新宮・東牟婁対象に地方懇談会 (和歌山県教育委員会 )
和歌山県教育委員会は27日、新宮市神倉の県立新宮高校体育館で「県立高等学校の今後の在り方」についての地方懇談会を開いた。新宮市教育委員会、東牟婁地方教育委員会連絡協議会が共催。新宮・東牟婁地方の約150人が参加し今後の県立高校の方向性や在り方について説明を受けた。
県立高校の在り方などについて審議を重ねてきた「きのくに教育審議会」(にえ川恒弘会長)は8月7日、県教委に「現在29ある県立高校(全日制)の数を、今後15年で3分の2の20校程度とするのが適正」などといった内容の答申を提出。県教委は答申を基に再編整備実施プログラム(仮称)の策定に着手し、県民からの意見を募集していくとしている。
懇談会はこの日の新宮・東牟婁地方を皮切りに県内5カ所で実施。今後の県立高校の在り方などについて広く説明するとともに、県民の意見を聞く機会としていく。
開会に当たり、宮﨑泉・県教育長は「答申ではそれぞれの地域において高校生一人一人が夢とビジョンを持って伸び伸びと勉強できるシステムを構築する必要があるとしている。今まで以上に地域の核となるような学校をつくっていかなければならない」。
年度内に具体的な再編整備実施プログラムをつくっていくことを目標とし「子どもたちの未来のために一生懸命取り組んでいきたい」とあいさつした。
速水盛康・市教育長は「われわれも少子高齢化の影響に直面しながら教育活動を実施している。いかにして子どもたちに教育を保障していけるのか、誰のための、どういった目的の再編案なのか。懇談会が学校の在り方を模索していく上で問題について共有できる一助となれば」と述べた。
県教委は現状の課題や今後の展望、各地域の状況に応じた高等学校の在り方などを答申に沿って説明。▽県の公務・教育・医療などを支える人材、教養豊かで責任ある県民の育成▽大学進学・スポーツ・文化芸術で核となる高校生の育成▽次世代の地域産業を担う人材の育成―を重点課題とし、学校の活力や環境、条件の観点で望ましい学校規模(1学年6学級程度)を想定した再編整備を行っていくとした。
(2020年9月29日付紙面より)
※ にえ川恒弘会長の「にえ」は、「執」の下に「灬」
生産農家から授産し支援 (エコ工房四季 )
串本町古座にある社会福祉法人つばさ福祉会(北野好美理事長)の事業所「エコ工房四季」(平原正雄施設長)でニンニクの種割り作業が活発さを見せている。
この作業は、みくまの農業協同組合西向営農センターと共に取り組む農福連携の一環。「エコ工房四季」は2年前からニンニク栽培の挑戦をしているが、先んじて取り組み始めたのが授産となるこの作業で、おととしは試験的に640㌔、昨年は軌道に乗り2700㌔、今年も2600㌔を生産農家から請け負っている。
ニンニクは収穫から出荷や次の栽培までの作業が多い一方、機械化がまだまだ進んでいない点で作業代行の需要が生じているそう。同センターによると管内では「エコ工房四季」に加えて「ひまわり作業所」「第2なぎの木園」「どんぐりの家」と請け負う事業所の数も増えていて、種割りを授産に委ねることで生産農家は次の栽培のための畑作りに専念しやすくなる点がこの形の大きな利点だという。
先駆的存在の「エコ工房四季」は栽培したニンニクの出荷を目指しつつ、そのために身に付けた技術を生かして生産農家から積極的に授産する支援にも力を入れている状況。日々平均30人ほどの利用者が作業分担をする中で種割りにも取り組んでいて、25日は8人組で複数個の塊となっている鱗片(りんぺん)を1個ずつに崩し、傷んでいないものを種球として選別した。
栽培はおととしに3㌃の畑で始め、昨年は20㌃、今年は30㌃と年々規模を増している。今年は古座川町潤野で40㌃分の水稲栽培も始め、隣接する畑でナスやカボチャも育てるなどして福祉農園を立ち上げ。今後はニンニク栽培も同農園へ移すという。
並行して事業所と生産農家と同センターの3者で制度化間もないノウフクJASのグループ取得を目指し、収穫したニンニクのプレミア和歌山認証も検討している。そのように付加価値を高めて、将来的には飲食店や体験型観光農園の運営、生産出荷の仕組みを確立。授産と同様に独立した収益源として地域経済に結びつけ、さらに安定化させることを最終の成果として見据えている。
(2020年9月29日付紙面より)
BLUE BEACH NACHI (那智勝浦町 )
那智勝浦観光機構(NACKT)は26日夜、那智勝浦町のブルービーチ那智で「BLUE BEACH NACHI」のグランドオープンセレモニー「キャンドルナイト」を開催した。地域住民など約100人が集まり、新型コロナウイルス終息と平和への祈りを込めて、キャンドルへの点灯を行った。
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環境省が推進する国立公園の有効活用の考えに基づき、国立公園である同ビーチの活用方法として、「優雅な」などの意味を持つ「glamorous(グラマラス)」と「camping(キャンピング)」を合わせた新しいアウトドアのスタイルである「グランピング」を取り入れたプロジェクト「BLUE BEACH NACHI」を観光機構が立ち上げた。
運営はアウトドアウエディングや空間プロデュースなどを行う京都市の株式会社ジンジャーが委託を受けて行う。
8日には南国風の雰囲気を演出したカフェ「BLUE BEACH NACHI(Cafe)」が、11日にはグランピング施設の「BLUE BEACH NACHI(STAY)」がオープン。周辺には子どもや大人が遊べる電気を使用しない遊具やボードゲームが設置されている。
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同社の代表取締役の磯石裕子さんが事業内容や施設について説明、参加者がトーチを用いてキャンドルに明かりをともした。その後は全員で乾杯し、歓談を楽しんだ。
磯石さんは「グランピングは遠方のお客さまがターゲットだが、地元の方々にも愛される憩いの場にしたいという思いから、カフェとキッズエリアをご用意させていただきました」と語った。
同機構の理事長を務める堀順一郎町長は「現在はアウトドアが人気。今までにない新しいお客さまを迎えるための実証実験をしたいという思いから今回のグランピングの実施となった」。
今後については「観光機構は観光によってこの地域を活性化させることを目指している。町の観光のキャパを増やし、新しい顧客を開拓していきたい」と話した。
(2020年9月29日付紙面より)
タウンガーデンに季節の飾り (新宮市 )
新宮市保健センター隣の花壇・タウンガーデンを管理するボランティアグループ「タウンガーデン」(平田裕子代表)は28日、同所でハロウィーンの飾り付けを行った。会員ら約10人による趣向を凝らした季節の飾りは10月末まで楽しむことができる。
ハロウィーンの飾り付けは今年で7回目。会員らが布や100円均一の商品などを使用し毎年飾りを手作りしている。今年は植木鉢やバスケットを材料にしたNHK総合番組「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃんとキョエちゃんも飾りの仲間入り。新型コロナウイルス感染症の終息を願い、アマビエの飾りも現在制作中とのこと。
昨年の飾り付けでは、会員が手作りした「カボチャの家族」の手や頭がもがれるといった事態に。今年は破損しにくいように工夫を施したという。
平田代表は「コロナ禍ですが楽しみもないと。お散歩がてら寄っていただき、少しでもハロウィーン気分を感じていただければ」と話している。
同所では現在、キキョウやコリウス、白いヒガンバナなど、秋の草花が見頃を迎えている。
(2020年9月29日付紙面より)
勝浦八幡神社例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)例大祭の宵宮が12日、本宮が13日に営まれた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から神輿(みこし)渡御を取りやめ、式典のみが厳かに行われた。
7月に開かれた祭典委員会で協議し、関係者や参加者の安全などを考慮して今回の内容を決定。神輿渡御に付随する各行事も取りやめとなった。
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12日午後5時から同社で宵宮の式典が営まれた。神社の役員や総代、近隣の区長、各奉仕団体の代表らが参列した。髙橋宮司が町の発展やコロナ終息などを祈願し、祝詞を奏上した。
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翌13日は午前10時から本宮の式典が斎行された。前日と同じく、来賓は招待せず、役員や各奉仕団体の代表らが出席し、玉串をささげ祈った。
祭典後、髙橋宮司は「コロナのため、神輿の渡御もできない状況だったが、獅子舞と舟謡(ふなうた)の奉納をいただいた。来年は氏子や町の発展のために通常通りの祭典にしたい。今日から準備していきたい」と語った。
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宵宮と本宮の両日とも勝浦獅子神楽保存会(沖和也会長)と舟謡勝謡会(中村誓会長)が獅子神楽と舟謡を奉納した。
両団体とも7月の祭典委員会の際に奉納したい旨を各委員に伝え、今回に至ったという。
沖会長は「盛大に行えないのは残念だが、神事に参加できたのはありがたい。来年は例年以上ににぎやかなお祭りにできれば」。
中村会長は「こういうご時世の中、少しでもにぎやかにできればと思い奉納させていただいた。コロナの終息を願いました」と語った。
なお、今年初めから櫂伝馬保存会、愛友会、商工会の有志が舟謡の練習に取り組んでおり、今回初めて舟謡勝謡会と共に舟謡を歌った。
(2020年9月15日付紙面より)
王子分館が人権学習 (新宮市 )
新宮市公民館王子分館(野尻和則分館長)は13日、市立王子ヶ浜小学校で人権学習会を開いた。約40人が参加し、DVDを視聴するなどして人権問題に対する学びを深めた。
この日、同分館は同校運動場を利用したグラウンドゴルフ大会を予定していたが天候不良のため中止に。地区住民が集まる機会を利用し、学習会に切り替え実施した。
野尻分館長は、長引くコロナ禍中における公民館活動の現状に触れ「新宮市では新型コロナの感染者は出ていないが、さまざまな活動に制限がかかっている。今は辛抱の時」。
DVDの視聴に当たり「お互いに気を使いながら仲良く。差別をなくしていきましょう」とあいさつした。
同校の山本眞也校長は、日頃の見守り活動などに対する感謝を述べ「コロナの影響で、半日だけの運動会を予定している。例年なら成長を見ていただける機会としているが今年はお返しすることが難しい。しかしいろんなことを模索しながら、できることをやっていければ」。同町出身の濵田雅美市議会議員が今年の4月に供用開始となった同校前の避難路について説明し「地域の皆さんが諦めることなく声を上げ続けたおかげ」と感謝を伝えた。
参加者らは、会員制交流サイト(SNS)を使ったいじめ問題や、子ども、障害者、女性、高齢者などの人権を扱ったDVD「身近な人権問題~人権は小さな気づきから~」を視聴し、知見を広げた。
(2020年9月15日付紙面より)
避難所開設・運営訓練 (紀宝町 )
新型コロナウイルスに対応した避難所開設・運営訓練が11日、紀宝町井田の井田公民館であった。井田、神内両地区の自主防災会の代表者らが参加し、避難者の受け入れ方法を考えた。
はじめに、町民防災会議第1ブロックの田中正吾会長が「新型コロナ感染拡大が続き、安心できない状況だが、安心・安全は自分で守るもの。災害は待ってくれない。自主防災の活動を止めるわけにいかず、今日は避難所の開設を考えていきたい」とあいさつした。
町総務課防災対策室の職員は、両地区避難所のレイアウトを基にコロナ対応の避難所開設・運営を説明。避難所では玄関で検温、受付で消毒し、問診票に記入して避難スペースに移動することや、受付要員はフェースガード、マスクを着用するなどと伝えた。
熱がある場合は専用スペースへ誘導し、スペースがない場所では自家用車などで待機することも考えているという。
この後、訓練に取り組み、マスクや体温計などの備品を確認し、パイプとビニールシートを組み合わせてパーティションを設置。受付での検温や問診確認も行った。
参加者からは「インフルエンザが流行した際も同じ対応を取るべきでは」などの意見があった。
(2020年9月15日付紙面より)
井関・八反田地区で花火大会 (那智勝浦町 )
2011年9月の紀伊半島大水害で大きな被害を受けた那智勝浦町の井関区(石井康夫区長)・八反田区(三隅玄也区長)合同の夏祭り花火大会が12日、井関区の駐車場で開催された。両区の若者有志で組織する井関・八反田地区夏祭り実行委員会が主催。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から恒例の盆踊りや露店などは中止となったが、多くの住民らが夜空に咲く大輪を楽しんだ。
地域の盆踊りは地区内の妙法鉱山が閉鉱した1972(昭和47)年ごろから中断していたが、実行委員会が中心となり同水害で犠牲になった人たちの霊を慰め、地域の結束を固めようと復活させた。例年は住民が準備や露店の運営を行い、カラオケや福引抽選も実施され、にぎわっている。
石井区長は「亡くなった方のみ霊を弔うということで9年間続けてこられた。現在では両地区の恒例行事となっている。若い方々が花火を打ち上げることで元気づけになると実施してくれた。最後の夏を花火で盛り上げたいと思うので楽しんでください」と語った。
午後8時に花火師による4部構成の花火が打ち上げられ、見物する住民からは歓声が上がり、拍手が送られた。
同実行委員会花火担当の樫尾佳彦さんは「今年はコロナで各地域の祭りが中止となった。町の花火も中止になったので、せめてこの地区だけでも実施して、慰霊の思いと地域の方々にも喜んでもらいたいという思いで花火を実施しました」と語った。
(2020年9月15日付紙面より)
紀伊半島大水害慰霊祭 (那智勝浦町 )
2011(平成23)年に発生した紀伊半島大水害から9年を迎えた4日、那智勝浦町は同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊祭を営んだ。例年は犠牲者の遺族や地域住民が参列するが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から堀順一郎町長と那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表のみが出席。二人は29人の犠牲者・行方不明者をしのび献花を行った。
午後1時30分に町全域にサイレンが響く中、二人は慰霊碑前で黙とうをささげ、白いカーネーションを供えた。
堀町長は那智川流域の復興について砂防えん堤などハード面の復興は進んでいるとしながらも、全てが完了したわけではないと説明。
「水害で被災された方々のご冥福をお祈りした。今後も安心安全を高め、防災・減災に努めるとともに、地域から出られている方々に再び移り住んでいただけるように頑張りたい」と力を込めた。
岩渕代表は「町が慰霊祭を続けてくれたことに感謝している。9年経過しても思いは同じ。忘れてはいけないのではなく、忘れさせてはいけない。今後も後世に伝えていく」。
水害を知らない子どもたちに対しては「この活動を知っていただき、興味や意識を持ってもらえたらありがたい。早めの避難を行い、自分の身は自分で守らなくてはいけない」と語った。
(2020年9月6日付紙面より)
王子ヶ浜を守る会が確認 (新宮市 )
ウミガメの保護活動を続けている新宮市王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)は4日、78匹のアカウミガメのふ化を確認した。ふ化したのは7月16日に確認された今期初産卵のもの。約150個の卵が、市立総合体育館(大浜体育館)前の海岸、波打ち際から約30㍍付近で発見されていた。
同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同守る会では、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。
おととしは産卵が確認されず、昨年は1度の上陸で85個の産卵を確認、21匹がふ化した。今年は、初上陸・初産卵ともに例年より遅く、ふ化場で卵の状況を見守っていたところ4日早朝に会員の榎本晴光さんがふ化を確認。おおむね健康状態も良好で、現在は育成プール内を元気に泳ぎ回っている。
同会青年部の山舗徹哉副部長は「砂の温度の上昇が理由か、今年は例年よりふ化が早いが無事にふ化してくれて安心。今年も放流会を予定しているので、子どもたちに喜んでもらえたら」と話している。
ふ化は数日間続く見込み。一定の大きさに育つまで餌やりや水替え、水温などの管理を行い、海水温が低くなる前に放流を実施する予定。
(2020年9月6日付紙面より)
「町民防災の日」を制定し (紀宝町 )
2011(平成23)年の紀伊半島大水害から9年を迎えた4日、紀宝町町民会議は「紀伊半島大水害から9年が経過しましたが、災害は、いつ、どこで、どのように起こるか分かりません。突然やってくる災害から身を守るため、普段からの備えが大切です。避難場所や避難経路、非常持出品、食料等、今一度、家族で確認をしておきましょう」などと、防災無線を通じて町民に呼び掛けた。
三重、和歌山、奈良で甚大な被害を及ぼした大水害。紀宝町では1人が亡くなり、1人が行方不明者となった。床上・床下浸水は2845棟に上った。
その後、町では大災害を教訓に防災体制の強化・防災施設の充実を図り、災害に備えた事前防災行動計画「タイムライン」を策定し、災害を学ぶ町民防災会議を組織した。また、災害を忘れないために最高水位を記した伝承碑を建て、9月4日を「町民防災の日」に制定した。
自分の命を守るためには防災意識と災害への備えが重要で、自分たちの地域を守るためには、地域を知ることが必要だろう。
〝災害を忘れない〟ということは、経験を風化させず、教訓を後世に残していくこと。「自分だけは大丈夫」と思わず、早めの避難を心掛け、家族や地域で防災について話し合うことが大切だ。
(2020年9月6日付紙面より)
三輪崎小で大輪の花咲く (ひまわりの絆プロジェクト )
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)で、6月に種を植えたヒマワリが大輪の花を咲かせた。ヒマワリは「ひまわりの絆プロジェクト」の一環で園芸委員の児童らが植え世話をしたもの。新宮警察の指導の下、ヒマワリの種植えや世話を通じて命の大切さや交通事故の悲惨さなどを学ぶ機会としていた。
同プロジェクトは、2011(平成23)年、京都府内で交通事故で亡くなった男児(当時4歳)が生前大切に育てていたヒマワリの種を多くの場所で開花させることにより、亡くなった男の子の生きた証しを残したいとする遺族の思いに応えるとともに交通事故防止の意識を醸成させることを目的に実施。
京都府警が発案したプロジェクトは16(平成28)年から全国の警察本部犯罪被害者支援室を通じて推進されており、新宮署では今年初めて管内小学校の協力を得る形でプロジェクトに参加した。
花が咲き始めたのは種をまいてから約2カ月半後の8月中旬。新型コロナの影響で短い夏休みとなった児童らを、大輪に花開いたヒマワリが出迎えた。
9月4日には、同署の上畑充史交通課長や和歌山県警マスコットキャラクター「きしゅう君」らが同校を訪れ、プロジェクトへの協力に感謝。上畑交通課長は児童らに対し「育ててくれてありがとう。これからも大きく育てて、そして交通事故をなくせるよう頑張ってください」と呼び掛けた。
園芸委員の松下まゆ花さん(5年)と南りおなさん(同)は「思ったより大きくなった。事故で亡くなった子どもはかわいそう。きれいに咲いたヒマワリを見て交通事故に気を付けようと思います」と話していた。
現在は約10輪が開花。種は児童らが持ち帰るほか、来年の種まき用に同校で保管。さらなるプロジェクトの広がりが期待される。
(2020年9月6日付紙面より)
学童軟式野球大会