ゴールデンウイーク始まる
ゴールデンウイーク(GW)が27日からスタートした。新宮市のJR新宮駅や那智勝浦町のJR紀伊勝浦駅では、ふるさとで連休を過ごす帰省客や観光客らでにぎわった。
今年は4月27、28、29日の3連休後に3日間の平日をはさみ、祝日の5月3日(金)の「憲法記念日」、4日(土)の「みどりの日」、5日(日)の「こどもの日」と振替休日の6日(月)まで4連休が続く。
昨年5月8日に新型コロナウイルスが5類感染症に移行して以降、初のGW。平日の3日を休めば10連休となり、大型連休を利用して地元や観光地に向かう人たちのラッシュが本格化する。
初日の27日、新宮駅では名古屋、大阪からの特急が到着すると、スーツケースやバッグを背負った人たちが続々と降り立った。改札口には帰省客を笑顔で迎える家族らの光景が広がった。
紀伊勝浦駅では、名古屋発の特急南紀1号が満席となり、多くの観光客らで沸いた。
家族3人で紀伊勝浦駅で下車した加藤ゆづさん(6)は「博物館でクジラを見るのと、イルカを触るのが楽しみ。ホテルに泊まるのも」。母親の春名さんは「家族旅行で、和歌山に来るのは初めて。那智の滝や忘帰洞、くじらの博物館を巡る予定です」と話していた。
(2024年4月28日付紙面より)
メーデー新宮・東牟婁集会
連合和歌山紀州熊野地域協議会による「第95回メーデー新宮・東牟婁集会」が27日、新宮市の丹鶴体育館であった。各団体から約100人が参加し、労働者の生活と地位向上を目指してスローガン、メーデー宣言を確認し、全員で結束を強めた。
スローガンは「連帯の力で平和と人権を守り誰もが安心して暮らせる新たなステージへ!」「被災地の復旧・復興に向けてみんなで支え合い・助け合おう!」。
第1部の式典で、新宮東牟婁メーデー実行委員会の川嶋良之実行委員長があいさつ。ロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮の脅威、能登半島地震による被害など国内外の情勢を挙げ「われわれ労働組合ができることには限りがあり、全ての問題を解決できるわけではないが、共に悩み、同じ涙を流すことはできる。一人で考えず、誰かに相談しましょう。これからも労働者に一番身近な相談者として、精進することを宣言します」と述べた。能登半島地震被災地の早期復興を祈念した。
県東牟婁振興局の鳥羽真司局長、労働事業3団体の代表者も来賓として出席し、祝辞を述べた。
スローガンを熊野交通労働組合の田中正雄さんが提案。「私たちの連帯の力で、平和と人権が尊重され、誰もが安心して暮らすことのできる社会を、そして、一日も早い被災地の復旧・復興を実現しよう」といった、メーデー宣言を那智勝浦町職員組合の藤社祐樹さんが読み上げた。最後は「ガンバローコール」で締めくくった。
第2部は「ゆとり・豊かさフェスティバル」を開催。巨大折り紙・落書きコーナーや、お菓子釣り、絵本読み聞かせなどを楽しんだ。Team雅龍もダンスで盛り上げた。
(2024年4月28日付紙面より)
佐野会館にこいのぼり (新宮市 )
端午の節句に合わせて新宮市佐野の佐野会館で26日、こいのぼりが掲げられた。子どもたちの健やかな成長を願って佐野区が毎年取り組んでおり、5月中旬ごろまで飾ることにしている。
会館の横に市くろしお児童館もあり、多くの子どもが訪れることから、空に泳ぐ昔ながらの大型のこいのぼりを楽しんでもらおうと毎年続けている。
会館の外壁と駐車場のポールにワイヤーを通し、吹き流しと5匹のこいのぼりを取り付けた。風が吹いていない時に垂れ下がることから、車の通行に支障がないよう最長約3・5㍍のこいのぼりを選んだ。
垣下純三区長は「昔はこの辺りでもそれぞれの家でこいのぼりが泳ぐ姿が見られたが、今は小さいものが主流になり、ほぼ見られなくなった。子どもたちに昔ながらのこいのぼりを見上げてもらえたらうれしい」と話していた。
こいのぼりを販売する人形店によると、住環境や家族構成の変化などに伴い、自宅の庭に掲揚する商品は少なくなり、ベランダや室内に飾れるコンパクトな商品が増えているという。
(2024年4月28日付紙面より)
三重県空手道選手権大会
旧グリーンピアで構想 (準備財団が支援者説明 )
那智勝浦町と太地町にまたがる旧グリーンピア南紀での私立大学設立を目指す、立初(たてぞめ)創成大学設立準備財団(樋口祥子理事長)の地元支援者に対する説明会が23日、太地町地域福祉センター梛(なぎ)であった。都市部ではなくあえて「熊野」で、日本でこれまでにない「徹底的な探究・体感型」の大学を、2027(令和9)年4月に開設することを目指すと語った。
財団のメンバーは、現役大学教員の理事とその教え子など。従来型の大学教育に問題や限界を感じていたメンバーは昨年10月から、旧グリーンピアでの設立を構想。各所で趣旨を説き、熊野三山の三社一寺の宮司や住職、株式会社キナンの会長などが協働推進者となり、その他も当地方の多くの企業が応援を表明するなど、賛同者を増やしている。説明会に参加した支援者団体「大学誘致を考える会」による署名活動も行われている。
説明会で樋口理事長は、昨今の「学び」の変革に言及。情報は簡単にインターネットで得られ、考えることすらも人工知能(AI)で行えることから、大学は従来型ではなく探究・体感型が必要と説いた。また地域の歴史や文化、伝統など、教育にも役立つ日本の重要な資産が都市部の従来型大学では生かせていないことから、地方での大学設立が重要な意味を持つことも伝えた。
学生数は年間144人で計画。教育はフィールドワークが主軸で、1年次は主にキャンパスで学ぶが、2年と3年では地域や海外に出向き、現地の人に学ぶことを繰り返す。ここで歴史や伝統、文化に触れ、探究や体感を深める。4年次はキャンパスに戻り、学びを生かして地域に還元する期間と考えている。
資金調達の手法として、徳島県の神山まるごと高等専門学校の前例を参考としている。同校はふるさと納税、寄付、クラウドファンディングの三つで設立に至っている。同財団もこれに倣い、各所に協力を呼びかけている。
樋口理事長は「熊野で皆さんと一緒に、大学をつくりたい。応援をよろしくお願いします」と求めた。住民向けの説明会の開催も考えていることを明かした。
(2024年4月25日付紙面より)
自転車の交通安全教室 (新宮高校 )
スタントマンが自転車交通事故を再現する、スケアード・ストレイト教育技法による自転車交通安全教室が22日、県立新宮高校(下村史郎校長、585人)であった。全学年の生徒が参加。危険性を知り、自転車の交通ルールの理解を深めた。
JAみくまのとJA共済連和歌山が、和歌山県警察本部、新宮警察署と連携して実施した。同教育技法は、学習者に「怖さ」を与えることで、望ましくない行為を自主的に行わせないようにするもの。スタントマンが目の前で再現することで、ルールやマナーの違反が交通事故を招く危険があることを考えてもらう。
開会に当たり、下村校長、石田守・JAみくまの代表理事組合長、宮本竜祐・新宮署交通課長があいさつ。「自転車のルールやマナーを守らなければと考えるきっかけになれば」「危険性を実感し、ルールを守り、交通事故のない安全な学校生活を送ってもらえることを願う」「自転車の運転を見直す機会にしてほしい。乗るときはヘルメットをかぶって」などと語った。
続いて、スタントマンが自転車交通事故を再現。▽ヘッドホンで音楽を聞きながら▽携帯電話で話しながら▽酒を飲みふらつきながら▽二人乗り―などを行って、いかに危ないかを伝えた。自転車で全速で跳び箱にぶつかって、衝撃の大きさを示した。
自転車と歩行者、自転車同士の事故も再現。見通しの悪い交差点から出てきた歩行者と自転車がぶつかったり、危険運転の自転車同士で衝突したりした。いずれの場合も、その後に行うべき正しい運転法を伝えた。「皆さんがルールを守れば、ルールが皆さんを守る」などと呼びかけた。
生徒らは、ぶつかって投げ出されるスタントマンの様子を、固唾をのんで見守っていた。3年生で生徒会長の宮井聡子さんは「交通事故の怖さを間近で体験することはなかったので、今日はいい教訓になった。きちんと交通ルールを守っていこうと思う。貴重な体験をありがとうございました」と感謝を述べた。
2年生の柳町彩斗さんは「自転車同士の衝突が一番びっくりした。今後は一時停止をしっかりと守ろうと思う」と話した。
(2024年4月25日付紙面より)
民生児童委協議会が総会 (新宮市 )
新宮市民生委員児童委員協議会(小内潤治会長)の総会が23日、新宮市福祉センターであった。出席44人、委任状34通で開会。昨年度の事業や決算の報告、本年度の事業や予算の提案を受け、承認可決した。
民生委員の歌の斉唱、民生委員児童委員の信条の朗読に続き、小内会長があいさつ。能登半島地震と、関連して当地方で発生が懸念される南海トラフ巨大地震に言及。「災害発生時には地域福祉の課題も深刻化すると考えられる。民生委員の活動も、平常時から災害への備えが求められている」と話した。
福祉課題はより複雑化・深刻化していると指摘。「住民に寄り添い、人々をつなぐ民生委員児童委員の役割は一層重要になっている。笑顔で暮らせる地域社会の構築のため、協力連携しながら活動していければ」とまとめた。
来賓として、田岡実千年市長が祝辞。「地域でのネットワーク形成が、地域福祉を発展していく上でますます重要になる。民生委員児童委員の皆さんの協力なくては実現できない。今後もお力添えをお願いします」と呼びかけた。
この後、議事を進行した。昨年度の事業と会計、本年度の事業と予算などを協議して認めた。
(2024年4月25日付紙面より)
創立55周年式典で誓い (新宮JC )
一般社団法人新宮青年会議所(新宮JC)の創立55周年記念式典が21日、那智勝浦町勝浦のホテル浦島であった。現役の正会員をはじめ、OB、周辺JCブロックなどから110人超が参加。共に55周年を祝い、協力して明るい未来を目指すと誓った。
式典では、新宮JCの歩みを支えてきた、歴代理事長を紹介。出席者は登壇して顔触れを披露した。宮本睦美・理事長はあいさつで、本年度のスローガン「『感謝』~みんなで繋げよう“ありがとう”~」を紹介。「55年の歴史を歩んでこられた先輩方は、地域の皆さんにありがとうの思いを持ってつないでこられたと考える。その気持ち、熱い志を次の世代につなげることを約束する」と力を込めた。
「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録20周年を迎え、催しも活発に行われていること。串本町ではロケットの打ち上げが行われるなど、最先端のまちとして歩んでいることなどに言及。「魅力あふれるこの地域を盛り上げるには、新宮JCが若きリーダーとして、率先して地域と動いていかねば。われわれには、先輩から受け継いだ知識や経験がある。1人ではできないことも、皆の力で挑戦し、困難を乗り越えれば、明るい未来につながると確信している。地域に魅力を発信し、多くの仲間を募っていく」などと決意を述べた。
新宮JCシニアクラブの中納哲史・代表幹事もあいさつ。「55周年おめでとう。新宮JCには、リーダーとして地域を盛り上げ、この地域の明るい豊かな社会の創造を目指してまい進してほしい。力を合わせて一致団結して頑張ってほしい。ぜひ皆さんのお力添えをお願いします」と呼びかけた。
来賓祝辞を岸本周平・和歌山県知事(代読)、田岡実千年・新宮市長、世耕弘成・参院議員が述べた。「今後も地域発展への協力を」。「仲間が増え、まちづくり、ひとづくりをやれる青年会議所になれば」。「ピンチをチャンスに変える先頭に立ってほしい」などと語った。
(2024年4月23日付紙面より)
新宮市観光協会(里中陽互会長)は18日、新宮市徐福の熊野新宮観光案内センターに外貨両替機を設置した。12種類の外貨(紙幣のみ)から日本円に両替が可能。「今後も多様化するニーズに応え、さらなる利便性向上を図っていきたい」と話している。
外貨両替については、以前は市内に対応する銀行があったが、やめてしまった経緯があった。一方で昨今、訪日外国人客は増加。同所での外貨両替に関する問い合わせも多かったことから、設置を検討するに至った。
那智勝浦町の観光案内所が外貨両替機を設置していたことから、助言を受けて取扱業者と相談。卓上型の外貨両替機を設置することになった。
費用は無料で、設置場所と電源、インターネットを提供するのみ。業者は手数料で収入を得る。ネットを通じて平日は午前中にレートを更新し、土日は金曜からそのままという。
両替可能な通貨は▽米ドル▽ユーロ▽英ポンド▽豪ドル▽中国人民元▽香港ドル▽韓国ウォン▽新台湾ドル▽シンガポールドル▽タイバーツ▽インドネシアルピア▽マレーシアリンギット。対応言語は▽日本語▽英語▽韓国語▽中国語(繁体字・簡体字)―となっている。
なお、同所を訪れた外国人は、2023年度は3415人。コロナ禍前の19年度は3431人のため、ほぼ同じ数字に戻っている。
(2024年4月23日付紙面より)
ラ・フェスタ・プリマベラ (田辺市本宮町 )
クラシックカーの祭典「ラ・フェスタ・プリマベラ2024」の一団が20日、田辺市本宮町の熊野本宮大社と大斎原(おおゆのはら)を通過した。ブガッティやジャガー、ポルシェなどの往年の名車53台が新緑の熊野を疾走し、世界遺産20周年に花を添えた。
「古いものに敬意を」「いくつになっても心・少年」「イベントに関わる全ての人と友情の輪を広げる」の精神の下、2009年に始まったイベント。コロナ禍による中断を挟んで15回目。毎年春に開催されることから、イタリア語で春を意味する「プリマベラ」の名を冠している。株式会社フォルツァ主催。
一団は愛知県名古屋市の熱田神宮をスタートし、2府5県の約1200㌔を走ってゴールの京都府京都市へ向かう。
大斎原のチェックポイントでは、レンゲ野が広がる参詣道を一団が通過。普段は目にすることのない個性あふれるクラシックカーの数々に、観光客らも「何のイベント?」「かわいい形」「すごい整備技術」と目を見張っていた。
タレントの堺正章さんは、「イタリアの華」と称される「ランチア アウレリアB24スパイダー」(1955年式)で参加しており、当地方ののどかな景色を楽しんだと語った。安全祈願の祈とうの後、大鳥居をくぐって再出発した。
(2024年4月23日付紙面より)
ナガセケンコー旗軟式野球大会が開幕
和道流空手、小西秋代さん (那智勝浦町 )
奥熊野いだ天ウルトラマラソン
子ども団体の列車移動 (条件合致なら無料 )
紀勢本線活性化促進協議会新宮白浜区間部会の会合が19日、新宮市役所別館であった。20人が出席。主に同区間沿線の子どもの列車での団体移動に際し、同区間内の料金の一部を補助することを決めた。条件によっては実質無料となる。5月1日からの実施を目指す。
同協議会は、紀勢本線の活性化を目的に、県内24市町村で組織。その新宮白浜区間部会は、同区間の厳しい収支状況を受け設置した。白浜町以南の8市町村と県、JR西日本和歌山支社、和歌山大学で組織している。補助事業は行政とJR西より負担金を集めて行う。
補助の正式名称は「校外学習等支援事業」。同区間の沿線自治体と古座川町、北山村にある幼保小中高の子どもと引率者で構成する8人以上の団体が対象となる。
補助要件は、乗降に同区間内の駅が含まれていること。校外学習などで列車移動する際、同区間内の運賃および特急料金の一部を補助する。
具体的には、同区間内で特急を利用しない場合は普通運賃の全額、利用する場合は団体割引以外の全額が補助となる。例えば新宮・東牟婁の学校の団体が列車で白浜町に移動する場合、実質無料で行けることになる。同区間外まで移動する場合は、区間外は通常料金となる。
この他、「教育旅行誘致事業」として、教育旅行やスポーツ合宿で同区間内に来訪する団体に対し、料金の一部を補助することも決めた。これも同区間内での乗降が条件となる。
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同支社による新宮―白浜間の現状説明もあった。平均通過人員(輸送密度)は同社単独運営の目安の1日当たり2000人を大きく下回り、2022年は793人。20~22年の3カ年平均で、必要な費用の11・9%しか収入で補えていないなど、厳しい状況が明かされた。
(2024年4月21日付紙面より)
民児協委員が防災拠点を見学 (紀宝町 )
紀宝町民生委員児童委員協議会(西村喜久男会長)に所属する委員20人が19日、3月に完成した道の駅「紀宝町ウミガメ公園」防災拠点施設を見学した。
円筒形鉄筋コンクリート造り2階建ての一時避難場所で、町が建設した防災タワー。高さ6・5㍍、床面積165平方㍍。海抜14・4㍍地点にあり、屋上(海抜20・5㍍)には地域住民や道の駅の利用者など最大200人が避難できる。
1階に避難場所、備蓄倉庫、トイレ、湯沸室を完備、2階、屋上は避難スペースとなっている。
町防災対策課の職員が施設を案内。「南海トラフ地震で予想されているウミガメ公園付近の最大津波高は11㍍となっており、看板により高い所を目指して避難してくださいと記載しています」などと説明した。
委員は屋上から高さを実感。整備されている倉庫など確認した。西村会長は「地震は人ごとではない。防災への意識が高まっており、施設を知る良い機会になった。今後も各所で見学会を開きたい」と話していた。
(2024年4月21日付紙面より)
世界遺産登録20周年記念 (那智勝浦町花火大会 )
第15回那智勝浦町花火大会の第1回実行委員会(串俊男実行委員長)が19日、同町役場で開かれた。今年も8月11日(日・祝)午後8時から約1時間、那智湾で開催することを決めた。
町民の手作りを基本理念に、追善供養を目的とする花火大会で、昨年コロナ禍を経て4年ぶりに再開した。今年は世界遺産登録20周年記念事業としても位置付ける。
実行委員会には南紀くろしお商工会、和歌山東漁業協同組合那智支所、那智勝浦観光機構、勝浦金融協会などから21人が出席。大会長の堀順一郎町長は「第14回大会には約2万8000人が参加し1300万円超の寄付が集まった。世界遺産登録20周年の節目の年。海外からの観光客もずいぶん増えており、今後を見据えた話し合いができれば」とあいさつした。
花火業者の選定について、事務局から従来通り複数事業者によるプレゼンテーションを実施する提案があったが「準備に携わる漁協関係者の準備・片付けの時間短縮や負担軽減の観点から、慣れた業者へ依頼することはできないか」との意見が出た。採決の結果、賛成多数で昨年と同じ高木煙火株式会社(岐阜県)に依頼することとした。
串実行委員長は「追善供養、納涼、そして世界遺産20周年を融合させ、町全体で満足してもらえる大会にしたい。どう花火で表現するのか、業者の感性にも期待している」と話していた。
(2024年4月21日付紙面より)
能登半島地震で枠拡大 (新宮市 )
能登半島地震の発生を受けて募集枠を拡大した、新宮市の木造住宅耐震診断の2024年度の受け付けが10日(水)から始まる。費用は無料。石川県では多数の家屋倒壊が発生したこともあり、担当する防災対策課は「まずは診断を」と呼びかけている。
新宮市では23年度、木造住宅耐震診断事業の募集枠を100件で設定。23年12月末で約80件の申請を受け付けていた。そこへ元日の能登半島地震が発生。問い合わせが急増し、残っていた約20件の枠も、受け付け終了の24年1月末までに全て埋まった。
さらに受け付けの終了後も複数件の問い合わせがあり、必要性を感じて枠を50件拡大し、24年度は150件とすることを決めた。
さらに、耐震診断の後で行われる改修工事に対しても、新宮市は住宅耐震改修事業補助金を用意していた。これも23年度は50件としていたが、24年度は10件を拡大して60件とした。
防災対策課の上田紘大・防災係長は「できるだけ皆さんに(耐震診断を)受けていただきたい。無料なのでまずは診断を。改修工事も、今は費用が安く済む工法などができてきているし、補助金を使って自己負担が少なく改修できるようにもなってきている。診断で家の強さを確認していただけたら」と話した。
木造住宅耐震診断は、2000年5月31日以前に建築(着工)した木造住宅について、無料で木造住宅耐震診断士を派
遣して行う。一戸建て住宅、長屋および共同住宅を診断する。受付期間は25年1月31日(金)まで。
住宅耐震改修事業補助金は、耐震診断の結果を受けての検討となる。問い合わせは、新宮市防災対策課(電話0735・23・3333)まで。
(2024年4月5日付紙面より)
世界遺産登録20周年 (新宮市 )
新宮市は1日、JR新宮駅の北西側の踏切手前にある大型観光看板の上部に、新たに「世界遺産登録20周年記念看板」を設置した。縦は0・5㍍、横は4・8㍍で、「祝 紀伊山地の霊場と参詣道 世界遺産登録20周年」とデザインされている。機運向上や市への来訪のPRにつなげたいとしている。
(2024年4月5日付紙面より)
市内小学校に防災頭巾寄贈 (新宮市土建協同組合 )
新宮市土建協同組合(松根康隆理事長)による防災頭巾の贈呈式が3日、新宮市役所で行われた。松根理事長、松原重充副理事長が速水盛康教育長を訪問し、市内小学校の新1年生への防災頭巾を贈った。
同組合は2010年から市内の小学校に通う児童に向けて毎年贈呈。組合創立60周年記念の取り組みがきっかけで始まり、今年で15回目を迎えた。
頭巾は中綿入りで緊急時は頭にかぶり、落下物から守れるようになっている。普段は学校のいすの背もたれや、集会時に体育館へと持ち込みクッションにできるなど、多種多様の使用が可能。
贈呈された防災頭巾は、市内小学校5校の新1年生185人に配布。転入児や破損分を考慮し、児童数より多めの200個を贈った。
松根理事長は「日頃から、工事などの関係により住民の皆さんには迷惑をかけている。子どもは国の宝。大切な命を守るため、これからも継続したい」。
速水教育長は「長年にわたり寄贈していただき、大変ありがたい。子どもだけでなく、私たちも危機管理と徹底に改めて身が引き締まる思い。頭巾を通して防災教育の充実を図り、意識を高めていければ」と感謝していた。
(2024年4月5日付紙面より)
開館55周年記念企画始まる (太地町立くじらの博物館 )
太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)が2日、開館55周年を迎え、記念企画展「一挙蔵出し!寄贈品展―くじらの博物館を支える資料たち―」が始まった。会期は来年4月1日(火)まで。
博物館1階に、町内外から寄贈された貴重な品々84点を展示。第31次南氷洋捕鯨で撮影されたとされる8㍉フィルム映像や、解体用包丁、鯨類雄性生殖器の剝製など、うち26点が初出しだ。
中江環副館長は「『故人が大切にしていたものだから』『思い出の博物館だから』など、一つ一つに寄贈された方の思いや博物館にたどり着くまでの物語がある。収蔵品を充実させるため、ウエートが大きいのが寄贈品であり、『チームくじらの博物館』の一員として当館を支えていただき、本当にありがたい」と感謝。貴重な資料がオークションやフリマサイトに流出している現状を受け「価値ある資料を適切に保存し、後世に残すため、手放す際には博物館への寄贈や寄託も考えてほしい」と呼びかけていた。
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この日、飼育員ら30人が、飼育中に死んだ動物たちの供養祭を営み、命を預かる者としての自覚を新たにした。
同館では現在、コビレゴンドウやオキゴンドウ、ハナゴンドウなどの鯨類9種類31頭の他、魚類52種225匹、無脊椎動物36種435匹を飼育。
供養祭では、順心寺の関雄峰住職の読経の中、飼育員や職員たちが焼香し、静かに手を合わせた。
稲森館長は「この日を迎えられたのも、飼育動物あってのこと。その命と向き合う時間となった」。開館55周年に際し「4月1日には国際鯨類施設がオープン。『くじらの学術研究都市』を目指す中で博物館にも多様な社会的役割が求められている。研究者たちと協力して調査研究を行い、飼育動物たちが長生きし、新しい命を育んでいけるよう努めたい」と語った。
(2024年4月3日付紙面より)
熊野三山など観光満喫
バハマ船籍の外国客船シルバー・ムーン(総トン数4万700㌧、全長212・8㍍、シルバーシー・クルーズ)が3月31日朝、新宮港を訪れた。初寄港となる。多数が下船してバスやタクシーに分乗、当地方の観光を満喫した。同日夕方には出港した。
ジャパネットたかたが行うジャパネットクルーズが企画した「シルバームーンで優雅に巡る 陽春の日本絶景ツアー」で訪れた。東京を出発し、新宮、徳島、釜山(韓国)、長崎、鹿児島、奄美大島、伊勢志摩を巡って戻るツアーで、約250人が乗船、うち約9割が日本人という。
新宮港の岸壁では、平安衣装と雅楽演奏による出迎えや、地元特産品の販売、新宮市による歓迎セレモニーが行われた。バス7台とタクシー約20台が待機しており、乗船客らは分乗して熊野三山や鬼ヶ城(熊野市)などを巡った。
歓迎セレモニーでは、田岡実千年市長があいさつ。「熊野は、大自然を背景に神道と仏教が融合した熊野信仰の聖地として繁栄し、今なお多くの人々を魅了しています。本日は世界遺産である熊野を楽しんでいただければ」と語った。
同船のチャブダル・ゲオルギエフ船長もあいさつ。「日本ではいろいろな港に寄港し、日本人からのおもてなしをいろいろと受けています。新宮でも温かいおもてなしをありがとうございます」と述べた。
(2024年4月3日付紙面より)
開校準備の思いを乗せて (串本町教委 )
串本町教育委員会が3月29日、2026年4月開校予定の統合小学校名候補を「くしもと小学校」としたことを町公式ホームページ上で発表した。町議会で開校に伴う条例改正が承認された時点で正式決定になるという。
目下、串本小と橋杭小の後継校として開校を目指す統合校。建設用地は町立くしもとこども園の道向かいに確保済みで、現在は実施計画がほぼ完成した段階だという。
文部科学省「新しい時代の学びの環境整備先導的開発事業」の適用を受け、22年度に学校、家庭、地域の意見を取り入れつつ「つながる」をテーマにし地域との共用や防災機能も意識した基本構想を策定。校舎は木造平屋建ての分棟とし学童保育所や体育館が付帯するフラットな構成とするなど大枠が定まり、以降基本設計、次いで実施設計の策定が進んだ。
昨年9月には関係2校の保護者らを対象にして統合小学校建設説明会を実施。校名や校歌・校章を定める上で最良の成果を得るため、基本設計の情報を共有した。先行して12月1日から今年1月15日までの間で校名案を公募。応募84件、重複分を整理し43案が集まり、以降は統合小学校建設検討委員会で▽くしもと▽串本▽なんたん▽さんごの杜―の4案、保護者ら地域代表も参加する小学校統合準備委員会でくしもとの1案まで絞り込まれ、2月21日の町教委定例会で校名候補として承認した。
この承認は3月5日、町議会第1回定例会本会議で田嶋勝正町長が施政方針の一端として先行報告し、「子どもたちが親しみを持ち、地域からも愛される場所になってほしいという思いが込められた校名」と伝えた。追って町教委が「皆様からの新しい学校への期待と願いをしっかり受け止め、開校への準備を進める」と思いを乗せ、発表した。
校名案募集に当たり「子どもたちと地域住民、教職員がともに育つ新しい時代の学校にふさわしい学校名」とテーマを付した町教委。坂本善光教育長は現在の2校に縛られず幅広い世代になじむ学校名、と定まった校名候補を受け止めている。
校歌・校章についてはこれから作成手法の検討を始める段階。着工は町議会が工事請負契約案を承認した後で、第2回(6月)定例会への上程を見据えて進めるという。
(2024年4月3日付紙面より)