が競技に臨んでいる間、山本校長らは児童が校内の畑で育てたサツマイモを炭火であぶって焼き芋に。交流への感謝として振る舞ったが、感染症予防の一環で今回はその場で一緒に味わうのを見合わせ、各自お土産として持ち帰る形で交流を締めくくった。
(2020年10月15日付紙面より)
火災やまぬサ市に寄付金 (新宮市姉妹都市親善協会 )
米カリフォルニア州で8月中旬から山火事が発生。いまだ記録的な火災が続いている。このほど、新宮市と市姉妹都市親善協会の有志らは、市姉妹都市である同州サンタクルーズ市(サ市)に対し寄付金を送付。サ市から会員制交流サイト(SNS)を通して感謝のコメントが寄せられた。
8月中旬の相次ぐ落雷により別々の場所で発生した火災は、複数の郡を横断する大規模火災へと発展。焼失面積は100万㌈(約4050平方㌔)を超え「ギガ火災」の規模に到達した。被害が深刻化する山火事について、州当局者や専門家からは気候変動の影響を指摘する声も上がっている。
被害の全容はまだ見えてこないが、サ市においても多くの家族が家を失い避難を余儀なくされている中、新型コロナウイルス感染症の影響で避難所の設置を見合わせている地域も多いといった情報も伝わっている。
報道を受け、「サ市のために何かできることはないか」と市職員有志と同親善協会員らが先月1日から口コミやSNSなどを通して募金活動を開始した。集まった合計15万5000円の募金は1週間後の8日、市秘書課を通して同親善協会の岩澤卓副会長がCZU火災救済基金に寄付。今月8日、サ市Parks and Recreation課から「両都市はさまざまな困難を乗り越え、互いに助け合ってきた。友好都市の多くの友人たちに感謝します」とコメントが送られた。
サ市の投稿を受け、田岡実千年市長は「サ市の皆さまの安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げますとともに、今回の新宮市姉妹都市親善協会の皆さんの被災地へのご支援に感謝します。これからも姉妹都市として助け合いながら交流を深めていきたいと思います」と話している。
市では現在も引き続きサ市への寄付金を受け付けている。集まった募金は災害で多くを失った家族や山間コミュニティーのために使われる。寄付に関する問い合わせは市秘書課(電話0735・23・3333、内線4003)まで。
(2020年10月15日付紙面より)
江戸千家宗家が献茶式 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)別宮、飛瀧(ひろう)神社で4日、新宮生まれの茶人、川上不白(1719~1807年)を流祖とする江戸千家宗家蓮華菴(川上閑雪(かんせつ)家元)による献茶式があった。本年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から各支部の代表など10人が参列し、川上紹雪(じょうせつ)副家元が献茶を行った。恒例となっている献茶後のお茶会は中止となった。
献茶は2007(平成19)年12月、宗家所蔵の不白寿像から「宝珠双龍紋」が見つかったことから、不白の故郷の「那智の滝」への崇拝と龍神信仰があったと考えられている。このことを縁に翌08年(同20)年から同大社での献茶を続けており、今年で13回目を迎えた。
献茶式では、多くの観光客らが見物する中、紹雪副家元が茶を2椀たてて神前に献じた。
男成宮司は「例年通りご奉仕いただき、ありがとうございます。熊野はよみがえりの地。一日も早い改善のために心よりお祈りをささげたい。皆さまには明るい世の中を見据えて茶の道にご精進いただきたいと思います」と述べた。
紹雪副家元は「コロナの状況もある中、無事に務めることができてほっとしています。茶道に限らず、さまざまな伝統文化が大変な状況にあると思う。一日も早く平穏な世の中に戻ってほしいと思いを込めて献茶させていただきました」と語った。
不白は新宮藩主水野家に仕える藩士の次男として生まれた。32歳で江戸に出て、千家流茶道を広めた。皇族、大名、旗本から町民まで階層にかかわらず指導したことで知られる。
(2020年10月6日付紙面より)
災害時警察活動協力員らが啓発活動 (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は3日、新宮市谷王子町のオークワ新宮仲之町店の催事場周辺で災害啓発活動を実施した。同署員4人と災害時警察活動協力員4人が買い物客らにチラシなどの啓発物資を手渡し、災害時の備えの必要性と自主避難の重要性を訴えた。
災害時警察活動協力員は、災害発生時における災害警備活動などへの警察官の大量動員に伴って生じる多数の空き交番や駐在所において、警察官の代わりに地域住民の不安感を解消するために窓口対応などを行うことを目的としたもの。各警察署ごとに警察官OBから選出されている。
啓発活動は、夏から秋にかけての台風シーズンや、今後発生が危惧される南海トラフ地震などの大災害に備えてもらおうと、普段からの準備や心構えを広く呼び掛けるもの。啓発物資の配布のほか、紀伊半島大水害(2011年)、東日本大震災(同)、熊本地震(16年)の被害状況や災害警備活動の様子もパネルで展示され、多くの買い物客らが足を止めて見入っていた。
同署の新谷浩一警備課長は「災害はいつ起こるか分かりません。最低限の避難グッズの用意や、ローリングストックなど平時に備えを。災害時には河川状況や避難指示を確認し、早めの避難を心掛けてください」と呼び掛けている。
(2020年10月6日付紙面より)
風水害に備え各避難所に配置 (紀宝町 )
風水害に備え紀宝町は、町内各避難所に新型コロナウイルスに対応した備品・物資を配置し、各地区の避難所開設・運営訓練などで取り扱いを説明した。災害時における感染リスク低減を図ることが目的で、第2次地方創生臨時交付金事業の一つ。避難所運営者用、衛生管理用、受付用の各備品をそろえた。
マスク、使い捨てゴム手袋、フェースガード、養生テープ、啓発用掲示物、手指消毒液、ペーパータオル、施設消毒液、施設消毒用タオル、除菌シート、
足踏み式ごみ箱、ごみ袋、非接触式体温計、問診票兼避難者情報カードなどの備品を一つのボックスにまとめた。パーティションセットも備え、各避難所のレイアウトも添えて、受付要員はフェースガード、マスクを着用するよう呼び掛けた。
新型コロナは、いつ、どこで、誰が感染するか分からないことから、町では自主防災組織に「避難所へ避難する際はマスクを着用し、感染防止拡大対策の協力をお願いするとともに、避難所受付検温実施などで混雑するため、早めの避難を心掛けるように呼び掛けてほしい」と求めている。
(2020年10月6日付紙面より)
第2回お買物券発行開始 (串本町商工会 )
串本町商工会(須賀節夫会長)が4日、本年度第2回プレミアムお買物券の発行を始めた。この日は役職員らが町内2カ所で、感染症予防対策を講じながら販売所を設置。5日以降は同町商工会館で売り切れるまで取り扱いを続けるという。
このお買物券は、同町の小売店舗等消費拡大推進事業の委託を受けて年2回発行。今回は感染症対応事業「プレミアムお買物券増額事業」の上積み委託による、プレミアム率を1割から3割、発行数を3000セットから5000セットに増強する形で発行している。
販売所の一つ、同町文化センターでは役職員が12の窓口を設けて販売に当たった。発行対象は町内在住・在勤者で、従来の代理購入は不可。家族連れで購入に訪れるケースもあり、開場前から順番待ちの列ができ開場後1時間弱続く従来にない盛況を見せていた。
通常時の発行規模は3300万円相当だが、今回は6500万円相当。須賀会長はこの消費者支援は取扱参加店の経営支援にもつながっているとし「経済効果として功を奏し、一人でも多くの商売人のプラスになってくれれば」と期待を語った。
今回発行分の有効期限は12月31日(木)。取り扱い参加店数は141で、A2大のチラシなどで紹介しているほか取り扱い参加店も店頭告知しているので目安にしてほしいという。同会館での取り扱い時間は平日午前9時~午後5時。5日現在の残数は約1000セットという。問い合わせは同商工会(電話0735・62・0044)まで。
(2020年10月6日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
新宮市スポーツ祭典バドミントン競技
JAみくまの旗学童軟式野球大会
第14回新翔高校体育祭 (新宮市 )
新宮市の県立新翔高校(東啓史校長、生徒326人)で9月30日、第14回体育祭(前田茉里実行委員長)が開かれた。今年のテーマは「密です密です体育祭~新翔しか勝たん~」。新型コロナウイルス感染対策のため無観客での開催となったが、生徒たちは互いに声援を送り合い、生き生きと青春の一ページを楽しんでいた。
開会式で東校長は「『若さとパワーでコロナに勝つ』。そう言い切れるよう、みんなのハートにレボリューションを起こせるよう頑張って」と激励。
4ブロックを代表して和田惟吹君、辻光昌君、中村颯太君、氏家大輝君が「このスローガンの下、僕たちは体育祭に命を懸けてきました。時には上腕二頭筋やハムストリングス筋、全身のありとあらゆる筋細胞が破壊され、筋肉痛になりました。この体育祭に関わってくれた全ての人に感動、笑顔、勇気を届けると誓います」と宣誓した。
秋晴れの下、グラウンドでクラス対抗リレーや大縄跳び、応援コンクール、ダンス「熊野ハレヤ音頭」が行われ、熱戦が繰り広げられていた。
(2020年10月1日付紙面より)
成川小をモデル校に指定 (紀宝署 )
横断歩道での歩行者優先のルール順守を浸透させる取り組み「まもってくれてありがとう運動」のモデル校指定式が9月28日、紀宝町立成川小学校(大藤伸之校長)であった。
南牟婁郡交通安全対策協議会、紀宝地区交通安全協会、紀宝警察署が指定したもので、管内では同町立相野谷小学校に次いで2校目となった。
日本自動車連盟(JAF)が昨年実施した、信号機のない横断歩道で車が一時停止する率の全国調査では、三重県が全国最下位だったことから、県警では道路を横断する歩行者が止まってくれた車に対して「ありがとう」の気持ちを示すこの運動を推進してきた。
指定式では、止まった車に「ありがとう」を伝える見本を見せ、同協会の久保正会長が児童会の大植心晴会長(6年)に指定書を手渡した。同署交通課の川岸将之係長は校区内の危険箇所を示し「横断歩道は左右を確認してから渡ってください。自転車に乗る際はヘルメットを着用してほしい」と呼び掛けた。
大藤校長は「指定を受けることで、子どもたちの意識も高まる。横断歩道でドライバーに『ありがとう』と気持ちを伝える笑顔があれば交通事故も減少するのでは」と話していた。
(2020年10月1日付紙面より)
玉置口線運行終了を前に (新宮市熊野川町 )
9月30日をもって運行終了を迎える熊野御坊南海バス株式会社の玉置口線で29日、九重・四瀧地区のふれあいいきいきサロンによるバスツアーが行われた。区民10人が九重郵便局前から乗車し、終点の玉置口バス停までの旅路で思い出話に花を咲かせた。
熊野川町史によれば、玉置口地区から九重地区へ至る県道はその昔、人1人がやっと通ることのできる細い尾根道で、通称「蟻の腰」と呼ばれていた。郵便逓送や九重小学校高等科への通学路としても利用され、「予防接種を受けるためにも九重小学校までの約6㌔㍍を児童・生徒たちが歩いた」との記載がある。1959(昭和34)年に自動車の走る北山川林道が開通し、翌60(昭和35)年4月1日に区民待望の定期バスの乗り入れが実現。当時は多くの生徒や瀞峡への観光客が利用した。
しかし、近年は人口減少や利用実績の少なさから公共交通の再編成が議論されており、10月1日から新たな移動手段であるデマンドタクシーが導入されることから、運行終了が決定した。
乗車した区民たちは景色を楽しみながら、「昔歩いた時はこんなにスギの木が大きくなかった」「この辺りは田んぼだった」「免許を取りたての頃は、端に乗り上げながら運転した」と思い出を語り、「バスが走る音で時計がなくても時間が分かったのに、さみしくなる」と別れを惜しんだ。
バスを運転した植田茂さんは「満席になったのは初めて」と驚いており、終点の玉置口では住民から「長いことありがとうございました」と言葉を贈られる一幕もあった。
榎本みさよさんは、夫の協三さんがバスの運転手をしていた頃を思い出し、「懐かしい。孫が来たら、バスに乗せて玉置口まで走っていた」と振り返っていた。
(2020年10月1日付紙面より)
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」=15日(木)、16日(金)=に向け、巫女(みこ)役による神鎮めの舞「鈴剣(すずけん)の舞」の練習が進んでいる。9月29日、同大社双鶴殿で行われた練習では神楽人の津越宏之さん(76)から指導を受け、巫女役の2人の少女が足運びを確認するなどした。
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける同祭は、同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を回る「神輿渡御式」からなる祭り。
渡御式では、新宮の鍛冶職の末裔(まつえい)が神楽人を務め、巫女役の童女2人が神鎮めとして「鈴剣の舞」を舞う。
今年、巫女役を務めるのは石原凜さん(神倉小4)と前川真由さん(同)。誘いを受け「こんな機会はめったにない」と巫女役を引き受けた。
「祭り当日はきっと緊張すると思う」と2人。「足の動きを間違える。もっと頑張らないと」(石原さん)「自信があったけどやってみたら難しかった」(前川さん)としながらも、真剣な表情で動作を確認しながら練習に挑む。
津越さんは「テンポが単純なのでテキパキと動けば美しく見えるのでは」と2人にアドバイス。「せっかく新宮に生まれたのだから、巫女役はいい機会。2人とも初めてなので間違いなく舞ってくれたら」と期待を込めた。
(2020年10月1日付紙面より)