新スペースを地域住民が清掃 (那智勝浦町 )
那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」敷地内で、旧太田中学校の講堂を改装した新たな交流スペース整備が進んでいる。3月下旬の使用開始に向けて大詰めとなった20日には、同校の卒業生を含む地域住民ら約40人が集い、清掃活動に汗を流した。
廃校になった校舎を地域の拠点として改修整備し、2016年にオープンした「太田の郷」。地域農産物のブランド化による生産・販売促進や、地域資源を生かした誘客などに取り組んできた。
講堂の改装は「わがらで創る郷の未来『太田の郷を地域資源をもっと有効に活用できるファクトリーと農産業支援拠点へ』」と題し、総務省の過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業の交付金を受けて実施した。
講堂内には、みそやしょうゆなどの発酵食商品を加工するフロアや、水洗トイレ、夏季の農業体験者向けのシャワールームなどを整備。農作物の付加価値向上や就農者支援、地域外の人々との交流拠点とすることで、ひいては農業の後継者育成や移住促進につなげる狙いもある。
水道、電気、ガス関連の工事以外は、大工仕事のスキルを持つ地元住民が尽力し、屋根や床の補修、ペンキ塗りなどをしてきた。古い木造校舎の雰囲気を残そうと、室内はあえて木のままにし、面影を残した改修は卒業生にも好評。擁壁周辺のコンクリート打ちを担当した東佐平さん(79)は「自分は第13期の卒業生。講堂では剣道や卓球、卒業式もした」と昔を懐かしむ。「スペースも広いので、いろんな教室や踊りの練習ができるのでは」と今後に期待を寄せた。
NPO「太田の郷」の石田一事務局長は「いま一度地域の皆で立ち上がり、この拠点に集って、地域を盛り上げる仕組みをつくっていきたい」と力を込める。今後は農繁期を過ぎた5月ごろに完成セレモニーを開催する予定だという。
(2024年2月22日付紙面より)
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新翔高で防災スクール (新宮市 )
新宮市佐野の県立新翔高校(宮井貴浩校長)で16日、防災スクールがあった。自衛隊和歌山地方協力本部新宮地域事務所の山本健さんら8人が来校し、1年生98人らがロープワークや避難所などで役立つ技術のライフハック、救急法を教わった。
防災スクールは毎年、1年生を対象に実施。生徒たちの防災意識を高め、地域防災の担い手として社会貢献できる青少年の育成を目的に行われている。この日は佐野区の役員ら7人も参加した。
生徒らは3グループに分かれて各講習に臨んだ。ロープワークでは本結び、もやい結び、一重結びに挑戦。自衛隊員の説明に耳を傾け、悪戦苦闘しながらも、それぞれの結び方を習得した。ライフハックでは新聞紙を使用した簡易食器作りと、水だけで作れる非常食調理に励み、試食も行った。
救急法の講習時には応急の止血法や、毛布と角材で組んだ担架の作製を学んだ。
佐野区の坂本眞一郎さんは「日頃、区内でも防災について意見を交わすなどしていますが、有意義な時間を過ごせました。改めて知識を確認できた」。
生徒の德村奏磨さんは「難しいところもあったけど、勉強になった。いつ起きるか分からない災害。もしもの時には自分の命を守ると同時に、学んだことを生かして人を助けられるようになれれば」と話していた。
(2024年2月22日付紙面より)
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東牟婁地域でウェブ会議
「東牟婁地域等における大規模氾濫減災協議」が19日、インターネットのウェブ上であった。東牟婁地域で河川がある市町村や、国・県の関係機関などが参加。流域治水に関する取り組み内容の報告を受け、共有した。
各機関の担当者より、減災の取り組み方針や▽古座川▽太田川▽那智川▽佐野川▽周参見川―の流域治水についての説明があった。
全体的な課題として「水害リスクの空白域が存在」「主要河川以外のハザードマップの作成、避難場所、避難経路の見直しが必要」「避難場所・避難経路の見直しに伴う避難誘導の案内看板・誘導灯などの検討が必要」などが告げられた。
古座川、太田川、那智川、佐野川では▽河川改修▽砂防えん堤整備▽森林整備・治山事業―などの実施報告があった。防災教育や災害情報の伝達、河川監視カメラの設置、避難情報の判断などの言及もあった。他地域での流域治水の優良事例の紹介も行われた。
(2024年2月22日付紙面より)
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武者修行プログラムで (那智勝浦町 )
那智勝浦町のコミュニティ消防センターで19日、株式会社旅武者が提供する「地方創生イノベーション武者修行プログラム™」の最終発表会があった。全国から集まった大学生14人がホテル&カフェバー「WhyKumano」オーナーの後呂孝哉さんらにビジネスプランを発表し、二つが採用となった。
ビジネスのリアルを経験する短期集中・実践型プログラム。町内で実施するのは7回目で、テーマは「新しい旅のコンセプト『アルベルゴ・ディフーゾ』~海外観光客向けにゲストハウスの新規サービスを開発~」。
学生たちは2週間かけて観光客らへのインタビューや商品開発、販売・効果測定を展開。最終発表では4チームが▽勝浦マグロジャーキー▽ナッチーバー・おつまみなっちー▽『Bie―Kumano』物販事業プラン▽WhyKibori―を提案した。
採用となったチーム愛燃の「ナッチーバー・おつまみなっちー」は、朝食にぴったりで、おつまみアレンジもできるシリアルバー。「那智黒あめ」を参考に黒糖を使い、アクティブに動く熊野古道歩きの観光客の手軽な栄養・カロリー補給アイテムになる。植物由来の食材を使うことで、ビーガン(完全菜食主義者)の食需要にも応える。
チーム愛燃の大橋さくらさん(19)、浅尾寛太さん(22)、黒沢龍己さん(19)、嶋田心さん(19)は、11日の中間発表時点では具体的な案を出せずに0点評価と苦戦。「偶然持っていたナッツに那智黒あめを絡めてみたことがきっかけ。宿泊中のお客さんに提供すると好評で、改良が楽しかった」と振り返った。
チーム感覚派の「勝浦マグロジャーキー」は、捨てられがちなマグロのあらを活用したジャーキー。味と保存方法などの改善すべき点があるものの、今後も開発をやりきることを条件に採用した。
後呂さんは「正直、ビジネス経験のない学生に飲食提案は無理だろうと思っていたが、ここまでちゃんとしたプランを持ってくるのは予想外。若い人たちの底知れぬ力を感じた」と語り、2案について「実際にお客さんに提供するのが楽しみ」と話していた。
(2024年2月22日付紙面より)
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和田禎佑杯サッカーU―9
てとて杯U―12サッカー大会
特別列車の魅力を楽しむ
JR西日本が運行する観光長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の車両見学会が17日、JR新宮駅の構内であった。親子連れなど約300人が参加。特別列車の魅力を体感した。
「WEST EXPRESS 銀河受入協議会」とJR西日本の主催。銀河は、観光を中心とした西日本エリアの活性化を目指し、紀南の京都―新宮間のほか、山陰、山陽などの方面で運行している。
▽銀河の車内見学▽子ども制服着用体験▽車内での銀河グッズ、地元産品の販売▽新宮駅係員特製の銀河塗り絵▽9店舗参加のマルシェイベント―などの企画が用意されていた。車内見学では、参加者が興味深そうに、座席や客室などを眺めていた。制服体験では、子どもらが制服を着込んでポーズをとり、保護者が撮影して楽しんでいた。
市内から両親と共に訪れた、市川瑠菜さん(5)と進一郎君(3)は「列車は好き。塗り絵が楽しかった」と話した。
同協議会の津越紀宏事務局長は「多くの人に紀南にお越しいただきありがたい。見学会は、普段列車に乗らない人も来てもらい体験してもらえる機会。次は乗ってもらえると期待したい。世界遺産の登録20周年を迎えることもあるので、銀河には来年度も来てもらえるとありがたい」。
新宮駅の道本隆文駅長は「普段フェンス沿いで、子どもが銀河に手を振って見ている様子をよく見かける。今回のイベントで紀南を盛り上げ、楽しんでもらってありがたい。子どもらの笑顔が一番うれしい。来年度もぜひ、銀河に来てもらえたら」と語った。
(2024年2月18日付紙面より)
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那智中学校で防災講話 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立那智中学校(寺地琢也校長)で16日、防災講話があった。リエゾン(情報連絡員)として石川県能登町災害対策本部に派遣されていた那智勝浦町防災対策室の柴田通仁さんが現地の状態を語り、3年生45人が今後の災害への備えについて考えた。
生徒たちの関心が高い能登半島地震について、具体的な被災地の状況を聞くことで災害を追体験し、家族と共に防災に生かしてもらおうと急きょ企画した。
柴田さんは石川県能登町について「本当に那智勝浦町の環境と重なるところが多い」と言及。「『防災』は現在から災害発生までに、自宅の耐震補強や家具固定、備蓄品の準備などをしておくこと。『減災』は災害発生から復旧・復興までの期間に、これ以上被害を広げないようにすること。石川県は『減災』の期間にある」と説明した。
現地の写真を見せつつ「学校の体育館は、避難所や救援物資の保管拠点、時には遺体安置所にもなる」とし、全国の自治体からの応援職員が避難所開設・運営などをサポートしている様子を見せた。
生徒たちに向け「救援物資がまだ十分に行き渡らない中、拠点に届いた物資の仕分け中に『3日何にも食べていないので、今すぐ渡して』と言う人が現れたら、あなたはどうする?」と質問。生徒たちからは議論の末「平等に行き渡るよう、仕分けが終わるまで待ってもらう」「3日食べていないのは周りの人も一緒だと思う」などの回答があった。
柴田さんは「発災後72時間、自衛隊などの救助機関は人命救助に専念するので、最低3日、できれば1週間は自助で生き抜かなければならない」と語り、生徒たちに備えを促した。
岡﨑陽彩さん(15)は「お正月にずっとテレビで被災地の様子が流れていた。この地域でも、もしかしたらもっと大きな災害が起きるかもしれない。備蓄などの備えをしたい」と話していた。
(2024年2月18日付紙面より)
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フランス出身の3人招き講話会 (矢渕中 )
「ようこそ日本へ!」と題した人権講話会が15日、紀宝町立矢渕中学校(立嶋信雄校長)であり、1年生78人がフランス出身の3人から日本の生活や魅力などを聞いた。来日32年のティエリ・ルガールさんは「みんなもいろんな国に出て、たくさんの文化や考え方に触れてほしい。本当の幸せは心の中にある。人生は1回だけ。好きなことを楽しんで幸せになって」と伝えた。
日本で暮らす外国人への理解を深め、相手の立場に立つ想像力と技能を身に付けることが狙い。ティエリさんと、来日10年目のジョラン・フェレリさん、8年目のセドリック・ルタールさんが訪問した。
骨董(こっとう)品が好きだというセドリックさんは「古いものは皆さんの歴史。捨てるのはもったいない。空き家は宝物」と語り「言葉が分からなくてつらかったけど、今は帰りたくない。皆さんも今学んでいる英語を頑張って」とエールを送った。
ジョランさんは山仕事が好きで、24歳で十津川村に移住。「山で遊べる場所を」との思いから「空中の村」をオープンした。「日本は驚きの連続。毎日、新しい発見がいっぱい。支えてくれた日本に恩返ししたい」と話した。
新宮で合気道と出合い、家族と共に生涯日本に住むと話したティエリさん。「日本が好きだけど、日本国籍の取得は難しい」と苦労を挙げた上で「フランス人もない、日本人もない。みんな地球人。自由に行き来できれば最高だね」と語った。ピアノ演奏も披露し、生徒たちが聞き入っていた。
生徒たちは2カ月半あるフランスの夏休みに驚き、「フランスの生徒は休みの日に何をしていますか?」などと質問。3人はサマーキャンプなどを紹介し「よく休んで自分の時間をつくってほしい」と呼びかけた。
(2024年2月18日付紙面より)
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18日の「雪まつり」前に (那智勝浦町 )
4年ぶりの第26回商工祭「南の国の雪まつり」(18日)を前にした17日、メイン会場の那智勝浦町役場駐車場に約100㌧の雪が到着した=写真。長野県白馬村から大型トラック8台で運ばれ、重機で雪山が設営された。
南国の子どもたちに雪と触れ合う機会をつくろうと1986(昭和61)年に始まった企画。18日は午前8時30分から雪山を開放。歩行者天国となった役場周辺では「熊野朝市」や各種物産展が開かれ、9時30分からステージイベントが始まる。雨天決行。会場周辺に駐車場がないため、主催者は那智漁港からのシャトルバスや公共交通機関の利用を呼びかけている。
(2024年2月18日付紙面より)
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春の訪れ告げる「御燈祭り」 (神倉神社 )
熊野地方に春の訪れを告げる「御燈祭(おとうまつ)り」が6日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で営まれた。今年は4年ぶりに一般参加の上(あ)がり子を迎え、1427人(主催者発表)が神倉山に集まり、山頂付近にあるご神体「ゴトビキ岩」の下で御神火を授かって下山した。
1400年以上前から続くと伝わる全国でも珍しい女人禁制の祭り。白装束に荒縄を胴に巻き、草鞋(わらじ)を履いた男たちが、源頼朝が寄進したと伝わる鎌倉積みの538段の石段を上った。
大松明(おおたいまつ)の御神火が上がり子たちの松明に行き渡った午後8時前、山門が開扉され、松明を手にした先頭集団が一斉に飛び出した。
神倉山の麓に架かる太鼓橋付近では、山を下りてくる勇壮な男たちを大勢の家族や観光客たちが出迎えた。
(2024年2月8日付紙面より)
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少年少女発明クラブ (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は3日、新宮市役所別館で2月講座「空気砲を作って学ぼう」を開いた。近畿大学附属新宮高校スーパーサイエンス部の部員11人が講師を務めた。市内の小学生の会員17人が参加。段ボールで空気砲を作り打ち出したほか、大型の空気砲で紙コップを倒し、空気の威力を確かめた。
発明クラブは全国各地で活動をしており、県内でも10市町で行われている。新宮市では、市内の小学4~6年生を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
児童らは、部員の指導や協力を受けながら空気砲を作製した。段ボールを組み立てて直方体とし、一面に丸や三角など好みの穴を描き、部員にカッターで切り抜いてもらった。空気砲が完成すると、閉じたカーテンに向かい側面をたたき、飛び出した空気で揺れ動くことを確認。部員に煙を入れてもらい、空気が飛び出す様子を目視でも確かめた。参加者同士で打ち合って楽しむ姿もあった。
高さ1㍍程度の、大型の空気砲も用意されていた。3㍍ほど離れた場所に、紙コップがピラミッド状に置かれており、これを倒せるかに挑戦。部員に煙を入れてもらい、児童が交代で後ろから押し出し、うまく倒れると歓声を上げて喜んだ。
王子ヶ浜小学校5年生の岡野ななみさんは「作った空気砲は空気がいっぱい出た。大きな空気砲は少しずれて、うまく(紙コップが)倒れなかった。楽しかった。機会があったらまたやりたい」と話した。
(2024年2月8日付紙面より)
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体育文化会館で開催中 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は現在、体育文化会館で気軽に運動ができるオンラインプログラム教室を開催している。6日には「腸がよろこぶエクササイズ」に3人が参加し、30分ほどの有酸素運動やストレッチをした。
ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」などを活用したライブレッスンで、インストラクターとリアルタイムでつながりながら楽しく運動できる。昨年9月に初めて実施し、好評につき1月から再実施している。
この日のレッスンでは、近年注目を集める「腸内環境の改善」にフォーカスし、おなか周りのストレッチからスタート。有酸素運動の後、副交感神経を高めるリラックスタイムもあり、インストラクターは「運動不足、運動のし過ぎはともに体のストレスになり、腸内環境を悪化させる。バランスの良い食事も大事で水溶性食物繊維の多いゴボウやこんにゃく、ワカメなどがお薦め」と呼びかけた。
参加した橋本芳子さん(79)は「程よく体がポカポカする。腸活とピラティスに参加している。やっぱり体を動かさないと」と話していた。
日中には60歳以上の高齢者向けの教室(一部産後の母親などが対象の講座もあり)、夜間には町内在住・在勤の一般成人向けの教室を実施中。バレエ・フィットネス・ヨガを組み合わせた「バレトン」や「骨盤ととのうヨガ」、「肩こり予防エクササイズ」など、バリエーション豊かな講座をそろえている。町ホームページ(https://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/info/1416)などで講座を公開している。問い合わせは町福祉課高齢者支援係(電話0735・29・7039)まで。
(2024年2月8日付紙面より)
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児童と住民ら苗木植える (紀宝町 )
紀伊半島南部に自生する「クマノザクラ」の名所になればと紀宝町立神内小学校(寺本真奈美校長)と神内生き活き協議会(矢熊敏男会長)は6日、校内に初めて苗木3本を植えた。卒業を控える6年生11人が開花を楽しみに作業した。
協議会は神内地区の活性化を目的に住民らで組織して活動しており、2019年度に事業化された自動車専用道路「紀宝熊野道路」が同校の近くを通る予定のことから、学校周辺にクマノザクラの植樹を計画してきた。賛同した日本クマノザクラの会副会長の田尾友児さん(神内)が苗木を提供した。
この日は協議会の会員や田尾さんらが訪れ、6年生と一緒に作業した。矢熊会長は「高速道路からクマノザクラがきれいに見られたらと計画している。卒業の思い出の一つにしてほしい」と呼びかけた。田尾さんはクマノザクラについて2018年に発表された野生の品種で、「ソメイヨシノの代わりになるかもと期待されている。とても花がきれいなのが特徴。春を待ち焦がれている時に一番に咲く」と解説した。
児童らは協力してスコップで穴を掘り、高さ2・5㍍ほどの苗木を植え付け。協議会が用意した看板を取り付け、全員で記念撮影を楽しんだ。
杉浦唯月君は「植樹は楽しかった。貴重な体験をありがとうございました。高速道路から見られる景色を楽しみにしています」と話していた。
(2024年2月8日付紙面より)
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上がり子有志が波受ける (王子ヶ浜で「海中みそぎ」 )
新宮市の神倉神社で6日夜に営まれる「御燈祭(おとうまつ)り」に向け、上(あ)がり子有志5人が同日午前7時ごろ、市内の王子ヶ浜で古式にのっとった「海中みそぎ」に臨んだ。コロナ禍に伴う中断を経ての再開となる。上がり子らは水平線から昇る朝日に向かって一心に祈り、心身を清めた。
海中みそぎは同市下本町の自営業、水野晴夫さん(73)らが中心となって始めて30年以上になる。同日正午ごろにも行われている。
白ふんどしに着替えた上がり子たちは、砂利浜に設けられた祭壇を前に、神倉神社に向かって遥拝(ようはい)。準備運動を兼ねた神事「鳥船(とりふね)」の後、海に入り、神職の福井鉄(まかね)さん(64)の祝詞の下、水平線に向かって手を合わせた。
水野さんはみそぎを始めたきっかけを「かつて御燈祭りが、酒を飲み暴れるけんか祭りのイメージで語られていた。もっと大切にしようと、昔の人々が個人でやっていたみそぎを復活し、ただのけんか祭りではないことを知ってもらおうと始めた」と明かす。
4年ぶりに上がり子が参加できることに歓喜する。一方で「コロナ禍に伴う中断の間にみそぎに来られなくなった人もいる」と肩を落とす。
昨今のロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの衝突、能登半島地震など、不幸続きに心を痛めていると説明。「今日は世界の平和と平穏無事を祈願したい。自分のことは浮かんでこなかった」と心境を語った。
新宮市千穂の西浦昭好さん(56)は「みそぎには毎回参加している。今日は上がり子としては4年ぶりということもあり、すがすがしく気持ち良かった。風もなく、海水温も高い日だった。今日は自分の健康と、家族の健康を祈願したい。健康が第一」と述べた。
(2024年2月7日付紙面より)
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防災行政無線で体制整備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は、防災行政無線で津波に関する緊急情報(大津波警報、津波警報、津波注意報)を発出する際に、日本語に続けて、英語の音声放送を行うよう体制を整備した。新宮・東牟婁郡内では初の試み。
外国人観光客や宿泊客が多い同町では、かねて緊急情報を多言語化する必要性を認識していたが、全国瞬時警報システム(Jアラート)による音声放送は日本語のみ。緊急性の高い津波災害を対象に始めた。
町内放送を行う際には、Jアラートのサイレン・日本語放送直後に、町が手動で英語音声(録音)を流す。町役場に設置される防災対策本部や、2022年に高台移転した町消防・防災センターが放送の役目を担う。
堀順一郎町長は「現状は英語のみだが、TSUNAMI(ツナミ)は世界共通語のため、多くの外国人の方に認識していただけるのでは」と話す。
同町では観光庁監修の訪日外国人旅行者向け災害時情報提供アプリ「Safety tips」の普及にも取り組んでいる。緊急地震速報、津波警報、気象特別警報、避難勧告などをプッシュ型で通知でき、14カ国語に対応。町の観光案内所で外国人観光客にチラシを配布している他、観光事業者向けの防災研修でも周知。引き続き外国人観光客や町内在住の海外出身者の安全確保へ積極的に取り組んでいく姿勢を見せている。
□ □
■英語の放送
【大津波警報・津波警報】
Tsunami Warning! Tsunami Warning!
Evacuate immediately to High place.
(津波警報!津波警報!直ちに高台に避難してください。)
【津波注意報】
Tsunami Advisory issued. Leave coastal regions.
(津波注意報が出されました。沿岸地域を離れてください。)
(2024年2月7日付紙面より)
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串本けいさつ友の会フェス (串本町 )
串本町文化センターで3日、イベント「串本けいさつ友の会フェス」があり約400人(主催者発表)が演奏会や講演、寸劇や体験などを通して警察と共に地域の治安向上を図る機会を得た。
このイベントは、新宮警察署(井田昌樹署長)と串本地区警察官友の会(小森正剛会長)が主催。防犯や防災の意識を高め、ひいては地域の治安向上を図りつつ、住民と共に努める警察への理解を深める機会として計画し、来場者数把握のため事前予約制で来場を呼びかけた。
内容の主軸は大ホールでのステージ企画で、主催者を代表して小森会長が同友の会の活動趣旨を伝え「われわれ住民が警察活動に対する理解を深めれば、治安や地域の発展、福祉の向上に貢献できる」と思いを掲げて来場を歓迎し、県警察音楽隊と県立串本古座高校吹奏楽部が合同演奏で開演を飾った。
続く講演会では接遇講師として著名な平林都さんが「社会人としてのマナーとは」と題して登壇し、相手への気遣いの大切さを伝えた。寸劇では同校演劇部と同署署員が交流サイト(SNS)の危険な側面(ストーカー被害)、キャッシュカードのすり替え(預貯金詐欺)やパソコンのウイルス感染を装い電子マネーによる支払いを迫る(架空料金請求詐欺)など実際に発生している特殊詐欺事例を実演。部員の迫真の演技と署員のユーモアを交えた演技で緩急をつけながら、これら犯罪の被害に遭わないための発想を促した。
終盤では県警察音楽隊が単独演奏を響かせ、井田署長があいさつを述べて締めくくった。ステージと並行して1階ロビーでは警察活動越しに見た被災を伝える災害写真パネル展があり、ステージ開演前などで鑑賞を集めた。駐車場では白バイやパトカーの乗車体験や県の地震体験車「ごりょう君」による大きな揺れの体験といった機会の提供もあった。
(2024年2月7日付紙面より)
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神事で供える特殊な餅 (御燈祭り )
新宮市の熊野速玉大社双鶴殿で6日午前、4年ぶりに一般参加の上(あ)がり子を迎え斎行される夜の御燈祭(おとうまつ)りで神倉神社神殿に供える特別な餅「かがり御供(ごく)」作りが行われた。祭りで介釈(かいしゃく)を務める神倉青年団員らが、祭りで使用するヒノキの介釈棒で回りながら餅をついた。
この日は団員をはじめ上野顯宮司、猪飼三雄・神倉神社奉賛会長ら約15人が参加。ふかしたもち米を石臼の中に入れ、8升分をついた。出来上がった餅は細長く伸ばしてはさみで約3㌢の正方形に切り、3枚に合わせてわらひもで十文字に縛り、男結びにしていった。
神倉青年団の中山忠吏さんは「前日に降った雨の影響が心配でしたが、いい天気に恵まれて安心しています。御神火を頂く大松明(おおたいまつ)を持たせていただく立場として、しっかりと上がり子に火を届けていければ。みんながけがのないよう、祭りに奉仕していきたい」。
上野宮司は「昨日は清めの雨をしっかり頂き、春を思わせる天候で当日を迎えることができてすがすがしい気持ち。うれしさと同時に緊張の面持ちで斎行していきたい」と話していた。
(2024年2月7日付紙面より)
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11日、午前11時スタート
出前授業で児童が学ぶ (神倉小学校 )
NHK和歌山放送局による出前授業が1日、新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)であった。5年生72人が、NHKの仕事を学んだり、中継車を見学したり、カメラを触ってみたりした。
NHK和歌山は、総合テレビで毎週月曜から金曜の午後6時30分から放送している「ギュギュっと和歌山」内で、5日(月)から9日(金)まで「新宮市ウイーク」を実施する。6日(火)の御燈祭(おとうまつ)りの生中継などを予定している。神倉小での出前授業の様子も、このウイーク内の7日(水)に放送する予定となっている。
出前授業は組ごとで行われた。NHKのスタッフが児童らに、仕事の概要を説明。「公共メディアのNHKの重要な役割は、緊急時、例えば災害があった時に、いち早く避難などの情報を届けること。皆さんの命や暮らしを守る役割がある」と話した。「ギュギュっと和歌山」も紹介。「この学校の3年生の草鞋(わらじ)作りの様子も放送された」と明かした。
児童らは中継車も見学した。スタッフが、内部の機器類や屋根に付くアンテナについて説明。「中継車の中で作った映像を、放送局に届けるのに使うのが屋根のアンテナ。通信衛星に電波を飛ばして放送局に届ける」などと伝えた。
カメラについても説明を受けた。スタッフが「緑の幕の前であれば、自分以外の映像を合成できる」と語った。実際に児童が緑の幕の前に立ち、背景が合成した海の中の映像になることをモニターで確認した。カメラの取り扱いも体験した。
田中咲伍君は「中継車をはじめ、いろいろな機械を見られてよかった。カメラの操作は難しかった。中継車の中で背景を変えたりできるのはすごいと思った」と話した。
(2024年2月3日付紙面より)
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下里防災隊が住民招き (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(堺高行校長)は1月31日、同校に高芝区民や保護者らを招き「下里防災隊」の発表会を開いた。6年生19人が制作した高芝区の防災マップを配布し、学んできたことを発信した。
6年生は本年度、学校裏の大丸山の避難路清掃やフィールドワーク、和歌山県土砂災害啓発センターや町役場防災対策室による授業、各区の区長らとの意見交換などで、防災に関して総合的に学んできた。
学習のまとめとして完成させた高芝区のマップには、ブロック塀や崩れそうな崖、空き家などの危険箇所だけでなく、避難の際に安全に通行できそうな広い道や災害時に活用できるトイレ・自動販売機なども記載されている。発表会では、地震・津波発生のメカニズムや過去の大規模災害の教訓、防災バッグの中身など幅広い内容を伝えた。
児童の学習にも協力してきた国土交通省国土技術政策総合研究所道路地震防災研究室(茨城県)の長屋和宏・主任研究官は、1月1日に発生した能登半島地震の現状を伝え「『自分たちの地域でも同じことが起きるんじゃないか』という視点で見ると、いろいろなことが見えてくる」と語った。開発した防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」のワークショップもあった。
高芝区の伊藤善之区長(67)は「地域をよく見て勉強してくれたと感じる。子どもたちが遊ぶ場所の近くはブロック塀を撤去するなどしているが、対策ができていない場所もある。区としても防災に取り組んでいきたい」と話していた。
この日は高芝区と連携して登校時避難訓練も実施する予定だったが、雨天で中止した。
(2024年2月3日付紙面より)
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西向小6年生らを招いて (串本町 )
「世界湿地の日」の2日、串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターでサンゴ骨格標本観察会があり、町立西向小学校(河田恵美校長)の6年生が招きを受け専門家から教わる機会を得た。
世界湿地の日(2月2日)は、湿地に関心を持ちその大切さを知ってもらうため国際条約「ラムサール条約」採択日(1971年2月2日)にちなんで国連が制定した記念日。串本町には世界最北限のサンゴ群落と伴う生物多様性を誇る串本沿岸海域が2005年に同条約湿地として登録された経緯があり、その価値を伝える趣旨で町、南紀熊野ジオパークセンター、株式会社串本海中公園センターが共催でこの日から16日(金)まで、南紀熊野ジオパークセンターを会場にして企画展「ラムサール条約湿地パネル展」を開いている。
観察会はこの企画展に連動して計画。西向小6年生は串本海中公園センター水族館の森美枝館長から同条約の概要と湿地が自然や人間の生活に果たす役割、登録湿地の一つである串本沿岸海域がなぜ大切なのかの理由など、南紀熊野ジオパークセンターの本郷宙軌研究員から火成岩で浸食に強い潮岬台地があることで同じ町内でも西と東で海の環境が違い西にはサンゴ群落が発達していることなどを教わり、終盤で複数種類の同標本を間近に観察してその印象を深めるなどした。
児童の岩本柚咲さんは「湿地が自分たちの生活にも関わっていて、温暖化を防いでくれていると聞いて驚いた。これからも大切にしていくためにごみを出してはいけないし、道の溝も(串本の)海とつながっているのでそこへごみを捨てようとする人を見かけたら声をかけないといけないと思った」と参加して思ったことを語った。
同パネル展はこの条約の趣旨や串本沿岸海域の登録湿地としての特色などを8枚の解説パネルで紹介する内容で、開館中の午前9時~午後5時に随時鑑賞できる。
(2024年2月3日付紙面より)
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保育所やこども園などで節分行事 (新宮市、那智勝浦町 )
新宮市と那智勝浦町内の保育園、保育所、こども園で2日、節分行事が行われた。園児らは歌やゲームなどで楽しいひとときを過ごした。
那智勝浦町立宇久井こども園(荘司千保園長、園児62人)は節分集会を開いた。各クラスの代表園児が自分たちの作ったお面を紹介した後、全員で節分にちなんだクイズに挑戦。「節分には何をまく?」「鬼がはいているのは何?」などの問題に答えた。
パネルシアターでは、物語を通して職員から節分の由来の説明に耳を傾けた。後半には、赤と青の鬼が登場。突然の出来事に泣き出す園児もいたが、すぐに盛り上がり、歌「まめまき」を一緒に合唱した。
最後は、2カ所に分かれてボールを籠に入れて競う「豆入れゲーム」に元気いっぱい取り組み、笑顔を見せながらにぎわっていた。
(2024年2月3日付紙面より)
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