当地方でも注意呼びかけ (和歌山県警 )
和歌山県内で今年に入り、特殊詐欺の一種「金融商品詐欺」が増加しており、1月末までに既に7件約6300万円の被害が発生していることが分かった。26日には和歌山県警察本部特殊詐欺被害防止アドバイザーの楠本研さん・脊古佳さんが、那智勝浦町教育センターの三川クラブゆかし潟老人会のサロンに出向き「現状、新宮警察署管内の発生はないが、被害届を出さない方もおり、統計は氷山の一角」と注意を呼びかけた。
特殊詐欺の手口には「流行」があり、県内では昨年中最多は架空料金請求詐欺の64件(被害額約2億7500万円)。2022年も同じく架空料金請求詐欺が41件(同7500万円)、21年は還付金詐欺が28件(同2200万円)だった。
金融商品詐欺は「お金を増やしたい」「将来が不安」という心理につけ込み、偽の金融商品の情報で購入金をだまし取る手口。県内の被害者年齢は30~70代と幅広い。
交流サイト(SNS)上のなりすまし広告や投資交流LINE(ライン)グループに招待されたことがきっかけになることが多い。投資専用アプリをダウンロードし、アプリ上では利益が出ているように見えても、最終的には出金ができずに連絡を断たれるなどがある。
サロンの参加者からは、他にも「商品を頼んだ覚えがないのに、宅配便業者から『不在でした』と頻繁にメールが来る」「高額商品をローンで買わされた」「リサイクルを名乗る業者に家に上がり込まれ、怖い思いをした」「頼んだこともないのに、北海道の海産物を買えと電話がかかってくる」など詐欺や消費者トラブルに関する相談が多数寄せられていた。
同クラブの南智惠子代表は「注意はしているつもりだが、皆で情報共有することが大事。家族や友人に相談するというワンステップがあるだけで違うと思う」と語った。
不審に思うことがあれば、新宮警察署(電話0735・21・0110)、和歌山県警特殊詐欺被害防止専用フリーダイヤル(電話0120・508・878)、消費者センター(局番なし188)まで相談を。
(2024年3月28日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240328010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240328010102.jpg)
色川姓サミットを開催 (那智勝浦町 )
第4回の「色川姓サミット」(同実行委員会主催・田古良元昭委員長)が24日、那智勝浦町立色川小・中学校であった。全国の色川姓の人や、地域・近隣市町村の住民など約60人が参加。色川地区の歴史や色川姓のルーツについて知識を深めた。
全国の色川姓は同町の色川地区が発祥の地とされており、その歴史は南北朝時代までさかのぼるといわれている。サミットは全国の色川姓を持つ人などを集めて行われるもので、開催は5年ぶりとなった。
和歌山県立博物館の坂本亮太・学芸課長が「色川郷と色川氏の足跡」を演題に講演した。「色川は棚田や色川茶、平維盛(たいらのこれもり)の伝説で知られている」「色川の地名の由来は、紀伊続風土記の説として、宇呂川(うろかわ)が転じて伊呂川(いろかわ)になったとある。ただ、確かなことはよく分からない」などと語った。
古文書の記述によると、色川郷には中世の頃には7村あったが、歴史が下ると18村あることから「7から18に増えながら変化していったのか。現在は11の字があるので、現在にかけても変遷があったかと思う」と述べた。
江戸時代末期ぐらいに描かれた那智山周辺の絵図に、色川についての記述があることに言及。「文字が書いてあり、色川の説明が出てくる。平維盛の子孫が住んでいて、名字が小松とある。江戸時代の人たちがそう考えていたことが分かる」と話した。
平家や維盛が開いたとされる集落は全国にあることに触れ「県内では有田川町にも維盛の伝説があり、末裔(まつえい)と伝える一族もいる」と発言した。
色川文書も紹介。「2巻8通あり、多くは南北朝時代、1通は室町時代のもの。色川氏や色川郷の足跡が分かる」と伝えた。
「色川文書は江戸時代から有名で、水戸黄門の助さんのモデルとなった人も調査し記録を残した。どれだけ注目されていたのかが分かる」と明かした。
参加者は、興味深そうに耳を傾けていた。色川の文化財も会場で見学できる予定だったが、当日は雨天で持ち込めず中止となった。講演後にライブコンサートもあった。
(2024年3月28日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240328110101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240328110102.jpg)
交通安全協会新宮支部
一般財団法人和歌山県交通安全協会新宮支部(田中肇支部長)による、ランドセルカバーと巾着袋の贈呈式が25日、新宮市役所であった。田中支部長が目録を手渡し、子どもの交通安全を呼びかけた。
同支部は毎年度、管内となる新宮市、田辺市本宮町、那智勝浦町、太地町、串本町、古座川町、北山村の小学校の新入学児童と、幼稚園・保育所の新入園児に対して、これらの交通安全の物品を贈呈している。交通安全協会費を活用して購入している。
新宮市では、小学校4校192人と支援学校1校5人にランドセルカバーを、幼稚園・保育所の11園152人に巾着袋を贈った。速水盛康教育長と中上清之健康福祉部長に目録を手渡した。
速水教育長は「子どもらの安心安全な登下校への支援に加え、園児にも支援を頂くことで、地域の多くの目も集まる。子どもを育てるのに、地域のいろんな方々が目を向けてくれるのは心強い」。
中上部長は「全国で子どもらが交通事故で命を落としている状況がある。園児には交通安全に気を付けるように伝えて配りたい」などと感謝を述べた。
なお、管内全体の対象人数は、小学校26校と支援学校1校の新入学児童391人と、幼稚園と保育所21園の新入園児222人だった。
(2024年3月28日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240328100101.jpg)
県内有数の早場米の産地 (紀宝町 )
紀宝町大里で27日、早くも田植えがあった。同町神内の中西和益さん(76)が30㌃の田んぼに早場米のアキタコマチを植えた。
同町は、県内有数の早場米の産地で、毎年お盆前に新米が食べられるよう、県内の他地域に先駆けて3月下旬に田植えを行っている。JA伊勢三重南紀地区管内では中西さんら2人が計約90㌃の田んぼで栽培を続け、昨年は計6㌧を出荷した。
この日は朝から作業に取り組み、田園風景に苗を植える機械の音が鳴り響いていた。中西さんは「今年もおいしいお米に育つことを期待している」と話していた。稲刈りは7月下旬を予定しており、昨年並みの約1・3㌧の収穫を目指している。
お盆前の8月上旬にはJA各店舗やファーマーズマーケット「ほほえみかん」で新米を販売する予定。
(2024年3月28日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240328050201.jpg)
老連親善グラウンドゴルフ大会 (那智勝浦町 )
ミニバスケ教室体験会 (SMILE.E.T )
白鯨杯ソフトバレー大会 (太地町 )
初の地域公共交通フェス (那智勝浦町 )
「那智勝浦町地域公共交通フェス2024」が23日、同町の体育文化会館で初開催された。子どもから大人まで多くの町民が集まり、少子高齢化や人口減少、自家用車の普及などさまざまな課題に直面する地域公共交通の現状や、課題に対しての今後の取り組みを考える機会とした。
那智勝浦町、同町地域公共交通活性化協議会主催。同協議会は地域公共交通の維持・活性化を目的に、行政、民間交通事業者、地域住民らで2023年4月に設立。町内6地域との意見交換や観光客らへのアンケートで、今後の方向性を探ってきた。22日の第4回協議会で「町地域公共交通計画」を承認し、来年度より5カ年で着手する。
今後計画を進めるに当たり、町全体で現状認識を共有する場をつくろうと、フェスを企画。和歌山大学きのくに線活性
化プロジェクト(きの活)、きのくに活性化センター、熊野御坊南海バス株式会社、JR西日本和歌山支社、紀勢本線活性化促進協議会・新宮白浜区間部会などが協力した。
協議会副会長で和歌山大学の西川一弘教授による講演では、持続可能な交通の価値を再考。「移動なくして生活はなく、交通が衣食住を支えている。日本では、宅地やレジャーランド造成と合わせたビジネスで交通を考えてきた歴史があるが、海外では道路と同じ社会インフラとして捉える国もある」と言及。免許のない高校生や高齢者だけでなく、飲酒やけが、寝不足、車の故障などで、誰もが移動制約者になりうるとし、幅広い価値で公共交通を捉える必要があると力説した。
今後に向け「地区内の輸送は住民組織による『助け合い輸送』で担い、地区外や幹線へはバスやタクシー、鉄道が担うという役割分担が重要になるのでは。『2024年問題』で物流の担い手不足が深刻化する中、全国的にも面白い事例になる可能性がある」と語った。JR西日本和歌山支社の松田彰久副支社長による講演もあった。
会場では和歌山大学の学生によるプラレールで遊ぼうコーナーに子どもたちが集まり、軌陸車の展示や踏切の非常停止ボタン体験、バスの乗車体験も人気だった。
(2024年3月26日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240326010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240326010102.jpg)
佐田で「桜フェア」始まる (古座川町 )
古座川町佐田で23日、イベント「桜フェア」が始まった。4月7日(日)までの実施で、期間中はちょうちんを飾り午後6時~9時に点灯。花盛りの多客に合わせて桜の広場一帯での出店も予定されている。
このイベントは桜まつり実行委員会主催。コロナ禍前まで開いていた「桜まつり」に代わる企画で、ちょうちん設置はそのまま継承し出店は期間内で複数日出していい内容となっている。
経年劣化で資材が年々減っているが、ちょうちんは今年も役場佐田出張所~桜の広場間に設置。19日に区民有志や古座川ゆず平井の里役員、役場や町観光協会の若手計11人が手分けして電線を張り、電球部分にちょうちんをつり飾った。
出店は事前登録制となっていて、今年は▽モノリスキッチンカー▽古座川ゆず平井の里▽YOCCO▽上田農園▽ご縁坐▽ふるさとキッチン福ちゃん▽梅乃家―が日取りを選んで出店する。期間中の水、木曜日以外は出店予定があり、休みで人が動きやすい土、日曜日は3~6店舗の予定が入っている。品目は軽飲食が主で、土産品や革小物も並ぶ。
七川ダム湖畔は日本さくら名所100選に選ばれている、紀伊半島南部を代表するソメイヨシノの観賞スポットの一つ。駐車場は桜の広場とおおじゃの森の2カ所が無料開放されている。23日現在、ソメイヨシノはおおむね開花前だが、下流の一枚岩周辺ではすでに咲き進んでいて、期間中盤から終盤が見頃となりそうな状況だ。
昼夜の花見は各自で自由にしてもらう形となっている。問い合わせは同実行委員会(電話0735・67・7901、町地域振興課内)まで。
(2024年3月26日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240326120101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240326120102.jpg)
小椋久美子さん バドで交流 (熊野市 )
三重県川越町出身で、北京五輪バドミントン女子ダブルス代表の小椋久美子さんを招いてのスポーツ講演会と交流会が23日、熊野市文化交流センターであった。交流会では、子どもたちと笑顔でラリーし、世界を舞台に戦った強烈なスマッシュも披露した。
小椋さんは、1983年生まれ。8歳でバドミントンを始め、2002年全日本総合バドミントン選手権シングルスで優勝。「オグシオペア」として活躍し、08年の北京五輪では5位入賞、全日本選手権5連覇を達成して10年に引退した。現在は、子どもたちへの指導を中心にバドミントンを通じスポーツの楽しさを伝える活動を行っている。
「失敗を成功に導く心の持ち方」をテーマにした講演会では、「技術力がない代わりに丁寧なプレーを心がけた。プレッシャーに弱くて、自信を持つために誰よりも練習した」と19年間のバドミントン人生を振り返り、「弱点を違う角度から見て、自分の武器を探すことが逆転の発想。自分が積み上げたものにうそはない。今の姿が全て。自分を認め、信じてほしい」と伝えた。
「周りの励ましや、視点を変えることで壁を乗り越えることができた。失敗から学んだことがたくさんある。失敗を失敗で終わらせないことが大切」と語った。小学校時代のスポーツ少年団でバドミントンの楽しさを知り、全国大会で、後にコンビを組む潮田玲子さんに完敗したことを明かした。
「中学時代は玲ちゃんに勝てなくて、全国3位を目標にした。達成してうれしかったが、目標以上の結果は出ないことに気付いた」と話し、自分が成長したと思える目標を立てることにしたという。
潮田さんとのコンビでスランプになった時「全く違う性格の2人が、相手のことを理解することで勝つ近道になることに気付いた」と語った。
「オリンピックは空気感が独特で、緊張で頭が真っ白になった。みんな、いろんなものを背負っていた」と体験を交え、「夢が目標になると行動も変わる」と説いた。
(2024年3月26日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240326050101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240326050102.jpg)
市役所別館で生涯学習演劇会 (新宮市 )
新宮市教育委員会は23日、市役所別館で生涯学習演劇会を開いた。岐阜県岐阜市を拠点に活動する「劇団風の子中部」が芝居「ぱらりっとせ」を上演。市内在住の子どもやその保護者など約70人を楽しませた。
劇団風の子は「日本の未来は子どものことを考えることから」との思いから1950年に東京都で創設した。同中部は2010年に誕生。東海地方をはじめ、国内外で新たな創造を発信している。
この日は、お手玉、竹馬、風車などの昔遊びや、わらべうたを織り交ぜた演劇「はなさかこぞう」を披露。来場者は物語の世界に夢中となり、テンポの良いせりふ運びや役者の力強い動きなどに笑顔を見せ大きな拍手を送った。
最後は劇団員に教わりながら、岐阜県郡上市八幡町の盆踊りで伝統的に受け継がれている郡上踊りを楽しんだ。
鑑賞した林里緒ちゃん(5)と玉井栞里さん(7)は「近くで劇を見たのが初めてだったので迫力があり、楽しかった。和傘の踊りがきれいでよかった。また来てほしい」と話していた。
(2024年3月26日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240326010201.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240326010202.jpg)
第200回職場対抗ボウリング大会
太地町教委第3回大会
新宮道場で剣道体験会 (新宮剣友会 )
移動支援や免許返納促進 (新宮市 )
新宮市が自動車の運転免許を持っていない75歳以上の高齢者などにタクシー券を配布することが、市議会での予算の成立により決まった。金額は1人当たり1万2000円分。4月から対象者に申請書の送付を行う予定という。
移動手段のない高齢者などへの支援や、運転免許返納の促進を目的とした取り組み。新宮市は高齢化率が2月末の時点で38・87%に達した「超高齢化社会」となっており、安全面を考えればなるべく高齢者に運転免許を返納してもらうのが望ましい。
しかし都市部と比べ、列車やバスなどの公共交通網が未発達なため、高齢者も自動車がなければ生活が困難で、運転免許を返納しづらい実情がある。旧市外はなおさらで、山間部は買い物や通院も自動車なしでは不便極まる。これらの解決の一助になればと市は事業実施を決めた。
対象は具体的には、新宮市内に在住(施設入所者を除く)する75歳以上で、最初から運転免許を持っていない人。または全年齢で、すでに運転免許証を返納したことを示す書類がある人となる。さまざまな事情で運転免許を返納した若年者にも考慮し、年齢に下限は設けず書類があれば対象と認めるという。
ただ市は、市内在住の75歳以上は把握しているものの、返納済みも含めた運転免許の有無は把握していない。このため、申請書は75歳以上の市内在住者全員に送る予定という。6000人から7000人ほどいるため時間がかかるが、担当課は「6月までには送りたい」と考えている。75歳未満の免許返納者に関しては、基本的に窓口での申請となる。
タクシー券は来年3月末まで使える。市内で営業する全てのタクシー会社で利用できる。500円もぎりの24枚券となる。
(2024年3月24日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240324010101.jpg)
三上幸夫教授が講演 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立温泉病院で19日、広島大学病院リハビリテーション科の三上幸夫教授による講演会「令和6年能登半島地震における災害リハビリテーション医療~広島JRATの活動と今後の課題~」があった。新宮・東牟婁の市町村と県から保健師ら約40人が出席し、被災地支援におけるリハビリ視点の重要性を学んだ。
温泉病院と、院内に設置されている和歌山県立医科大学のリハビリテーション・スポーツ・温泉医学研究所が主催。日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)は、リハビリの観点から避難所の環境アセスメントや、生活不活発病、災害関連死の予防を行うチーム。三上教授はその一員として、1月に能登半島地震の被災地で活動した。
三上教授はJRATの結成経緯について「阪神・淡路大震災後には拠点病院や広域搬送ネットワークの整備が進められたが、2011年の東日本大震災では、長引く避難所生活で精神的に病んだり、身体機能が衰えてしまったりする方が多く出た。体や心のケア、保健医療の重要性が見直されて発足した」と説明。「救命救急を担う災害派遣医療チーム(DMAT)とは逆に、JRATは被災者が地域社会に戻っていくのを支援する『出口戦略』を担う」と述べた。
能登半島地震の被災地について「医師や理学療法士、作業療法士などのチームで現地入りした。目立つけががなくても、身体の活動面に着目すると『避難中に膝を打って立てない』『片付けで腰が痛くて動けない』と圧迫骨折や腱板(けんばん)断裂が疑われる方、コルセットやつえが必要な方が多くいた」と言及した。
石川県輪島市門前町で実施した▽起き上がれるか▽立ち上がれるか▽片足立ちできるか―を基準としたリハビリ視点のトリアージ手法も紹介した。
課題面として、JRATの存在や意義が十分認知されていなかったことや、被災地における福祉用具・義肢装具の入手の困難を挙げ「逃げることも大切だが、逃げきった方々にいかに地域社会に戻っていただくのか、災害関連死をどう防ぐのか。今後のため、和歌山県のJRATのことも知っておいてほしい」と呼びかけた。
堀順一郎町長は「保健師だけでなく、多くの方に理解いただく必要がある話。その第一歩」と話していた。
(2024年3月24日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240324110101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240324110102.jpg)
観世流 武田友志さん (熊野速玉大社 )
観世流能楽師の武田友志さんの歌と舞の奉納が20日、熊野速玉大社(上野顯宮司)であった。約20人が見守る中、古来より伝わる歌と舞を披露した。
武田さんは、重要無形文化財総合指定保持者で、26世宗家観世清和、父武田志房に師事。3歳で鞍馬天狗(てんぐ)「花見」で初舞台、海外公演にも多数参加し、小中学校生や外国人、初心者のためのワークショップなど、能の普及活動にも努めている。同大社では7年ほど前に能を奉納したことがあるという。
今回は前日に熊野那智大社で奉納したほか、那智勝浦町下和田の大泰寺で能の体験教室を開いていた。熊野速玉大社ではまず、拝殿で参拝。上野宮司はあいさつで、「新宮」の由来や熊野三神の来臨、熊野速玉大社の創始などを説明し「神様の大きな力を頂きよみがえる、熊野信仰に思いをはせながら奉納をいただければ」と話した。
奉納は同大社の双鶴殿で行われた。武田さんは能の歴史や能楽の構成、能面などを解説。「能面をゆっくりと下や上に向けて表情をつける。世界で顔で演技をしない芸能はなかなかない」などと話した。
この後、能の「高砂」と「羽衣」の歌や舞を披露。武田さんは低い声を響かせ、また扇を手にゆっくりと力強く舞った。参加者は静かに観覧し、盛んな拍手で称賛していた。
市内から訪れた50代女性は「能は神社で奉納しているのを見たことがあったが、ちゃんとゆっくりと見たのは初めて。近くで見られて良い経験をさせてもらった。興味深い話もされていて、今後も見てみたいと思った」と話した。
(2024年3月24日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240324100401.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240324100402.jpg)
鵜殿3組自主防災会が設置 (紀宝町 )
南海トラフ巨大地震に備えて、紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎会長)は22日、地区内に地震・津波発生時の迅速な避難を呼びかける看板を設置した。
330世帯が所属する鵜殿3組自主防はこれまで、津波一時避難場所近くの高台に防災備蓄倉庫を建設、避難訓練の開催やチラシ配布などで、防災に努めてきた。
今回、多くの区民の目に付くよう、住宅地と道路沿いに看板を設置。「地震 津波 すぐ逃げろ」などとともに、家族が避難するイラストを添えた。
「1秒でも早く海抜20㍍を目指して避難してください」「家の耐震補強や家具の転倒防止を」「約1週間分の水・食料を自分で準備して」「避難場所や避難路を何度も確認して」などと記し、地震・津波への備えも呼びかけている。
看板は縦90㌢、横130㌢。鵜殿地区で新宮紀宝道路紀宝南ランプ他改良工事を請け負うユウテック株式会社(有城和哉代表取締役)が地域貢献の一環で協力し、4枚作成した。現在、2カ所に設置しており残り2枚も今後、取り付けるという。
ユウテックは防災備蓄倉庫の周辺整備にも協力しており、森倉会長(73)は「大変ありがたい」と感謝し「看板が地震・津波に対する防災意識向上につながれば」と期待を寄せていた。
(2024年3月24日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240324030101.jpg)
クマノザクラの観察会
一般社団法人日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)の主催による「春の観察会」が16日、那智勝浦町天満の熊野古道駿田峠の加寿(かす)地蔵尊付近の広場であった。約30人が参加、クマノザクラの発見・発表者である勝木会長より、特徴や見分け方などを学んだ。
同所はクマノザクラが多数自生しており、これほど気軽に間近で観察できる場所はないという。開花のピークはすでに過ぎていたが、遅い個体はまだ咲いていた。
勝木会長はクマノザクラについて「ヤマザクラの変異かと思われていた。那智勝浦町湯川の民家の裏山で花が赤っぽいサクラがあるのを見つけ、今まで見たことがないと調査し、2018年に新種と発表した」と話した。
命名について「いろいろ案が出たが、クマノザクラが言葉として言いやすい」。分布について「熊野や奥吉野、主に熊野川流域に自生している」。開花期について「ソメイヨシノよりちょっと早い時期に咲く」などと伝えた。
他種との見分け方について「花序や花序柄の構造を見るのが大きなポイント」「一つの芽から二つの花が付くものが多い」「花序柄は比較的短いのが特徴」「苞(ほう)は幅広の三角形」などと紹介した。
この後、いずれも花が付いたヤマザクラ、ソメイヨシノ、オオシマザクラ、エドヒガン、クマノザクラの枝を並べ、それぞれの特徴を解説。「クマノザクラはつぼみが濃いピンク色。この色合いは他ではなかなか見ない。個人的には、この上品さは他にはないと思う」などと語った。
参加者は、目の前でそれぞれの特徴を聞き、手持ちのカメラやスマートフォンで写真を撮るなどしていた。質疑応答も盛んに行われた。
熊野市から参加した、地域おこし協力隊の矢島朱莉(あかり)さん(29)は「難しい講義かもと思っていたが、分かりやすくて楽しく勉強できた。ソメイヨシノしか身近になく、クマノザクラはこっちに来て初めて見た。きれいだなと思った。今後は今日聞いたことを意識しながら見てみたい」と述べた。
(2024年3月19日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240319010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240319010102.jpg)
国際ワークショップ開催 (那智勝浦町 )
世界17カ国から掘削科学の研究者ら約150人が集う「国際科学掘削の次期国際計画に係る国際ワークショップ」が18日~20日(水・祝)、那智勝浦町の体育文化会館などで開催されている。17日には参加者の親睦のため、事前のガイド付き町歩きツアーや夕食会があった。
国際深海科学掘削計画(IODP)は、海底下の堆積物や岩石を掘削し、地球の歴史などを解明する多国間科学研究共同プログラム。2024年9月に計画が終了するため、後継プログラムの立ち上げ準備の一環で開催した。世界遺産や地球科学的に興味深いジオサイトが所在することから、当地方が開催地に選定された。
夕食会は勝浦漁港にぎわい市場で実施。堀順一郎町長は「本町は南海トラフ地震がいつ起こってもおかしくないが、その一方で豊かな自然の恩恵も受けている。開催趣旨に最も適した場所」と歓迎のあいさつ。「マグロはえ縄漁法」にも触れ、海洋資源の持続可能性への取り組みもアピールした。参加者らはマグロ料理を楽しみ、翌日からのワークショップに備えた。
□ □
■20日に市民講演会
20日午後3時~5時、新宮市の丹鶴ホールで市民講演会「地球の恵みを知り、災いに備える―和歌山から始まる世界への挑戦―」が開催される。参加費無料。▽新たな国際深海科学掘削計画の発足と国際ワークショップin 和歌山▽海底を掘って手がかりをつかめ!地球深部探査船「ちきゅう」で挑む地震・津波調査の今!▽和歌山県の温泉と地震―プレートテクトニクスに起因する自然の恵みと災害―などを演題に、研究者らが講演する。
(2024年3月19日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240319110101.jpg)
木本、紀南高校で合格発表
三重県立木本、紀南両高校で18日、入学試験の合格発表があった。11日の後期選抜と、すでに内定が通知されている前期選抜の合格者が発表され、両校合わせて202人が合格した。
木本高校では普通科と総合学科を合わせ、158人が喜びの春を迎えた。普通科は後期選抜のみ実施し、定員120人に119人(倍率0・99倍)が受験して、総合学科から1人回り120人が合格した。総合学科は定員40人。前期選抜で22人の合格が内定しており、18人を募集した後期選抜では17人(倍率0・94倍)が受験。16人が合格した。
紀南高校普通科(定員80人)は前期選抜で24人が合格。募集人数56人の後期選抜に20人(倍率0・36倍)が受験し、20人が合格した。
両校では午前9時30分に合格者の受験番号が掲示された。受験生は、自分の受験番号を見つけると「あった、あった」と喜んだ。
(2024年3月19日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240319100201.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240319100202.jpg)
和歌山県立串本古座高校吹奏楽部(阿部夏実部長)の第12回定期演奏会が17日に同校第1体育館であり、生徒や教職員、家族や地域住民ら約80人に演奏を披露した。
本年度の部員の集大成であると同時に、3年生部員と最後の思い出をつくって送り出すという意味合いも込めて年度末の定例としている主催公演。コロナ禍で中止や入場制限を余儀なくされる状況が続いたが、本年度は久しぶりに制限なく地域にも公開するとして練習や準備をしてきた。
今回のプログラムは2部構成で、前半の第1部はOBOGなど賛助出演を得てのオープニングを経て、まずは3年生部員2人、現役部員7人、亀谷覚史顧問の10人組で5曲を披露。半ばでは全員が打楽器を手にして奏でるパフォーマンスも繰り広げた。
後半の第2部は再び賛助出演が加わり最大26人組で演奏。序盤は前年度まで指導をしていた漁﨑祐・前顧問(現・新翔高校吹奏楽部副顧問)の指揮で定番曲「Paradise Has No Border」など、中盤以降は亀谷顧問の指揮で定番曲「ディープ・パープル・メドレー」など3曲を奏でた。アニメの楽曲も好む同部。アンコールに応えて楽曲「ルパン三世のテーマ」を響かせて締めくくった。
披露した楽曲数は全12曲。部員が演奏に専念できるよう、同校放送部が舞台演出を一手に引き受けて支援した。本年度の定演を終えて阿部部長は「本番の盛り上がりやノリもあると思うんですけど、昨日や今朝の練習と比べても全然違うと感じるぐらいの演奏ができてすごく楽しかった。盛り上がる曲から静かな曲まで、今日はいろいろな曲を演奏できてどれかは気に入ってもらえたと思う。音楽を通して皆さんに元気になってもらえたらうれしい」と心境を語った。
(2024年3月19日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240319030101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240319030102.jpg)
3商店街で「春よこい」 (新宮市 )
新宮市と市内の3商店街(駅前本通り商店街振興組合、丹鶴商店街振興組合、仲之町商店街振興組合)でつくる「はいから実行委員会」(松本健委員長)は2日、商店街活性化イベント「春よこい」を開催した。各商店街で趣向を凝らした催しを実施。家族連れなど多数が訪れ、にぎわいを見せた。
市中心地の活性化を目的として始まり、コロナ禍に伴う中断はあったものの、10年以上続く恒例の催事となる。今年は世界遺産登録20周年記念も銘打ち行った。
駅前本通り商店街では、射的やヨーヨー釣り、飲食ブースなどが並んだ。熊野曼荼羅(まんだら)太鼓やお祭り新宮節の披露もあった。
丹鶴商店街では、ボルダリング体験や消防体験、アニメキャラで車体を装飾した痛車(いたしゃ)展示などが行われた。チョークで自由に道路に絵を描けるお絵かきロードも設けられた。
仲之町商店街では、新翔高校によるフリーマーケットや風船を使ったパフォーマンス、ダンス披露などが行われた。お菓子のつかみどりやミニ電車への乗車体験では、子どもらが楽しむ様子が見られた。
また連携事業として、同市の「丹鶴ホール」で「よしもとお笑いライブ」が開かれた。ハイキングウォーキングや大西ライオンなど、テレビでおなじみの人気芸人が出演し、抱腹絶倒のステージを繰り広げた。芸人らはその後に商店街にも出向き、ネタの披露やワークショップを行った。
松本委員長は「去年に続き今年も大盛況だった。今年は吉本の芸人さんの参加もあるし、天気にも恵まれて良かった。お客さんにも楽しんでいただけたと思う。今後も3商店街で頑張って活性化していけたら」と話した。
(2024年3月5日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240305010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240305010102.jpg)
手旗を振って再来を祈る
JR新宮駅とJR紀伊勝浦駅で3日、長距離観光列車「WEST EXPRESS 銀河」の紀南コースの最終運行おもてなしイベントがあった。新宮駅では地域住民など約300人が参加。再来を祈りながら手旗を振り見送った。2024年度は山陰コースでの運行しか決まっていないという。
銀河を運行する西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)と「WEST EXPRESS 銀河」受入協議会の主催。銀河の紀南コースは京都―新宮駅間で21年から運行していた。新宮駅では、地元産品などの販売が行われていたほか、子どもにはプレゼントのお菓子が配布された。手旗は全員に配られた。和歌山県と新宮市のマスコットキャラクターの「きいちゃん」と「めはりさん」も見送りに加わった。
参加者はホームに並んで銀河を迎え、記念撮影を楽しんでいた。銀河が出発すると、手旗を振って別れを告げた。乗客が車内から手を振り返す姿も見られた。御浜町から母親のひとみさんと共に参加した中山陽葵君(5)は、「ぎんがありがとう」と書かれた自作の手旗を持参していた。「列車は好き。見られて楽しい。乗ってみたい。しっかりお見送りしたい」と話していた。
富澤五月・JR西日本和歌山支社長は「地元の皆さんに銀河を愛していただきうれしい。おもてなしなどで支えていただき感謝している」と語った。また乗車人数が前年同期比で1・5倍の約4500人となったこと、乗車率も23年度は7~8割で推移したことを明かした。再運行については「多くのエリアから要望があるので、社内で検討となる。決まるには時間がかかる」と応じた。
病気療養中の田岡実千年市長のメッセージの代読もあった。「多くの人に紀南を満喫してもらい、魅力を広く発信できたと感じている。再運行を期待している。決定したら紀南で一丸となり、今まで以上におもてなししたい」と伝えた。
(2024年3月5日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240305100101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240305100102.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240305100103.jpg)
第19回串本町民音楽祭
第19回串本町民音楽祭(器楽・合唱等の部)が3日、文化センターであり音楽に通じるさまざまな舞台発表が町民らの鑑賞を集めた。
町、町教育委員会、串本音楽協会主催。音楽の発表や鑑賞を通して文化活動を盛んにしひいては地域文化の向上に資する目的で年1回、最近は3月の第1日曜日に器楽・合唱等の部、第2日曜日にバンドの部と2日間にわたって開いている。
この日は当初12団体が出演予定だったが、1団体が欠場を申し出たため残り11団体が順に舞台発表に臨む流れとなった。開演に当たり主催者を代表して同協会の西野政和会長があいさつ。文化のまちとしての串本町の特色を語り「この音楽祭も1971年に(旧串本町で)始まったので、もう50年以上続いていることになる。そういう伝統もまちが自慢できる要素で、こうして日頃から活動している各団体やその応援に駆け付けてくれる皆さまのおかげだとありがたく思う。これからもぜひみなさんと力を合わせて文化を盛り上げていきたい」と思いを掲げて引き続きの文化愛好を呼びかけた。
音楽に通じればさまざまなジャンルが出演できる間口の広さが、この音楽祭が大切にしている特色。今回は琴グループ奏楽によるみやびやかな邦楽演奏で舞台発表が始まり、以降は日本舞踊、詩吟、器楽、民踊、コーラス、独唱といったジャンルで日頃の活動成果が各団体持ち時間8分の中で披露された。
バンドの部は10日(日)午後1時から同センターで実施。▽TheJANK▽坊芳太▽UHMOON▽HiRoUmi▽フォークソングキンプ▽M・Y・B―の6組が持ち時間25分で順にミニライブを繰り広げる(楽器など入れ替えの間時間あり)。問い合わせは町教委教育課(電話0735・67・7260、平日午前8時30分~午後5時15分)まで。
(2024年3月5日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240305050101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240305050102.jpg)
那智勝浦町選手団が報告 (県ジュニア駅伝 )
「第23回和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会」(2月11日)で、那智勝浦町の過去最高記録と成績を収めた町選手団の約30人が同月29日、同町役場で結果報告した。寺本尚史監督は「小中学校8校から28人が集まり、家族や多くの方々の応援を頂いた。選手の頑張りとチームメートの支えなどが重なった結果だと思う」と伝えた。
大会には、29市町村からオープン参加を含む44チームが出場。紀三井寺公園陸上競技場から10区間21・1㌔でたすきをつないだ。
那智勝浦町チームは、最高タイムを28秒更新する1時間14分18秒でゴール。入賞まであと一歩に迫る9位となった。オープンチームも昨年を上回る1時間19分17秒をマークした。
堀順一郎町長は「先輩方がなし得なかったことを達成してくれてうれしい。28人の力が一つになってつかんだ記録。挑戦することの素晴らしさ、重要さを忘れず今後も頑張って」とたたえた。
男子の下向奏介主将(下里中3年)は「高い目標を持ち続け、みんなで乗り越えたことが結果につながった。これからも感謝の気持ちを忘れず、さまざまなことに頑張りたい」、女子の中村安祐美主将(同)は「苦しい時もたくさんあったが、多くの人に支えられ仲間と共に乗り越えた。この経験から学んだことや感謝の気持ちを忘れず過ごしたい」と語った。
(2024年3月5日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240305010201.jpg)
ヨッシーさんが啓発講演 (新宮市 )
新宮市の主催による手話啓発講演会「これまでと、これから~いのちのメッセージ~」が1日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」であった。MOVIC performer(ムービックパフォーマー)のyossy(ヨッシー)さん(34)が講師を務めた。市内外から約150人(主催者発表)が参加、手話の必要性を考え直した。
ヨッシーさんは5歳で失聴。大学時代に、耳が聞こえなくてもダンスができることを知った。その後、手話が分からなくても伝わる表現を模索し、体全体で歌の世界観を表現するムービックを立ち上げた。昨年4月に敗血症・脳梗塞を発症し、現在は後遺症のリハビリ中という。
ヨッシーさんは、難聴学級のある中学校に進んだが、手話ができずコミュニケーションが取れなかったことを明かした。「思いが伝わらない悔しさを味わい、手話を教えてと頼んだ。会話の中で覚えていき、コミュニケーションの楽しさを知った」と述べた。
高校時代に「分からないに2種類があると気付いた」と話した。「意味が分からないではなく、聞こえない、情報が入ってこないという意味の分からないがあった」と振り返った。大学時代にダンスを知り、その後にムービックへと発展していく過程も紹介した。
敗血症・脳梗塞で入院した際の出来事も紹介。「目がはっきり見えず、聞こえず、声も出せず、手が震えて文字も書けない。ジェスチャーで頑張ったが伝わらず諦めた」と語った。その後に手話ができる看護師と出会ったが「病院に意思疎通ができない患者と思われていた」と話した。
「改めて、手話が必要と気付いた。皆さんの身にも、いつ何が起こるか分からない。コミュニケーションの手段をいくつか持っておきませんか。日本語と英語みたいな感じで手話があっても良いのでは。未来の自分を救うかもしれません。何度でも言う、手話は必要です」とまとめた。
舞台上でムービックを披露し、拍手喝采を浴びた。参加者をステージに上げての質疑応答もあった。市内から訪れた、近大新宮高校1年の榎本悠紀さんは「複数の言葉を持つという意味で、手話を知っておくことも大事と気付いた。手話を習ってみたいと思った」と述べた。
(2024年3月3日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240303010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240303010102.jpg)
報道機関向け説明会開き (スペースワン株式会社 )
民間小型ロケット「カイロス」の運用を目指すスペースワン株式会社(豊田正和代表取締役社長)が1日、報道機関向けの説明会を開いた。
「カイロス」は串本町田原~那智勝浦町浦神にある射場「スペースポート紀伊(SPK)」から打ち上げるロケットで、全長約18㍍、外径約1・4㍍(機体部分)~1・5㍍(フェアリング部分)、重量約23㌧。日本が70年来培う固体燃料ロケット技術に小型化相応の独自技術を上積みし、固体3段+液体エンジンで軌道へ到達し人工衛星を投入する設計がされている。
その初号機の打ち上げ日時予定は9日(土)午前11時~正午。説明会では豊田社長が思いを述べ、以降は阿部耕三執行役員が同社の現在のミッション段階、関野展弘代表取締役副社長(開発担当)が「カイロス」と射場の概要を改めて伝え、ゲストの東京大学大学院工学系研究科の中須賀真一教授が世界需要に対する「カイロス」の位置付けと展望、その他初号機の打ち上げ当日までの過程などを示した。
過程によると同社は2日前から当日朝まで天候判断(GOかNG)を重ね、それら全てがGOとなればその日の打ち上げに臨む。この判断上の打ち上げ時刻は現状、分刻みの時間帯で示す予定となっている。
当初の計画から2年越しで示した打ち上げ日時予定が着々と迫る状況。豊田社長は自社事業を「宇宙宅配便」と名付けたいと考えを掲げ、「カイロス」が日本の宇宙事業が官主導から民主導へ変わるきっかけとなること、宇宙産業を発展させる地上と宇宙をつなぐ使い勝手の良いインフラとなること、日本の優れた宇宙産業とりわけ利用産業が発展することを願い、最大限全力で初号機の成功(積載した人工衛星の軌道投入)に臨むと意気込んでいる。
(2024年3月3日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240303090201.jpg)
包括連携協定を締結 (北山村と和歌山大学 )
北山村と和歌山大学(和大)の包括連携協定の締結式が2月29日、同村村民会館であった。地域の発展と学術の振興を目指し連携協力していくことを約束した。当面は地域課題解決の取り組みを進める予定でいる。
北山村と和大はこれまでも、じゃばら収穫体験や筏(いかだ)下りの参加者調査などで、連携協力を行っていた。北山村としては、大学が保有する知的・人的資源との連携が力を発揮すること。和大としても地域と大学が共に価値を創る活動に力点を置いていることを背景に、協定の締結に至った。
締結式では、山口賢二村長と本山貢学長が互いに協定書に署名した。山口村長は「連携協定により、大学全体と村全体がより緊密、一体となった事業展開を進めたい。少子高齢化の村にとって、大学やその学生と関わりを持てることは重要。発展のきっかけを与えると確信している」と話した。
本山学長は「協定は大学にとっても有意義で、両者の発展のきっかけとなればと思う。学生が地域で学ぶ環境はいくつもあるわけではない。教育と研究、さまざまなところでご支援いただければ。教育、産業振興、地域課題などについては、われわれとしても支援のしがいがあるし、研究のレベルアップにもつながる」と期待を寄せた。
今後の具体的な事業展開として、学生がじゃばら収穫体験や筏下りなど、担い手不足が進む場所で働き収入を得ながら一定期間滞在することで、地域課題の解決に貢献する計画を考えている。
新宮・東牟婁地域での和大と地方自治体との同様の協定は、昨年1月の串本町に続き2例目となる。
(2024年3月3日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240303090101.jpg)
下里こども園でサッカー教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里こども園(上安みか園長)で2月29日、一般社団法人和歌山県サッカー協会による巡回指導があった。5歳児12人が夢中になってボールを追いかけて楽しんだ。
県内の保育所やこども園にインストラクターを派遣して教室を開くとともに、サッカーゴールやボールを寄贈して競技の普及に取り組んでいる。キッズ委員の吉田佳弘委員長、森一郎さん、岡村環樹さんが来園した。
園児たちはコーンで作った敵をボールで倒すゲームをした後、ボールを2個使った6対6の試合にチャレンジ。ゴールを決めると「よっしゃー!」と大歓声が上がる一方、本気で悔し泣きする姿も。短時間ながら、サッカーの面白さを味わっていた。
ゴールキーパーで活躍した室野日菜ちゃん(6)は「前にもサッカーをしたことがあって、練習したら上手になった。勝つのがうれしかった」と笑顔で話していた。
(2024年3月3日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240303010201.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240303010202.jpg)