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2020年09月30日
1 川柳、郷土の土を踏む
 たむらさん、故・前田咲二さんの本を寄贈  (新宮市立図書館 )

 和歌山市出身の川柳作家・たむらあきこさんは27日、新宮市出身の川柳作家、故・前田咲二(さくじ)さん(享年92)の川柳をまとめた「川柳ベストコレクション 前田咲二の川柳と独白」を同市立図書館に寄贈した。

 前田さんは1926(大正15)年、現在の新宮市に生まれ、旧制新宮中学校(現新宮高校)を卒業。江田島の海軍兵学校に入校した。50代後半ごろから川柳の新聞投句を開始し、関西各地の句会や大会での入選率の高さからすぐに頭角を現し、一目置かれる存在となった。

 平成に入り、川柳作家・上野楽生氏ら有志が年間入選数から作成した番付表では「横綱」と称され、達吟家として名をはせた。2007(平成19)年に川柳句会「川柳瓦版の会」会長に就任。同時に読売新聞関西版「よみうり時事川柳」欄、「川柳マガジン」時事川柳欄の選者となる。17(平成29)年、大阪府寝屋川市内の病院にて食道がんにより逝去した。

 たむらさんは、前田さんに誘われ、編集同人として瓦版の会に所属。前田さんのもと、後継者候補として研さんを積んだ。猫好きだった前田さんはたむらさんを「あきにゃん」と呼び、娘のように接したという。

 寄贈の本はたむらさんが監修。前田さんの遺族が川柳瓦版の会に託した川柳ノートに書かれていた約1万5000句の中から約400句を厳選した。中には「那智開運暦を肌身離さない」「ふるさとは地酒にぶつ切りのまぐろ」と、ふるさと・熊野を愛した前田さんならではの句も目にすることができる。

 寄贈した9月27日は前田さんの命日。たむらさんは亡くなる約3週間前に、電話で前田さんと最後の会話を交わした。たむらさんが吟行のために熊野地方に訪れるという話をしたところ前田さんは声を振り絞り「自分も行きたい。一緒に行きたい」と伝えたという。

 たむらさんは「先生はよく瀞峡での思い出話などを聞かせてくれた。(本は)先生の名前と句を消してしまってはいけないとの一心で監修した。なるべく多くの人に先生のことを知ってもらいたい」と話していた。

 同書は、前田さんの母校である新宮高校にも寄贈される予定。

(2020年9月30日付紙面より)

たむらあきこさんが恩師・前田咲二さんの本を寄贈した=27日、新宮市立図書館
2020年09月30日
2 連携し交通事故抑止を
 警察官とバス運転手が合同で啓発  (新宮市 )

 新宮警察署(小畑博昭署長)は秋の全国交通安全運動期間中の28日夕方、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店でバス会社と合同で交通事故抑止を目的に啓発活動を実施した。警察官6人が熊野御坊南海バス株式会社、三重交通株式会社の若手バス運転手3人と協力し、啓発物資を手に買い物客らに交通事故抑止を訴えた。

 「夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止」は秋の全国交通安全運動の重点の一つ。

 啓発活動は、地域ぐるみでの安全意識の向上を目指すことを目的に実施。薄暮時の交通事故抑止に向け、警察官らは手描きのプラカードを手に「早めのヘッドライト点灯」と「飲酒運転根絶」を呼び掛けた。なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、啓発物資の直接配布は行わず持ち帰り方式で実施した。

 啓発活動に参加した三重交通の川上大斗さん(25)は「夕暮れの時刻が早まる中、歩行者や自転車の早期の発見に努めたい。交通弱者の保護に気を付けていければ」。

 熊野御坊南海バスの岡﨑奨さん(26)は「早めのヘッドライト点灯を心掛け、法定速度の順守に努めたい」とそれぞれドライバーとしての認識を新たにしつつ、歩行者や自転車に対し夜間における反射材や明るい服装の着用、横断歩道の横断を呼び掛け「ドライバーも歩行者も、お互い気を付けることにより交通事故の抑止につながれば」と話していた。

(2020年9月30日付紙面より)

連携を図り啓発活動を実施した=28日、新宮市佐野
2020年09月30日
3 事故防止へ取り組み進める
 秋の全国交通安全運動  (紀宝署 )

 「秋の全国交通安全運動」(21~30日)期間中、紀宝警察署は紀宝地区交通安全協会などと連携し、交通事故防止の徹底を図る取り組みを進めている。

 28日には紀宝町神内のナカミチ建機サービス(有城功二・代表取締役)を「シートベルト着用推進モデル事業所」に指定した。同協会の久保正会長が有城代表取締役に指定書を手渡し、シートベルト着用を事業所ぐるみで徹底してもらうことを求めた。有城代表は「全社員にシートベルト着用と交通ルール順守を徹底したい」と述べた。

 29日には御浜町神木の特別養護老人ホームエイジハウスに安全運転管理推奨像を伝達した。推奨像は事業所内の交通安全活動を積極的に実施してもらうため、3カ月ごとにリレー方式で伝達するもので、紀宝地区安全運転管理協議会(榎本恵一会長)が1989(平成元)年から実施。これまで同署管内90以上の事業所をリレーしてきた。

 今回は旧事業所の紀宝町社会福祉協議会からエイジハウスに引き継ぎ、ハンドルキーパーモデル事業所にも指定した。

 伝達式で榎本会長は新事業所への協力を呼び掛け、同署の濱口裕史署長は「地域から1件でも事故が減る努力をする」と述べた。

 エイジハウスの大橋一智施設長は「今後も職員に交通安全の徹底を呼び掛けていく」と話していた。

(2020年9月30日付紙面より)

指定書を受け取る有城功二代表取締役(右)=28日、紀宝警察署
大橋一智施設長(左から2番目)に推奨像を伝達=29日、紀宝警察署
2020年09月30日
4 物品渡し声掛けて意識促す
 秋の全国交通安全運動啓発  (古座川町 )

 古座川町高池、河内橋北詰交差点で29日早朝、秋の全国交通安全運動(期間9月21日~30日)の街頭啓発があり啓発員が往来するドライバーの交通安全意識を促すなどした。

 4連休半ばに期間が始まった同運動。この啓発は当初25日に実施する予定だったが天候不順により29日に延期とし、同日も時折小雨がさす状況となったが、春秋年2回の希少な啓発の機会であり期間も終盤に差し掛かっていることから雨対策をして臨むこととした。

 当日は西前啓市町長ら役場、同町交通指導員会、串本警察署から17人が啓発員として参加。T字構造の同交差点の三方に分かれて同署署員が往来する車両に安全な一時停止を求め、啓発物品を手渡し声掛けもして安全運転を呼び掛けた。

 和歌山県・交通事故をなくする県民運動推進協議会が掲げる同運動の重点は▽子どもを始めとする歩行者の安全と自転車の安全利用の確保▽高齢運転者等の安全運転の励行▽夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止―の3点。今回の啓発では、啓発物品に飲酒運転抑止のためのグッズを複数入れて同署管内の重点色も出した。

 同署の楠間慎也交通課長は「県警管内の交通事故件数は減っているが、死者数はほぼ横ばい。皆さまにはこの運動後も引き続き交通事故防止の協力をお願いしたい」と地域へ呼び掛けている。

(2020年9月30日付紙面より)

河内橋周辺で秋の全国交通安全運動の啓発を実施=29日、古座川町高池
2020年09月30日
5 日頃の成果を発揮
 日清食品カップ県小学生陸上競技交流大会  
2020年09月30日
6 本気で目指そう「ごみゼロ」  10月から罰則の適用も  (和歌山県ごみの散乱防止に関する条例 )
2020年09月30日
7 工夫凝らした競技で白熱  新宮市立中学校体育祭  
2020年09月30日
8 コロナ禍の学校生活に触れる  神倉小で分散授業参観  (新宮市 )
2020年09月30日
9 令和3年の成人式は中止  記念品やメッセージを郵送  (那智勝浦町 )
2020年09月30日
10 髙砂会の恒例行事に  成川小運動場で除草作業  
2020年09月30日
11 児童922人に反射材  夕暮れ時の事故防止に  (紀宝地区安協 )
2020年09月30日
12 日没前後の事故に注意を  紀宝クラブが交通安全教室  
2020年09月30日
13 3日間で延べ824人が利用  潮岬望楼の芝キャンプ場  (串本町 )
2020年09月30日
14 最優秀賞・優秀賞14点を発表 本年度小中学生ポップコン (串本町)
2020年09月30日
15 ゆかりある諸霊を総供養  成就寺で千灯供養法要会  (串本町 )
2020年09月30日
16 イワタバコの花  新宮市熊野川町  
2020年09月30日
17 映像で祭り楽しんで  「新宮城物語異聞」制作中  (新宮市 )
2020年09月30日
18 お悔やみ情報
  
2020年09月29日
19 県立高校の存続の行方は
 新宮・東牟婁対象に地方懇談会  (和歌山県教育委員会 )

 和歌山県教育委員会は27日、新宮市神倉の県立新宮高校体育館で「県立高等学校の今後の在り方」についての地方懇談会を開いた。新宮市教育委員会、東牟婁地方教育委員会連絡協議会が共催。新宮・東牟婁地方の約150人が参加し今後の県立高校の方向性や在り方について説明を受けた。

 県立高校の在り方などについて審議を重ねてきた「きのくに教育審議会」(にえ川恒弘会長)は8月7日、県教委に「現在29ある県立高校(全日制)の数を、今後15年で3分の2の20校程度とするのが適正」などといった内容の答申を提出。県教委は答申を基に再編整備実施プログラム(仮称)の策定に着手し、県民からの意見を募集していくとしている。

 懇談会はこの日の新宮・東牟婁地方を皮切りに県内5カ所で実施。今後の県立高校の在り方などについて広く説明するとともに、県民の意見を聞く機会としていく。

 開会に当たり、宮﨑泉・県教育長は「答申ではそれぞれの地域において高校生一人一人が夢とビジョンを持って伸び伸びと勉強できるシステムを構築する必要があるとしている。今まで以上に地域の核となるような学校をつくっていかなければならない」。

 年度内に具体的な再編整備実施プログラムをつくっていくことを目標とし「子どもたちの未来のために一生懸命取り組んでいきたい」とあいさつした。

 速水盛康・市教育長は「われわれも少子高齢化の影響に直面しながら教育活動を実施している。いかにして子どもたちに教育を保障していけるのか、誰のための、どういった目的の再編案なのか。懇談会が学校の在り方を模索していく上で問題について共有できる一助となれば」と述べた。

 県教委は現状の課題や今後の展望、各地域の状況に応じた高等学校の在り方などを答申に沿って説明。▽県の公務・教育・医療などを支える人材、教養豊かで責任ある県民の育成▽大学進学・スポーツ・文化芸術で核となる高校生の育成▽次世代の地域産業を担う人材の育成―を重点課題とし、学校の活力や環境、条件の観点で望ましい学校規模(1学年6学級程度)を想定した再編整備を行っていくとした。

(2020年9月29日付紙面より)

※ にえ川恒弘会長の「にえ」は、「執」の下に「灬」

新宮・東牟婁地方の約150人が参加した=27日、県立新宮高校
2020年09月29日
20 ニンニクの種割りに励む
 生産農家から授産し支援  (エコ工房四季 )

 串本町古座にある社会福祉法人つばさ福祉会(北野好美理事長)の事業所「エコ工房四季」(平原正雄施設長)でニンニクの種割り作業が活発さを見せている。

 この作業は、みくまの農業協同組合西向営農センターと共に取り組む農福連携の一環。「エコ工房四季」は2年前からニンニク栽培の挑戦をしているが、先んじて取り組み始めたのが授産となるこの作業で、おととしは試験的に640㌔、昨年は軌道に乗り2700㌔、今年も2600㌔を生産農家から請け負っている。

 ニンニクは収穫から出荷や次の栽培までの作業が多い一方、機械化がまだまだ進んでいない点で作業代行の需要が生じているそう。同センターによると管内では「エコ工房四季」に加えて「ひまわり作業所」「第2なぎの木園」「どんぐりの家」と請け負う事業所の数も増えていて、種割りを授産に委ねることで生産農家は次の栽培のための畑作りに専念しやすくなる点がこの形の大きな利点だという。

 先駆的存在の「エコ工房四季」は栽培したニンニクの出荷を目指しつつ、そのために身に付けた技術を生かして生産農家から積極的に授産する支援にも力を入れている状況。日々平均30人ほどの利用者が作業分担をする中で種割りにも取り組んでいて、25日は8人組で複数個の塊となっている鱗片(りんぺん)を1個ずつに崩し、傷んでいないものを種球として選別した。

 栽培はおととしに3㌃の畑で始め、昨年は20㌃、今年は30㌃と年々規模を増している。今年は古座川町潤野で40㌃分の水稲栽培も始め、隣接する畑でナスやカボチャも育てるなどして福祉農園を立ち上げ。今後はニンニク栽培も同農園へ移すという。

 並行して事業所と生産農家と同センターの3者で制度化間もないノウフクJASのグループ取得を目指し、収穫したニンニクのプレミア和歌山認証も検討している。そのように付加価値を高めて、将来的には飲食店や体験型観光農園の運営、生産出荷の仕組みを確立。授産と同様に独立した収益源として地域経済に結びつけ、さらに安定化させることを最終の成果として見据えている。

(2020年9月29日付紙面より)

種割り作業に取り組む利用者ら=25日、串本町のエコ工房四季
2020年09月29日
21 キャンドルともしオープン
 BLUE BEACH NACHI  (那智勝浦町 )

 那智勝浦観光機構(NACKT)は26日夜、那智勝浦町のブルービーチ那智で「BLUE BEACH NACHI」のグランドオープンセレモニー「キャンドルナイト」を開催した。地域住民など約100人が集まり、新型コロナウイルス終息と平和への祈りを込めて、キャンドルへの点灯を行った。

  □     □

■「BLUE BEACH NACHI」とは



 環境省が推進する国立公園の有効活用の考えに基づき、国立公園である同ビーチの活用方法として、「優雅な」などの意味を持つ「glamorous(グラマラス)」と「camping(キャンピング)」を合わせた新しいアウトドアのスタイルである「グランピング」を取り入れたプロジェクト「BLUE BEACH NACHI」を観光機構が立ち上げた。

 運営はアウトドアウエディングや空間プロデュースなどを行う京都市の株式会社ジンジャーが委託を受けて行う。

 8日には南国風の雰囲気を演出したカフェ「BLUE BEACH NACHI(Cafe)」が、11日にはグランピング施設の「BLUE BEACH NACHI(STAY)」がオープン。周辺には子どもや大人が遊べる電気を使用しない遊具やボードゲームが設置されている。

  □     □

■キャンドルナイトでは



 同社の代表取締役の磯石裕子さんが事業内容や施設について説明、参加者がトーチを用いてキャンドルに明かりをともした。その後は全員で乾杯し、歓談を楽しんだ。

 磯石さんは「グランピングは遠方のお客さまがターゲットだが、地元の方々にも愛される憩いの場にしたいという思いから、カフェとキッズエリアをご用意させていただきました」と語った。

 同機構の理事長を務める堀順一郎町長は「現在はアウトドアが人気。今までにない新しいお客さまを迎えるための実証実験をしたいという思いから今回のグランピングの実施となった」。

 今後については「観光機構は観光によってこの地域を活性化させることを目指している。町の観光のキャパを増やし、新しい顧客を開拓していきたい」と話した。

(2020年9月29日付紙面より)

グランドオープンを祝すとともにコロナ終息を願い明かりをともす=26日、那智勝浦町のブルービーチ那智
全員で乾杯が行われた
グランピング施設を見学するセレモニー参加者
2020年09月29日
22 ハロウィーン気分感じて
 タウンガーデンに季節の飾り  (新宮市 )

 新宮市保健センター隣の花壇・タウンガーデンを管理するボランティアグループ「タウンガーデン」(平田裕子代表)は28日、同所でハロウィーンの飾り付けを行った。会員ら約10人による趣向を凝らした季節の飾りは10月末まで楽しむことができる。

 ハロウィーンの飾り付けは今年で7回目。会員らが布や100円均一の商品などを使用し毎年飾りを手作りしている。今年は植木鉢やバスケットを材料にしたNHK総合番組「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃんとキョエちゃんも飾りの仲間入り。新型コロナウイルス感染症の終息を願い、アマビエの飾りも現在制作中とのこと。

 昨年の飾り付けでは、会員が手作りした「カボチャの家族」の手や頭がもがれるといった事態に。今年は破損しにくいように工夫を施したという。

 平田代表は「コロナ禍ですが楽しみもないと。お散歩がてら寄っていただき、少しでもハロウィーン気分を感じていただければ」と話している。

 同所では現在、キキョウやコリウス、白いヒガンバナなど、秋の草花が見頃を迎えている。

(2020年9月29日付紙面より)

ハロウィーンに向けて飾り付けを実施した=28日、新宮市のタウンガーデン
2020年09月29日
23 入賞作品候補17点決める  本年度観光フォトコン審査  (串本町 )
2020年09月29日
24 縦割り3ブロックで対抗戦  古座中が本年度体育祭挙行  (古座川町 )
2020年09月29日
25 動物駆遂用煙火で鳥獣害対策  熊野川町で追い払い花火講習会  (新宮市 )
2020年09月29日
26 野中誠一さんが1位  写連紀南支部9月度例会  
2020年09月29日
27 5ブロック対抗で熱戦  スポーツフェス2020  (新宮高校 )
2020年09月29日
28 丸山千枚田でヒガンバナ見頃に  熊野市紀和町  
2020年09月29日
29 讃寿会が草刈り作業  「社会奉仕の日」に合わせて  (紀宝町 )
2020年09月29日
30 躍動する姿に歓声  神内小と相野谷地区で運動会  (紀宝町 )
2020年09月29日
31 お悔やみ情報
  
2020年09月27日
32 コロナ終息と温泉郷繁栄祈る 熊野本宮大社で「献湯祭」 

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で26日、献湯祭が営まれた。熊野本宮温泉郷(川湯、湯の峰、渡瀬)の18軒の旅館・民宿などの代表者たちが一番湯をささげ、自然の恵みに感謝するとともに温泉郷の繁栄を祈った。

 熊野本宮観光協会(名渕敬会長)が主催。今年で42回を数える。朱塗りのたるを手にした旅館のおかみらが、新型コロナウイルスの終息や温泉郷の繁栄などの願いを込めて、本殿前に置かれた大たるに一番湯を注ぎ込んだ。今年はコロナ感染拡大防止の観点から、毎年恒例の温泉コーヒーの振る舞いは中止となった。

 本宮町の観光客数は、2011年は紀伊半島大水害の影響で100万人を割ったものの翌年以降回復。18年には台風20号により川湯地区の大塔川が氾濫し川湯温泉街では甚大な被害を受けたが、昨年3月に復興を遂げた。昨年は宿泊客14万5778人(前年比2万6019人増)、日帰り客173万4100人(同23万4900人増)の計187万9878人(同26万919人増)だった。

 九鬼宮司は「コロナの影響で多くの人が四苦八苦しながら観光客を迎える対策を講じていると思う。あと数カ月で新たな年を迎える中、同大社でも多くの人に安心安全に本宮町にお越しいただくために対策を考えている。三つの温泉郷含め、まちのつながりが強くなると信じている」。

 同大社は未来へ向かいスタートする場所であるとし「いろいろなことがあると思うが神様に手を合わせ、スタートを切っていただく機会としてほしい」とあいさつした。

 名渕会長は献湯祭の斎行に感謝を述べ「ありがたいことに少しずつ観光客が戻ってきている。温泉郷では安心安全対策を万全に整えている。熊野本宮大社でよみがえり・再生を願い、温泉郷で体を清めてゆっくりしていただければ」と思いを語った。

(2020年9月27日付紙面より)

一番湯を大たるに注いだ=26日、熊野本宮大社
2020年09月27日
33 大雨で町道破損
 一時的に断水する世帯も  (那智勝浦町 )

 1時間当たりの最大雨量が109㍉を記録した那智勝浦町市野々地区で25日、水かさの増えた天女(あまめ)川支流の水勢により町道の一部が破損した。その際に道下を通っていた水道管も壊れたため、一時的に断水となった。

 近所に住む70代男性は「これだけまとまった雨が降ったのは紀伊半島大水害以来だと思う。すごい量の雨だったので、水が越えて流れ出しそうな予感はあった」と話した。

 同町水道課によると、同日午前10時30分ごろに道幅約1㍍の町道が、直径7㍍、高さ4㍍にわたり水によって崩れ、近隣の約10世帯が断水したという。11時ごろに破損箇所を発見し、水道業者が応急的な修理を行い、午後2時に復旧した。

 建設課は、25日時点では破損した町道の工事や道の復旧見込みは未定だと見解を示した。

 また、この雨で同町井鹿、湯川、宇久井、天満地区などが冠水した。同課が安全のためにバリケードを設置したが、水が引いたため夕方には全てを撤去した。

 県の発表によると、この日の累積雨量は同日午後3時30分現在、市野々地区で209㍉、新宮市高田で296㍉を記録したという。

 また、住家被害は床上浸水が新宮市田鶴原地区で1件、串本町田子地区で1件が報告されている。

(2020年9月27日付紙面より)

水の勢いで破損したとみられる町道=25日、那智勝浦町市野々
大量の水が流れ込んだ市野々地区(読者提供)
2020年09月27日
34 初の全校行事で青春謳歌 新宮市・那智勝浦町で体育祭 

 那智勝浦町立那智中学校、宇久井中学校、下里中学校、新宮市立城南中学校、光洋中学校の5校で26日、体育祭が開かれた。新型コロナウイルス感染拡大や前日の大雨により開催が危ぶまれていたが、当日は天候も回復し、生徒たちは本年度初の全校行事で青春を謳歌(おうか)した。

 那智中学校(岡史博校長、生徒149人)のスローガンは「必笑(ひっしょう)」。新型コロナに負けず、勝っても負けてもみんな笑顔で体育祭を終えようという思いを込めた。

 岡校長は「思うように練習できず、もどかしい思いをしたこともあると思う。今日は昨日の自分を乗り越え、120%の力を出して頑張ってください。君たちにはできます」と激励。生徒を代表して山本光優さんが宣誓し、4ブロックに分かれて熱戦を繰り広げた。保護者らもたくさんの声援を送り、子どもたちの姿をカメラに収めていた。

 各校開催時間を半日に短縮し、開会式でのマスク着用や休憩テントの分散、保護者の人数制限などさまざまな感染防止策を取った。なお、新宮市立緑丘中学校は大雨によるグラウンド状態悪化のため、翌27日に延期した。

(2020年9月27日付紙面より)

山本光優さんが宣誓=26日、那智勝浦町立那智中学校
2020年09月27日
35 全力で競技に取り組む
 第34回新人陸上競技大会  
2020年09月27日
36 行政相談の仕組み学ぶ  福祉センターでリモート研修会  (新宮市 )
2020年09月27日
37 マルバチシャノキの実  阿須賀神社で鮮やかに色づく  
2020年09月27日
38 彩雲祭で並んだ力作展示  26、27日、新宮市福祉センターで「新高展」  
2020年09月27日
39 子どもたちの力作並ぶ  27日まで、熊野を描こう絵画展  (新宮市 )
2020年09月27日
40 土砂崩れ、冠水など発生  大雨による被害明らかに  
2020年09月27日
41 紹介状がない場合内科などで定額負担金を徴収  紀南病院で10月1日から  
2020年09月27日
42 クルマギクの花  新宮市熊野川町  
2020年09月27日
43 お悔やみ情報
  
2020年09月19日
44 国立公園の適正管理目指し
 環境省が改善措置を回答  (総務省 )

 環境省近畿地方環境事務所は14日、総務省近畿管区行政評価局(山内達矢局長)が管内の3国立公園(吉野熊野、山陰海岸および瀬戸内海国立公園)について必要な改善措置を講じるよう通知した件に関して回答を行った。17日に同局が公表した。

 同局は3国立公園について、昨年5月から今年1月にかけて「誰もが安全で利用しやすいものとなっているか」との観点から現地の実情や関係機関の取り組みなどを調査。和歌山、奈良、兵庫の3県内6市町村(本紙エリア内では新宮市、那智勝浦町、太地町が該当)を調査対象とし、取りまとめた結果を環境省近畿地方環境事務所に通知し、必要な改善措置を講じるよう求めていた。

 調査では「公共標識において多言語対応されていたのは637基中301基」「公共標識が老朽化し、情報が読み取れないものなどが46事例」「公衆トイレまでの通路に段差があり支障を来すなどユニバーサルデザイン化に関して不十分(22事例)」「立ち入り・転落防止柵が破損。倒木により通行に支障などあり(24事例)」などが発覚した。

 通知に対し環境省は▽環境省が設置した公共標識について、計画的に多言語対応するとともに、新たに点検実施要領を作成し、これに基づく点検を実施▽地域の連絡協議会の場や文書を通じて、多言語対応や不備があるものが是正されるよう地方公共団体などに助言▽環境省が設置した公園施設について、新たに点検実施要領を作成し、これに基づく点検を実施▽危険な状態で放置されている公園施設を修繕―などの措置を実施していく構えを示している。

 回答を受け、同局は「すでに改善済みの箇所もあり、今後の措置などについても公文書で回答いただいたので信用したい」と話している。

  □     □

 国は2013(平成25)年、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」(観光立国推進閣僚会議)により、国立公園を含む自然公園などについて、外国人目線に立った多言語対応の改善、強化を図る方針を打ち出していた。

 25(令和7)年の大阪・関西万博の開催が予定されている近畿地方では、国内外の観光客の増加が見込まれる中、管内3国立公園においても各種の取り組みを着実に実施することの必要性が求められていることから、当局は3国立公園内の代表的な利用ルート(総延長約80㌔)とルート上の利用拠点において現地の実情を調査していた。

(2020年9月19日付紙面より)

市によって応急処置が施された高野坂の転落防止柵。市は現在、設置者である県に対して修繕に関して要望を行っている=18日、新宮市
2020年09月19日
45 採用目指し最終プレゼン チームナンバーワンも決定 (武者修行(R)プログラム)

 大学生向けグローバル研修を展開する株式会社旅武者(遠藤まさみ代表取締役)=東京都=は、1日から始まった「地方創生イノベーション武者修行(R)プログラム」の総仕上げとなる最終プレゼンテーションを13日、那智勝浦町の体育文化会館で実施した。

 この日は堀順一郎町長や那智勝浦観光機構(NACKT=ナクト)の村井弘和事務局長らも駆け付け、同プログラムに参加した大学生のプレゼンに耳を傾けた。投票の結果、生まぐろによる新商品開発チーム「とぅな」の「とぅ~ナツ」と、お土産新商品開発チーム「ステーキハウス」の「なまぐろちゃんハンカチ」が採用された。また、4チームの中から「とぅな」がチームナンバーワンに選ばれた。

  □     □

■効果測定の様子



 中間プレゼンを終えた各チームは課題解決などに向き合い、試行錯誤しながら11、12日に同町築地のにぎわい市場で実際に販売などを行う効果測定に取り組んだ。

 「とぅな」は甘じょっぱく、冷めてもおいしい食べ歩き商品として、ドーナツ生地で揚げた生まぐろのドーナツ「とぅ~ナツ」を、「ステーキハウス」はご当地感を盛り込んだ愛らしいマグロのイラストと町名が入った「なまぐろちゃんハンカチ」を、「まぐろーん」は生まぐろの食べ方などが27通り楽しめる「27種ど~ん」を販売した。

 「かいゆう」は観光客に知られていないお蛇浦(じゃうら)遊歩道などの名所や付近のカフェなどの情報をまとめたマップ「那智勝浦の秘蔵スポット」を観光客らに説明しながら配布した。

 「かいゆう」の的羽佑菜さん(横浜国立大3年)は「自分たちがやりたいことや伝えたいことを考えた途端にチームや計画が進み出した。この経験を生かして今後はやりたいことに踏み出したいと思う」と語った。

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■最終プレゼンでは



 13日は午前中ににぎわい市場で審査員による試食があり、午後から体育文化会館で最終プレゼンテーションが行われた。審査員はファシリテーターの吉田亮介さんとNACKTの堀千寿子さん、にぎわい市場の理事で片原魚店の片原茂晴さんが務めた。

 各チームが開発商品を懸命にプレゼンし、審査員が課題指摘やアドバイスを行った。投票は学生やファシリテーター、審査員がスマートフォンで実施した。

 集計後、吉田さんが採用商品の結果とチームナンバーワンを発表。商品が採用された「ステーキハウス」の水谷海人さん(慶應義塾大2年)、小豆澤希美さん(大阪市立大3年)、伏見こみちさん(立教大3年)、本木まつりさん(法政大2年)は健闘をたたえ合った。

 商品採用とナンバーワンに選ばれた「とぅな」の瀬戸新さん(桃山学院大3年)、光吉崇さん(桃山学院大3年)、堀江智子さん(創価大3年)、齋藤芽翠(めみ)さん(岩手大2年)には賞状が贈られ、涙を流す学生の姿も。

 瀬戸さんは「このメンバーじゃないと成し遂げられなかった」、光吉さんは「3人がとても大好き。1位が取れて本当にうれしい」、齋藤さんは「このチームで1位が取れてうれしい。良い経験になりました」、堀江さんは「本気の素晴らしさを初めて知りました」とそれぞれ思いを語った。

 その後、ファシリテーターの平川徳好さん、髙野康さん、吉田さん、旅武者人財紹介事業部の東条智子さんが「自分を認めてあげてください」「全員が町を好きになってくれて良かった」「周囲の方々から学ばせていただいたことを忘れないでください」と学生にエールを送った。

 同社によると、開発された商品はにぎわい市場の各店舗に引き継がれ、今後販売される予定だという。

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※武者修行(R)プログラム

 株式会社旅武者のベトナム法人が運営する店舗で、全国から集まる大学生がチームを組み、新規ビジネス担当者として新商品・サービス開発やプロモーション企画を自らで考え、行動し形にして顧客に届けるリアルなビジネス体験学習プログラム。今年から日本国内で実施することとなり、地域や地域住民と関わる関係人口の増加や、武者修行修了生を中心とした関係人口ネットワークの構築を目指している。

(2020年9月19日付紙面より)

最終プレゼンテーションの様子=13日、那智勝浦町の体育文化会館
ナンバーワンに選ばれた「とぅな」の皆さん
2020年09月19日
46 有事に備えて技術教わる
 会員対象にし救命講習会  (古座川町観光協会 )

 古座川町観光協会(須川陽介会長)が13日、中央公民館で会員を対象にした救命講習会を開き会員や職員が初期救命技術の習熟に努めるなどした。

 イベントの主催や後援により町内で人の集まる場所へ出向くことが多い同協会。今秋から人気企画「古座川ウオーク&トレッキングツアー」の事務も引き継ぐなどその機会が一層増す中、急患発生時に率先して対処する意識と技術を身に付ける目的で同講習に取り組むことを決め、会員に参加を呼び掛けた。

 コロナ禍の情勢を鑑み定員先着12人で募集。当日は事務局の2人を含め9人が参加し、串本町消防本部の職員から周囲の安全確保や意識・呼吸の確認、人工呼吸や胸骨圧迫、自動体外式除細動器(AED)の手配や使用、といった一連の流れについてダミー人形を用いた実践を交えて教わった。

 今の初期救命実践時は新型コロナウイルスの考慮も必要で、助ける人の顔にタオルやハンカチをかけて胸骨圧迫時の呼気の拡散を抑えることや人工呼吸にためらいを感じた時は胸骨圧迫だけを続けるなどの点が斬新だったという。

 現在は定員を設けて開く形を取っているため、今後も受講の機会を重ね作って習熟の裾野を広げる考え。会員の中でさらに深く学びたいという思いがあれば相応の講習会も考えたいという。

(2020年9月19日付紙面より)

初期救命技術について教わる古座川町観光協会の会員=13日、古座川町中央公民館(同協会提供)
2020年09月19日
47 地震や津波から身を守ろう
 王子ヶ浜小で減災教室  (新宮市 )

 新宮市立王子ヶ浜小学校(山本眞也校長、児童340人)で18日、県の「出張!減災教室」があった。4年生53人が地震体験車「ごりょう君」で震度7の揺れを体験するとともに、津波から身を守る方法を学んだ。

 社会科の「自然災害から身を守る活動」の一環。ごりょう君は地震から村人を救った物語「稲むらの火」のモデルとなった濱口梧陵氏から名付けられており、社会科の教科書にも掲載されている。今年は濱口氏の生誕200周年に当たる。

 地震体験では、椅子に座った状態で南海・東南海・南海の3連動型地震を想定した海溝型地震の揺れを体験。初期微動に続いて大きな揺れが来ると、児童は手すりにしがみついて体を支えていた。震度7の時に重たいピアノがはねる映像を見ると、驚きの声が上がった。

 児童は「体が飛びそうだった」「最初は大丈夫と思っていたけれど、怖かった」「30年以内に起こるといわれているが、今この瞬間起こったら大変なことになる」と感想を話していた。

 午後には東牟婁振興局による講座が行われ、地震や津波に関する基礎知識を学んだ。

(2020年9月19日付紙面より)

椅子に座って揺れを体験=18日、新宮市立王子ヶ浜小学校
2020年09月19日
48 トルベリーノが優勝
 ホップリーグ県大会東牟婁大会  
2020年09月19日
49 観光機構や防災について議論  那智勝浦町議会一般質問  
2020年09月19日
50 福祉・教育の追加議案可決  9月定例会が閉会  (那智勝浦町議会 )
2020年09月19日
51 ナンバンギセル咲く  神倉神社の山門付近で  (新宮市 )
2020年09月19日
52 不審な郵便物に注意  新宮警察署が呼び掛け  
2020年09月19日
53 14議案承認して閉会  紀宝町議会定例会  
2020年09月19日
54 河口大橋上部、令和5年完成予定  紀宝町議会一般質問(終)  
2020年09月19日
55 国道42号、取り締まり重点に  第1回紀宝警察署協議会  
2020年09月19日
56 ヒガンバナが開花  古座川町  
2020年09月19日
57 串本沖停泊の帆船話題に  海技教育機構の「日本丸」  (串本町 )
2020年09月19日
58 9月定例会一般質問⑥  串本町議会  
2020年09月19日
59 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第20回】今日からできる食育  

 「食育」という言葉には、どうしても「無添加」や「オーガニック」というキーワードがついて回ります。これは誤解です。無添加やオーガニックや手作りが食育につながるというわけではありません。私が思う「食育」は「心の安定」と「食の自立」を目標としています。子どもたちにとって、食卓でのコミュニケーションは大切な精神安定剤だと思っています。大人と楽しく会話をしながら食べることは、子どもたちを前向きにするという研究結果もあります。そして、もう一つ大切なのが「食の自立」これは、いずれは食を自分で選択して、自分で調理し、生きていける力を付けるということです。これもまた心身を健康に保つために必要な力ですよね。食材を一緒に選んだり、お手伝いをしてもらったり、ということはすぐに浮かびますが、時間のない日々でなかなか難しいですよね? それは、予定のない休日にやるとして、私がおすすめするのが、食卓でのクイズです! これはお子さんの年齢によって内容は変わると思いますが、とっても簡単で最も取り入れやすい食育だと思うんです。

 幼稚園から低学年くらいのお子さんには、食材に関するクイズがいいと思います。例えば、かぼちゃの旬はいつでしょう?とか、大根の一番甘い部分はどこでしょう?とか。どんな風にできるかというクイズもいいと思います。土の中にできるか、土の上になるのか、木になるのか、など。食べている食材のことを知るいいきっかけになると思います。

 小学校中学年くらいからは、食べ合わせについてや、栄養のことをクイズにするのはいかがでしょうか? これはクイズにせずに、一緒に考えて調べるのもおすすめです。今はスマホ一つでなんでも調べられるので、ビタミンが多いのはどっちの食材か、とか、発酵食品はなぜ体にいいか、とか。あと、大豆に関するクイズもいいと思います。枝豆は若い大豆とか、豆腐も味噌(みそ)も醤油(しょうゆ)も大豆からできているなど、大豆はいろいろ形を変えるので、面白いですよね。食べ合わせは、揚げ物とキャベツとか、実は意味がある食べ合わせをクイズにするのもいいと思います。

 小学校高学年から中学生になると、調味料や味付けを当ててもらうのがおすすめです。「これには何が入っているでしょう?」というクイズは、お父さんも一緒に楽しめますよね。食卓が楽しい空気になること間違いなしです。

 食育はみなさんのイメージよりも、とても身近な教育です。気負わずに普段の食事のコミュニケーションツールとして活用してみてください。最後に少し宣伝になりますが、この「食育×クイズ」を広めようと、私は「しょくいずアカデミー」という「クイズ番組型食育イベント」を立ち上げました。また、レシピとクイズを動画にしたYouTube(ユーチューブ)チャンネルもありますので、ぜひ、お子さまと一緒にご覧ください。

(2020年9月19日付紙面より)

2020年09月05日
60 キャンドルに祈り込める
 那智谷大水害遺族会が追悼式  (紀伊半島大水害から9年 )

 2011(平成23)年に発生した紀伊半島大水害から9年を迎えた4日未明、那智勝浦町井関の紀伊半島大水害記念公園で那智谷大水害遺族会(岩渕三千生代表)による追悼式があった。犠牲者の遺族ら25人が参列し、さまざまな思いを胸に死者・行方不明者数と同じ29個のLEDキャンドルに明かりをともした。

 例年、追悼式で使用するキャンドルは水害で同級生を亡くした井上絵里香さんが中心となり、町立市野々小学校などの児童や町内外の有志で作っっている。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止などの観点から中止となった。そのため、火を使わないLEDのキャンドルライトを用いることとなった。

 追悼式は午前1時から始まり、岩渕代表のあいさつ後、参列者が静かに黙とうをささげた。

 水害で妻と娘を失った寺本眞一さん(67)は「9年前の出来事が頭の中によみがえってくる。何もできなかったことを悔やみ、毎年思い出す。妻と娘には向こうで仲良くしてほしいと伝えた。コロナのこともあるが、今年も皆さま方が集まってくれていることがありがたい。息子もこの地域へ戻ってきてくれた。災害や産業などについて勉強してほしい」と語った。

 岩渕代表(59)は水害について「昨日のことのように毎年思い出す。29人の皆さまには那智谷の復興を見守っていただきたい」。今後起こり得る災害について、自分の身は自分で守る行動を心掛けてほしいと述べ「発生した事案などを後世に伝えることが重要。この先もずっと行事を続けていきたい」と話した。

(2020年9月5日付紙面より)

祈りを込める遺族ら=4日未明、那智勝浦町の紀伊半島大水害記念公園
今年も明かりがともされた
2020年09月05日
61 安全意識の強化目指す
 消防安全の日の誓い  (新宮市 )

 新宮市消防本部(越水薫消防長)の消防顕彰碑前で4日、「消防安全の日の誓い」があった。消防団員ら33人が参列し、顕彰碑前で黙とう。哀悼の意をささげるとともに、越水消防長が「常に危険と隣り合わせの現場活動の中で、職・団員一人一人が安全な活動ができるよう日頃から訓練や研修を重ね、市民の負託に応えることのできる職員に」と消防体制の全力のかじ取りと安全意識の強化を誓った。

 2011(平成23)年の紀伊半島大水害により、市消防団員2人が殉職した。市内では11人(消防団員除く)が亡くなり、1人が行方不明となるなど多くの市民が犠牲となった。甚大な被害が出たことを受け、市消防本部では安全第一意識のうえで活動することを誓い、同日を「消防安全の日」と定めている。同水害の翌年以降に採用した職員が54人中19人(35%)いることから、災害を風化させないことと、消防職員の安全意識を再確認する目的もある。

 越水消防長は9年前の大水害を振り返り「壮絶な光景は月日がたった今もなおわれわれの心に深く鮮明に刻み込まれ忘れることはできない」。

 台風9、10号の影響や今後本番を迎える台風シーズンに危惧し「現場活動においては経験に基づいた経験則で判断することが必要となる場面も少なからずある。若い職員の皆さんにおいては先輩職員からのアドバイスや教訓を真摯(しんし)に受け止め、また、先輩職員においては後輩育成のため、市民のためにさらなる尽力を」と訓示。

 「皆さんと一緒に市民の安心・安全を守ることのできる新宮消防となるよう、全身全霊で取り組む」と誓いを新たにした。

(2020年9月5日付紙面より)

顕彰碑に向かい、哀悼の意をささげた=4日、新宮市消防本部
2020年09月05日
62 世界の子どもにワクチンを
 キャップ3302個集める  (成川小児童会 )

 紀宝町立成川小学校(大藤伸之校長)の児童会(大植心晴会長)は3日、児童たちで集めたペットボトルキャップを紀宝町社会福祉協議会に寄贈した。児童たちの思いが詰まったキャップは、世界の子どもたちにポリオワクチンを届ける「エコキャップ回収運動」に生かされる。

 ボランティア活動として「人の役に立てることをしよう」と児童会役員で話し合い、回収運動に取り組むことを決めた。8月7日の1学期終業式では寸劇を交えて全校児童に運動の趣旨やボランティアの大切さを伝えた。

 2学期が始まった24日から回収したところ、4日間で3302個が集まった。キャップ860個で1人分のワクチンになることから、3・8人分の費用となった。

 児童を代表して大植会長(6年)をはじめ、副会長の七滝勇奈さん(6年)、書記の谷口綾菜さん(6年)、役員の玉置ましろさん(6年)、清水瑠嘉さん(5年)、谷口友絃君(4年)が社協職員にキャップを託した。

 大植会長は「予想以上に集まってうれしかった。全校児童が協力してくれたことに感謝しています。これからも活動を続けたい」と話していた。

 町内では、矢渕中学校ボランティア委員会や放課後児童クラブ「きほっこ」がこの活動に取り組んでいる。

(2020年9月5日付紙面より)

町社協職員(右)に3302個のキャップを託す児童会役員=3日、紀宝町立成川小学校
2020年09月05日
63 災害に強いまちづくりを
 大水害献花式で誓い新た  (新宮市 )

 新宮市は4日、同市熊野川町日足の熊野川行政局で紀伊半島大水害の犠牲者を弔う献花式を営んだ。田岡実千年市長、向井雅男副市長、速水盛康教育長、市幹部職員、久保智敬市議会議長をはじめ市議会議員ら約30人が参列。犠牲者の冥福を祈るとともに災害に強いまちづくりを誓った。

 献花式は例年、同町田長の道の駅「瀞峡街道 熊野川」の紀伊半島大水害慰霊碑前で実施しているが、今年は大雨、雷注意報が発表されていたことから急きょ会場を変更。参列者らは熊野川に向かい黙とうをささげた後、白い菊の花を供えた。

 田岡市長は「熊野地方に甚大な被害をもたらした紀伊半島大水害から9年の歳月が過ぎようとしている。犠牲となられた方々のみ霊のご冥福を心からお祈り申し上げます。この災害で亡くなられた方々の無念の思い、ご遺族の深い悲しみを忘れることなく、今後も災害に強いまちづくりに全力で取り組んでまいります」と誓った。

 式後、報道陣に対し「現在、台風10号が日本列島に近づいている。コロナ禍も重なる中、市としても市民の安心安全のために災害対策を最優先に気を引き締めて取り組んでいきたい」と決意を新たにした。

(2020年9月5日付紙面より)

多くの花が手向けられている=4日、熊野川町田長の紀伊半島大水害慰霊碑
追悼の花をささげる田岡実千年市長ら=同日、新宮市熊野川町の熊野川行政局
2020年09月05日
64 新宮高校、男子が全種目優勝 近畿高校選手権・全国高校選抜バドミントン大会県予選 
2020年09月05日
65 命令違反などで訓告処分  コロナ感染の消防職員  (那智勝浦町 )
2020年09月05日
66 過去10年で最高額の予算  コロナ対策など124億円  (那智勝浦町 )
2020年09月05日
67 1位に佐藤芳幸さんの「夕映え」  熊野ネイチャーフォトクラブ8月例会  
2020年09月05日
68 政府のマスクにワンポイント  工夫施し利用者に配布  (太地町 )
2020年09月05日
69 今シーズン7頭上陸  遅い時期の産卵に懸念も  (王子ヶ浜のアカウミガメ )
2020年09月05日
70 自分や相手の体よく知って 下里中で思春期講座 (那智勝浦町)
2020年09月05日
71 特別なウミガメセット  敬老の日の贈り物に  (ウミガメ公園 )
2020年09月05日
72 増える個体数と強まる対処  イノシシ有害捕獲数が急増  (串本町・古座川町 )
2020年09月05日
73 町長90歳以上在宅者祝う 町社協の敬老訪問始まる (古座川町)
2020年09月05日
74 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第19回】お総菜買ってもいいの?  

 まだ残暑が厳しい日が続きますね。コロナ禍でいつもとは違う夏が終わろうとしています。そして、また忙しい日々が始まりますね。私も、すっかり夏休みボケで、リズムを取り戻すのに四苦八苦しています(笑)。先日、「ポテトサラダ論争」が盛り上がったのは、皆さんもご存じですよね。スーパーで知らないおじさんに、「母親ならポテトサラダくらい作れ」と言われた話です。各メディアがこぞって取り上げ、いろんな意見が飛び交っていました。食育の話となると、すでに出来上がったお総菜はその対極のものだと思われがちです。イメージとして、食育=オーガニック・無添加と思われている方も少なくありません。ですが、私の考える食育は、お総菜オッケーです!忙しい毎日の中で、日々同じように食事作りに時間を割くのは、なかなか大変ですよね。私は、時間がない中食事を作り、余裕のない気持ちで食べるくらいなら、お総菜をゆっくり会話をしながら食べる方が、お子さんのためだと、本気で思っています。

 児童期の家庭での食生活が、大学生にどう影響しているかを調べた研究があります。この研究結果がとても興味深いのです。『児童期の中食(いわゆるお総菜やお弁当のことです)の頻度や、旬の食材や郷土料理の出現頻度は、(大学生になってからの)「現在の食環境」や「食事づくりへの興味」「食事での健康への配慮」などと、関連があるとは言えなかった』(長崎国際大学「大学生の児童期の家庭での食教育が現在の食生活に与える影響」、2014年)

 つまり、お総菜がその後の食生活に悪影響を与えることはないということだと私は考えています。ただ、お総菜には家庭で作るものより、味付けが濃く塩分が多いものもあるでしょう。その分の塩分などは翌日カバーするということを心掛けてみてください。私がいろいろな研究結果を見てきて思うのは、食事を用意するときに大切なのは、「家族のことを思って準備すること」。一番はこれだと思っています。疲れたとき、大変なとき、無理して食事作りに追われずに、お総菜を使ったり、外食してもいいんです。お総菜も家族のことを思って選べば良いんです。そして、できた時間で、その日あったことをいろいろと話しながら、一緒に食事を楽しんであげてください。一緒に食事を食べることは、子どもの自己肯定感を高めるだけでなく独立心も育みます。

 できれば、一緒にスーパーに行って、お総菜を選んではいかがでしょうか? 子どもが食べたいというものがあれば、「これだと野菜が足りないね、あと何を買えばいいかな?」と相談し合えば、これまた立派な食育です。

 どうか、知らない誰かの「良い母親像」に惑わされず、幸せな食卓で楽しい時間を過ごしてほしいと思います。

(2020年9月5日付紙面より)