熊野修験再興後に初 (那智山青岸渡寺 )
那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の行者堂で、成田瀧英(りゅうえい)さん(51)が、山伏として護摩焚(だ)きを許される加行(けぎょう)満行を果たした。熊野修験再興後、女性では初。24日の月例護摩供では、成田さんが初めて護摩焚きを厳修した。
成田さんは修験道の世界に足を踏み入れたきっかけについて「ご縁あってのこと」と語る。1972年に秋田県で生まれ、仕事のために東京都板橋区熊野町へ上京。熊野権現を勧請(かんじょう)した熊野神社の近くに住んでいたことから、当地方の熊野三山を訪れた。
海と山が近く、水の循環が体感できる熊野の自然に魅せられ、神秘ウオークやあげいん熊野詣で何度も何度も通い詰めるうち、先輩の山伏たちとの出会いで、かつて神仏習合の一大修験道場であった那智山の歴史や宗教観に触れていったという。
2018年の大峯奥駈修行の「春の峯入り」で初めて鈴懸の山伏装束を身に着け、22年には得度して剃髪(ていはつ)。山林抖擻(とそう)や那智四十八滝回峰行、写経、読経などの修行を積み、昨年10月に150年ぶりに再建された熊野修験の根本道場「行者堂」で加行を積んだ。
多くの人々の支えを受けて修行を積んできた成田さん。「山からお力を頂き、里に下りてきた時に皆さまにお分かちすること、神仏と人をつなぐのが山伏の役目。今後はさらに利他行に努めたい。そして、日本第一霊験所である那智山のこと、熊野修験のことを多くの人に伝えていきたい」と話す。
熊野修験の大導師である髙木住職は「昔は女人禁制の聖地が多い中、熊野は浄不浄や性別、身分を問わずにあらゆる人々を受け入れてきた。熊野で修行をした山伏が先達として人々を導き、熊野比丘尼(びくに)として信仰を広めた女性たちもいた。この地で成田さんが厳しい修行を積まれ、加行満行されたのは非常に意義深
いこと」と語り、今後の活躍に期待を込めていた。
(2024年2月28日付紙面より)
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第11回フェスタ講演会 (南紀熊野ジオパーク )
第11回南紀熊野ジオパークフェスタの講演会が24日、串本町潮岬にある同パークセンターであり69人(主催者発表)が聴講しエリア内の魅力を再確認する一助にした。
本年度のフェスタの前半となる企画。盛りだくさんのブースなどと講演会の両方をじっくり親しみたいという声に応え、今回は講演会と式典・各種ブースを別日に設定し、前後半2日間として来場を呼びかける内容としている。
今回は11年目を迎えていま一度初心を振り返るという趣旨でこの講演会を計画。講師は和歌山大学(紀伊半島価値共創基幹災害科学・レジリエンス共創センター)の客員教授・後誠介さんで、「今改めて、南紀熊野ジオパークの魅力は!」と題して登壇した。冒頭で①熊野の霊場を育んだ大地②安らぎの景観・驚きの景観③きらめく紀州路④紀の国・温泉の謎を解く―の4点を論旨として掲げ、①では熊野古道大雲取越えの道中にある丸石、那智大滝、神倉神社のゴトビキ岩、熊野川の御船島(みふねじま)、古座川の河内島(こうちじま)、交通の難所として知られる三重県尾鷲市~紀伊木ノ本間、一枚岩や虫喰岩(むしくいいわ)や橋杭岩などに順次着目し、これらは総じて熊野酸性岩が織りなす造形であると紹介。元となった熊野カルデラ火山は隆起と風化などで山体がなくなり、現在は地下1000~2000㍍でできた熊野酸性岩が露頭している状態だとした。
②では安らぎを感じさせる志原海岸と驚きを感じさせるフェニックス褶曲(しゅうきょく)などを対比し、付加体と前弧海盆堆積体の見え方の違いを示唆。③ではヤッコカンザシの遺骸や丘陵部に海岸の砂利が乗っている状況から大地の隆起を捉え、さらに海面上昇・下降が絡み合って現在の景観が形作られている状況④では同パークエリアの温泉水の大部分が雨水と地下から上がってくる熱流体が混ざることで作られ、雨水は放射性水素年代測定で100年以上前の降水に由来することが分かっていてそこに価値があると解説するなどした。
(2024年2月28日付紙面より)
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相野谷小中が防災学習 (紀宝町 )
紀宝町立相野谷中学校(矢田哲也校長)と相野谷小学校(竹本和拡校長)は26日、人権・防災学習を同町高齢者生産活動センターなどで行った。中学1年生8人と小学5、6年生16人が地域住民と共に校区内の平尾井地区を防災の視点を持ちながら歩き、全3回の学びで得たことを発表した。
2021年度から小中合同で取り組んでおり、地域の特徴や災害時の危険箇所を点検して防災マップを作り、安全に避難する手段を身に付けるとともに、地域の一員として自分にできることを考えるのが狙い。三重大学大学院工学研究科准教授の川口淳さんを講師として迎えている。
児童生徒は4班に分かれて1月にタウンウォッチング、今月6日に防災マップを制作しており、この日は学習のまとめとして地域住民や学校運営協議会、保護者に参加を呼びかけ、同じコースのタウンウォッチングと学習発表会を行った。
センターを出発した児童生徒は1月の点検で調べたことを住民に説明。住民からも紀伊半島大水害の被害を聞きながら地区内を歩いた。センターでは川口さんが地域の特性を踏まえ、災害時に気を付けることなどを解説。能登半島地震にも触れた上で、「災害のメカニズムは二つで、自然、そして社会の脆弱(ぜいじゃく)性(ハード、ソフト)が起こす」と指摘。学習ではハード、ソフト両面を学んだとし、「誰がどこで何をできるかを常に見つけてほしい」。地域全体に向け、「若い人は少ないがいる。子どもたちもいずれ出て行くかもしれないが、故郷に年に何度かは帰ってくる。能登は帰省していた若い人が力になった。子どもたちを大切にしてほしい」と呼びかけた。
学校運営協議会の西村喜久男会長は「大人の視点では気付かないことに気付けた。高齢化が進むが、皆さんと連携し防災減災に努めたい」と話した。
(2024年2月28日付紙面より)
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火災予防兼ね、住民らも感謝 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の旧宇久井海水浴場の堤防で26日、草刈りがあった。カミジ技建株式会社の社員7人が区役員や地域のボランティアに協力し、町道フェリー港線沿い175㍍の生い茂ったススキやセイタカアワダチソウを刈り取り、トラックへ積み込んでいった。
以前は沿線住民が草刈りや剪定(せんてい)、犬のふん対策の注意看板設置などの環境美化に取り組んでいたが、高齢化によって活動が困難に。区や住民ボランティアによる草刈りやクリーンセンター搬入、裁断焼却にも大きな労力を要し、難航していた。
町内では今年、4件の火災が相次いで発生しており、地域住民から「もしたばこのポイ捨てでもあれば、枯れたススキにすぐに燃え広がってしまう」と懸念する声が上がっていたところ、宇久井の旧フェリーターミナルで新宮港港湾施設整備工事の消波ブロック製造を請け負うカミジ技建が協力を申し出た。
宇久井区の土井正治総区長は「過去には堤防の排水用の溝が詰まって浸水被害があったことも。住民生活のため、定期的な草刈りや溝掃除は重要。地域貢献ということで協力が得られてありがたい」と感謝を述べていた。
3月2日(土)には、株式会社夏山組が側溝の排水不良に伴う泥上げの奉仕活動を行う予定だ。
(2024年2月28日付紙面より)
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神戸大学卓球部が合同合宿 (那智勝浦町 )
県下小学生バレーボール新人県予選大会
4年ぶり「南の国の雪まつり」 (那智勝浦町 )
4年ぶりとなる第26回商工祭「南の国の雪まつり」(実行委員長=森川起安・南紀くろしお商工会長)が18日、那智勝浦町役場周辺であった。真っ白な雪山に子どもたちの歓声が響き、1万365人(主催者発表)の来場者でにぎわった。
人、物、地域との「ふれあい」をテーマにした地域の一大イベントで、太地町の姉妹都市である長野県白馬村から運んだ約100㌧の雪が目玉。
雪山に到着した子どもたちは目を輝かせ、早速雪合戦にそり滑り、雪だるま作りに駆け出した。雪で遊んだ後は、かじかんだ手足を温かい手湯・足湯に浸した。家族5人で来場した西拓己君(8)は「そりが楽しかった」。母親の裕子さんは「子どもたちが雪に触れられる機会はここぐらい。毎年楽しみにしており、久しぶりの開催で自分も楽しめた」と語った。
周辺一帯が歩行者天国となり、熊野朝市・楽市やフリーマーケットも盛況。メインステージでは地元ダンスチームのパフォーマンスもあった。南紀くろしお商工会青年部による「強運王決定戦」には小学生約100人が参加し、バナナの早食い1位を当てるステージでは会場も大いに盛り上がった。「強運王」の松下愛純さん(7)は賞品のニンテンドースイッチを手に「すごくうれしい」と笑顔で話した。
初実施の「防災チャンバラ」では、スポンジの刀と命(ボール)を身に着け、30対30で「合戦じゃ~!」。防災クイズを交えてぶつかり合い、バトルロイヤルを勝ち抜いた渡邉翔太君(11)が熊野最強の防災侍になった。
最後は「お菓子な餅まき」で締めくくり、森川実行委員長は「真っ白な雪で遊ぶ子どもたちの笑顔は何ものにも代えがたい。能登半島地震で大変な状況もあるが、今日一日は楽しく遊んでほしい」。南紀くろしお商工会青年部の浦賀英昭部長は「天候が回復して良かった。ぜひまた来年もご来場を」と話していた。
(2024年2月20日付紙面より)
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鯨スタミナ丼の調理実習 (太地中学校 )
太地町立太地中学校(山本佳人校長)で14日、鯨肉を使った調理実習があった。食べ盛りの3年生5人が、鯨の竜田揚げにニンニクが効いた甘辛いタレを絡めた「鯨のスタミナ丼」と「鯨の本皮をつかったみそ汁」の2品を作り、笑顔で味わった。
小学1年生から多面的にクジラ学習を続けてきた生徒たちに、地域の食文化も知ってもらおうと実施。ゲストティーチャーは、町内のホテル「いさなの宿・白鯨」や「道の駅たいじ」のメニューにもある「鯨のスタミナ丼」のレシピ考案者・竹村直也さん(太地町開発公社)。
竹村さんは生徒たちに肉の切り方を指導し、肉の繊維に対して垂直に切ることで、同じ肉でも食感が柔らかくなることを教えた。生徒たちは鯨肉をカットし、片栗粉をまぶして180度の油でカラッと揚げていった。タレに絡めてキャベツの千切りと一緒に丼に盛ったら完成。竹村さん特製の梅酢につけ込んだ鯨肉の竜田揚げも作った。
使った鯨肉は約2㌔、米は13合も炊いたが、生徒たちは「余裕っす」ともりもり平らげていった。その食べっぷりに竹村さんも笑顔を見せ「太地の子どもでも、クジラの刺身は食べるが、火を通すと臭みが出るので苦手という子もいる。好みは人それぞれだが、いろいろな料理法があることを知ってほしい」と話していた。
竹田成さん(15)は「鯨のスタミナ丼は初めて食べるかも。おなかいっぱい。家で作ったら家族が喜ぶと思う」と話していた。
(2024年2月20日付紙面より)
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有志が田原海水浴場を清掃 (串本町 )
「県外からも大勢訪れる見学場所をきれいに」。ロケット「カイロス」初号機の公式見学場となる串本町の田原海水浴場で16日、有志約70人による清掃活動があった。
この活動は、先月26日にスペースワン株式会社の遠藤守取締役が初号機の打ち上げ日時〈3月9日(土)午前11時~正午ごろ予定、予備期間3月末まで〉を発表して以降、有志の輪が広がり実現した奉仕。最終的に和歌山ロケット応援団、県立串本古座高校CGS部、串本ライオンズクラブ(LC)、町の4者共催、株式会社人見建設、株式会社小森組、有限会社柏木商店の3者協力という布陣で挙行となり、共催を代表して同部の部長候補・宮本和也さん(2年)が前述した趣旨を呼びかけて清掃を始めた。
人海戦術による砂浜の漂着ごみ回収が主な作業で、町指定ごみ袋(容量50㍑)に入るごみを軽トラック10台分、入らない流木などのごみを4㌧トラック1台分、砂浜から取り除いた。
串本LCは作業参加に加えてボトルドウオーター「串本の水」を有志に差し入れ。作業後は集めたごみや各種打ち上げ応援のぼり、「カイロス」実物大懸垂幕とともに記念撮影をし、打ち上げの成功を願う思いを分かち合った。
同部の呼びかけに応えて参加した同校生徒会執行部の副会長・松尾美空さん(2年)は「ロケットを見に来た人が少しでも浜辺にいやすいようにと思ってごみを拾った。ロケットもやっとの打ち上げなのですごく楽しみ」、会計・芦立心さん(2年)は「これだけ大きい浜辺なので最大限活用できるようにしようと思って活動した。延期されてからの打ち上げなので、その分楽しみも詰まっていると思う」とそれぞれコメント。
例会の延長で共催し有志の頑張りをねぎらった串本LCの小森正剛会長は「ロケットの打ち上げは県にとっても町にとっても素晴らしい事業なので大いに盛り上がってほしいし、われわれも少しでもそのお役に立てたらという思いで共催をさせていただいた。まずは初号機の打ち上げが成功することを願いたい」と思うところを語った。
(2024年2月20日付紙面より)
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料理研究家、Mizukiさん迎え (新宮市 )
メディアなどでも活躍する料理研究家、Mizuki(みずき)さんを迎えての料理教室が16日、新宮市保健センターであった。参加者9人がフライパン一つでできる「ツナとトマトのワンポットパスタ」と「塩カラメルポテト」を教わった。
乳幼児や子どものいる家庭の防災意識向上を目指す、新宮市の子育て支援団体でつくる「乳幼児の命を守る会」(勢古啓子委員長)が主催した。
災害に備え、備蓄食料を普段の食事に使いながら備蓄する「ローリングストック」を活用した料理で、ツナ缶やトマト缶、パスタなど備蓄でき、普段食べている食材を使用した。
災害後、水と電気が使えるようになったと想定し、Mizukiさんは二つの料理を紹介。参加者とスタッフがレシピ通りに調理し、アドバイスを受けながら完成させた。
出来上がった後は試食し「おいしい」「簡単だった」「家でもすぐできそう」などと話していた。会場にはローリングストックの食料を展示した。
(2024年2月20日付紙面より)
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30人が月例射会に参加
近畿スポ少剣道交流大会
宇久井中2年が漁業体験 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(川口徹校長)の2年生17人が14日早朝、宇久井漁業協同組合の協力の下、漁業体験学習に臨んだ。生徒たちは大型定置網(通称・大敷)でクロマグロや旬の寒ブリが水揚げされる様子に大興奮。地元漁師たちと喜びを分かち合った。
宇久井大敷の歴史は1926(大正15)年に始まる。黒潮の影響を受ける好漁場で、ブリやサバ、アジ、サワラなどを主に、四季折々の魚が取れる。48(昭和23)年にはブリの大漁によって宇久井中学校の旧校舎が建設されたとも伝わっている。
漁業とのつながりの深い同校は長年海洋教育に取り組み、地元漁師を講師に、漁業の歴史や漁法、魚種、料理などを生徒たちに伝えている。漁業に関わる人々の苦労や喜びを共にすることで、将来の担い手育成も視野に入れている。
第三十宇久井丸と第三十六宇久井丸に乗り込んだ生徒たちは、明け方の宇久井漁港を出発し、昇る朝日を仰ぎながら沖合約3㌔の定置網へ。網を引き上げると漁師たちから「マグロが入ったーるぞ!」と声が上がり、生徒たちは「え、マグロ?」「どこどこ?」と興味津々で網をのぞき込んだ。クロマグロとキハダマグロは船上ですぐさま活(い)け締めにされ、氷づけにされた。寒ブリ40本、マダイ、アジ、サバなども取れ、生徒たちにカンパチやアカイカの刺し身の振る舞いもあった。
濵仲琥羽さん(14)は「網を引き上げるのは重そうで、すごい仕事だなと思った。マグロが2匹も取れてびっくり。お刺し身がおいしかった」。亀井璃暖さん(13)は「初めて沖へ行って、漁師さんの気分を味わえた。魚を取るのはちょっとかわいそうだったけれど、いつも食べ物を取ってくれていることに感謝している」と話していた。
宇久井漁協の向井誠士・代表理事組合長は「これからいよいよブリのシーズン。漁獲量も伸びてくるはず」と大漁に期待を込めていた。
(2024年2月15日付紙面より)
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下里神社、伝統の「御弓祭」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)で11日、「御弓祭」が営まれ、町立下里中学校の生徒4人が昔の狩猟の衣装である直垂(ひたたれ)と烏帽子(えぼし)の勇ましい姿で弓を引いた。災厄や疫病を閉じ込めた的の中央が射抜かれると、見守っていた大勢の地域住民から拍手と歓声が湧き起こった。
祭りは山本宮司の五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災などを祈る神事で始まり、参列者が玉串をささげた後、地元の「下里剣友会」の4人が日本剣道形や基本技を奉納。剣士らが力強く竹刀を振るった。
御弓行事は、境内に設けられた直径102㌢の的を17㍍の距離をおいて射抜く。的の裏には、災厄や疫病を意味する「鬼」の字が書かれている。最初に山本宮司が弓矢で天地を射て、災厄や疫病を的に閉じ込めた。この後、中学生が2人ずつ左右交代して計4本の弓を射た。例年、射手6人と矢拾い2人の計8人務めるが、今年はスポーツ行事などで4人の参加となった。
射手は2年生の桃井勇起斗さん、川口慶次さん、曽我悠太さん、1年生の上田颯涼さん。4人は6日から練習を重ねてきた。中央を射抜いた上田さんは「うれしかった」と笑顔。曽我さんは「所作を正しくできた」と話した。4人とも大役を務め終えて誇らしい表情を見せていた。
御弓祭は、かつては旧暦の正月11日だったが、現在は毎年、2月11日に行っている。山本宮司は「伝統が続いているのは下里中学校と下里剣友会の協力のおかげ」と感謝し、「今年、1巡目で真ん中を射ることができた。記憶では初めてのことと思う。みんな上手だった」と喜んでいた。
(2024年2月15日付紙面より)
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着工式で早期完成願う (熊野道路 )
国道42号熊野道路(延長6・7㌔)で初めてトンネルの本体工事が始まることから、着工式が11日、熊野市井戸町の市文化交流センターであった。四つ計画されているうちの二つのトンネルで、掘削が始まる。
熊野道路は、2019年度に事業化された紀宝熊野道路(延長15・6㌔)と、すでに供用中の熊野尾鷲道路(延長18・6㌔)に連結する自動車専用道路で、2014年度に事業化され、19年度から工事が進んでいる。全体事業費は約350億円を見込む。
区間内には四つのトンネルが計画されており、熊野市大泊町の大泊インターチェンジ(IC)付近から木本町を結ぶ熊野第1トンネル(仮称、延長866㍍)と、木本町から井戸町を結ぶ熊野第2トンネル(仮称、延長1307㍍)の掘削に取りかかる。工期は第1が12月下旬まで、第2が来年11月下旬までとなっている。
着工式には国会議員や県知事、地元自治体の首長ら約50人が出席し、早期完成と工事の無事を祈りくわ入れ式などを行った。主催者を代表し、式辞を述べた河上敢二熊野市長は「南海トラフ地震が発生した際、国道42号は津波浸水被害が想定されている。立地条件が似ている能登半島地震の状況を見たとき、災害に強い命の道となる熊野道路にはこれまで以上に期待を寄せている」。あいさつした国土交通省中部地方整備局の佐藤寿延局長も能登半島地震の道路被害に触れ、「1月2日には一般道を啓開してルートを確保した。同じ半島なので、42号に次ぐ2本目の道路を整備することは大きな意味を持つ」と力を込めた。鈴木英敬衆院議員や一見勝之三重県知事ら来賓も祝辞を贈った。
くわ入れ式に続き、近畿自動車道紀勢線(熊野市―新宮市間)建設促進同盟会会長の西田健紀宝町長が音頭を取り、万歳三唱で祝った。また、開式前には県立木本高校吹奏楽部が4曲を演奏し、会場を盛り上げた。
(2024年2月15日付紙面より)
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シニアのための教室始まる (新宮市 )
新宮市による「シニアのためのスマホ教室」が13日、佐野会館で始まった。20日(火)までの9講座で計74人がスマートフォン操作の基礎を学ぶ。
デジタル化が進む中、最も身近で利用頻度の高いスマートフォンの取り扱いを学習してもらうことで、高齢者のデジタル活用を支援する取り組み。
昨年に続く2回目で、65歳以上の市民が対象。▽初めてのスマホ▽アプリの追加、インターネットの利用▽地図アプリ、セキュリティー―といった三つから自身にあった基本教室を選ぶ。講師はドコモショップ新宮店の清水怜子さんらが務めた。
初回教室は、初めてスマホを持つ人や、持っていない人が参加。清水さんが「スマホは知りたい情報をインターネット検索でき、自分好みにカスタマイズもできて持ち運びも楽」と利点を紹介。「写真もきれいで地図もはっきり見えますよ」と伝えた。
初めて触る参加者は体験用スマホを使用。電源の入れ方や切り方、スリープモード、マナーモードなどを学び、指でスライドしながら画面に触れて操作のこつを覚えた。
インターネットの検索サイトを使って文字入力も体験し、清水さんは「できる範囲でうまく使い、触りながら覚えてください」と呼びかけた。
(2024年2月15日付紙面より)
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春の訪れ告げる「御燈祭り」 (神倉神社 )
熊野地方に春の訪れを告げる「御燈祭(おとうまつ)り」が6日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で営まれた。今年は4年ぶりに一般参加の上(あ)がり子を迎え、1427人(主催者発表)が神倉山に集まり、山頂付近にあるご神体「ゴトビキ岩」の下で御神火を授かって下山した。
1400年以上前から続くと伝わる全国でも珍しい女人禁制の祭り。白装束に荒縄を胴に巻き、草鞋(わらじ)を履いた男たちが、源頼朝が寄進したと伝わる鎌倉積みの538段の石段を上った。
大松明(おおたいまつ)の御神火が上がり子たちの松明に行き渡った午後8時前、山門が開扉され、松明を手にした先頭集団が一斉に飛び出した。
神倉山の麓に架かる太鼓橋付近では、山を下りてくる勇壮な男たちを大勢の家族や観光客たちが出迎えた。
(2024年2月8日付紙面より)
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少年少女発明クラブ (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は3日、新宮市役所別館で2月講座「空気砲を作って学ぼう」を開いた。近畿大学附属新宮高校スーパーサイエンス部の部員11人が講師を務めた。市内の小学生の会員17人が参加。段ボールで空気砲を作り打ち出したほか、大型の空気砲で紙コップを倒し、空気の威力を確かめた。
発明クラブは全国各地で活動をしており、県内でも10市町で行われている。新宮市では、市内の小学4~6年生を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
児童らは、部員の指導や協力を受けながら空気砲を作製した。段ボールを組み立てて直方体とし、一面に丸や三角など好みの穴を描き、部員にカッターで切り抜いてもらった。空気砲が完成すると、閉じたカーテンに向かい側面をたたき、飛び出した空気で揺れ動くことを確認。部員に煙を入れてもらい、空気が飛び出す様子を目視でも確かめた。参加者同士で打ち合って楽しむ姿もあった。
高さ1㍍程度の、大型の空気砲も用意されていた。3㍍ほど離れた場所に、紙コップがピラミッド状に置かれており、これを倒せるかに挑戦。部員に煙を入れてもらい、児童が交代で後ろから押し出し、うまく倒れると歓声を上げて喜んだ。
王子ヶ浜小学校5年生の岡野ななみさんは「作った空気砲は空気がいっぱい出た。大きな空気砲は少しずれて、うまく(紙コップが)倒れなかった。楽しかった。機会があったらまたやりたい」と話した。
(2024年2月8日付紙面より)
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体育文化会館で開催中 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は現在、体育文化会館で気軽に運動ができるオンラインプログラム教室を開催している。6日には「腸がよろこぶエクササイズ」に3人が参加し、30分ほどの有酸素運動やストレッチをした。
ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」などを活用したライブレッスンで、インストラクターとリアルタイムでつながりながら楽しく運動できる。昨年9月に初めて実施し、好評につき1月から再実施している。
この日のレッスンでは、近年注目を集める「腸内環境の改善」にフォーカスし、おなか周りのストレッチからスタート。有酸素運動の後、副交感神経を高めるリラックスタイムもあり、インストラクターは「運動不足、運動のし過ぎはともに体のストレスになり、腸内環境を悪化させる。バランスの良い食事も大事で水溶性食物繊維の多いゴボウやこんにゃく、ワカメなどがお薦め」と呼びかけた。
参加した橋本芳子さん(79)は「程よく体がポカポカする。腸活とピラティスに参加している。やっぱり体を動かさないと」と話していた。
日中には60歳以上の高齢者向けの教室(一部産後の母親などが対象の講座もあり)、夜間には町内在住・在勤の一般成人向けの教室を実施中。バレエ・フィットネス・ヨガを組み合わせた「バレトン」や「骨盤ととのうヨガ」、「肩こり予防エクササイズ」など、バリエーション豊かな講座をそろえている。町ホームページ(https://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/info/1416)などで講座を公開している。問い合わせは町福祉課高齢者支援係(電話0735・29・7039)まで。
(2024年2月8日付紙面より)
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児童と住民ら苗木植える (紀宝町 )
紀伊半島南部に自生する「クマノザクラ」の名所になればと紀宝町立神内小学校(寺本真奈美校長)と神内生き活き協議会(矢熊敏男会長)は6日、校内に初めて苗木3本を植えた。卒業を控える6年生11人が開花を楽しみに作業した。
協議会は神内地区の活性化を目的に住民らで組織して活動しており、2019年度に事業化された自動車専用道路「紀宝熊野道路」が同校の近くを通る予定のことから、学校周辺にクマノザクラの植樹を計画してきた。賛同した日本クマノザクラの会副会長の田尾友児さん(神内)が苗木を提供した。
この日は協議会の会員や田尾さんらが訪れ、6年生と一緒に作業した。矢熊会長は「高速道路からクマノザクラがきれいに見られたらと計画している。卒業の思い出の一つにしてほしい」と呼びかけた。田尾さんはクマノザクラについて2018年に発表された野生の品種で、「ソメイヨシノの代わりになるかもと期待されている。とても花がきれいなのが特徴。春を待ち焦がれている時に一番に咲く」と解説した。
児童らは協力してスコップで穴を掘り、高さ2・5㍍ほどの苗木を植え付け。協議会が用意した看板を取り付け、全員で記念撮影を楽しんだ。
杉浦唯月君は「植樹は楽しかった。貴重な体験をありがとうございました。高速道路から見られる景色を楽しみにしています」と話していた。
(2024年2月8日付紙面より)
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出前授業で児童が学ぶ (神倉小学校 )
NHK和歌山放送局による出前授業が1日、新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)であった。5年生72人が、NHKの仕事を学んだり、中継車を見学したり、カメラを触ってみたりした。
NHK和歌山は、総合テレビで毎週月曜から金曜の午後6時30分から放送している「ギュギュっと和歌山」内で、5日(月)から9日(金)まで「新宮市ウイーク」を実施する。6日(火)の御燈祭(おとうまつ)りの生中継などを予定している。神倉小での出前授業の様子も、このウイーク内の7日(水)に放送する予定となっている。
出前授業は組ごとで行われた。NHKのスタッフが児童らに、仕事の概要を説明。「公共メディアのNHKの重要な役割は、緊急時、例えば災害があった時に、いち早く避難などの情報を届けること。皆さんの命や暮らしを守る役割がある」と話した。「ギュギュっと和歌山」も紹介。「この学校の3年生の草鞋(わらじ)作りの様子も放送された」と明かした。
児童らは中継車も見学した。スタッフが、内部の機器類や屋根に付くアンテナについて説明。「中継車の中で作った映像を、放送局に届けるのに使うのが屋根のアンテナ。通信衛星に電波を飛ばして放送局に届ける」などと伝えた。
カメラについても説明を受けた。スタッフが「緑の幕の前であれば、自分以外の映像を合成できる」と語った。実際に児童が緑の幕の前に立ち、背景が合成した海の中の映像になることをモニターで確認した。カメラの取り扱いも体験した。
田中咲伍君は「中継車をはじめ、いろいろな機械を見られてよかった。カメラの操作は難しかった。中継車の中で背景を変えたりできるのはすごいと思った」と話した。
(2024年2月3日付紙面より)
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下里防災隊が住民招き (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(堺高行校長)は1月31日、同校に高芝区民や保護者らを招き「下里防災隊」の発表会を開いた。6年生19人が制作した高芝区の防災マップを配布し、学んできたことを発信した。
6年生は本年度、学校裏の大丸山の避難路清掃やフィールドワーク、和歌山県土砂災害啓発センターや町役場防災対策室による授業、各区の区長らとの意見交換などで、防災に関して総合的に学んできた。
学習のまとめとして完成させた高芝区のマップには、ブロック塀や崩れそうな崖、空き家などの危険箇所だけでなく、避難の際に安全に通行できそうな広い道や災害時に活用できるトイレ・自動販売機なども記載されている。発表会では、地震・津波発生のメカニズムや過去の大規模災害の教訓、防災バッグの中身など幅広い内容を伝えた。
児童の学習にも協力してきた国土交通省国土技術政策総合研究所道路地震防災研究室(茨城県)の長屋和宏・主任研究官は、1月1日に発生した能登半島地震の現状を伝え「『自分たちの地域でも同じことが起きるんじゃないか』という視点で見ると、いろいろなことが見えてくる」と語った。開発した防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」のワークショップもあった。
高芝区の伊藤善之区長(67)は「地域をよく見て勉強してくれたと感じる。子どもたちが遊ぶ場所の近くはブロック塀を撤去するなどしているが、対策ができていない場所もある。区としても防災に取り組んでいきたい」と話していた。
この日は高芝区と連携して登校時避難訓練も実施する予定だったが、雨天で中止した。
(2024年2月3日付紙面より)
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西向小6年生らを招いて (串本町 )
「世界湿地の日」の2日、串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターでサンゴ骨格標本観察会があり、町立西向小学校(河田恵美校長)の6年生が招きを受け専門家から教わる機会を得た。
世界湿地の日(2月2日)は、湿地に関心を持ちその大切さを知ってもらうため国際条約「ラムサール条約」採択日(1971年2月2日)にちなんで国連が制定した記念日。串本町には世界最北限のサンゴ群落と伴う生物多様性を誇る串本沿岸海域が2005年に同条約湿地として登録された経緯があり、その価値を伝える趣旨で町、南紀熊野ジオパークセンター、株式会社串本海中公園センターが共催でこの日から16日(金)まで、南紀熊野ジオパークセンターを会場にして企画展「ラムサール条約湿地パネル展」を開いている。
観察会はこの企画展に連動して計画。西向小6年生は串本海中公園センター水族館の森美枝館長から同条約の概要と湿地が自然や人間の生活に果たす役割、登録湿地の一つである串本沿岸海域がなぜ大切なのかの理由など、南紀熊野ジオパークセンターの本郷宙軌研究員から火成岩で浸食に強い潮岬台地があることで同じ町内でも西と東で海の環境が違い西にはサンゴ群落が発達していることなどを教わり、終盤で複数種類の同標本を間近に観察してその印象を深めるなどした。
児童の岩本柚咲さんは「湿地が自分たちの生活にも関わっていて、温暖化を防いでくれていると聞いて驚いた。これからも大切にしていくためにごみを出してはいけないし、道の溝も(串本の)海とつながっているのでそこへごみを捨てようとする人を見かけたら声をかけないといけないと思った」と参加して思ったことを語った。
同パネル展はこの条約の趣旨や串本沿岸海域の登録湿地としての特色などを8枚の解説パネルで紹介する内容で、開館中の午前9時~午後5時に随時鑑賞できる。
(2024年2月3日付紙面より)
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保育所やこども園などで節分行事 (新宮市、那智勝浦町 )
新宮市と那智勝浦町内の保育園、保育所、こども園で2日、節分行事が行われた。園児らは歌やゲームなどで楽しいひとときを過ごした。
那智勝浦町立宇久井こども園(荘司千保園長、園児62人)は節分集会を開いた。各クラスの代表園児が自分たちの作ったお面を紹介した後、全員で節分にちなんだクイズに挑戦。「節分には何をまく?」「鬼がはいているのは何?」などの問題に答えた。
パネルシアターでは、物語を通して職員から節分の由来の説明に耳を傾けた。後半には、赤と青の鬼が登場。突然の出来事に泣き出す園児もいたが、すぐに盛り上がり、歌「まめまき」を一緒に合唱した。
最後は、2カ所に分かれてボールを籠に入れて競う「豆入れゲーム」に元気いっぱい取り組み、笑顔を見せながらにぎわっていた。
(2024年2月3日付紙面より)
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地元説明会で住民が要望 (八郎山トンネル問題 )
施工不良で工事のやり直しが決まっている「八郎山トンネル」問題について、和歌山県東牟婁振興局新宮建設部工務課は1月30日夜、那智勝浦町の中里会館で地元説明会を開いた。地域住民の約30人が参加。無念をこらえ早期完成を求めた。
那智勝浦町と串本町を結ぶ「八郎山トンネル」は、2023年12月に開通を予定していたが、施工不良が発覚。代表工事業者である和歌山市の淺川組が、約2年をかけてやり直しの工事を行うことが決まっている。
説明会では、トンネルのコンクリート壁が規定の厚さを確保できておらず、空洞もあちこちにあること、中心が最大14・4㌢ずれていること、アーチ形の骨格部分「支保工」にずれが生じていることなどが語られた。「コンクリートをはがし、支保工もやり直す」などと伝えられた。県の検査不足も認めた。
参加した住民からは「(大型の工事の)車が(地域を頻繁に)通るのも我慢し、みんなが用地買収にも協力してくれて、やっと通れると思ったのに、(施工不良の)話を聞いて、みんながショックを受けた。また2年待たないとならないのか。一日でも早く完成させ、通れるようにしてほしい」との声が上がった。
他の住民からは「やっと(工事の)トラックが少なくなるとほっとしていたのに、また増えることに。工事の関係で台数が増えるときは、事前に教えてほしい」との要望があった。県は「淺川組に、地元に分かるようにと指導する」と応じた。
工事車両の通行速度についても「ダンプカーは(地域住民に配慮して)遅いスピードで走るが、コンクリートミキサーや他の工事車両は速い」と苦言を申し入れた。
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トンネル手前の盛り土部分について、当初は新宮市の相賀と高田をつなぐ、国道168号の2号トンネル(仮称)の掘削土を使う予定だったが、基準値を超える有害物質が確認され、使用できなくなっていた。
これについて県は、別の工事で発生した掘削土を、安全性を確認した上で使用するなど「状況を見て土を入れる」と伝えた。
(2024年2月1日付紙面より)
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古座川町で子育て講座 (県教育委員会 )
古座川町高池にある中央公民館で1月29日に県教育委員会主催講座「こころが軽くなる子育て講座」があり、主催者を含め20人が受講して日頃の子育てやその支援の一助になる気付きを探り得るなどした。
この講座は、地域の人材を活用し地域ぐるみの子育て体制を整備する趣旨で年2回、県の北部と南部に会場を設けて開いている。参加対象は保護者やその支援者ら。この日は本年度2回目の実施で、県内の上級かんぶつマエストロ第1号でNHK・Eテレへ講師出演した経験もある乾物卸売業「株式会社野田商店」(海南市)の代表取締役社長・野田智也さんが演題「日本の伝統食『かんぶつ』を次世代へ~子どもたちへ一生のプレゼントを~」を掲げて登壇した。
序~中盤は講演で、野田さんは物流の発達により生鮮食品が主流化し調理に手間がかかることもあって消費が減少している乾物だが、ただ乾いているだけではなく先人の知恵が培った保存性の高さや「UMAMI」という共通語が生まれるほど世界からも注目されている自然のうま味の凝縮(だしの文化)など秀でた魅力が詰まっているとしてそのイメージをアップ。乾燥昆布に含まれるうま味成分「グルタミン酸」の量は母乳や羊水とほぼ同じだと紹介し、胎児期の感覚を思い出させるつもりで子どもたちの食事に取り入れてその良さを伝えてほしいとした。
固定的に捉えられがちな乾物の食べ方に幅を持たせるため、水以外で戻す方法や調理法のアレンジも紹介。終盤は乾物スイーツ店「3時のかんぶつ屋さん」オーナーの手腕でレシピ「あべかわ麩(ふ)」の作り方を実演紹介しながら、情報交換をするなどした。
(2024年2月1日付紙面より)
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認知症サポーター講座 (太地中 )
太地町立太地中学校(山本佳人校長)で1月25日、認知症サポーター講座が開かれた。2年生16人が、認知症の人への接し方や自分にできるサポートについて考えた。
毎年2年生が受講している講座。町の福祉に関わる株式会社下里福祉つつじ園の看護師・川口利恵さん、太地町地域包括支援センターの社会福祉士・植本亮太さん、主任ケアマネジャー・𠮷川功さん、町役場住民福祉課の保健師・前田かなみさんの4人が来校した。
川口さんは最初に「『最期まで自分らしくありたい』というのは誰もが持つ願いだが、それを阻んでいるのが認知症。もし自分が将来認知症になっても、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、一人でも多くの人に認知症の人やその家族の応援者である『認知症サポーター』になってほしい」と講話。
脳の障害がもたらす記憶障害や理解・判断力の低下、見当識障害、言語障害(失語)などに触れつつ「認知症で失敗が増えても、周りの理解があれば心穏やかに暮らせる。大事なのは安心できる人間関係」と語った。
寸劇を交えて認知症患者の人との接し方を考える時間もあり、自分事として言葉遣いや態度、話すスピード、取るべき行動について意見交換した。講座後には生徒にサポーターの証しであるオレンジリングが配られていた。
(2024年2月1日付紙面より)
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緑丘中で地震火災避難訓練 (新宮市 )
新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長、生徒221人)で1月29日、地震火災避難訓練があった。市消防署の沖﨑勝己副署長と大江郁也消防副士長の立ち会いの下、生徒らは避難時における対処や経路などを確認した。
同校では、災害時に迅速な避難ができるよう年に3回実施している。この日は震度5強の地震が起こった後、2階の第2理科室から火災が発生したと想定。生徒は身の安全を確保すると、教職員の指示に従いながらグラウンドへと逃げた。
後半には消火器の取り扱い方法の説明もあり、各学年の代表生徒と教職員が「火事だ!」と声を上げながら訓練用消火器で練習に取り組んだ。
訓練を見守った沖﨑副署長は避難の時間、経路、ルールが大切と述べ「迅速に落ち着いて避難できたと思います。とにかく人命第一。『自分の身を自分で守る』ということを忘れないでください」と講評。
宮本校長は「災害はいつ、どこで、どのような形で起こるか分かりません。想定通りとなるとも限らないため、2次避難を踏まえ自分たちで考えることが重要。この訓練を別の場所でも生かせるよう、意識してもらいたい」と呼びかけていた。
(2024年2月1日付紙面より)
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