熊野川町で「ささやかな花火大会」 (新宮市 )
2011年9月の紀伊半島大水害で大きな被害を受けた新宮市熊野川町で25日、夜空を彩る大輪の花火が打ち上がった。同町の有志ら8人が企画。花火を通して町民らに「頑張ろうや」のメッセージを送った。
未曽有の大水害から今年で10年。有志らが「ささやかな花火大会」と称する花火の打ち上げは、その節目を迎えるに当たり、そしていまだ終息の見えない新型コロナウイルス感染症の影響にあえぐ町民たちに元気を出してもらおうと企画、協賛した。
有志の一人、池上順一さんは「特に熊野川町では人口減少が顕著で新型コロナの影響で店を閉めてしまう人も多い。また、水害から10年となる節目に、改めて『元気出そうや』と呼び掛けたかった。少しの時間でも元気になってほしい。そんな願いを込めて熊野川町の中心から花火を上げたいと思った」と花火に託した思いを話した。
午後8時ちょうど。同町日足に75発の花火が打ち上がり、歩道などから花火を見守っていた町民は感嘆の声を上げるとともに大きな拍手を送った。
打ち上げ場所の近くから花火を見学していた70代男性は「コロナの影響で花火大会が中止となる中、久しぶりに花火を見ることができてうれしかった。元気をもらいました」と話していた。
(2021年6月27日付紙面より)
少年補導員連絡会が総会 (新宮警察署 )
新宮警察署少年補導員連絡会(田代知美会長)の総会が25日、同署大会議室で開かれた。関係者ら約20人が出席。昨年度の活動報告や本年度の活動計画などを審議した。
少年補導員は少年非行防止活動の一層の推進を図り、地域事情に合った取り組みを進めるため民間の協力者に県警本部長から委嘱している。
田代会長は、全国防犯ボランティア団体として金賞を受けることになったと報告。和歌山県内では13年ぶりのことで3団体目であると説明し「表彰はひとえに会員と歴代の補導員の方々の地道な活動の積み重ねがあったからこそ」と感謝。
最近は非行少年も少なくなる一方で児童虐待や学校でのいじめ問題などが増えているように感じていると述べ「子どもたちを守るためにできることは少ないかもしれないが、青色パトロールや登下校時に見守りなどを通して、少しでも子どもたちの力になることができれば」とあいさつした。
山田守孝署長は日頃の協力に感謝と敬意を示し、昨年の県内における刑法犯認知件数は3899件で、19年連続の減少となり、少年非行関係では刑法犯の犯罪少年検挙人数がピーク時(2004年)の1260人から158人、飲酒・喫煙・深夜徘徊(はいかい)などの不良行為の補導件数も1万6717人から5216人と大幅に減少していると紹介。
そんな中において、最近では高齢者を狙った特殊詐欺事件に少年が荷担したり、インターネットなどを使用したいじめや児童買春・児童ポルノ事件、少年が被害者となる児童虐待事件など、少年事犯も時代を反映して多様化していると危機感を示した。
新型コロナウイルス感染症が社会や経済に影響を与えている現状において、青少年の健全育成が困難を極める中、ボランティアの力添えが不可欠であるとしさらなる協力を呼び掛けた。
総会に先立ち、少年補導員として長年にわたり活動した遅越達也さんと久保正彦さん、井水敦司さんに、県警本部長と県警少年補導員連絡協議会長連名の表彰状が贈られた。
(2021年6月27日付紙面より)
紀南高校が全国に呼び掛け実現
県立紀南高校(森典英校長)が全国七つの高校に呼び掛けて実現した官僚との意見交流会「日本の〝未来(これから)〟について語る会」が25日、オンラインで初開催された。
経済産業省の若手官僚有志が協力し、紀南高校は東紀州学を履修する山本翔與(しょうよう)君、大西輝人(きらと)君、中村竜星(りゅうせい)君、岡﨑美柚(みゆ)さんが地方創生への思いを伝えた。
官僚との意見交換を通して、地域創生に取り組む高校生がさまざまな知見に触れ、各種制度を知ることで幅広い視野を得て今後の諸活動に生かすことが狙い。
紀南高校の山本君が全体司会を務め、4グループで意見交換した。山本君は「地方創生を考える上で、賃金は非常に重要なポイントだと思います。一方で、強引に給料を上げてしまうと、会社がもたず、働く場所自体がなくなってしまう可能性があります。都市部の大企業に課税するという選択肢もありますが、外国に逃げられてしまうと税収が減って、より地方の衰退が進んでしまう」と問題提起した上で「地方創生、賃金、雇用、課税について国の方針を知りたい」と質問した。
経済産業省の官僚は「私たちが日々向き合っている問題」とし、最低賃金や税率、地方創生による補助金などを紹介。その上で「地方創生に関心がある皆さんがやりたいことを考え、自分で行動することがすてき。『地方をよくしたい』と思う気持ちを応援したい」とエールを送った。
パソコンの画面を通して紀南高校の4人は「御浜町は小さな町ですが、ミカンや紀州犬が有名です」と全国に紹介した。
(2021年6月27日付紙面より)
那智勝浦町建設組合が町内5カ所で奉仕
那智勝浦町建設組合(上地秀和理事長、21社)は25日、町内の保育所・こども園計5カ所で奉仕活動に取り組んだ。参加した組合員は各所で作業に汗を流した。
奉仕活動は2017年度から開始。町内の公共施設から町役場建設課へ届けられる要望を受け、組合が毎年協力している。
この日は宇久井保育所でブランコ周辺にあった老朽化した木製柵を撤去し、さびに強い金属製のメッシュフェンスを設置した。
また、下里保育所では敷地内にある砂場の拡張を実施。従来の木製枠を取り外し、砂場面積を広げるとともに、コンクリート製のブロックで枠を造り、けが防止のために角を丸めた。
そのほか、井関保育所、南大居保育所、勝浦認定こども園では遊具の塗装がこの日までに実施されたという。
宇久井保育所へ激励に駆け付けた堀順一郎町長は「毎年、ボランティアで子どもたちが使用する設備などの安全対策をしていただいている。町としても細かいところまで手が届かないため、ご協力には感謝しています」とねぎらい、スポーツ飲料を手渡した。
荘司千保・宇久井保育所長は「柵が腐食してけがの危険もあったので助かりました。毎年いろいろな要望にお応えいただき感謝しています」。
上安みか・下里保育所長は「要望をかなえていただき感謝しています。安全・安心面も向上するとともに子どもたちも喜びます」と話した。
上地理事長は「私たちも地元で生まれ地元で育った。地元に何か貢献や協力ができないかという気持ちで、毎年実施させていただいています」と語った。
(2021年6月27日付紙面より)
東牟婁地方中学校総体陸上競技
県高校総体空手道競技で躍動 (近大新宮 )
那智の田楽保存会 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で20日から、「那智の田楽」の練習が始まった。今年は一度途絶えた田楽が復興してから100周年を迎える記念すべき年であり、7月14日(水)の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の宵宮(よいみや)祭で奉納される。
那智の田楽は五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、笛と太鼓に合わせて踊る伝統芸能。室町時代の田楽踊りを伝える貴重な文化遺産として、「那智の田楽保存会」(男成洋三会長、会員28人)が古来の姿を伝えている。1976年に国の重要無形民俗文化財、2012年にユネスコの無形文化遺産に登録された。
昨年は新型コロナウイルス感染防止のため、大和舞とともに宵宮・本宮での奉納は中止となった。今年は田楽のみ宵宮で行われる。演者は編木(ササラ)4人、太鼓4人、鼓役(シテテン)2人。熟練会員の原敦夫さん、二見正信さん、松尾常生さんが指導し、10回の練習を重ねる予定。
同神社によると、老朽化していた田楽舞台を文化庁や和歌山県の補助金を活用し新調したという。古材も一部使用し、20日に設置。今後は舞台での練習に取り組む。
22日夜、会員は真剣な表情でそれぞれの動作に磨きをかけていた。最年少の鼓役の上地輝幸さん(37)は「仲間と田楽がやれることに喜びを感じている。例大祭も含め、披露する場が多いので気を引き締めていきたい」と意気込みを語った。
小川一義副会長は「復興100年という年に田楽ができてありがたい。コロナ対策をしっかりして取り組んでいく」。
同会の事務局長を務める伊藤士騎(しき)禰宜(ねぎ)は「コロナ禍の中、宵宮だけでもご奉仕したいという思いに神社として感謝している。お祭りは継続が重要。今年も規模を縮小した斎行となるが、来年は本来の形で営みたい」と語った。
保存会は10月24日(日)に和歌山県民文化会館で開催の「第16回和歌山民俗芸能祭」で、田楽の出張公演も予定している。
(2021年6月25日付紙面より)
熊野川の総合的な治水対策協議会
第21回「熊野川の総合的な治水対策協議会」が、10日から14日にかけて書面にて行われた。国や沿川の県および市町村、ダム管理者による対策の進捗(しんちょく)状況などについて意見交換を行った。
同協議会は、近畿地方整備局、和歌山県、三重県、新宮市、北山村、紀宝町、熊野市、関西電力㈱、電源開発㈱などで構成。熊野川の河川管理者と沿川自治体およびダム管理者が緊密な連携を図りながら、熊野川の一貫した総合的な治水対策を推進することを目的に2012年7月2日に設立した。
このたびの会議では、近畿地方整備局が▽新宮川水系河川整備基本方針・河川整備計画の策定に向けた取り組み▽新宮川水系流域治水プロジェクトの策定▽日足地区の河川整備の進捗状況―などについて報告。
河川改修と利水ダムの治水協力、濁水対策を含むダムの運用・管理、治山・砂防・河道閉塞(へいそく)対策(濁水の発生源対策を含む)などの各取り組みについて関係機関が報告した。
報告に対して、新宮市は「河川整備計画の策定については、内水対策や治山や砂防を含めた総合的な土砂管理と濁水対策の充実など、世界遺産熊野川の文化的・歴史的価値を高める観点からも検討を」「さらなる空き容量確保に向けたダム放流設備の整備などのハード対策、また、高精度化が進む気象予測などを活用することにより各ダムの貯水量のピークの重複を回避する『統合運用』をはじめとする、より効果的なダム操作・運用の精度向上などのソフト対策により、さらなる治水機能強化が図られるよう取り組みを」。
濁水対策について「治山・砂防など大元対策の推進に加え、これまで要望してきた河川維持流量の弾力的な運用や、先進事例の調査研究、効果の見込まれる対策の積極的な実施を」などと求めた。
(2021年6月25日付紙面より)
太地支所が新駅舎に移転 (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会太地支所は6日、太地町老人憩いの家から5月末に竣工(しゅんこう)したJR太地駅の駅舎防災複合施設に移転した。旧駅舎の頃から施設内に事務所を構えていた太地支所。新駅舎を管理するとともに、小規模事業者の支援を行いながら、町や地域の発展、観光振興に寄与していく方針だ。
2007年に那智勝浦町商工会と太地町商工会が合併して「南紀くろしお商工会」が発足。本所を勝浦商工会館に、支所は太地町役場に置いて業務が開始された。
当時の太地駅は無人駅で、治安面が不安視されていたという。合併に伴い、周辺地域の商工業の振興と青少年の健全育成、地域社会の安全のために駅舎の管理業務についてJR西日本や町、町議会で検討し、商工会への無償委託が決定。10年6月に支所を移転した。
昨年6月に、町が打ち出した30年計画の一つである町内の周辺整備によって新駅舎建築工事を実施。工事期間中は老人憩いの家で業務を行っていた。
支所には商工会の職員3人が勤務。旧駅舎時と同じく、町の観光情報発信や地図配布、レンタサイクルの貸し出しを行う町観光案内所も同事務所内に併設され、職員一人が対応している。
支所で責任者を務める商工会主査の峪道彦さんによると、新駅舎の事務所はセキュリティーシステムも完備されており、安全面にも期待できるという。
峪さんは「新しい駅舎施設での勤務は身が引き締まる思い。気軽にご相談いただける支所を目指して精進していきたい」と語った。
商工会の森川起安会長は新駅舎竣工式の際に「洋風でスマートな駅舎の内部は安心安全で衛生管理が行き届いた施設となっている。私が知る限り、全国の商工会を見てもこれほど素晴らしい商工会館はない」。
今後については「クジラの町『太地町』の玄関口である駅舎を中心として、町の歴史・文化を大切にしながら、地域の皆さまや諸団体の皆さまが力を合わせて新しいまちづくりや地域づくりをしていくことが肝要だと思う」と祝辞を述べていた。
事業支援などの問い合わせは太地支所(電話0735・59・4111)、観光については町観光案内所(電話0735・59・3131)。
(2021年6月25日付紙面より)
人見建設が橋杭園地で奉仕 (串本町 )
串本町の株式会社人見建設(人見健一社長)が22日、くじ野川にある橋杭園地でボランティア清掃に取り組んだ。今回は23日までの2日間で実施し、砂浜を海水浴場設置に適した状態に整えるとしている。
地域の中で仕事をさせていただいていることへのお返しとして、かねて地域貢献の思いを大切にしている同社。この清掃は感染症予防を徹底して海開きに臨む同町の姿勢に呼応し協力する形で前年度から奉仕で取り組むようになった。
その当時に継続の思いを掲げ、今年も海開きに先だって同町産業課へ協力を申し出た。期間中は日中の午前8時~午後5時に作業を実施。所有するバックホーなどの重機5台や車両を持ち込み、社員15人総出で手分けして漂着物の回収や雑草引き、一冬を越して陸側に寄った砂を重機で波打ち際へ戻してならすなどの作業を重ねて事前に思い描いた状態を目指した。
日課の散歩で橋杭園地を利用し、日々の状態を把握している人見社長(63)。昨年は海開きをすると聞く一方で浜の状態が整っていない状況に半ば驚き、この奉仕を申し出た。以降台風など荒天の影響があまり及んでおらず、今年の砂浜は冬に吹き抜けがちな風による砂の偏りはあるが比較的ごみが少ない印象だそう。人見社長は「(昨年に思いを掲げた通りに)継続して取り組めたことがうれしい。長引くコロナの影響で地域の観光業が疲弊する中、夏にこの浜へ泳ぎに来たときに『きれい』と思ってもらえたら(好印象による)応援になるかなと思い今年もボランティアを申し出た。それで少しでも地域に貢献できれば」とコメントし、総出の一人として作業に励んでいた。
橋杭園地は30日(水)に海水浴場諸資材を設置し、田原海水浴場とともに7月4日(日)に海開きを迎える予定。遊泳期間は8月31日(火)までの約2カ月間で、ビーチハウス・ラパン前の一角に遊泳区域を設けて一般開放する。期間中の同園地駐車場は有料(普通車1回1000円など)となる。両海水浴場の期間中の問い合わせは南紀串本観光協会(電話0735・62・3171)まで。
(2021年6月25日付紙面より)
消防署が水難救助訓練 (新宮市 )
海水浴など水辺でのレジャーシーズンに向けて新宮消防署(垣内一男署長)は15日、新宮市三輪崎の三輪崎漁港で水難救助訓練を実施した。同署警防隊20人が溺者救出方法などを再確認した。
訓練は毎年この時季に行われている。今年は釣り人が誤って海中に転落し、「意識なし、呼吸あり」「意識あり、けがなし」の2人を想定し救助訓練を行った。
署員らははしごや滑車、クレーン、水難救助用担架などを使用し、指揮者の指示を受けて安全管理を徹底した上で救助に当たった。
堀切学副署長は「しっかりと声を出して動きが良く、連携も取れていた。しっかりと意識を深め、いい訓練でした」と評価。レジャーシーズンの到来に対して「コロナ禍で、例年よりは少ないですが、一年を通して当地方を訪れる方たちもおり度々、水難事故が発生しています。私たちとしては訓練を通して任務分担の明確化や情報収集、迅速な救助活動など、各部隊との連携をより深めて任務に努めていきたい」と述べた。
また、海だけでなく川においての事故にも注意を促し、熊野川には多くの支流があることから、ダムの放水状況の確認や気象状況にも注意することが大事とし「せっかくのレジャーシーズン。事故のないよう、楽しんでいただければ」と呼び掛けた。
昨年度中に市内で発生した水難事故は1件。昨年に続き、新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点から三輪崎海水浴場、高田自然プールともに、開設については現在未定となっている。
(2021年6月16日付紙面より)
太田小で「命の授業」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長、児童20人)で11日、「命の授業」があった。全校児童が2グループに分かれて、同町でかづこ助産院を営む本舘千子(もとだて・かづこ)院長から、赤ちゃんが生まれるまでの過程や命の大切さを学んだ。
本舘院長は串本町から紀宝町までのさまざまな教育現場で、命の大切さや心と体のケア、科学的根拠に基づいた多角的な知識を学ぶ「包括的性教育」の必要性を伝えている。
5、6年生9人の授業では、本舘院長が子どもたちに小さな穴の開いたハートの折り紙を手渡し「これは命が始まった瞬間の大きさです。数字にすると0・12㍉あります」と説明。生まれるまでに約10カ月かかり、母親の胎内で成長して身長約50㌢、体重約3㌔になる過程を教えた。
赤ちゃんが生まれてくる方法については「自然分娩(ぶんべん)」と「帝王切開」の2種類があると述べ「母子の命が危険な場合には、無事を願いながら帝王切開でおなかを切ることもある」と伝えた。
本舘院長は、器のような女性の骨盤から赤ちゃんが自力で回りながら出ようとする動きを模型で解説。「赤ちゃんは自分の力で考えて生まれる。出産予定日なども赤ちゃんが決めます。『生まれる』は素晴らしくてすごいこと。全員が経験しています」と語った。
約3㌔の人形で赤ちゃんの重さを体験する時間もあり、児童たちは「結構重たい」「かわいい」などと声を上げながら順番に抱っこしていった。最後に本舘院長は、これから訪れる思春期について「大きくなるまでの道のりは、つり橋を渡るようなもの。滑り落ちそうになっている友達がいれば、手を差し伸べて助けてあげてくださいね」と呼び掛けた。
仲地主琉(しゅり)君(6年)は「0・12㍉から命が始まって大きくなる段階に改めて驚きました。人同士が助け合いながら成長していくことが大事だと思った」と話していた。
(2021年6月16日付紙面より)
警防班単位で水難救助訓練 (串本町消防本部 )
串本町消防本部(寺島正彦消防長)の本年度水難救助訓練が14日から始まった。この訓練は警防班単位で計画し実践することとしていて、この日は串本消防署第2警防班(森下貴司班長)が同町くじ野川にある橋杭ビーチで溺者2人を想定し取り組むなどした。
水域でのレジャーが活発化する時季を前に日頃培っている技術を確かめ、水難事故発生時における迅速かつ的確な発揮を目指す同訓練。長大な海岸線や河川流域を有し、相応に水難が起こりやすく対処力が求められる管内環境への意識を高く保つ狙いも含めて例年実施している。
この日は森下班長ら班員13人が同訓練に臨んだ。橋杭海水浴場の中ほどで2人が溺れ、うち1人が海底に沈んでいるという想定で始め、潜水隊員が急行して要救助者を確保、救助隊員が救命索発射銃で沈んでいない1人を浜へ引き寄せ、潜水隊員が引き揚げた1人を救難艇(エンジン付きゴムボート)へ乗せて最寄りの浜まで運んで救急隊員が引き継いだ。各隊員には想定のみが伝えられ、以降は現場の状況を見て必要な活動を判断する本番同様の状況で目的の達成を目指した。
想定訓練のほか、潜水隊が捜索時に用いるロープ等の資材準備やエンジンが使えない場所での救難艇の操船(オールを使用)などの訓練項目も実施。森下班長は「救難艇の操船訓練は月1回取り組んでいるが、今回のような訓練は普段はなかなかない機会。隊員にとって身になる活動になったと思う」と総括した。
同訓練の様子を見守った井本茂署長は、隊員がもろもろの訓練の成果を生かして活動する状況を今後に期待。他の警防班の訓練日時は同日現在未定で、それぞれに内容を決めて臨むという。
(2021年6月16日付紙面より)
浮島の森で大規模作業 (新宮市 )
新宮市浮島の国指定天然記念物「新宮藺沢(いのそ)浮島植物群落」(浮島の森)で14、15の両日、スゲ属の植物「カサスゲ」の除去作業が行われた。業者が参加しての大規模除去作業は今回が初めてという。
カサスゲは湿地や池の浅い所に生育し、1㍍もの高さに成長する大型スゲの代表的なもの。かつてはすげがさやみのなど、さまざまな民具に利用された。
除去作業には、2011年の紀伊半島大水害以降に同所で繁殖している外来種の水草「アマゾントチカガミ」の存在も大きく影響している。
カサスゲが増えることによって水の流れが停滞し、アマゾントチカガミの生育を助長。カサスゲ、アマゾントチカガミ共に腐食することにより水質の悪化や水温の上昇に影響を与える場合があるという。
作業に立ち会った市文化振興課の小林高太主任によると、これまでも職員やボランティア有志によって除去作業を行っていたが、植物の生育スピードに追い付かなかったことから、夏を前に大規模除去作業に踏み切った。
14日の作業には業者8人が同所の池で鎌などを手にカサスゲを除去し重機を使って搬出。約5時間の作業で約6㌧を除去した。カサスゲの除去後は、随時アマゾントチカガミの除去作業も実施していく予定だ。
多種多様な生き物が観測される浮島の森では、外来種のブラックバスやミシシッピアカミミガメの存在も確認されている。昨年8月には、水温の高さが原因として考えられている「アカマクミドリムシ」が大発生。池の水面を赤く染めた。
(2021年6月16日付紙面より)
県高校総体団体、個人で (弓道競技 )
県高校総体で好成績 (新宮高校レスリング部 )
紀陽銀行新宮支店に感謝状 (新宮警察署 )
新宮警察署(山田守孝署長)は7日、銀行キャッシュカードによる不正引き出しの犯人検挙に協力したとして、紀陽銀行新宮支店(柴田昌良支店長)に感謝状を贈った。
同銀行は3月26日、普段は銀行の現金自動預払機(ATM)を使用して預金取引を行っていた口座契約者が、コンビニATMで3回にわたり計60万円を引き出していたことを発見。契約者である高齢女性に確認したところ「身に覚えがない」と話していたことから不審に思い、同署に通報した。
捜査の結果、犯人が銀行キャッシュカードを不正に取得するなどして預金を引き出していたことが判明。積極的な捜査協力と情報共有が犯人の早期検挙へとつながった。
契約者が犯罪に巻き込まれていないかを確認し、積極的な声掛けや情報提供をもって犯罪抑止につなげる取り組みを行う同銀行。日頃から職員に対し、警察の注意喚起を基に特殊詐欺の可能性について周知を行うなどして、防犯意識の高揚を図っているという。
感謝状を受け、柴田支店長と山中達也・業務課長は「情報提供が検挙につながった。被害を抑えることができて安心している。和歌山県でも特殊詐欺事案などが頻繁に起こっている。今後も未然防止に努めていきたい」。
山田署長は「高齢者の預金取扱いなどに警戒していただけることで住民の安心安全につながる。警察だけで抑止することは難しく、金融機関の早期の気付きと情報共有などの捜査協力があってこそ」と感謝を示し、特に1人暮らしの高齢者に対してキャッシュカード不正利用などの金融犯罪について注意するよう呼び掛けていた。
(2021年6月9日付紙面より)
2施設の愛称も募集中 (紀宝町社協 )
紀宝町福祉センターに隣接する町有住宅に「駄菓子屋」がオープンした。連日、子どもたちが訪れ、くじ引きを楽しんだり、お菓子を買い求めるなど、にぎやかな光景が広がっている。
町社会福祉協議会が運営。平日の午後2時から4時までと、「ふれあい子ども食堂」開設日の第2土曜日の午前11時から午後1時まで開いており、「OPEN」ののぼりが目印だ。
1日にオープンして以降、日増しに多くの子どもたちが足を運ぶようになり、新たな〝集まりの場〟として定着しつつあるという。
たくさんの人に親しまれる場所になるよう、町社協では駄菓子屋と「ふれあい子ども食堂」の建物の愛称を30日(水)まで募集している。
応募資格は紀宝町内在住、在勤など町に縁のある人。1人1点応募できる。採用者には福祉の店「アプローチ」の商品券3000円分をプレゼントする。
応募、問い合わせは町社会福祉協議会「愛称募集係」(電話0735・32・0957)まで。
(2021年6月9日付紙面より)
プレミアムお買物券事業 (串本町商工会 )
串本町商工会(須賀節夫会長)が6日、本年度第1回プレミアムお買物券(通称・まぐトルお買物券)の販売を始めた。7日以降は平日午前9時~午後5時に同町商工会館(町立体育館前)付近で完売するまで取り扱うという。
このお買物券は、同町小売店舗等消費拡大推進事業の補助を受けて事業化し年2回販売している。1セット1万1000円分(500円券×22枚)を1万円で販売する内容で、今回は販売数3000セット、プレミアム率1割、取扱参加店数は130余店舗で有効期限は8月末まで、など通常の規模となっている。
初日は新型コロナウイルス感染症予防を意識し当日の雨天にも即対応して、同会館最寄りの文化センター1階ロビーと中湊コミュニティセンター最寄りの古座小体育館下駐車場に販売窓口を設置。役員は主に会場誘導や検温と手指消毒などの協力依頼を担当し、安全で円滑に購入できる流れを支えた。
このお買物券は1人最大5セット、本人購入時に家族3人分までの代理購入を認めていてその申告をすれは20セットまで一括購入できる仕組み。3000セットのフル活用だけで3300万円の消費が取扱参加店に届く計算で、同お買物券をきっかけとする上積み消費も含めた経済効果を願って初日は役員、職員一丸で販売に当たった。須賀会長は新型コロナウイルス感染症に伴う会員の事業の苦境を見据え、町の対策事業の上積みで大きな反響を得た前回同様、早期完売と早期利用で会員が潤う展望を期待した。
このお買物券の問い合わせは同商工会(電話0735・62・0044)まで。
(2021年6月9日付紙面より)
那智勝浦町出身 (レスリング )
那智勝浦町出身で日本体育大学4年の山口海輝(かいき)選手(22)が、5月27~30日に東京都の駒沢体育館で開催されたレスリング「2021年明治杯全日本選抜選手権」の男子フリースタイル65㌔級で優勝を飾り、10月2日(土)~10日(日)にノルウェーのオスロで行われる予定の「2021シニア世界選手権大会」への出場を決めた。
山口選手は新宮ジュニアレスリングクラブで練習を重ね、中学校卒業後に高校レスリングの強豪である千葉県の日体大柏高校に進学。2015年の紀の国わかやま国体や高校総体、日本オリンピック委員会(JOC)杯、ブバイサ・サイキエフ国際大会を制すなど、国内外で活躍している。
同大学進学後もさまざまな大会で結果を残し、昨年11月に57㌔から65㌔に階級を上げて挑んだ内閣総理大臣杯でも優勝した。同年12月に開催された「2020年天皇杯全日本選手権」では自他ともに認めるライバル、安楽龍馬選手(早稲田大学)との決勝戦を制し優勝した。
明治杯では1回戦を勝ち上がった計良涼介選手(早稲田大学)と対戦。10―0で初戦を飾ると、準決勝は磯次郎選手(自衛隊体育学校)に快勝した。住友金属鉱山㈱の米澤圭選手との決勝戦では試合を優位に進め、6―2で勝利し見事優勝を果たした。
報告を受けた父・哲也さん(46)は「昨年の天皇杯に続いて、今大会もしっかりと優勝することができてうれしく思います。世界戦については本人も『まだまだ実力が足りない。その中で筋力、技術面ともに鍛えていきたい』と言っていた。世界を経験できるのは貴重なことなので、自分が持っている力を出し切って悔いのない試合をしてほしいですね」と話していた。
(2021年6月9日付紙面より)
ホップリーグ東牟婁ブロック大会
バーモントカップフットサル和歌山県大会
第39回学童軟式野球大会