対策行い第13回展示祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町文化協会(後誠介会長)、町民展示祭実行委員会は15、16の両日、町体育文化会館で絵画、生け花、呈茶の合同展「第13回町民展示祭」を開催した。昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止したため、来場者は2年ぶりの展示祭を楽しんでいた。
展示祭は絵画の弁天画会(坪野一郎会長)、生け花の花好きクラブ(牧邦子代表)、茶道表千家流音無会(築紫充代会長)の3団体が日頃の成果を発表する場。コロナ禍以前は毎年多くの来場者でにぎわっていた。
文化協会や実行委員会は現在のコロナ感染状況などを考慮し、開催について何度も協議・検討を重ねてきたという。
入場時に▽3密回避のため、一度に会場に入ることのできる人数の制限▽受付で体温を計測後、マスクに受付完了シールを貼る▽感染症が発覚した際の追跡用に入場時間と数字が記載されたカードを発行▽アルコール消毒―などのコロナ対策を万全に取り組んだ。
弁天画会では今回、熊野古道をテーマに1人1作品を出展。合計71点の力作を展示した。坪野会長は「開催できて良かった。密に注意して楽しんでいただけた」。
花好きクラブは花器にもこだわり、季節の花を美しく生けた作品約50点を並べた。手作りの「花のブーケ」をプレゼントするくじ引きも実施した。牧代表は「自然のさまざまな花などを集めて作っている。会員の皆さまが頑張った作品を楽しんでいただけたと思う」と話した。
茶道表千家流音無会は茶を味わうテーブルに透明な仕切りを設けて感染防止対策に務めた。来場者は安心の中で菓子や呈茶を味わった。築紫会長は「いつもと違う形の中でもお茶を楽しみ、癒やしを感じてもらえたのでは」と語った。
町文化協会の後会長は「毎年楽しみにしているとの声も多く、出展される方々のやりがいにもつながった。最善を尽くし対策をすれば、その範囲内で楽しんでいただけるはず。コロナから日常を取り戻すことが大事」。
会場に訪れていた堀順一郎町長は「大変楽しみにしていた。皆さまの発想も豊かで私を含め、多くの来場の方々に元気を与えていただいた」と語った。
(2021年5月18日付紙面より)
エリア内の小6を対象に (南紀熊野ジオパーク )
南紀熊野ジオパーク推進協議会がこのほど、同パークエリア内の小学6年生約900人を対象にし副教材「南紀熊野ジオパークすごろくマップ」を提供した。
ジオパークに関係する教育や学習の普及、支援を目的とし、前年度事業の一環で1200セットを制作。年度をまたいで4月中旬から、対象とする児童に関係する41校に順次託して活用を依頼した。
セットの内容は▽A1大のすごろく台紙1枚▽さいころや駒、カード類の型抜き厚紙1枚▽ジオパークと併せて子どもたちに学んでほしいSDGsの紹介付き収納ケース1袋。
複数人でさいころを振って駒を進め、市町村枠にうまく止まるとカードを獲得。全員が上がった時点でのカード枚数で競う内容で、楽しみながら同パークの内容に興味を持ってもらうことを狙っている。
学校へは予備分も含めて託していて、残数は同パークセンターで保管。希望者配布の予定はなく、引き続き効果的な活用を検討していくという。
すごろくの内容は同センターの研究員や同協議会が中学1年生を対象に発行している学習ハンドブックの編集委員が確認した上で決めたという。同協議会事務局の大江晃司さんは「活用方法は各校に任せていますが、コロナで自粛が続く中で友達や家族と一緒に楽しんでもらい、同パークに興味を持つきっかけにしてもらえれば。コロナが落ち着いたら興味のある場所へ実際に行ってみる流れにつながるとうれしい」と今後を期待した。
(2021年5月18日付紙面より)
ホタルの乱舞、幻想的に (紀宝町 )
紀宝町平尾井の相野川沿いで、ゲンジボタルが乱舞する時季を迎えた。川岸や草むらで無数の光を放ち、幻想的な光景が広がっている。
町内にはゲンジ、ヘイケ、ヒメの3種類のホタルが生息し、ゲンジボタルの時季が終わると、例年6月にはヘイケボタルとヒメボタルが飛び始める。
小川のせせらぎが聞こえる相野川周辺では、先月末ごろからゲンジボタルが飛び始め、例年より1週間から10日ほど早く観察できるようになったという。14日には無数のほのかな光が飛び交い、訪れた人たちが静かに見入っていた。
町内でホタルの保護活動に取り組む「ほたるを守る会」の蔵本一範会長は「観賞する際は密にならないよう、静かに見守ってほしい」と話している。
(2021年5月18日付紙面より)
少年少女発明クラブ開講 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は15日、市福祉センターで開講式と5月講座を開いた。講座は全11回でこの日が1回目。市内の小学生会員24人が和歌山県立新翔高校教諭の中岸速人さんからペーパークラフトを学んだ。
発明クラブは全国各地で活動しており、県内でも10市町で行われている。新宮市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
講座で中岸さんは「クラフトは工芸品という意味もあるが、今回は紙で作った工作品と考えてもらったら。ものづくりの楽しさや道具の使い方も勉強していただければ。また、初めてやることは失敗しても構わない。どんどん挑戦してください」とあいさつ。
児童はウサギ、ジャイアントパンダ、トラ、オオクワガタ、カブトムシなどの豊富な型紙から自分の気に入ったものを選択。カッターやのり、定規などを器用に使って工作を楽しんだ。また、作品が完成した児童の中には難易度の高い型紙での工作を積極的に取り組む姿も見られた。
瀧野会長は「今後は那智勝浦町浦神の水産試験場やウミホタルの観察もある。来年には中岸さんから川原家の組み立ても学ぶことになっており、新宮市でしか経験できないようなことも取り入れている」。
児童に対しては「いろんなことに興味を持ってもらいたい。昨年経験したことがある児童はより知識を重ねられ、後輩に教えることもできる。そういった縦の交流ができるのもメリットの一つだと思う」と話した。
自宅でも段ボールなどを用いて工作を行う神倉小学校4年の中口翔太君は「工作が好きなので、講座が楽しみだった。紙で作るのは大変だけど完成すると達成感がある。これからの講座も楽しみです」と笑顔で語った。
(2021年5月18日付紙面より)
「WEST EXPRESS 銀河」 (JR西日本 )
今夏から秋にかけて、当地方へ運行するJR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運転日や運転時刻などが決定した。運行は7月16日(金)からで、当地方においては新宮・紀伊勝浦・太地・古座・串本の各駅に停車する。
「銀河」は、観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJRが運行する長距離列車。車両は117系6両1編成で定員は90人程度で全車指定席。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。車窓からは沿線の風景を楽しめるような座席配置となっている。
運転日は、下り(京都午後9時15分発、新宮午前9時37分着)は7月16日を皮切りに、12月20日(月)までの月・金曜日、上り(新宮正午発、京都午後10時24分着)は7月18日(日)から12月22日(水)までの水・日曜日(上り・下りともにお盆時期除く)。
各停車駅などにおいて特産品販売や乗降者らへのお出迎えも実施。▽ジオガイドが案内する橋杭岩鑑賞(串本駅)▽物販・「那智の扇祭り」大松明(たいまつ)特別展示(紀伊勝浦駅)▽物販・地酒のふるまい、熊野曼荼羅(まんだら)絵解き(新宮駅)▽くじらの竜田揚げふるまい(太地駅)―など、昼行・夜行共に駅ごとに地域色を持たせた「おもてなし」を予定している。
また、運行特典として乗客全員に新宮~周参見駅エリア7市町村の各種施設(50カ所以上)でさまざまな特典や割引サービスが受けられる「紀南×銀河パスポート」も進呈される。乗客対象に「紀南周遊レンタカー特別プラン」などの2次アクセスプランの販売も行っていく。
「銀河」の乗車については、旅行会社が企画・実施する旅行商品に限定して販売する。5月14日以降に「WEST EXPRESS 銀河」特設サイトからリンクする専用ホームページにて告知される。なお、新型コロナウイルス感染症の今後の状況により、計画が変更となる場合がある。
(2021年5月15日付紙面より)
6、8分団が合同で実施 (那智勝浦町消防団 )
那智勝浦町消防団(下地将仁団長)の第6分団(𠮷田創分団長)と第8分団(和田司分団長)は9日、同町南大居の太田の郷グラウンドやその周辺で合同訓練に取り組んだ。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から団活動を自粛していたこともあり、参加した35人の団員は数カ月ぶりの訓練に汗を流した。
色川地域を守る第6分団と太田地域を管轄する第8分団は、どちらかの地域で火災が発生した際には両分団が連携し消火に当たっている。
合同訓練は昨年、コロナ禍で中止となったため、数年ぶりの実施となった。
団員らは太田の郷で各個訓練(訓練礼式)に取り組み、太田川河川沿いの堤防に移動。両分団は互いの消防設備や資機材を確認し合い、ポンプ車や可変式ポンプを使用して放水訓練を行った。
訓練を終え、和田第8分団長は「互いの資機材や放水時の水量の確認、人的交流ができたので有意義だった。コロナ禍だが災害はいつ起こるか分からないため、連携を深めることが重要。次回は第6分団の色川地域で実施したいと思う」。
定期巡回に訪れていた同団本部の山路弘副団長は「このような機会を通じてさらなる連携を図ってほしい」とあいさつした。
(2021年5月15日付紙面より)
高齢者地域見守り隊ら合同啓発 (紀宝町 )
紀宝町の高齢者地域見守り隊(小田原徳子代表)は14日、同町鵜殿の主婦の店で紀宝警察署、紀宝地区防犯協会と合同啓発活動を展開。隊員と警察官らが来店者に啓発チラシを配布し、新型コロナワクチンに便乗した詐欺に遭わないよう呼び掛けた。
消費者庁によると、コロナ禍における詐欺・トラブルに遭った人のうち約80%が「自分は大丈夫」と思っていたという。
「○万円払えば優先的に接種でき、お金は後で返金される」「ワクチン接種に必要なので講座情報を教えてください」などの不審な電話やメールが届く事案が全国で起きており、紀宝署では「管内でこういった不審電話などの相談はありませんが、今後、発生する恐れがあります。ご注意ください」と求めている。
見守り隊が配布したチラシでは「電話で『お金が返ってくる』などと言い現金自動預払機(ATM)に誘導された場合は詐欺です」など注意喚起した。
(2021年5月15日付紙面より)
新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン
一般国道42号那智勝浦新宮道路を舞台に開催される新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン第9回大会が、新型コロナウイルスの影響で昨年に引き続き中止となることが発表された。
当地方に甚大な被害をもたらした「紀伊半島大水害」(2011年)の復興イベントとして、官民協働で翌12年に始まった。自動車専用道路をコースに使用して行われる、全国的にも珍しい大会。「世界遺産・熊野古道のまち」である新宮市、那智勝浦町の魅力を体感するとともに、地域の振興につなげる目的がある。
毎年、全国各地から多くのマラソンファンが当地方を訪れる人気の催しで、3㌔、10㌔、ハーフの3部で実施される。おととしの第8回大会には3㌔769人(男子416、女子353)、10㌔649人(男子469、女子180)、ハーフ693人(男子591、女子102)、都道府県別では県内から1202人(新宮市548人、那智勝浦町205人含む)、県外から909人が参加した。
中止の判断は新型コロナが今なお拡大し、従来型と比べ感染力が強いとされる変異株による感染者が増加している状況を鑑みたもの。11日に開かれた同大会実行委員会で決定した。
(2021年5月15日付紙面より)
和歌山県空手道選手権大会 (拳武館新宮 )
【第34回】食育は女性の仕事?
食育は国が推進しているものだ、ということはもう皆さんご存知ですよね。私も、食育の資格を取って、その意義や食卓の重要性を感じて、推進に一役買いたいと思っています。でも、食育のことを調べれば調べるほど、大きくなっていく違和感があるんです。それは、「食育=女性の仕事」とされていることです。「私作る人、僕食べる人」というCMが女性蔑視だと大炎上したことがあるのをご存知ですか? なんと、私も生まれる前の1975年のお話です。このCMは2カ月ほどで放送中止になったそうです。でも、このCMから40年以上たっても、この概念は変わってない!と私は思います。
食育基本法が施行されたのが、2005年。結局家庭での食育は、女性が担っているのが現状です。一方、仕事をしながら子育てをしている方はどんどん増えて、ワーキングマザー人口は7割を超えています。そんな中、国を挙げて食育の推進が進められているわけです。私は食と子どもに関する論文を読んでいますが、家庭での食育としてされている研究のほとんどが、母親を対象としたものです。それくらい、今はまだ主体が断然、母親です。一方で食育推進組織では女性比率が低いというデータがあります。食育とジェンダーを研究した論文にもこんな記述があります。「日本における『食育推進』の体制は、専門家集団のところでは男性が多く、実施レベルのところでは女性が多いという構図が伺える」(學苑「男女共生食教育の推進―日本における『食育』推進のジェンダー視点からの分析」、2006年)。つまり、食の専門家としてやることを決めるのは男性で、それを実践するのは女性ということです。これではいつまでたっても、「食育=女性の仕事」という構図から抜け出せません。とはいっても、70年代から続くこのイメージを、今すぐ払拭(ふっしょく)するなんてできそうにありません。
では、私たちがこのジェンダー問題を解決するために、何ができるのか。私はたった一つだと思っています。夫を教育することでも、料理をしないことでもなく、女の子にも男の子にも食育をすることだ!と思うのです。私たちは次世代を育てています。だから、私たちは不満を声に出しながら次世代の子どもたちを正しく育てていかなければならないと思うんです。娘にも息子にも、家事や育児をする力や生き生きと仕事をする力を授けることこそ、この状況の打破につながるのではないかなと。
今の男性たちも悪気があるわけではありません。おそらくは彼らの母親が当たり前のように、家事や育児を一手に担い父親は仕事に没頭していたんだと思います。その様子を見て育ったことで、「料理や家事は女の仕事なんだ」と思ってしまっているだけなんです。だけどそれは当たり前ではないということを私たちは教育していかなければならない。私は「食と子ども」に関して調べれば調べるほどそんな気持ちでいっぱいになっています。
(2021年5月15日付紙面より)