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2024年02月27日
1 日舞や詩舞、優雅に観客魅了
 第13回新宮市伝統芸能大会  

 新宮市伝統芸能大会が25日、市文化複合施設「丹鶴ホール」で開かれ、11団体が日頃の成果を披露、会場から大きな拍手が湧いた。

 13回目の今年は▽哲泉流日本吟詠協会紀州支部連合▽井谷豊優扇会▽熊野曼荼羅(まんだら)太鼓▽関西吟詩文化協会 華城会▽正派若柳流美栄の会▽西川流友華会▽西川流友千恵会▽藤紀和会▽哲泉流南紀清流▽若柳流若吉会▽坂東流柳蛙会―が日舞や詩舞、詩吟、力強い和太鼓演奏を繰り広げた。

 市と市伝統芸能大会実行委員会(委員長=藤紀実美・藤紀和会家元)が主催。速水盛康教育長が「丹鶴ホールで伝統芸能を披露していただけることを楽しみにしている。温かいまなざしで堪能し、和やかにお過ごしください」とあいさつした。

 西川流友千恵会の華麗な舞で幕を開けた。各団体が舞台に立ち、和服姿の出演者が優雅な立ち振る舞いで花を添えた。

 有志による「正調新宮節」の踊りに続き、最後は熊野曼荼羅太鼓が「お祭り新宮節」「黒潮囃子(ばやし)」を演奏した。

 ホール1階のホワイエでは、茶道表千家流音無会(築紫充代会長)による呈茶の振る舞いもあった。

(2024年2月27日付紙面より)

有志が「正調新宮節」を踊る=25日、新宮市の「丹鶴ホール」
伝統芸能大会を楽しむ来場者
2024年02月27日
2 飛行機はなぜ飛ぶの?
 こども航空教室を開催  (新宮市 )

 新宮市が主催し、市と包括連携協定を結んでいる明治安田生命保険相互会社が協賛する「親子で学ぶ! こども航空教室」が24日、新宮市役所別館であった。親子連れ14組33人が参加。飛行機が飛ぶ仕組みや客室乗務員の仕事を学んだ。

 明治安田生命は日本航空株式会社(JAL)と提携しており、こども航空教室を全国で展開している。新宮市にも提案して実施が決まった。現役のJAL客室乗務員で組織する「JALふるさと応援隊」の森國真世さんが講師を務めた。

 森國さんは、JALグループが持っている飛行機の数や種類、国際線で活躍するボーイング787について紹介。飛行機が飛ぶ仕組みについて「エンジンを回して進むと風を受け、翼の上と下の風の速さが変わる。圧力の差により浮かび上がろうとする力で押し上げる」と話した。

 羽田や成田にある整備工場についても解説。「タイヤやブレーキやエンジンに不具合がないかを点検する。3~4年ごとにエンジンやシステムを整備、6~8年ごとにシートや内装を外して隅々まで調べる」などと語った。

 客室乗務員の仕事も紹介。「パスポートや身分証明書、制服、iPad(アイパッド)などが仕事グッズ。iPadには仕事資料が全て入っている」と述べた。客室乗務員が必ず持っているものとして「秒針付きの腕時計。お客さまの脈を測らないといけない時に使う」と明かした。

 参加者に、機内アナウンスに挑戦してもらう一幕もあった。「聞きやすい声で、ゆっくりと笑顔で」と呼びかけ。参加者は指導に従い、森國さんに続いてアナウンスした。

 両親と共に訪れた松田莉桜(りお)さん(8)、栞奈(かんな)さん(7)は「楽しかった。飛行機にはまだ乗ったことがないので乗ってみたい」などと話した。

 なお会場では、明治安田生命のスタッフによる血管年齢測定なども行われていた。

(2024年2月27日付紙面より)

14組の親子が飛行機について学んだ=24日、新宮市役所別館
客室乗務員の仕事について語る森國真世さん
2024年02月27日
3 三枚おろしやだし取り紹介
 西向小でキッズシェフ体験  (県調理師会 )

 串本町立西向小学校(河田恵美校長)の5、6年生16人が22日、県調理師会のキッズシェフ体験に参加し現役の調理師と一緒に魚の三枚おろしやだし取りなどを経験した。

 この体験は、子どもたちに調理の楽しさを伝えるため会員が学校へ赴く形で実施。今回は同会新宮支部の平見一雄支部長と所属する新宮調理師会の里中陽互さん、中畑光史さん、平見輝行さんの計4人がアジのつみれ汁など児童に味わってもらうメニューの食材を持参して訪問した。

 5、6年生は魚の三枚おろしを実演で教わり、アジで挑戦。その切り身をたたきにし、ネギと卵黄を混ぜてつみれにした。昆布とかつお節の合わせだしを取り、砂糖やしょうゆ、塩といった調味料を加えて好みの味に調えつみれ汁を調理した。

 和食の基本となる調理の体験と並行して、4人は防災食としてサバ缶を使った炊き込みご飯の作り方も紹介。5、6年生はこれら2品と味を調えただし汁で味わううどん、だしを取った後のかつお節で作ったつくだ煮をこの日の昼食とし、それらの味わいを確かめた。

 児童の多くが三枚おろし初体験で、今回の経験で魚をおろす自信がついたそう。食後は複数人がだしの取り方も含めて「家でもしてみたいと思った」と感想を発表し、数々の紹介に感謝した。

 5、6年生の経験を一調理師として後押しした平見支部長は「料理に興味を持ち、少しでもこういう仕事(=調理師)に就いてくれる人が増えればと思います。今回も息子がつくだ煮を準備してくれたが、食材を無駄にしないことも一緒に教えていけたら」とこの活動に込める思いを語った。

(2024年2月27日付紙面より)

現役の調理師からだし取りを教わる5、6年生=22日、串本町立西向小学校
児童から感想と感謝を受ける調理師の皆さん
2024年02月27日
4 今年も神秘ウオーク開始
 43人が那智山の原生林へ  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町那智山で23日、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)主催の「神秘ウオーク」が始まった。普段立ち入れない神域である那智山の原生林を体験できるとあって、初回には全国から43人が参加し、那智の滝(一の滝、二の滝、三の滝)を巡った。

 比較的水量が少ない2~5月限定で、3滝を巡ることができる唯一の企画として人気を博している。今季は3月10日(日)までに5回行う計画。この日は雨天で水量増加が予想されることから、熊野・那智ガイドの会の9人がサポートした。

 バス停「那智山」の近くを出発した一行は、表参道を上って熊野那智大社に正式参拝。同じく世界遺産の一部である那智山青岸渡寺や昨年150年ぶりに再建された行者堂へも足を運んだ。昼食を済ませた後に、神域へと足を踏み入れた。手付かずの自然が残る険しい坂を上り、沢を渡って二の滝、三の滝へと向かった。

 愛知県名古屋市から友人4人で参加した女性は「山を歩くのが好きで、熊野には以前も来たことがあったけれど、神秘ウオークは初めて。雨を心配していたが、ガイドさんがいて心強い」と話していた。

(2024年2月27日付紙面より)

沢を渡る参加者たち=23日、那智勝浦町(丸山由起さん提供)
熊野那智大社の内庭拝観
2024年02月27日
5 「おにっこランチ」に大歓声  節分にちなんだ給食  (紀宝町 )
2024年02月27日
6 山頂からの絶景堪能  紀宝町山歩き部会、松本峠へ  
2024年02月27日
7 つながり、考える機会に  「つれもてまつり」にぎわう  (紀宝町 )
2024年02月27日
8 楽しみながら体動かす  熊野川町で介護予防教室  (新宮市 )
2024年02月27日
9 採用試験の変更点など紹介  業務説明会で鑑識体験も  (新宮警察署 )
2024年02月27日
10 町の景観や環境を保持  渚の会らが清掃活動  (那智勝浦町 )
2024年02月27日
11 「叱咤激励と支援を」  濱口太史氏が県政報告  
2024年02月27日
12 桜まつりに向けて舞稽古  那智勝浦剣友会の3人  
2024年02月27日
13 皇室の繁栄など祈る  熊野速玉大社で天長祭  
2024年02月27日
14 学校版画展の審査結果 東牟婁地方美育協会 
2024年02月27日
15 カワヅザクラ見物集める  週末投光イベント始まる  (古座川町観光協会 )
2024年02月27日
16 町へロケット記念作品寄贈  木彫り作家・杉本紘子さん  (串本町 )
2024年02月27日
17 お悔やみ情報
  
2024年02月23日
18 高校まで医療費無償化
 高齢者にタクシー券配布  (新宮市の当初予算案 )

 新宮市は20日、2024年度の一般会計当初予算案を発表した。子ども医療費無償化の高校卒業までの拡充や、高齢者へのタクシー券配布などの事業費を計上している。27日(火)に開会する新宮市議会の3月定例会に提案する。

 子ども医療費無償化の高校卒業までの拡充は、現在は中学卒業までの医療費無償化を高校卒業まで、厳密には18歳となった年度末までに拡充するもの。事業費として8117万5000円を見込んでいる。

 高齢者へのタクシー券配布は、高齢者の移動支援と免許返納の促進を目指して行う新規事業で、1420万8000円を計上している。

 その他、住宅耐震改修の補助金として、前年度から10件分を増やした8776万5000円。住宅耐震診断の事業費も50件分を増やして728万9000円とした。能登半島地震の発生を受け、どちらも増額した。

 新規で新婚夫妻に食事券を交付する事業も考えている。市内に住所のある人が婚姻する際に、市内飲食店で使用できる食事券を渡す。268万8000円で検討している。

 同じく新規で、小児インフルエンザワクチンの予防接種の費用の一部助成に844万7000円を充てている。

 世界遺産登録20周年記念事業は、1200万円を用意。世界遺産スポットでの光の演出や、都市圏でのシンポジウム開催、現代版熊野詣でとしてウォーク実施などを計画している。新宮花火大会も補助金を300万円としている。

 田岡実千年市長は予算大綱で「私たち行政の仕事は、市民を幸せにすること、市民を笑顔にすること。市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちが展開できるよう、事業に取り組んでいく」と伝えている。

  □     □

■予算額は178億円



 一般会計当初予算案の総額は178億1174万7000円で、前年度比4・3%の増加、大きさは2005年の合併以降で5番目だった。

 特別会計の当初予算案は85億5833万8000円で、前年度比1・7%の減少。企業会計の当初予算案は102億6805万8000円で、前年度比2・2%の減少だった。

 新宮市議会3月定例会の会期は3月21日(木)までを予定。一般質問は5日(火)から7日(木)までを見込んでいる。

(2024年2月23日付紙面より)


列車を降りて登校する高校生=21日、新宮市のJR紀伊佐野駅
2024年02月23日
19 間違えやすいプラ容器包装
 研修会でごみ分別学ぶ  (紀宝町民児協 )

 紀宝町民生委員児童委員協議会(西村喜久男会長)は20日、研修会を同町鵜殿の町福祉センターで開いた。委員約30人が、間違えやすいプラスチック製容器包装などごみの分別について理解を深めた。

 研修会は毎月の定例会に合わせて開催している。今月は同町役場環境衛生課の辻和妥さんと同町リサイクルセンター施設長の浦地秀和さんを講師に迎え、ごみの分類ごとに説明した。

 町では可燃ごみの減量化のため2021年度からプラスチック製容器包装の分別収集が始まった。対象となるのは商品を入れたり、持ち運んだりするもので、汚れや臭いがなく、はさみで切れる硬さのもの。豆腐やヨーグルト、弁当の容器、ペットボトルのラベル、果物の梱包(こんぽう)材などが例で、卵パックに付いているシールはそのまま出すことができる。

 間違えやすいのは容器包装には当たらないスプーンやストロー、臭いが付いた湿布の袋やフィルム、はさみで切れない食品保存容器などで、「これらは全て可燃ごみへ出してほしい」と呼びかけた。

 また、ハムのパッケージなど汚れが取れにくいものについては「無理して洗うと環境負荷にもつながる。簡単にすすいで汚れが取れるものはプラスチック製容器包装へ、取れないものは無理せず可燃ごみへ」と促した。

 可燃ごみの出し方については「連休明けはごみ置き場の箱がいっぱいになる。カラスなどが荒らして不衛生なので、入らない時はなるべく持ち帰り次回に出して」と協力を求めた。

 定例会では紀宝町を通して中能登町へ義援金10万円を贈ったことや、町福祉課から第7次紀宝町高齢者福祉計画の策定に向け協議していること、町社会福祉協議会から能登半島地震の義援金を募っていることなどについて報告を受けた。

(2024年2月23日付紙面より)

プラスチック製容器包装の対象を説明する職員ら=20日、紀宝町鵜殿の町福祉センター
ごみ分別を学んだ研修会
2024年02月23日
20 読書活動の頑張りに表彰
 大島小が県優秀実践校に  (串本町 )

 串本町立大島小学校(貴志純子校長、児童29人)が20日、県教育委員会からきのくに読書活動優秀実践校の表彰(伝達)を受けた。

 この表彰は、その年の読書活動の頑張りをたたえて励ます目的で年1回実施。県教委学校教育局義務教育課によると本年度は県内20校を表彰していて、そのうちの1校に大島小が含まれているという。

 貴志校長によると、大島小は町教育委員会の学校司書と協働して学年ごとに国語科と絡めた並行読書を取り入れていて、児童の間では自分が読んだ本の内容や感想を他の児童に紹介しみんなで興味を高め合って順番にどんどん読み進める状況が定着している。

 各担任も▽きいちゃんの読書手帳の活用▽読んだ本の紹介文(スタイルシート)を校内掲示▽スタンプラリー風の読破・印象一覧表作成▽3年生から1、2年生への読み聞かせ実施▽5、6年生が「まちの図書館長さんにも紹介を見てもらおう」と緊張感を高めて作品「本のショーウインドー」を制作―など、興味を促すさまざまな工夫を提案して児童の読書活動を応援。そのような素地があって図書委員の意欲も強く、たくさん本を読んだ児童へ手作りのメダルなどを贈って頑張りをたたえたり、学校図書の新刊を真っ先に読み集会で内容や感想を紹介したりするなど、読書が楽しくなる雰囲気づくりに頑張ってくれているという。

 この日は県教委紀南教育事務所から三浦勝志指導主事と森浦展行指導主事、町教委教育課から津田和昭指導主事が来校。図書ホールで出迎え、学校を代表して図書委員の木村玲希愛君(5年)が表彰状、岩谷百恵さん(5年)が副賞を三浦指導主事から受け取った。

 木村君は「すごくうれしいし、何よりどの学校よりも本を読んでいたということがまた本を読んでみようかなという気持ちにつながると思う」、貴志校長は「児童にとっては普段の学習。それがこのように表彰していただけてうれしい。これを良いきっかけにし、これからもたくさん本を読んでほしい」と今後を期待しつつ表彰を喜んだ。

(2024年2月23日付紙面より)

学校を代表して表彰状などを受け取る木村玲希愛君と岩谷百恵さん=20日、串本町立大島小学校
2024年02月23日
21 無事な成長願いつつ
 シイタケの菌打ち体験  (那智勝浦町 )

 「シイタケの菌打ち体験」が18日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターの園地内であった。近隣市町から25組39人が参加。原木に穴を開け、シイタケの菌を培養した種駒を打ち込んだ。

 宇久井海と森の自然塾運営協議会(湊谷幸三会長)の主催による人気企画。園地内の間伐材を利用して行っている。今回はクヌギとウバメガシの原木100本を用意した。

 体験では、湊谷会長の説明の後、参加者が原木にドリルで穴を開け、種駒を打ち込んだ。親子など複数人での参加がほとんどで、協力しながら作業していた。新宮市佐野から祖父母と共に訪れた宮本奏音さん(6)は「楽しかった。普段はシイタケは食べないけど、できるのが楽しみ」と話した。

 種駒を打ち込んだ原木は、園地内の林下で同協議会が管理し、でき始めたら参加者に連絡する。例外はあるものの、通常なら夏を2回越した後に収穫できる。収穫後もまた発生するため、同所では3、4年は原木を保管する。

(2024年2月23日付紙面より)

シイタケの菌を培養した種駒を打ち込んだ=18日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターの園地内
2024年02月23日
22 25人が熱戦を展開
 新宮市民スポ祭なぎなた競技  
2024年02月23日
23 3選手が全国大会へ
 レスリング近畿ブロック予選会  (新宮高、新翔高 )
2024年02月23日
24 ヒカンザクラの枝どうぞ  太田の郷の入り口で  (那智勝浦町 )
2024年02月23日
25 初釜・お香の会に40人  萩原きもの総合学院  (新宮市 )
2024年02月23日
26 天満交友会が獅子舞稽古  4年ぶりに地下回しも  (那智勝浦町 )
2024年02月23日
27 地元の文化や歴史学ぶ  光洋中1年が市内探訪  (新宮市 )
2024年02月23日
28 版画作品925点審査  23、24日に勝浦展開催  (新宮・東牟婁 )
2024年02月23日
29 沖縄修学旅行に向けて  歴史など踏まえ訪問先をプレゼン  (城南中 )
2024年02月23日
30 住宅用火災警報器の設置を  消防本部が街頭啓発活動  (新宮市 )
2024年02月23日
31 神内古跡をハイキング  小学生ら名所や史跡訪ねる  (紀宝町 )
2024年02月23日
32 タイプ標本木もちらほら  クマノザクラ咲き始める  (古座川町 )
2024年02月22日
33 わがらで創る郷の未来
 新スペースを地域住民が清掃  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」敷地内で、旧太田中学校の講堂を改装した新たな交流スペース整備が進んでいる。3月下旬の使用開始に向けて大詰めとなった20日には、同校の卒業生を含む地域住民ら約40人が集い、清掃活動に汗を流した。

 廃校になった校舎を地域の拠点として改修整備し、2016年にオープンした「太田の郷」。地域農産物のブランド化による生産・販売促進や、地域資源を生かした誘客などに取り組んできた。

 講堂の改装は「わがらで創る郷の未来『太田の郷を地域資源をもっと有効に活用できるファクトリーと農産業支援拠点へ』」と題し、総務省の過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業の交付金を受けて実施した。

 講堂内には、みそやしょうゆなどの発酵食商品を加工するフロアや、水洗トイレ、夏季の農業体験者向けのシャワールームなどを整備。農作物の付加価値向上や就農者支援、地域外の人々との交流拠点とすることで、ひいては農業の後継者育成や移住促進につなげる狙いもある。

 水道、電気、ガス関連の工事以外は、大工仕事のスキルを持つ地元住民が尽力し、屋根や床の補修、ペンキ塗りなどをしてきた。古い木造校舎の雰囲気を残そうと、室内はあえて木のままにし、面影を残した改修は卒業生にも好評。擁壁周辺のコンクリート打ちを担当した東佐平さん(79)は「自分は第13期の卒業生。講堂では剣道や卓球、卒業式もした」と昔を懐かしむ。「スペースも広いので、いろんな教室や踊りの練習ができるのでは」と今後に期待を寄せた。

 NPO「太田の郷」の石田一事務局長は「いま一度地域の皆で立ち上がり、この拠点に集って、地域を盛り上げる仕組みをつくっていきたい」と力を込める。今後は農繁期を過ぎた5月ごろに完成セレモニーを開催する予定だという。

(2024年2月22日付紙面より)

掃除に汗を流す地域住民=20日、那智勝浦町の旧太田中学校講堂
発酵食商品の加工フロア
2024年02月22日
34 意識を高め担い手に
 新翔高で防災スクール  (新宮市 )

 新宮市佐野の県立新翔高校(宮井貴浩校長)で16日、防災スクールがあった。自衛隊和歌山地方協力本部新宮地域事務所の山本健さんら8人が来校し、1年生98人らがロープワークや避難所などで役立つ技術のライフハック、救急法を教わった。

 防災スクールは毎年、1年生を対象に実施。生徒たちの防災意識を高め、地域防災の担い手として社会貢献できる青少年の育成を目的に行われている。この日は佐野区の役員ら7人も参加した。

 生徒らは3グループに分かれて各講習に臨んだ。ロープワークでは本結び、もやい結び、一重結びに挑戦。自衛隊員の説明に耳を傾け、悪戦苦闘しながらも、それぞれの結び方を習得した。ライフハックでは新聞紙を使用した簡易食器作りと、水だけで作れる非常食調理に励み、試食も行った。

 救急法の講習時には応急の止血法や、毛布と角材で組んだ担架の作製を学んだ。

 佐野区の坂本眞一郎さんは「日頃、区内でも防災について意見を交わすなどしていますが、有意義な時間を過ごせました。改めて知識を確認できた」。

 生徒の德村奏磨さんは「難しいところもあったけど、勉強になった。いつ起きるか分からない災害。もしもの時には自分の命を守ると同時に、学んだことを生かして人を助けられるようになれれば」と話していた。

(2024年2月22日付紙面より)

ロープワークに取り組む生徒ら=16日、新宮市佐野の新翔高校
2024年02月22日
35 流域治水の内容共有
 東牟婁地域でウェブ会議  

 「東牟婁地域等における大規模氾濫減災協議」が19日、インターネットのウェブ上であった。東牟婁地域で河川がある市町村や、国・県の関係機関などが参加。流域治水に関する取り組み内容の報告を受け、共有した。

 各機関の担当者より、減災の取り組み方針や▽古座川▽太田川▽那智川▽佐野川▽周参見川―の流域治水についての説明があった。

 全体的な課題として「水害リスクの空白域が存在」「主要河川以外のハザードマップの作成、避難場所、避難経路の見直しが必要」「避難場所・避難経路の見直しに伴う避難誘導の案内看板・誘導灯などの検討が必要」などが告げられた。

 古座川、太田川、那智川、佐野川では▽河川改修▽砂防えん堤整備▽森林整備・治山事業―などの実施報告があった。防災教育や災害情報の伝達、河川監視カメラの設置、避難情報の判断などの言及もあった。他地域での流域治水の優良事例の紹介も行われた。

(2024年2月22日付紙面より)

河川改修工事が進む佐野川=19日、新宮市佐野
2024年02月22日
36 大学生の二つの提案採用
 武者修行プログラムで  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町のコミュニティ消防センターで19日、株式会社旅武者が提供する「地方創生イノベーション武者修行プログラム™」の最終発表会があった。全国から集まった大学生14人がホテル&カフェバー「WhyKumano」オーナーの後呂孝哉さんらにビジネスプランを発表し、二つが採用となった。

 ビジネスのリアルを経験する短期集中・実践型プログラム。町内で実施するのは7回目で、テーマは「新しい旅のコンセプト『アルベルゴ・ディフーゾ』~海外観光客向けにゲストハウスの新規サービスを開発~」。

 学生たちは2週間かけて観光客らへのインタビューや商品開発、販売・効果測定を展開。最終発表では4チームが▽勝浦マグロジャーキー▽ナッチーバー・おつまみなっちー▽『Bie―Kumano』物販事業プラン▽WhyKibori―を提案した。

 採用となったチーム愛燃の「ナッチーバー・おつまみなっちー」は、朝食にぴったりで、おつまみアレンジもできるシリアルバー。「那智黒あめ」を参考に黒糖を使い、アクティブに動く熊野古道歩きの観光客の手軽な栄養・カロリー補給アイテムになる。植物由来の食材を使うことで、ビーガン(完全菜食主義者)の食需要にも応える。

 チーム愛燃の大橋さくらさん(19)、浅尾寛太さん(22)、黒沢龍己さん(19)、嶋田心さん(19)は、11日の中間発表時点では具体的な案を出せずに0点評価と苦戦。「偶然持っていたナッツに那智黒あめを絡めてみたことがきっかけ。宿泊中のお客さんに提供すると好評で、改良が楽しかった」と振り返った。

 チーム感覚派の「勝浦マグロジャーキー」は、捨てられがちなマグロのあらを活用したジャーキー。味と保存方法などの改善すべき点があるものの、今後も開発をやりきることを条件に採用した。

 後呂さんは「正直、ビジネス経験のない学生に飲食提案は無理だろうと思っていたが、ここまでちゃんとしたプランを持ってくるのは予想外。若い人たちの底知れぬ力を感じた」と語り、2案について「実際にお客さんに提供するのが楽しみ」と話していた。

(2024年2月22日付紙面より)

チーム愛燃の大学生4人=19日、那智勝浦町のコミュニティ消防センター
開発したナッチーバー
2024年02月22日
37 宇久井スポ少が連覇
 和田禎佑杯サッカーU―9  
2024年02月22日
38 紀宝FCが優勝飾る
 てとて杯U―12サッカー大会  
2024年02月22日
39 活動を報告し意見交換  新宮警察署協議会定例会議  
2024年02月22日
40 学年を超えて交流  縦割り班でクイズ大会  (緑丘中 )
2024年02月22日
41 新入学を控え交流  宇久井の児童と園児  (那智勝浦町 )
2024年02月22日
42 「すごくいい匂い!」  中央児童館でおやつを作ろう  (新宮市 )
2024年02月22日
43 チューリップなど咲く  花てまりの会が花壇整備  (那智勝浦町 )
2024年02月22日
44 歌や工作などに挑戦  はまゆう・こども園で保育参観  (新宮市 )
2024年02月22日
45 はっきり断ることが大切  光洋中で薬物乱用防止教室  (新宮市 )
2024年02月22日
46 認知症の知識深める  公民館分館で講演会  (那智勝浦町 )
2024年02月22日
47 新宮市が事例の論文  木材や輸送で生じた変化  
2024年02月22日
48 野良猫減らす具体策  県・町が主催でセミナー  (那智勝浦町 )
2024年02月22日
49 町内の花盛りを順次投光  23日から桜ライトアップ  (古座川町観光協会 )
2024年02月22日
50 カミュさんに発想を学ぶ  中央公民館で人権講演会  (古座川町 )
2024年02月22日
51 半島振興法の延長など要望  熊野・南郡正副議長会  
2024年02月22日
52 「あせらず自分を見つめて」  対話集会で働く意義を学ぶ  (紀南高 )
2024年02月22日
53 「憧れの兄を目標に」  自衛官候補生の中楓磨さん  (紀宝町 )
2024年02月22日
54 浄財、被災地中能登町へ  曹洞宗青年会が托鉢で集める  (紀宝町 )
2024年02月22日
55 歌や踊りなど元気に披露  新木保育園で発表会  (新宮市 )
2024年02月22日
56 お悔やみ情報
  
2024年02月21日
57 けが防止のために運動を
 公務災害防止研修に98人  (新宮市消防団 )

 新宮市消防団(中谷健兒団長)による公務災害防止研修「健康づくりセミナー」が18日、市役所別館大会議室であった。団員98人が参加し、運動を通して健康管理への認識を深めた。

 東日本大震災や紀伊半島大水害で活動中に消防団員が犠牲となったことを踏まえ、消防団安全対策事業の一環として実施。中谷団長が「消防団が活動する災害現場は精神的負担や危険が伴う。皆さんの能力を発揮してもらうためには健康が大事。研修を通して今後の健康増進につなげてください」とあいさつした。

 健康運動指導士でNPO法人日本健康運動指導士会の杉浦資史さん、川村護さんが講師を務めた。

 杉浦さんは「全国で80万人が消防団に所属しており、年間1100件以上のけが、事故が起こっている。訓練中の肉離れ、捻挫などが多く、日頃の体づくり、運動によって予防できることがある」と説明。けがなく活動できるよう「毎年、健康診断を受け、日常生活に運動を取り入れてください」と呼びかけた。

 団員らは、いすに座ったまま腕、肩、足首、股関節などのストレッチをし、タオルを使ったトレーニングにも取り組んだ。首や腹筋などを鍛える運動に続き、2人一組で体幹トレーニングを実践、全身運動で脳の活性化も図った。

(2024年2月21日付紙面より)

タオルを使ったトレーニングに取り組む=18日、新宮市役所別館
2024年02月21日
58 近大新宮が準決勝進出
 近畿高校サッカー選手権大会  

 第76回近畿高校サッカー選手権大会の準々決勝が18日、上富田スポーツセンターで行われた。12年ぶり出場の近畿大学附属新宮高校(和歌山3位)が近江(滋賀1位)と対戦。3―1で勝利し、準決勝進出を決めた。

 大会には近畿2府4県の代表16校が出場し、17日に開幕した。

 近大新宮は1回戦で履正社(大阪第2代表)と対戦。後半2分に先制を許したが、16分に西世愛君(2年)が得点し同点に追い付いた。試合はPK5―4の末、初戦突破を果たした。

 準々決勝の近江戦では前半7分に西君のアシストから住川宗正君(2年)がシュートを決め先制。22分に和田尽主将(同)から弓場蒼太君(同)、28分に住川君が再び得点を挙げた。後半31分には1点を返されたものの、リードを守り試合を制した。

 準決勝2試合は23日(金・祝)午前10時30分からを予定。紀三井寺公園球技場で近大新宮対初芝橋本(和歌山2位)、同公園陸上競技場で東山(京都1位)対草津東(滋賀2位)があり、午後2時から決勝戦と3位決定戦を行う。

(2024年2月21日付紙面より)

ベスト4進出を決めた近大新宮の選手たち=上富田スポーツセンター(近畿大学附属新宮高校提供)
熱戦を繰り広げた近江との試合(同提供)
2024年02月21日
59 石井さん、湊君が全国佳作
 歯・口に関するポスター  (那智勝浦町 )

 日本学校歯科医会主催の令和5年度歯・口の健康に関する図画・ポスター中央審査会で、那智勝浦町立那智中学校3年の石井沙耶佳さんと同町立市野々小学校1年の湊陽琉君の作品が、それぞれ全国佳作で入賞を果たした。

 児童生徒の口腔(こうくう)衛生に関する理解と認識を高める目的で毎年実施しているコンクール。石井さんの作品は和歌山県審査の中学校の部、湊君は小学校低学年の部で最優秀賞に選ばれ、和歌山県代表として中央展に出品されていた。

 石井さんの作品は「食べる楽しさを健康な歯と共に」との言葉とともに、自身と祖母が笑顔でスイーツを食べる様子を描いており「甘い物が好き。年を取っても、おいしい物を一緒に食べられたらいいなと思いを込めた」と語る。

 いつも使っている黄色い歯ブラシがポイントだという湊君は「毎日朝昼晩と歯磨きをしている」ときれいな歯で笑顔を見せた。同コンクール県審査では市野々小学校2年生の大谷英吉君も入選に選ばれており「虫歯は一本もないよ」と話していた。

(2024年2月21日付紙面より)

石井沙耶佳さん(那智中学校3年)の作品
湊陽琉君(市野々小学校1年)
大谷英吉君(市野々小学校2年)
2024年02月21日
60 パソコンでサポート詐欺体験
 紀宝警察署協で委員が  

 第4回紀宝警察署協議会が19日、同署であった。協議会委員がサポート詐欺を体験、パソコンに表示された「許可」を無造作にクリックしてしまい、詐欺に引っかかった。

 サイバー犯罪対策は生活安全刑事課の担当署員が講話。コロナ禍のステイホームで、電子決済、ネットショッピングなどサイバー空間の公共空間化が加速し、スマートフォンによるインターネット利用増加とともに、サイバー犯罪も増えているという。

 フィッシングによる個人情報などの詐取、ウイルス感染、偽警告によるサポート詐欺の事例を挙げ「サポート詐欺で警告などが鳴ると、自分での対処は難しい。警告画面は直接電源を切るなどの措置が大事」と伝えた。

 協議で森阪剛士署長が昨年の管内概況を説明した。特殊詐欺は前年より2件多い4件で被害総額は約1010万円で、前年より約997万円増加。架空料金請求詐欺2件30万円、還付金詐欺1件約50万円、金融商品詐欺1件930万円だった。「金融機関やコンビニなどを連携した水際対策、高齢者への被害防止を呼びかけたい」と述べた。

 交通事故は317件で前年より24件増加。物損事故308件、人身事故9件、死者はなかった。車両単独の自損事故が5割、国道42号での事故が2割を占めた。署では、運転者の緊張感の保持のため「見せる交通指導取り締まり」を強化し、交通安全教室、広報啓発活動を継続するという。

 ドメスティックバイオレンス(DV)6件、ストーカー4件、児童虐待15人、高齢者虐待2件あり、児童虐待が前年より10人増加した。少年補導は4件増え8件だった。刑法犯認知件数は59件で、検挙数は51件。窃盗犯が6割以上を占めた。

(2024年2月21日付紙面より)

サポート詐欺を体験する委員=19日、紀宝警察署
2024年02月21日
61 天皇陛下からの御下賜金  社会福祉法人いなほ福祉会  (那智勝浦町 )
2024年02月21日
62 地域の無病息災など願い  王子神社で春の例大祭  (新宮市 )
2024年02月21日
63 平家物語と熊野、ひもとく  東大人文・若手国際フォーラム  (新宮市 )
2024年02月21日
64 1万人超来場でにぎわい  4年ぶり「南の国の雪まつり」  (那智勝浦町 )
2024年02月21日
65 地内隆盛と火盗守護願う  古座神社で愛宕権現例祭  (串本町 )
2024年02月21日
66 避難所運営の発想など体験 西向中親子レクで防災学習 (串本町)
2024年02月21日
67 周産期救急の現状学ぶ  7消防本部の職員60人  (熊野市 )
2024年02月21日
68 クマノザクラが開花か  粉白の国道42号沿い  (那智勝浦町 )
2024年02月21日
69 児童が宝探しに挑戦  中高生運営のイベント  (那智勝浦町 )
2024年02月18日
70 「銀河」見学会が盛況
 特別列車の魅力を楽しむ  

 JR西日本が運行する観光長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の車両見学会が17日、JR新宮駅の構内であった。親子連れなど約300人が参加。特別列車の魅力を体感した。

 「WEST EXPRESS 銀河受入協議会」とJR西日本の主催。銀河は、観光を中心とした西日本エリアの活性化を目指し、紀南の京都―新宮間のほか、山陰、山陽などの方面で運行している。

 ▽銀河の車内見学▽子ども制服着用体験▽車内での銀河グッズ、地元産品の販売▽新宮駅係員特製の銀河塗り絵▽9店舗参加のマルシェイベント―などの企画が用意されていた。車内見学では、参加者が興味深そうに、座席や客室などを眺めていた。制服体験では、子どもらが制服を着込んでポーズをとり、保護者が撮影して楽しんでいた。

 市内から両親と共に訪れた、市川瑠菜さん(5)と進一郎君(3)は「列車は好き。塗り絵が楽しかった」と話した。

 同協議会の津越紀宏事務局長は「多くの人に紀南にお越しいただきありがたい。見学会は、普段列車に乗らない人も来てもらい体験してもらえる機会。次は乗ってもらえると期待したい。世界遺産の登録20周年を迎えることもあるので、銀河には来年度も来てもらえるとありがたい」。

 新宮駅の道本隆文駅長は「普段フェンス沿いで、子どもが銀河に手を振って見ている様子をよく見かける。今回のイベントで紀南を盛り上げ、楽しんでもらってありがたい。子どもらの笑顔が一番うれしい。来年度もぜひ、銀河に来てもらえたら」と語った。

(2024年2月18日付紙面より)

銀河の車内見学を楽しむ子どもら=17日、JR新宮駅構内
子どもの制服着用体験もあった
9店舗が参加したマルシェイベントも活況を呈した
2024年02月18日
71 能登半島地震の被災地知る
 那智中学校で防災講話  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立那智中学校(寺地琢也校長)で16日、防災講話があった。リエゾン(情報連絡員)として石川県能登町災害対策本部に派遣されていた那智勝浦町防災対策室の柴田通仁さんが現地の状態を語り、3年生45人が今後の災害への備えについて考えた。

 生徒たちの関心が高い能登半島地震について、具体的な被災地の状況を聞くことで災害を追体験し、家族と共に防災に生かしてもらおうと急きょ企画した。

 柴田さんは石川県能登町について「本当に那智勝浦町の環境と重なるところが多い」と言及。「『防災』は現在から災害発生までに、自宅の耐震補強や家具固定、備蓄品の準備などをしておくこと。『減災』は災害発生から復旧・復興までの期間に、これ以上被害を広げないようにすること。石川県は『減災』の期間にある」と説明した。

 現地の写真を見せつつ「学校の体育館は、避難所や救援物資の保管拠点、時には遺体安置所にもなる」とし、全国の自治体からの応援職員が避難所開設・運営などをサポートしている様子を見せた。

 生徒たちに向け「救援物資がまだ十分に行き渡らない中、拠点に届いた物資の仕分け中に『3日何にも食べていないので、今すぐ渡して』と言う人が現れたら、あなたはどうする?」と質問。生徒たちからは議論の末「平等に行き渡るよう、仕分けが終わるまで待ってもらう」「3日食べていないのは周りの人も一緒だと思う」などの回答があった。

 柴田さんは「発災後72時間、自衛隊などの救助機関は人命救助に専念するので、最低3日、できれば1週間は自助で生き抜かなければならない」と語り、生徒たちに備えを促した。

 岡﨑陽彩さん(15)は「お正月にずっとテレビで被災地の様子が流れていた。この地域でも、もしかしたらもっと大きな災害が起きるかもしれない。備蓄などの備えをしたい」と話していた。

(2024年2月18日付紙面より)

被災地派遣後の柴田通仁さんが講話=16日、那智勝浦町立那智中学校
2024年02月18日
72 「たくさんの文化に触れて」
 フランス出身の3人招き講話会  (矢渕中 )

 「ようこそ日本へ!」と題した人権講話会が15日、紀宝町立矢渕中学校(立嶋信雄校長)であり、1年生78人がフランス出身の3人から日本の生活や魅力などを聞いた。来日32年のティエリ・ルガールさんは「みんなもいろんな国に出て、たくさんの文化や考え方に触れてほしい。本当の幸せは心の中にある。人生は1回だけ。好きなことを楽しんで幸せになって」と伝えた。

 日本で暮らす外国人への理解を深め、相手の立場に立つ想像力と技能を身に付けることが狙い。ティエリさんと、来日10年目のジョラン・フェレリさん、8年目のセドリック・ルタールさんが訪問した。

 骨董(こっとう)品が好きだというセドリックさんは「古いものは皆さんの歴史。捨てるのはもったいない。空き家は宝物」と語り「言葉が分からなくてつらかったけど、今は帰りたくない。皆さんも今学んでいる英語を頑張って」とエールを送った。

 ジョランさんは山仕事が好きで、24歳で十津川村に移住。「山で遊べる場所を」との思いから「空中の村」をオープンした。「日本は驚きの連続。毎日、新しい発見がいっぱい。支えてくれた日本に恩返ししたい」と話した。

 新宮で合気道と出合い、家族と共に生涯日本に住むと話したティエリさん。「日本が好きだけど、日本国籍の取得は難しい」と苦労を挙げた上で「フランス人もない、日本人もない。みんな地球人。自由に行き来できれば最高だね」と語った。ピアノ演奏も披露し、生徒たちが聞き入っていた。

 生徒たちは2カ月半あるフランスの夏休みに驚き、「フランスの生徒は休みの日に何をしていますか?」などと質問。3人はサマーキャンプなどを紹介し「よく休んで自分の時間をつくってほしい」と呼びかけた。

(2024年2月18日付紙面より)

日本での生活を紹介するフランス出身の3人=15日、紀宝町立矢渕中学校
暮らしや文化などを聞く1年生
2024年02月18日
73 100㌧の雪山を設営
 18日の「雪まつり」前に  (那智勝浦町 )

 4年ぶりの第26回商工祭「南の国の雪まつり」(18日)を前にした17日、メイン会場の那智勝浦町役場駐車場に約100㌧の雪が到着した=写真。長野県白馬村から大型トラック8台で運ばれ、重機で雪山が設営された。

 南国の子どもたちに雪と触れ合う機会をつくろうと1986(昭和61)年に始まった企画。18日は午前8時30分から雪山を開放。歩行者天国となった役場周辺では「熊野朝市」や各種物産展が開かれ、9時30分からステージイベントが始まる。雨天決行。会場周辺に駐車場がないため、主催者は那智漁港からのシャトルバスや公共交通機関の利用を呼びかけている。

(2024年2月18日付紙面より)


2024年02月18日
74 6人が後期入試に臨む  近大附属新宮高校・中学校  
2024年02月18日
75 町職員が能登町支援へ  18日から給水支援活動  (那智勝浦町 )
2024年02月18日
76 「治山や砂防の推進を」  熊野川の治水対策協議会  
2024年02月18日
77 太地町出身・土長けいさん、日展で入選  3月24日まで神戸で展示  
2024年02月18日
78 釈迦の遺徳をしのぶ  松巌院で「涅槃会」法要  (新宮仏教会 )
2024年02月18日
79 手形足形アートで思い出  子育てサロン「ふれんZOO」  (紀宝町 )
2024年02月18日
80 歌や踊り、元気いっぱいに  うどの幼稚園が発表会  (紀宝町 )
2024年02月18日
81 檜作和香さんの作品、特選に  初の快挙、県代表で近畿大会へ  (紀南高 )
2024年02月18日
82 お悔やみ情報
  
2024年02月07日
83 心身清め御燈祭りへ
 上がり子有志が波受ける  (王子ヶ浜で「海中みそぎ」 )

 新宮市の神倉神社で6日夜に営まれる「御燈祭(おとうまつ)り」に向け、上(あ)がり子有志5人が同日午前7時ごろ、市内の王子ヶ浜で古式にのっとった「海中みそぎ」に臨んだ。コロナ禍に伴う中断を経ての再開となる。上がり子らは水平線から昇る朝日に向かって一心に祈り、心身を清めた。

 海中みそぎは同市下本町の自営業、水野晴夫さん(73)らが中心となって始めて30年以上になる。同日正午ごろにも行われている。

 白ふんどしに着替えた上がり子たちは、砂利浜に設けられた祭壇を前に、神倉神社に向かって遥拝(ようはい)。準備運動を兼ねた神事「鳥船(とりふね)」の後、海に入り、神職の福井鉄(まかね)さん(64)の祝詞の下、水平線に向かって手を合わせた。

 水野さんはみそぎを始めたきっかけを「かつて御燈祭りが、酒を飲み暴れるけんか祭りのイメージで語られていた。もっと大切にしようと、昔の人々が個人でやっていたみそぎを復活し、ただのけんか祭りではないことを知ってもらおうと始めた」と明かす。

 4年ぶりに上がり子が参加できることに歓喜する。一方で「コロナ禍に伴う中断の間にみそぎに来られなくなった人もいる」と肩を落とす。

 昨今のロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの衝突、能登半島地震など、不幸続きに心を痛めていると説明。「今日は世界の平和と平穏無事を祈願したい。自分のことは浮かんでこなかった」と心境を語った。

 新宮市千穂の西浦昭好さん(56)は「みそぎには毎回参加している。今日は上がり子としては4年ぶりということもあり、すがすがしく気持ち良かった。風もなく、海水温も高い日だった。今日は自分の健康と、家族の健康を祈願したい。健康が第一」と述べた。

(2024年2月7日付紙面より)

心身を清め朝日に祈る上がり子ら=6日、新宮市の王子ヶ浜
2024年02月07日
84 英語音声で津波警報など
 防災行政無線で体制整備  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は、防災行政無線で津波に関する緊急情報(大津波警報、津波警報、津波注意報)を発出する際に、日本語に続けて、英語の音声放送を行うよう体制を整備した。新宮・東牟婁郡内では初の試み。

 外国人観光客や宿泊客が多い同町では、かねて緊急情報を多言語化する必要性を認識していたが、全国瞬時警報システム(Jアラート)による音声放送は日本語のみ。緊急性の高い津波災害を対象に始めた。

 町内放送を行う際には、Jアラートのサイレン・日本語放送直後に、町が手動で英語音声(録音)を流す。町役場に設置される防災対策本部や、2022年に高台移転した町消防・防災センターが放送の役目を担う。

 堀順一郎町長は「現状は英語のみだが、TSUNAMI(ツナミ)は世界共通語のため、多くの外国人の方に認識していただけるのでは」と話す。

 同町では観光庁監修の訪日外国人旅行者向け災害時情報提供アプリ「Safety tips」の普及にも取り組んでいる。緊急地震速報、津波警報、気象特別警報、避難勧告などをプッシュ型で通知でき、14カ国語に対応。町の観光案内所で外国人観光客にチラシを配布している他、観光事業者向けの防災研修でも周知。引き続き外国人観光客や町内在住の海外出身者の安全確保へ積極的に取り組んでいく姿勢を見せている。

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■英語の放送

【大津波警報・津波警報】

Tsunami Warning! Tsunami Warning!

Evacuate immediately to High place.

(津波警報!津波警報!直ちに高台に避難してください。)

【津波注意報】

Tsunami Advisory issued. Leave coastal regions.

(津波注意報が出されました。沿岸地域を離れてください。)

(2024年2月7日付紙面より)

(写真はイメージ)
2024年02月07日
85 警察と共に治安向上を図る
 串本けいさつ友の会フェス  (串本町 )

 串本町文化センターで3日、イベント「串本けいさつ友の会フェス」があり約400人(主催者発表)が演奏会や講演、寸劇や体験などを通して警察と共に地域の治安向上を図る機会を得た。

 このイベントは、新宮警察署(井田昌樹署長)と串本地区警察官友の会(小森正剛会長)が主催。防犯や防災の意識を高め、ひいては地域の治安向上を図りつつ、住民と共に努める警察への理解を深める機会として計画し、来場者数把握のため事前予約制で来場を呼びかけた。

 内容の主軸は大ホールでのステージ企画で、主催者を代表して小森会長が同友の会の活動趣旨を伝え「われわれ住民が警察活動に対する理解を深めれば、治安や地域の発展、福祉の向上に貢献できる」と思いを掲げて来場を歓迎し、県警察音楽隊と県立串本古座高校吹奏楽部が合同演奏で開演を飾った。

 続く講演会では接遇講師として著名な平林都さんが「社会人としてのマナーとは」と題して登壇し、相手への気遣いの大切さを伝えた。寸劇では同校演劇部と同署署員が交流サイト(SNS)の危険な側面(ストーカー被害)、キャッシュカードのすり替え(預貯金詐欺)やパソコンのウイルス感染を装い電子マネーによる支払いを迫る(架空料金請求詐欺)など実際に発生している特殊詐欺事例を実演。部員の迫真の演技と署員のユーモアを交えた演技で緩急をつけながら、これら犯罪の被害に遭わないための発想を促した。

 終盤では県警察音楽隊が単独演奏を響かせ、井田署長があいさつを述べて締めくくった。ステージと並行して1階ロビーでは警察活動越しに見た被災を伝える災害写真パネル展があり、ステージ開演前などで鑑賞を集めた。駐車場では白バイやパトカーの乗車体験や県の地震体験車「ごりょう君」による大きな揺れの体験といった機会の提供もあった。

(2024年2月7日付紙面より)

ステージの開演を飾った県警察音楽隊と県立串本古座高校吹奏楽部の合同演奏=3日、串本町文化センター
新宮警察署(上)や県立串本古座高校演劇部による寸劇
2024年02月07日
86 「かがり御供」作る
 神事で供える特殊な餅  (御燈祭り )

 新宮市の熊野速玉大社双鶴殿で6日午前、4年ぶりに一般参加の上(あ)がり子を迎え斎行される夜の御燈祭(おとうまつ)りで神倉神社神殿に供える特別な餅「かがり御供(ごく)」作りが行われた。祭りで介釈(かいしゃく)を務める神倉青年団員らが、祭りで使用するヒノキの介釈棒で回りながら餅をついた。

 この日は団員をはじめ上野顯宮司、猪飼三雄・神倉神社奉賛会長ら約15人が参加。ふかしたもち米を石臼の中に入れ、8升分をついた。出来上がった餅は細長く伸ばしてはさみで約3㌢の正方形に切り、3枚に合わせてわらひもで十文字に縛り、男結びにしていった。

 神倉青年団の中山忠吏さんは「前日に降った雨の影響が心配でしたが、いい天気に恵まれて安心しています。御神火を頂く大松明(おおたいまつ)を持たせていただく立場として、しっかりと上がり子に火を届けていければ。みんながけがのないよう、祭りに奉仕していきたい」。

 上野宮司は「昨日は清めの雨をしっかり頂き、春を思わせる天候で当日を迎えることができてすがすがしい気持ち。うれしさと同時に緊張の面持ちで斎行していきたい」と話していた。

(2024年2月7日付紙面より)

介釈たちが力強く餅をついた=6日、新宮市の熊野速玉大社
「かがり御供」を作る関係者たち
2024年02月07日
87 第23回和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝
 11日、午前11時スタート  
2024年02月07日
88 新宮市や串本町から入賞  熊野大花火写真コンテスト  (13日まで展示 )
2024年02月07日
89 豆まきに笑顔広がる  かわりない会が節分行事  (紀宝町 )
2024年02月07日
90 今年一年の無病息災を祈願  各神社で「どんど焼き」  (紀宝町 )
2024年02月07日
91 初入賞目指して練習に励む  美し国三重市町対抗駅伝  (紀宝町チーム )
2024年02月07日
92 市職員4人が能登町へ  応急給水支援のため  (新宮市 )
2024年02月07日
93 当選者を抽選で選出  銀河の車両見学会  
2024年02月07日
94 企業コラボで商品開発  地域イベントで販売も  (新翔高校 )
2024年02月07日
95 親子参観でリズム運動  園児が元気な姿を披露  (わかば保育園 )
2024年02月07日
96 生け花展でノミネート  珠蒼の会に学んだ4人  
2024年02月07日
97 鹽竃神社で初午神事  浦神地区各所で餅まきも  (那智勝浦町 )
2024年02月07日
98 がんばろう。能登のみなさん  被災地に思いを寄せる  (しんぐう元気フェスタ'24 )
2024年02月07日
99 境内の的場で通し練習  弓頭2人の稽古大詰め  (水門祭に向け )
2024年02月07日
100 石畳覆う土砂崩しのける  和深雨島の古道再興着手  (熊野古道大辺路刈り開き隊 )