下里神社で迎春準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)は28日、初詣や歳旦祭に向けた迎春準備を実施した。神社役員や総代ら7人が鳥居のしめ縄の作成や張り替え、のぼりの設置などに取り組んだ。
この日は新型コロナウイルス感染拡大防止に努めながら、総代らが駐車場や境内を清掃。同神社の鳥居用に3反のサラシで長さ2㍍、直径6㌢のしめ縄や護国神社用の一回り小さいしめ縄などを作成した。
境内の樹齢400年と推定されるクスノキ用のわら製のしめ縄の準備が整うと協力して鳥居や拝殿など10カ所で張り替えをし、門松や奉納旗も設置した。
同神社によると、コロナ対策として、7年ほど前から実施してきたぜんざいの振る舞いや恒例のお神酒も取りやめるという。さらに手水(ちょうず)舎には消毒液を置き、参拝の際はマスク着用を呼び掛けている。
山本宮司は「コロナの関係で歳旦祭への招待もできずに残念。皆さんが元気にならないとさみしい。来年は早期に終息し、例年通りの行事ができることを祈っている」と話した。
なお、初詣は1月1日(金・祝)午前0時に開門し、歳旦祭は同日午前9時から同神社本殿で山本宮司や総代らで神事を執り行う。
(2020年12月31日付紙面より)
水族館で正月展示始まる (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館のトピックス水槽で27日、正月期間限定展示が始まった。期間は来年1月11日(月・祝)まで。
この水槽は館内Aゾーンにあり、常設ではなく串本の海の旬の話題を伝える目的で適時飼育展示対象の生き物を入れ替えながら紹介する形で活用。ただし年に2期、クリスマスと正月は時期に合わせた展示を飼育スタッフが創意工夫をして行う形が慣例になっている。
今回の展示は中村公一さんと佐久間夢実さんが担当。水槽内を「海中神社」の鳥居やさい銭箱、門松や七福神の置物などで飾り付け、串本の海からハコフグの仲間・ウミスズメとシマウミスズメを迎え入れている。
ウミスズメの仲間は目の上に角のような突起があるのが特長で、英名では「Cow Fish」(牛魚)と呼ばれている。ここに来年のえと「丑(うし)」とのつながりを求めて選んだという。
28日現在、ウミスズメ1匹、シマウミスズメ4匹を飼育展示している。日々の状況を見て内容を変える場合があるので了承してほしいという。
来館者の反応は上々で、28日は来館者の大半が一足早い迎春ムードに興味を示し、手にしたカメラで撮影する姿も多々。佐久間さんは「ウミスズメは目の印象がとても強く愛嬌(あいきょう)のある魚。水槽も映えるよう華やかに飾っているし、参拝をするような様子も時折見せてくれるので、写真を撮りながらゆっくりと親しんでもらえれば」と多数鑑賞を期待した。
この水槽を見るときは入館料が必要となる。同センターは年末年始も無休で、開館時間は午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)。感染症予防の一環で、正月三が日恒例の餅まきは中止としている。問い合わせは同センター(電話0735・62・1122)まで。
(2020年12月31日付紙面より)
さい銭箱設置など準備進む (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)は29日、初詣の参拝者を迎えるに当たり、拝殿手前に幅約8㍍のさい銭箱を設置した=写真。同大社では他にも、要所要所に消毒液を配置するなどの新型コロナウイルス感染防止対策を講じ、年末年始の参拝者を受け入れる準備を進めている。
新年の参拝者を迎えるに当たり、上野宮司は「信仰心でおいでになる人も多い。イラスト入りのポスターで注意事項を呼び掛けるなど、神社としてスムーズにお参りできるように誘導したい」と話しており、混雑時には普段閉門している東門を開門するなどの対策を講じる予定。東門を開門し参拝者の動線を確保するため、同大社ではこのほど、門付近の段差の整備なども実施した。
また、大みそかの混雑を避けるため、今年は初太鼓開門はなし。31日の午後11時30分ごろに開門し、随時参拝者を受け入れていく。
(2020年12月31日付紙面より)
中央児童館で大掃除 (新宮市 )
新宮市野田の中央児童館で28日、大掃除があった。5歳児から中学生までの20人が参加し、一年間にたまった館内のほこりを払い、窓拭きや本の整理に汗を流した。
新型コロナウイルス感染症の影響で利用人数や利用時間の制限を余儀なくされた中央児童館だが、3密防止や換気・消毒などの感染対策を取りつつ、本年度もクリスマス会や夏休みのチャレラン大会など、さまざまな行事を開催した。
同館職員は最初に、「いっぱい遊ばせてくれてありがとうの気持ちを込め、一年間でたまったほこりを掃除しましょう」とあいさつ。子どもたちは「幼児室」や「わんぱくルーム」「ゲーム室」「図書室」などを分担して掃除に励んだ。図書室では重たい畳を運び出し、本を全て取り出して棚を拭いた。雑巾を洗うと、バケツの水が真っ黒になっていた。
来年の開館は1月4日(月)から。引き続き年齢ごとに利用時間を制限しており、同館は理解を呼び掛けている。
(2020年12月31日付紙面より)
長距離列車誘致が実現 (JR西日本 )
JR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」が、来年夏から秋にかけて、京都から新宮まで運行することが16日、発表された。京都発は夜行列車、新宮発は昼行列車となる(新型コロナの今後の状況により変更となる場合あり)。
同社は、観光を中心とした西日本エリアの活性化のため、9月11日から山陰方面に長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行を開始している。
車両は117系6両1編成。定員は90人程度で全車指定席。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置。シンプルながら高い快適性と落ち着いた車内空間を提供するとともに、車窓から沿線の風景を楽しめるような座席配置となっている。
この長距離列車について、新宮市、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町、すさみ町の7市町村と和歌山県は「西日本地域の鉄道を利用した旅行として新たな観光の起爆剤になるのでは」と注目し、2018年4月から意見交換会や勉強会を開催してきた。
今年10月には7市町村と県を代表し、田岡実千年・新宮市長が同社の長谷川一明社長に対し、南紀熊野ジオパークや熊野信仰、古式捕鯨、筏(いかだ)流し、世界遺産、串本町における国内初の民間ロケット発射場の建設などに触れ「当地域の観光資源を活用し、現在運行している山陰地方に負けないおもてなしを用意する」と要望活動を行っていた。
このたびの決定を受け、田岡市長は「一緒に要望書を提出させていただいた紀南7市町村の代表として、また新宮市長として大変うれしく思う。当地方が誇る自然や文化、さらに観光に対する取り組みが評価されたものだと感じている」と喜びのコメント。
今後は、関係市町村や県と受け入れのための協議会を立ち上げ、魅力ある観光素材づくりと「銀河」利用者に再度訪問していただけるように、頑張っていきたいとしている。
(2020年12月18日付紙面より)
岡野光夫教授が講話 (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校(前田成穂校長、生徒547人)で15日、日本の再生医療分野の第一人者である岡野光夫教授によるオンライン講演があった。「細胞シート再生医療の切り拓く未来」と題し、同校に通う理系分野の2年生48人が最先端の医療研究の世界に触れた。
岡野さんは早稲田大学理工学部を卒業し、同大学院高分子化学博士課程を修了(工学博士)。ユタ大学薬学部准教授、東京女子医科大学教授などを経て、現在は東京女子医科大学名誉教授・特任教授、同大先端生命医科学センター長、ユタ大学薬学部細胞シート再生医療センター長を務めている。
冒頭「現在治せない病気を治すにはどうしたらいいか?」と問い掛けた岡野教授は「工学・理学・薬学と医学を融合させ、国境を越えてアイデアや技術を結集する必要がある」と語った。
人工心臓や心臓ペースメーカー、新型コロナウイルス感染症の治療で重要な人工呼吸器などの医療機器のほとんどが輸入に依存していることの問題点にも言及。「教育・研究環境の整備によって日本発・世界初の新テクノロジーを創出し、産官学の連携によって産業を発展させることで、より多くの患者を救えるようになる」と述べた。
親・疎水性ポリマーを応用して作った細胞シートが、拡張型心筋症の治療やがん患者の食道再生、角膜再生に生かされている現場を映像で紹介。細胞シートを積層化する技術にも触れ、「10年、20年後には、肝臓や膵臓(すいぞう)といった臓器をまるごと作れるようにしていきたい」と語った。
生徒からの「これまでで一番大変だったことは?」という質問には、「工学から医学分野に足を踏み入れた際、どこにも研究の場がなかった」と答え、「山中伸弥教授がiPS細胞を作りだしてノーベル医学賞を受賞したことで、再生医療部分野も環境が良くなっている。未来のリーダーと技術をつくる仕組みづくりをしなければ、本当の意味で社会のためにはならない」と話していた。
(2020年12月18日付紙面より)
国際交流員が町長表敬 (那智勝浦町 )
国際交流員(CIR)として那智勝浦町が任用したミャオミャオ・イェさん(25)が16日、同町役場を訪れ、堀順一郎町長を表敬訪問した。イェさんの任期は最大5年。14日から同町観光案内所に勤務しており、任期終了まで観光案内や通訳翻訳、学校訪問、海外への観光プロモーションなどの業務に従事する。
イェさんは「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」により来日。先月27日に来日を果たしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、東京のホテルに待機しオンライン研修を受講していた。
中国浙江(せっこう)省出身で国籍はオーストラリア。日本語、英語、中国語が堪能という。幼い頃に「スタジオジブリ」の作品など日本のアニメで日本に興味を抱き、景色や歴史に魅力を感じたことがきっかけでCIRを希望した。
同町と故郷オーストラリア・ブリスベンを比較し「那智勝浦町は景色が美しい。ブリスベンと近い印象を受ける」。ハイキングと日本のとんこつラーメンが好きで合気道が趣味。「那智勝浦町の素晴らしさを広く発信できれば」と豊富を語る。
堀町長は「熊野古道を歩く外国人観光客ではオーストラリア人が一番多く、大変喜んでくれている」と紹介。
「新型コロナの影響でストップしているが、コロナが終息したら海外からのお客さんをお迎えしたい。町中観光マップの作成も考えている。ぜひ力になっていただきたい」と協力を求めた。
同町では、イェさんに外国人観光客への誘客促進や受け入れの環境整備などを期待しているとし、町内事業者に対して「英語や中国語メニューなどの翻訳にお困りの場合はお気軽にお問い合わせを」と呼び掛けている。
(2020年12月18日付紙面より)
追い払い花火使用講習会 (古座川町 )
古座川町が13日、一雨(いちぶり)にある明神中学校体育館などで動物追い払い用花火使用の講習会を開いた。使用に関心がある18人が受講し、座学や試し打ちに臨んで安全な取り扱い方法を学んだ。
同町は猟友会協力による有害駆除と町民による追い払いを組み合わせて鳥獣害を抑えるため、2013年度から町内を対象にして同花火を無償配布している。
採用している同花火は、三重県農業研究所の発案に基づいて開発された伊藤煙火工業株式会社製の動物駆逐用煙火T―3。市販されている花火よりも火薬量が多いため、この講習会を修了していることを無償配布と実使用の条件としている。配布開始以降おおむね年1回の頻度でこの講習会を開いていて、過去8回の実施でのべ約450人が受講し町内での使用の裾野が広がっているという。
9回目となる今回も同社代表取締役会長の伊藤照雄さんに講師を依頼し、当日受け付けで受講者を募集した。前半は座学で、伊藤さんはT―3の概要(5連発式の音花火)と管理および使用方法、使用上の注意を一通り説明。後半は最寄りの河原へ移動して試し打ちをし、使用するときの感覚や花火特有の劣化に伴う不発や暴発などの支障が出たときの対処を経験として伝えた。
受講者には後日、受講修了証を交付する。無償配布は役場本庁と各出張所でしていて、同証の提示と同花火使用受付簿への必要事項(住所や氏名など)記入で町内での使用資格があるかを確かめた上、申請1回につき10本以内で渡す仕組みとなっている。初申請時は花火と併せてステンレス製ホルダーの配布も受けることが必要。一度でも暴発を食い止めたホルダーは引き続き使用せず、その旨を申し出て新品と交換してほしいとしている。
同花火の問い合わせは役場地域振興課(電話0735・72・0180)まで。
(2020年12月18日付紙面より)
熊野川中で防災授業 (国交省 )
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所は11日、新宮市熊野川町日足の市立熊野川中学校(吉田元紀校長、生徒29人)で公開防災授業を実施した。「大雨が降ったときの身を守る行動を考えよう!」をテーマに、生徒たちが大雨に伴う水害時に取るべき行動などについて討議し、災害に対する認識を深めた。
防災授業は今年で4回目の取り組み。国内有数の台風常襲地である紀伊半島において、有事の際にどのようなタイミングでどのような行動を起こせばいいのかなどを考えるきっかけづくりとして実施している。
同事務所調査課の玉木秀幸・地域防災調整官らが、2011(平成23)年の紀伊半島大水害や18(平成30)年の西日本豪雨などの様子を写真や資料を用いて過去の災害を振り返った。
洪水浸水想定区域図や土砂災害警戒区域図、洪水ハザードマップなどの説明を行い▽在宅▽避難所▽ホテル▽青空▽縁故―のコロナ禍における避難方法を紹介。
4班に分かれた生徒らは避難ルート、タイムラインなどのワークシート記入や意見交換、情報共有を通じて、地域や自宅の水害・土砂災害の危険性や避難時の注意点、避難ルートの確認、避難の際に行う準備や行動について考える機会とした。
最後に、各ワークを通して確認した内容を班ごとに発表。「動きやすい服装で避難する」「状況を確認しながら周りの人を手伝う」「大切なものは2階に上げる」「ラジオやモバイルバッテリーを用意しておく」「普段から地域の人とコミュニケーションをとっておく」など、避難時の具体的行動について示した。
発表を終え、玉木地域防災調整官が「自分の家のリスクの確認は重要。今日のことを持ち帰って、家族の人に教えてあげて」と呼び掛けた。生徒会長の中前なごみさん(2年)が「防災のことをたくさん教えていただき勉強になった。今日のことを今後にも生かしていきたい」と玉木地域防災調整官らに感謝を述べた。
(2020年12月13日付紙面より)
教育研究会ICT部会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育研究会ICT部会は10日、町立太田小学校(上地巳奈子校長)、市野々小学校(中西健校長)、色川小学校(寺地琢也校長)、宇久井小学校(芝﨑勝善校長)の4校をつないでオンライン授業を実施した。
同部会は本年度、オンラインツールを活用した遠隔授業をテーマに研究を進めている。国が推進するGIGAスクール構想への対応や、1人学級を抱えるへき地の小規模校同士の交流など、さまざまな視点から児童にとってより良い授業の在り方を模索することが目的。
この日はオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を用い、宇久井小学校から平瀬公士教頭が国語科の授業を実施。遠隔で3校の5、6年生30人が、2、3人のグループに分かれて電子黒板やノートパソコンで授業を受けた。
児童は「虫」「虹」「地」などのヘビが元になっている漢字の成り立ちを学び、「蛸(たこ)」「蚯蚓(みみず)」といった難読漢字クイズで盛り上がった。他校の友人と一緒に授業を受けられることを喜ぶ姿も見られ、児童からは「クイズで頭をたくさん使った」「いろんな人と交流できてうれしい」との声があった。
教職員による研究協議では、「児童の感想は楽しかったという意見が多く、交流ツールとしては良い」という意見があった反面、「授業する側としては子どもたちの様子が把握しづらい」「ノートパソコンでは音量が小さく、外付けのスピーカーが必要。機材の接触不良で、電子黒板から音がでないトラブルもあった」といった課題も浮かび、今後の改善について議論が交わされた。
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■GIGAスクール構想
GIGAは「Global and Innovation Gateway for All」の略。義務教育を受ける児童・生徒に1人1台の学習者用タブレットと高速ネットワーク環境を整備することで、公正に個別最適化され、資質・能力を確実に育成できる教育ICT環境を実現する構想。
(2020年12月13日付紙面より)
校庭に巨大ピクセルアート登場 (木本高 )
創立100周年を迎える県立木本高校の校庭に9日、巨大なピクセルアートが登場した。この歴史と伝統を祝う事業の一環で、3年生188人による「100」の人文字とともにドローンによる記念写真撮影で祝った。
同校は1920年、県立木本中学校として開校し、55年には現在の木本高等学校に校名を変更した。記念のピクセルアート作りは昨年夏に企画され、同高校、熊野林星会、三重大学地域拠点サテライト、東紀州サテライトが制作に携わってきた。このアートは約9㍍×14・4㍍の大きさ。同高校学校林のヒノキの間伐材を利用した4・5㌢角の木片チップ6万4000枚を使って80枚のパネルに仕上げ、制作を担当した3年生がこれを並べることで完成させた。
図柄は100年の歴史を表現するため、開校当時の制服を着た男子生徒と現在の制服姿の女子生徒を並べ、後方には100年前から変わらぬ姿の獅子岩を描いている。図案は3年生で漫画研究部の松本奈々部長(17)が考案し、約1カ月かけて完成させた。これを節目とした新しい歴史の始まりには、「今の学校や地域の雰囲気を守り、変わらずにいってほしい」と願った。製材や乾燥を重ねて材料のチップを用意した熊野林星会の野地良成副会長(39)は「生徒たちと何かできないかと高校から相談があり、木育教育の一環として引き受けた。地元高校に少しでも恩返しできたかな」と述べた。
作業を終えた仲川聖華さん(17)は「100周年記念事業に参加できたことを誇りに思う」、同じく川上かおるさん(18)も「伝統ある素晴らしい学校と改めて感じた」と話した。撮影会は当初9月16日の予定だったが、天候の都合で延期されていた。パネルは、パーティションなど活用法を検討中という。
(2020年12月13日付紙面より)
移転準備のため26日に閉館 (鵜殿図書館 )
紀宝町立鵜殿図書館が移転準備のため、26日(土)をもって閉館し、28年の歴史に幕を下ろすことになった。来春には同町神内の旧保健センターに移転し、「図書館・子育て支援センター複合施設」として再開する。
鵜殿図書館は1992(平成4)年4月に建設され、施設の老朽化が進みバリアフリー対策も十分でないことや、小高い丘の中腹に位置し交通アクセス、駐車場が広くないなどの理由から移転が決まった。
26日まで町内在住、在勤者に限り1人20冊まで本を借りることができる。返却期限は来年4月1日までで、図書館玄関横のブックポストに返す。入館の際はマスクの着用と手指消毒を求めている。開館時間は午前9時30分から午後6時までで、休館日は月曜日。
移動図書館は来年1月まで予定通り実施する。日程は「広報きほう1月号」に掲載する。
1月以降、移転準備により整理した本の「リサイクル本コーナー」を町生涯学習センターまなびの郷と、ふるさと資料館に設置する。
今月16日(水)午後7時から、図書館2階研修室で児童書作家・杉山亮さんによる「ものがたりライブ」を開く。対象は小学生以上で、申し込み、問い合わせは同図書館(電話0735・32・4646)まで。
(2020年12月13日付紙面より)
神倉小6年がふるさと学習 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長、児童436人)で10日、ふるさと学習が行われた。6年生83人が、県立新翔高校の野間清教諭、中岸速人教諭、建築技術部の山口裕大君(3年)、三宅悠夢君(2年)の協力の下、体育館に四畳半の川原家(かわらや)を建設した。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに町の歴史や文化などを学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアが協力して授業を設けている。
6年生は「熊野川と暮らし」をテーマに学習を進めており、11月24日には中瀬古友夫さんから川原家の歴史を学習した。川原家はくぎを1本も使わずに組み立てる簡易商店で、洪水時に短時間で解体・建設ができることが特徴。生活物資や木材、炭などの交易の舞台として市の発展を支えた権現河原に、明治~大正の最盛期には約300軒の宿屋や鍛冶屋、土産物屋、風呂屋が建ち並んでいた。
川原家を組み立てる手順を学んだ児童は、安全に気を付けつつ木材を組み立てていった。土台に柱を立てて貫(ぬき)を通し、梁(はり)と桁(けた)を渡して、最後はシュロ縄で棟木と屋根板を固定させて完成させた。見学の児童も、徐々に家の姿に近づいていく川原家の様子を熱心にメモに取った。
壁板張りやくさび打ちを担当した加子坂有晟君は「柱は重かったけれど、楽しかった。新宮の歴史を知るいい機会になった」と話していた。
(2020年12月11日付紙面より)
宇久井中でサポーター講座 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長、生徒62人)で9日、認知症サポーターキャラバン養成講座「認知症って何だろう」が開かれた。株式会社下里福祉のつつじ園に勤める看護師の川口利恵さんが講話し、1年生29人が認知症の中核症状や地域の患者への接し方を学んだ。
同校は本年度、人権学習の一環として車椅子・アイマスクの福祉体験やバリアフリー学習に取り組んでいる。同講座は認知症について正しい知識を身に付け、患者や家族の支援者となる「認知症サポーター」を育成することを目的に、全国の自治体で実施されている。
川口さんは、アルツハイマー病や脳血管障害によって新しい出来事が記憶できなくなり、時間や場所などの認識が混乱して生活に支障が出てくる認知症の症状を解説。患者の内面で起きている世界や気持ちを想像することの大切さを語り、「認知症患者の背景には彩り豊かな生活や家族がある。自分らしく、一生懸命今を生きているその人を理解して」と呼び掛けた。
生徒たちは認知症患者の手記を読んで、これまで普通にできていたことができなくなる患者の不安や困惑、失敗をとがめられることで生じる自責の念を想像。地域でいつもと様子が違う高齢者を見掛けたときの適切な声の掛け方や接し方を学んだ。
講座を受けた生徒には認知症サポーターの証しであるオレンジのリストバンドが配られ、早速身に付ける姿も見られた。
(2020年12月11日付紙面より)
串本町立潮岬中学校(水上茂秀校長、生徒65人)が9日、ロケット事業に関するワークショップ(WS)に参加し、田原地区で建設中の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」における打ち上げ開始に向け基礎知識を教わるなどした。
このWSは、町事業「誘客多客化等実証事業」の一環。町民のロケット事業に対する機運を高めるため、将来を担う世代が集まる町立の13小中学校と県立串本古座高校を必須とし、年度中に計30回開くことを目指している。
すでに観光を含む商工業者を対象に部分実施、町民の代表で構成される議会を対象に初の全体実施をしていて、その成果を加味した内容を13小中学校の先陣を切る形で潮岬中が受けた形となっている。
この日はWSを監修する株式会社USPジャパン代表取締役の新津研一さんが講師として登壇。そのノウハウを受け継ぎ次期講師となるため、南紀串本観光協会ガイド部会の会員も同席した。
新津さんはロケット事業関係者のWSに向けたメッセージを紹介し、串本町の今の状況を生徒に感じさせた上で▽同発射場や小型ロケットの概要▽スペースワン株式会社が目指す事業の概要▽小型ロケットとさまざまなロケットの対比▽人工衛星が生活に果たす役割とその産業の将来展望▽串本に注がれる注目に対して自分たちができること―などを語った。
終盤では田嶋勝正町長のビデオメッセージを視聴し、田嶋町長は「これからロケットが串本町を大きく変える。それがまさに君たちの時代。ぜひとも知恵を出し共に頑張ろう」と呼び掛けた。教わった事柄を後で振り返れるよう、WSの内容をまとめた冊子「スペースポート紀伊まるわかりブック」と小型ロケットの解説を印刷した下敷きも配布。生徒を代表して平賀令晃(れおう)君(2年)は「話を聞いてさらに興味を持ち、発射が楽しみになった」と感想を述べてWS実施に感謝した。
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同日現在、潮岬中と出雲小と串本西小が2学期中の参加を希望。他の小中高校は未定で、年明けに参加する見込み。他方、町民向けには14日(月)に発射場がある田原地区(田原・上田原・佐部)で実施し、15日(火)の午前、午後(日中)、同(夜半)に定員30人の事前申し込み制で実施することが決まっている。
15日の3回は10日締め切りだが、9日現在で定員まで余裕がある状況。その他の実施は未定。母体の町事業は成果報告会実施が必須となっているため同町ロケット推進室は1月末までに30回達成を目指すとしている。
このWSの問い合わせは同町ロケット推進グループ(電話0735・67・7004)まで。
(2020年12月11日付紙面より)
やまじ採れたて市で奉仕作業 (御浜町 )
御浜町山地の無人市場「やまじ採れたて市」(尾崎英夫・管理者)と山地区(山本進部区長)は10日、ボランティアで無人市場駐車場の改修工事に取り組んだ日本土木工業㈱とユウテック㈱に記念品を贈呈した。
市場は今年、開設10年を迎え、アスファルト舗装が傷んでいたことから、日本土木工業が11月17日に舗装、ユウテックが翌18日に白線ラインを引いた。
奉仕作業に当たった両社に記念品を贈り、山本区長は「センターラインが消えかかっていたので、整備していただいてきれいになった。出品者の皆さんも喜んでいる」と感謝した。
両社は山地地区企業会(上野公太郎事務局長)に所属し、同企業会を代表して椋野玲史・発起人が「この施設は補助金をもらっておらず、自助自立で運営している。企業会の中で協力していただきありがたい。心から感謝申し上げます。今後、ますますこの市場が長く続き、高齢者の方々の楽しみにつながれば」と述べた。
やまじ採れたて市は、2010(平成22)年4月に開設。33のブースに生産者の写真プレートを設置し、顔が見える市場として人気を集めている。今の時季はミカンやマイヤーレモン、ハクサイ、ダイコン、イチゴなどが並び、朝からにぎわいを見せている。
(2020年12月11日付紙面より)
新宮グラウンドゴルフ同好会 (新宮市 )
県内初、ゼロカーボンシティ宣言 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は3日、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言した。和歌山県内では初の宣言で、同日、記者会見した堀順一郎町長は「町内外に自然環境にやさしい町ということを宣言していきたい」と抱負を述べた。
15年のパリ協定で「産業革命前からの平均気温上昇を2度未満とし、1・5度に抑えるよう努力する」との目標が国際的に共有されており、達成には「50年までにCO2の実質排出量をゼロにすることが必要」としている。
環境省では、目標達成に向け、50年までにCO2の排出量を実質ゼロにすることを目指す旨を首長自らが公表した地方自治体を「ゼロカーボンシティ」として国内外に発信するとともに、全国の自治体へ表明を呼び掛けている。3日正午現在では全国で178の自治体が宣言しており、同町は179番目。
なお、CO2排出量実質ゼロとは人為的な発生源による排出量と、森林などの吸収源による除去量との間の均衡を達成することをいう。
同町では那智の滝に代表される豊かな自然を次の世代へ引き継いでいくために▽那智の滝の森林の保全と健全な管理・育成▽地域資源を生かし、地域内で資源を循環させることで自立したまちを目指す「地域循環共生圏」づくり▽二酸化炭素排出量削減に向け、ごみの減量化と適正処理―に取り組むとしている。
同町によると、本年度中に町や有識者などが那智の滝の源流域の保全などに取り組む「那智の滝100年の森づくり事業」で中間報告が出され、それに沿って人工林の間伐や植樹などの対策を進めていく。
また、地域循環共生圏を目指し、電力の小売りや自家消費型太陽光発電の推進、飲食店の廃油を用いた熱電源の供給などの実現に向け調査中という。
堀町長は「熊野信仰は自然信仰。当町は元々、自然環境に寄り添ってきたため、以前からゼロカーボンの町。これからも継続していく。今回の宣言はそれを知っていただく機会。町民の皆さまには広報を通じて知らせていきたい」と語った。
(2020年12月5日付紙面より)
市婦人団体連絡協議会が人権学習会 (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)は3日、市福祉センターで人権学習会を開いた。換気やマスク着用などの新型コロナウイルス感染対策が講じられる中、市人権政策課の西山和視課長らが部落差別をはじめとする人権問題について講話。参加した会員約10人が学びを深めた。
学習会を前に仲会長が「コロナ禍の中、自粛で大変な毎日を送られていると思いますが健康が第一。お体に十分気を付けてください」とあいさつ。「今日の学びを通して全ての人々の人権が守られ、みんなが幸せに暮らせる社会の実現を目指していけたら」と呼び掛けた。
西山課長は、2016(平成28)年12月16日に「部落差別解消推進法」(部落差別の解消の推進に関する法律)が施行されたことを紹介。先立ち、市では15(平成27)年3月に「部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃に関する条例」を制定したと説明した。
法律施行以降、4年が経過したもののいまだに差別事件や不適切発言などが生じているとし「差別によって尊い命が奪われるような、あってはならないことが起こっている」。結婚差別などの部落差別事件の事象を紹介した。
学習会を終え、川嶋みどり副会長は「新宮市で差別事象が起こっているとは思っていなかった。貴重なお話を聞かせていただきました」と感想を話した。
(2020年12月5日付紙面より)
西向小6年生が租税教室受講 (串本町 )
串本町立西向小学校(山本隆介校長)で3日、租税教室があった。6年生が受講し、税金の種類や社会にどのように役立っているかなどを新宮税務署の署員から教えてもらい理解を深めた。
この教室は、新宮・東牟婁租税教育推進協議会(会長・石橋裕新宮税務署署長)が同署管内の小学校、中学校、高校を対象にして受講を勧めている。署員や納税協会職員、税理士や自治体の税務課職員など税務を担う人材が受講する児童生徒の年代を考えて解説し、税の仕組みを身近に感じながら将来の納税者としての理解を正しく持つことを応援している。
西向小へは同署個人課税部門の山本太郎調査官が来校。この日は1人欠席で7人が受講し、すでに納税経験のある消費税を足掛かりにしてほかにもいろいろな税金があることを教わった後、この仕組みがなかったら社会はどうなるかを紹介する映像教材「マリンとヤマト 不思議な日曜日」を鑑賞して税が社会の中でどのように役立っているかも考えた。
税を考えるときの金銭感覚を培うため、1億円分の1万円見本が詰まったケース(約12㌔)や中に入った1000万円分の束(1㌔)の重さを確かめる体験も。国税庁e―Tax(=国税電子申告・納税システム)のキャラクター「イータ君」の紹介や教材の内容にも触れるなどして、これから税制度を考えるきっかけや興味を数多く託すなどした。
13ある町立小中学校全てがこの教室を利用していてその積極さで同町教育委員会が感謝状を受けた経緯もある同町。本年度は新型コロナウイルスの影響で例年通りの活発さはないが、9日(水)には橋杭小が受講する予定となっている。
(2020年12月5日付紙面より)
紀州勝浦漁協がイセエビ奉納 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で3日、紀州勝浦漁業協同組合(片谷匡代表理事組合長)によるイセエビの奉納があった。片谷組合長、和歌山県漁業協同組合連合会・勝浦市場の太田直久市場長、堰本比呂武さんが参列。地元産イセエビ「南紀黒潮イセエビ」36匹10㌔を神前にささげ、新型コロナウイルス感染症の終息や海上安全、大漁、地域の発展などを祈願した。
片谷組合長によると、温暖化の影響による藻場の変化などで今年の漁獲量は昨年の3分の1程度だという。1㌔当たりの価格は一時7000円台まで高騰したが、最近は平均5000円台と安値を推移しているという。
片谷組合長は「経済や観光が落ち込むと産業にも影響が出る。厳しい状況の中、今年も奉納することができた。コロナの終息と大漁、海上安全をお祈りしました」。
男成宮司は「今年は新型コロナ拡大の影響もあり、漁業を取り巻く環境は依然として厳しい。来年、事態が終息に近づくことを期待したい」とあいさつ。
「漁業に携わる方々の操業の安全と豊漁を心からお祈りしています」と感謝を述べた。
(2020年12月5日付紙面より)
宇久井海水浴場で流木など撤去 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井地区(中路進総区長)と町、町建設業組合(上地秀和理事長)、和歌山県、新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長)は11月30日、宇久井海水浴場で官民一体の清掃活動を実施した。参加した約60人が協力し、漂着した流木などのごみを集めて撤去した。
同地区は景観美化を目的に毎年活動を実施してきた。昨年の度重なる台風などで多くの流木やごみが漂着したことから、区単独での撤去が困難となり町に相談し、管理者である県に要望した。その後、両組合に協力を呼び掛けた。清掃活動は1月末に行われて以来の実施となった。
参加者は各箇所に大きな流木などを集め、重機でトラックに積み込んだ。小さなごみは、町指定ごみ袋に詰めていった。
清掃に参加した矢熊義人副町長は「自分たちだけでは手に負えないごみなどもあり、地元や県、各建設業組合さんのご協力に感謝しています。今後も一体となって、わが家のようにきれいにしていけるよう取り組んでいきたい」。新宮地方建設業協同組合の松根康隆・副理事長は「地域貢献と思い取り組んでいます。これからもできる限り協力していきたい」。
中路総区長は「地形の関係もあって、ごみや流木が集まってくることが多く心配していました。日頃、地域の方々がボランティアで清掃してくれておりありがたいです。区だけでは、活動に限界があるため、多くの皆さんの協力に感謝しています」と話していた。
(2020年12月1日付紙面より)
4年生が総合学習の一環で (井田小 )
紀宝町立井田小学校(石谷正秀校長)の4年生25人が11月25日、道の駅「紀宝町ウミガメ公園」を訪れ、ウミガメの生態や環境保護の大切さを学んだ。
同校では、総合学習「地域に根ざした学習」の一つに「ウミガメ学習」を設けており、今回の訪問はその一環。同公園の飼育員・伊藤柊也さんが説明した。
児童たちは、施設で飼育する淡水にすむカメとウミガメに触れ、違いを確認。伊藤さんは「ウミガメは泳ぎやすいよう水中に特化した手に進化し、淡水ガメは陸や川底を歩くため爪が生えている」と話した。
ウミガメの種類について「アカウミガメは頭が大きく、カニや貝など硬い生物を主食とする。アオウミガメとタイマイはそれぞれ口に特徴がある。主食となる生き物が違うため特徴が異なる」と解説。アオウミガメの雄雌の見分け方も教えた。
近くの井田海岸に移動し、伊藤さんは「浜は砂利が多く、今年のアカウミガメの産卵はなかった。近年、砂浜が減少し、産卵に適しなくなってきた」と説明。産卵があった際は、卵が台風で流されないために井田小のふ化場に移していることも伝えた。
児童からはウミガメの寿命や餌などの質問があり、「ウミガメは人と同じくらい70~80年生きるといわれているが、定かでない」「飼育するウミガメにはアジ、イカ、キャベツを与えている」などと答えた。
(2020年12月1日付紙面より)
CGS部、千羽鶴など託す (串本古座高校 )
県立串本古座高校CGS部(森陽翔部長、部員20人)がこのほど、10月30日にトルコ共和国であった地震の被災者を励ますため千羽鶴とメッセージ色紙2枚を作った。
この地震はイズミル県沖のエーゲ海を震源として発生し、100人以上の死者、1000人以上の傷者、さらに多数の被災者を生む被害をもたらした。
そのニュースを知り、かねて日本とトルコの友好につながる何かをしたいと考えを巡らせていた同部は、日本の被災地を応援する方法の一つとなっている千羽鶴を作ることを決め、部員20人で手分けし約2週間がかりで仕上げた。併せてメッセージ色紙も送ることにし、被災者が一目で分かるようインターネット上の翻訳機能を駆使して日本語とトルコ語の両方で応援の思いを寄せ書きした。
どうやって被災者に届けるかを考えた末、役場に仲介してもらうことを決めて、11月26日に田嶋勝正町長を表敬訪問。森部長(2年)が同部の思いを乗せて千羽鶴とメッセージ色紙を託した。田嶋町長は日本トルコ友好周年事業の共催で親しい関係にある駐日トルコ共和国大使館経由で被災者に届ける、と約束して千羽鶴、色紙、思いを預かった。
今回の取り組みについて森部長は「僕たちにできる事でどうやれば被災した皆さんを元気づけられるか、と話し合い千羽鶴を折ることにした。発生から2日後のことで、義援金も考えたけれど日本で浸透しているこの方法が自分たちの思いを一番伝えやすいと思った」とコメント。
田嶋町長はトルコ軍艦エルトゥールル号遭難やトルコ航空邦人救出などを振り返って助け合いの積み重ねが歴史を風化させず友好を支えている側面を部員に諭し、「役場に寄せられているトルコ西部地震災害義援金と共にこの応援もきっと次の30年、50年の友好につながっていく」と語りかけて同部の行動をたたえた。
(2020年12月1日付紙面より)
不思議科学実験ショー (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)は11月28日、那智勝浦町の体育文化会館で令和2年度の「不思議科学実験ショー」を開催した。児童生徒や保護者合わせ40人が参加。「分光の実験」として、「分光器」の工作やさまざまな実験を行い、光について学びを深めた。
例年は科学技術振興機構・サイエンスレンジャーの海老崎功さんが講師を務めているが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から今回はオンラインで実験をサポートした。
森川会長は「コロナ禍での開催のため、じゅうぶんに対策をさせていただいた。科学実験ショーを楽しんで、勉強して帰ってください」とあいさつ。
オンラインで京都からサポートした海老崎さんは「科学ショーの継続は素晴らしい。南紀くろしお商工会さんが大変な努力を重ねているからこそ。今日は新しい情報技術を駆使して実験の様子を見させていただきます。楽しんでください」と話した。
実験はスライドショーに合わせて、音声で解説が行われた。はじめに、進行方向に物体がある際に、その裏に回り込む現象である「回折」を学んだ。
配布されたフーリエ変換ホログラムという回折格子が付いた「1枚で2度ふしぎなカード」で実験。カードは光を通すことで回折像が見えるように作られており、児童らは小さな光を照らし、カードをのぞくことでイラストが見えることや、明るい場所でかざした手を見れば手の骨のようなものが見えることを確認した。
続いて、工作した分光器でさまざまな光を見て、光の波長ごとの分布強度(スペクトル)を確認した。その後、児童生徒らに同商工会から分光器の手作りキットがお土産として手渡された。
参加した町立太田小学校6年の尾鷲俊人(しゅんと)君は「スペクトルという言葉を初めて知った。光によって見え方が違うことが分かった。家でもやってみたいです」と語った。
(2020年12月1日付紙面より)
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