新宮市出身 (プロ野球ドラフト会議 )
新宮市出身で天理大学4年の森浦大輔投手(22)が26日に開かれたプロ野球ドラフト会議で、広島東洋カープから2位指名を受けた。
最速148㌔のストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブを武器に空振りを奪う左腕。ドラフト会議をテレビで見ていたという父の孝二さん(52)は「プロに行ってほしかったのでうれしい。テレビに2位と出た途端、友達と一緒に泣いた。プロでは、けがをせずに好きな野球を長く続けてほしい」と語った。
母の由紀さん(48)は「ドラフト後すぐに電話し、『おめでとう』と伝えた。本人は指名を受けて安心した様子でした。皆さんのおかげで、一番の目標がかないました」と喜んだ。
森浦投手は、丹鶴幼稚園の年長児から「新宮パワーウエーブ」で野球を始めた。当時の監督・太田尋文さんは「小学3年生からピッチャーを始め、5年生で球速100㌔ほどあった。体は大きくなかったが投手としてずば抜けていた。4年生の頃、1試合で21奪三振を取ったこともあった。6年生でキャプテンを務め、素晴らしいチームだった」と振り返った。
緑丘中学校では野球部に所属。3年生の時に和歌山県大会で優勝し、近畿大会に出場した。
名門・天理高校に進み1年の夏からベンチ入り。2年で「春の選抜」に出場し、甲子園のマウンドに立った。甲子園には春夏の連続出場を果たした。
天理大では1年の春からリーグ戦に出場し、5戦3勝、防御率0・92でMVPを獲得。秋には最多の5勝をマークし、MVPと最優秀投手を受賞した。
(2020年10月28日付紙面より)
シニアボランティア助成 (大同生命厚生事業団 )
公益財団法人大同生命厚生事業団が実施する2020年度のシニアボランティア活動や地域保健福祉研究などの助成を行う受贈者が決まった。シニアボランティア活動部門では那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブが選考された。
同財団は大同生命保険株式会社が生命保険事業の社会性に鑑み、公共の福祉の増進に役に立ちたいとの願いから1974年に設立された。
社会福祉、公衆衛生の分野に事業を展開しており、研究やボランティア活動などの助成、健康小冊子の発行などを通して、国民の健康の保持と福祉の増進に寄与することを目的に各事業を実施している。
今回、シニア部門では123件の応募があり、和歌山県で五つの団体が選考された。
応募の際の活動テーマを「みんなで楽しく脳トレ活動」と定め、受贈を受けた同クラブの峰武久会長は「助成で購入した大型液晶テレビなどを活用し脳の活性化につながっている。会員一同喜んでいます」。
「脳トレ活動以外にもこれまでの会員たちの活動記録の画像や動画をテレビに映し出して再確認し、仲間意識や絆を深めていきたいです」と語った。
なお、本紙エリア内では串本町で活動するかんりん文庫(梅崎百合子代表)も受贈した。
(2020年10月28日付紙面より)
若手教員育成プログラム (串本町教育委員会 )
串本町教育委員会が主催する本年度若手教員育成に係る研修プログラム(若プロ)のチーム研修(カンファレンス)が23日に役場古座分庁舎であり、対象の教員ら16人が参加して直面する課題や悩みについて教頭らから助言を得る機会を持った。
このプログラムは、町教委の津田和昭指導主事と元校長の坂本善光指導主事が両輪で運営。近年の県教委の教員人事は定年退職と新規採用が活発で、町立学校では経験10年未満の若手教員が全体の46%を占める状況となっている。他方で少子化に伴う学校規模の縮小も進み、具体的には学年の単学級化や複式学級化、中学校にあっては教科担当が自分1人しかいない状況で同学年担当との学級経営、同教科教員との学習指導を相談する機会が持てないという難しさも生じている。
さらに学校運営の中核を担う中堅教員の層が薄い(経験10~19年で18%、同20~29年で16%)という状況も。以前ほど若手教員が現場での学びを詰めないまま数年後に学校運営の中核を担う中堅教員へ差し掛かっていく状況は好ましくない、と直感した坂本指導主事が前年度からこの課題に関わり始め、学校単体で難しいなら町教委が自治体枠で学びの場を創出してはと考えが至り本年度から実践を始めたという。
先行事例が見当たらず、一から組み上げる形での着手。経験4年目(本年度は10人)と同2年目(同8人)の教員を対象とし同3年目(同2人)と講師の希望参加も受け入れつつ、コロナ禍の情勢に伴い年度序盤から出足をくじかれる状況となったが8月から月例で全体研修やチーム研修を重ねている。
チーム研修は本年度初、また若プロ初の実施。助言者として同町教頭会が協力し、坂本さんは「この機会に若手教員は抱えている悩みを打ち明け、教頭は経験に基づく知見や若手教員への期待を伝えてほしい」と呼び掛けて取り組みを促した。
序盤から中盤は若手教員と教頭で学校が異なる8組に分かれ、若手教員が抱えている課題や悩みを打ち明けて話し合い。終盤でその内容を発表し合って全体共有した。
8、9月は授業の組み立て方をテーマにして全体研修を実施。11、12月に同研修を重ね、来年1月に2回目のチーム研修、2月に最終の全体研修を開いて取り組んだ事柄の振り返りを行う流れで若手教員の育ちを補い、町立学校の運営の保持と向上、活発化を図ることを目指すという。
(2020年10月28日付紙面より)
鵜殿3組自主防災会 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎組長)は25日、同地区津波一時避難場所近くの高台に建設した防災備蓄倉庫の完成式を開いた。地区住民、来賓の西田健町長ら約40人が集い、1年4カ月かけて整備した住民手作りの施設の完成を祝った。
「大災害時の死者ゼロ」を目指し、2年前に計画。海抜約30㍍にある町有地を借り、森林環境税の助成を受け、紀宝町森林環境税事業を活用した。
倉庫の建築面積は87・55平方㍍(26・48坪)。自主防災会約330世帯の住民が避難生活に必要な物資をまとめた衣装ケースを保管する。収納スペースのほか、土間、仮設トイレ2基、物置を整備した。
完成式で森倉組長は、建設に至る経緯、伐採や草刈り、住民が協力して取り組んだ建築作業などを説明し「11月末までに完成させたいと思っていたが、皆さんの協力で8月28日に完成した。ご協力に感謝します」と述べた。
西田町長は「素晴らしい施設ができた。地域の安全安心が確保できると思う。皆さんと一緒に住みよい町をつくっていきたい」と祝った。
この後、森倉組長が施設内を案内し、住民が設備などを確認した。今後、11月下旬から12月中旬にかけて衣装ケースを収納するという。
(2020年10月28日付紙面より)
集客力UPセミナーに40人 (和歌山県 )
和歌山県観光交流課は21日、那智勝浦町の体育文化会館で「コロナ時代における集客力UPセミナー&相談会~スマホ利用者に店舗・観光情報を発信~」を開いた。約40人が参加。コロナ禍における集客に向けた情報発信方法などについて学びを深めた。
コロナ禍により海外往来の制限や新たな生活様式の浸透など、観光業界を取り巻く環境が急激に変化し、集客に向けた情報発信にも変化が求められている。
セミナーは、そういった現状を鑑み、今後旅行のスタンダードとなりうるGoogle(グーグル)や各種オンライン旅行予約サイト(OTA=※)などを活用して旅行する個人や小グループ旅行客を取り込むためのノウハウに関して、分かりやすく具体的な情報を提供する目的をもって開催に至った。
開催に当たり、県商工観光労働部観光交流課の橋本恵一郎課長が「コロナをきっかけに時代が変わりつつある。政府でもデジタル化を進めようといった動きもあり、今後ますますデジタル化は進んでいくと思う」。県内の観光概況について説明し「人口が減少する中、外貨を取り入れる必要がある。県もインバウンドを呼び戻すために取り組んでいく」などとあいさつした。
セミナーではGoogle社公認GMB・GoogleMapゴールドエキスパートの永山卓也さんが講話。休憩を挟み、Trip.comグループ日本ブランディング戦略部長の石川美奈さんが「OTA活用による情報発信のメリット」、チケッツインターナショナル日本支店代表の荒木篤実さんが「観光客が体験をする際のニーズ」などをテーマにそれぞれ講話した。
GoToトラベル事務局(和歌山事務局)によるGoToトラベル地域共通クーポンに係る制度概要の説明もあったほか、セミナーと並行し、会場外では講師陣による個別相談会も行われた。
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※OTA=「じゃらん」や「楽天トラベル」に代表されるインターネット上をメインに取引を行う旅行会社。取り扱い分野は、航空券・ホテル・現地オプショナルツアーなど多岐にわたる。
(2020年10月23日付紙面より)
通学路の危険箇所も点検 (御浜町 )
防犯ボランティア団体の子ども見守り隊御浜支部とみかんパトロール隊は、御浜町立阿田和小学校(竹本和拡校長)で19日、見守り活動に取り組んだ。下校する児童に「気を付けて帰ってね」と声を掛けた。
「子どもと女性の犯罪被害防止」などを重点とする全国地域安全運動の一環。紀宝警察署と合同で実施し、2団体と同校の竹本校長、署員の計7人が参加した。
下校する低学年の児童への見守りを行った後、通学路の危険箇所を点検した。同校が昨年実施した保護者アンケートでは、「見通しが悪い場所や人通りの少ない道路がある」などの回答があり、警察と2団体、学校が情報を共有した。
竹本校長は「児童136人のうち、ほとんどが徒歩で通学している。学校では保護者アンケートで危険箇所を把握し、防犯教室にも取り組んでいる。防犯ボランティア団体の活動も抑止力につながっている」と話していた。
(2020年10月23日付紙面より)
潮岬中で子育て講演会など (串本町 )
串本町立潮岬中学校で21日夜、同校と潮岬小、潮岬こども園の保護者を対象にした子育て講演会があった。テーマは「ネット・スマホ・ゲームと依存症 正しく知って生かしましょう」。保護者や教諭ら47人が参加し、子どものインターネット利用の実態や周囲の関わり方を考える足掛かりとして聴講した。
この講演会は、潮岬地区の子どもが一貫して通うことになる3校園の育友会が合同で計画した行事。今回は25年来の情報教育研究経験を持つ和歌山大学教職大学院教授・豊田充崇さんを講師に迎え、その識見から子どもが直面する課題解消の糸口を考える趣旨で参加を呼び掛けた。
豊田さんは和歌山県の子どものインターネット利用の実態と県民のおおらかさなどを都道府県別に比較した統計資料で示唆。他方、薬物・アルコール・ギャンブルに続く第4の依存として世界的に懸念されるゲーム障害は没頭により生活が崩れている状態を指すことを紹介し、単に長時間だからではなくどのような状態が依存に当たるかの目安を伝えた。
状態に対する対処として五つの視点(①使用ルールを作る②使用状態の把握③ネット以外の居場所を作る④使用履歴を作る⑤使用制限をする)を挙げ、①については県教育委員会が近々誓約書の書式を発表予定だと伝えて活用を推奨。さらに六つ目の視点として、ゲーム好きはプログラミング好きでプログラムの内容に対してより良いアイデアを出しその実現に意欲を示すという側面を例示し、そのように高い関心を有益な方向へ振らせるのも一つの手だと提言して、保護者らによる関わりを促した。
豊田さんは保護者とは別に同日午後、潮岬小4~6年生78人と潮岬中1~3年生65人を対象にしたネット・スマホ・ゲーム講演会にも登壇。身近な利用方法に潜んでいる危険を児童生徒と一緒になって考え、▽寛容・許容の精神を持つ▽拡散されても大丈夫な書き込みか▽個人情報の扱いは必ず相手の許可を取る▽動画投稿にはリスクがつきもの▽スマホでの時間浪費は未来の自分を虐げる―といった要点を振り返って適切に利用する意識を促した。3校園の教諭を対象にした研修の講師も務め、今後の社会変化を見据えた関わり方の視点を託すなどした。
(2020年10月23日付紙面より)
順心の会が太極拳鍛錬会 (那智勝浦町 )
楊名時太極拳順心の会(大澤順子代表)は21日、那智勝浦町のブルービーチ那智(JR那智駅裏側付近)の広場で太極拳鍛錬会を実施した。約40人が参加し、眼下に広がる那智湾を前にさまざまな型に取り組んだ。
大澤代表は日本健康太極拳協会の師範で、大自然の空気を存分に味わいながら太極拳に取り組んでもらいたいとの思いから年に1度実施。熊野地方で五つの太極拳教室を開き、参加者の健康づくりに役立てている。毎週水曜日には旧三川小学校で教室を開催している。
参加者は大澤代表の動きに合わせて実践。緩やかな音楽が流れる中、集中しながら体を動かし汗を流した。
大澤代表は「曇り空で天候が心配でしたが、晴れ間も見えるようになりすがすがしく行うことができました。コロナ禍でいろんな催しができなくなる中、鍛錬会も中止を考えましたが、対策を取り細心の注意を払って実施することを決めた。自宅で過ごす人が多く、気が重くなりがちのため、自然の空気を吸って少しでもストレス発散につなげてもらえれば」と話していた。
(2020年10月23日付紙面より)
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が15日午前、秋晴れの空の下「本殿大前ノ儀」で厳かに幕を開けた。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から一般参列を呼び掛けず、神職と神社関係者のみで斎行。検温や手指消毒、マスク着用などの対策を講じ、祭事に挑んだ。
上野宮司の祝詞奏上の後、2人の巫女(みこ)が世界遺産登録記念御神楽の「神なぎの舞」を奉奏。参列者が玉串を奉奠(ほうてん)した。午後からは神馬渡御式(しんめとぎょしき)が営まれ、神馬と一行が阿須賀神社までの道のりを渡御した。
例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬で阿須賀神社へ渡御し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船で御船島を廻る「神輿渡御式」からなる。
大前ノ儀を終えた上野宮司は、参列者に対し「今年は世界にわたって災害が多く、また疫病のまん延に心を痛めている。しかし、この国には四季折々の祭りがあり、支えてくれる人がいる。昔からの思いを今に伝えてくれている」とあいさつ。
「過去にも苦しみや困難はあったが、乗り越えて今がある。今年も奉仕できる大きな喜びをかみしめている」と述べた。
16日(金)の神輿渡御式は午後1時30分から。同2時30分ごろから、朱塗りの神幸用船、諸手船(もろとぶね)、斎主船がゆかしく御船島を廻(まわ)る御船祭が行われる。新型コロナ感染拡大防止のため、早船競漕(きょうそう)は中止となっている。
(2020年10月16日付紙面より)
山林火災を想定し訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は14日、同町の那智高原公園で和歌山県防災航空隊(以下、航空隊)と連携訓練を実施した。同本部管内での山林火災事案を想定し、両機関は連携を深めながら訓練に汗を流した。
訓練は毎年行われており、山林内の活動困難な場所で発生した各事案に対し両機関合同で活動を展開。連携強化を図ることが目的。昨年は山林内の活動困難な場所での救助事案を想定し訓練した。
今回は那智高原での山林火災に対し、地上隊を組織する同本部が航空隊に出動を要請。地上隊は同公園内の池に小型ポンプを設置後、2班に分かれて航空隊所有のヘリ「きしゅう」のタンクへ給水を行い、別班は地上から火災箇所に向けてホースを用いて放水した。
一方、ヘリは離陸し、空中から500㍑の水を散水し消火訓練に励んだ。両機関は同様の内容の訓練を3回実施した。
航空隊の松下正副隊長は「同様の訓練は県内の消防とも実施している。普段から連携を取ることで実際に発生した際には地上隊と迅速な活動ができると思っている。航空隊も連携することで自分たちが不足している部分を補う材料になるので今後も継続していきたい」と話した。
関谷善文消防署長は「火災が増えるシーズンを前に航空隊との訓練できたことは有意義なものになった。大規模火災や山林火災の発生の際は航空隊との連携は不可欠となる。訓練を通じて町を守っていきたいと思います」。
今後の防火への取り組みとして「11月に子どもたちと共に防火パレードを行う。町内の放送でも啓発を行うので防火意識を高めていただけたら幸いです」と語った。
(2020年10月16日付紙面より)
見守り隊と紀宝署が合同啓発 (紀宝町 )
紀宝町の高齢者地域見守り隊(小田原徳子代表)は15日、町内4カ所で啓発活動を実施。同町鵜殿の主婦の店では紀宝警察署、紀宝地区防犯協会などと合同で行い、隊員と警察官ら計11人が来店者に啓発チラシを配布し、災害に便乗した詐欺や侵入犯罪に注意するよう呼び掛けた。
見守り隊は毎月1回、啓発活動を展開。今月は全国地域安全運動(11~20日)の一環として行った。運動は地域安全活動を強化することで、安心して暮らせる地域社会の実現を図ることが目的で、同署は「住宅侵入犯罪の被害防止」を重点に掲げた。
参加者は、詐欺の手口を載せたチラシや運動を周知するリーフレット、「ストップ!侵入犯罪」などと記した啓発物品を配布。台風や地震など自然災害に便乗した悪質業者に注意するよう求めた。
紀宝署によると今年に入り、管内で特殊詐欺はないものの、県内では101件、約2億6480万円の被害が発生し、昨年同期より34件、約1億5770万円増加した。
預貯金、キャッシュカード、架空請求の各詐欺が多く、架空請求詐欺(24件)は約1億4940万円に上るという。生活安全刑事課の一海孝治警部補は「不審な電話やメール、はがきが届いたときは一人で考えず、家族や警察などに相談してください」と話していた。
(2020年10月16日付紙面より)
清水建設の寄贈受け田原小 (串本町 )
串本町立田原小学校(野端則久校長、児童14人)が14日、自分のペットボトルロケットを作って飛ばす授業に取り組んだ。清水建設株式会社(井上和幸取締役社長)が寄贈した製作キットを使って全校児童がマイロケットを手作り。何度も飛ばし、みんなで上手に飛ばす方法を考えるなどした。
田原地内で小型ロケット射場の建設を担う同社の現場事務所が同校へ寄贈を申し出たのが、この授業実施のきっかけ。同事務所と同校の橋渡し役を担う同社の監理技術者・中島正暁さんによると、田原小との交流は昨年12月の現場招待以来2回目で「次はどのような交流をするか」を社員で話し合う中でペットボトルロケットを飛ばす体験を託すことを思いつき、さっそく会社に相談して許可をもらい同校へ寄贈を申し出たという。
同校は同町のロケット推進室に事前相談して申し出を受けることを決め、このほど同キット20個などを受け取った。中島さんから「授業の中で活用してほしい」と希望があり、5、6年生担任の西洋子教諭を軸にしてこの授業を計画したという。
当日は同事務所を代表して見学をしに訪れた中島さんに真っ先に感謝して授業を開始。児童はあらかじめ飾り付けたペットボトルに同キットを組み合わせてマイロケットを仕上げ、授業時間が許す範囲で何度も飛ばし続けた。
児童が手作りしたペットボトルロケットは、空気の圧力で噴き出す水のエネルギーを推進力にして飛ぶ仕組み。飛ばすのは4年生の時以来だという荒木野乃子さん(6年)は「最初は入れた水の量が多くてうまく飛ばず、少ない方がよく飛ぶと分かって勉強になった。また挑戦してみたい」と感想を語った。
(2020年10月16日付紙面より)
戦後75年戦没者・戦災死者追悼式 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は13日、同町体育文化会館で戦後75年戦没者・戦災死者追悼式を開催した。5年に1度開かれる追悼式には町内の遺族や関係者ら約80人が参列。追悼の意を表し、永遠の平和を祈念した。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から来賓や役場関係者の出席を縮小。出席者らは検温と消毒後、入場した。式典では飛沫(ひまつ)防止のために国歌、町歌は斉唱せず吹奏とし、黙とうがささげられた。
堀順一郎町長は「諸霊は先の大戦において故郷を離れ、祖国の繁栄を信じ、尊い命をささげられた。そしてご家族の方々の困難に耐えながら、職業や家業に精励されてこられたご努力に対し、敬意を表します。戦後75年を迎えたわが国は国際社会の中、国の再建と発展に努め、本町も発展してきた。諸霊とご家族の皆さまのご尽力のたまもの。このご尽力を次の世代に生かしていくことが私たちの責務。平和と全町民の幸福のために取り組んでいくことをここに誓います」と式辞。
荒尾典男同町議会議長は「戦後75年、那智勝浦町においても目覚ましい発展を遂げた。その繁栄や発展は戦争のために尊い命をささげられた方々の犠牲の上に成り立っている。この悲しみを再び繰り返さないように不断の努力を続けていかなくてはならない」と追悼の辞を述べた。
代表者らの献花後、参列者が諸霊をしのんで菊の花を供えた。
各地区の遺族会を代表し、下里・浦神地区の谷洋一さんが「日本の平和や繁栄は戦死された皆さま方の礎のもとに築かれた。和歌山県では戦死された方の妻は100人を切っているという。これからは子や孫の時代だが、平和を探求する心やふるさとの繁栄を願う気持ちは変わっていないはず。追悼式を機に町の発展に協力することをお誓いいたします」と謝辞を述べた。
同町の祭霊数は1072柱。戦没者遺族は798人。戦災死者遺族は40人。
(2020年10月14日付紙面より)
就職目指す3年生を壮行 (串本古座高校 )
県立串本古座高校(左近晴久校長)が12日、就職を目指す3年生を対象にした壮行会を開いた。
面接指導などを通してその進路選択をする生徒を後押しする同校キャリア形成・支援部による試験直前恒例の激励の機会。本年度は3年生73人中20人が就職を希望し、早い生徒では15日(木)に前泊し16日(金)に試験本番を迎えるため12日午後に壮行することにしたという。
新型コロナウイルス感染症の情勢により、例年よりも1カ月ほど遅いタイミングでの実施。同校を代表して左近校長は「諸君らは(3年生の)進路決定の先陣。幸先の良いスタートを串本古座高校生として切ってほしい。本番で上がってしまった、思っていることをうまく伝えられなかったという話は諸君らの先輩からも聞くが、うまくしゃべるだけが面接の全てではない。その会社に入りたいという気持ちを伝えることが重要で、そのつもりで頑張ってほしい」、同部の菅井崇文部長は「思い切って、胸を張って頑張ってほしい。会社は面接以外の場面でも見ている。身だしなみにも気を付け(始終)緊張感を持って臨んでほしい」と激励を注いだ。以降は試験を迎えるに当たっての準備事項を最終確認し、不意の支障で落ち着きを失わないよう気持ちを引き締めた。
(2020年10月14日付紙面より)
鈴木知事が山腹崩壊現場を視察 (紀宝町浅里 )
鈴木英敬知事が12日、紀宝町浅里を訪れ、9日夜に地滑り地で発生した山腹崩壊現場を視察した。台風14号による大雨で土砂崩れが発生し、幅約140㍍、高さ約200㍍にわたって崩れ、県道小船紀宝線に土砂が流れ込んだ。鈴木知事は「大規模な崩落のため、専門家の皆さんに意見を聞いた上で早急に対策を取っていく。道路も抜本的な対策を講じていく」と述べ、早期復旧に当たるとした。
県熊野農林事務所の前橋善浩所長が、現場で2017(平成29)年から地滑り対策を行っている最中だったことを説明し「上から崩れて2方向に土砂が流れ、県道をふさいでいるので道路の復旧工事を最優先に対策したい。安全性を見極めて応急対策を考え、スピード感をもって対応する」と伝えた。
視察に同行した西田健町長は「知事に現場を見ていただき、対応を検討してもらえるとのことだった。町としても県と連携したい」、谷川孝栄県議は「来年は、紀伊半島大水害から10年になる。浅里の防災対策が復興のシンボルになる。国へ働き掛けをしながら地滑り対策をしたい」と述べた。
浅里区役員の聖谷定三さん、木下起査央さん、尾崎光男さん、尾鼻展央さんは「生活道路の県道を早く復旧してほしい」と知事に訴えた。
(2020年10月14日付紙面より)
宮井貴浩教頭が「近畿春日章」受章 (新宮高校 )
優れた陸上競技指導者をたたえる近畿陸上競技協会の「2019年度近畿春日章」がこのほど決定し、新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)の宮井貴浩教頭(55)が受章した。
「近畿春日章」は日本陸上競技連盟を立ち上げた一人、故・春日弘氏(1885~1970年)の名前を冠した章で、近畿地区の陸上競技に功労のあった35歳以上の指導者に贈られ、近畿地方の各府県の中学、高校で毎年1人ずつ選ばれている。当初は9月に開催を予定していた「第88回近畿陸上競技選手権大会」で授与式が行われることになっていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で大会とともに式典も中止。記念品が同校に送付された。
宮井教頭は1993(平成5)年に教員生活をスタートさせ、インターハイ出場や県大会での100㍍、走り幅跳び、リレーで好成績を挙げる選手を輩出するなど約20年間、当地域の陸上普及に尽力した。
受章については、驚きの一言と語り「まさか、このような章を頂けるとは思っておらず、恐縮していますが大変光栄です。根本的なことですが、楽しさを知り、その中で人としての成長につなげていってほしいという思いで取り組んできた。今後も現在の顧問の先生方と共に当地方の陸上競技振興に少しでも貢献できれば」と話していた。
(2020年10月14日付紙面より)
サッカーU―12全日予選順位決定トーナメント大会
新宮市制施行記念日(10月1日)に伴う令和2年度市政功労者表彰式が1日、市役所別館であった。田岡実千年市長が社会福祉、消防水防、教育文化などで市に貢献した個人9人と1団体に表彰状と記念品を贈った。
この日をもって、旧新宮市が市制を施行して87年、旧熊野川町が町制を施行して64年、2005(平成17)年に旧新宮市と旧熊野川町が合併し、新しい新宮市が誕生してから15年を迎える。
この表彰は1977(昭和52)年度から始まり、本年度を含め個人988人と100団体を表彰。2011(平成23)年のみ、紀伊半島大水害の被害を考慮し中止となっている。
式典では田岡市長が一人一人に表彰状を贈呈し、「各分野で献身的な活動をいただき、地域社会の発展や住民福祉の向上、市の発展に多大なご貢献をいただき敬意を表します。皆さまの比類なき知恵と経験を今後もお貸しいただきますようお願いします」とあいさつ。
引き続き新型コロナウイルス感染症対策への協力を求めるとともに「これまで先人たちが営々として築いてくださった故郷を守り、愛する新宮市のさらなる飛躍を切に念願したい」と述べた。
久保智敬市議会議長は「今日の市政は、皆さま方の地道な活動の支えがあって築かれたものであり、今後ますます不可欠なものとなっていく。今後も豊富な経験を存分に生かしてください」。
県議会の濱口太史副議長は「皆さまがさまざまな活動をすることが多くの人のお手本になっており、地域の元気につながっていることを知ってもらいたい」と祝辞を述べた。
(2020年10月3日付紙面より)
伊藤忠志さんが講話 (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は9月30日、元和歌山県少年補導員連絡協議会会長の伊藤忠志さんを招き署内講演会を開いた。同署職員約50人が聴講する中、伊藤さんは自身の少年補導員の経験を軸に、青少年の健全育成に係る心構えや取り組みなどを話した。
伊藤さんは1982(昭和57)年に警察本部長から少年補導員として委嘱を受け、以降30年にわたり少年の非行防止と健全育成に尽力してきた。
96(平成8)年には新宮警察署少年補導員連絡協議会会長に就任。2007(平成19)年からは4年間和歌山県警察少年補導員連絡協議会会長を務め、県内全体の少年の健全育成の発展に尽くした。その功績は社会にも広く認められ、04(平成16)年の和歌山県知事表彰をはじめ数多くの表彰を受賞。少年の健全育成を目的とした「植樹祭」の開催や各種祭礼における夜間補導活動、登下校時の声掛けあいさつ運動などに取り組んだ。
伊藤さんは「意見もなく事務局が作った資料をただ読み上げるだけ。なんとか組織を改革したいと思った」と会長に就任した当時の思いを語り「社会に貢献するという思いがボランティアには大事。会長として、多くの事業をして会員の参加意識を高めるか、もしくは慣例で経過していくのかを考えた時、参加意識を高めるという方法を選択した」。
串本分屯基地に自衛隊のヘリコプターが来るといった情報から「子どもたちに空からふるさとを見てもらいたい」と思い立った伊藤さんは「管内の子どもたちを集めて交流を深めたら情報の共有ができるのは」と立案。子どもたちをヘリコプターに搭乗させ、さらに地場産業である林業に触れてもらおうと間伐材で工作をするイベントを開催し「子どもたちの笑顔に達成感を感じた」と振り返った。
伊藤さんは「さまざまな事業を企画立案する中でいろいろなトラブルがあった。しかし、青少年のための事業をするとなるとどれだけでもアイデアが出てくる。やってあげているという感覚ではなく、事務局に手伝ってもらっているという意識で活動しないと組織は発展しない」と述べた。
質疑応答では青少年育成に係る多くの質問が上がった。伊藤さんは「点ではなく線の事業をするべき」「自分が自信を持って仕事をすれば必ず実りはある」「子どもに対してはできるだけ同じ目線で優しい言葉を掛けてあげると素直に聞いてくれるのでは」などと伝えた。
(2020年10月3日付紙面より)
罰則規定の適用始まる (新宮保健所 )
新宮保健所は2日、新宮市内の4カ所で「和歌山県ごみの散乱防止に関する条例」に係る街頭啓発を実施した。
条例は、環境破壊の一因でもあるプラスチックごみなどの海洋流出を防止するため、その発生源である陸上に散乱しているごみを削減することを目的に制定。ごみを捨てた人が回収命令に応じなかった場合、5万円以下の過料に処されるなどの罰則規定が10月1日から適用されている。
同保健所では、昨年から不法投棄の取り締まりを含め、環境監視員の清水道彦さんと職員がパトロールを実施。不法投棄を防止する監視カメラを設置しているという。
イオン新宮店での街頭啓発は、同保健所衛生環境課の大家秀仁課長と清水さんが取り組み、来店者に条例を周知するチラシを配布した。
清水さんは「ごみの散乱を『しない』『させない』『許さない』が大切。街頭に出て監視の目を光らせていきたい」。大家課長は「罰則が始まりましたが、まずはごみを捨てない意識を高めてもらいたい。一緒に町をきれいにしましょう」と呼び掛けていた。
(2020年10月3日付紙面より)
七川地区の協議会へ着任 (古座川町 )
古座川町が1日、地域おこし協力隊の隊員2人を委嘱。七川地区の振興に当たる団体「七川ふるさとづくり協議会」(下山隆正会長)の事務を支援する隊員として着任した。
この協力隊は人口減や高齢化が進む地域へ地域外の人材を誘致し、地域協力活動への従事を通して定着を図る目的で総務省が支援込みで推奨する制度。古座川町は2015年度から隊員の委嘱を始め、地域振興への協力を得ている。
今回委嘱をしたのは横溝秀文さん(42)と谷井麻美さん(34)の2人。横溝さんは神奈川県伊勢原市の出身で、営業職に従事しつつ地方移住を模索する中で同町に興味を持ち、下調べをした上で同町の募集に志願。谷井さんは同町平井出身で、ふるさとを離れ兵庫県神戸市で映像作家として活動する中で出身地にゆかりがある同協議会から発注を受け、その過程で出会う移住者など自分にない視点を持つ人々の熱情に引かれて同町の募集に志願したという。
この日は西前啓市町長から2人に委嘱状を交付。隊員は単年度起用となるため任期は来年3月31日までだが、制度上、双方の希望があれば最大3カ年まで更新して地域協力活動に従事できる。西前町長はまちの実態を把握して地域おこしのために頑張ることを2人に期待して、委嘱の御礼で後に表敬訪問した下山会長へ引き継いだ。
第一歩を踏み出すに当たり横溝さんは経験を生かした特産品振興と新規に有害駆除への協力、谷井さんは強みである映像製作を引き続き生かした貢献に意欲。下山会長は「昨年から協力隊の募集を続けていただき、2人を採用いただけたことをうれしく思う。(先んじて着任している太田浩二隊員を加え)隊員が3人となった七川ふるさとづくり協議会はこれからも各区長、各住民と一緒になって七川地区を盛り上げていく」と話した。
同町は同日現在、太田隊員、横溝隊員、谷井隊員に加え、同町観光協会事務協力として2人、古座川ふるさと振興公社調理協力として1人の計6人を隊員として委嘱する状況となっている。
(2020年10月3日付紙面より)
【第21回】遊び食べに良い器は?
小さなお子さんがいらっしゃるお宅には、必ずあるプラスチックのお皿。便利ですよね? わが家でも、子どもが小さいうちは割れない器を使っていました。特に遊び食べをする子どもは、うっかり器を落としてしまうこともしばしば。ただでさえ目が離せないのに、食器まで割れたら泣きたくなりますよね。私も同じような気持ちで、割れない食器を使ってました。だけど、食育のことをいろいろ学んだ今、あえて、割れる食器を使うことをお勧めしたいのです。
遊び食べに困るのは9カ月くらいから3歳くらいまでといわれています。離乳食の時期から陶器の食器を勧める人もいますが、私は、そこは無理に陶器にする必要はないと思います。私が割れる食器をお勧めするのは大体1歳半くらいからです。
遊び食べは、食べ物を手やスプーンでぐちゃぐちゃにしたり、わざと床に落としたり、スプーンでお皿をたたいたり…だからマナーとしてはいけないとか、しつけなくちゃと思ってしまいがちです。お母さんたちの悩みのタネですよね。ついつい「こら!」「だめ!」と叱ってしまいますよね。
でも、実は遊び食べは、学習行動なんです。遊んで食べている、というのは大人から見た感覚。子どもたちは、どんな音がするのか、どんな感触なのか、五感をフル稼働させてさまざまなことを試して学んでいるのです。そんな遊び食べの時期にこそ、食器を割っていただきたいんです(笑)。こんな言い方するとおかしいですが、食器がどんなことをすれば割れるのか、どんな風に割れるのか、を学ぶチャンスだと思うのです。割れた時は、叱らずにまず「なぜダメなのか」をきちんと説明してあげてください。「もう割れちゃったから使えなくなったね」「下に落とすとこんなふうに粉々になってしまうよ」「もう元に戻せないよ」と。この体験で「優しく使わないと割れるんだ」ということを学んでいくというわけです。
そしてもう一つ、割った食器をどう片付けるのかを見せてあげてほしいのです。まずは大きい破片を新聞紙に包むとか、細かい破片が残っていたら、けがをするかもしれないから掃除機をかけるとか。割れた陶器がとても危ないということや、片付けるのにも注意しないといけないということを教えてあげてほしいのです。もしかすると遊び食べも少し収まるかもしれません。
木でできた器や、プラスチックの食器はとても便利で安心ですが、100円のものでも良いので、ぜひ食器が割れるということを経験させてあげてください。ただ、遊び食べには個人差があるので、時間に余裕がある時とか、今なら良いなと思える時に陶器に変えるというのもアリだと思います。無理のない範囲で、試してみてください。
(2020年10月3日付紙面より)
第14回新翔高校体育祭 (新宮市 )
新宮市の県立新翔高校(東啓史校長、生徒326人)で9月30日、第14回体育祭(前田茉里実行委員長)が開かれた。今年のテーマは「密です密です体育祭~新翔しか勝たん~」。新型コロナウイルス感染対策のため無観客での開催となったが、生徒たちは互いに声援を送り合い、生き生きと青春の一ページを楽しんでいた。
開会式で東校長は「『若さとパワーでコロナに勝つ』。そう言い切れるよう、みんなのハートにレボリューションを起こせるよう頑張って」と激励。
4ブロックを代表して和田惟吹君、辻光昌君、中村颯太君、氏家大輝君が「このスローガンの下、僕たちは体育祭に命を懸けてきました。時には上腕二頭筋やハムストリングス筋、全身のありとあらゆる筋細胞が破壊され、筋肉痛になりました。この体育祭に関わってくれた全ての人に感動、笑顔、勇気を届けると誓います」と宣誓した。
秋晴れの下、グラウンドでクラス対抗リレーや大縄跳び、応援コンクール、ダンス「熊野ハレヤ音頭」が行われ、熱戦が繰り広げられていた。
(2020年10月1日付紙面より)
成川小をモデル校に指定 (紀宝署 )
横断歩道での歩行者優先のルール順守を浸透させる取り組み「まもってくれてありがとう運動」のモデル校指定式が9月28日、紀宝町立成川小学校(大藤伸之校長)であった。
南牟婁郡交通安全対策協議会、紀宝地区交通安全協会、紀宝警察署が指定したもので、管内では同町立相野谷小学校に次いで2校目となった。
日本自動車連盟(JAF)が昨年実施した、信号機のない横断歩道で車が一時停止する率の全国調査では、三重県が全国最下位だったことから、県警では道路を横断する歩行者が止まってくれた車に対して「ありがとう」の気持ちを示すこの運動を推進してきた。
指定式では、止まった車に「ありがとう」を伝える見本を見せ、同協会の久保正会長が児童会の大植心晴会長(6年)に指定書を手渡した。同署交通課の川岸将之係長は校区内の危険箇所を示し「横断歩道は左右を確認してから渡ってください。自転車に乗る際はヘルメットを着用してほしい」と呼び掛けた。
大藤校長は「指定を受けることで、子どもたちの意識も高まる。横断歩道でドライバーに『ありがとう』と気持ちを伝える笑顔があれば交通事故も減少するのでは」と話していた。
(2020年10月1日付紙面より)
玉置口線運行終了を前に (新宮市熊野川町 )
9月30日をもって運行終了を迎える熊野御坊南海バス株式会社の玉置口線で29日、九重・四瀧地区のふれあいいきいきサロンによるバスツアーが行われた。区民10人が九重郵便局前から乗車し、終点の玉置口バス停までの旅路で思い出話に花を咲かせた。
熊野川町史によれば、玉置口地区から九重地区へ至る県道はその昔、人1人がやっと通ることのできる細い尾根道で、通称「蟻の腰」と呼ばれていた。郵便逓送や九重小学校高等科への通学路としても利用され、「予防接種を受けるためにも九重小学校までの約6㌔㍍を児童・生徒たちが歩いた」との記載がある。1959(昭和34)年に自動車の走る北山川林道が開通し、翌60(昭和35)年4月1日に区民待望の定期バスの乗り入れが実現。当時は多くの生徒や瀞峡への観光客が利用した。
しかし、近年は人口減少や利用実績の少なさから公共交通の再編成が議論されており、10月1日から新たな移動手段であるデマンドタクシーが導入されることから、運行終了が決定した。
乗車した区民たちは景色を楽しみながら、「昔歩いた時はこんなにスギの木が大きくなかった」「この辺りは田んぼだった」「免許を取りたての頃は、端に乗り上げながら運転した」と思い出を語り、「バスが走る音で時計がなくても時間が分かったのに、さみしくなる」と別れを惜しんだ。
バスを運転した植田茂さんは「満席になったのは初めて」と驚いており、終点の玉置口では住民から「長いことありがとうございました」と言葉を贈られる一幕もあった。
榎本みさよさんは、夫の協三さんがバスの運転手をしていた頃を思い出し、「懐かしい。孫が来たら、バスに乗せて玉置口まで走っていた」と振り返っていた。
(2020年10月1日付紙面より)
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」=15日(木)、16日(金)=に向け、巫女(みこ)役による神鎮めの舞「鈴剣(すずけん)の舞」の練習が進んでいる。9月29日、同大社双鶴殿で行われた練習では神楽人の津越宏之さん(76)から指導を受け、巫女役の2人の少女が足運びを確認するなどした。
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける同祭は、同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を回る「神輿渡御式」からなる祭り。
渡御式では、新宮の鍛冶職の末裔(まつえい)が神楽人を務め、巫女役の童女2人が神鎮めとして「鈴剣の舞」を舞う。
今年、巫女役を務めるのは石原凜さん(神倉小4)と前川真由さん(同)。誘いを受け「こんな機会はめったにない」と巫女役を引き受けた。
「祭り当日はきっと緊張すると思う」と2人。「足の動きを間違える。もっと頑張らないと」(石原さん)「自信があったけどやってみたら難しかった」(前川さん)としながらも、真剣な表情で動作を確認しながら練習に挑む。
津越さんは「テンポが単純なのでテキパキと動けば美しく見えるのでは」と2人にアドバイス。「せっかく新宮に生まれたのだから、巫女役はいい機会。2人とも初めてなので間違いなく舞ってくれたら」と期待を込めた。
(2020年10月1日付紙面より)