文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」(1月26日)を前に田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で22日、同大社自衛消防隊による防火訓練があった。消防関係者や神職ら約40人が参加。訓練を通して防火意識の高揚を図った。
文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。今年で67回目。
今年の訓練は、新型コロナウイルスの感染予防の観点から規模を縮小し、同大社神職らからなる自衛消防隊が中心となり実施。宝物殿奥の山林から出火し、境内を巡回中の神職が火事を発見したとの想定で行われた。参加者らは消火活動や文化財の搬出など、それぞれ担当する活動に取り組んだ。
最後に、社殿に飛び火することを想定し延焼防止のために社殿に向け放水銃で一斉に放水した。
この日は、消防訓練に先立ち田辺消防署本宮分署による立ち入り検査や、神職らを対象にした応急手当(AED)・消火器訓練も行われた。
訓練後、集合した参加者らを前に、田野直・田辺消防署本宮分署長が「初期消火の遅れが見られた。火災のベルがなった時に全員がすぐに行動を開始すれば火災を小さなうちに消火し、被害を最小限に止めることができるのでは」と講評。
たばこやたき火、コンロなど火災の発生原因を挙げ「まずは火事を出さないように徹底を。そして世界遺産である本宮大社を守るため、もしものときのために訓練の継続をお願いします」と呼び掛けた。
九鬼宮司は「重要文化財をお預かりしているという意識をもって取り組んでいきたい。木造である当大社は火がつけばあっという間。そのことを肝に銘じてしっかりと守っていければ」と気持ちを新たにした。
(2021年1月24日付紙面より)
YouTube活用セミナー (那智勝浦町 )
南紀くろしお商工会と和歌山県商工会連合会は22日、那智勝浦町体育文化会館で「発信力を鍛えようYouTube(ユーチューブ)活用セミナー」を開催した。オンラインでアニバーサリーボイス代表の東大悟さんが講師を務め、ウェブ参加者含め20人がYouTubeの特徴や効果的な使い方、ネタ企画や動画構成について学んだ。
令和2年度制度改正に伴う専門家派遣事業の一環。YouTubeはGoogle(グーグル)LCCが提供する世界最大の動画共有サービスで、ユーザーは約20億人、国内の月間利用者数は6200万人といわれている。
東さんは「動画を作る目的は、相手に行動させること」と述べ、「他の会員制交流サイト(SNS)と比べ、YouTubeは注目を集め、興味付けし、欲求をかき立て、動機付けし、実際に行動に移させるところまでの全ての心理行動プロセスに働き掛けることができる」と紹介。
動画配信システムを無料で使える上、▽動画は有益情報としてGoogleの検索上位に出やすい▽アップロードに時間がかからない▽スマートフォンがあればすぐに実践できる―といったメリットがあること伝えた。
動画作成に当たって「悩みを持った誰に対して、どんな解決法を提示し、どう行動してほしいかを分かりやすく提示することが重要。多くの視聴者が求めているのは、かっこいい動画ではない」と強調。Googleの予測検索を活用し、「那智勝浦町 ランチ」など人が具体的に検索するであろう言葉や求めている情報を予測する方法を提案した。
また、他のSNSと組み合わせることで相乗効果が狙えることに言及し、「LINE(ライン)やフェイスブックのアカウントと連動させ、動画をシェアして顧客に見てもらうという方法もある」とアドバイス。店の雰囲気や商品の紹介、クレームへの回答など、さまざまな活用事例を提示した。
最後に「動画広告を作る心理的障壁が高く、ユーザーのほとんどが配信者側にいない今がビジネス利用を始めるチャンス。10年後も動画による情報発信の手法は残る」と伝えた。
参加した50代女性は「年齢が高くてもチャレンジできると思えるきっかけになった。SNSを使って情報発信をすることで、小さなレベルからでも地方の活性化につなげられる」と話していた。
(2021年1月24日付紙面より)
2年生が「クロスロード」に挑戦 (矢渕中 )
紀宝町立矢渕中学校(竹原巧校長、生徒238人)で22日、防災学習会があった。2年生78人が災害対応ゲーム「クロスロード」に挑戦し、災害にどう対応し、行動するかを考え、グループで議論した。
はじめに、町学校防災アドバイザーで三重大学大学院工学研究科の川口淳・准教授が防災をテーマに防災講話。1959(昭和34)年の伊勢湾台風、2018(平成30)年の台風21号の被害を比較し「過去に学び、未来に備えることは正しい」と述べた。
「地震も起こるたびに学んできたが、1995年の阪神・淡路大震災では5000人以上が家屋の下敷きになって亡くなった。2011年の東日本大震災では大津波が発生した」と説明。「ハザードマップは過去に起きたことを踏まえて作ったもの。過去の災害を超えない保証はなく、安全と危険に境界線はない。過去に起きていないことを想定するのも大切」と伝えた。
続いて、4~5人でグループを組み、クロスロードに取り組んだ。クロスロードは災害発生時の救助や応急活動、避難所運営などの事例が書かれたカードを自らの問題として考え、YESかNOかで自分の考えを示すカードゲーム。
「被災者のあなたは、避難所に犬を連れてくることを許しますか?」の問いに「YES」と答える生徒が多い一方、「NO」と答えた生徒は「動物アレルギーの人もいる」「物資や場所に限りがある」などと意見した。
「水も食料も持たない家族が多数いる避難所で非常持ち出し袋をあける?」「地震発生。海辺の住民のあなたは、近所の一人暮らしのおばあちゃんを見に行く?」などの質問が続き、それぞれが自分の意思を示し、グループで行動を考えた。
生徒たちはゲームを通して災害時の対応を自らの問題としてとらえ、自分とは異なる意見にも耳を傾けていた。
(2021年1月24日付紙面より)
新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)で23日、熊野地方のトップを切って令和2年度(第56回)卒業証書授与式が挙行された。卒業生127人(男子75、女子52)が感謝を胸に学びやを巣立った。
本年度は新型コロナウイルス感染対策のため保護者の出席はなく、在校生は吹奏楽部と、式の様子を動画で配信するメディア部のみの参加とした。
池上校長が4クラスの代表者に卒業証書、各賞受賞者に表彰状を授与。式辞では作家の小関智弘さんの「働くとは、傍楽(はたらく)だ。お前さんが働けば、おふくろさんが楽をする。傍を楽にさせる」という言葉を引用し「一人一人の行動や言葉がその傍の一人一人の心を楽にさせる。本校で学んだ誇りを胸に、これからの社会を力強く生き抜いて」とはなむけの言葉を贈った。
在校生を代表して岡地優希君(2年)が送辞。卒業生を代表して三浦新菜さんが「卒業式や成人式などのお祝いの日を『ハレの日』と呼ぶのに対し、普段通りの日常を『ケの日』と呼ぶ。私たちの3年間、または6年間というあっという間だった幸せな日々のほとんどは『ケの日』。この何気ない『ケの日』の積み重ねが幸せだったのだと、今なら分かる」と語り、共に学んだ友達や学校生活を支えた教職員、保護者、地域の人々へ感謝を述べた。本年度の皆勤賞は14人、精勤賞は32人だった。
(2021年1月24日付紙面より)
紀の国いきいき健康長寿祭グラウンドゴルフ競技
神倉神社の石段検分 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で18日、石段検分が行われた。2月6日(土)の「御燈祭(おとうまつ)り」に向けて関係者が石段の安全を点検。ひび割れなどが70カ所見つかり、祭り当日までに修繕する。
「御燈祭り」は1400年以上前から続くとされており、熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)に指定されている。白装束に荒縄を巻いた「上(あ)がり子」と称する参拝者が神倉山上でたいまつに御神火を受け、山門の開閉とともに急峻(きゅうしゅん)な石段を一気に駆け下りる勇壮な祭りとして毎年、全国から大勢の人が訪れている。
今年は新型コロナウイルス感染症の影響から、山門内に大勢の上がり子が集結することによって長時間の3密が避けられない状況にあることを考慮。上がり子の安全や健康を最重要視し、神職と介釈(かいしゃく)約20人のみで営まれる。当日は報道関係者や一般撮影者の入山も禁止。翌7日の餅まきなども中止となった。
点検には同大社、神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)、神倉青年団(中山忠吏団長)の6人が参加。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(1147~99年)が寄進したと伝わる自然石を積み上げた538段の石段を一段ずつチェックし、石が動くなどの問題箇所にチョークで印を付けていった。
中山団長は「コロナ禍で、これまでに経験したことがない状況。楽しみにしている人も多かったと思いますが、上がり子の安全や健康面を第一に規模縮小に至りました。終息を信じ、来年こそは通常の祭りができることを願っています」。
猪飼会長は「奉賛会としては準備など、行うことは同じです。大勢の人たちからも声を掛けられますが、状況的に仕方がない。今年は残念ですが、再び勇壮な祭りができることを信じています」と話していた。
(2021年1月19日付紙面より)
望楼の芝で野焼き作業実施 (串本町 )
串本町潮岬にある望楼の芝で15日、野焼き作業があった。本年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点で、イベント「本州最南端の火祭り」は中止。この日は約8万平方㍍の芝地に火を入れ、枯れ芝などを焼き払った。
この作業は、枯れ芝に火を入れることで冬越しする害虫を駆除しその熱気で芝の芽吹きを促す目的で取り入れている管理手法。導入初期は日中に実施していたがその光景に対する好評を受け、後に日没後の実施へと変更して観光資源化。近年は1月最終土曜日に前述したイベントを実施し、多くの見物客を集めるところとなっている。
期日前の野焼き作業は延焼抑止を目的とし、中央の盛り土を境としてイベント会場となる東半分の外周と西半分全体をあらかじめ焼き払う内容で実施している。本年度はそのイベントがないため、東半分も全体を焼き払う形とした。
当初は13日に実施する予定だったが前日の雨で枯れ芝が湿ったため延期。15日は南紀串本観光協会関係者と同町消防本部や同町消防団合わせて約40人が参加し、同関係者が風上の南東側から手分けして火を入れ、消防職員や団員が想定外の延焼を警戒し時には消火をしながら野焼きを進めた。
火の広がりはまずまずで、約8万平方㍍を焼き尽くすのに要した時間は約1時間30分。残り火の確認を同本部に要請して作業を終了した。同協会の島野利之会長(53)は「コロナ感染が増えている中で開催するのは難しいということで、非常に残念だがイベントを中止とした。来年、コロナが落ち着いたら盛大に執り行ってたくさんの方に来ていただければと思う」と話し今回の判断への理解を求めた。
(2021年1月19日付紙面より)
めぐるみらい会議vol.2 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は16日、同町の教育センター(旧三川小学校)で「地域資源が循環する持続可能な未来づくり会議(めぐるみらい会議)vol.2 未来づくり会議」を開催した。町内外から17人が集まり、シュタットベルケ事業で生まれた収益を元にどのようなまちを目指し、課題解決を行うのかを話し合った。
シュタットベルケとは、ドイツ語でエネルギーをはじめとする幅広い分野の公共事業などを担う公益企業を指す。
同町では地域資源を生かし、地域内で資源を循環させることで自立した町づくりを目指す「地域循環共生圏づくり」に取り組んでおり、今後は官民出資型の事業体を設立し、電力小売や太陽光発電などの電力事業を行っていく予定。
その収益を活用して地域課題の解決に取り組むことで「熊野信仰に基づいた環境負荷の少ない暮らしで住民幸福度の高い『環幸』のまち」の実現を目指し、町版のシュタットベルケの準備を進めているという。
同会議は昨年12月に1回目を開き、カードゲームでSDGs(持続可能な開発目標)について学びを深めた。2回目となったこの日は「同事業への理解者・応援者を増やす」「参加者の課題意識や意見をビジョンに反映させる」ことを目標として実施された。
今回、企画運営を行うissue+designの白木彩智さんらが、新型コロナウイルスの影響で来町できずオンラインで参加。同町観光企画課の佐古成生課長や同課の職員が会議運営に協力した。
参加者は「社会福祉」「環境」「経済」の三つのチームに分かれ、地域が抱える課題を付箋に書き出し、各個人で原因や結果の洗い出し作業を実施した。
続いて、チームで話し合い重要な課題に投票し、取り組むべき課題を選択した。選ばれたいくつかの課題から自身が取り組みたい課題を選び、解決のためのアイデアを個人で捻出。その後、チームや全体で共有を図った。
最後は環境省の事業可能性調査などを受諾し進めている南紀自然エネルギーの代表理事・仁木佳男さんがオンラインでシュタットベルケ事業について説明した。
SDGsに精通する同課の赤岡誠さんは「参加者の皆さまから『対話の大切さが分かった。今日の会は町の希望では』とのお声をいただきありがたい。皆さまの意見を反映させながら町の発展や活性化に向けて次年度以降、進めていきたい」と語った。
なお、最終となる3回目の会議はコロナの様子を鑑みながら2月20日(土)午後1時からの開催を予定している。
(2021年1月19日付紙面より)
スギやヒノキ次々と落札
新宮原木市場(谷口泰仁社長)は18日、新宮市あけぼのの同市場貯木場で「新春初市」を開いた。新宮周辺地域を中心に買い方が集まり、開始の合図とともにスギやヒノキが次々と競り落とされた。
同市で木材の市売(いちうり)販売が始まったのは1956(昭和31)年。当地の有力原木生産業者が共同事業体として「新宮電柱木材協同組合木材市売部」を創設した。その後、利用度の増大に伴い公共性が重視され、新宮木材協同組合が中核となり66(昭和41)年、現在の原木市場が設立した。
77(昭和52)年には全国植樹祭の一環行事として「第1回熊野木まつり」展示即売会を開催。以降、毎年4月の恒例記念行事となっており、熊野材のPRや需要開拓などに取り組むきっかけとしている。
今年の初市は、新宮紀宝道路事業に伴う道路拡幅工事のため、上貯木場で開催。熊野川町や古座川町などから直径24~30㌢、樹齢70~100年のスギやヒノキ約930立方㍍(約5400本)が出荷された。
初市の開催に当たり、谷口社長は「材価が下がり続ける中、よくこれだけ集めてくれた。山元の高齢化や住宅様式の変化などで市場を取り巻く状況は依然として厳しい」と現状を述べ「地場産業である木材の活性化を担うのは新宮原木市場。生き残りを懸けて頑張っていきたい」と抱負を語った。
(2021年1月19日付紙面より)
紀の松島観光船プラン作り (武者修行(R)プログラム )
大学生向けグローバル研修を展開する株式会社旅武者(遠藤まさみ代表取締役)=東京都=は、昨年12月24日から始まった「地方創生イノベーション武者修行(R)プログラム」の最終プレゼンテーションを4日、那智勝浦町役場で実施した。
同町の体験型観光の代表である「紀の松島観光船」のプランについて、3チームが熱のこもったプレゼンを行い投票の結果、澤田龍輝さん(産業能率大学4年)と松下昇大朗・ウィリアムさん(名古屋大学2年)のチーム「マイアミホテイソン」による「びん玉×映え=びん映えプロジェクト」が条件付き採用となった。
武者修行(R)プログラムとは、同社のベトナム法人が運営する店舗で大学生がチームとなり、新商品・サービス開発やプロモーション企画を考え、形にして顧客に届けるビジネス体験学習プログラム。自身の成長課題に向き合い、自己変革(変態)することで、人生を切り開く力「自走式エンジン(R)」を積むことが目的・ゴールだという。昨年からは国内でも実施されている。
参加した学生7人はチームに分かれ、同観光船の満足度向上や集客増を目指して町内を巡り、町民らと交流しながら情報収集などを行い、企画を進めていった。
12月27日の中間プレゼンを経て、課題解決に向け自身らのプランを磨き直し、2日と3日に効果検証を行い、最終プレゼンを迎えた。
(2021年1月7日付紙面より)
文化財保護分野で高評価 (串本町 )
本年度地域文化功労者表彰(文部科学大臣表彰)の被表彰者がこのほど発表され、本紙関係では串本町の古座川河内祭(こうちまつり)保存会(杉本喜秋会長)が表彰を受ける事が決まった。
この表彰は、芸術文化振興や文化財保護などを通して地域文化の振興に功績があった個人や団体をたたえる目的で年次実施。本年度は芸術文化分野で46件(個人41、団体5)、文化財保護分野で45件(個人33、団体12)がそれぞれ選ばれている。
同保存会は文化財保護分野の被表彰者。現・国指定重要無形民俗文化財「河内祭の御舟行事」を50余年にわたって保護し続け、河内神社例祭「河内祭」の主軸となる奉仕を担う団体として例祭に関係する5カ区(古座・古田・下部・宇津木・月野瀬の各区)や他の奉仕継承諸団体のまとめ役も果たして祭礼の継承に努めている。
そのような活動の成果として同文化財は1965(昭和40)年に県指定、99(平成11)年には国指定へと昇格。日本遺産「鯨とともに生きる」にあっては、鯨船に屋形を組んで装飾した御舟が往事の文化を物語る点で認定時に大きな役割を果たした経緯もある。同保存会が積み重ねてきた地域文化振興への貢献は多大と評価され、今回の表彰を受けるに至った。
表彰式は24日(日)、京都府立府民ホールで実施。杉本会長は同町教育委員会教育課職員とともに出席するそうで、「このような賞を頂けることになり、ますます祭りをやめられないという気持ちになった。(会員が)だんだん年を取ってきて御舟の飾り付けなどいろいろと大変になってくる中、どうすれば維持していけるかをみんなで話し合いながらこれからも続けていけるよう頑張りたい」と気持ちを新たにしながら喜んでいる。
(2021年1月7日付紙面より)
新宮市立図書館
新宮市井の沢の市立図書館では、1階に特設コーナーを設け、今年のえと・牛に関する絵本や、2021年に関する本を展示している=写真。30日(土)まで。
児童閲覧コーナーでは、「希望の牧場」「めうしのジャスミン」などの牛に関係した絵本を展示。
一般向けには、今年没後50年を迎える山下清とファッションデザイナーのココ・シャネル、連載が始まって70周年を迎えた、スヌーピーでおなじみの漫画「ピーナッツ」関連本、今年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一の関連本、その他今年に映画化・ドラマ化される原作本などを紹介している。
また、一般向け新刊コーナー横には、「赤毛証明」(光丘真理)「なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと」(池上彰)など、成人式、卒業式の時期に合わせて読書推進運動協議会が発行する冊子に掲載された24冊を展示・貸し出ししている。展示は2月27日(土)まで。
また、今月のおはなし会「ぷちぷち」(先着5組、要事前申し込み)は22日(金)午前10時30分からの約15分、「にこにこ」(先着10人、申し込み不要)は23日(土)午後2時30分からの約15分を予定している。申し込み・問い合わせは同図書館(電話0735・22・2284、FAX0735・22・2312)まで。
(2021年1月7日付紙面より)
追い出し作業が困難 (太地町 )
和歌山県資源管理課は5日、太地町沖に設置されている大型定置網に昨年12月24日から体長4~5㍍(推定)のミンククジラ1頭が入り込み、追い出し作業が困難となっていることを報告した。
同課によると、定置網の全長は約400㍍。現場の潮流が早く危険が伴うため、逃がすことが難しいとし現在も網内にとどまっている状況だという。
ミンククジラが網内で長期間遊泳することで漁具の破損被害も想定され、定置網内の魚の水揚げができないことから網を設置する太地水産共同組合の経営にも大きな打撃が生じることが懸念されている。
県と同組合は追い出すための努力を続けているが、長期に至る場合は捕獲も視野に入れているという。
同課担当職員は「クジラが定置網に掛かる事例は全国でも100頭前後確認されており、和歌山県内では3例目になる。それらの情報やノウハウを元に関係法令に基づき、適切な対処ができるよう必要に応じて助言などをしていきたい」と話している。
(2021年1月7日付紙面より)