城南中が「エンジリボン活動」を始動 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)では、独自の取り組みとして今月から「エンジリボン運動」をスタートした。活動を通して差別や虐待のない温かな社会となるよう校内外に訴求していく。
同校では、子どもたちを保護者の温かい気持ちで包み、やがて子どもたちが守ってあげられる側の人間に成長してほしいといった思いを込め、2015(平成27)年から11月の「児童虐待防止推進月間」に合わせて毎年オレンジリボンの授業を実施。命の大切さに加え、人権意識を高揚させて生徒・教師・家庭をつなぐ取り組みとして定着させてきた。
エンジリボンは、同校のイメージ色である「えんじ色」を採用し、校訓を取り入れ「あらゆる差別と偏見をなくし、明るく・仲良く・正しい社会(未来)をつくる運動」をテーマに始動。授業やさまざまな活動を通し、部落差別をはじめとした根強く残る差別やインターネットにおける誹謗(ひぼう)中傷など、現代社会ならではの新たな差別に対応していくとしている。リボンは11日に行われたオレンジリボンの授業で、生徒らに初めて公開された。
多様化する問題に対し、リボンには「しなやかに強く生きてほしい」「誰かに相談できる勇気を持ってほしい」との思いを込めた。森浦展行・主幹教諭は「生徒たちは授業で手渡したリボンと、その意味を大切にしてくれているのを感じました。取り組みを通じて次の世代に伝えていけるような大人に成長してもらえれば」と話している。
(2020年11月27日付紙面より)
日野RDが珍魚釣りに挑戦 (串本町 )
串本町総合運動公園でキャンプ中のラグビートップリーグ所属チーム・日野レッドドルフィンズが25日、串本漁港の一角で南紀串本観光協会が提供するプログラム「珍魚釣り体験」に取り組んだ。
大人数でのキャンプを受け入れ支えてくれる地域への恩返しの思いを込めて取り入れた、全員参加のトレーニングメニュー。選手らは4チームに分かれ対抗戦を繰り広げる形で珍魚釣りに臨んだ。
同協会の宇井晋介事務局長ら職員や釣りに詳しいアドバイザリースタッフ候補がその挑戦をサポート。選手らは触れてはいけない魚種を確認した後、チームごとに陣地を決め珍しそうな魚影の情報をチーム内で回しながら釣果を重ねた。
カサゴやアイゴ、フグ類が数の上位を占める中、オハグロベラやテンジクイサギ、カゴカキダイやフエダイといったレア魚もチームそれぞれに釣り上げた。元・串本海中公園センター水族館館長で魚類に詳しい宇井事務局長が審査してチーム順位を決め、同協会と同町から景品を贈って各チームの健闘をたたえ合った。
地元の体験を皆で協力して楽しむ過程を通して地域貢献とチームビルドを両立させるのがこのメニューの狙いとするところ。堀江恭佑キャプテンは「普通に釣りをする人はいるが珍魚釣りは全員が初めてで、この人数でできたこともあってすごく楽しめた。僕たちはチームビルドという目的で合宿に来ているが、どのチームもコミュニケーションを取って楽しみながらチームワークができていたところがとても良かったと思う」。
オーガスティン・プルキャプテンは「聞くところによると串本は世界でも魚釣りが有名な場所だそうで、今日は実際にその釣りをさせていただけてとても楽しかった。この2年ぐらい合宿に行く機会がなく、マネジメントの皆さんにチャンスをつくっていただきチームとして行くことができた。今日は選手みんなの楽しむ表情を見ることができて良かった」と取り組みの印象や手応えを語った。
この日は希望者を対象にし早朝のシーカヤック体験にも取り組んだ。同チームが串本でキャンプをするのは初で、期間は28日(土)まで。
(2020年11月27日付紙面より)
2町1社と連携協定を締結 (古座川町 )
古座川町が20日、すさみ町、上富田町、株式会社南紀白浜エアポートとサイクルツーリズムにかかる連携協力に関する協定を締結した。
この協定は、紀南エリアにおいてサイクルツーリズムによる観光推進事業の発展と地域活性化を推し進める上で、4者が連携協力する根拠となるもの。締結式は南紀白浜空港であり、すさみ町の岩田勉町長、上富田町の奥田誠町長、古座川町の西前啓市町長、同社の岡田信一郎社長がそれぞれにあいさつを交わし、協定書4通に記名押印して発効させた。
▽紀南エリアをEバイク(電動アシスト付きスポーツ自転車)などで周遊するためのコンテンツ整備▽紀南エリアの魅力を伝えるサイクルツーリズム商品の共同開発▽サイクリングを軸とした観光情報の発信▽その他4者が有益と認める事項―における連携を定める内容で、経費は展開する事業ごとに4者で協議して案分、協定の有効期限は1年間とし期限終了30日前までに4者のいずれかから改定や終了の申し出がない場合は同一内容で年次更新するとしている。
古座川町地域振興課によると、3町に共通する点としてレンタサイクルにスポーツ自転車を取り入れている点があり、すさみ町と上富田町は先駆的にEバイクを導入している。これら自転車をレンタル利用する時の行動圏を考えた場合、3町とも町域を越えた利用が想定でき、Eバイクについては町域を越えた先で給電やバッテリー交換ができる連携拠点も必要になる。
町域外の連携拠点での乗り捨て(レンタルの終了)も含めた利用環境を整えるのがこの協定の喫緊の目的で、まずは近い将来にスポーツ自転車のレンタル事業を考えている同社を含めた4者で協力の根拠をつくった。この枠組みを母体にして連携の幅を今後さらに広げ、行動圏となる県南部広域をサイクルツーリズムの地として盛り上げることを目指しているという。
(2020年11月27日付紙面より)
委員会で事故情勢など確認 (南郡交対協 )
南牟婁郡交通安全対策協議会(会長・大畑覚御浜町長)による委員会が25日、同町役場くろしおホールであり、12月1日(火)から始まる「年末の交通安全県民運動」期間中の取り組みを協議した。
運動は交通事故防止の徹底を図ることが狙い。10日(木)までの10日間で▽子どもと高齢者の交通事故防止▽横断歩道における歩行者優先の徹底▽シートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底▽飲酒運転等の根絶―を重点に掲げる。
委員会であいさつした大畑会長は「年末年始にかけて慌ただしくなり、交通事故の多発が懸念される。この地域から悲惨な事故がなくなるようしっかり取り組みたい」と述べ、関係機関の協力を求めた。
紀宝警察署の濱口裕史署長は10月末現在の交通事故情勢を報告。県内、管内ともに減少しているとしながらも、県内の死者65人中、約半数が高齢者とし、さらなる高齢者の安全対策が課題とした。
管内では、横断歩道での「まもってくれてありがとう運動」を推進し、飲酒運転の夜間検問を積極的に実施するとした上で「一人でも多くの町民、市民に交通安全意識が浸透するよう取り組みたい」と述べた。
運動期間中、初日の広報啓発活動を皮切りに、安全運転管理推奨像の伝達式、ハンドルキーパーモデル事業所の指定、通学路での街頭指導活動などに取り組む。
(2020年11月27日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
第29回LC杯少女バレー
県高校新人卓球大会
県小学生秋季選手権・インドア県予選会 (ソフトテニス )
赤十字奉仕団と地域連絡協議会 (太地町 )
太地町赤十字奉仕団(和田千明委員長)と太地町地域連絡協議会(法花真左美会長)は23日、町内の避難路を歩く「小学生と歩く太地町避難道防災ウオーク」を開催した。園児、児童15人含む団員や会員、保護者など計21人が参加し、ウオーキングを楽しみながら防災への意識を高めた。
防災ウオークは両団体が協力し、モデル赤十字奉仕団活動の一環として実施。今年8月の飛鳥神社大絵馬作成に引き続き2回目の事業となり、日本赤十字社和歌山県支部の助成で行われた。
発生が懸念される巨大地震や津波を想定し、児童に町内の避難階段などを知ってもらい、防災意識の高揚を促すとともに、世代間の交流を図ることも目的だという。
法花会長は「天気にも恵まれたので良かった。皆さんで仲良く歩きましょう」とあいさつ。
この日は町多目的センターを出発し、同町太地にある「いさなの宿 白鯨」前の避難階段を確認し上った。道中、同団員らは児童らに対し、同町の歴史や名所の説明を行い、浅間山(せんげんやま)を登った。
続いて、一行は太地町立くじらの博物館(林克紀館長)のシロナガスクジラの標本前に集合。赤十字奉仕団が教材としてインターネットで公開している「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう」を元に手作りで紙芝居化したものを和田委員長が読み聞かせた。
児童らは紙芝居からコロナの実態や危険性、自身が取るべき行動などを学んだ。その後はクジラのショーなどを楽しんだ。
参加した町立太地小学校6年の由谷蓮太郎君は「今日は良い運動になった。知らない避難階段もあったので勉強になった。地震が起きたときはしっかりと避難します」と話した。
和田委員長は「防災訓練への子どもたちの参加が少ないため、このような場で防災について楽しく学んでほしい。次世代を担う子どもたちには太地を愛し、将来も太地をよりどころに感じていただける人になっていただきたい」と語った。
(2020年11月26日付紙面より)
神倉小6年生がふるさと学習事前授業 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で24日、ふるさと学習に向けた事前授業があった。6年生83人が、熊野学研究委員会や市文化財保護審議会で委員などを務める中瀬古友夫さんから市が発展した経緯や川原家(かわらや)などについて学んだ。
ふるさと学習は神倉小学校運営協議会(下岡輝子会長)が取り組む「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに地元の歴史や文化を学んでもらい、愛着を持ってもらおうと、同協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力の下に取り組んでいる。12月10日(木)には県立新翔高校の野間清教諭と同校生徒による川原家作りの見学を行う予定になっている。
事前授業で中瀬古さんは、明治時代末期と現在の熊野速玉大社下の河川敷の写真をスライドで紹介。当時の住宅である川原家を説明し「昔はここで生活している人が多くてお店などもあり、200軒ほどの川原家がありました。かつてこの地域は材木が盛んな町で、本宮町や奈良県十津川村、北山村などから筏(いかだ)で運ばれ、新宮から東京や大阪に向かい木炭や和紙などと取引されていた」と述べた。
「一見、不便に見えるかもしれませんが、当時の人たちにとって舟での移動が中心だったので陸路よりも距離が短く、むしろ便利に感じていたと思います。新宮市は熊野川と一緒に成長してきた町。昔の発展があったからこそ今があるという歴史を理解して、見学に臨んでください」と呼び掛けた。
上野碧(あお)さん(12)は「昔と今の写真を比較して地形は変わっていないけど、建物が川原家なだけで大きく雰囲気が違って驚きました。勉強していく中で、自分たちが住んでいる町をもっと知っていきたい」と話していた。
(2020年11月26日付紙面より)
串本環境学習FPを初実施 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が22日、実証モニターツアー「串本環境学習フィッシングプログラム(FP)」を実施し、親子38人が串本海中公園見学や珍魚釣り体験を通して串本の海の環境に親しんだ。
このツアーは、環境省「国立・国定公園への誘客の推進事業」の適用を受けて同協会が展開する「本州最南端 自然を学べる環境学習型フィッシングプログラム整備事業」の一環。
適用により同協会は将来的に同プログラムの定着を目指す状況にあり、コロナ禍の情勢を考慮しつつ具体的な形として同ツアーを22日と29日(日)の2回実施することを計画して告知し、まずは主ターゲットの地域外、次いで地域内から事前申し込みを募った。両日とも定員40人をほぼ満たす申し込みを得ているという。
初回の22日は、同事業の一環で研修育成中のアドバイザリースタッフ候補11人とオブザーバーのオダギリサトシさんらが親子の一連の活動をサポート。前半は串本海中公園センター水族館で館内展示やバックヤードなどを見学して串本の海の実像のイメージを培い、昼食休憩を経て後半は串本漁港へ移動し珍魚釣りを体験した。
触れてはいけない魚を教わった親子は貸し出しや持ち込みの道具で魚を釣り上げ、その感覚を重ねて経験しながら参加者一丸で水槽「串本珍魚釣り水族館」を仕立てて串本の海に宿る豊かな生態系の一端を実感した。
2回目の29日も39人の申し込みを得ているそう。同事業を担当する宇井晋介事務局長は「珍魚釣り自体はこれまでにも大会や体験を実施してノウハウがある。今回は初めて串本海中公園とコラボして実施。串本の海のイメージを持ち、釣り好きの皆さんにじかに教えてもらって釣り上げた時の親子の喜びを見て人の関わりは本当に大事だなと感じた。アドバイザリースタッフの価値を感じる良い機会にもなった」と初回の手応えを語った。
(2020年11月26日付紙面より)
新嘗祭・献穀講祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は23日、「新嘗祭(にいなめさい)・献穀講祭(けんこくこうさい)」を営んだ。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年にとれた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝する祭り。
同大社でも神前に新しい穀物などをささげ、農作物の恵みに感謝した。責任役員や町内の農家からなる献穀講員ら11人が参列し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。
祭りでは男成宮司が祝詞を奏上し、正装した2人の巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納した。献穀講代表の大江清一さんらが玉串をささげた。
大江さんは「今年の豊作をお礼に来た。来年の豊作や関係者の健康もお祈りさせていただきました」と語った。
(2020年11月26日付紙面より)
新宮弓友会主催の月例射会
那智勝浦町総合体育大会
U―8キッズサッカーフェスティバル (和歌山県サッカー協会 )
給食に「熊野なまず」登場 (新宮市 )
新宮市で、市の第三セクターである新宮港埠頭株式会社(小池㬎二(けんじ)社長)が同市木ノ川の養殖場で完全養殖を手掛ける「熊野なまず」の給食提供が始まった。市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長)では20日、「熊野なまずのフライ」が献立に登場。園児らは「お魚大好き」「サクサクしてる」などと感想を口にしながら、熊野なまずの味を堪能した。
「熊野なまず」は同社が不純物のない地下水を使用し、産卵から稚魚の育成、成魚に至るまでを完全養殖している。国内で販路を広げる傍ら、アメリカ、EUのHACCP(ハサップ)を取得するなど、海外への輸出も視野に入れた取り組みを展開している。
昨年から市内小中学校の教員や保護者、管理栄養士らへの試食を繰り返し学校給食への採用につながった。今週から熊野川小・中学校、高田小・中学校で提供が始まっており、来週には佐野保育所の献立に登場する。旧市内の小・中学校では来年1月からの提供を予定している。
同社食品部の池内正巳・営業課長は、新型コロナウイルスの世界的流行の影響で、製品の海外輸出や、国内のホテルや飲食業者との取引が厳しい状況であるとしながらも、県内特産物の給食への積極的活用を促す(公財)和歌山県学校給食会への登録を済ませ、県内各校にサンプルを送るなどして給食への採用を広く呼び掛ける活動を実施。
「調理しやすい」「骨がなくて食べやすい」「おいしい」など、各校や栄養士、給食センターの職員らからの評判は上々。最近では県内の介護施設にも納入を行い、施設利用者からも好評を得たという。
丹鶴幼稚園では、「熊野なまず、おいしいですか」の質問に対し、園児らが「おいしいです」と元気に返答。下岡園長は「以前に試食をしたところ臭みがなくてびっくりした。食べやすく、子どもたちも喜んでいると思います」と話していた。
(2020年11月22日付紙面より)
新宮市庁舎
東洋・海邊特定建設工事共同企業体は21日、新宮市庁舎地下に設置されている免震オイルダンパーの交換工事を開始した。
免震オイルダンパーは油の粘性を利用して建物の揺れを軽減する装置。2018(平成30)年、KYB株式会社およびカヤバシステムマシナリー株式会社が製造した免震・制振オイルダンパーに、検査データの改ざんが行われていたことが判明。問題の表面化に伴い、市庁舎に同社製品が使用されていることが分かった。庁舎地下1階に4基が設置されている。
以降、市は施工業者である東洋・海邊特定建設工事共同企業体を交え、KYB側と協議を進めており、KYBの負担で全て交換することが決定していた。同社製品を使用した建築物は全国で1000近くに及ぶという。
工事工程は▽免震オイルダンパーの搬入▽交換(4本すべて)▽旧免震オイルダンパーの搬出▽資材搬出・片付け。この日は全長2・7㍍、重さ505㌔の免震オイルダンパー4基が庁舎地下に搬入された。
工事期間は23日(月・祝)まで(予定)で、搬出に伴い市役所駐車場の一部が利用できない場合がある。
(2020年11月22日付紙面より)
児童が高齢者疑似体験 (太地町社協 )
太地町社会福祉協議会(岡本研会長)が福祉教育推進校に指定している太地町立太地小学校(宮本礼子校長)で18日、今年度3回目の福祉学習があった。4年生児童5人は同町社協や地域包括支援センターの職員の指導の下、高齢者の疑似体験に取り組んだ。
福祉学習は児童がさまざまな人の立場や人生を体験することで、課題を自身で考えて福祉への学びを深めることが目的だという。
1回目は全盲の体験や点字学習を、2回目は聴覚障害や手話を学んだ。
岡本会長は「高齢者の方々の疑似体験を通してどんなことやどんなときが不便なのかを感じて考えてほしい。そしてその内容を聞かせてください」とあいさつ。
同センターの谷口徹さんが福祉やその考えについて講話を行い、「けがが治らず歩けなくなってしまった場合に、『歩かなくても仕事ができる』『学校に通える』方法を考えることが大切になる。今日、疑似体験をする皆さんがお手伝いできることもあります」と述べた。
続いて、児童は2人一組となり、片側の腕や足に重りや腰が曲がった状態をつくる装具を、視界が悪くなるゴーグルやイヤーマフなどを装着。もう一人の児童が起き上がりや歩行などの介助を実践した。
そのほか、利き手の指にテープを装着し、指が使いづらい状態で箸を使用したり、自転車が後方から近づいた際の感覚などを学んだ。最後は車いす体験に取り組んだ。
宮本校長は「福祉学習は良い機会になっています。体験を通して声掛けや介助の重要性を学んでいただき、優しい思いやりの心を身に付けてほしい。そしてその思いやりを行動に移す子どもになっていただけたら」と語った。
(2020年11月22日付紙面より)
文化審議会が指定を答申 (串本町 )
国の文化審議会(佐藤信(まこと)会長)が20日、串本町にある県指定史跡「樫野埼灯台及びエルトゥールル号遭難事件遺跡」を国の史跡として指定することを文部科学大臣に答申した。今後の官報告示をもって指定が発効する流れとなり、田嶋勝正町長は「同事件から130周年という大きな節目に国の史跡として指定されることをうれしく思う」と喜んでいる。
同町内では熊野参詣道大辺路に続き2例目となる指定。「樫野埼灯台及びエルトゥールル号遭難事件遺跡」は▽遭難者墓地▽遭難者上陸地▽船甲羅▽樫野埼灯台旧官舎▽樫野埼灯台―を構成文化財とし、指定地面積は遭難海域も含むため約8万6238平方㍍となっている。
史跡としての起点は1959(昭和34)年の「トルコ軍艦遭難者墓地」(=トルコ軍艦遭難慰霊碑一帯)の県史跡指定にあり、後に構成文化財としてエ号が座礁した岩礁・船甲羅(周辺海域を含む)と遭難者上陸地と樫野埼灯台旧官舎が加わり史跡名は「エルトゥールル号事件関連遺跡群」、さらに樫野埼灯台が加わり「樫野埼灯台及びエルトゥールル号遭難事件遺跡」と変遷。同審議会文化財分科会が現在の枠組みで審議をして国の史跡に指定することを決め、この日の答申に至った。
国指定史跡としての位置付けは「近代における大規模かつ国際的な海難とその後の防災意識や日本とトルコとの国際交流・慰霊の歴史を明らかにする貴重な遺跡」となっている。
田嶋町長は今回の指定の背景には樫野埼灯台旧官舎の整備や語り部による史実の顕彰、大島小児童をはじめとする住民による清掃活動など、さまざまな関わりを通して史跡を大切にしていることへの評価も含まれると捉え、各当事者に感謝。
同事件は国際的な海難事故に対する全国的な支援活動として語り継ぐべきものだと認識を掲げ、今後について「関係団体と連携して史跡の維持管理に努め、ロケット打ち上げに伴う来訪者の増加も見込まれる状況なのでいっそう親しみやすい環境整備も意識しながらPRをしていきたい」と話した。
(2020年11月22日付紙面より)
課題探究ポスター発表会 (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校(前田成穂校長)で17日、「合同課題探究ポスター発表会」(榎本泰雅実行委員長)が開かれた。1、2年生349人がグループごとに設定したテーマで、「総合的な探究の時間」に取り組んだ調査・研究の内容を発表し、質問に答えた。
日常生活や社会に目を向けたときに出てくる疑問や関心に基づいて自ら課題を設定し、情報収集や分析を通じて問題解決に取り組み、明らかになった考えや意見を表現する力を培うことが目的。課題に対する調査や考察に加え、2年生は論文作成も行う。
発表会は、学年を超えた聞く人との質疑応答を通じて新たな観点や課題の発見、自分が導き出した結論の見直しにつなげるとともに、コミュニケーション能力を高める狙いもある。今年は84グループが3部に分かれ、各ブースで模造紙にまとめた内容を発表した。
オープニングセレモニーで榎本実行委員長は「今日まで、それぞれの課題に向かって取り組んできた。特に1年生は調査や考察が難しく、うまくいかなかったこともあったと思う。発表では全力を尽くし、これまでの調査結果や考えたことを最大限活用して頑張りましょう」とあいさつ。
生徒たちは「夜きちんと眠れていますか?~授業中にせまる睡魔のヒミツ~」など日常生活から着想を得た疑問や、「新宮市の観光名所とコロナ対策」といった新型コロナウイルス禍中の社会問題、「自然を壊すマイクロプラスチック」などの環境問題を取り上げ、テーマ設定の理由や立てた仮説、調査や考察の過程を説明し、結論について議論する中で互いに知識を深めていた。
(2020年11月19日付紙面より)
PTA連絡協議会が臨時役員会 (新宮市 )
新宮市立緑丘中学校で17日夜、新宮市PTA連絡協議会(市P連、金田有史会長)臨時役員会が開かれた。市内5小学校と5中学校、10校の校長・教頭、教職員らが出席。「県立高等学校の今後の在り方」について、各校育友会の声を集結し意見交換を行った。
県教委は、「現在29ある県立高校(全日制)の数を、今後15年で3分の2となる20校程度とするのが適正」などとした「きのくに教育審議会」の答申を受け、各地域から寄せられた意見を基に再編整備実施プログラムを作成していくと方向性を示している。
新宮、新翔の両校統合も視野に入れた和歌山県立高校の再編問題。この日の会議には▽三輪崎小▽光洋中▽熊野川小▽熊野川中▽高田小・中▽神倉小▽緑丘中▽王子ヶ浜小▽城南中―が参加。各校が保護者らへのアンケートなどで集約した意見を報告。オブザーバーとして県立みくまの支援学校も意見を提出した。
市P連はこの日の報告内容と「もう少し時間をかけて詳しい情報を開示しながら進めていってほしい」などといった多数意見を再度集約。26日(木)に行われる懇談会で県教委に提出する予定。
□ □
■各校育友会から寄せられた意見(一部)
▽学びなおし学科やオンラインを伴う通信制、紀南地方ならではの海洋関係の学科や自然学科、グローバル科、少人数で特色のある学科も設置してほしい
▽英会話授業、ICT教育が充実した学科が必要
▽総合学科を残し、県外からも広く募集できるようにしてほしい
▽クラブ部員が少ないので分校(別校舎)になってもクラブは合体したほうがいい
▽新宮高校は伝統を守ってほしい
▽紀北(和歌山市)を中心に話は進んでいる。紀南の地域性などの声は届きにくい現状かと
▽概要に「高校の活力や多様化が低下」「高校の魅力が低下」とあるが、県教委は地域や学校に責任転嫁しているように感じる
▽子どもたちの環境の変化が大きい。子どもたちの声を聞いてほしい
▽校風などになじめない生徒のためにも分校として学級を残す必要があると考える
▽学校が減ることによって1クラスの人数が増えて教育の質が低下するようなことがあってはならない
▽遠方から通学する生徒に対する通学費や寮費などの支援を
▽学力の向上やパソコンなどの資格取得の支援に力を入れてほしい
▽地元に根差した学科(農林・水産・観光)を
▽2校を存続してほしい
▽就職につながるクラスも残してほしい
▽プール、実験施設、宿泊施設など、両校の生徒が有効に活用できるようにしてあげてほしい
▽スクールバスを保有し、生徒の送迎や部活練習の移動に利用してほしい
▽専門科を作って地元に就職して人が残るようなことも考えてほしい
▽働く場所が限られている。看護・介護・保育など専門的な学科の設置を
▽高校に支援学級を設置したり、高校と特別支援学校の中間のような学校があったらいい
(2020年11月19日付紙面より)
紀宝町民児協の11月定例会
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)の11月定例会が17日、町福祉センターであった。委員約30人が参加し、津本地区自主防災会と町防災対策室の取り組みを通して、コロナ禍における防災対策を学んだ。
津本自主防災会は2011(平成23)年9月の紀伊半島大水害を契機に、翌年4月に発足。14(平成26)年に避難所の津本防災センターが完成し、防災チャレンジ大運動会や訓練など防災の拠点として活用しているという。
町防災対策室の鈴木大司さんは、新型コロナウイルスに対応した避難所のレイアウトや運営について「密になりにくい場所に受付を設け、体温計、消毒液を設置する。受付要員はマスクを必ず着用する」と説明。マスク、使い捨てゴム手袋、手指消毒液、除菌シートなど衣装ケースにまとめた備品を紹介。避難所で活用できるパーティション、簡易ベッドを組み立てた。
前回の意見交換会であった「タイムライン運用時の民生委員の行動」について濵口会長は「地域によって実情が違う。タイムラインが発動したら、高齢者に早めの避難や縁故避難などを呼び掛けてもらえれば」と伝えた。また、町に対し「タイムライン始動を防災無線で放送してほしい」と改めて要望した。
(2020年11月19日付紙面より)
「祝ドラフト2位」懸垂幕掲示 (新宮市 )
新宮市、市体育協会、市スポーツ少年団本部は18日、市庁舎にプロ野球ドラフト会議で広島東洋カープから2位指名を受け、入団が決まった新宮市出身の森浦大輔投手の活躍を願い、応援懸垂幕を掲げた。来年1月31日(日)まで掲示される予定。
森浦投手は現在、天理大学4年生。最速148㌔のストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブを武器とする左腕だ。
緑丘中学校では野球部に所属。3年生の時に和歌山県大会で優勝し、近畿大会に出場した。名門・天理高校に進み1年の夏からベンチ入り。2年で「春の選抜」に出場し、甲子園のマウンドに立った。甲子園には春夏の連続出場を果たした。
天理大では1年の春からリーグ戦に出場し、5戦3勝、防御率0・92でMVPを獲得。秋には最多の5勝をマークし、MVPと最優秀投手を受賞している。
森浦投手の今後の活躍に対し、田岡実千年市長は「新宮市出身の森浦大輔選手が広島東洋カープから2位指名を受けたことは、市としましても本当に喜ばしいことであり、当地方の子どもたちにとっても大きな目標になったと思います。厳しいプロの世界と聞きますが、森浦選手の1軍でのご活躍に地元新宮市から精いっぱいのエールを送ります」とコメントを寄せている。
(2020年11月19日付紙面より)
消防本部が夜間潜水訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は16日夜、同町の那智漁港で夜間潜水訓練を実施した。参加した職員5人は暗闇の中で、捜索などのさまざまな訓練に取り組んだ。
この訓練は年に2回行われ、今年度は1回目となる。同本部によると、釣り人などが夜間、海に転落したと想定し、訓練は本部で準備や出動するところから開始されているという。
現場到着後は関谷好生(よしお)潜水隊長の指示の下、職員たちは迅速に装備を身に着け、それぞれの持ち場に就いた。訓練用の屋外用照明を点灯させ、一斉に海へ入水し、本番さながらの捜索活動に取り組んだ。
また、この日は新人2人が参加しており、その教養訓練も兼ねて行われた。暗闇の中で潜水し、ライトの有無による視界の違いなどを学んでいた。
関谷潜水隊長は「夜間の潜水作業はさまざまな事故の危険性もあるため、それらに注意しながら身をもって現場での体験をしてもらうことが目的」。
訓練を通して「実際に事案が発生した際は現場到着を早め、迅速な行動が行えるように取り組んでいる」と話した。
(2020年11月18日付紙面より)
串本町立西向中学校(山下哲治校長、生徒13人)で16日、中学生の税についての作文表彰があり、新宮税務署管内で最高位となる大阪国税局長賞に入賞した岡野明音さん(3年)ら生徒3人が賞状の伝達や贈呈を受けた。併せて新宮納税貯蓄組合連合会から同校へ感謝状が贈られた。
税を考える週間(11月11~17日)の記念行事として回を重ねる同表彰。例年は式典を開いてたたえているが、本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため式典を中止し、高校生の税の作文表彰と同様に入賞者を訪ねる形を取っている。
中学生の税についての作文表彰は本年度、全国で約31万4000編、同局管内で6万938編の応募があり、同局長賞は同局管内から16編が選ばれている。同署管内では那智勝浦町立下里中学校の生徒作品以来3年ぶりの入賞。岡野さんと共に雑賀和さん(3年)の作品が東牟婁郡町村会会長賞、潮﨑芽依さん(3年)の作品が新宮納税貯蓄組合連合会特選にそれぞれ選ばれている。
この日は新宮・東牟婁租税教育推進協議会会長でもある新宮税務署の石橋裕署長と新宮納税貯蓄組合連合会の森川起安会長ら一行が来校。生徒教職員一同で見守る中、石橋署長から同局長表彰、森川会長から他2賞と感謝状を生徒3人や山下校長に伝達、贈呈した。
岡野さんは今回、自身の経験から得た気付きと関心の高まりをつづった作品「繋(つな)がり」を応募。表彰を受け「書いている時はこんな大きな賞をもらえるとは思っていなかったので、すごくうれしいし、家族に助けてもらい自分も頑張って書いたことが伝わったのかなと思う。これからもっと税について考え、大人になると税を納める機会も多くなるのでしっかりとした大人になれるよう頑張ろうという気持ちになった」と喜びや気持ち改まるところを語った。
同校は21日(土)に開く文化祭の中で作品発表の場を設け、3人それぞれの思いを生徒教職員とその家族で分かち合うとしている。
(2020年11月18日付紙面より)
地域支え合いにかかる勉強会 (新宮市 )
新宮市と市社会福祉協議会は16日、市役所別館で「令和2年度地域支え合いにかかる勉強会」を開いた。市内の民生委員や福祉委員ら約50人が参加し、コロナ禍における地区の現状や今後の活動などを話し合った。
勉強会は10月18日に同館で開催された地域支え合いフォーラム「みんなでつくろう!わがらのまち~しんぐうで暮らし続けるために今できること~」を基に、新型コロナウイルスの影響により各地区が抱えている問題や、この先どのような支えや助け合いの活動ができるかなどの意見を出し合う機会の場を設けようと実施した。
同フォーラムは、地域に必要な支え合いについて理解を深めることを目的に行われ、市では「住み慣れた地域で生き生きと暮らしたい」という市民の思いを実現するため、地域包括システムの構築を目指している。
冒頭、同協議会生活支援コーディネーターの福島圭さんがフォーラムのプログラムを振り返り、参加者らから収集したアンケート結果を紹介。コロナウイルス感染拡大に配慮した地域福祉活動の展開として九つのポイント▽担い手同士で話し合う▽感染防止などについて担い手自身が正しい知識を身に付ける▽福祉活動の再開方法などを検討する▽活動に使える補助金・助成金などを活用する▽利用者が安心して参加できるように適宜情報を提供する▽福祉活動などの再開に向けて地域の理解を得る▽市区町村社協によるバックアップ・支援体制などを確立する▽ボランティア活動保険の加入▽全国取り組み事例を参考に新たな地域住民などによる福祉活動を創設する―を挙げた。
意見交換では、参加者が8グループに分かれてコロナ禍でも可能な活動やできないこと、対策などを協議。「児童の下校時の見守りの実施」「ふれあいサロンは再開のめどが立っていない」「3密が避けられない状況が多い」など、さまざまな現状を発表していた。
(2020年11月18日付紙面より)
田辺市本宮町、熊野本宮大社の九鬼家隆宮司が17日、新宮市徐福のJR新宮駅を訪れ、来年のえと「丑(うし)」の絵馬を渡した。熊野三山の絵馬がそろい次第、改札付近の駅ホームに飾られる。
スギで作った絵馬の大きさは縦98㌢、横157㌢。新型コロナ終息と「困難な中にあっても新たな目標を掲げ、自分の歩幅で進んでほしい」との願い、そして国内外の医療関係者への感謝を表し、青い丑を描いた。
背中の新宮市をイメージした緑色のくらには、市のキャッチフレーズ「海・山・川が輝く 世界遺産のまち」から抜粋した「山海川」の文字を揮毫(きごう)した。
九鬼宮司は「新型コロナが一日でも早く終息し、各駅に再びにぎわいが戻ってくれば。多くの人にとって明るい一年であってほしい」と述べ、運行の安全を願った。
同駅では、11月単月で約50%、年度ベースでは60%以上、収入が落ち込んでいるという。小谷典史駅長は「6月に新宮駅に赴任してきたので、初めてのことで感激している。一日でも早く終息し、熊野の地に多くのお客さまが来ていただける日が来ることを心から願っています」と話していた。
この日は、同市徐福の熊野御坊南海バス株式会社と新宮警察署を交通安全慰問した。毎年実施しており、九鬼宮司が肌守り、ステッカーを授けた。
(2020年11月18日付紙面より)
第七勝丸が無事戻る (太地町 )
再開2年目の商業捕鯨を終えた太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の第七勝丸(竹内隆士船長、乗組員5人、32㌧)が2日早朝、太地漁港に無事帰港した。今季はミンククジラ29頭を捕獲した。〆谷(しめたに)和豊参事は乗組員に対し「事故やけが、病気もなく無事に戻ってきてくれてありがたい。来季に向けてゆっくりと英気を養ってほしい」とねぎらった。
勝丸は4月3日夜に同港を出港し、宮城県や千葉県の捕鯨船と協力し、宮城県や青森県、北海道でミンククジラ漁の操業を行った。
水産庁が定めるミンククジラの漁獲枠100頭に対し、船団で95頭を捕獲。うち29頭は勝丸が捕獲した。千葉県では国際捕鯨委員会(IWC)の規制対象外のツチクジラを4頭捕獲している。
同漁協によると、今季は天候不良が続いたため、各漁場でも影響を受けたという。漁獲枠残り5頭だったが、天候の問題などを考慮して、先月27日に漁を切り上げた。
今季の漁について〆谷参事は「昨年は調査も含まれていたが、今年からは本格的な商業捕鯨となった。全体的に天候が安定しない中、よく捕ってくれたと思う」。
来季に向けては「場所や船の数などの課題をクリアし捕獲頭数を広げていきたい。そして多くの皆さまにクジラの肉を幅広く食べていただけたら」と語った。
(2020年11月3日付紙面より)
第4回自動二輪車運転講習 (串本LC )
串本ライオンズクラブ(串本LC、大江規彦会長)が1日、串本町古座にある国保古座川病院跡地で第4回自動二輪車安全運転講習会を開いた。会員を含む愛好者24人が県警交通機動隊(泉政勝隊長)による指導の下、日頃の安全運転意識を高めるための講習に取り組んだ。
安全運転の知識や技能の向上を図り事故抑止を目指す狙いで年次実施。今回も串本警察署の協力を得て同隊の指導を求め、会員制交流サイト(SNS)などを使った口コミで参加者を募ったという。
穏やかな秋晴れの下で開会を迎え、主催者を代表して大江会長、警察を代表して泉隊長と同署交通課の楠間慎也課長がそれぞれあいさつをして無理をしすぎず安全な練習を促した。
講習内容は運転前の安全点検とスラローム走行とオーバル走行の3種類で、同課の課員や串本LC会員が会場周辺の安全を確保。参加者は同点検の説明後、2組に分かれ前後半で入れ替わる形で各走行メニューに取り組んだ。
公道では実施する機会が少ない急な加減速や急旋回を実践して自身の運転の限界を感じ、万が一限界に迫ったときの対処力を高めつつその領域に踏み込まない安全意識を経験で培うのが約2時間にわたって行われたこの講習の目指す成果。
自らも愛好者の一人として、愛車持参で参加した大江会長は「事故を少しでもなくしていきたいという思いで同じバイク乗りの小森(正剛)さんらと一緒に警察と話し合い、交通機動隊のご協力を頂いて毎年この講習会を開いている。参加いただいた皆さんには講習を受けて技術が高まったからスピードを出すのではなく、いざというときの回避能力を高める機会にしてもらえれば」と実施に込めた思いを語った。
(2020年11月3日付紙面より)
古道を守る会が清掃活動 (那智勝浦町 )
「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は10月29日、那智勝浦町北浜地区の海岸で清掃活動を実施した。10人が参加し、10月に発生した台風の影響で打ち上げられた多くの流木やごみを片付けた。
会員によると、同所は台風が発生するたびにさまざまなごみが漂着しやすく、そのごみが再び漂流しないように近隣住民もごみ拾いを行っているという。
ごみは流木をはじめ、ペットボトルなどのプラスチックごみや工事で使用する巨大なポリエチレン管や土のうなど。
会員は、長い流木はのこぎりやチェーンソーで短く切るなどして一カ所に集め、崩れてこないように固定。そのほかの燃えるごみやプラスチックごみは町指定のごみ袋に詰めた。
また、土のうなどは大量に砂が付着していることから、クリーンセンターに配慮し、洗い流してからごみとしてまとめた。
太田代表は「これだけの人数で取り掛かるからこそなんとか片付いている。1人や2人では無理。浜は和歌山県の管理となるので集めた流木については振興局に申し入れをしようと思う」と話していた。
(2020年11月3日付紙面より)
丹鶴公民分館が防災訓練 (新宮市 )
新宮市の丹鶴公民分館(西孝分館長)は1日、丹鶴体育館で令和2年度防災訓練「ハザードマップを使って自宅の災害リスクを知ろう」を開催した。市防災対策課職員がコロナ禍における避難行動について講話したほか、市社会福祉協議会による福祉相談、福祉用具の展示などもあり、約60人の地域住民が防災意識を高めた。
市、市社協が協力し、地域住民の防災意識の向上を目的に行っている恒例の取り組み。先月11日の開催を予定していたが台風14号の接近に伴い、日を改めての実施に至った。参加者らはペンライトやネックライトなど、災害時に役立つグッズを土産として持ち帰った。
開催に当たり、西分館長は「丹鶴地区は避難場所が少なく、どこに逃げたらいいのか不安に感じている人もいる。自分が住んでいる所の安全性や避難場所の確認を行う機会としてもらえれば」と呼び掛けた。
防災対策課の櫻井勇太さんが「今、考えたい! 新型コロナ×災害」をテーマに講話。災害発生前に、市役所や気象庁の発表やハザードマップを基に安全性を確認することが大切とし「危険な場所にいる人は避難が原則です」と話した。
ウェブ版新宮市ハザードマップの使い方についても解説。▽洪水・津波・土砂災害の危険箇所▽過去の浸水被害実績▽自宅の情報―の確認ができるとし「事前に確認し家族で共有を」。現在、冊子版ハザードマップの作成も予定していると述べた。
避難所における新型コロナ感染リスク軽減のための「分散避難」に触れ、避難のために宿泊した市民の宿泊料金を割引する「市旅館等宿泊避難支援事業」の活用を推進した。
櫻井さんは災害時における人権尊重や、避難所に避難する際のコロナ対策への協力などを求め「皆さんで過ごしやすい避難所にしましょう」と呼び掛けた。
(2020年11月3日付紙面より)
全国高校サッカー和歌山大会
那智勝浦少年野球クラブが優勝 (新宮警察署防犯学童軟式野球大会 )