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2020年09月29日
1 県立高校の存続の行方は
 新宮・東牟婁対象に地方懇談会  (和歌山県教育委員会 )

 和歌山県教育委員会は27日、新宮市神倉の県立新宮高校体育館で「県立高等学校の今後の在り方」についての地方懇談会を開いた。新宮市教育委員会、東牟婁地方教育委員会連絡協議会が共催。新宮・東牟婁地方の約150人が参加し今後の県立高校の方向性や在り方について説明を受けた。

 県立高校の在り方などについて審議を重ねてきた「きのくに教育審議会」(にえ川恒弘会長)は8月7日、県教委に「現在29ある県立高校(全日制)の数を、今後15年で3分の2の20校程度とするのが適正」などといった内容の答申を提出。県教委は答申を基に再編整備実施プログラム(仮称)の策定に着手し、県民からの意見を募集していくとしている。

 懇談会はこの日の新宮・東牟婁地方を皮切りに県内5カ所で実施。今後の県立高校の在り方などについて広く説明するとともに、県民の意見を聞く機会としていく。

 開会に当たり、宮﨑泉・県教育長は「答申ではそれぞれの地域において高校生一人一人が夢とビジョンを持って伸び伸びと勉強できるシステムを構築する必要があるとしている。今まで以上に地域の核となるような学校をつくっていかなければならない」。

 年度内に具体的な再編整備実施プログラムをつくっていくことを目標とし「子どもたちの未来のために一生懸命取り組んでいきたい」とあいさつした。

 速水盛康・市教育長は「われわれも少子高齢化の影響に直面しながら教育活動を実施している。いかにして子どもたちに教育を保障していけるのか、誰のための、どういった目的の再編案なのか。懇談会が学校の在り方を模索していく上で問題について共有できる一助となれば」と述べた。

 県教委は現状の課題や今後の展望、各地域の状況に応じた高等学校の在り方などを答申に沿って説明。▽県の公務・教育・医療などを支える人材、教養豊かで責任ある県民の育成▽大学進学・スポーツ・文化芸術で核となる高校生の育成▽次世代の地域産業を担う人材の育成―を重点課題とし、学校の活力や環境、条件の観点で望ましい学校規模(1学年6学級程度)を想定した再編整備を行っていくとした。

(2020年9月29日付紙面より)

※ にえ川恒弘会長の「にえ」は、「執」の下に「灬」

新宮・東牟婁地方の約150人が参加した=27日、県立新宮高校
2020年09月29日
2 ニンニクの種割りに励む
 生産農家から授産し支援  (エコ工房四季 )

 串本町古座にある社会福祉法人つばさ福祉会(北野好美理事長)の事業所「エコ工房四季」(平原正雄施設長)でニンニクの種割り作業が活発さを見せている。

 この作業は、みくまの農業協同組合西向営農センターと共に取り組む農福連携の一環。「エコ工房四季」は2年前からニンニク栽培の挑戦をしているが、先んじて取り組み始めたのが授産となるこの作業で、おととしは試験的に640㌔、昨年は軌道に乗り2700㌔、今年も2600㌔を生産農家から請け負っている。

 ニンニクは収穫から出荷や次の栽培までの作業が多い一方、機械化がまだまだ進んでいない点で作業代行の需要が生じているそう。同センターによると管内では「エコ工房四季」に加えて「ひまわり作業所」「第2なぎの木園」「どんぐりの家」と請け負う事業所の数も増えていて、種割りを授産に委ねることで生産農家は次の栽培のための畑作りに専念しやすくなる点がこの形の大きな利点だという。

 先駆的存在の「エコ工房四季」は栽培したニンニクの出荷を目指しつつ、そのために身に付けた技術を生かして生産農家から積極的に授産する支援にも力を入れている状況。日々平均30人ほどの利用者が作業分担をする中で種割りにも取り組んでいて、25日は8人組で複数個の塊となっている鱗片(りんぺん)を1個ずつに崩し、傷んでいないものを種球として選別した。

 栽培はおととしに3㌃の畑で始め、昨年は20㌃、今年は30㌃と年々規模を増している。今年は古座川町潤野で40㌃分の水稲栽培も始め、隣接する畑でナスやカボチャも育てるなどして福祉農園を立ち上げ。今後はニンニク栽培も同農園へ移すという。

 並行して事業所と生産農家と同センターの3者で制度化間もないノウフクJASのグループ取得を目指し、収穫したニンニクのプレミア和歌山認証も検討している。そのように付加価値を高めて、将来的には飲食店や体験型観光農園の運営、生産出荷の仕組みを確立。授産と同様に独立した収益源として地域経済に結びつけ、さらに安定化させることを最終の成果として見据えている。

(2020年9月29日付紙面より)

種割り作業に取り組む利用者ら=25日、串本町のエコ工房四季
2020年09月29日
3 キャンドルともしオープン
 BLUE BEACH NACHI  (那智勝浦町 )

 那智勝浦観光機構(NACKT)は26日夜、那智勝浦町のブルービーチ那智で「BLUE BEACH NACHI」のグランドオープンセレモニー「キャンドルナイト」を開催した。地域住民など約100人が集まり、新型コロナウイルス終息と平和への祈りを込めて、キャンドルへの点灯を行った。

  □     □

■「BLUE BEACH NACHI」とは



 環境省が推進する国立公園の有効活用の考えに基づき、国立公園である同ビーチの活用方法として、「優雅な」などの意味を持つ「glamorous(グラマラス)」と「camping(キャンピング)」を合わせた新しいアウトドアのスタイルである「グランピング」を取り入れたプロジェクト「BLUE BEACH NACHI」を観光機構が立ち上げた。

 運営はアウトドアウエディングや空間プロデュースなどを行う京都市の株式会社ジンジャーが委託を受けて行う。

 8日には南国風の雰囲気を演出したカフェ「BLUE BEACH NACHI(Cafe)」が、11日にはグランピング施設の「BLUE BEACH NACHI(STAY)」がオープン。周辺には子どもや大人が遊べる電気を使用しない遊具やボードゲームが設置されている。

  □     □

■キャンドルナイトでは



 同社の代表取締役の磯石裕子さんが事業内容や施設について説明、参加者がトーチを用いてキャンドルに明かりをともした。その後は全員で乾杯し、歓談を楽しんだ。

 磯石さんは「グランピングは遠方のお客さまがターゲットだが、地元の方々にも愛される憩いの場にしたいという思いから、カフェとキッズエリアをご用意させていただきました」と語った。

 同機構の理事長を務める堀順一郎町長は「現在はアウトドアが人気。今までにない新しいお客さまを迎えるための実証実験をしたいという思いから今回のグランピングの実施となった」。

 今後については「観光機構は観光によってこの地域を活性化させることを目指している。町の観光のキャパを増やし、新しい顧客を開拓していきたい」と話した。

(2020年9月29日付紙面より)

グランドオープンを祝すとともにコロナ終息を願い明かりをともす=26日、那智勝浦町のブルービーチ那智
全員で乾杯が行われた
グランピング施設を見学するセレモニー参加者
2020年09月29日
4 ハロウィーン気分感じて
 タウンガーデンに季節の飾り  (新宮市 )

 新宮市保健センター隣の花壇・タウンガーデンを管理するボランティアグループ「タウンガーデン」(平田裕子代表)は28日、同所でハロウィーンの飾り付けを行った。会員ら約10人による趣向を凝らした季節の飾りは10月末まで楽しむことができる。

 ハロウィーンの飾り付けは今年で7回目。会員らが布や100円均一の商品などを使用し毎年飾りを手作りしている。今年は植木鉢やバスケットを材料にしたNHK総合番組「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃんとキョエちゃんも飾りの仲間入り。新型コロナウイルス感染症の終息を願い、アマビエの飾りも現在制作中とのこと。

 昨年の飾り付けでは、会員が手作りした「カボチャの家族」の手や頭がもがれるといった事態に。今年は破損しにくいように工夫を施したという。

 平田代表は「コロナ禍ですが楽しみもないと。お散歩がてら寄っていただき、少しでもハロウィーン気分を感じていただければ」と話している。

 同所では現在、キキョウやコリウス、白いヒガンバナなど、秋の草花が見頃を迎えている。

(2020年9月29日付紙面より)

ハロウィーンに向けて飾り付けを実施した=28日、新宮市のタウンガーデン
2020年09月29日
5 入賞作品候補17点決める  本年度観光フォトコン審査  (串本町 )
2020年09月29日
6 縦割り3ブロックで対抗戦  古座中が本年度体育祭挙行  (古座川町 )
2020年09月29日
7 動物駆遂用煙火で鳥獣害対策  熊野川町で追い払い花火講習会  (新宮市 )
2020年09月29日
8 野中誠一さんが1位  写連紀南支部9月度例会  
2020年09月29日
9 5ブロック対抗で熱戦  スポーツフェス2020  (新宮高校 )
2020年09月29日
10 丸山千枚田でヒガンバナ見頃に  熊野市紀和町  
2020年09月29日
11 讃寿会が草刈り作業  「社会奉仕の日」に合わせて  (紀宝町 )
2020年09月29日
12 躍動する姿に歓声  神内小と相野谷地区で運動会  (紀宝町 )
2020年09月29日
13 お悔やみ情報
  
2020年09月27日
14 コロナ終息と温泉郷繁栄祈る 熊野本宮大社で「献湯祭」 

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で26日、献湯祭が営まれた。熊野本宮温泉郷(川湯、湯の峰、渡瀬)の18軒の旅館・民宿などの代表者たちが一番湯をささげ、自然の恵みに感謝するとともに温泉郷の繁栄を祈った。

 熊野本宮観光協会(名渕敬会長)が主催。今年で42回を数える。朱塗りのたるを手にした旅館のおかみらが、新型コロナウイルスの終息や温泉郷の繁栄などの願いを込めて、本殿前に置かれた大たるに一番湯を注ぎ込んだ。今年はコロナ感染拡大防止の観点から、毎年恒例の温泉コーヒーの振る舞いは中止となった。

 本宮町の観光客数は、2011年は紀伊半島大水害の影響で100万人を割ったものの翌年以降回復。18年には台風20号により川湯地区の大塔川が氾濫し川湯温泉街では甚大な被害を受けたが、昨年3月に復興を遂げた。昨年は宿泊客14万5778人(前年比2万6019人増)、日帰り客173万4100人(同23万4900人増)の計187万9878人(同26万919人増)だった。

 九鬼宮司は「コロナの影響で多くの人が四苦八苦しながら観光客を迎える対策を講じていると思う。あと数カ月で新たな年を迎える中、同大社でも多くの人に安心安全に本宮町にお越しいただくために対策を考えている。三つの温泉郷含め、まちのつながりが強くなると信じている」。

 同大社は未来へ向かいスタートする場所であるとし「いろいろなことがあると思うが神様に手を合わせ、スタートを切っていただく機会としてほしい」とあいさつした。

 名渕会長は献湯祭の斎行に感謝を述べ「ありがたいことに少しずつ観光客が戻ってきている。温泉郷では安心安全対策を万全に整えている。熊野本宮大社でよみがえり・再生を願い、温泉郷で体を清めてゆっくりしていただければ」と思いを語った。

(2020年9月27日付紙面より)

一番湯を大たるに注いだ=26日、熊野本宮大社
2020年09月27日
15 大雨で町道破損
 一時的に断水する世帯も  (那智勝浦町 )

 1時間当たりの最大雨量が109㍉を記録した那智勝浦町市野々地区で25日、水かさの増えた天女(あまめ)川支流の水勢により町道の一部が破損した。その際に道下を通っていた水道管も壊れたため、一時的に断水となった。

 近所に住む70代男性は「これだけまとまった雨が降ったのは紀伊半島大水害以来だと思う。すごい量の雨だったので、水が越えて流れ出しそうな予感はあった」と話した。

 同町水道課によると、同日午前10時30分ごろに道幅約1㍍の町道が、直径7㍍、高さ4㍍にわたり水によって崩れ、近隣の約10世帯が断水したという。11時ごろに破損箇所を発見し、水道業者が応急的な修理を行い、午後2時に復旧した。

 建設課は、25日時点では破損した町道の工事や道の復旧見込みは未定だと見解を示した。

 また、この雨で同町井鹿、湯川、宇久井、天満地区などが冠水した。同課が安全のためにバリケードを設置したが、水が引いたため夕方には全てを撤去した。

 県の発表によると、この日の累積雨量は同日午後3時30分現在、市野々地区で209㍉、新宮市高田で296㍉を記録したという。

 また、住家被害は床上浸水が新宮市田鶴原地区で1件、串本町田子地区で1件が報告されている。

(2020年9月27日付紙面より)

水の勢いで破損したとみられる町道=25日、那智勝浦町市野々
大量の水が流れ込んだ市野々地区(読者提供)
2020年09月27日
16 初の全校行事で青春謳歌 新宮市・那智勝浦町で体育祭 

 那智勝浦町立那智中学校、宇久井中学校、下里中学校、新宮市立城南中学校、光洋中学校の5校で26日、体育祭が開かれた。新型コロナウイルス感染拡大や前日の大雨により開催が危ぶまれていたが、当日は天候も回復し、生徒たちは本年度初の全校行事で青春を謳歌(おうか)した。

 那智中学校(岡史博校長、生徒149人)のスローガンは「必笑(ひっしょう)」。新型コロナに負けず、勝っても負けてもみんな笑顔で体育祭を終えようという思いを込めた。

 岡校長は「思うように練習できず、もどかしい思いをしたこともあると思う。今日は昨日の自分を乗り越え、120%の力を出して頑張ってください。君たちにはできます」と激励。生徒を代表して山本光優さんが宣誓し、4ブロックに分かれて熱戦を繰り広げた。保護者らもたくさんの声援を送り、子どもたちの姿をカメラに収めていた。

 各校開催時間を半日に短縮し、開会式でのマスク着用や休憩テントの分散、保護者の人数制限などさまざまな感染防止策を取った。なお、新宮市立緑丘中学校は大雨によるグラウンド状態悪化のため、翌27日に延期した。

(2020年9月27日付紙面より)

山本光優さんが宣誓=26日、那智勝浦町立那智中学校
2020年09月27日
17 全力で競技に取り組む
 第34回新人陸上競技大会  
2020年09月27日
18 行政相談の仕組み学ぶ  福祉センターでリモート研修会  (新宮市 )
2020年09月27日
19 マルバチシャノキの実  阿須賀神社で鮮やかに色づく  
2020年09月27日
20 彩雲祭で並んだ力作展示  26、27日、新宮市福祉センターで「新高展」  
2020年09月27日
21 子どもたちの力作並ぶ  27日まで、熊野を描こう絵画展  (新宮市 )
2020年09月27日
22 土砂崩れ、冠水など発生  大雨による被害明らかに  
2020年09月27日
23 紹介状がない場合内科などで定額負担金を徴収  紀南病院で10月1日から  
2020年09月27日
24 クルマギクの花  新宮市熊野川町  
2020年09月27日
25 お悔やみ情報
  
2020年09月18日
26 「SHINKO2020」開幕
 新宮高校で第27回彩雲祭  

 和歌山県立新宮高校(前田成穂校長、生徒547人)の文化祭「第27回彩雲祭」(戸石蓮実行委員長)が17日、同校で開幕し、文化部によるステージやクラスの制作展示が行われた。

 今年のテーマは「SHINKO2020」。延期になった東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるために使うはずだった熱意を、彩雲祭にぶつけてほしいという思いを込めた。

 開会式で前田校長は「本校の校是は『文武両道』、言い換えれば『よく遊びよく学べ』です。新しい生活様式を守りつつ、2日間しっかり遊んで思い出に残る彩雲祭にしてほしい」。戸石実行委員長は「新型コロナウイルスの大騒動の中ですが、開催することができた。今までにない新しい形の彩雲祭にしましょう。手洗いなどの感染対策をしながら、全力で楽しみましょう」とあいさつした。

 オープニングを飾ったのは吹奏楽部。「Dear this moment~チーム亀サウンドを届ける~」をテーマに、「千と千尋の神隠しハイライト」や「Uptown Funk」「君の瞳に恋してる」で会場を盛り上げた。

 18日には映像による各クラスの発表や生徒会による「ロミオとジュリエット」、琴部によるミニコンサート、制作展示などが行われる。

 今年は新型コロナ拡大防止のため、25日(金)開催のスポーツフェスティバルと合わせて生徒のみの参加とした。保護者や地域の人が生徒の取り組みや作品を見ることができるよう、26日(土)午後0時30分~翌27日(日)午後3時、新宮市福祉センターで「新高展」の開催を予定している。

(2020年9月18日付紙面より)

会場を盛り上げる吹奏楽部=17日、新宮市の県立新宮高校
戸石蓮実行委員長
2020年09月18日
27 水野忠央収集の史料群
 丹鶴城旧蔵幕府史料が入荷  (新宮市立図書館 )

 新宮市井の沢の市立図書館にこのほど、紀州徳川家付家老・9代新宮城主水野忠央(ただなか)が収集した史料群の一部である「丹鶴城旧蔵幕府史料」が入荷した=写真。同図書館では現在、2009年に入荷した第1巻を含めた全35巻が郷土資料室で閲覧可能となっている。

 学習院大学図書館が所蔵する「旧丹鶴城蔵書幕府書類」を影印複製したもので、「御老中留書類」のうちの日常政務や儀礼関係が中心となっている。学習院女子大学の元教授・松尾美惠子氏が監修した。

 忠央は江戸三大国書の一つ「丹鶴叢書(そうしょ)」の刊行でも有名。忠央が収集し所蔵していた膨大な書籍や記録の多くは散逸したが、一部が学習院大学図書館に伝存していた。

 同史料では、奏者番による幕府日記や代官・領主からの問い合わせに対する幕府の回答をまとめたもの、寺社・信仰・祭祀(さいし)に係る事例を書き留めたもの、大名の上・下屋敷、抱屋敷から発生した火事の記録、江戸城中において大規模な儀礼や人事情報、城内全体に日々伝達された御沙汰書の記録、江戸幕府代官の地方支配における勤務のマニュアルなどが収録されており、国立公文書館内閣文庫や国立国会図書館にもない極めて貴重な史料群となっている。

 第35巻には「公紀私録」「進達談済写」が収録されており、新宮の風聞探索書をはじめ付家老同士の書状の記録などから、忠央の幕閣や藩政との関わりや動向を見ることができる。

 貸し出しは基本的に不可だが、34巻「珍説見聞集」と35巻に関しては同図書館1階カウンター横の「熊野の本あれこれ」コーナーに一定期間設置している。問い合わせは同図書館(電話0735・22・2284)まで。

(2020年9月18日付紙面より)


2020年09月18日
28 5年に1度の国勢調査始まる
 インターネット回答も可能  

 日本に住む全ての人を対象にした5年に1度の「国勢調査」が始まった。回答期日は10月7日(水)までで、郵送などでも可能だが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、総務省はインターネット回答の利用を呼び掛けている。

 調査は1920(大正9)年から始まり、今年で100年目を迎える。調査で得られたさまざまな統計は、政治・行政、民間企業や研究機関でも広く利用され、国民生活に役立てられる。

 紀宝町では国から任命を受けた調査員71人が全世帯を訪問し、調査票の配布、回収などを行う。調査員は写真付きの調査員証、腕章を身に着け、国勢調査員であることを確認できるようにしている。

 今回は新型コロナの影響で原則、インターホン越しで説明し、郵送、インターネットでの回答を求めるなど非接触式の調査方法を導入した。

 町では「事情などにより必ずしも非接触方法で行えない場合もあると思いますので、その際は調査員による感染拡大防止対策を徹底した上で調査に当たっていただく。ご理解とご協力を」と求めている。

(2020年9月18日付紙面より)


2020年09月18日
29 絆とその深化の思い新たに
 日ト友好130周年追悼式典  (串本町 )

 串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑で16日に追悼式典があり、日本国とトルコ共和国の各代表者が殉難将士への敬意をささげ両国友好の絆とその深化への思いを新たにする節目とした。

 この式典は、同町と駐日トルコ共和国大使館が主催する日本トルコ友好130周年事業の一環。この周年はトルコの前身・旧オスマン帝国の軍艦エルトゥールル号(以下エ号とする)が樫野沖で遭難した年(1890年)を起点にして数えていて、両主催は5年ごとに同事業を計画し同碑に眠る殉難将士を追悼し両国友好の深化を重ねている。

 今年は130周年の節目に当たり、現在の同碑が建立された期日(6月3日)に合わせてさまざまな行事をする計画だったが世界的なコロナ禍の収束が見られず延期。同町がエ号遭難期日の9月16日に営んでいる月命日の大祭を同事業の陸上追悼式典へ昇格させ、町内の各代表者の数を最小限に絞り町外の各代表者はインターネット経由で参列する形で営む方向で再度調整を進めてきた。

 式中の音楽は参列する予定だった海上自衛隊呉音楽隊が収録した音源を使用。黙とうや国歌斉唱、東京ジャーミィ・イマームによる礼拝に続き、日本・トルコ協会総裁を務める三笠宮家の彬子(あきこ)さまは「両国をオンラインでつなぎ、同じ時を共有し共に祈る機会を持てたことは友好の歴史に刻まれる特別な出来事になるでしょう。この大切なひとときを胸に深くとどめ、両国の友好の歴史が途切れることなく紡ぎ続けられることを祈る」とおことば、一時帰国で列席ができなかったハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使は同碑に眠る将士の礎が世界で類を見ない友情を生むきっかけになっていることを振り返って「同じ場所に集うことがかなわずとも先人たちから引き継いだ友情を胸に心と気持ちはともにある」「真心と義理人情の上に育まれたトルコと日本の友情が人間社会の最も価値ある宝物として輝き続ける事を確信する」とビデオレターをそれぞれ寄せた。

 町内各代表者が碑前に献花し同碑に根付いている追悼歌(演奏)をささげた後、田嶋勝正町長は「この地で殉難将士のみ霊をお守りし史実と助け合う心の大切さを語り継ぎ、かけがえのない絆を育んでいくことが現在に生きるわれわれの使命。両国の絆が今以上に発展していくことを心より祈念する」と式辞を述べて締めくくった。

 感染症予防の一環で一般参列の自粛を求める一方、式典はテレビ和歌山に依頼し動画サイト経由でライブ配信。両国を含め参列できなかった人々に様子を伝えた。

 町内から代表参列した各代表者は田嶋町長夫妻、同町議会の結城力議長、樫野区の高山カヤ子区長、大島区の稲田賢区長、須江区の福島三男区長、同町トルコ文化協会の伊藤アイシェギュル代表の計7人。

(2020年9月18日付紙面より)

トルコ軍艦遭難慰霊碑に花をたむける田嶋勝正町長と直子夫人=16日、串本町樫野
2020年09月18日
30 山口酒店が優勝 第158回職場対抗ボウリング大会 
2020年09月18日
31 架空請求の郵便物に注意  串本警察署  
2020年09月18日
32 真の自己を尋ねて  横田南嶺老師が本出版  
2020年09月18日
33 癒やしと祈りの背景を  映像作家の西川昇さんが故郷で初上映会  (熊野市 )
2020年09月18日
34 一般会計歳入歳出決算認定など議論  9月定例会の全議案可決  (太地町議会 )
2020年09月18日
35 鮮やかなベニトンボ  新宮市・浮島の森で発見  
2020年09月18日
36 体操実施し健康保つ  ふれあいいきいきサロン  (新宮市熊野川町 )
2020年09月18日
37 流通の仕組みを学ぶ  相野谷小3年が「主婦の店」で  (紀宝町 )
2020年09月18日
38 賞味期限近い商品の交換会を  紀宝町議会一般質問②  
2020年09月18日
39 友好を意識する機会得る  トルコの菓子などを配布  (串本町 )
2020年09月18日
40 9月定例会一般質問⑤  串本町議会  
2020年09月18日
41 お悔やみ情報
  
2020年09月16日
42 コロナ終息への願い込め
 厳かに本殿大前ノ儀  (三輪崎八幡神社 )

 新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社例大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。中村武・氏子総代会長ら祭り関係者約30人が参列し、神様をたたえて地域の平穏無事などを願った。

 例大祭は漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭り。今年は新型コロナウイルス感染症防止の観点から大幅に規模を縮小して実施。元宮を目指して八幡神社を出発し、恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が豪快にぶつかり合いながら町を練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)、その他の奉納行事は中止となった。

 大前ノ儀では、厳かな雰囲気の中▽総代会▽三輪崎区▽漁業協働組合▽農業実行組合▽大黒講―の各団体が保管していた神様の神徳をいただくより代の金幣を返還。熊野速玉大社神職が祝詞、屋敷満雄区長が祭詞を奏上し、参列者が玉串を供えた。

 中村氏子総代会長は「コロナウイルスの終息と地域の繁栄を願い、滞りなく営むことができました。来年は再び勇壮な祭りができることを信じて過ごしていければ」と話していた。

(2020年9月16日付紙面より)

さまざまな思いを胸に祈願する参列者=15日、新宮市の三輪崎八幡神社
各団体の代表者が金幣を返還した
2020年09月16日
43 新型コロナへの対応学ぶ
 利用者宅を訪問して安否確認も  (かわりない会 )

 紀宝町鵜殿の老人憩の家讃寿(さんじゅ)荘で通所サービス事業を展開する「かわりない会」(牧戸光彦会長)の世話人ら16人が14日、同所で出前講座を受け、新型コロナウイルス感染症への対応などを学んだ。

 同会は毎週1回、利用者を迎えて活動しているが、7月末に近隣市町で新型コロナが発生したため、8月から活動を休止している。8月末には世話人が17人の利用者宅を手分けして訪問し、安否を確認した。

 これまでも感染症対策を講じていたが、改めて対策を身に付けようと講座を開き、紀南病院感染対策室の根本保正さんを講師に招いた。根本さんは「感染者が減ってもクラスターが発生すると一気に増加する」と述べた上で、現時点での感染経路は感染している人のくしゃみやせきで出るしぶきを吸い込む飛沫(ひまつ)感染と、触ったところからウイルスが付着する接触感染の二つと説明した。

 潜伏期間は1~14日ほどで無症状の人でも感染力があるとし「マスク着用、手指消毒、手洗いだけでなく、日常生活でも3密にならないことが大切」と示した。マスクは▽予備を用意する▽装着、外すタイミングに気を配る▽こまめに替えること―を呼び掛けた。

 今後はインフルエンザと新型コロナの区別がつかない可能性が出てくることから、マスク、手指消毒といったコロナ同様のインフルエンザ対策も求めた。

 牧戸会長は「再開を望む利用者さんが多いが、地域や国内の感染状況を鑑みながら再開時期を考えたい」と話していた。

(2020年9月16日付紙面より)

利用者宅を訪問する世話人(紀宝町社会福祉協議会提供)
新型コロナ対策を紹介する出前講座=14日、紀宝町鵜殿の讃寿荘
2020年09月16日
44 完全飼育の第3世代誕生
 3度のふ化で確信し発表  (串本海中公園 )

 串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)が14日、アカウミガメの完全飼育の第3世代が今年誕生したことを発表した。

 誕生した第3世代は、2010年に生まれ現在は館内ウミガメパークで継続飼育中の第2世代個体・くしもトリオ(クー・シー・モー、いずれも雌)のうちモーが産んだ卵からふ化した。

 今年は3匹とも同パークの人工孵化(ふか)場で産卵行動を示していて、モーは計3回の同行動とその位置を確認。6月24日産卵分が8月29日、7月8日産卵分が9月2日、7月21日分が9月13日にそれぞれふ化し、飼育を担当する吉田徹副館長は繁殖可能な状態に達したと確信を得て発表へ踏み切ったという。

 確信を得るに至った3回目のふ化では50匹が誕生した。後の掘り返しで残った卵の数を確かめて正確なふ化率を計算するが、1回の産卵で100~120個産むことが知られていて今回は約半数が無事誕生した状況だという。

 くしもトリオの親に当たる第1世代は11歳時から同行動を示し15歳時の産卵で第2世代が誕生した。くしもトリオはそろって10歳で同行動を示し、吉田副館長は「完全飼育個体の子が生まれた時ほどのインパクトはないが、アカウミガメが何年で成熟するかをより深く探る点で参考になる実績だ」と第3世代誕生の意義の一端を語る。

 同館は1971年の開館当初から野生個体を館内飼育。1986年に人工産卵場を設置し、野生個体の入れ替えを適時しながら飼育環境下での繁殖を研究している。完全飼育の第1世代は1995年、第2世代は2010年、第3世代は今年にそれぞれ初誕生。吉田副館長は「累代飼育は本館の目指すところで、この飼育実績は世界的に絶滅が危惧されるアカウミガメを種として保存していく上で役立つ。完全飼育で3世代目まで繁殖に成功しているのは、今のところ本館のみで、さらに次のステップへ進めたことがうれしい。この誕生がきっかけとなり関心を持つ機関が現れたら、互いの研究を深めるため積極的に協力をしていきたい」と話している。

 第3世代は今後、モーの3回目のふ化で生まれた50匹をまず1年飼育し、第2世代同様に雌雄数匹を選抜して終生飼育個体とし残りは海へ送り出す予定という。

(2020年9月16日付紙面より)

完全飼育第3世代の個体(13日ふ化)と飼育担当の吉田徹副館長=14日、串本海中公園センター

2020年09月16日
45 串本少女バレーが優勝
 那智勝浦町総体スポ少バレー大会  
2020年09月16日
46 補正予算は8207万円  紀宝町議会定例会が開会  
2020年09月16日
47 国勢調査装う不審電話に注意  高齢者地域見守り隊が合同啓発  (紀宝町 )
2020年09月16日
48 9月定例会一般質問③  串本町議会  
2020年09月16日
49 3密回避などに協力を  宿泊避難支援事業の活用呼び掛ける  (新宮市 )
2020年09月16日
50 お悔やみ情報
  
2020年09月09日
51 早船競漕を取りやめ 例大祭に向け事故防止協議会 (熊野速玉大社)

 熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」=10月15日(木)、16日(金)=に向けた事故防止協議会が7日夜、同大社双鶴殿であった。約20人の関係者らが、安全に例大祭が執り行われるよう注意事項などを話し合った。なお、今年は新型コロナウイルス感染予防の観点から、早船競漕(きょうそう)を取りやめ、一部規模を縮小し斎行する。

 例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を回る「神輿渡御式」からなる祭り。

 2月の御燈祭(おとうまつ)りと合わせ、「新宮の速玉祭・御燈祭り」として2016年3月、国の重要無形民俗文化財(重文)に指定された。

 上野宮司は早船競漕の取りやめについて、7月から各地区の意向を聞いていたが、いまだコロナの終息が見えない現状を鑑み取りやめに至ったと経緯を説明。「規模は縮小するが古来の習わしにのっとって執り行っていきたい」と述べた。

 今年の留意事項には▽参列の自粛を行う▽大祭供奉(ぐぶ)員を減らす▽参加者、関係者の体温検査を行う▽参加者、関係者へ手の消毒、人との距離の確保、マスク着用を呼び掛ける▽直会(なおらい)の中止―など、コロナ感染対策が盛り込まれた。

 15日の本殿大前の儀は参列を呼び掛けず神社関係者のみで営む。渡御式は参列者を例年の5分の1程度とし、神馬渡御式は同大社を出立後、登坂を通って阿須賀神社に向かい、市内を回らず同大社に戻る。神輿渡御式では神幸船神輿を使用。出立後、市内を回らずそのまま河原へ向かう。

 上野宮司は「コロナの影響で今年はさみしいお祭りになると思う。渡御することは民俗的に見ても古い風習。渡御があってこそ意味がある」と祭りへの思いを語った。

(2020年9月9日付紙面より)

例大祭に向け協議が行われた=7日夜、熊野速玉大社双鶴殿
上野顯宮司
2020年09月09日
52 家族ら迎え集大成を披露
 吹奏楽部第8回定演開く  (潮岬中 )

 串本町立潮岬中学校(水上茂秀校長)の吹奏楽部(谷下好花部長、部員13人)が5日、同校体育館で第8回定期演奏会を開き現ユニットの集大成となる演奏を響かせた。

 この定演は約7年前、部員数増を背景にし校外活動が多い串本古座高校吹奏楽部の姿勢に憧れた当時の部員が一丸発起して始めた取り組み。以来3年生部員最後の出演機会として回を重ねている。

 本年度は新型コロナウイルスとの兼ね合いで中止を考えた時期もあったが、学校が対外的な関わりを避け校内未感染である状況と社会情勢にひるまず熱心に活動する部員の姿を判断材料にし、事前の呼び掛けを校区全体ではなく生徒教職員と家族に限定する形で実施を目指してきたという。

 当日は指揮者を務める坂本健斗顧問と賛助出演のOB・OGも加えた15人組で本番を迎え、家族や教職員ら約50人が来場。水上校長はつなぐ意思と自助能力の高さが現在の部員の持ち味だと評価し「熱意に満ち、思いのこもった味わいのある演奏を期待する。来場の皆さまには温かい鑑賞をお願いしたい」とあいさつして開演に花を添えた。

 プログラムは前後半の2部構成で、計10曲を演奏。演奏以外のパフォーマンスは特になかったが、後半は青色のジーンズをはいてステージの印象を切り替える趣向を交えた。後半終了後はアンコールの声が掛かり、さらに1曲を奏でて定演を締めくくった。

 坂本顧問は「臨時休業で活動できず8月の吹奏楽コンクールも中止となって音楽は無力だと感じた時期もあったが、それでも熱心に打ち込む生徒の姿を見て指導する自分もやりがいを感じた。地域に愛される吹奏楽部としてこれからも頑張っていきたい」とあいさつして来場に感謝。

 定演を終えて谷下部長(3年)は「感染の予防もある中で開催させてくれた先生方にまず感謝したい。今回はコロナウイルスで不安を感じている人に元気を出してもらうため、みんなで楽しめる定演を目指して練習してきました。今日はその力を十分に出し切ることができ、これが皆さんの楽しみになっていたらうれしい。私たち3年生は今日で引退になるけれど、2年生、1年生はこれからもみんなで力を合わせて頑張ってほしい」と胸中を語った。

(2020年9月9日付紙面より)

現ユニットの集大成となる演奏を響かせる吹奏楽部の部員ら=5日、串本町立潮岬中学校
部員らの演奏を見守る家族ら
2020年09月09日
53 命の大切さや防災学ぶ
 龍神中生徒24人が来町  (那智勝浦町 )

 和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)は4日、那智勝浦町体育文化会館と同センターで熊野地方へ体験学習に訪れた田辺市立龍神中学校の1年生24人を迎え、土砂災害についての学習を行った。2011年に発生した紀伊半島大水害の被災者で、同水害の語り部を続ける同町井関の防災士・久保榮子さんが紙芝居などを用いて水害当時の状況を伝え、生徒らは命の大切さや災害への学びを深めた。

 同校では以前より、現地に赴いての体験学習を各学年で実施している。1年生は昨年から「紀南体験学習」として、同町と串本町を訪れている。

 1泊2日で地方の文化や食の大切さ、自然を学び考える内容となっており、生徒らは3日に同町の大門坂を歩き串本町へ。天候不良のため、予定していたシュノーケリングは中止し、海中公園や南紀熊野ジオパークセンターで翌日の土砂災害について事前学習を行った。

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■土砂災害について



 坂口所長は土砂災害は命を落とす確率が高く、身近で発生している災害であると説明。土石流や地滑り、がけ崩れ、深層崩壊があるとし、事例ごとに画像や動画をスクリーンに映し出した。

 和歌山県は80%が山地であり雨が多いため、毎年土砂災害が発生していることを知ってほしいと述べた。「紀伊半島大水害時には田辺では深層崩壊や土石流が発生し、新宮市や那智勝浦町では土石流が発生した」とし、「災害時は早めの避難を」と呼び掛けた。

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■紙芝居と○×クイズ



 久保さんは自身の水害体験をまとめた紙芝居を披露。「激流に流された」「フェンスに引っ掛かり助かった」「夫を失った」「娘との再会」などの実体験を、感情を込めて読み、生徒は真剣な表情で内容に耳を傾けていた。また、近所の住民に聞き取った当時の状況を紹介し、自助や共助の大切さを説明した。

 その後、久保さんはウサギのコスチュームで登場。素早い避難の重要性を表すために「脱兎(だっと)の如(ごと)く」といわれるウサギをコスチュームにしたと話し、○×クイズを実施。「自分の命は自分で守る」「電気、水道、ガスで一番失ってはいけないのは電気である」などの防災に関する問題を出し、生徒は楽しみながら学びを深めた。

 久保さんは「早めの避難には準備が必要。そして自分の命や家族、近所の方の命も大事。どうか私の紙芝居を教訓にしていただき、命が守れるように行動してほしい」と締めくくった。

 生徒を代表し、山本浬(かいり)君が「今日は防災について早めの避難で大切な命がたくさん守れることが分かった。学校へ戻りみんなに伝えていきたいです。ありがとうございました」と感謝を述べた。

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■啓発センターで学ぶ



 久保さんらの講演後、生徒らは市野々地区にある土砂災害啓発センターに移動。実験装置を用いて砂防えん堤の効果や重要性を理解するとともに、実際の砂防えん堤の前でその仕組みや種類などの説明を受けた。

 新行靖校長は「どのような災害が起きるか分からない。中学生は家族や地域を助けることができる力を持っている。減災・防災に携わることのできるリーダーになってほしい」と語った。

(2020年9月9日付紙面より)

久保榮子さんが水害の様子を伝えた=4日、那智勝浦町体育文化会館
実験装置で土石流などを学んだ=同日、土砂災害啓発センター
2020年09月09日
54 園児がプレゼント手作り
 わかば保で敬老の日に向け  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町天満のわかば保育園(山田眞理子園長、園児81人)では現在、21日(月・祝)の「敬老の日」に向けたプレゼント制作が進んでいる。

 同園が開いている敬老会には例年100人を超える祖父母が参加し、園児の歌やダンス、触れ合い遊びで楽しい時間を過ごす。本年度は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったため、全員でプレゼントを手作りすることになった。

 園児たちは年齢に合わせ、スタンプを押したり、花やトンボを工作したりしてメッセージカードを飾った。5歳児は紙を絵の具で染めるところからスタートし、ピンクやオレンジのコスモスの飾りを完成させた。

 同園では運動会に向けた行進や鼓笛隊の練習も始まっており、毎日元気な声が響いている。山田園長は「規模を縮小したり、入場制限を掛けたりと工夫しつつ、園児たちが楽しみにしている発表会や運動会などを開いていきたい」と話していた。

(2020年9月9日付紙面より)

コスモスの飾りを工作する5歳児=8日、那智勝浦町のわかば保育園
スタンプでカードを飾る=8月25日、那智勝浦町のわかば保育園
2020年09月09日
55 自分の命は自分で守る  井田小全児童が防災学習  (紀宝町 )
2020年09月09日
56 「元気の秘訣は食べること」  山際さんら100歳の長寿祝う  (紀宝町 )
2020年09月09日
57 当局初日に23案件を上程  古座川町議会9月定例会始まる  
2020年09月09日
58 外壁や設備に影響及ぶ  トルコ記念館で落雷  (串本町 )
2020年09月09日
59 本を知り、人を知ろう  ビブリオバトル開催に向け  (新宮・東牟婁 )
2020年09月09日
60 コロナ対策などを上程  9月定例会が開会  (那智勝浦町議会 )
2020年09月09日
61 「これからも元気でいる」  下茂光卋さんの百寿祝う  (新宮市 )
2020年09月09日
62 お悔やみ情報
  
2020年09月03日
63 再興から33年記念し
 写真集「熊野修験」を発刊  (世界遺産熊野本宮館で写真展も )

 三重県出身のフリーカメラマン、森武史さん(62)が写真集「熊野修験」を月兎舎より出版した=写真。B5横長判並製140㌻(カラー120㌻、モノクロ20㌻)。発刊に当たり1日、森さんと那智山青岸渡寺の髙木亮英副住職が田辺市本宮町の「世界遺産熊野本宮館」で会見を開き「写真集の発刊は皆さまのご尽力と神仏のご加護のおかげ」と感謝を述べた。

 写真集は、1988(昭和63)年、髙木副住職が熊野修験を再興してから33年の節目を記念するもの。

 約1300年前に役行者(えんのぎょうじゃ)によって開かれ、各地の霊場へと広がっていった修験道。中でも那智の滝や大峰山脈を有する熊野は日本第一霊験所として多くの山伏が修行に訪れ、全国各地へ熊野信仰を広めていった。しかし、1872(明治5)年、廃仏毀釈(きしゃく)の世情の中、修験道廃止令により熊野修験も途絶した。

 髙木副住職は父・亮孝氏(青岸渡寺第7世大僧正)の遷化の際、遺品の中に山伏装束を発見。亡父の遺志が熊野修験の再興であったことを知り、父への追善供養と自らへの使命感から再興を決意した。

 髙木副住職は1988(昭和63)年、大峰山脈の南奥駈ルートを整備していた「新宮山彦ぐるーぷ」の力を借り大峯奥駈修行を、92(平成4)年に那智四十八滝回峰行、94(平成6)年に葛城二十八宿修行を復活させた。

 2001(平成13)年当時、熊野古道を撮影していた森さんは、髙木副住職に大峯奥駈道の案内を依頼したことをきっかけに修験道の精神性に引かれたという。「髙木副住職の功績を残したい」との思いから修行に同行することになり、以降約20年にわたり山林抖擻(とそう)する山伏らの姿を撮り続けた。

 完成した写真集を前に森さんは「ぜひ手に取ってもらって山伏の自然に対する思いを感じ取ってほしい」。

 髙木副住職は「迫力がひしひしと感じられる。一コマ一コマが思い出深い。熊野修験を後世に残す意義深い本だと思う」と述べ「目に見えない、言い表しがたいものが熊野三山にはある。人それぞれに応じた霊験や癒やしを求めて多くの人がやってくる。これからも多くの人に来ていただき、熊野の大自然を感じ自己を見つめていただければ」と話していた。

 写真集は本体価格2500円(税別)。発行部数は2000部で、大阪、京都府、和歌山、奈良、三重県の主要書店や月兎舎ホームページ(https://www.i-nagi.com)、楽天ブックスやAmazon(アマゾン)などで購入可能。

 また、今月30日(水)まで、同館北棟展示スペースで再興三十三周年記念写真展「熊野修験」を開催している。開館は午前9時~午後5時。

(2020年9月3日付紙面より)


写真集を手に、カメラマンの森武史さん(左)と髙木亮英副住職=1日、田辺市本宮町
2020年09月03日
64 収穫の喜び分かち合う
 高田小・中が稲刈り  (新宮市 )

 新宮市立高田小・中学校(大家淳志校長)の児童生徒18人と教職員は8月31日、地域住民らと総出で学校田「たか田んぼ」の稲刈りをした。

 同校伝統の取り組みで、子どもたちに農業の喜びや苦労、地元の自然の大切さを知ってもらうことが目的。2015年に育友会の溝口亮会長らの呼び掛けで米作りを復活させ、今年で6年目となる。

 例年は教職員が稲刈りの手順を教えるが、今年は小中合同の縦割り班を作り、中学生が鎌の使い方や稲わらの結び方を教えた。児童生徒は互いに声を掛け合い、こまめに水分補給をしながらずっしりと実った稲穂を刈り取った。今年はシカやサルの食害もあったが、地域住民らも無事に収穫を迎えて喜びを分かち合った。

 久保凜花さん(中1)は「今年は中学生が稲刈りを教えるということで、責任感が強まった。小学生の子たちはすごく活躍してくれた。去年に比べて稲が大きく育ってくれ、香りも強い気がする。今から新米を食べるのが楽しみ」と語った。

 収穫した稲穂は新高田会館前の歩道の柵で乾かした後、脱穀作業をする予定にしている。

(2020年9月3日付紙面より)

たか田んぼで稲刈り=8月31日、新宮市
2020年09月03日
65 子育て支援セなど再開
 「緊急警戒宣言」解除受け  (紀宝町 )

 三重県は8月31日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため県独自で出していた「緊急警戒宣言」を解除した。これを受けて紀宝町社会福祉協議会は、1日をもって分散勤務を終了し、神内福祉センターへの外部立ち入り禁止も解除した。今後もマスク着用や手指消毒、3密回避といった対策を継続する。

 神内福祉センター内の子育て支援センターも1カ月ぶりに再開し、初日から親子が遊び場に参加した。淡海順子センター長は「親子で安心安全に利用していただけるよう、マスク着用や手指消毒はもちろん、おもちゃを滅菌庫で消毒したり、空気清浄機を設置したりもしています。残暑が厳しい中ですが、育児の息抜きに遊びに来てください」と呼び掛けている。

 新型コロナに対応した事前行動計画(タイムライン)を運用している紀宝町も町独自の「緊急事態宣言」を解除。熊野市、御浜町など近隣市町で14日以上感染者や濃厚接触者が確認されていないことから、タイムラインのステージを4から3に引き下げた。町では引き続き感染予防啓発に取り組み、週1回の対策本部会議で各課の対応を確認していくという。

(2020年9月3日付紙面より)

親子で遊び場に参加=1日、紀宝町の神内福祉センター
2020年09月03日
66 習熟と意識高揚に努める
 全署規模で災害警備訓練  (串本警察署 )

 串本警察署(﨑口忠署長)が2日、総合災害警備訓練に取り組み要領習熟と意識高揚に努めた。

 この訓練は、県警察本部が部内奨励する「災害に備える日」(毎月5日)の活動の一環。普段は署内各部署またはその連携の範囲で取り組む形が定着しているが9月は関東大震災(1923年9月1日発生)にちなむ防災の日を軸とする防災週間によりいっそうの意識高揚が全国規模で求められる状況があり、同署も例年この訓練を計画し全署規模で取り組んでいる。

 本年度計画した訓練項目は▽徒歩と車両による警察官の緊急避難訓練〈庁舎から代替指揮所まで〉▽簡易レッカーによる放置車両排除訓練▽信号機滅灯対策訓練―の三つで、当日は訓練開始まもなく強い雨が降り出したが、一部内容を変更しながら有事は荒天もありとして対処し﨑口署長ら署員20人と大水崎避難路の使用時にまたぐ線路上の安全確保などで協力したJR串本駅の三輪順平駅長ら駅員5人が臨んだ。

 緊急避難訓練は海抜約3㍍にある庁舎から同約54㍍にある同所まで署員と車両を速やかに上げて事後対応につなげる(警察機能を被災で損失させない)ことを目的とした定番の項目。車両排除訓練は簡易レッカーの要領習熟を目的とした新規項目で、今回は軽四輪貨物自動車(トラックタイプ)の四輪に簡易レッカーをはめて4人がかりで押し動かすまでの流れを実践した。

 信号機滅灯対策訓練は国道42号西向信号交差点を実際に滅灯して実施。警察官が素養として身に付けている手信号で交通誘導を実践した。

 全体指揮を務めた同署交通課の楠間慎也課長は「いつ起こるか分からない災害に対する心の準備を常に持ち、今後も継続的に訓練に取り組んで避難対策や応急対策を高めていきたい」とコメント。

 同訓練を見届けた﨑口署長は「警察には住民を救助する責務があり、それは訓練を重ねないと円滑に発揮しがたいものでもある。この訓練を通して不備や支障があれば今後検討し、災害に備えてほしい」と署員の今後を期待した。

(2020年9月3日付紙面より)

代替指揮所への緊急避難を始める署員=2日、串本警察署
簡易レッカーによる放置車両排除訓練の様子=同日、串本警察署代替指揮所
2020年09月03日
67 優勝は久保正彦さん
 もみじ会、8月ゴルフコンペ  
2020年09月03日
68 感謝や思いやりを忘れず
 王子サッカー教室監督・大谷康央さん  
2020年09月03日
69 家賃支援給付金申請サポート会場延長  新宮市  
2020年09月03日
70 下水道管路施設災害支援協定を締結  和歌山県  
2020年09月03日
71 第3波に備え、早期の対策を  2団体が要望書を提出  (那智勝浦町 )
2020年09月03日
72 3億円の損害賠償請求へ  入鹿温泉ポンプ改良工事不履行で業者に  (熊野市 )
2020年09月03日
73 新しい友達や先生迎える  丹鶴幼稚園で始業式  (新宮市 )
2020年09月03日
74 鵜殿体育館で修繕工事  15日まで全面休館  
2020年09月03日
75 2学期がスタート!  うどの幼稚園で始業式  
2020年09月03日
76 道路整備促進を要望  東紀州に高速道路をつくる会  
2020年09月03日
77 新議員迎えて体制整える  当局案件審議に先立って  (串本町議会 )
2020年09月03日
78 広報新宮9月号の表紙に  緑丘中学校1年・中口優菜さん  
2020年09月03日
79 お悔やみ情報