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2024年02月27日
1 日舞や詩舞、優雅に観客魅了
 第13回新宮市伝統芸能大会  

 新宮市伝統芸能大会が25日、市文化複合施設「丹鶴ホール」で開かれ、11団体が日頃の成果を披露、会場から大きな拍手が湧いた。

 13回目の今年は▽哲泉流日本吟詠協会紀州支部連合▽井谷豊優扇会▽熊野曼荼羅(まんだら)太鼓▽関西吟詩文化協会 華城会▽正派若柳流美栄の会▽西川流友華会▽西川流友千恵会▽藤紀和会▽哲泉流南紀清流▽若柳流若吉会▽坂東流柳蛙会―が日舞や詩舞、詩吟、力強い和太鼓演奏を繰り広げた。

 市と市伝統芸能大会実行委員会(委員長=藤紀実美・藤紀和会家元)が主催。速水盛康教育長が「丹鶴ホールで伝統芸能を披露していただけることを楽しみにしている。温かいまなざしで堪能し、和やかにお過ごしください」とあいさつした。

 西川流友千恵会の華麗な舞で幕を開けた。各団体が舞台に立ち、和服姿の出演者が優雅な立ち振る舞いで花を添えた。

 有志による「正調新宮節」の踊りに続き、最後は熊野曼荼羅太鼓が「お祭り新宮節」「黒潮囃子(ばやし)」を演奏した。

 ホール1階のホワイエでは、茶道表千家流音無会(築紫充代会長)による呈茶の振る舞いもあった。

(2024年2月27日付紙面より)

有志が「正調新宮節」を踊る=25日、新宮市の「丹鶴ホール」
伝統芸能大会を楽しむ来場者
2024年02月27日
2 飛行機はなぜ飛ぶの?
 こども航空教室を開催  (新宮市 )

 新宮市が主催し、市と包括連携協定を結んでいる明治安田生命保険相互会社が協賛する「親子で学ぶ! こども航空教室」が24日、新宮市役所別館であった。親子連れ14組33人が参加。飛行機が飛ぶ仕組みや客室乗務員の仕事を学んだ。

 明治安田生命は日本航空株式会社(JAL)と提携しており、こども航空教室を全国で展開している。新宮市にも提案して実施が決まった。現役のJAL客室乗務員で組織する「JALふるさと応援隊」の森國真世さんが講師を務めた。

 森國さんは、JALグループが持っている飛行機の数や種類、国際線で活躍するボーイング787について紹介。飛行機が飛ぶ仕組みについて「エンジンを回して進むと風を受け、翼の上と下の風の速さが変わる。圧力の差により浮かび上がろうとする力で押し上げる」と話した。

 羽田や成田にある整備工場についても解説。「タイヤやブレーキやエンジンに不具合がないかを点検する。3~4年ごとにエンジンやシステムを整備、6~8年ごとにシートや内装を外して隅々まで調べる」などと語った。

 客室乗務員の仕事も紹介。「パスポートや身分証明書、制服、iPad(アイパッド)などが仕事グッズ。iPadには仕事資料が全て入っている」と述べた。客室乗務員が必ず持っているものとして「秒針付きの腕時計。お客さまの脈を測らないといけない時に使う」と明かした。

 参加者に、機内アナウンスに挑戦してもらう一幕もあった。「聞きやすい声で、ゆっくりと笑顔で」と呼びかけ。参加者は指導に従い、森國さんに続いてアナウンスした。

 両親と共に訪れた松田莉桜(りお)さん(8)、栞奈(かんな)さん(7)は「楽しかった。飛行機にはまだ乗ったことがないので乗ってみたい」などと話した。

 なお会場では、明治安田生命のスタッフによる血管年齢測定なども行われていた。

(2024年2月27日付紙面より)

14組の親子が飛行機について学んだ=24日、新宮市役所別館
客室乗務員の仕事について語る森國真世さん
2024年02月27日
3 三枚おろしやだし取り紹介
 西向小でキッズシェフ体験  (県調理師会 )

 串本町立西向小学校(河田恵美校長)の5、6年生16人が22日、県調理師会のキッズシェフ体験に参加し現役の調理師と一緒に魚の三枚おろしやだし取りなどを経験した。

 この体験は、子どもたちに調理の楽しさを伝えるため会員が学校へ赴く形で実施。今回は同会新宮支部の平見一雄支部長と所属する新宮調理師会の里中陽互さん、中畑光史さん、平見輝行さんの計4人がアジのつみれ汁など児童に味わってもらうメニューの食材を持参して訪問した。

 5、6年生は魚の三枚おろしを実演で教わり、アジで挑戦。その切り身をたたきにし、ネギと卵黄を混ぜてつみれにした。昆布とかつお節の合わせだしを取り、砂糖やしょうゆ、塩といった調味料を加えて好みの味に調えつみれ汁を調理した。

 和食の基本となる調理の体験と並行して、4人は防災食としてサバ缶を使った炊き込みご飯の作り方も紹介。5、6年生はこれら2品と味を調えただし汁で味わううどん、だしを取った後のかつお節で作ったつくだ煮をこの日の昼食とし、それらの味わいを確かめた。

 児童の多くが三枚おろし初体験で、今回の経験で魚をおろす自信がついたそう。食後は複数人がだしの取り方も含めて「家でもしてみたいと思った」と感想を発表し、数々の紹介に感謝した。

 5、6年生の経験を一調理師として後押しした平見支部長は「料理に興味を持ち、少しでもこういう仕事(=調理師)に就いてくれる人が増えればと思います。今回も息子がつくだ煮を準備してくれたが、食材を無駄にしないことも一緒に教えていけたら」とこの活動に込める思いを語った。

(2024年2月27日付紙面より)

現役の調理師からだし取りを教わる5、6年生=22日、串本町立西向小学校
児童から感想と感謝を受ける調理師の皆さん
2024年02月27日
4 今年も神秘ウオーク開始
 43人が那智山の原生林へ  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町那智山で23日、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)主催の「神秘ウオーク」が始まった。普段立ち入れない神域である那智山の原生林を体験できるとあって、初回には全国から43人が参加し、那智の滝(一の滝、二の滝、三の滝)を巡った。

 比較的水量が少ない2~5月限定で、3滝を巡ることができる唯一の企画として人気を博している。今季は3月10日(日)までに5回行う計画。この日は雨天で水量増加が予想されることから、熊野・那智ガイドの会の9人がサポートした。

 バス停「那智山」の近くを出発した一行は、表参道を上って熊野那智大社に正式参拝。同じく世界遺産の一部である那智山青岸渡寺や昨年150年ぶりに再建された行者堂へも足を運んだ。昼食を済ませた後に、神域へと足を踏み入れた。手付かずの自然が残る険しい坂を上り、沢を渡って二の滝、三の滝へと向かった。

 愛知県名古屋市から友人4人で参加した女性は「山を歩くのが好きで、熊野には以前も来たことがあったけれど、神秘ウオークは初めて。雨を心配していたが、ガイドさんがいて心強い」と話していた。

(2024年2月27日付紙面より)

沢を渡る参加者たち=23日、那智勝浦町(丸山由起さん提供)
熊野那智大社の内庭拝観
2024年02月27日
5 「おにっこランチ」に大歓声  節分にちなんだ給食  (紀宝町 )
2024年02月27日
6 山頂からの絶景堪能  紀宝町山歩き部会、松本峠へ  
2024年02月27日
7 つながり、考える機会に  「つれもてまつり」にぎわう  (紀宝町 )
2024年02月27日
8 楽しみながら体動かす  熊野川町で介護予防教室  (新宮市 )
2024年02月27日
9 採用試験の変更点など紹介  業務説明会で鑑識体験も  (新宮警察署 )
2024年02月27日
10 町の景観や環境を保持  渚の会らが清掃活動  (那智勝浦町 )
2024年02月27日
11 「叱咤激励と支援を」  濱口太史氏が県政報告  
2024年02月27日
12 桜まつりに向けて舞稽古  那智勝浦剣友会の3人  
2024年02月27日
13 皇室の繁栄など祈る  熊野速玉大社で天長祭  
2024年02月27日
14 学校版画展の審査結果 東牟婁地方美育協会 
2024年02月27日
15 カワヅザクラ見物集める  週末投光イベント始まる  (古座川町観光協会 )
2024年02月27日
16 町へロケット記念作品寄贈  木彫り作家・杉本紘子さん  (串本町 )
2024年02月27日
17 お悔やみ情報
  
2024年02月18日
18 「銀河」見学会が盛況
 特別列車の魅力を楽しむ  

 JR西日本が運行する観光長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の車両見学会が17日、JR新宮駅の構内であった。親子連れなど約300人が参加。特別列車の魅力を体感した。

 「WEST EXPRESS 銀河受入協議会」とJR西日本の主催。銀河は、観光を中心とした西日本エリアの活性化を目指し、紀南の京都―新宮間のほか、山陰、山陽などの方面で運行している。

 ▽銀河の車内見学▽子ども制服着用体験▽車内での銀河グッズ、地元産品の販売▽新宮駅係員特製の銀河塗り絵▽9店舗参加のマルシェイベント―などの企画が用意されていた。車内見学では、参加者が興味深そうに、座席や客室などを眺めていた。制服体験では、子どもらが制服を着込んでポーズをとり、保護者が撮影して楽しんでいた。

 市内から両親と共に訪れた、市川瑠菜さん(5)と進一郎君(3)は「列車は好き。塗り絵が楽しかった」と話した。

 同協議会の津越紀宏事務局長は「多くの人に紀南にお越しいただきありがたい。見学会は、普段列車に乗らない人も来てもらい体験してもらえる機会。次は乗ってもらえると期待したい。世界遺産の登録20周年を迎えることもあるので、銀河には来年度も来てもらえるとありがたい」。

 新宮駅の道本隆文駅長は「普段フェンス沿いで、子どもが銀河に手を振って見ている様子をよく見かける。今回のイベントで紀南を盛り上げ、楽しんでもらってありがたい。子どもらの笑顔が一番うれしい。来年度もぜひ、銀河に来てもらえたら」と語った。

(2024年2月18日付紙面より)

銀河の車内見学を楽しむ子どもら=17日、JR新宮駅構内
子どもの制服着用体験もあった
9店舗が参加したマルシェイベントも活況を呈した
2024年02月18日
19 能登半島地震の被災地知る
 那智中学校で防災講話  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立那智中学校(寺地琢也校長)で16日、防災講話があった。リエゾン(情報連絡員)として石川県能登町災害対策本部に派遣されていた那智勝浦町防災対策室の柴田通仁さんが現地の状態を語り、3年生45人が今後の災害への備えについて考えた。

 生徒たちの関心が高い能登半島地震について、具体的な被災地の状況を聞くことで災害を追体験し、家族と共に防災に生かしてもらおうと急きょ企画した。

 柴田さんは石川県能登町について「本当に那智勝浦町の環境と重なるところが多い」と言及。「『防災』は現在から災害発生までに、自宅の耐震補強や家具固定、備蓄品の準備などをしておくこと。『減災』は災害発生から復旧・復興までの期間に、これ以上被害を広げないようにすること。石川県は『減災』の期間にある」と説明した。

 現地の写真を見せつつ「学校の体育館は、避難所や救援物資の保管拠点、時には遺体安置所にもなる」とし、全国の自治体からの応援職員が避難所開設・運営などをサポートしている様子を見せた。

 生徒たちに向け「救援物資がまだ十分に行き渡らない中、拠点に届いた物資の仕分け中に『3日何にも食べていないので、今すぐ渡して』と言う人が現れたら、あなたはどうする?」と質問。生徒たちからは議論の末「平等に行き渡るよう、仕分けが終わるまで待ってもらう」「3日食べていないのは周りの人も一緒だと思う」などの回答があった。

 柴田さんは「発災後72時間、自衛隊などの救助機関は人命救助に専念するので、最低3日、できれば1週間は自助で生き抜かなければならない」と語り、生徒たちに備えを促した。

 岡﨑陽彩さん(15)は「お正月にずっとテレビで被災地の様子が流れていた。この地域でも、もしかしたらもっと大きな災害が起きるかもしれない。備蓄などの備えをしたい」と話していた。

(2024年2月18日付紙面より)

被災地派遣後の柴田通仁さんが講話=16日、那智勝浦町立那智中学校
2024年02月18日
20 「たくさんの文化に触れて」
 フランス出身の3人招き講話会  (矢渕中 )

 「ようこそ日本へ!」と題した人権講話会が15日、紀宝町立矢渕中学校(立嶋信雄校長)であり、1年生78人がフランス出身の3人から日本の生活や魅力などを聞いた。来日32年のティエリ・ルガールさんは「みんなもいろんな国に出て、たくさんの文化や考え方に触れてほしい。本当の幸せは心の中にある。人生は1回だけ。好きなことを楽しんで幸せになって」と伝えた。

 日本で暮らす外国人への理解を深め、相手の立場に立つ想像力と技能を身に付けることが狙い。ティエリさんと、来日10年目のジョラン・フェレリさん、8年目のセドリック・ルタールさんが訪問した。

 骨董(こっとう)品が好きだというセドリックさんは「古いものは皆さんの歴史。捨てるのはもったいない。空き家は宝物」と語り「言葉が分からなくてつらかったけど、今は帰りたくない。皆さんも今学んでいる英語を頑張って」とエールを送った。

 ジョランさんは山仕事が好きで、24歳で十津川村に移住。「山で遊べる場所を」との思いから「空中の村」をオープンした。「日本は驚きの連続。毎日、新しい発見がいっぱい。支えてくれた日本に恩返ししたい」と話した。

 新宮で合気道と出合い、家族と共に生涯日本に住むと話したティエリさん。「日本が好きだけど、日本国籍の取得は難しい」と苦労を挙げた上で「フランス人もない、日本人もない。みんな地球人。自由に行き来できれば最高だね」と語った。ピアノ演奏も披露し、生徒たちが聞き入っていた。

 生徒たちは2カ月半あるフランスの夏休みに驚き、「フランスの生徒は休みの日に何をしていますか?」などと質問。3人はサマーキャンプなどを紹介し「よく休んで自分の時間をつくってほしい」と呼びかけた。

(2024年2月18日付紙面より)

日本での生活を紹介するフランス出身の3人=15日、紀宝町立矢渕中学校
暮らしや文化などを聞く1年生
2024年02月18日
21 100㌧の雪山を設営
 18日の「雪まつり」前に  (那智勝浦町 )

 4年ぶりの第26回商工祭「南の国の雪まつり」(18日)を前にした17日、メイン会場の那智勝浦町役場駐車場に約100㌧の雪が到着した=写真。長野県白馬村から大型トラック8台で運ばれ、重機で雪山が設営された。

 南国の子どもたちに雪と触れ合う機会をつくろうと1986(昭和61)年に始まった企画。18日は午前8時30分から雪山を開放。歩行者天国となった役場周辺では「熊野朝市」や各種物産展が開かれ、9時30分からステージイベントが始まる。雨天決行。会場周辺に駐車場がないため、主催者は那智漁港からのシャトルバスや公共交通機関の利用を呼びかけている。

(2024年2月18日付紙面より)


2024年02月18日
22 6人が後期入試に臨む  近大附属新宮高校・中学校  
2024年02月18日
23 町職員が能登町支援へ  18日から給水支援活動  (那智勝浦町 )
2024年02月18日
24 「治山や砂防の推進を」  熊野川の治水対策協議会  
2024年02月18日
25 太地町出身・土長けいさん、日展で入選  3月24日まで神戸で展示  
2024年02月18日
26 釈迦の遺徳をしのぶ  松巌院で「涅槃会」法要  (新宮仏教会 )
2024年02月18日
27 手形足形アートで思い出  子育てサロン「ふれんZOO」  (紀宝町 )
2024年02月18日
28 歌や踊り、元気いっぱいに  うどの幼稚園が発表会  (紀宝町 )
2024年02月18日
29 檜作和香さんの作品、特選に  初の快挙、県代表で近畿大会へ  (紀南高 )
2024年02月18日
30 お悔やみ情報
  
2024年02月14日
31 4年ぶり春祭りを通常斎行
 熊野三所大神社・川関飛烏神社  (那智勝浦町 )

 那智川筋を下り春の到来を告げる伝統の春祭り。10日には那智勝浦町浜ノ宮の熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわやしろ)、11日には川関の飛烏(あすか)神社で例大祭が営まれ、4年ぶりの御弓行事や獅子舞奉納で地域が華やいだ。

  □     □

■熊野三所大神社



 熊野三所大神社では、三間社流造檜皮葺(ひわだぶき)の本殿で髙橋正樹宮司が神事を執り行い、関係者一同が玉串をささげた。獅子舞を継承する一心会が「幣の舞」「剣の舞」「乱獅子」を奉納した。

 御弓行事では、古式にのっとり前日に那智の浜で潮垢離(しおごり)、潔斎した射子(ゆいご)奉仕者5人と諸役が境内の外周を巡って弓場入り。弓太郎(ゆだら)を田代哲也さん、中弓(なかゆみ)を廣畑智哉さんと藤社祐樹さん、弟弓(おとゆみ)を田代雅史さんと加藤優志朗さんが務め、的の中央を射抜くと一心会メンバーが射手の親族を胴上げした。最後は盛大に餅まきで締めくくった。

 一心会の汐崎広一代表は「けがもなく、再び祭りができてよかった」と感無量。神社総代の藤社潔さんは「射子が集まるかと心配したが、積極的に奉仕してくれて大助かり。来年はよりいっそう活気が戻るといい」と期待を込めた。

  □     □

■飛烏神社



 飛烏神社では、熊野那智大社の前田直紀権禰宜(ごんねぎ)を斎主に迎え、事解男命(ことさかのおのみこと)をまつる本殿と、摂社の秋葉神社で神事を営んだ。

 祭り囃子(ばやし)が響くと地域住民や子どもたちが神社に集まり、獅子舞奉納では共心会が「八車の舞」「剣の舞」「玉獅子」などの演目を奉納。

 天狗(てんぐ)の舞では、地域の期待を一身に背負い、德廣聡仁君(7)が天狗役を務めた。年明けから稽古に励んできた德廣君は緊張を見せず、はつらつとした様子で舞を奉納し、大きな拍手が送られた。

 奉納を終えた德廣君は「緊張したけれど、上手にできたと思う」と語った。

 共心会の前田憲政代表は「改めて、一つの祭りを皆でつくり上げていくことの喜びを感じた」と話していた。

(2024年2月14日付紙面より)

御弓行事で的中央を狙う=10日、那智勝浦町浜ノ宮の熊野三所大神社
德廣聡仁君が天狗の舞を奉納=11日、那智勝浦町川関の飛烏神社
2024年02月14日
32 きのくに線の活性化を
 和大生らがサミット開催  

 和歌山大学きのくに線活性化プロジェクト(きの活、宮井凜晴代表)の主催による「きのくに線サミット2024」が10日から12日、新宮市やきのくに線の列車内であった。和大の学生と地域交通に関心のある30歳までの全国の若者、約50人が参加。地域交通の未来のビジョンについて考えた。

 きの活は、きのくに線(紀勢線)を通じた地域活性に取り組む和大の学生プロジェクトとなる。今回のサミットでは、10日は新宮市役所別館で、ゲストによる講演と学生団体の取り組みを発表。11日は特別列車で新宮駅から周参見駅まで行って戻るフィールドワークを実施した。12日は新宮市役所別館で、地域交通の未来ビジョンの作成と発表を行った。

 12日午後は、5人ずつ8班に分かれ、各班で考えたビジョンを模造紙にまとめ、班ごとで発表した。ある班は、抱える課題として▽車の方が便利▽他の交通機関との接続が悪い―などを提示。今後は「地域に合わせた交通機関の模索が必要。既存のものにとらわれず、他の交通手段も視野に入れ、地域交通がどうあるべきか考えることが大事」とまとめた。

 またある班は、利用者の増加に向けた具体案として「各駅の個性を見て回ってもらう。また観光で、海を見る、釣りを楽しむなど、目的別のおすすめパンフレットを作ってはどうか。通院で利用する人のため、バスへの乗り換えも含めた一体の時刻表があると便利では。ミステリーきっぷで知らない駅に降りるのも面白いかも」などと提案した。

 別の班は問題点として「地域の人の概念の中に交通が入っていないのでは」と指摘。「学生が祭りに参加するなどして、地域のコミュニティーに溶け込むことで、関心を持ってもらうきっかけにしてはどうか。信頼関係ができれば相互理解が進み、問題意識を共有できる」と力を込めた。

 他の班は「岐阜県で行われている駅寺子屋を導入してはどうか」と述べた。「地域の若者が観光客に、地域の魅力を伝えるもの。地域の理解につながるし、観光客は地域への発見が生まれる。駅寺子屋だから聞ける話もある」と話した。

 この取り組みは国土交通省令和5年共創モデル実証プロジェクト人材育成事業に採択されている。

(2024年2月14日付紙面より)

「地域交通の未来ビジョン」を発表する参加者=12日、新宮市役所別館
2024年02月14日
33 「わかやまジビエ」学ぶ
 卒業制作でレザークラフトも  (勝浦小 )

 那智勝浦町立勝浦小学校で9日、「わかやまジビエ」の出前授業とレザークラフト教室があった。6年2組の22人が卒業制作も兼ね、オリジナルのキーホルダーを作った。

 和歌山県では捕獲した野生のイノシシやシカを食資源として観光振興に活かそうと、解体処理施設や食肉流通システムの整備を行い、「わかやまジビエ」として需要拡大に取り組んでいる。今年も県内323校の小中学校や特別支援学校の給食にジビエを提供し、合わせて講座を実施している。

 給食でシカ肉のキーマカレーを味わった6年生は、午後にジビエについて学習。県畜産課の松山真也さんが「ジビエは狩猟で手に入れた野生動物の肉を指すフランス語」と紹介。和歌山県では野生動物によって年間約3億円、那智勝浦町内でも約600万円の農作物被害が出ており、対策が必要と述べ「ただ捕獲するだけでなく、頂いた命を無駄にしないことが大切。ジビエはとてもおいしい食材なので、そのことを広めていってほしい」と呼びかけた。

 レザークラフトでは地元・那智勝浦町を含む県内各地で生産されたシカ革を使い、児童たちがハートやペンギン、リスなどのキーホルダーを手作りした。

 講師を務めたレタメロディア(有田川町)の中井謙次朗さんは「革に使われる動物は、猟師が命がけで捕獲したもの。海外で日本の革を展示した時には『日本にしかない』と高く評価された。現在捨てられてしまっているものも、視点を変えれば世界で通用する」と価値を伝え「革製品は使うごとに色が濃くなり、つやが出てくる。成人式の時にみんなで持ち寄っては」と提案した。

 羽山心奈さん(12)は「キーホルダーは中学校のかばんに付けようと思う。シカ肉はおいしかった」と笑顔で話していた。

 学級閉鎖で参加できなかった6年1組には、別日でクラフトの時間を設けるよう調整している。

(2024年2月14日付紙面より)

オリジナルキーホルダーが完成=9日、那智勝浦町立勝浦小学校
初めてなめしたシカ革を見せる中井謙次朗さん
2024年02月14日
34 4年ぶり従来奉仕で活気
 大島・水門神社の「水門祭」  (串本町 )

 串本町大島にある水門(みなと)神社の春季例大祭「水門祭」(県指定無形民俗文化財)が10日に本祭を迎えた。今年は4年ぶりに従来の内容で奉仕。日中は諸行事が立て続き、多くの見物も集めて活気づいた。

 この神社は大島港の東にそびえる日和山の中腹にあり、誉田別命(ほんだわけのみこと)(応神天皇)を主祭神としてまつる。現在は大島区が氏子区域となって護持し、最近は同神社祭典保存会の申し合わせにより春季例大祭は2月第2土曜日を本祭として営んでいる。

 今年は冷え込みが増すも好天の下で本祭を迎え、午前中は同神社で奉仕。内庭で御前の儀、的場でお的の儀を執り行い、以降は青年会「大同会」による獅子舞奉納と並行して大座の儀が続いた。

 大座の儀は4年ぶりとあってもてなしも大いに弾み、予定より半時間ほど押して渡御の一行が出御。大島港で神官、主祭神の神霊をうつした唐櫃(からひつ)を運ぶ白丁、弓頭や付添人らが当船・八勝丸へ乗り込み、苗我島にある御旅所へ赴いて神事とお的の儀を執り行った。当船が戻るまでの間、大島港では当船の出港を送り出した櫂伝馬(かいでんま)「鳳(おおとり)」「鶽(はやぶさ)」が餅まき後に大島―串本間1往復約3・8㌔の競漕(きょうそう)をし、還暦者が祝いの餅まきをするなどした。

 当船の苗我島出発に合わせ、出迎えるツルの一行が出発。大島港に設けた仮宮「お山」で最後尾の商人役が口上や競りを繰り広げて場をにぎやかしつつ3周し、その上役陣が扇子や軍配を振るなどして当船を招いた。

 当船の帰港と同時に「お山」は倒され、若者が中にあるお鏡を荒々しく奪い合い。大島郵便局で「大同会」が獅子屋台の大練りを繰り広げ、「お山」跡そばで獅子舞を披露した。渡御の一行は同神社へ神霊を戻し、終了祭を執行して渡御を締めくくった。夕方以降も当屋の大座や獅子舞の披露が続き、本祭は夜半までにぎわいを見せた。

  □     □

来年以降は4組一丸で奉仕



 このように東牟婁地方屈指の諸行事数を誇る「水門祭」。主奉仕は区内4組で持ち回り今年は南組が務めたが、今回を最終とし来年以降は4組一丸で主奉仕をする体制を新たに組むという。

 南組の1人でもある寺町忠区長(71)は「昔から南組が当番の年は雨ばかりで『南組の年は天気が悪い』と評判だった。今回は準備も天気も心配なく有終の美を飾れて良かったし、皆さんも喜んでくれてやっぱり水門祭はええなとつくづく思った。この祭りをいつまで続けられるかはわからないができる限り後世に伝えて守っていってもらえたら」と感極まる思いを語った。

(2024年2月14日付紙面より)

当船を招くツルの一行=10日、串本町大島
帰港する当船
競漕を始める櫂伝馬「鳳」「鶽」
2024年02月14日
35 179人が熱戦展開
 松村杯バドミントン大会  
2024年02月14日
36 那智勝浦町、地元勢トップの9位
 市町村対抗ジュニア駅伝競走大会  
2024年02月14日
37 孤立しない社会づくりを  宇久井中で薬物乱用防止教室  (那智勝浦町 )
2024年02月14日
38 神倉神社で紀元祭  建国記念の日、国の繁栄祈る  (新宮市 )
2024年02月14日
39 知識深め有事に備え  三佐木蜂伏の防災研修会  (新宮市 )
2024年02月14日
40 本まぐろ丼など人気  恒例の「紀の宝みなと市」  (紀宝町 )
2024年02月14日
41 親子で楽しいひととき  成川小で「ふれあいドッジボール」  (紀宝町 )
2024年02月14日
42 ルールブック周知に向けて  鵜殿区ワークショップで宣言文  (紀宝町 )
2024年02月14日
43 潮岬に「ギャラリーISHIKAWA」を開設  撮り続けた36年の作品を披露  (石川昭春さん )
2024年02月14日
44 ガスこんろ寄贈申し出る  南紀支部から古座川町へ  (県エルピーガス協会 )
2024年02月14日
45 小学生になるのが楽しみ  三輪崎小で園児との交流会  (新宮市 )
2024年02月14日
46 お悔やみ情報
  
2024年02月10日
47 駐車場の適正利用求める
 障害者らのスペース確保を  (那智勝浦町立温泉病院 )

 那智勝浦町や町立温泉病院は現在、「障害者等用駐車区画」の適正利用を呼びかけている。同院では今年1月に青色に塗装した車いす使用者用の駐車スペースを2台から5台に増やしたばかりだが、外来が混み合う午前中などは全てが埋まる状態が続いているという。

 障害者等用駐車区画は、障害のある人や難病患者、高齢者、妊産婦、けが人など、移動に配慮が必要な人々のための駐車場。白色の車いすのマークが塗装された幅広の「車いす使用者用駐車区画」と、施設出入り口近くに設置される通常幅の「ゆずりあい駐車区画」がある。特に車いすから車への乗り降りには広いスペースが必要で、通常幅の駐車場では対応が難しい現状がある。

 和歌山県では不適正な駐車の抑止を目的に、利用対象者を限定して利用証を交付する「パーキング・パーミット制度」を設けている。区画の使用には県が発行する「障害者等用駐車区画利用証」もしくは公安委員会が発行する「駐車禁止除外指定車標章」の提示が必要。しかしながら、1月31日に温泉病院駐車場を訪れたところ、利用証を掲示していない車も散見された。

 このような状況を受け、同町身体障害者連盟(鈴木怜子会長)は1月26日、堀順一郎町長に要望書を提出。「一人一人のマナーの問題ではあるが、障害者が困っていることを周知していただきたい」と訴えた。町では福祉課窓口やエバグリーン前での啓発チラシ配布などに取り組んでいる。

 温泉病院にもこうした声は届いており、事務局の脇地健さんは「駐車区画を増やしても、適正利用が進まなければ状況は変わらない。当院としても患者さんの目に触れる場所にポスターやチラシを設置するなどを検討している。本当に必要な人のため、スペース確保に協力を」と呼びかけている。

 利用証の発行に関する問い合わせは、東牟婁振興局健康福祉部(電話0735・21・9610)で受け付けている。

(2024年2月10日付紙面より)

車いす使用者用駐車区画=1月31日、那智勝浦町立温泉病院
和歌山県発行の利用証
2024年02月10日
48 新校名で意見を交換
 緑丘中・城南中統合委員会  (新宮市 )

 緑丘中学校・城南中学校統合検討委員会(委員長=板谷貴史・元城南中学校育友会長)の第7回会議が8日、新宮市役所別館であった。委員11人が参加、応募された新校名について意見を交わした。今後は委員が20日(火)までに五つ以内を選び、その結果を基に次回の会議で再協議する。決定時期は未定で流動的となる。

 同委員会は、両中学校の校長や育友会など、関係者で組織。緑丘中と城南中は2027年4月の統合を目指して協議が進んでいる。統合後の新校名の応募は、昨年の11月に実施。対象は▽市内外を問わず一般▽両中学校と神倉小学校、王子ヶ浜小学校の児童生徒の保護者▽両中学校の全校生徒▽両小学校の3年生以上の児童―だった。新校名だけでなく、その理由も記入となっていた。

 応募総数は1011件で、うち有効応募数は992件だった。同じものも多く、校名数は313件となった。委員には、この313件の校名と校名ごとの応募者数、その校名を選んだ理由などが示された。

 校名選定に当たり、委員が新たに考えた校名を加えて良いのか、または応募の複数をつなげた校名ではどうかなどの議論があった。意見はさまざまだったが、広く公平に応募を行った上に、委員の応募を禁じる規定もなかったことから、応募された校名の中から選ぶべきとの結論に至った。

 次回の会議は3月中旬で検討している。そこで事務局より、委員による校名の選定結果が示され、再度協議する。そこでいくつかの候補に絞られることが予想されるが、候補数がいくつになるかは分からない。最終的には新宮市議会での議決を経て決定となる。

  □     □

■広報紙の発行も



 統合に向けて広報紙「統合検討委員会だより」も発行することが決まった。事務局より原案が示され承認した。関係小中学校の保護者への配布、市ホームページへの掲載、報道機関への提供などを考えている。回覧板での周知も検討となった。

 ▽27年4月の開校予定▽緑丘中校舎を大規模改修して使用―などの予定のほか、これまでの経過などが伝えられる予定となっている。

(2024年2月10日付紙面より)

統合後の新校名について意見を交わした=8日、新宮市役所別館
2024年02月10日
49 雨天経て咲き進み始める
 鶴川公園のカワヅザクラ  (古座川町 )

 古座川町鶴川にある鶴川公園のカワヅザクラが5日の雨天を経て咲き進み始めた。木によってばらつきはあるが8日現在、全体として開花前~三分咲きの段階。開花直前のつぼみも数多く、にわかに咲きそろいそうな勢いを見せている。

 この公園は、国道371号鶴川橋西詰から高富方向へ約1㌔進んだ集落南端に位置。芝生広場を囲むようにカワヅザクラが植えられていて町内屈指の名所として人気を集めているが、昨年8月に台風7号が紀伊半島へ上陸した影響で入り口そばの3本が倒れてしまい、その数は現在13本となっている。

 樹高は総じて5㍍前後。今年は1月下旬ごろから点々と花が見られるようになったが咲き進みは緩慢で、5日の雨天を経てようやく花が増え始め開花直前の色づいたつぼみも一気に数を増した。目前の連休は冷え込むが連休明けには春らしい陽気になる予報が気象庁から出されていて、その暖かさが今後の開花の追い風となりそうだ。

 開花間もない花にはミツバチなどの昆虫も飛来し、せわしく採蜜。徐々に花盛りのにぎやかさも増し始めている。同公園は芝生広場の道向かいに駐車場と公衆トイレがあり、訪れやすい花見場所の一つとなっている。

(2024年2月10日付紙面より)

雨天を経て咲き進み始めた鶴川公園のカワヅザクラ=8日、古座川町鶴川

2024年02月10日
50 舞楽の稽古の成果を披露
 大同会が獅子舞衣装付け  (水門祭に向け )

 串本町大島の青年会「大同会」(冨田和成会長)が8日夜、紀伊大島開発総合センターで獅子舞の衣装付けに臨んだ。

 水門(みなと)神社春季例大祭「水門祭」奉仕に向け、先月15日の獅子だし以降重ねてきた稽古の総仕上げとなる行事。獅子だし同様に寺町忠区長や同神社祭典保存会の木下正己会長、山下昭祭典委員長や区内4区の氏子総代ら年長者を招き、奉仕同様に衣装を着て舞楽「神明賛」「乱獅子」などの稽古の成果を披露した。

 今年の天狗(てんぐ)役は吉田穂高君(12)、小川珀空君(12)、鈴木寛大君(12)の3人で、衣装付けの舞楽「天狗」は吉田君が担当。「今日は祭りの始まり。みんなの見本になれたら」と思いを込めて獅子との掛け合いを繰り広げた。

 衣装付けを終えて同保存会と「大同会」の中継ぎとして努めてきた山下祭典委員長(54)は「裏方も含めていろんなことをしてもらったので、あとはやるだけ。伝統のある祭りなので、思いっきり盛り上がっていきたい。若い子も力を合わせて頑張ってくれているのでありがたい限り」と語った。

 今年の春季例大祭は10日(土)が本祭日で、獅子舞は境内で午前10時30分ごろ、大島港のお山跡で午後3時ごろから見物できる。お山跡での披露直前には、大島郵便局前で獅子屋台の大練りも繰り広げる。その他諸行事の詳細は5面参照。

(2024年2月10日付紙面より)

稽古の総仕上げ「衣装付け」に臨む大同会の会員ら=8日、紀伊大島開発総合センター
舞楽「天狗」の披露
2024年02月10日
51 被災地に義援金届ける  姉妹町の石川県中能登町に  (紀宝町議会 )
2024年02月10日
52 3年間の成果、力作を紹介  ピネで「卒業発表会」開催中  (紀南高校 )
2024年02月10日
53 ネコ型ロボットを操作  プログラミング教室  (成川小 )
2024年02月10日
54 しんぐう元気フェスタ'24  届けようメッセージ! つなげよう心を!  
2024年02月10日
55 シダレウメが満開に  二河の和泉さん宅で  (那智勝浦町 )
2024年02月10日
56 祖父、健次が愛した「御燈祭り」  中上海さん、初上がり  
2024年02月10日
57 4年ぶり「お山」そびえる  大島港の中央で区民奉仕  (水門祭を前に )
2024年02月10日
58 支えてくれてありがとう  生徒会が感謝の気持ち伝える  (光洋中 )
2024年02月10日
59 お悔やみ情報
  
2024年02月04日
60 高らかに「福は内、鬼は外」
 那智山両社寺で節分行事  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で3日、節分行事が営まれた。境内や堂内に「福は内、鬼は外」の声が高らかに響き渡り、厄災を払って地域に春を呼んだ。

 コロナ禍を経て4年ぶりの節分会となる那智山青岸渡寺では、本尊の秘仏「如意輪観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳。早朝から節分会を順次営み、髙木住職が裃(かみしも)を着た参列者の名前を一人ずつ読み上げて所願成就を祈った。参列者たちは升に書かれた「七難即滅、七福即生」を三唱し、内陣に向けて「福は内」、反対を向いて「鬼は外」と豆まき。一年の無病息災と幸福を願った。

 熊野那智大社では2回にわたって節分祭鬼追い追儺式(ついなしき)があった。大勢の大檀那(だんな)(特別崇敬者)が参列し、内庭で神事を執り行った。古式にのっとった衣装と面を付けた役人役が社殿の鈴門柱に進み、福升に入った豆をまいた後、鬼やらい用具(先の割れた竹)で鈴門の基礎石を3回打ちながら「家内安全、延命息災、家運隆昌」と大声で唱えた。

 境内では花薗龍人権禰宜(ごんねぎ)(35)がお弓の儀に臨み、「鬼」と朱書きされた的に矢が命中すると拍手と歓声が起こった。男成宮司や大檀那らが宝物殿から豆まきした。

 お弓の儀を執り行った花薗権禰宜は「これ以上災害もなく、皆さまが健やかに過ごされるよう願って矢を放った」。

 参拝に訪れた牧戸克記さん(44)、香奈子さん(29)、陽之介君(2)一家は「一年を元気に過ごせるよう、家でも豆まきをする」と笑顔で話していた。

(2024年2月4日付紙面より)

4年ぶりの節分会に大勢が参列=3日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺
男成洋三宮司や大檀那らが宝物殿から豆まき=同日、那智勝浦町の熊野那智大社
2024年02月04日
61 高齢期に必要な栄養
 介護予防教室で講話  (和歌山県 )

 和歌山県の主催による、介護予防体操実践教室が1日、県東牟婁振興局とオンラインであった。和歌山信愛女子短期大学の岡井明美教授が「高齢期に取りたい毎日の食事と栄養」をテーマに講話。会場で13人、オンラインで多数が参加。高齢期の理想的な食生活について学んだ。

 岡井教授は、栄養、運動、脳の健康、人とのつながりが、元気な体と心を支えてくれると強調。加齢で心身が老い衰えた状態を指す「フレイル」について「栄養不足が大きく関わる」と話した。「何もしないと筋肉は衰える。早めの気付きが重要」と伝えた。低栄養についても説明。「欠食は低栄養に直結するリスク」「体重減少は要介護の発生率が高くなる」などと語った。必要な毎日の食事と栄養として「適正量を食べ、バランスの良い食事内容で、規則的な食事習慣を心がけることが大切。主食、主菜、副菜をそろえ、必要に応じて間食を入れると良い」と述べた。

 タンパク質の重要性にも言及。「魚の缶詰を利用したり、トーストにチーズをのせたりしたり、おやつに乳製品やゆで卵を食べたり、冷凍食品を上手に利用したりして、上手に増やして」と呼びかけた。

(2024年2月4日付紙面より)

望ましい高齢期の食生活について学んだ=1日、和歌山県東牟婁振興局
講話する岡井明美教授
2024年02月04日
62 講話と紙芝居で知る
 地域の伝統「御燈祭り」  (神倉小学校 )

 新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)は1月31日、同校運営協議会(下岡輝子会長)の協力の下、ふるさと学習として「御燈祭(おとうまつ)り」の授業を行った。1年生69人が講話やデジタル紙芝居で、地域伝統の祭りについて学んだ。

 同協議会は「ヤタガラス子ども未来プロジェクト~ふるさとの未来を託せる子どもの育成~」と題し、ボランティアの協力も得て児童のふるさと学習を学校と推進しており、今回もその一環となる。

 下岡さんをはじめ多くの協議会の委員が、講師として参加した。会場には、御燈祭りの白装束を着た人形や松明(たいまつ)、祭り当日のスケジュール写真などが展示されていた。授業は組ごとで行われた。

 1組は34人が受講した。委員の一人である大田講平さんが、御燈祭りの概要や当日のスケジュールについて説明。「6日にある。神倉神社の石段は538段あり、上の大きな岩はゴトビキ岩」「神倉山の上で松明に火を付け、午後8時ごろに門が開き、一斉に下りてくる」などと語った。

 同協議会で制作したデジタル紙芝居「はると君のお燈祭り」の朗読も実施。小学1年生になったはると君が、祖父や父と一緒に初めて御燈祭りに上がるというもので、下岡会長をはじめ3人が読み聞かせた。児童らは熱心に耳を傾け、内容を通して御燈祭りを学んでいた。委員による「御燈祭りに上がりたいと思った人」の問いには、多くの児童が手を挙げた。

(2024年2月4日付紙面より)

御燈祭りの概要やスケジュールを学んだ=1月31日、新宮市立神倉小学校
講話する大田講平さん
2024年02月04日
63 今注目のブロッコリー!
 勝浦小3年生が新宮市で収穫体験  

 農林水産省が2026年度からブロッコリーを「消費量が多く、国民の生活上の重要な野菜」である「指定野菜」に追加すると発表した。2日には那智勝浦町立勝浦小学校の3年生43人が新宮市佐野の畑を訪れ、今注目のブロッコリーを収穫した。

 人口減少を背景に多くの野菜の出荷量が減少する中、ブロッコリーはこの10年で3割近く増加。2022年の全国総出荷量は15万7100㌧。近年の筋トレブームなども追い風になったとみられ、指定野菜への追加は1974年のジャガイモ以来約50年ぶり。

 収穫体験には同市佐野で農業を営む山﨑達也さん(70)、まゆみさん(65)夫妻とその息子の浩之さん(40)、新宮広域圏公設地方卸売市場が協力。児童たちは「でっかいのを取るぞ!」と畑に向かい、ギュッとつぼみが詰まったブロッコリーを3個ずつ収穫した。ニンジン5本のプレゼントもあった。

 達也さんは「取れたてと2、3日たったものでは全然味が違う。今日中に料理して食べて」。まゆみさんは「塩ゆでもいいし、天ぷらやグラタン、ごまあえも最高。ニンジンと一緒にシチューにしたらバッチリ」と太鼓判を押す。

 奥地遥久さん(9)は「ゆでてかつお節をかけて食べるのが好き」。井筒珀斗君(9)は「茎が意外と柔らかくて、収穫が楽しかった。お母さんに料理方法を聞いてみる」と話していた。

 山﨑さん一家のブロッコリーは公設市場の他、同市の業務スーパー&産直市場よってって新宮店などにも出荷している。寒さに当てられてグッと甘みが増し、今まさに旬のブロッコリー、ぜひ今日の食卓にいかがだろうか。

(2024年2月4日付紙面より)

大きなブロッコリーを収穫=2日、新宮市佐野
2024年02月04日
64 問題を知り関心を  北方領土の街頭啓発  (新宮JC )
2024年02月04日
65 能登への義援金募る 近大新宮高校・中学校 
2024年02月04日
66 防犯への意識高める  太田小で不審者対応訓練  (那智勝浦町 )
2024年02月04日
67 正しく安全な取り扱いを  動物駆逐用煙火の講習会  (太地町 )
2024年02月04日
68 親子で触れ合い遊ぶ  新宮職員労組がイベント  
2024年02月04日
69 彩り豊かな作品ずらり  紅節書院の新春展  
2024年02月04日
70 かわいらしい鬼が登場  保育所で節分の行事  (紀宝町 )
2024年02月04日
71 初打ち大会に48人参加  グラウンドゴルフ「三和大会」  (紀宝町 )
2024年02月04日
72 現代学生百人一首で入選  6万首以上から100選に  (紀南高校 )
2024年02月04日
73 お悔やみ情報
  
2024年02月01日
74 無念こらえ「早期完成を」
 地元説明会で住民が要望  (八郎山トンネル問題 )

 施工不良で工事のやり直しが決まっている「八郎山トンネル」問題について、和歌山県東牟婁振興局新宮建設部工務課は1月30日夜、那智勝浦町の中里会館で地元説明会を開いた。地域住民の約30人が参加。無念をこらえ早期完成を求めた。

 那智勝浦町と串本町を結ぶ「八郎山トンネル」は、2023年12月に開通を予定していたが、施工不良が発覚。代表工事業者である和歌山市の淺川組が、約2年をかけてやり直しの工事を行うことが決まっている。

 説明会では、トンネルのコンクリート壁が規定の厚さを確保できておらず、空洞もあちこちにあること、中心が最大14・4㌢ずれていること、アーチ形の骨格部分「支保工」にずれが生じていることなどが語られた。「コンクリートをはがし、支保工もやり直す」などと伝えられた。県の検査不足も認めた。

 参加した住民からは「(大型の工事の)車が(地域を頻繁に)通るのも我慢し、みんなが用地買収にも協力してくれて、やっと通れると思ったのに、(施工不良の)話を聞いて、みんながショックを受けた。また2年待たないとならないのか。一日でも早く完成させ、通れるようにしてほしい」との声が上がった。

 他の住民からは「やっと(工事の)トラックが少なくなるとほっとしていたのに、また増えることに。工事の関係で台数が増えるときは、事前に教えてほしい」との要望があった。県は「淺川組に、地元に分かるようにと指導する」と応じた。

 工事車両の通行速度についても「ダンプカーは(地域住民に配慮して)遅いスピードで走るが、コンクリートミキサーや他の工事車両は速い」と苦言を申し入れた。

  □     □

■トンネル手前の盛り土



 トンネル手前の盛り土部分について、当初は新宮市の相賀と高田をつなぐ、国道168号の2号トンネル(仮称)の掘削土を使う予定だったが、基準値を超える有害物質が確認され、使用できなくなっていた。

 これについて県は、別の工事で発生した掘削土を、安全性を確認した上で使用するなど「状況を見て土を入れる」と伝えた。

(2024年2月1日付紙面より)

約30人が集まり県の説明を聞いた=1月30日、那智勝浦町の中里会館
2024年02月01日
75 乾物の魅力を次世代へ
 古座川町で子育て講座  (県教育委員会 )

 古座川町高池にある中央公民館で1月29日に県教育委員会主催講座「こころが軽くなる子育て講座」があり、主催者を含め20人が受講して日頃の子育てやその支援の一助になる気付きを探り得るなどした。

 この講座は、地域の人材を活用し地域ぐるみの子育て体制を整備する趣旨で年2回、県の北部と南部に会場を設けて開いている。参加対象は保護者やその支援者ら。この日は本年度2回目の実施で、県内の上級かんぶつマエストロ第1号でNHK・Eテレへ講師出演した経験もある乾物卸売業「株式会社野田商店」(海南市)の代表取締役社長・野田智也さんが演題「日本の伝統食『かんぶつ』を次世代へ~子どもたちへ一生のプレゼントを~」を掲げて登壇した。

 序~中盤は講演で、野田さんは物流の発達により生鮮食品が主流化し調理に手間がかかることもあって消費が減少している乾物だが、ただ乾いているだけではなく先人の知恵が培った保存性の高さや「UMAMI」という共通語が生まれるほど世界からも注目されている自然のうま味の凝縮(だしの文化)など秀でた魅力が詰まっているとしてそのイメージをアップ。乾燥昆布に含まれるうま味成分「グルタミン酸」の量は母乳や羊水とほぼ同じだと紹介し、胎児期の感覚を思い出させるつもりで子どもたちの食事に取り入れてその良さを伝えてほしいとした。

 固定的に捉えられがちな乾物の食べ方に幅を持たせるため、水以外で戻す方法や調理法のアレンジも紹介。終盤は乾物スイーツ店「3時のかんぶつ屋さん」オーナーの手腕でレシピ「あべかわ麩(ふ)」の作り方を実演紹介しながら、情報交換をするなどした。

(2024年2月1日付紙面より)

乾物の魅力を紹介する野田智也さん=1月29日、古座川町高池の中央公民館
食べ方の幅を広げる一例としてレシピ「あべかわ麩」を実演紹介
2024年02月01日
76 安心できる人間関係が大事
 認知症サポーター講座  (太地中 )

 太地町立太地中学校(山本佳人校長)で1月25日、認知症サポーター講座が開かれた。2年生16人が、認知症の人への接し方や自分にできるサポートについて考えた。

 毎年2年生が受講している講座。町の福祉に関わる株式会社下里福祉つつじ園の看護師・川口利恵さん、太地町地域包括支援センターの社会福祉士・植本亮太さん、主任ケアマネジャー・𠮷川功さん、町役場住民福祉課の保健師・前田かなみさんの4人が来校した。

 川口さんは最初に「『最期まで自分らしくありたい』というのは誰もが持つ願いだが、それを阻んでいるのが認知症。もし自分が将来認知症になっても、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、一人でも多くの人に認知症の人やその家族の応援者である『認知症サポーター』になってほしい」と講話。

 脳の障害がもたらす記憶障害や理解・判断力の低下、見当識障害、言語障害(失語)などに触れつつ「認知症で失敗が増えても、周りの理解があれば心穏やかに暮らせる。大事なのは安心できる人間関係」と語った。

 寸劇を交えて認知症患者の人との接し方を考える時間もあり、自分事として言葉遣いや態度、話すスピード、取るべき行動について意見交換した。講座後には生徒にサポーターの証しであるオレンジリングが配られていた。

(2024年2月1日付紙面より)

認知症の人への接し方を考える生徒たち=1月25日、太地町立太地中学校
2024年02月01日
77 自分の身を自分で守る
 緑丘中で地震火災避難訓練  (新宮市 )

 新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長、生徒221人)で1月29日、地震火災避難訓練があった。市消防署の沖﨑勝己副署長と大江郁也消防副士長の立ち会いの下、生徒らは避難時における対処や経路などを確認した。

 同校では、災害時に迅速な避難ができるよう年に3回実施している。この日は震度5強の地震が起こった後、2階の第2理科室から火災が発生したと想定。生徒は身の安全を確保すると、教職員の指示に従いながらグラウンドへと逃げた。

 後半には消火器の取り扱い方法の説明もあり、各学年の代表生徒と教職員が「火事だ!」と声を上げながら訓練用消火器で練習に取り組んだ。

 訓練を見守った沖﨑副署長は避難の時間、経路、ルールが大切と述べ「迅速に落ち着いて避難できたと思います。とにかく人命第一。『自分の身を自分で守る』ということを忘れないでください」と講評。

 宮本校長は「災害はいつ、どこで、どのような形で起こるか分かりません。想定通りとなるとも限らないため、2次避難を踏まえ自分たちで考えることが重要。この訓練を別の場所でも生かせるよう、意識してもらいたい」と呼びかけていた。

(2024年2月1日付紙面より)

真剣に訓練に取り組む生徒たち=1月29日、新宮市立緑丘中学校
消火器の取り扱いも実践した
2024年02月01日
78 早春の花バイカオウレン咲く  古座川町  
2024年02月01日
79 保育や子育てで語らう  講座「地域みらい学」  (校内塾「くろしお塾」 )
2024年02月01日
80 確定申告の手続き学ぶ  新宮納税協会で「e―Tax研修会」  
2024年02月01日
81 みんなで楽しく音楽体操  生涯学習講座に11人  (太地町 )
2024年02月01日
82 ボウリングで親睦深める  南紀くろしお商工会太地支部  
2024年02月01日
83 東北地方からの熊野詣  熊野三山歴史講座に80人  (那智勝浦町 )
2024年02月01日
84 親子で鬼のお面作り  新宮市立図書館の講座  
2024年02月01日
85 70人が熱戦繰り広げる  5児童館交流「ドッジボール大会」  (新宮市 )
2024年02月01日
86 子への愛、熱く語る  金メダリスト内村航平さんの母  (新宮・東牟婁PTA連合会 )
2024年02月01日
87 鮮やかな黄色い花  オウバイ咲き始める  (紀宝町 )
2024年02月01日
88 手作りのたこを持ち寄り  井田で30年以上続く伝統行事  (紀宝町 )
2024年02月01日
89 会場が笑いの渦に包まれ  吉本芸人によるお笑いライブ  (熊野市 )
2024年02月01日
90 新「紀宝トレジャーズ」誕生  少年野球、鵜殿と紀宝が合併  
2024年02月01日
91 お悔やみ情報