ベンチャー隊が炊事活動 (ボーイスカウト新宮第2団 )
ボーイスカウト新宮第2団(安達実・団委員長)のベンチャー隊は18日、紀宝町鮒田の鮒田活動拠点で炊事活動「肉料理~どの調理が美味?~」を実施した。近大附属新宮高校の櫻井貴文君(3年)と中本康太君(1年)が肉料理や燻製(くんせい)作りに挑戦した。
ボーイスカウトは、家庭や学校では学ぶ機会の少ない活動を自然の中で行い、年齢の異なる仲間とさまざまな活動を実施することで青少年の心と体の成長につなげるのが狙い。
ベンチャー隊(高校1~3年)は、自分たちが考えた企画を元に計画書を作成。計画に基づいて実行に移し、反省点などを報告書にまとめて次の企画に生かす取り組みを行っている。
この日は「肉の種類と味の違い」「普段作る機会の少ない料理に挑戦する」などをテーマに掲げて取り組んだ。調理方法や材料の値段をリサーチし調理時間を予測するなど、会議を重ねプランを作成。実践に挑んだ。
メニューは「鶏肉のハンバーグ」(胸肉とささみの違い)、「ローストビーフ・ポーク」(牛肉と豚肉の違い)。段ボールで燻製機を手作りし、「さくら」「ブレンド」「ヒッコリー」のスモークウッドによる完成の違いも研究した。
櫻井君は「おいしくできた。しかし時間的余裕がなかった。準備に手間取ったことが計画通りに進まなかった要因」。中本君は「料理は上手にできたと思う。やはり準備に時間がかかった」とそれぞれ感想を述べた。
同隊の北村仁志隊長は「大人になっても挑戦する姿勢は必要。これからも『楽しく』を基本に、高度なことにも挑戦していってほしい」と期待を込めた。
同団では現在、小学3年以上の隊員を募集している。年会費2万2000円、入会金3000円が必要。体験入隊も可能。問い合わせ、申し込みはスポーツギアアダチ(電話0735・21・3218、安達さん)または南海堂(電話0735・22・2920、中川さん)まで。
(2020年10月22日付紙面より)
ノルディックウオーキング講座 (那智勝浦町 )
那智勝浦町築地のイササジコンストアで19日、「ノルディックウオーキングはじめて講座」が開かれた。新宮市や同町から20人が参加し、日本ノルディックウオーキング協会公認マスタートレーナーでエヌウォーカー倶楽部代表の藤川真司さんがノルディックウオーキングの特徴や効果を講演し、実技指導を行った。
ノルディックウオーキングとは2本のポールを使用した新しいフィットネススポーツで、世界中で1000万人を超える愛好家がいるとされる。
主な効果として▽腰や膝など下半身の負担を減らすことができる▽負荷を分散し上半身の筋肉を積極的に使える▽全身運動のため、通常のウオーキングの1・2倍以上の運動効果が期待できる▽インナーマッスルも鍛えられる▽肩から腕を振り、ゆったりとした動作で歩けるようになる―などが挙げられる。
講座を協賛する同町教育委員会によると、ノルディックウオーキングは町のスポーツ教室として4年前ほどから実施しており、需要も多いため今後も推進していく方針だという。
藤川さんは「年齢に関係なく筋肉は鍛えることができる。ノルディックウオーキングを続けていれば、寝たきりを予防し、元気になって体も良くなる。いつまでも自分の足で歩きたいという意志が健康づくりにとって重要です」と述べた。
大腰筋と体幹を鍛えることで背骨が刺激されるとし、脳への血流が増えることから脳が活性化すると紹介。「歩幅を広げると歩く速度も変化し、脳への刺激も違ってくる。歩幅が狭いと認知症になりやすいという記事もあるため、広いほうが認知症の予防になる」と解説した。
藤川さんはノルディックウオーキングを子どもの登下校時に行うことで防犯にもつながるとし、「皆さまの健康づくりを地域にも役立てていただけたら」と提案。健康になれば身体機能も改善し、身も心も若くなるとし、生活全体が活性化するため、活動的な日常生活につながると話した。
当日は雨天だったことから参加者は同町湯川の旧山川小学校体育館に移動。入念な準備体操後、実技指導が行われた。
町のノルディックウオーキング教室では竹原生さんと同店オーナーで講座主催者の湊谷洋子さんが講師を務めている。
湊谷さんは「ノルディックウオーキングはさまざまな効果も高く、健康になれる。今後は町内でも広まって、皆さまにも取り組んでいただけたら幸いです」と語った。
(2020年10月22日付紙面より)
民児協10月定例会で意見交換 (紀宝町 )
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)の10月定例会が20日、町福祉センターであった。町と町地域包括支援センター、町社会福祉協議会による報告の後、研修会を行い、委員30人と町内のケアマネジャー(介護支援専門員)12人が意見交換した。
意見交換会は新任を含む委員にケアマネジャーの仕事や地域包括支援センターの役割を学んでもらうもので、3年に1回開いている。
研修会では、町地域包括支援センターの主任介護支援専門員、南友也さんが介護保険とケアマネジャーの仕事を説明。介護保険制度は40歳以上が加入者となって介護保険料を納め、介護や支援が必要になった際には費用の一部を支払ってサービスを利用できる仕組み。当地域では熊野市、御浜町、紀宝町で組織する紀南介護保険広域連合が運営している。
ケアマネジャーについて「要介護者、要支援者の相談や心身の状況に応じるとともに、サービスを受けられるようケアプランの作成や市町村、サービス事業者、施設などとの連絡調整を行う」と紹介した。
この後、6グループに分かれて意見交換を開始。委員からは「要介護者を担当するケアマネジャーの名前が分からない」「地区内の高齢者が施設に入所したときは知らせてほしい」などの意見があった。ケアマネジャーは改めて役割を紹介し、「地域包括支援センターとのつながりを大切にしている。センターにも相談してほしい」などと伝えた。
濵口会長は「お互い顔を合わせることができて良かった。今後も意見交換会を続けたい」と話していた。
(2020年10月22日付紙面より)
キイジョウロウホトトギス (熊野那智大社 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)で、キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草)が見頃を迎え、鮮やかな黄色い花が参拝者らの目を楽しませている=写真(20日撮影)。
キイジョウロウホトトギスはホトトギス属の植物の一つ。紀伊半島南部の固有種で、山中の湿った崖に生え釣り鐘形の花を付ける。「ジョウロウ(上臈)」には「貴婦人」や「高僧」などの意味があることから「山里の貴婦人」とも呼ばれる。
古くから鑑賞価値の高いものとされることから採集され、それが減少の原因の一つとなっている。紀州藩が編さんした「紀伊続風土記」の「黄杜鵑草(きのほととぎすそう)、那智山中に産する奇品なり」とあるのは本種のこととされている。
和歌山県、奈良県で絶滅危惧Ⅱ類、三重県で絶滅危惧Ⅰ類に分類されている。
(2020年10月22日付紙面より)
体育館や校舎で雨漏りなど (新宮市立緑丘中学校 )
潮岬の南を通過し、9日から10日にかけて当地方にも大雨や暴風の被害をもたらした台風14号。台風の影響で、新宮市緑ヶ丘の市立緑丘中学校では校門前の木が倒れ、台風が去った後も同校体育館の数カ所で雨漏りなどの被害が深刻化している。
同校舎は、第一、二、三期工事を経て1981(昭和56)年4月に竣工(しゅんこう)した。体育館も同年2月に竣工。校舎、体育館ともに、約40年が経過している。
同校によると、10年ほど前から雨漏りなどの兆候があったという。現在では校舎で2カ所、体育館では十数カ所の雨漏りを確認している。同校の橋本紀彦教頭は「雨量や風向きなどによっては大きな雨漏り被害が出ていたが、今回の被害は最近では一番大きいのでは」。
11日には同所で「第42回東牟婁地方中学校新人卓球大会」が開催されたが、試合中に体育館の警報装置が作動。一時大会は中断となった。新宮市消防本部では水漏れによる感知器の誤作動として現在調査を進めているが、建物の老朽化を懸念する声は後を絶たない。
橋本教頭は佐藤春夫による同校校歌の一節「緑丘の九百人 皆あらたよの星我等」に触れ「少子化でどこの学校も同じだが、数十年前には同校にも多くの生徒がいた。現在は全校生徒合わせて約260人。かつての3分の1の生徒数では掃除などにかかる労力が3倍かかる」と頭を悩ませている。
市教育委員会も同校の現状を把握。現在修復に向け検討を進めているという。
(2020年10月15日付紙面より)
後呂孝哉さんが講演 (和歌山県 )
和歌山県東牟婁振興局企画産業課内にある熊野エリア観光推進実行委員会事務局は12日、インターネット上でオンライン活用セミナーを開催した。県内の観光に関係する団体など20人が参加。那智勝浦町築地の「WhyKumano Hostel & Cafe Bar」(以下ワイクマノ)を経営する後呂孝哉さんが講師を務め、オンラインの可能性や有効性について講演を行った。
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同事務局によると、振興局におけるオンラインセミナーは初の試み。新型コロナウイルス感染拡大の中、オンラインの活用方法に注目し、さまざまな可能性が期待されるオンラインを広め、学ぶ機会とするために開催に至ったという。
県ではこれまで、新型コロナウイルス感染拡大の影響で紀南地域へ修学旅行に訪れている紀北地域の小中学生が学習効果を高めるために、オンラインで地域を学ぶ事前学習に取り組んでいる。
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当日はインターネット上で会議などが行える「Zoom(ズーム)」を使用し、後呂さんがワイクマノから発信。
新宮市出身の後呂さんは自身が世界を旅したことや栃木県宇都宮市のシェアハウスで多彩なイベントを開催したこと、日本一周などで分かったこととして「旅先の日常は自分にとっての非日常。イベントをすれば友人が増え、地域が楽しいことを知った。そして、面白いのは世界でなく日本だと気付いた」と解説。
熊野を知らない人たちに熊野を知ってもらい、地元に貢献したいという思いからワイクマノを経営することに至ったと話した。
世界初のオンライン宿泊の誕生については、コロナの影響で予約が全てキャンセルとなった際にできることを模索。YouTube(ユーチューブ)の動画にヒントを得て、感染リスクのない仮想宿泊体験の提供に至ったという。
後呂さんは「オンライン宿泊では交流を目的化している。館内案内を行い、インターネット上で乾杯し交流する。その際に熊野の名所や食、温泉と世界遺産を説明する」と述べ、チェックアウト時には熊野の魅力を伝えるプロモーション動画を送信していることも効果として大きいと述べた。
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後呂さんはオンラインの利点について▽国内外からも参加できる▽オンライン宿泊後に興味を持った参加者が実際に足を運んでくれる▽アーティストなどともコラボレーションでき、コンサートが開ける▽さまざまな事情で旅行に行くハードルが高い人も自宅から参加できる―などを挙げた。
「オンラインはコロナ禍の中で発展したもの。まだ手探りな状態。文化として根付くには時間がかかると思う。しかし、熊野を知らない人に熊野のPRができるのはすごい効果だと思う」と話した。
(2020年10月15日付紙面より)
三尾川小で地域交流行事 (古座川町 )
古座川町立三尾川(みとがわ)小学校(山本健司校長、児童9人)で12日、地域交流行事「スナッグゴルフ&焼き芋会」があり、児童教職員と三尾川区(中田定区長)の高齢者が競技などを通して親交を深め合った。
この行事は、旧・奥田育英会から贈られたスナッグゴルフセットを活用した秋恒例の取り組み。本年度は感染症予防対策を講じながら実施することとし、同区に参加者集めの協力を求めた。
当日は中田区長や毎年の稲作体験でお世話になっている日下恵夫さんら12人が来校し、同校は体温確認を求めつつ歓迎。12人はくじ引きでどの児童グループに加わるかを決め、児童はグループ名を決めて一体感を高めつつプレーに臨んだ。
スナッグゴルフはゴルフの導入として考案された軽スポーツで、グループメンバー全員でボールを打ち一番の好打を次の一打にする流れでゴルフ同様に少ない打数を目指すチーム戦を特色とする。
同校は今回、運動場に五つのホールと待ち時間中の練習場を準備。各グループとも児童が積極的にペースメイキングに頑張り、プレー後はグループ間で成績を比べて健闘をたたえ合うなどした。
児童や高齢者が競技に臨んでいる間、山本校長らは児童が校内の畑で育てたサツマイモを炭火であぶって焼き芋に。交流への感謝として振る舞ったが、感染症予防の一環で今回はその場で一緒に味わうのを見合わせ、各自お土産として持ち帰る形で交流を締めくくった。
(2020年10月15日付紙面より)
火災やまぬサ市に寄付金 (新宮市姉妹都市親善協会 )
米カリフォルニア州で8月中旬から山火事が発生。いまだ記録的な火災が続いている。このほど、新宮市と市姉妹都市親善協会の有志らは、市姉妹都市である同州サンタクルーズ市(サ市)に対し寄付金を送付。サ市から会員制交流サイト(SNS)を通して感謝のコメントが寄せられた。
8月中旬の相次ぐ落雷により別々の場所で発生した火災は、複数の郡を横断する大規模火災へと発展。焼失面積は100万㌈(約4050平方㌔)を超え「ギガ火災」の規模に到達した。被害が深刻化する山火事について、州当局者や専門家からは気候変動の影響を指摘する声も上がっている。
被害の全容はまだ見えてこないが、サ市においても多くの家族が家を失い避難を余儀なくされている中、新型コロナウイルス感染症の影響で避難所の設置を見合わせている地域も多いといった情報も伝わっている。
報道を受け、「サ市のために何かできることはないか」と市職員有志と同親善協会員らが先月1日から口コミやSNSなどを通して募金活動を開始した。集まった合計15万5000円の募金は1週間後の8日、市秘書課を通して同親善協会の岩澤卓副会長がCZU火災救済基金に寄付。今月8日、サ市Parks and Recreation課から「両都市はさまざまな困難を乗り越え、互いに助け合ってきた。友好都市の多くの友人たちに感謝します」とコメントが送られた。
サ市の投稿を受け、田岡実千年市長は「サ市の皆さまの安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げますとともに、今回の新宮市姉妹都市親善協会の皆さんの被災地へのご支援に感謝します。これからも姉妹都市として助け合いながら交流を深めていきたいと思います」と話している。
市では現在も引き続きサ市への寄付金を受け付けている。集まった募金は災害で多くを失った家族や山間コミュニティーのために使われる。寄付に関する問い合わせは市秘書課(電話0735・23・3333、内線4003)まで。
(2020年10月15日付紙面より)